JP2000074626A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JP2000074626A
JP2000074626A JP24098098A JP24098098A JP2000074626A JP 2000074626 A JP2000074626 A JP 2000074626A JP 24098098 A JP24098098 A JP 24098098A JP 24098098 A JP24098098 A JP 24098098A JP 2000074626 A JP2000074626 A JP 2000074626A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動する計測対象物の奥行き方向の分布を計
測することができる測距装置を提供する。 【解決手段】 第一光学系10を移動することによって
光学レンズ系30の焦点の合う位置を少なくとも焦点深
度と同じ距離ずつずらす度に、電子シャッタを用いて一
定時間内に何度も光学レンズ系30を通過した光を画像
検出部40に取り込むことにより、計測対象物2の移動
を止めた瞬間の状態を捉えた多数の画像を検出する。計
測処理手段としてのコンピュータ本体61は、光学レン
ズ系30の焦点を合わせた各位置毎の画像に基づいてピ
ントが合っている計測対象物2の像の個数を数えること
により当該焦点を合わせた位置を移動する計測対象物の
個数を求める。そして、その求めた結果に基づいて焦点
を合わせた各位置に対する計測対象物2の分布を計測す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば炉内での加
熱状況を知るために粒状又は粉状の石炭、微粉炭、廃棄
プラスチックやコークスの分布を調べる場合等に使用さ
れる測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、製鉄所等においては、溶鉱炉で
原料を溶解する場合に、燃料として例えば粒状又は粉状
の石炭やコークスが用いられる。このとき、原料は溶鉱
炉の上方より投入する。そして、石炭やコークスを燃焼
させることにより、熱風を溶鉱炉の下部から送り、原料
を溶解する。ここで、粒状又は粉状の石炭やコークスは
燃焼中は高速で舞っている。ところで、石炭やコークス
を燃焼しているときに、その空間分布に偏りがあると、
原料を均一に加熱することができず、製品の品質が低下
する。このため、粒状又は粉状の石炭やコークスが偏り
なく舞うように調整することにより、原料を均一に加熱
し、生産性の向上を図る必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来より、このような
粒状又は粉状の石炭やコークス等のように、移動する多
数の計測対象物の分布を調べるための装置としては、撮
像手段で一方向から計測対象物の画像を取り込み、その
画像に基づいて計測対象物の分布を計測するものがあ
る。しかしながら、この装置では、一方向から見たとき
の平面的な分布しか計測することができず、計測対象物
が奥行き方向に沿ってどのように分布しているかについ
ての情報は得ることができない。このため、従来の装置
を用いて得られる粒状又は粉状の石炭やコークスの平面
的な分布についての情報のみに基づいて、石炭やコーク
スの燃焼を調整しても、原料を均一に加熱することはほ
とんど不可能であった。
【0004】また、粒状又は粉状の石炭やコークスの燃
焼についての定量的な情報として、それら粉状物又は粒
状物の温度を知ることができれば、炉内を均一に加熱す
ることができる。このため、粒状又は粉状の石炭やコー
クスの奥行き方向の分布を計測すると共に、それらの温
度を計測することができる装置の開発が望まれている。
【0005】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、移動する計測対象物の奥行き方向の分布を計測
することができる測距装置を提供することを目的とする
ものである。また、本発明は上記事情に基づいてなされ
たものであり、移動する計測対象物の奥行き方向の分布
を計測すると共にその計測対象物の温度を計測する測距
装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に係る測距装置は、移動している多数の計測
対象物に向けて設置され且つ前記計測対象物に向かう方
向に沿って前後に移動可能に構成されており、前記計測
対象物からの光をその進行方向と逆向きに反射する第一
光学系と、前記第一光学系で反射した光を前記計測対象
物からの光の進行方向と同じ向きに反射する第二光学系
と、焦点の合う位置及び焦点深度がそれぞれ所望の値に
なるように調整されており、前記第二光学系で反射した
光を結像させる光学レンズ系と、前記第一光学系を移動
することによって前記光学レンズ系の前記焦点の合う位
置を少なくとも前記焦点深度と同じ距離ずつずらす度
に、シャッタ手段を用いて一定時間内に少なくとも一
度、前記光学レンズ系を通過した光を取り込むことによ
り、前記計測対象物の移動を止めた瞬間の状態を捉えた
複数の画像を検出する画像検出手段と、前記光学レンズ
系の前記焦点を合わせた各位置毎の前記画像に基づいて
ピントが合っている前記計測対象物の像の個数を数える
ことにより当該焦点を合わせた位置を移動する前記計測
対象物の個数を求め、その求めた結果に基づいて前記焦
点を合わせた各位置に対する前記計測対象物の分布を計
測する計測処理手段と、を具備することを特徴とするも
のである。
【0007】上記の目的を達成するための本発明に係る
測距装置は、移動している多数の計測対象物に向けて設
置され且つ前記計測対象物に向かう方向に沿って前後に
移動可能に構成されており、前記計測対象物からの光を
その進行方向と逆向きに反射する第一光学系と、前記第
一光学系で反射した光を前記計測対象物からの光の進行
方向と同じ向きに反射する第二光学系と、焦点の合う位
置及び焦点深度がそれぞれ所望の値になるように調整さ
れており、前記第二光学系で反射した光を結像させる光
学レンズ系と、前記光学レンズ系を通過した光を、波長
が所定の第一波長値である第一の光と波長が前記第一波
長値と異なる所定の第二波長値である第二の光と前記第
一の光及び前記第二の光以外の第三の光とに分けるフィ
ルタ手段と、前記第一光学系を移動することによって前
記光学レンズ系の前記焦点の合う位置を少なくとも前記
焦点深度と同じ距離ずつずらす度に、シャッタ手段を用
いて一定時間内に少なくとも一度、前記光学レンズ系を
通過した光を前記フィルタ手段を介して取り込むことに
より、前記計測対象物の移動を止めた瞬間の状態を捉え
た複数の画像であって、前記第一の光によって得られる
第一画像、前記第二の光によって得られる第二画像及び
前記第三の光によって得られる第三画像からなるものを
検出する画像検出手段と、前記光学レンズ系の前記焦点
を合わせた各位置毎の前記第三画像に基づいてピントが
合っている前記計測対象物の像の個数を数えることによ
り当該焦点を合わせた位置を移動する前記計測対象物の
個数を求め、その求めた結果に基づいて前記焦点を合わ
せた各位置に対する前記計測対象物の分布を計測する計
測処理手段と、前記ピントが合っている前記計測対象物
の像の各々について、前記計測対象物の像の前記第三画
像上の位置に対応する前記第一画像上の位置における前
記第一の光の強度と、前記計測対象物の像の前記第三画
像上の位置に対応する前記第二画像上の位置における前
記第二の光の強度とを求め、その求めた前記第一の光の
強度及び前記第二の光の強度を用いて二色温度計測法に
より前記計測対象物の温度を計測する温度計測手段と、
を具備することを特徴とするものである。
【0008】上記の目的を達成するための本発明に係る
測距装置は、移動している多数の計測対象物に向けて設
置され且つ前記計測対象物に向かう方向に沿って前後に
移動可能に構成されており、前記計測対象物からの光を
その進行方向と逆向きに反射する第一光学系と、前記第
一光学系で反射した光を前記計測対象物からの光の進行
方向と同じ向きに反射する第二光学系と、焦点の合う位
置及び焦点深度がそれぞれ所望の値になるように調整さ
れており、前記第二光学系で反射した光を結像させる光
学レンズ系と、前記光学レンズ系を通過した光の一部を
取り込むための長方形状の開口部と、前記開口部を通過
した光をその光の前記開口部の幅方向に対応する方向に
沿って各波長の光に分光する回折格子とを有する分光手
段と、前記第一光学系を移動することによって前記光学
レンズ系の前記焦点の合う位置を少なくとも前記焦点深
度と同じ距離ずつずらす度に、シャッタ手段を用いて一
定時間内に少なくとも一度、前記光学レンズ系を通過し
た光を前記分光手段を介して取り込むことにより、前記
計測対象物の移動を止めた瞬間の状態を捉えた複数の画
像であって、前記画像上の直交する二つの座標軸のうち
一方の座標軸が前記開口部の長さ方向に沿った位置を表
し他方の座標軸が波長を表すものを検出する画像検出手
段と、前記光学レンズ系の前記焦点を合わせた各位置毎
の前記画像に基づいて前記一方の座標の値が同一である
画素点における光の強度を加算することにより前記一方
の座標に対する光の強度分布を導出した後、その導出し
た前記光の強度分布に基づいてピントが合っている前記
計測対象物の像の個数を数えることにより当該焦点を合
わせた位置を移動する前記計測対象物の個数を求め、そ
の求めた結果に基づいて前記焦点を合わせた各位置に対
する前記計測対象物の分布を計測する計測処理手段と、
前記ピントが合っている前記計測対象物の像の各々につ
いて、前記一方の座標の値が前記計測対象物の像の所定
位置であり前記他方の座標が所定の第一波長値である前
記画像上の位置における光の強度と、前記一方の座標値
が前記計測対象物の像の所定位置であり前記他方の座標
が前記第一波長値と異なる所定の第二波長値である前記
画像上の位置における光の強度とを求め、その求めた二
つの光の強度を用いて二色温度計測法により前記計測対
象物の温度を計測する温度計測手段と、を具備すること
を特徴とするものである。
【0009】上記の目的を達成するための本発明に係る
測距装置は、所定の第一波長値及び前記第一波長値と異
