JP2000074634A - 高分子フィルムの厚み測定方法および測定装置 - Google Patents

高分子フィルムの厚み測定方法および測定装置

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JP2000074634A
JP2000074634A JP24395998A JP24395998A JP2000074634A JP 2000074634 A JP2000074634 A JP 2000074634A JP 24395998 A JP24395998 A JP 24395998A JP 24395998 A JP24395998 A JP 24395998A JP 2000074634 A JP2000074634 A JP 2000074634A
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light
polymer film
wavelength
thickness
optical fiber
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JP24395998A
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English (en)
Inventor
Kouji Tsuzukiyama
浩二 続山
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Mitsui Chemicals Inc
Grand Polymer Co Ltd
Tohcello Co Ltd
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Mitsui Chemicals Inc
Grand Polymer Co Ltd
Tohcello Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置自体を大型化せずに高速にスキャンを行
いながらも高分子フィルムの厚みを精度良く測定できる
とともに、長時間に渡って高分子フィルムの厚みを精度
良く測定できるようにすること。 【解決手段】 高分子フィルムの吸収波長帯にある波長
λ1と吸収波長帯の外にある波長λ2とを含む近赤外光
を出す投光用光ファイバ3Bと投光用光ファイバ3Bか
ら出る前記近赤外光を受ける受光用光ファイバ3Eとの
間に高分子フィルム3Cを配した状態で投光用光ファイ
バ3Bから高分子フィルム3Cに投光した場合に前記高
分子フィルム3Cを透過する前記近赤外光の透過率から
前記高分子フィルム3Cの厚みを測定する。そして、受
光用光ファイバ3Eが受光した光を光強度検出器7D,
7Eに導き、これらの光強度検出器7D,7Eによって
検出した前記波長λ1の光強度と前記波長λ2の光強度
との比を求めて、その比から高分子フィルムの厚みを算
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高分子フィルムの厚
み測定方法および測定装置に関し、詳しくはポリプロピ
レン、ポリエチレン等からなる高分子フィルムの厚みを
高分子フィルムに接触せずに測定する測定方法および測
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子フィルムは全面に亘って均一な厚
みであることが要求される。そこで、高分子フィルムの
製造では、一般にフィルム厚測定装置を高分子フィルム
製造装置に取り付け、この測定装置でフィルム厚を測定
しながら高分子フィルムを均一な厚みになるようにして
いる。また、高分子フィルムの厚み測定には高分子フィ
ルムに赤外線やβ線を透過し、そのときの透過率を測定
することで行う。
【0003】この技術では、高分子フィルムの幅方向に
おける厚み分布を測定するにあたり、赤外線光源または
β線源を収めた光源ヘッド部と、この光源ヘッド部から
出る赤外線またはβ線の高分子フィルムを透過する透過
強度を測定する検出器を有する検出器ヘッド部とを、高
分子フィルムの幅方向に同時に動かす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
高分子フィルムの厚みを均一にすることで高分子フィル
ムの品質を確保しつつ、より速い高分子フィルムの製造
を行うことが望まれている。
【0005】このため、高分子フィルムの厚み測定もそ
れに合わせて高速に行える技術が要求される。しかし、
従来の高分子フィルム測定装置では、光源ヘッド部と検
出器ヘッドが大きく重い。このため、それらを高速で動
かすには、高出力の駆動機構を用いなければならない。
しかし、高出力の駆動機構は概して大型であるから、装
置全体が大型化する。
【0006】また、高分子フィルムの厚み測定を高速に
行う他の方法として、検出器ヘッドを高分子フィルムの
幅方向に複数個並べ、かつそれらを固定した状態で行う
ことも考えられる。しかし、この方法では、フィルムの
幅方向における検出器ヘッド部の占める割合が大きくな
って、フィルムの幅方向における位置分解能が悪くな
る。そして、検出器ヘッドが複数であるから装置自体が
高額になる。
【0007】本発明は前記実情に鑑みて為されたもので
あって、装置の小型化を図れるとともに高分子フィルム
の厚み測定を長時間に亘って精度良く行えかつコストダ
ウンを図れる高分子フィルムの厚み測定方法および測定
装置を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の高分子フィルム
の厚み測定方法および測定装置は、前記実情に鑑みて為
されたものであって、以下の手段を採用した。 (1)本項に係わる高分子フィルム厚み測定方法は、高
分子フィルム3Cに照射した光の透過率Tから前記高分
子フィルム3Cの厚み測定を行う高分子フィルムの厚み