なる所定の第二波長値以外の波長を有するパルス発振の
レーザ光を、移動している多数の計測対象物に向けて前
方に放射するレーザ発振手段と、前記計測対象物で反射
して戻ってきた前記レーザ光を二つに分けるビームスプ
リッタと、前記ビームスプリッタで分けられた一方の前
記レーザ光を検出する光検出手段と、前記レーザ発振手
段が前記レーザ光を発した時間と前記光検出手段が前記
レーザ光を検出した時間との時間差に基づいて当該レー
ザ光が当たった前記計測対象物までの距離を算出し、そ
の算出した結果に基づいて前記計測対象物の奥行き方向
の分布を計測する計測処理手段と、前記多数の計測対象
物に向けて設置され、前記ビームスプリッタで分けられ
た他方の前記レーザ光を含む前記計測対象物からの光を
結像させる光学レンズ系と、前記光学レンズ系を通過し
た光を、波長が前記第一波長値である第一の光と波長が
前記第二波長値である第二の光と前記第一の光及び前記
第二の光以外の第三の光とに分けるフィルタ手段と、前
記レーザ発振手段が前記レーザ光を発するタイミングに
対応してシャッタ手段を切ることにより、前記計測対象
物の移動を止めた瞬間の状態を捉えた画像であって、前
記第一の光によって得られる第一画像、前記第二の光に
よって得られる第二画像及び前記第三の光によって得ら
れる第三画像からなるものを検出する画像検出手段と、
前記第三画像に基づいて前記計測対象物で反射した前記
レーザ光による前記計測対象物の像を認識し、前記計測
対象物の像の前記第三画像上の位置に対応する前記第一
画像上の位置における前記第一の光の強度と、前記計測
対象物の像の前記第三画像上の位置に対応する前記第二
画像上の位置における前記第二の光の強度とを求め、そ
の求めた前記第一の光の強度及び前記第二の光の強度を
用いて二色温度計測法により前記計測対象物の温度を計
測する温度計測手段と、を具備することを特徴とするも
のである。
【0010】上記の目的を達成するための本発明に係る
測距装置は、所定の第一波長値及び前記第一波長値と異
なる所定の第二波長値以外の波長を有するパルス発振の
レーザ光を、移動している多数の計測対象物に向けて前
方に放射するレーザ発振手段と、前記計測対象物で反射
して戻ってきた前記レーザ光を二つに分けるビームスプ
リッタと、前記ビームスプリッタで分けられた一方の前
記レーザ光を検出する光検出手段と、前記レーザ発振手
段が前記レーザ光を発した時間と前記光検出手段が前記
レーザ光を検出した時間との時間差に基づいて当該レー
ザ光が当たった前記計測対象物までの距離を算出し、そ
の算出した結果に基づいて前記計測対象物の奥行き方向
の分布を計測する計測処理手段と、前記多数の計測対象
物に向けて設置され、前記ビームスプリッタで分けられ
た他方の前記レーザ光を含む前記計測対象物からの光を
結像させる光学レンズ系と、前記光学レンズ系を通過し
た光の一部を取り込むための長方形状の開口部と、前記
開口部を通過した光をその光の前記開口部の幅方向に対
応する方向に沿って各波長の光に分光する回折格子とを
有する分光手段と、前記レーザ発振手段が前記レーザ光
を発するタイミングに対応してシャッタ手段を切ること
により、前記計測対象物の移動を止めた瞬間の状態を捉
えた画像であって、前記画像上の直交する二つの座標軸
のうち一方の座標軸が前記開口部の長さ方向に沿った位
置を表し他方の座標軸が波長を表すものを検出する画像
検出手段と、前記画像に基づいて前記計測対象物で反射
した前記レーザ光による前記計測対象物の像を認識し、
前記一方の座標の値が前記計測対象物の像の所定位置で
あり前記他方の座標が前記第一波長値である前記画像上
の位置における光の強度と、前記一方の座標値が前記計
測対象物の像の所定位置であり前記他方の座標が前記第
二波長値である前記画像上の位置における光の強度とを
求め、その求めた二つの光の強度を用いて二色温度計測
法により前記計測対象物の温度を計測する温度計測手段
と、を具備することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は本発明の第一実施
形態である測距装置の概略構成図である。第一実施形態
の測距装置は、図1に示すように、第一光学系10と、
第二光学系20と、光学レンズ系30と、画像検出部4
0と、画像処理部50と、コンピュータ60とを備える
ものである。
【0012】第一実施形態では、多数の計測対象物2が
ランダムに落下しており、それらの計測対象物2につい
て、光学レンズ系30の中心軸方向に平行な方向(以
下、奥行き方向とも称する。)に対する分布を測定する
場合について説明する。ここで、計測対象物2は画像検
出部40の前方、約6〜10mのところを通過する場合
を考える。また、計測対象物2は球形状をしており、そ
の直径は約1〜2cmである。更に、第一実施形態で
は、計測対象物2に一様な自然光が当たっているものと
する。
【0013】第一光学系10は、移動している多数の計
測対象物2に向けて設置されており、計測対象物2から
の光L(像)をその進行方向と逆向きに反射するもので
ある。この第一光学系10は、反射鏡11と、その下側
に設けられた反射鏡12とを有する。第二光学系20
は、第一光学系10で反射した光を、計測対象物2から
の光の進行方向と同じ向きに反射するものであり、反射
鏡21と、その下側に設けられた反射鏡22とを有す
る。
【0014】計測対象物2には自然光が一様に当たって
おり、計測対象物2で反射した光のうち第一光学系10
に向かって進む光Lは、反射鏡11で反射した後、反射
鏡12に入射する。反射鏡12は、その入射した光を反
射して、奥行き方向に平行な方向であって計測対象物2
の側に進行させる。また、反射鏡12で反射した光は、
反射鏡21で反射した後、反射鏡22に入射する。反射
鏡22は、その入射した光を奥行き方向に平行な方向に
反射して、光学レンズ系に30に導く。特に、第一実施
形態では、第二光学系20の反射鏡21,22の間隔や
向き等を調整することにより、光学レンズ系30及び画
像検出部40を動かすことなく、光軸の調整をすること
ができる。このため、セッティング時の調整を容易に行
うことができるという利点がある。
【0015】光学レンズ系30は、第二光学系20で反
射した計測対象物2のイメージ光を結像させるものであ
り、画像検出部40の前側に取り付けられる。光学レン
ズ系30としては、可能な限り焦点深度の浅いカメラレ
ンズを用いる。特に、第一実施形態では、ニコン株式会
社製のニッコールED180mmF2.8Sを使用して
いる。このカメラレンズのレンズ構成は5群5枚であ
る。ここで、焦点深度とは、光学レンズ系30の焦点を
ある位置に合わせたときに、その位置と奥行き方向に沿
ってはっきり見える位置との距離の最大値をいう。一般
に、焦点の合う位置を一定にしたときには、焦点深度
は、カメラレンズの絞り値を大きくするほど深く、カメ
ラレンズの焦点距離が大きいほど浅くなる。また、カメ
ラレンズの絞り値及び焦点距離が同じであれば、焦点の
合う位置をカメラレンズに近づけるほど浅くなる。焦点
深度が浅くなるにしたがって、焦点の合う位置の前後の
像のぼけは著しくなる。いわゆるバカチョンカメラで撮
影したものが視界の全てのものにピントが合っているよ
うに見えるのは、焦点深度が極端に深いためである。上
記のカメラレンズは、その絞り値を開放(F2.8)に
設定して使用する。このとき、画像検出部40の光電面
から6mの位置に焦点を合わせたとすると、焦点深度は
約70mmである。尚、以下では、説明を分かりやすく
するために、画像検出部40の光電面から6mの位置に
焦点を合わせたときに、光学レンズ系30の焦点深度が
50mmである場合について説明することにする。
【0016】また、第一光学系10は、反射鏡11及び
反射鏡12を一緒にして、奥行き方向に沿って前後に移
動可能に構成されている。第一光学系10を移動する
と、計測対象物2からの光が光学レンズ系30に入射す
るまでの距離が変わり、これにより、光学レンズ系30
の焦点の合う位置Pを奥行き方向に沿ってずらすことが
できる。また、第一光学系10と第二光学系20とを設
け、計測対象物2からの光を二度折り返して、光学レン
ズ系30に導くことにより、第一光学系10をある一定
距離だけ奥行き方向に沿って動かすと、光学レンズ系3
0の焦点の合う位置Pは、第一光学系10の動かした距
離の二倍移動することになる。したがって、光学レンズ
系30の焦点の合う位置Pをある距離dだけ図1の左側
(右側)に動かしたい場合には、第一光学系10をその
距離dの半分d/2だけ図1の左側(右側)に動かすだ
けでよい。
【0017】ところで、第一光学系10及び第二光学系
20を設けなくとも、光学レンズ系30を構成する各レ
ンズの相対位置を変えることにより、光学レンズ系30
の焦点の合う位置をずらすことができる。しかしなが
ら、光学レンズ系30の各構成レンズの相対位置を変え
ると、光学レンズ系30の焦点が合う位置に応じて、焦
点深度が変わってしまう。これでは、光学レンズ系30
の焦点の合う位置を変えるにしたがって、画像検出部4
0では焦点深度の異なる画像を検出することになる。第
一実施形態では、後述するように、焦点深度を利用して
計測対象物2の位置を計測するので、焦点深度が常に一
定である画像を検出する必要がある。このため、第一光
学系10を移動可能に構成し、第一光学系10を動かす
ことにより、焦点深度はそのままにして、光学レンズ系
30の焦点の合う位置だけを変えることにしている。
【0018】但し、実際には、画像検出部40から光学
レンズ系30の焦点の合う位置までの距離が5、6m以
上である場合、光学レンズ系30を構成する各レンズの
相対位置を変えても、焦点深度が大きな影響を受けるこ
とはない。したがって、この場合、計測対象物2の位置
をあまり高精度で求める必要がなければ、第一光学系1
0を移動させる代わりに、オートフォーカスで光学レン
ズ系30を構成する各レンズの相対位置を変えることに
より、光学レンズ系30の焦点の合う位置をずらすよう
にしてもよい。
【0019】尚、第一光学系10及び第二光学系20を
設けずに、光学レンズ系30と画像検出部40とを一体
として移動することも考えられるが、画像検出部40に
はケーブル等の付属物が付いているため、これら付属物
ごと動かすのは容易ではない。第一実施形態のように第
一光学系10だけを動かすことにより、光学レンズ系3
0の焦点の合う位置を容易にずらすことができる。
【0020】画像検出部40としては、高感度の理化学
用CCDカメラと電子シャッタ(ゲート)とを組み合わ
せたゲーティングCCDを用いる。図2は画像検出部4
0の概略構成図である。画像検出部40は、図2に示す
ように、光電面41と、多数の細いガラスパイプを束ね
たものであるマイクロチャネルプレート42と、蛍光面
43と、多数のCCDからなる撮像部44とを有する。
光電面41上には、光学レンズ系30により計測対象物
2からの光が光学像として結像する。光電面41に入射
した光は光電面41で光電変換され、その変換された電
子はマイクロチャネルプレート42を通過する際に増幅
される。そして、その増幅された電子が蛍光体43上に
入射すると、再び光に変換され、その後、その光は撮像
部44に入る。このとき、光電面41とマイクロチャネ
ルプレート42との間に印加する電圧差により、ゲーテ
ィング動作、すなわち電子シャッタの開閉動作が制御さ
れる。この電子シャッタの、計測対象物2からの光を撮
像部44に取り込む露光時間(露光時間の逆数をシャッ
タスピードと称することにする。)は、最短で5ナノ
秒、すなわち5×10-9秒である。この最高のシャッタ
スピード(2×108/秒)は、光の速度で動いている
ものが約150cmしか進めない時間に相当する。この
電子シャッタを用いれば、機械的に動いているものは必
ず止めて撮像することができる。第一実施形態では、計
測対象物2がどんなに高速で移動していても、その移動
を止めた瞬間の状態を捉えた画像を得ることができるよ
うに、高速シャッタスピードを有する電子シャッタを用
いることにしている。尚、計測対象物2があまり高速に
移動していなければ、電子シャッタの代わりに、例えば
機械シャッタを用いてもよい。
【0021】このように画像検出部40の電子シャッタ
は、計測対象物2の移動を止めた状態で捉えることがで
きるようなシャッタスピードに設定する。また、電子シ
ャッタを短い時間のうちに頻繁に切ったのでは、同一の
計測対象物2が複数の画像に写ってしまうことがある。
このため、同一の計測対象物2は一つの画像でしか検出
されることのないように、計測対象物2の速度や位置等
に応じて、電子シャッタの切るタイミングを定める必要
がある。
【0022】ところで、第一実施形態で使用する画像検
出部40では、マイクロチャネルプレート42の各ガラ
スパイプの太さが約85μmであり、一方、撮像部44
の各CCDの直径は約20μmである。このため、一つ
のガラスパイプを通って来た光は隣り合う四つのCCD
に入ることになり、あたかもCCDの数が四分の一に減
ったかのように、画像分解能が低下する。このように、
電子シャッタを有するCCDカメラの画像分解能が、電
子シャッタのデバイスの分解能に応じて落ちてしまうこ
とは、機械シャッタとの相違点であり、電子シャッタの
持つ欠点と言える。しかながら、将来的には電子シャッ
タのデバイスの分解能が向上する可能性があるので、こ
のことが致命的な欠点となるわけではない。
【0023】画像処理部50は、CCDカメラのCCD
一個当たりの輝度信号(画像信号)を8ビットでA/D
変換し、その変換して得られた画像データを画像メモリ
に取り込むものである。コンピュータ60は、図1に示
すように、コンピュータ本体61と、CRT表示装置6
2と、キーボード及びマウス(不図示)と、出力装置
(不図示)とを有する。コンピュータ本体61は、画像
検出部40の動作を制御すると共に、画像処理部50の
画像メモリに記憶された画像データを読み出し、画像デ
ータに基づいて計測対象物2の奥行き方向の分布を計測
する処理を行う。CRT表示装置62は、画像データを
画面上に表示したりするものである。また、オペレータ
は、キーボード及びマウスを用いて、電子シャッタのシ
ャッタスピードを入力する。
【0024】第一実施形態では、画像検出部40は、第
一光学系10を移動することによって光学レンズ系30
の焦点の合う位置を少なくとも光学レンズ系30の焦点
深度と同じ距離ずつずらす度に、電子シャッタを用いて
一定時間内に何度も光学レンズ系30を通過した光をC
CDカメラに取り込むことにより、ランダムに移動する
計測対象物の瞬間の状態を捉えた複数の画像を検出す
る。コンピュータ本体61は、光学レンズ系30の焦点
を合わせた各位置毎の画像データに基づいて、画像処理
ソフト等を用いてエッジ検出等を施して、各計測対象物
2の像にピントが合っているか否かを判断することによ
り、計測対象物2を検知し、またその位置を算出する。
すなわち、ピントが合っていると判断された計測対象物
2は当該焦点を合わせた位置を通過したことになり、こ
れによりその計測対象物2の位置が分かる。また、ピン
トが合っていると判断された計測対象物2の像の個数
が、当該一定時間に、当該焦点を合わせた位置を通過し
た計測対象物2の個数となる。例えば、光学レンズ系3
0の焦点の合う位置を画像検出部40の光電面から前方
6mのところに設定して、10秒間に多数の画像を検出
した場合に、ピントの合った計測対象物2の像の個数が
100個あったときには、計測対象物2はその6mの位
置を1秒当たり10個落下しているになる。このよう
に、光学レンズ系30の焦点の合う位置を一定距離ずつ
ずらしながら、画像を検出することにより、奥行き方向
に沿った各位置を通過する計測対象物2の個数を統計的
に知ることができる。
【0025】また、このように計測対象物2の像にピン
トが合っているか否かを判断して、計測対象物2の位置
を計測するので、光学レンズ系30の焦点の合う位置か
ら前後に焦点深度だけ離れたところに位置している計測
対象物2は、すべて当該焦点が合う位置に存在している
ものと判断される。すなわち、計測対象物2の位置をど
れぐらいの距離間隔で計測することができるかを表す最
小の尺度(分解能)は、焦点深度によって定まることに
なる。第一実施形態で使用する光学レンズ系30につい
ては、上述したように画像検出部40の光電面から前方
6mの距離において焦点深度が5cmであるので、計測
対象物2の位置を例えば10cm単位で計測することが
できる。さらに短い距離間隔で計測対象物2の位置を計
測したい場合には、光学レンズ系30の焦点深度を一層
浅くする必要がある。
【0026】次に、計測対象物2の像にピントが合って
いるか否かの判断をどのようにして行うかについて説明
する。ここでは、背景が白色である場合と黒色である場
合とに分けて考えることにする。最初に、背景が白色で
ある場合について説明する。図3は背景が白色である場
合にピントが合っている計測対象物2の画像データを模
式的に示した図、図4は背景が白色である場合にピント
が合っていない計測対象物2の画像データを模式的に示
した図である。まず、コンピュータ本体61は、画像デ
ータに、例えばソフト的にフィルタをかける処理を施す
ことにより、画像データの中で一定の輝度以上の明るい
範囲を見いだす。この明るい範囲は計測対象物2の像を
表す範囲として特定される。
【0027】次に、コンピュータ本体61は、画像デー
タに対して、その特定した範囲の中心位置を通り画像上
のx方向又はy方向に平行な直線上の各画素に対する光
の強度分布を求める。図5(a)は図3の場合にx方向
の光の強度分布を示す図、図5(b)は図4の場合にx
方向の光の強度分布を示す図である。計測対象物2は球
形状をしているため、計測対象物2の中央からの光はそ
の大部分が光学レンズ系30に入射するが、計測対象物
2の輪郭部分からの光は光学レンズ系30にほとんど入
射しない。また、背景は白色であるので、背景からの光
もある程度、光学レンズ系30に入射する。このため、
計測対象物2の像にピントが合っている場合、x方向の
光の強度分布は、図5(a)に示すように、計測対象物
2の像の中央部でピークを持ち、計測対象物2の像の輪
郭部分では光の強度の落ち込みが激しい。この輪郭部分
における光の強度の落ち込みは、計測対象物2の像にピ
ントが合えば合うほど激しくなる。一方、計測対象物2
の像にピントが合わなくなると、光学レンズ系30に
は、計測対象物2からの光は分散して入射することにな
る。このため、計測対象物2の像にピントが合っていな
い場合、x方向の光の強度分布は、図5(b)に示すよ
うに、図5(a)に比べて、計測対象物2の像の中央部
でのピークの形状がなだらかになると共に、その輪郭部
分における光の強度の落ち込みが緩やかになる。したが
って、計測対象物2の像にピントが合っているか否か
は、計測対象物2の像の輪郭部分における光の強度の立
ち上がり(傾き)を調べることにより、判断することが
できる。すなわち、計測対象物2の像の輪郭部分におけ
る光の強度の傾きの大きさが所定の基準値以上であれ
ば、計測対象物2の像にピントが合っていると判断し、
一方、その傾きの大きさが所定の基準値よりも小さけれ
ば、計測対象物2の像にピントが合っていないと判断す
る。
【0028】次に、背景が黒色である場合について説明
する。この場合も、コンピュータ本体61は、まず、画
像データの中で一定の輝度以上の明るい範囲を見いだ
し、この明るい範囲を計測対象物2の像を表す範囲とし
て特定する。そして、画像データに対して、その特定し
た範囲の中心位置を通り画像上のx方向又はy方向に平
行な直線上の各画素に対する光の強度分布を求める。図
6(a)は背景が黒色の場合に計測対象物2の像にピン
トが合っているときのx方向の光の強度分布を示す図、
図6(b)は背景が黒色の場合に計測対象物2の像にピ
ントが合っていないときのx方向の光の強度分布を示す
図である。背景が黒色である場合には、背景からの光は
光学レンズ系30にほとんど入射しない。このため、図
6(a)又は(b)に示すx方向の光の強度分布はそれ
ぞれ、図5(a)又は(b)に示すx方向の光の強度分
布において背景に対応する部分の光の強度をゼロにした
ものとなる。すなわち、計測対象物2の像にピントが合
っている場合、x方向の光の強度分布は、図6(a)に
示すように、計測対象物2の像の中央部でピークを持
ち、計測対象物2の像の輪郭部分では光の強度の傾きが
急になる。一方、計測対象物2の像にピントが合ってい
ない場合、x方向の光の強度分布は、図6(b)に示す
ように、計測対象物2の像の輪郭部分で光の強度の立ち
上がりが緩やかになる。したがって、背景が黒色である