測定方法において、前記高分子フィルム3Cの吸収波長
帯にある波長λ1と前記吸収波長帯から外れてある波長
λ2とを含む近赤外光を投光用光ファイバ3Bで前記高
分子フィルム3Cに照射し、このときに前記高分子フィ
ルム3Cを透過する前記近赤外光を受光用光ファイバ3
Eで受光し、この受光用光ファイバ3Eが受光した前記
近赤外光に含まれる前記波長λ1および前記波長λ2の
各透過光の透過率T1およびT2を測定しかつこれら両
透過率T1およびT2の比を求め、この求めた比から前
記高分子フィルムの厚みを算出することを特徴とする。
【0009】本項の高分子フィルム厚み測定方法では、
高分子フィルム3Cの厚み測定を行うにあたり、近赤外
光を投光用光ファイバ3Bで前記高分子フィルム3Cに
照射し、このときに前記高分子フィルム3Cを透過する
前記近赤外光を受光用光ファイバ3Eで受光するように
なている。そして、光ファイバは軽量であるから投光用
光ファイバ3Bと受光用光ファイバ3Eとを高速に移動
できる。よって、高分子フィルム3Cの任意の位置での
厚み測定を連続的にかつ間欠的にすばやく測定できる。
また、軽量にできているので、長時間にわたっての高分
子フィルムの厚み測定も可能である。また、装置の小型
化を図れかつコストダウンを図れる。
【0010】(2)前記(1)項において、投光用光フ
ァイバ3Bの出射側端部3Hと前記受光用光ファイバ3
Eの入射側端部3Iとを前記高分子フィルム3Cの幅方
向に等速度で移動しながら前記高分子フィルム3Cの厚
みを測定することを特徴とする。
【0011】本項の高分子フィルム厚み測定方法では、
投光用光光ファイバBの出射側端部3Hと受光用光ファ
イバ3Eの入射側端部3Iとを高分子フィルム3Cの幅
方向に移動するので、高分子フィルム3Cの面上で直線
状に連続しながらあるいは断続しながら高分子フィルム
3Cの厚み測定ができる。
【0012】また、出射側端部3Hと入射側端部3Iと
は等速度で移動するので、測定誤差が生じることもな
い。さらに、高分子フィルムの製造段階で本項の発明を
適用することで次の効果を奏することもできる。つま
り、高分子フィルムの製造器から出てくる高分子フィル
ムをその長手方向に移動するように製造ラインを形成す
る。そして、この状態で、出射側端部3Hと入射側端部
3Iとが高分子フィルム3Cの幅方向に往復動するよう
にすれば、高分子フィルム3Cの流れと出射側端部3H
と入射側端部3Iの移動とが相俟って、高分子フィルム
の面上をジグザグ状に連続しながらあるいは断続しなが
ら高分子フィルム3Cの厚み測定をその全面に亘ってで
きる。そして、このようにして得た高分子フィルム3C
の厚み測定値を高分子フィルム3Cの製造にフィードバ
ックするで、高分子フィルム3Cの厚みをその全域おい
て均一に製造することが可能となる。 (3)前記(1)または(2)項において、前記投光用
光ファイバ3Bから出射した前記近赤外光を前記高分子
フィルム3Cに透過せずに前記受光用光ファイバ3Eに
直接導く場合の前記波長λ1の強度I10と前記波長λ2
の強度I20とを測定してこれらの測定値を初期強度と
し、前記投光用光ファイバ3Bから出る近赤外光を前記
高分子フィルム3Cに透過してから前記受光用光ファイ
バ3Eに入れる場合の前記波長λ1の透過光強度I1およ
び波長λ2の透過光強度I2をそれぞれ前記波長λ1の初
期強度I10,および前記波長λ2の初期強度I20で除して
得た値T1,T2に基づいて、前記高分子フィルム3Cの厚
みdを算出することを特徴とする。
【0013】本項の高分子フィルム厚み測定方法では、
高分子フィルム3Cを透過しない光の強度を初期強度と
し、高分子フィルム3Cを透過する光の強度を前記初期
強度で除することにより規格化するので測定用光源の発
光スペクトルの時間的変化があってもこれを補正でき
る。 (4)前記(1)または(2)項において、高分子フィ
ルム3Cを透過した前記近赤外光における波長λ1と波
長λ2の各透過光強度I1,I2を検出すると同時に、前記
高分子フィルム3Cを透過する前に分岐した前記近赤外
光における波長λ1と波長λ2の光強度I11,I21を初期
強度として検出し、透過光における波長λ1と波長λ2
の透過光強度の比を波長λ1と波長λ2の前記初期強度
の比で除することにより高分子フィルム3Cでの波長λ
1と波長λ2の透過率の比を求めて、その透過率の比か
ら高分子フィルムの厚みを算出するようにもできる。 (5)前記(1)項において、前記高分子フィルム3C
を透過して透過光となる前記近赤外光を、これが光強度
検出器7D,7Eに至る前に分岐する光束分岐手段7A
によって2つの光束L1,L2に分岐し、この分岐した
2つの光束L1およびL2をそれぞれ透過光スペクトル
の中心波長がλ1であるバンドパスフィルタ7Bおよび
中心波長がλ2であるバンドパスフィルタ7Cに透過さ
せ、そのときのそれぞれの光強度を前記光強度検出器7
D,7Eで検出するようにしてもよい。 (6)前記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、波長
λ1が1.69〜1.75μmで波長λ2が1.50〜
1.65μmであることが望ましい。
【0014】本項の高分子フィルム厚み測定方法では、
波長λ1とλ2とをこれらの範囲に設定することで低コ
ストの光ファイバを用いて精度のよい厚み測定ができ
る。 (7)本項の高分子フィルムの厚み測定装置は、高分子
フィルム3Cに照射した光の透過率から前記高分子フィ
ルム3Cの厚みを測定する高分子フィルムの厚み測定装
置Iにおいて、前記高分子フィルム3Cに照射する光を
出す光源3Aと、この光源3Aからの光を前記高分子フ
ィルム3Cに投光する投光用光ファイバ3Bと、前記高
分子フィルム3Cを透過した光を受ける受光用光ファイ
バ3Eと、この受光用光ファイバ3Eで受光した光のう
ち、前記高分子フィルム3Cの吸収波長帯にある波長λ
1および吸収波長帯の外にある波長λ2のそれぞれの透
過光強度を検出する光検出手段3Dと、前記波長λ1の
透過光強度と前記波長λ2の透過光強度とから前記高分
子フィルムの厚みを求める演算手段3Jとを有すること
を特徴とする。
【0015】本項の高分子フィルム厚み測定装置では、
高分子フィルム3Cの厚み測定を行うにあたり、近赤外
光を投光用光ファイバ3Bで前記高分子フィルム3Cに
照射し、このときに前記高分子フィルム3Cを透過する
前記近赤外光を受光用光ファイバ3Eで受光するように
なている。そして、光ファイバは軽量であるから投光用
光ファイバ3Bと受光用光ファイバ3Eとを高速に移動
できる。よって、高分子フィルム3Cの任意の位置での
厚み測定を連続的にかつ間欠的にすばやく測定できる。
また、軽量にできているので、長時間にわたっての高分
子フィルムの厚み測定も可能である。また、装置の小型
化を図れかつコストダウンを図れる。 (8)前記(7)項において、前記投光用光ファイバ3
Bのうち光の出る部分である出射端部3Hと前記受光用
光ファイバ3Eのうち光の入る部分である入射端部3I
とを前記高分子フィルム3Cの幅方向に等速度で移動す
る出入光端部移動機構とを有することを特徴とする。
【0016】本項の高分子フィルム厚み測定装置では、
投光用光光ファイバBの出射側端部3Hと受光用光ファ
イバ3Eの入射側端部3Iとを高分子フィルム3Cの幅
方向に移動するので、高分子フィルム3Cの面上で直線
状に連続しながらあるいは断続しながら高分子フィルム
3Cの厚み測定ができる。
【0017】また、出射側端部3Hと入射側端部3Iと
は等速度で移動するので、測定誤差が生じることもな
い。さらに、高分子フィルムの製造段階で本装置を適用
することで次の効果を奏することもできる。つまり、高
分子フィルムの製造器から出てくる高分子フィルムをそ
の長手方向に移動するように製造ラインを形成する。そ
して、この状態で、出射側端部3Hと入射側端部3Iと
が高分子フィルム3Cの幅方向に往復動するように本装
置を前記製造ラインに設置すれば、高分子フィルム3C
の流れと出射側端部3Hと入射側端部3Iの移動とが相
俟って、高分子フィルムの面上をジグザグ状に連続しな
がらあるいは断続しながら高分子フィルム3Cの厚み測
定をその全面に亘ってできる。そして、このようにして
得た高分子フィルム3Cの厚み測定値を高分子フィルム
3Cの製造にフィードバックするで、高分子フィルム3
Cの厚みをその全域おいて均一に製造することが可能と
なる。 (9)前記(8)項において、前記出入光端部移動機構
Iは、前記出射端部3Hと前記入射端部3Iとを前記高
分子フィルム3Cの幅寸法よりも移動し、前記出射端部
と前記入射端部とが前記高分子フィルムの幅からはずれ
た位置で、前記出射端部から出射した前記近赤外光を含
む光を直接受光用光ファイバの入射側端部で受光して、
その中に含まれる前記波長λ1とλ2の光強度を初期強
度としてそれぞれ測定し、前記波長λ1の透過強光度と
前記λ2の透過強光度および前記λ1の前記初期強度と
λ2の前記初期強度から高分子フィルムの厚みを算出す
る演算手段を備えたことを特徴とする。
【0018】本項の高分子フィルム厚み測定装置では、
高分子フィルム3Cを透過しない光の強度を初期強度と
し、高分子フィルム3Cを透過する光の強度を前記初期
強度で除することにより規格化するので測定用光源の発
光スペクトルの時間的変化があってもこれを補正でき
る。 (10)前記(7)または(8)項において、測定光源
3Aから出射した近赤外光を含む前記光を前記投光用光
ファイバ3Bの手前で分岐し、この分岐した光に含まれ
る前記波長λ1とλ2の光強度I11,I21を初期強度とし
てそれぞれ測定し、前記波長λ1の透過強光強度I1と前
記λ2の透過強光強度I2および前記λ1の前記初期強度
I11とλ2の前記初期強度I21とから高分子フィルム3C
の厚みdを算出する演算手段3Jを備えるようにするこ
とが好適である。 (11)前記(7)から(10)のいずれかにおいて、
前記波長λ1が1.69〜1.75μmで、波長λ2が
1.50〜1.65μmであることを特徴とする。
【0019】本項の高分子フィルム厚み測定方法では、
波長λ1とλ2とをこれらの範囲に設定することで低コ
ストの光ファイバを用いて精度のよい厚み測定ができる
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる高分子フィ
ルムの厚み測定方法および測定装置を添付した図面に基
づいて説明する。
【0021】図1のグラフは、近赤外光領域における高
分子フィルムの波長に対する透過スペクトル(透過率)
を示しており、横軸が高分子フィルムの波長を示し、縦
軸が透過スペクトル(透過率)を示す。
【0022】測定試料として用いた高分子フィルムは、
ポリプロピレンであり、その厚みは約200μmであ
る。また、近赤外光は、高分子フィルムの吸収波長帯に
ある波長λ1:1.72μmの光と、吸収波長帯の外に
ある波長λ2:1.60μmの光とを含む。なお、波長
λ1は1.69〜1.75μmの範囲に、また、波長λ
2は1.50〜1.65μmの範囲にあればよい。
【0023】図1から波長λ1が高分子フィルムの吸収
波長帯にあることがわかる。吸収ピークは、高分子フィ
ルムにおけるC−H伸縮振動の2次に対応すると言われ
ている。そして、波長λ1の近赤外光の吸収率A1を測
定し、その測定値を次の(1)式に当てはめることで、
高分子フィルムの厚みdを算出する。
【0024】 d=C1・ln(1−A1)・・・・・・・(1)式 但し、C1は定数である。通常、吸収率は透過率の測定に
より求められる。そして、高分子フイルムを光が透過し
た時の透過損失が高分子フィルムによる光の吸収だけに
よるものであるならば、この時の透過率をTとし吸収率
をAとすると、両者の関係は次の(2)式で示される。
【0025】 T=1−A・・・・・・・・・・・・・・・(2)式 (2)式を(1)式に代入することで、高分子フィルム