場合も、x方向又はy方向の光の強度分布を求め、その
光の強度の傾きを調べることにより、計測対象物2の像
にピントが合っているか否かを判断することができる。
【0029】但し、このように光の強度の傾きに基づい
て計測対象物2の像にピントが合っているか否かを正確
に判断するためには、計測対象物2の像を表す範囲が画
像データ上で最低でも10画素(第一実施形態では、電
子シャッタを有するCCDカメラを用いているため、画
素分解能が四分の一に落ちるので、この場合には、四倍
の40画素)ぐらいを占めていなければならない。これ
よりも以下では、コンピュータ本体61は光の強度の傾
きを算出できないからである。かかる条件を満たさない
場合には、光学レンズ系30として、計測対象物2を一
定の大きさ以上に拡大できるもの、例えば望遠レンズ等
を使用する必要がある。
【0030】尚、第一実施形態では、計測対象物2が球
形状である場合を考えているが、一般に、計測対象物2
が任意の形状をしている場合であっても、上記のように
x方向又はy方向の光の強度分布を求め、計測対象物2
の像の輪郭部分における光の強度の傾きを調べることに
より、計測対象物2の像にピントが合っているか否かを
判断することができる。
【0031】次に、第一実施形態の測距装置において、
計測対象物2の奥行き方向の分布を計測する場合の処理
手順について説明する。まず準備作業として、オペレー
タは、第一光学系10を図1の右側に移動した後、光学
レンズ系30の各構成レンズの相対位置を調整して、画
像検出部40の光電面から前方、例えば6mのところに
光学レンズ系30の焦点を正確に合わせる。以後は、こ
のレンズ光学系30の各構成レンズの相対位置を変える
ことはない。また、オペレータは、計測対象物2の落下
速度に応じて、計測対象物2の瞬間の状態を捉えた画像
を得ることができるような電子シャッタのシャッタスピ
ードを、マウスを用いてCRT表示装置62の画面上で
入力する。
【0032】かかる準備作業が終了した後、オペレータ
は、キーボード又はマウスを用いて、CRT表示装置6
2の画面上で、光学レンズ系30の焦点位置についての
情報と、第一光学系10の位置についての情報とを入力
すると共に、画像検出の動作を開始する旨のボタンを押
す。すると、コンピュータ本体61は画像検出部40に
信号を送り、画像検出部40の電子シャッタが一定時間
内に何度も切られて、多数の画像が検出される。次に、
かかる動作が終了した後、オペレータは、第一光学系1
0を5cmだけ図1の左側に移動させる。これにより、
光学レンズ系30の焦点は、画像検出部40の光電面か
ら前方、6m10cmのところに合うことになる。そし
て、オペレータは、その第一光学系10の位置について
の情報を入力すると共に、画像検出の動作を開始する旨
のボタンを押す。すると、コンピュータ本体61は再
び、画像検出部40に信号を送り、画像検出部40の電
子シャッタが一定時間内に何度も切られて、多数の画像
が検出される。その後も、第一光学系10を5cmずつ
前方に移動しながら、画像検出部40で画像を検出する
処理を上記と同様にして繰り返す。この繰り返す動作
は、光学レンズ系30の焦点が画像検出部40の光電面
から前方10mのところに合うまで行う。
【0033】画像検出部40で得られた各画像信号は、
画像処理部50に送られ、画像処理部50は画像信号を
画像データに変換して、画像メモリに記憶する。コンピ
ュータ本体61は、画像メモリに記憶された画像データ
を読み出し、光学レンズ系30の焦点を合わせた各位置
毎の画像データに基づいて、計測対象物2の像にピント
が合っているか否かを判断する。ピントが合っていると
判断された計測対象物2の像の個数が当該一定時間の間
に当該焦点の合う位置を通過した計測対象物2の個数と
なる。コンピュータ本体61は、光学レンズ系30の焦
点を合わせた各位置毎に、ピントが合っている計測対象
物2の像の個数を数え、これから、計測対象物2の奥行
き方向の位置に対する分布を求める。例えば、図1に示
すように、横軸に焦点を合わせた位置を、縦軸に単位時
間当たりの計測対象物の個数をとったヒストグラム63
を作成し、かかるヒストグラムをCRT表示装置62の
画面上に表示する。
【0034】第一実施形態の測距装置では、第一光学系
を移動することによって光学レンズ系の焦点の合う位置
を少なくとも光学レンズ系の焦点深度と同じ距離ずつず
らす度に、電子シャッタを用いて一定時間内に何度も光
学レンズ系を通過した光をCCDカメラに取り込むこと
により、移動する計測対象物の瞬間の状態を捉えた多数
の画像を検出する。特に、画像検出部として電子シャッ
タを有するCCDカメラを用いることにより、計測対象
物がどんなに高速で移動していても、その瞬間の状態を
捉えた画像を得ることができる。そして、焦点を合わせ
た各位置毎の画像データに基づいてピントが合っている
計測対象物の像の個数を数えることにより当該焦点を合
わせた位置を移動する計測対象物の個数を求めることが
できる。また、その求めた結果から、移動している計測
対象物の奥行き方向の分布を計測することができる。
【0035】尚、かかる測距装置は様々な分野において
適用することができる。例えば、製鉄所等において、溶
鉱炉内で粒状又は粉状の石炭、コークスや微粉炭を燃焼
させている場合に、石炭やコークスの奥行き方向の分布
を計測することができる。この場合には、溶鉱炉の観測
窓を介して石炭やコークスからの光を光学レンズ系に導
くことになる。石炭やコークスの分布を調べることによ
り、溶鉱炉内での加熱状況を知ることができる。例え
ば、石炭やコークスの分布に偏りがあれば、溶鉱炉内で
均一な加熱がなされていないことが分かる。また、火力
発電所や電子力発電所等において炉内の加熱状況を調べ
る場合にも、第一実施形態の測距装置を利用することが
できる。一般に、第一実施形態の測距装置は、移動して
いる粒体や粉体について奥行き方向の分布を調べるのに
適している。
【0036】次に、本発明の第二実施形態について図面
を参照して説明する。図7は本発明の第二実施形態であ
る測距装置の概略構成図である。尚、第二実施形態にお
いて、第一実施形態のものと同一の機能を有するものに
は、同一の符号を付すことによりその詳細な説明を省略
する。第二実施形態の測距装置は、図7に示すように、
第一光学系10と、第二光学系20と、光学レンズ系3
0aと、画像検出部40と、画像処理部50と、コンピ
ュータ60と、レーザ発振装置70とを備えるものであ
る。
【0037】第二実施形態でも、第一実施形態と同様
に、落下している多数の計測対象物2についての奥行き
方向の分布を計測する場合について説明する。計測対象
物2の移動する環境は明るくても暗くてもよいが、ここ
では、特に背景が真っ暗であるとする。第二実施形態の
測距装置が第一実施形態のものと異なる主な点は、レー
ザ発振装置70を設け、計測対象物2で反射したレーザ
光を計測対象物2からの光として画像検出部40で検出
することにより、計測対象物2の位置を算出する点であ
る。かかる構成により、計測対象物2が発光しておら
ず、真っ暗な状況であっても、計測対象物の奥行き方向
の分布を計測することができる。
【0038】レーザ発振装置70は、一定振幅の連続出
力を発生するもの(CWレーザ)である。CWレーザと
しては、例えば、Ar+ レーザ、He−Neレーザ、Y
AGレーザ等を用いることができる。レーザ光は、ビー
ム折返し用プリズム160で反射した後、第二光学系2
0、第一光学系10を介して、前方に放射される。そし
て、計測対象物2がレーザ光の光軸上を横切って落下す
ると、レーザ光はその計測対象物2で反射される。計測
対象物2で反射したレーザ光のうち第一光学系10に向
かって進むレーザ光は、第一光学系10、第二光学系2
0を介して、光学レンズ系30aに入射することにな
る。
【0039】また、レーザ光のスポット径は、計測対象
物2の直径よりも小さくしている。このため、画像検出
部40は、レーザ光の光軸上を通過する計測対象物2で
あってレーザ光が当たった部分(スポット部分と称す
る。)の像が写った画像を検出することになる。コンピ
ュータ本体61は、画像データに基づいて計測対象物2
のスポット部分の像にピントが合っているか否かを判断
することにより、計測対象物2の位置を計測する。した
がって、第二実施形態では、レーザ光の光軸上を通過す
る計測対象物2だけが計測の対象となる。レーザ光の光
軸以外の部分を通過する計測対象物2については、その
位置を計測しない。
【0040】画像検出部40の電子シャッタは、移動す
る計測対象物2の瞬間の状態を捉えた画像を検出するこ
とができるようなシャッタスピードに設定される。ま
た、電子シャッタを短い時間のうちに頻繁に切ったので
は、同一の計測対象物2についてのスポット部分の像が
複数の画像に写ってしまうことがある。このため、一つ
の計測対象物2については一つのスポット部分の像だけ
が一つの画像に写るように、計測対象物2の速度や位置
等に応じて、電子シャッタの切るタイミングを定める必
要がある。
【0041】光学レンズ系30aとしては、第一実施形
態の光学レンズ系30の前面に、レーザ発振装置70が
発するレーザ光の波長と同じ波長の光を透過するバンド
パスフィルタ31を設けたものを用いる。これは、たと
え背景が明るい場合でも、計測対象物2の奥行き方向の
分布を測定できるようにするためである。例えば、背景
がとても明るく、計測対象物2と背景との区別ができな
いような状況にあるとする。このとき、バンドパスフィ
ルタ31を設けることにより、計測対象物2で反射して
戻ってきたレーザ光はすべて、バンドパスフィルタ31
を透過し、光学レンズ系30aに入射する。これに対し
て、背景からの光はレーザ光の波長と同じ波長の光しか
バンドパスフィルタ31を透過することができず、した
がって一部の光しか光学レンズ系30aに入射すること
ができない。このため、画像検出器40では、レーザ光
と背景からの光とを差別化して、スポット部分の像がは
っきり写った画像を検出することができる。尚、例えば
レーザ光と背景からの光とが強度的に大幅に異なってい
たり、その差別化が容易である場合には、必ずしもバン
ドパスフィルタ31を用いる必要はない。
【0042】コンピュータ本体61は、第一実施形態と
同様にして、計測対象物2の奥行き方向の分布を計測す