の厚みdを得られる。しかし、一般に透過損失が高分子
フィルムによる光の吸収のみに起因することは無く、空
気と高分子フイルムとの界面での反射および高分子フィ
ルムでの散乱等による透過損失がある。つまり、空気と
高分子フィルム界面での反射率をRとし、高分子フイル
ムでの光の散乱率をSとすると、実際の高分子フィルム
での光の透過率Tは、一般に次の(3)式のように表せ
る。
【0026】 T=(1−R)2(1−S)(1−A)・・・・(3)式 この式より、波長λがλ1の場合の近赤外光の透過率T
をT1とすれば、このT1を測定するだけでは、波長λ
1の近赤外光の吸収率Aを求めるには、(3)式におけ
るSとRとが依然不明であるから、十分でないことがわ
かる。
【0027】ところで、光の波長が近い場合には前記反
射率Rおよび前記散乱率Sはほぼ等しいと考えられる。
一方、図1において、前記吸収波長帯λ1:1.72μ
mに近い波長λ2:1.60μmでは明瞭な吸収ピーク
を認められない。このため、この波長での吸収率はほぼ
0であると言える。よって波長λ1の近赤外光の透過率
T1と波長λ2の近赤外光の透過率T2を測定すれば、
次式(4)式の通り、波長λ1における吸収率を得られ
る。 T1/T2=(1−R1)2(1−S1)(1−A1)/(1−R2)2(1−S2)
【0028】 =1−A1・・・・・・・(4)式 但し、 T1:波長λ1の光の透過率 T2:波長λ2の光の透過率 R1:空気と高分子フイルム界面における波長λ1の光の
反射率 R2:空気と高分子フイルム界面における波長λ2の光の
反射率 S1:高分子フイルムにおける波長λ1の光の散乱率 S2:高分子フィルムにおける波長λ2の光の散乱率 A1:高分子フイルムにおける波長λ1の光の吸収率 高分子フィルムでの光の散乱率Sの中には、フィルム表
面の凹凸による光の散乱も含まれるので、このようにλ
1とλ2の2つの波長の透過率の比を使うことにより、
フィルム表面の凹凸による光の散乱のために透過率が変
化する場合も精度よくフィルム厚みを得ることが可能と
なる。
【0029】図2は各種厚みのポリプロピレンを用意
し、それら厚みの異なる複数のポリプロピレンについて
透過スペクトル比(T1/T2)を測定し、この測定した透
過スペクトル比(T1/T2)をポリプロピレンの厚みに対
してプロットしたものである。この図2からわかるよう
に、透過スペクトル比の対数とポリプロピレンの厚みと
は、直線関係にある。よって、次の(5)式に従ってポ
リプロピレンの厚みdを算出できる。
【0030】 d=C1・ln(T1/T2)・・・・・・・・・・・・・・(5)式 但し、C1は定数である。本実施の形態では、図3に示す
ように、測定用光源3Aと、この光源3Aの光をそこか
ら測定対象である高分子フィルム3Cに導く投光用光フ
ァイバ3Bと、投光用光ファイバ3Bと対向し投光用光
ファイバ3Bとの間で高分子フィルム3Cを挟んだ状態
でかつ高分子フィルム3Cからの透過光の光強度を検出
し、この検出した光強度を電気信号に変換する光強度検
出器ユニット3Dと、この光強度検出器ユニット3Dに
前記検出した光強度を導く受光用光ファイバ3Eと、光
強度検出器ユニット3Dで得た光強度に比例する電気信
号を入力部3Kに入力し、この入力した電気信号から高
分子フィルム3Cの厚みを演算部3Mで計算し、演算部
3Mで計算した計算結果を出力部3Nで出力する演算装
置3Jとを使用する。尚、図3にある他の符号の意味す
るところは以下に順次述べる。
【0031】光ファイバは、波長がλ1およびλ2の光
を透過するものであれば良く、一般に石英ガラスファイ
バを使用する。これらの光は、波長が2μm以下の近赤
外光であるから、光通信等で広く使用する光ファイバと
同じである。したがって、波長3μm以上の赤外光を使
って測定する方法に比べて一般的であって安価であるの
でコストダウンを図れる。
【0032】また、図3に示すように、投光用光ファイ
バ3Bの光出射側先端および/または受光用光ファイバ
3Eの受光用光ファイバの受光側先端にそれぞれ集光レ
ンズ3Fおよび3Gを付けることもできる。このように
することで光の利用効率を高められる。図4にそのよう
な光ファイバ4Aおよびレンズ4Bをレンズホルダー4
Cに取り付けた具体的な一例を示す。
【0033】このように光ファイバをレンズとともにレ
ンズホルダーに取り付けて使用することによって、いわ
ゆるスキャン測定時に動かす部品の重量を軽くできるの
で、汎用の直動システムを使って容易に高速スキャンを
行える。その場合の比較例として、図5および図6に、
従来の赤外線およびβ線を使った厚み測定装置の検出器
ヘッド部の概略図を示す。図5および図6に示す従来技
術は周知のものであるから、ここでは図面に付した符号
の説明に止め、詳しい説明を省略するが、いずれにしろ
装置が大がかりなものであることは明らかである。
【0034】A:赤外線検出器 B:検出器ヘッド C:レンズ D:高分子フィルム E:波長選択フィルタ F:モータ G:赤外線光源 H:光源ヘッド I:検出器 J:電離箱 K:線源ヘッド L:β線源 次に、透過光強度を測定することで高分子フィルム3C
の厚みを計算し、計算の結果得られた高分子フィルム3
Cの厚み値を出す方法について具体的に説明する。
【0035】図3で示した投光用光ファイバ3Bの出射
側端部3Hと受光用光ファイバ3Eの入射側端部3Iと
の間に高分子フイルム3Cを挟まない時の光強度検出器
ユニット3Dの波長λ1の光強度I10および波長λ2の
光強度I20をそれぞれ電気信号V10およびV20に変換し、
次に投光用光ファイバ3Bの出射側端部3Hと受光用光
ファイバ3Eの入射側端部3Iとの間に高分子フィルム
3Cを挟んだ時に光強度検出器ユニット3Dの波長λ1
の透過光強度I1および波長λ2の透過光強度I2をそれぞ
れ電気信号V1およびV2に変換するものとする。この時、
λ1およびλ2の光の高分子フイルム3Cでのそれぞれ
の透過率T1およびT2は、光強度検出器ユニット3Dで得
た電気信号を用いて、それぞれ次の(6)式および
(7)式を用いて表せる。
【0036】 T1=I1/I10=V1/V10・・・・・・・・・・・・・・(6)式 T2=I2/I20=V2/V20・・・・・・・・・・・・・・(7)式 これらの式(6)および(7)から得たT1およびT2を前
記(5)式へ代入することで、次式(8)のように高分
子フイルムの厚みdを光強度検出器ユニット3Dで得た
電気信号V1,V2,V10およびV20を用いて表せる。
【0037】 d=C1・ln[(V1/V10)/(V2/V20)]・・・・・(8)式 演算装置3Jでは、まず、高分子フィルム3Cの厚み測
定を行う以前に、投光用光ファイバ3Bの出射側端部3
Hと受光用光ファイバ3Eの入射側端部3Iとの間に高
分子フィルム3Cを挟まない場合に光強度検出器ユニッ
ト3Dで直接得た電気信号V10およびV20の値を初期強度
としてこれらを初期強度格納部3Lに格納する。
【0038】次に、投光用光ファイバ3Bの出射側端部
3Hと受光用光ファイバ3Eの入射側端部3Iとの間に
高分子フィルム3Cを挟んだ場合に光強度検出器ユニッ
ト3Dで得た電気信号V1およびV2の値および先に初期強
度格納部部3Lに格納した電気信号値V10およびV20を用
いて演算部3Mにおいて前記(8)式に従って高分子フ
ィルム3Cの厚みdを計算する。演算部3Mで計算した
高分子フィルム3Cの厚みdは、出力部3Nで出力す
る。
【0039】ところで、高分子フィルム3Cについての
長時間の厚み測定においては、フィルム製造工程の厚み
モニターとして測定精度は一定でなければならない。ま
た、測定値の誤差要因として、測定用光源のスペクトル
の形が変化することを挙げられる。つまり、投光用光フ
ァイバ3Bの出射側端部3Hと受光用光ファイバ3Eの
入射側端部3Iとの間に高分子フィルム3Cを挟まない
時に光強度検出器ユニット3Dで得た電気信号V10とV20
の比が時間とともに変化すれば、演算装置3Jの初期強
度格納部3Lに格納した電気信号V10およびV20を使って
前記(8)式により計算した高分子フィルム3Cの厚み
dの値が正しくないものであることは明白である。
【0040】図7は、波長λ1および波長λ2のそれぞ
れの光強度の連続測定を行った場合の結果を示す。図7
から2つの波長の強度の比が実際に変化していることが
わかる。波長λ1および波長λ2をそれぞれ実線および
破線で示す。
【0041】この測定用光源のスペクトルの形が変化す
ることに起因する厚み測定値の誤差を低減するために、
本発明では次の2つの方法のいずれかを採用する。まず
第1の方法を図8を参照して説明する。
【0042】第1の方法は、投光用光ファイバ3Bの出
射側端部3Hとこの出射側端部3Hに対向する受光用光
ファイバ3Eの入射側端部3Iとをそのままの対向状態
で高分子フィルム3Cの幅方向にこの幅寸法よりも長い
距離14Gを移動するスキャン機構I’を用いる。
【0043】スキャン機構I’は、投光用光ファイバ3
Bの出射側端部3Hと受光用光ファイバ3Eの入射側端
部3Iとが、ボールネジ14E’,14E”の回転によ
って直動ガイド14F’および14F”上を等速度で移
動する。この移動ができるように駆動源である回転機構
14Bのギヤ14Cが回転すると、ギヤ14Cと螺合す
る、ボールネジ14E’および14E”の各一端にそれ
ぞれ取り付けたギヤ14D’および14D”が回る。
【0044】その結果、ボールネジ14E’,14E”
の回転に伴って、投光用光ファイバ3Bの出射側端部3
Hおよび受光用光ファイバ3Eの入射側端部3Iが、高
分子フィルム3Cの幅方向に移動し、これによって高分
子フィルム3Cをスキャンする。また、前記出射端部3
Hから出射した前記近赤外光を含む光を前記入射側端部
3Iで受光し、その中に含まれる前記波長λ1とλ2の
光強度を初期強度としてそれぞれ測定する。この初期強
度の測定は、出射端部3Hと入射端部3Iとが高分子フ
ィルム3Cの幅からはずれた位置で行う。これにより高
分子フィルム3Cを透過しない場合の波長λ1とλ2の
光強度を測定する。なお、図8中、符号3Jは、前記演
算装置を意味する。
【0045】また、スキャンのしかたはここで説明した
方式に限られず、一般に知られている方式で十分であ
る。このスキャン機構I’を用いる方法にあっては、高
分子フィルム3Cをスキャンするに必要な少なくとも一
往復に要する時間を、光源3Aのスペクトル形状の変化
に起因して誤差を生じるに要する時間より短く設定す
る。また、投光用光ファイバ3Bの出射側端部3Hと受
光用光ファイバ3Eの入射側端部3Iとが高分子フィル
ム3Cを挟まない状態での透過光14Aの強度に比例す
る電気信号V10およびV20を光源3Aのスペクトル形状の
変化に起因する誤差が生じる時間より短い時間間隔で光
強度検出器ユニット3Dによって測定する。この時の透
過光強度に比例する電気信号V10およびV20の値を演算装
置3Jの初期強度格納部3Lに格納する。
【0046】このように、演算装置3Jで使用する投光
用光ファイバ3Bの出射側端部3Hと受光用光ファイバ
3Eの入射側端部3Iとの間に高分子フイルム3Cを挟
まない時に光強度検出器ユニット3Dで得た電気信号V1
0およびV20の値を定期的に更新することで、測定用光源
のスペクトルの形が変化することに起因する厚み測定値
の誤差を低減できる。
【0047】上記説明より、スキャン機構I’は、高分
子フィルムの厚み測定装置であるとともに、出入光端部
移動機構ともいえる。次に第2の方法を図9を参照して
説明する。
【0048】第2の方法は、高分子フィルム3Cを透過
する波長λ1および波長λ2の透過光強度(I1,I2)を
これと同時に測定した測定用光源3Aにおける波長λ1
および波長λ2の光強度(I11,I21)で割り算すること
で高分子フィルム3Cの厚みを計算する方法である。
【0049】詳述する。光源3Aからの光を光分岐手段