る。具体的には、まず、画像データの中に一定の輝度以
上の明るい範囲が存在するか否かを判断する。一定の輝
度以上の明るい範囲があれば、その範囲は計測対象物2
のスポット部分の像を表す範囲として特定される。次
に、そのスポット部分の像を含む画像データに対して、
そのスポット部分の像にピントが合っているか否かを判
断する。すなわち、その画像データに基づいて、スポッ
ト部分の像を表す範囲の中心位置を通り画像上のx方向
又はy方向に平行な直線上の各画素に対する光の強度分
布を求める。このとき、バンドパスフィルタ31を設け
たことにより、計測対象物2で反射したレーザ光はほと
んど光学レンズ系30aに入射するが、計測対象物2か
らの光のうちレーザ光が照射されなかった部分からの光
や背景からの光は光学レンズ系30aにほとんど入射し
ない。このため、計測対象物2のスポット部分の像にピ
ントが合っているときには、x方向又はy方向の光の強
度分布は、図8に示すように、スポット部分の像の中央
部で鋭いピークを持ち、スポット部分の像の輪郭部分で
は光の強度の傾きが急になる。コンピュータ本体61
は、x方向又はy方向の光の強度分布から、スポット部
分の像の輪郭部分における光の強度の傾きを求め、その
傾きの大きさが所定の基準値以上であれば、スポット部
分、したがって計測対象物2の像にピントが合っている
と判断する。一方、その傾きの大きさが所定の基準値よ
りも小さければ、計測対象物2の像にピントが合ってい
ないと判断する。コンピュータ本体61は、このような
判断処理を各画像データについて行い、光学レンズ系3
0aの焦点を合わせた各位置毎に、ピントが合っている
計測対象物2の像の個数を数えることにより、計測対象
物2の奥行き方向の分布を計測する。
【0043】尚、第二実施形態の測距装置において、計
測対象物2の奥行き方向の分布を計測する場合の処理手
順は、上記第一実施形態と同様である。第二実施形態の
測距装置では、連続発振のレーザ光を発するレーザ発振
装置を設け、計測対象物で反射したレーザ光を計測対象
物からの光として利用することにより、例えば、計測対
象物が自分で発光していなかったり、背景が暗い場合で
も、計測対象物のスポット部分の像が明確に写った画像
を検出することができる。しかも、このスポット部分の
像については、その大きさや光量を予測することができ
るので、スポット部分の像を認識する処理や、スポット
部分の像にピントが合っているか否かの判断処理が、第
一実施形態のものに比べて、簡単且つ迅速に行うことが
できる。その他の効果は、上記第一実施形態のものと同
様である。
【0044】尚、上記の第二実施形態では、レーザ光の
スポット径を計測対象物の直径よりも小さくした場合に
ついて説明したが、レーザ光のスポット径は自由に変え
ることができる。例えば、計測対象物の大きさに応じ
て、レーザ光のスポット径をある程度大きく調整しても
よい。これによりスポット部分の像にピントが合ってい
るか否かの判断がしやすくなる。また、レーザ光を拡げ
て計測対象物に照射するようにしてもよい。この場合に
は、コンピュータ本体は、第一実施形態と同様に、計測
対象物の像の輪郭部分における光の強度の傾きを調べ
て、計測対象物の像にピントが合っているか否かを判断
することになる。
【0045】次に、本発明の第三実施形態について図面
を参照して説明する。図9は本発明の第三実施形態であ
る測距装置の概略構成図である。尚、第三実施形態にお
いて、第一及び第二実施形態のものと同一の機能を有す
るものには、同一の符号を付すことによりその詳細な説
明を省略する。第三実施形態の測距装置は、図9に示す
ように、第一光学系10と、第二光学系20と、光学レ
ンズ系30aと、画像検出部40aと、画像処理部50
と、コンピュータ60と、レーザ発振装置70aとを備
えるものである。
【0046】第三実施形態でも、第一実施形態と同様
に、落下している多数の計測対象物2についての奥行き
方向の分布を計測する場合について説明する。計測対象
物2の移動する環境は明るくても暗くてもよいが、ここ
では、特に背景が真っ暗であるとする。第三実施形態の
測距装置が第一実施形態のものと異なる主な点は、レー
ザ発振装置70aを設け、計測対象物2で反射したレー
ザ光を計測対象物2からの光として画像検出部40aで
検出することにより、計測対象物2の位置を算出する点
である。かかる構成により、計測対象物2が発光してお
らず、真っ暗な状況であっても、計測対象物2の奥行き
方向の分布を計測することができる。
【0047】レーザ発振装置70aは、断続するパルス
波形出力を発生するもの(パルスレーザ)である。ここ
では、パルスレーザとして、例えばYAGレーザを用い
る。特に、YAGレーザの第二高調波(SHG)を利用
する。このレーザ光の波長は532nmであり、パルス
幅は約10ナノ秒、すなわち10×10-9秒である。レ
ーザ光は、ビーム折返し用プリズム160で反射した
後、第二光学系20、第一光学系10を介して、前方に
放射される。そして、計測対象物2がレーザ光の光軸上
を横切って落下し、レーザ光が計測対象物2に当たる
と、レーザ光はその計測対象物2で反射される。計測対
象物2で反射したレーザ光のうち第一光学系10に向か
って進むレーザ光は、第一光学系10、第二光学系20
を介して、光学レンズ系30aに入射することになる。
【0048】また、レーザ光のスポット径は、計測対象
物2の直径よりも小さくしている。このため、画像検出
部40aは、レーザ光の光軸上を通過する計測対象物2
であってレーザ光が当たった部分(スポット部分)の像
が写った画像を検出することになる。コンピュータ本体
61は、画像データに基づいて計測対象物2のスポット
部分の像にピントが合っているか否かを判断することに
より、計測対象物2の位置を計測する。したがって、第
三実施形態でも、第二実施形態と同様に、レーザ光の光
軸上を通過する計測対象物2だけが計測の対象となる。
レーザ光の光軸以外の部分を通過する計測対象物2につ
いては、その位置を計測しない。
【0049】画像検出部40aは、上記第一及び第二実
施形態のものとは異なり、機械シャッタを有するCCD
カメラを用いる。第三実施形態では、パルス幅のかなり
短いレーザ光を用いることにより、CCDカメラの露光
時間はレーザ光のパルス幅で決まってしまうので、高速
でシャッタを切る必要はない。これが、機械シャッタを
用いることにしている理由である。
【0050】実際、移動している計測対象物2の瞬間の
状態を捉えた画像を検出するためには、計測対象物2の
移動速度や位置にもよるが、露光時間、したがってレー
ザ光のパルス幅は、マイクロ秒オーダとする必要があ
る。この条件は、上記のYAGレーザの第二高調波を利
用することにより、満たされている。また、一回の撮像
では、計測対象物2で反射して戻ってきた一つのパルス
レーザ光のみをCCDカメラで取り込むことができるよ
うに、レーザ光のパルス間隔、機械シャッタの切るタイ
ミングを定める必要がある。計測対象物2は移動してい
るため、二つ以上のパルスレーザ光をCCDカメラに取
り込むことにすると、計測対象物2についての正確な情
報が得られなくなるからでなる。
【0051】また、光学レンズ系30aとしては、第二
実施形態のものと同様に、レーザ発振装置70aが発す
るレーザ光の波長と同じ波長の光を透過するバンドパス
フィルタ31を設けたものを用いる。コンピュータ本体
61が画像データに基づいて計測対象物2の奥行き方向
の分布を計測する方法は、上記第二実施形態と同様であ
るので、その詳細な説明は省略する。
【0052】第三実施形態の測距装置では、画像検出部
として機械シャッタを有するCCDカメラを用いること
により、電子シャッタのデバイスの分解能に起因してC
CDカメラの画像分解能が落ちてしまうことがなく、C
CDカメラの持つ画像分解能をそのまま引き出すことが
できるという利点がある。その他の効果は上記第二実施
形態のものと同様である。
【0053】尚、上記の第三実施形態では、画像検出部
として機械式シャッタを有するCCDカメラを用いる場
合について説明したが、電子シャッタを有するCCDカ
メラを用いることも可能である。次に、本発明の第四実
施形態について図面を参照して説明する。図10は本発
明の第四実施形態である測距装置の概略構成図、図11
(a)はその測距装置のフィルタユニットの概略構成
図、図11(b)はその測距装置の画像検出部で得られ
た画像を説明するための図である。尚、第四実施形態に
おいて、第一実施形態のものと同一の機能を有するもの
には、同一の符号を付すことによりその詳細な説明を省
略する。
【0054】第四実施形態の測距装置は、図10に示す
ように、第一光学系10と、第二光学系20と、光学レ
ンズ系30と、画像検出部40と、画像処理部50と、
コンピュータ60と、フィルタ手段としてのフィルタユ
ニット80とを備える。ここでは、第一実施形態と同様
に、落下している多数の計測対象物2についての奥行き
方向の分布を計測する場合について説明する。また、第
四実施形態では、計測対象物2は自ら発光しており、そ
の表面温度を計測する場合についても説明する。フィル
タユニット80は計測対象物2の温度を計測するために
設けられたものである。
【0055】フィルタユニット80は、光学レンズ系3
0を通過した光を、波長が略460nm(青色)である
第一の光と、波長が略660nm(赤色)である第二の
光と、第一の光及び第二の光以外の第三の光とに分ける
ものである。かかるフィルタユニット80は、図10に
示すように、光学レンズ系30と画像検出部40との間
に取り付けられ、具体的には、図11(a)に示すよう
に、二つの干渉フィルタ81,82と、一つの反射鏡8
3とを有する。干渉フィルタ81は、光学レンズ系30
を通ってきた光のうち波長が略460nmの第一の光を
透過し、その他の波長の光(第二の光及び第三の光)を
反射する。また、干渉フィルタ82は、干渉フィルタ8
1で反射した光のうち波長が略660nmの第二の光を
反射し、その他の波長の光(第三の光)を透過する。反
射鏡83は、干渉フィルタ82を透過した第三の光を反
射するものである。第四実施形態では、干渉フィルタ8
1,82として、例えばダイクロイックミラーを用い
る。
【0056】画像検出部40の光電面41は、図11
(a)に示すように、第一エリアA1、第二エリア