13Cにより2つの光に分岐する。分岐した光のうちの
一方の光は高分子フィルム3Cの厚み測定用として用い
る。この厚み測定用の光は、光ファイバ3Bに導かれて
高分子フイルム3Cに至り、その後、高分子フイルム3
Cを透過する。この透過光は受光用光ファイバ3Eを経
由して光強度検出器ユニット3Dに至り、そこで透過光
強度に比例した電気信号に変わる。すなわち、高分子フ
イルム3Cを透過する時の光強度検出器ユニット3Dの
波長λ1の光強度I1および波長λ2の光強度I2をそれぞ
れ電気信号V1およびV2に変換する。
【0050】また、分岐光のうちの他方の光は、光ファ
イバ13Bを経由して光強度検出器ユニット13Aに至
り、そこで光源3Aの光強度に比例した電気信号に変わ
る。光強度検出器ユニット13Aで変換した光源の波長
λ1および波長λ2の光強度I11,I21に比例する電気信
号をそれぞれV11およびV21とすれば、これらの値V11お
よびV21は、投光用光ファイバ3Bの出射側端部3Hと
受光用光ファイバ3Eの入射側端部3Iとの間に高分子
フィルム3Cを挟まない時に光強度検出器ユニット3D
で得られる電気信号V10およびV20の値と比例関係にある
と考えることができる。
【0051】つまり、V10,V11およびV20,V21は、それ
ぞれ次の(9)式および(10)式の関係にある。 V10=C21・V11・・・・・・・・・・・・・・(9)式 V20=C22・V21・・・・・・・・・・・・・・(10)式 ここで、C21およびC22は比例定数である。
【0052】また、(9)式および(10)式を(8)
式に代入すれば、高分子フィルムの厚みは以下の様に表
せる。 d=C1・ln[(V1/V11)/(V2/V21)]+C1・ln(C22/C21)・・(11) 式V1/V11およびV2/V21は、それぞれ高分子フィルム3
Cでの波長λ1の近赤外光の透過率T1と波長λ2の近
赤外光の透過率T2に比例するものである。よって、
(V1/V11)/(V2/V21)は、高分子フィルム3Cでの
波長λ1と波長λ2の透過率の比に比例する量となる。
【0053】前記比例定数C21およびC22は装置ごとに定
まる定数(「装置定数」)である。よって、投光用光フ
ァイバ3Bの出射側端部3Hと受光用光ファイバ3Eの
入射側端部3Iとの間に高分子フィルム3Cを挟まない
時に光強度検出器ユニット3Dおよび13Aで波長λ1
およびλ2の光強度I10,I20に比例した電気信号V10,V
20および光強度検出器ユニット13Aで変換した光源の
波長λ1および波長λ2の光強度I11,I21に比例する電
気信号V11,V21を測定開始前に一度測定しておく。ま
た、これらを演算装置3Jの初期強度格納部3Lに格納
し、演算部3Mによって(11)式に従って高分子フイ
ルム3Cの厚みを計算する時に(9)式および(10)
式を使って装置定数C21およびC22を計算する。
【0054】なお、装置定数C21およびC22を演算装置3
Jの初期強度格納部3Lに格納しても良い。次に、図1
0は、測定用光源での2つの波長λ1およびλ2におけ
る光強度を測定しない場合の誤差と測定する場合の誤差
との関係をプロットしたものである。
【0055】測定用光源での2つの波長λ1およびλ2
における光強度を測定することで、光源スペクトル形状
の変化に起因する誤差を低減できることがわかる。次
に、図11を用いて、前記した光強度検出器ユニット3
Dによって波長λ1およびλ2の光の透過率を測定する
方法について説明する。
【0056】光強度検出器ユニット3Dは、少なくと
も、光束分岐手段としてのハーフミラー7Aと、透過光
スペクトルの中心波長がλ1のバンドパスフィルタ7B
と、同じく中心波長がλ2のバンドパスフィルタ7C
と、バンドパスフィルタ7Bの波長における光強度およ
びバンドパスフィルタ7Cの波長における光強度をそれ
ぞれ検出する光検出手段としての光強度検出器7Dおよ
び7Eとからなる。
【0057】そして、この光強度検出器ユニット3Dの
ハーフミラー7Aに向けて受光用光ファイバ3Eから光
Lを出射する。すると受光用光ファイバ3Eによって光
強度検出器ユニット3Dに導かれた光(光束)Lは、光
束分岐手段であるハーフミラー7Aで分岐光L1とL2
とに分かれる。分岐光L1とL2のうちの一方の分岐光
L1は、中心波長λ1のバンドパスフイルター7Bを透
過した後、光強度検出器7Dによって光強度が検出され
る。また他方の分岐光L2は、中心波長λ2のバンドパ
スフィルタ7Cを透過した後、光強度検出器7Eによっ
て光強度が検出される。
【0058】このように、光ファイバを用いた光学系の
使用と、光束を2つに分岐する光強度検出器ユニットの
使用とにより、光軸ずれによる誤差を抑えられる。ここ
で光軸ずれとは光軸が一定しないことをいう。すなわち
投光用光ファイバ3Bから出た光束中心が、受光側光ヘ
ッドに対して相対的に変位することをいう。光軸ずれ
は、機械精度を無限に小さくすることが不可能であるた
め、一般に投光部と受光部とを動かす場合に生じる。な
お、投光部と受光部とを動かさない場合でも振動等によ
って生じる。
【0059】図12は本発明の高分子フィルム厚み測定
方法において、光軸ずれ量と厚み測定誤差との関係を測
定した結果である。図12から本発明の高分子フィルム
厚み測定方法によれば±1mmの光軸ずれでも測定誤差
は0.2%以下の十分な精度であることがわかる。つま
り、投光側ヘッドおよび受光側ヘッドを別々の駆動系を
用いてスキャンさせることも可能である。この場合、投
光側ヘッドおよび受光側ヘッドを一体化して動かす場合
よりも軽量化でき、スキャン測定を容易に高速化でき
る。 (変形例1)前記した光強度検出器ユニット3Dでは、
光の利用効率を高めるために、集光レンズ7F,7G,
7Hを使うのが好ましい。集光レンズを使った場合の光
強度検出器ユニットを符号3D1を用いて図13に示
す。 (変形例2)また、図14に示すように、2つに分岐し