2 、第三エリアA3 の三つに区分されている。第一エ
リアA1 には干渉フィルタ81を透過した第一の光が入
射し、第二エリアA2 には干渉フィルタ82で反射した
第二の光が入射し、そして、第三エリアA3 には反射鏡
83で反射した第三の光が入射する。したがって、画像
検出部40では、図11(b)に示すように、第一エリ
アA1 に対応する第一画像と、第二エリアA2 に対応す
る第二画像と、第三エリアA3 に対応する第三画像とか
らなる画像が検出される。この画像検出部40で検出さ
れた画像信号は画像処理部50に送られ、ディジタルの
画像データに変換されて、画像メモリに記憶される。
【0057】コンピュータ60のコンピュータ本体61
は、計測対象物2の奥行き方向の分布と計測対象物2の
表面温度を計測する。計測対象物2の奥行き方向の分布
を計測する処理は、画像検出部40で検出された画像の
うち第三画像に基づいて行う。この第三画像を用いる点
を除けば、計測対象物2の奥行き方向の分布を計測する
処理は、上記第一実施形態のものと同様であるので、こ
こでは、その詳細な説明を省略する。
【0058】一方、計測対象物2の表面温度を計測する
には、公知の二色温度計測法を用いる。二色温度計測法
とは、熱放射体の二つの波長460nm、660nmに
おける光の強度の比がその放射体の温度の関数で表され
ることを利用して、放射体の温度を計測するものであ
る。計測対象物2の温度計測は、計測対象物2の奥行き
方向の分布を計測する際にピントが合っていると判断さ
れた計測対象物2の像の各々について行う。コンピュー
タ本体61は、計測対象物2の像の第三画像上の位置に
対応する第一画像上の位置における第一の光(波長46
0nm)の強度と、その計測対象物2の像の第三画像上
の位置に対応する第二画像上の位置における第二の光
(波長660nm)の強度とを求める。そして、その求
めた第一の光の強度と第二の光の強度とを用いて、計測
対象物2の温度を計測する。次に、第四実施形態の測距
装置において、計測対象物2の奥行き方向の分布及び計
測対象物2の表面温度を計測する処理手順について説明
する。
【0059】まず準備作業として、オペレータは、第一
光学系10を図10の右側に移動した後、光学レンズ系
30の各構成レンズの相対位置を調整して、画像検出部
40の光電面から前方、例えば6mのところに光学レン
ズ系30の焦点を正確に合わせる。また、オペレータ
は、計測対象物2の落下速度に応じて、計測対象物2の
瞬間の状態を捉えた画像を得ることができるような電子
シャッタのシャッタスピードを、マウスを用いてCRT
表示装置62の画面上で入力する。
【0060】かかる準備作業が終了した後、オペレータ
は、キーボード又はマウスを用いて、CRT表示装置6
2の画面上で、光学レンズ系30の焦点位置についての
情報と、第一光学系10の位置についての情報とを入力
すると共に、画像検出の動作を開始する旨のボタンを押
す。すると、コンピュータ本体61は画像検出部40に
信号を送り、画像検出部40の電子シャッタが一定時間
内に何度も切られて、多数の画像が検出される。このと
き、各画像において、その第一画像には、波長460n
mの第一の光による像が写り、第二画像には、波長66
0nmの第二の光による像が写り、そして、第三画像に
は、波長460nm及び660nm以外の波長の第三の
光による像が写る。
【0061】次に、かかる動作が終了した後、オペレー
タは、第一光学系10を5cmだけ図10の左側に移動
させる。これにより、光学レンズ系30の焦点は、画像
検出部40の光電面から前方、6m10cmのところに
合うことになる。そして、オペレータは、その第一光学
系10の位置についての情報を入力すると共に、画像検
出の動作を開始する旨のボタンを押す。すると、コンピ
ュータ本体61は再び、画像検出部40に信号を送り、
画像検出部40の電子シャッタが一定時間内に何度も切
られて、多数の画像が検出される。その後も、第一光学
系10を5cmずつ前方に移動しながら、画像検出部4
0で画像を検出する処理を上記と同様にして繰り返す。
この繰り返す動作は、光学レンズ系30の焦点が画像検
出部40の光電面から前方10mのところに合うまで行
う。
【0062】画像検出部40で得られた各画像信号は、
画像処理部50に送られ、画像処理部50は画像信号を
画像データに変換して、画像メモリに記憶する。コンピ
ュータ本体61は、最初に、計測対象物2の奥行き方向
の分布を計測する。すなわち、画像メモリに記憶された
画像データを読み出し、光学レンズ系30の焦点を合わ
せた各位置毎の画像データのうち第三画像に基づいて、
計測対象物2の像にピントが合っているか否かを判断す
る。コンピュータ本体61は、光学レンズ系30の焦点
を合わせた各位置毎に、ピントが合っている計測対象物
2の像の個数を数え、これから、計測対象物2の奥行き
方向の分布を求める。
【0063】次に、コンピュータ本体61は、計測対象
物2の表面温度を計測する。上記の計測対象物2の奥行
き方向の分布を計測する処理の際にピントが合っている
と判断された計測対象物2の像については、その中心が
第三画像上においてどこに位置しているかが既に特定さ
れている。コンピュータ本体61は、その計測対象物2
の像の中心を表す第三画像上の位置に対応する第一画像
上の位置における第一の光(波長460nm)の強度を
求めると共に、その計測対象物2の像の中心を表す第三
画像上の位置に対応する第二画像上の位置における第二
の光(波長660nm)の強度を求める。そして、これ
ら二つの波長(460nm、660nm)における光の
強度を用いて、当該計測対象物2の温度を計測する。こ
のようにして、移動する計測対象物2の奥行き方向の分
布を求めると同時に、計測対象物2の温度を計測するこ
とができる。
【0064】第四実施形態の測距装置では、光学レンズ
系を通過した光を、波長が略460nmである第一の光
と、波長が略660nmである第二の光と、第一の光及
び第二の光以外の第三の光とに分けるフィルタユニット
を設けたことにより、画像検出部は、第一の光によって
得られる第一画像と、第二の光によって得られる第二画
像と、第三の光によって得られる第三画像とからなる多
数の画像を検出することができる。このため、第三画像
に基づいてピントが合っていると判断された計測対象物
の像の各々について、計測対象物の像の第三画像上の位
置に対応する第一画像上の位置における第一の光の強度
と、計測対象物の像の第三画像上の位置に対応する第二
画像上の位置における第二の光の強度とを求めることに
より、二色温度計測法を用いて、計測対象物の温度を計
測することができる。尚、その他の効果は上記第一実施
形態のものと同様である。
【0065】次に、本発明の第五実施形態について図面
を参照して説明する。図12は本発明の第五実施形態で
ある測距装置の概略構成図、図13はその測距装置の分
光ユニットの概略構成図である。尚、第五実施形態にお
いて、第一実施形態のものと同一の機能を有するものに
は、同一の符号を付すことによりその詳細な説明を省略
する。
【0066】第五実施形態の測距装置は、図12に示す
ように、第一光学系10と、第二光学系20と、光学レ
ンズ系30と、画像検出部40と、画像処理部50と、
コンピュータ60と、分光手段としての分光ユニット9
0とを備える。第五実施形態では、第四実施形態と同様
に、落下している多数の計測対象物2についての奥行き
方向の分布を計測すると共に、その計測対象物2の表面
温度を計測する場合について説明する。分光ユニット9
0は、計測対象物2の温度を計測するために設けられた
ものである。
【0067】分光ユニット90は、光学レンズ系30と
画像検出部40との間に取り付けられる。分光ユニット
90は、図13に示すように、スリット(開口部)91
と、二つの反射鏡92a,92bと、二つの凹面鏡93
a,93bと、回折格子94とを有する。スリット91
は、光学レンズ系30を通過した光の一部を分光ユニッ
ト90内に取り込むためのものであり、略長方形状をし
ている。スリット91を通過した光は、反射鏡92a及
び凹面鏡93aで反射された後、回折格子94に入射す
る。回折格子94は、スリット91を通過した光を、そ
の光のスリット91の幅方向に対応する方向に沿って各
波長の光に分光するものである。そして、回折格子94
で分光した光は、凹面鏡93b及び反射鏡92bで反射
した後、画像検出部40の光電面に入る。
【0068】このため、画像検出部40は、スリット9
1の幅方向に対応する方向には分光されており、スリッ
ト91の長さ方向に対応する方向には分光されていない
光を検出することになる。したがって、画像検出部40
で検出される画像は、例えば、図14(a)に示すよう
に、y座標軸がスリット91の長さ方向の位置を表し、
x座標軸が波長を表すものとなる。すなわち、その画像
上の各画素点は、その点のy座標に対応するスリット9
1の長さ方向の位置を通過した光であって、その点のx
座標に対応する波長を有する光の強度の情報を持ってい
る。尚、画像検出部40で検出された画像信号は画像処
理部50に送られ、ディジタルの画像データに変換され
て、画像メモリに記憶される。
【0069】コンピュータ60のコンピュータ本体61
は、計測対象物2の奥行き方向の分布と計測対象物2の
表面温度を計測する。計測対象物2の奥行き方向の分布
を計測する処理は、原理的には上記第一実施形態のもの
と同様である。しかし、画像検出部40は分光ユニット
90で分光した光を検出するので、計測対象物2の像に
ピントが合っているか否かを判断する処理が上記第一実
施形態のものと若干異なる。すなわち、コンピュータ本
体61は、例えば、図14(a)に示す画像データに基
づいて、同じy座標を持つ画素点について、それらの光
の強度を加算することにより、図14(b)に示すよう
に、スリット91の長さ方向に対する光の強度分布を求
める。次に、この光の強度分布において一定の強度以上
の明るい範囲を見いだす。この明るい範囲は計測対象物
2の像を表す範囲として特定される。その後、コンピュ
ータ本体61は、そのスリットの長さ方向の光の強度分
布に基づいて、計測対象物2の像の輪郭部分における光
の強度の傾きを求める。その光の強度の傾きの大きさが
所定の基準値以上であれば、計測対象物2の像にピント
が合っていると判断し、一方、その傾きの大きさが所定
の基準値よりも小さければ、計測対象物2の像にピント
が合っていないと判断する。
【0070】一方、計測対象物2の表面温度を計測する
には、上記の第四実施形態と同様に、公知の二色温度計
測法を用いる。この計測対象物2の温度計測は、計測対
象物2の奥行き方向の分布を計測する際にピントが合っ
ていると判断された計測対象物2の像の各々に対して行
う。コンピュータ本体61は、y座標が計測対象物2の
像の所定位置でありx座標が460nmである画像上の
位置における光の強度と、y座標が計測対象物2の像の
所定位置でありx座標が660nmである画像上の位置
における光の強度とを求める。そして、その求めた二つ
の光の強度を用いて、計測対象物2の温度を計測する。
【0071】次に、第五実施形態の測距装置において、
計測対象物2の奥行き方向の分布及び計測対象物2の表
面温度を計測する処理手順について説明する。まず準備
作業として、オペレータは、第一光学系10を図12の
右側に移動した後、光学レンズ系30の各構成レンズの
相対位置を調整して、画像検出部40の光電面から前
方、例えば6mのところに光学レンズ系30の焦点を正
確に合わせる。また、オペレータは、計測対象物2の落
下速度に応じて、計測対象物2の瞬間の状態を捉えた画
像を得ることができるような電子シャッタのシャッタス
ピードを、マウスを用いてCRT表示装置62の画面上
で入力する。
【0072】かかる準備作業が終了した後、オペレータ
は、キーボード又はマウスを用いて、CRT表示装置6
2の画面上で、光学レンズ系30の焦点位置についての
情報と、第一光学系10の位置についての情報とを入力
すると共に、画像検出の動作を開始する旨のボタンを押
す。すると、コンピュータ本体61は画像検出部40に
信号を送り、画像検出部40の電子シャッタが一定時間
内に何度も切られて、多数の画像が検出される。こうし
て検出された各画像は、y座標軸がスリット91の長さ
方向を表し、x座標軸が波長を表すものである。かかる
動作が終了した後、オペレータは、第一光学系10を5
cmだけ図12の左側に移動させる。そして、その第一
光学系10の位置についての情報を入力すると共に、画
像検出の動作を開始する旨のボタンを押す。すると、コ
ンピュータ本体61は再び、画像検出部40に信号を送
り、画像検出部40の電子シャッタが一定時間内に何度
も切られて、多数の画像が検出される。その後も、第一
光学系10を5cmずつ前方に移動しながら、画像検出
部40で画像を検出する処理を上記と同様にして繰り返
す。この繰り返す動作は、光学レンズ系30の焦点が画
像検出部40の光電面から前方10mのところに合うま
で行う。
【0073】画像検出部40で得られた各画像信号は、
画像処理部50に送られ、画像処理部50は画像信号を
画像データに変換して、画像メモリに記憶する。コンピ
ュータ本体61は、最初に、計測対象物2の奥行き方向
の分布を計測する。すなわち、画像メモリに記憶された
画像データを読み出し、光学レンズ系30の焦点を合わ
せた各位置毎の画像データに基づいて、スリット91の
長さ方向に対する光の強度分布を求める。そして、その
光の強度分布を用いて、計測対象物2の像にピントが合
っているか否かを判断する。コンピュータ本体61は、
光学レンズ系30の焦点を合わせた各位置毎に、ピント
が合っている計測対象物2の像の個数を数え、これか
ら、計測対象物2の奥行き方向の分布を求める。
【0074】次に、コンピュータ本体61は、計測対象
物2の表面温度を計測する。上記の計測対象物2の奥行
き方向の分布を計測する処理の際にピントが合っている
と判断された各計測対象物2の像については、その中心
が画像上においてどのy座標に対応するものかが既に特
定されている。コンピュータ本体61は、y座標がその
計測対象物2の像の中心を表す位置であってx座標が波
長460nmである画素点における光の強度と、y座標
がその計測対象物2の像の中心を表す位置であってx座
標が波長660nmである画素点における光の強度とを
求める。そして、これら二つの波長(460nm、66
0nm)における光の強度を用いて、当該計測対象物2
の温度を計測する。このようにして、移動する計測対象
物2の奥行き方向の分布を求めると同時に、計測対象物
2の温度を計測することができる。
【0075】第五実施形態の測距装置では、光学レンズ
系を通過した光の一部を取り込むための長方形状のスリ
ットと、スリットを通過した光をその光のスリットの幅
方向に対応する方向に沿って各波長の光に分ける回折格
子とを有する分光ユニットを設けたことにより、画像検
出部は、例えばy座標軸がスリットの長さ方向の位置を
表しx座標軸が波長を表す画像を検出することができ
る。このため、かかる画像に基づいて計測対象物の奥行
き方向の分布を計測する際にピントが合っていると判断
された計測対象物の像の各々について、y座標が計測対
象物の像の所定位置でありx座標が460nmである画
像上の位置における光の強度と、y座標が計測対象物の
像の所定位置でありx座標が660nmである画像上の
位置における光の強度とを求めることにより、二色温度
計測法を用いて、計測対象物の温度を計測することがで
きる。尚、その他の効果は上記第一実施形態のものと同
様である。
【0076】次に、本発明の第六実施形態について図面
を参照して説明する。図15は本発明の第六実施形態で
ある測距装置の概略構成図である。尚、第六実施形態に
おいて、第一及び第四実施形態のものと同一の機能を有
するものには、同一の符号を付すことによりその詳細な
説明を省略する。第六実施形態の測距装置は、図15に
示すように、光学レンズ系30と、画像検出部40a
と、画像処理部50と、コンピュータ60と、レーザ発
振装置70bと、フィルタユニット80と、光検出器1
10と、電気信号処理保存器120とを備えるものであ
る。ここで、コンピュータ60のコンピュータ本体61
と電気信号処理保存器120とが本発明の信号処理手段
の役割を果たす。
【0077】第六実施形態では、第四実施形態と同様
に、落下している多数の計測対象物2についての奥行き
方向の分布を計測すると共に、その計測対象物2の表面
温度を計測する場合について説明する。このとき、計測
対象物2の表面温度を計測する方法は第四実施形態のも
のと同様であるが、計測対象物2の奥行き方向の分布を
求める方法は第四実施形態のものと全く異なる。
【0078】第六実施形態では、レーザ発振装置70
b、光検出器110、電気信号処理保存器120、コン
ピュータ本体61により、計測対象物2の奥行き方向の
分布を計測する。レーザ発振装置70bは、断続するパ
ルス波形出力を発生するもの(パルスレーザ)である。
パルスレーザとしては、例えばN2 レーザを用いる。こ
のレーザ光の波長は337nmであり、パルス幅は10
-12 秒である。このパルス幅は第三実施形態で使用する
ものに比べてかなり短い。一般に、レーザ発振装置70
bとしては、460nm及び660nm以外の波長のレ
ーザ光を発するものを用いる必要がある。これは、後述
するように、計測対象物2が発する光のうち波長460
nm及び660nmの光と、計測対象物2で反射して戻
ってきたレーザ光とをフィルタユニット80で分けるこ
とができるようにするためである。また、レーザ光のス
ポット径は、計測対象物2の直径よりも小さくする。レ
ーザ発振装置70bは、一つのパルスレーザ光を発する
と、その発生タイミングと同時に、一つのパルスレーザ
光を発した旨の信号をコンピュータ本体61と電気信号
処理保存器120とに送る。
【0079】レーザ発振装置70bから発せられたパル
スレーザ光は、ビーム折返し用プリズム160を介し
て、移動している多数の計測対象物2に向けて前方に放
射される。そして、計測対象物2がパルスレーザ光の光
軸上を横切って落下し、パルスレーザ光が計測対象物2
に当たると、パルスレーザ光はその計測対象物2で反射
される。計測対象物2で反射したパルスレーザ光のうち
光学レンズ系30に向かって進むものは、ビームスプリ
ッタ170で二つに分けられる。ビームスプリッタ17
0で分けられた一方のパルスレーザ光はさらに反射鏡1
80で反射して、光検出器110に入射する。また、ビ
ームスプリッタ170で分けられた他方のパルスレーザ
光はそのまま直進して、光学レンズ系30に入射する。
【0080】光検出器110は、計測対象物2で反射し
て戻ってきたパルスレーザ光を検出するものである。か
かる光検出器110は、パルスレーザ光を検出すると、
パルスレーザ光を検出した旨の信号を電気信号処理保存
器120に送る。電気信号処理保存器120は、レーザ
発振装置70bからのパルスレーザ光を発した旨の信号
を受け取った時間と、光検出器110からのパルスレー
ザ光を検出した旨の信号を受け取った時間とに基づい
て、計測対象物2の距離を算出するものである。すなわ
ち、パルスレーザ光を検出した旨の信号を受け取った時
間が、パルスレーザ光を発した旨の信号を受け取った時
間からΔtだけ遅れていたとすると、この時間差Δt
は、レーザ発振装置70bから計測対象物2までの距離
1 と計測対象物2から光検出器110までの距離d2
とをパルスレーザ光が進んだときに要した時間である。
したがって、大気中の光の速度をcとすれば、Δtを計
測することにより、パルスレーザ光が進んだ全距離d1
+d2 は、d1 +d2 =Δt×cから容易に求めること
ができる。また、レーザ光の進行ルートは予め分かって
いるので、求めた全距離d1 +d2 に基づいて、例えば
CCDカメラの光電面から計測対象物2までの奥行き方
向の距離を簡単に得ることができる。電気信号処理保存
器120は、こうして算出した計測対象物2の距離に関
する情報をコンピュータ本体61に送る。コンピュータ
本体61は、電気信号処理保存器120から送られる情
報に基づいて、算出した各距離毎の計測対象物2の個数
を数えることにより、計測対象物2の奥行き方向の分布
を求める。
【0081】光学レンズ系30は、計測対象物2が発す
る光及び計測対象物2で反射して戻ってきたレーザ光を
含む計測対象物2からの光を結像させるものであり、多
数の計測対象物2に向けて設置される。ここで、光学レ
ンズ系30は、第一実施形態の場合とは異なり、焦点深
度を深くして、視野に含まれるすべてのものにピントが