た光の光路の一方を全反射ミラー7Iを使って曲げても
構わない。この場合の光強度検出器ユニットを符号3D
2を用いて示す。
【0060】
【発明の効果】本発明に係わる高分子フィルムの厚み測
定方法および装置では、高速にスキャンを行いながら高
分子フィルムの厚みを精度良く測定できる。さらに、長
時間に渡って高分子フィルムの厚みを精度良く測定でき
る。また、装置の小型化を図れかつコストダウンを図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】近赤外光領域における高分子フィルムの波長に
対する透過スペクトルを示すグラフ図
【図2】高分子フィルムの透過スペクトル比と厚みとの
関係の一例を示す図
【図3】本発明に係わる高分子フィルムの測定方法を示
す図
【図4】光ファイバおよびレンズをレンズホルダーへ取
り付けた一例を示す図
【図5】従来の赤外線を使ったフィルム厚み測定装置の
一例を示す図
【図6】従来のβ線を使ったフィルム厚み測定装置の一
例を示す図
【図7】光源の光強度の連続測定を行った場合の結果を
示す図
【図8】本発明に係る測定装置の例を示す図
【図9】高分子フィルムからの透過光と光源での光強度
を同時に測定する場合の測定方法の一例を示す図
【図10】測定用光源での2つの波長での光強度を測定
しない場合の誤差と測定する場合の誤差との関係を示す
【図11】本発明に係わる光強度検出器ユニットの構成
【図12】本発明に係わる高分子フィルム厚み測定方法
における光軸ずれ量と厚み測定誤差との関係を示す図
【図13】光強度検出器ユニットの変形例1を示す図
【図14】光強度検出器ユニットの変形例2を示す図
(符号の説明) I’ スキャン機構 3A 測定用光源 3C 高分子フィルム 3B 投光用光ファイバ 3D 光強度検出器ユニット 3D1 光強度検出器ユニット 3D2 光強度検出器ユニット 3E 受光用光ファイバ 3F 集光レンズ 3G 集光レンズ 3H 投光用光ファイバ3Bの出射側端部 3I 受光用光ファイバ3Eの入射側端部 3J 演算装置 3L 初期強度格納部 3K 入力部 3M 演算部 3N 出力部 4A 光ファイバ 4B レンズ 4C レンズホルダー 7A ハーフミラー 7B バンドパスフィルタ 7C バンドパスフィルタ 7D 光強度検出器(光検出手段) 7E 光強度検出器(光検出手段) 7F 集光レンズ 7G 集光レンズ 7H 集光レンズ 7I 全反射ミラー 13A 光強度検出器 14A 透過光 14B 回転機構 14C ギヤ 14D’ ギヤ 14D” ギヤ 14E’ ボールネジ 14E” ボールネジ 14F’ 直動ガイド 14F” 直動ガイド 14G 出射側端部3Hと入射側端部3Iとの移動距離 T 透過率 T1 透過率 T2 透過率 L 光(光束) L1 分岐光(光束) L2 分岐光(光束) λ1波長 λ2波長 C1 定数 C21 比例定数 C22 比例定数 d 高分子フィルム3Cの厚み I1 投光用光ファイバ3Bの出射側端部3Hと受光用光
ファイバ3Eの入射側端部3Iとの間に高分子フイルム
3Cを挟んだ時の光強度検出器ユニット3Dの波長λ1
の光強度 I2 投光用光ファイバ3Bの出射側端部3Hと受光用光
ファイバ3Eの入射側端部3Iとの間に高分子フイルム
3Cを挟んだ時の光強度検出器ユニット3Dの波長λ2
の光強度 V1 I1に係る電気信号 V2 I2に係る電気信号 I10 投光用光ファイバ3Bの出射側端部3Hと受光用光
ファイバ3Eの入射側端部3Iとの間に高分子フイルム
3Cを挟まない時の光強度検出器ユニット3Dの波長λ
1の光強度 I20 投光用光ファイバ3Bの出射側端部3Hと受光用光
ファイバ3Eの入射側端部3Iとの間に高分子フイルム
3Cを挟まない時の光強度検出器ユニット3Dの波長λ
2の光強度 V10 I10に係る電気信号 V20 I20に係る電気信号 I11 測定用光源3Aにおける波長λ1の光強度 I21 測定用光源3Aにおける波長λ2の光強度 V11 I11に係る電気信号 V21 I21に係る電気信号 A 赤外線検出器 B 検出器ヘッド C レンズ D 高分子フィルム E 波長選択フィルタ F モータ G 赤外線光源 H 光源ヘッド I 検出器 J 電離箱 K 線源ヘッド L β線源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 続山 浩二 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番地32 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA30 CC02 DD02 DD06 FF46 GG02 HH15 JJ15 LL02 LL12 LL22 LL46 MM14 MM24 MM28 2G059 AA03 AA05 BB15 CC20 DD12 EE01 GG10 HH01 JJ02 JJ11 JJ13 JJ17 MM01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルム3Cに照射した光の透過
    率から前記高分子フィルム3Cの厚み測定を行う高分子
    フィルムの厚み測定方法において、 前記高分子フィルム3Cの吸収波長帯にある波長λ1と
    前記吸収波長帯から外れてある波長λ2とを含む近赤外
    光を投光用光ファイバ3Bで前記高分子フィルム3Cに
    照射し、 このときに前記高分子フィルム3Cを透過する前記近赤
    外光を受光用光ファイバ3Eで受光し、この受光用光フ
    ァイバ3Eが受光した前記近赤外光に含まれる前記波長
    λ1および前記波長λ2の各透過光の透過率T1および
    T2を測定しかつこれら両透過率T1およびT2の比を
    求め、 この求めた比から前記高分子フィルムの厚みを算出する
    ことを特徴とする高分子フィルムの厚み測定方法。
  2. 【請求項2】 前記投光用光ファイバ3Bの出射側端部
    3Hと前記受光用光ファイバ3Eの入射側端部3Iとを
    前記高分子フィルム3Cの幅方向に等速度で移動しなが
    ら前記高分子フィルム3Cの厚みを測定することを特徴
    とする請求項1に記載の高分子フィルムの厚み測定方
    法。
  3. 【請求項3】 前記投光用光ファイバ3Bから出射した
    前記近赤外光を前記高分子フィルム3Cに透過せずに前
    記受光用光ファイバ3Eに直接導く場合の前記波長λ1
    の強度I10と前記波長λ2の強度I20とを測定してこれら
    の測定値を初期強度とし、前記投光用光ファイバ3Bか
    ら出る近赤外光を前記高分子フィルム3Cに透過してか
    ら前記受光用光ファイバ3Eに入れる場合の前記波長λ
    1の透過光強度I1および波長λ2の透過光強度I2をそれ
    ぞれ前記波長λ1の初期強度I10,および前記波長λ2
    の初期強度I20で除して得た値T1,T2に基づいて、前記
    高分子フィルム3Cの厚みdを算出することを特徴とす
    る請求項1または2に記載の高分子フィルムの厚み測定
    方法。
  4. 【請求項4】 高分子フィルム3Cを透過した前記近赤
    外光における波長λ1と波長λ2の各透過光強度I1,I2
    を検出すると同時に、前記高分子フィルム3Cを透過す
    る前に分岐した前記近赤外光における波長λ1と波長λ
    2の光強度I11,I21を初期強度として検出し、透過光に
    おける波長λ1と波長λ2の透過光強度の比を波長λ1
    と波長λ2の前記初期強度の比で除することにより高分
    子フィルム3Cでの波長λ1と波長λ2の透過率の比を
    求めて、その透過率の比から高分子フィルムの厚みを算
    出することを特徴とする請求項1または2に記載の高分
    子フィルムの厚み測定方法。
  5. 【請求項5】 前記高分子フィルム3Cを透過して透過
    光となる前記近赤外光を、これが光強度検出器7D,7
    Eに至る前に分岐する光束分岐手段7Aによって2つの
    光束L1,L2に分岐し、この分岐した2つの光束L1
    およびL2をそれぞれ透過光スペクトルの中心波長がλ
    1であるバンドパスフィルタ7Bおよび中心波長がλ2
    であるバンドパスフィルタ7Cに透過させ、そのときの
    それぞれの光強度を前記光強度検出器7D,7Eで検出
    することを特徴とする請求項1に記載の高分子フィルム
    の厚み測定方法。
  6. 【請求項6】 波長λ1が1.69〜1.75μmで波
    長λ2が1.50〜1.65μmであることを特徴とす
    る請求項1〜請求項5のいずれかに記載の高分子フィル
    ムの厚み測定方法。
  7. 【請求項7】 高分子フィルム3Cに照射した光の透過
    率から前記高分子フィルム3Cの厚みを測定する高分子
    フィルムの厚み測定装置Iにおいて、 前記高分子フィルム3Cに照射する光を出す光源3A
    と、 この光源3Aからの光を前記高分子フィルム3Cに投光
    する投光用光ファイバ3Bと、 前記高分子フィルム3Cを透過した光を受ける受光用光
    ファイバ3Eと、 この受光用光ファイバ3Eで受光した光のうち、前記高
    分子フィルム3Cの吸収波長帯にある波長λ1および吸
    収波長帯の外にある波長λ2のそれぞれの透過光強度を
    検出する光検出手段3Dと、 前記波長λ1の透過光強度と前記波長λ2の透過光強度
    とから前記高分子フィルムの厚みを求める演算手段3J
    とを有することを特徴とする高分子フィルムの厚み測定
    装置。
  8. 【請求項8】 前記投光用光ファイバ3Bのうち光の出
    る部分である出射端部3Hと前記受光用光ファイバ3E
    のうち光の入る部分である入射端部3Iとを前記高分子
    フィルム3Cの幅方向に等速度で移動する出入光端部移
    動機構とを有することを特徴とする請求項7に記載の高
    分子フィルムの厚み測定装置。
  9. 【請求項9】 前記出入光端部移動機構Iは、前記出射
    端部3Hと前記入射端部3Iとを前記高分子フィルム3
    Cの幅寸法よりも移動し、前記出射端部と前記入射端部
    とが前記高分子フィルムの幅からはずれた位置で、前記
    出射端部から出射した前記近赤外光を含む光を直接受光
    用光ファイバの入射側端部で受光して、その中に含まれ
    る前記波長λ1とλ2の光強度を初期強度としてそれぞ
    れ測定し、前記波長λ1の透過強光度と前記λ2の透過
    強光度および前記λ1の前記初期強度とλ2の前記初期
    強度から高分子フィルムの厚みを算出する演算手段を備
    えたことを特徴とする請求項8に記載の高分子フィルム
    の厚み測定装置。
  10. 【請求項10】 測定光源3Aから出射した近赤外光を
    含む前記光を前記投光用光ファイバ3Bの手前で分岐
    し、この分岐した光に含まれる前記波長λ1とλ2の光
    強度I11,I21を初期強度としてそれぞれ測定し、前記波
    長λ1の透過強光強度I1と前記λ2の透過強光強度I2お
    よび前記λ1の前記初期強度I11とλ2の前記初期強度I
    21とから高分子フィルム3Cの厚みdを算出する演算手
    段3Jを備えたことを特徴とする請求項7または8に記
    載の高分子フィルムの厚み測定装置。
  11. 【請求項11】 前記波長λ1が1.69〜1.75μ
    mで、波長λ2が1.50〜1.65μmであることを
    特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載の
    高分子フィルムの厚み測定装置。
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