合うように調整する。フィルタユニット80は、光学レ
ンズ系30と画像検出部40aとの間に取り付けられ
る。
【0082】画像検出部40aは、機械シャッタを有す
るCCDカメラである。第四実施形態で詳述したよう
に、フィルタユニット80は、光学レンズ系30を通過
した光を、波長が略460nmである第一の光と、波長
が略660nmである第二の光と、第一の光及び第二の
光以外の第三の光とに分けるものである。第六実施形態
では、レーザ光の波長が337nmであるので、計測対
象物2で反射して戻ってきたレーザ光は第三の光に含ま
れ、第一の光及び第二の光に含まれることはない。第一
の光及び第二の光には、計測対象物2が発する光及び背
景からの光が含まれる。また、画像検出部40aの光電
面は、第一の光が入射する第一エリア、第二の光が入射
する第二エリア、第三の光が入射する第三エリアに区分
されている。このため、画像検出部40aでは、第一エ
リアに対応する第一画像と、第二エリアに対応する第二
画像と、第三エリアに対応する第三画像とからなる画像
が検出される。この画像検出部40aで検出された画像
信号は画像処理部50に送られ、ディジタルの画像デー
タに変換されて、画像メモリに記憶される。尚、第六実
施形態では、画像検出部40aで検出した画像は、計測
対象物2の温度を検出するためだけに使用する。
【0083】コンピュータ本体61は、電気信号処理保
存器120から送られる各計測対象物の距離情報に基づ
いて計測対象物2の奥行き方向の分布を求めると共に、
画像メモリに記憶された画像データに基づいて計測対象
物2の表面温度を計測するものである。コンピュータ本
体61は、計測対象物2の温度を計測する場合には、第
三の光によって得られた第三画像に基づいて計測対象物
2のスポット部分の像の位置を検出した後、その検出し
た第三画像上の位置に対応する第一画像上の位置におけ
る第一の光の強度と、その検出した第三画像上の位置に
対応する第二画像上の位置における第二の光の強度とを
求める。そして、その求めた第一の光の強度と第二の光
の強度とを用いて、公知の二色温度計測法により計測対
象物2の温度を計測する。
【0084】次に、第六実施形態の測距装置において、
計測対象物2の奥行き方向の分布及び計測対象物2の表
面温度を計測する処理手順について説明する。オペレー
タがキーボード又はマウスを用いてCRT表示装置62
の画面上で、処理を開始する旨のボタンを押すと、コン
ピュータ本体61は各部に信号を送り、処理が開始され
る。レーザ発振装置70bは、一つのパルスレーザ光を
発すると、パルスレーザ光を発した旨の信号をコンピュ
ータ本体61と電気信号処理保存器120とに送る。レ
ーザ発振装置70bから発せられたパルスレーザ光が計
測対象物2に当たると、その計測対象物2で反射したパ
ルスレーザ光のうち光学レンズ系30に向かって進むも
のはビームスプリッタ170で二つに分けられる。そし
て、分けられた二つのパルスレーザ光はそれぞれ、光検
出器110、光学レンズ系30に導かれる。
【0085】光検出器110は、計測対象物2で反射し
て戻ってきたパルスレーザ光を検出すると、パルスレー
ザ光を検出した旨の信号を電気信号処理保存器120に
送る。電気信号処理保存器120は、レーザ発振装置7
0bからのパルスレーザ光を発した旨の信号を受け取っ
た時間と光検出器110からのパルスレーザ光を検出し
た旨の信号を受け取った時間との時間差に基づいて、当
該レーザ光が当たった計測対象物2までの距離を算出す
る。電気信号処理保存器120は、こうして計測した計
測対象物2の距離に関する情報をコンピュータ本体61
に送る。コンピュータ本体61は、こうして電気信号処
理保存器120から送られる多数の情報に基づいて、算
出した各距離毎の計測対象物2の個数を数えることによ
り、計測対象物2の奥行き方向の分布を求める。
【0086】一方、コンピュータ本体61は、レーザ発
振装置70bからパルスレーザ光を発した旨の信号を受
け取ると、機械シャッタを切る旨の信号を画像検出部4
0aに送る。これにより機械シャッタが切られ、画像検
出部40aで画像が検出される。ここで、機械シャッタ
の最高のシャッタスピードは、ミリ秒オーダである。こ
のため、当該パルスレーザ光が計測対象物2に当たり、
その計測対象物2で反射したパルスレーザ光は、機械シ
ャッタが開いている間に、ビームスプリッタ170、光
学レンズ系30、フィルタユニット80を介して画像検
出部40aに必ず入射することになる。また、かかる画
像には、当然のことながら、計測対象物2が発する光、
背景からの光についての情報も含まれている。この画像
検出部40aで検出された画像信号は画像処理部50に
送られ、ディジタルの画像データに変換されて、画像メ
モリに記憶される。
【0087】その後、コンピュータ本体61は、画像メ
モリに記憶された画像データを読み出し、画像データの
うち第三画像に基づいて計測対象物2のスポット部分の
像を認識し、その像の中心を特定する。ここで、第六実
施形態では、光学レンズ系30を視野のすべてのものに
ピントが合うように調整しているため、第三画像にはス
ポット部分の像が明確に写るので、そのスポット部分の
像を容易に特定することができる。コンピュータ本体6
1は、そのスポット部分の像の中心を表す第三画像上の
位置に対応する第一画像上の位置における第一の光(波
長460nm)の強度を求めると共に、そのスポット部
分の像の中心を表す第三画像上の位置に対応する第二画
像上の位置における第二の光(波長660nm)の強度
を求める。そして、これら二つの波長(波長460n
m、660nm)における光の強度に基づいて、計測対
象物2の温度を計測する。このようにして、移動する計
測対象物2の奥行き方向の分布を求めると同時に、計測
対象物2の温度を計測することができる。
【0088】第六実施形態の測距装置では、パルスレー
ザ光を発してから戻ってくるまでの時間差に基づいて計
測対象物の距離を算出することにより、計測対象物の距
離を高分解能で求めることができる。したがって、その
算出した結果から各距離毎の計測対象物2の個数を数え
ることにより計測対象物の奥行き方向の分布を高精度で
求めることができる。また、パルスレーザ光が当たった
各計測対象物毎に、その計測対象物の位置と温度を計測
することができる。
【0089】尚、本発明は上記の各実施形態に限定され
るものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形
が可能である。例えば、上記の第四実施形態では、第一
実施形態の測距装置にフィルタユニットを設けることに
より、計測対象物の奥行き方向の分布を求めると共に、
計測対象物の温度を計測する場合について説明したが、
第二実施形態の測距装置又は第三実施形態の測距装置に
フィルタユニットを設けるようにしてもよい。図16は
第二実施形態の測距装置にフィルタユニットを加えて構
成した測距装置の概略構成図、図17は第三実施形態の
測距装置にフィルタユニットを加えて構成した測距装置
の概略構成図である。尚、図16及び図17において、
第一乃至第四実施形態のものと同一の機能を有するもの
には同一の符号を付している。
【0090】図16又は図17の測距装置において、光
学レンズ系30としては、バンドパスフィルタを設けな
い第一実施形態のものを用いる。また、図16の測距装
置におけるレーザ発振装置70、又は図17の測距装置
におけるレーザ発振装置70aとしては、二色温度計測
法で用いる二つの波長460nm及び660nm以外の
波長を持つレーザ光を発するものを用いる。これによ
り、第三画像には計測対象物のスポット部分の像が明確
に写るため、第三画像に基づいてスポット部分の像を認
識する処理や、スポット部分の像にピントが合っている
か否かの判断処理が簡単且つ迅速に行うことができると
いう利点がある。これらの測距装置は、上記第四実施形
態のものと同様の効果を奏する。
【0091】また、上記の第五実施形態では、第一実施
形態の測距装置に分光ユニットを設けることにより、計
測対象物の奥行き方向の分布を求めると共に、計測対象
物の温度を計測する場合について説明したが、第二実施
形態の測距装置又は第三実施形態の測距装置に分光ユニ
ットを設けるようにしてもよい。図18は第二実施形態
の測距装置に分光ユニットを加えて構成した測距装置の
概略構成図、図19は第三実施形態の測距装置に分光ユ
ニットを加えて構成した測距装置の概略構成図である。
尚、図18及び図19において、第一乃至第四実施形態
のものと同一の機能を有するものには同一の符号を付し
ている。
【0092】図18又は図19の測距装置において、光
学レンズ系30としては、バンドパスフィルタを設けな
い第一実施形態のものを用いる。また、図18の測距装
置におけるレーザ発振装置70、又は図19の測距装置
におけるレーザ発振装置70aとしては、二色温度計測
法で用いる二つの波長460nm及び660nm以外の
波長を持つレーザ光を発するものを用いる。これによ
り、画像には計測対象物のスポット部分の像が明確に写
るため、スポット部分の像を認識する処理や、スポット
部分の像にピントが合っているか否かの判断処理が簡単
且つ迅速に行うことができる。これらの測距装置は、上
記第五実施形態のものと同様の効果を奏する。
【0093】また、上記の第六実施形態において、フィ
ルタユニット80に代えて分光ユニット90を用いるこ
とにより、第五実施形態と同様にして計測対象物の温度
を検出するようにしてもよい。また、上記の第四及び第
五実施形態では、第一の光の波長が460nm、第二の
光の波長が660nmである場合について説明したが、
第一の光として460nmと異なる波長の光を用い、第
二の光として660nm及び第一の光の波長と異なる波
長の光を用いてもよい。
【0094】更に、上記の第四乃至第六実施形態では、
移動する計測対象物の奥行き方向の分布を計測すると共
に、その計測対象物の温度を計測する場合について説明
したが、第四乃至第六実施形態の測距装置は、移動する
計測対象物の温度のみを計測する温度計測装置として使
用することも可能である。加えて、上記の各実施形態で
は、計測対象物が直径約1〜2cmの球形状をしている
場合について説明したが、計測対象物は粒状物だけでな
く粉状物であってもよい。一般に、本発明は、どのよう
な大きさ・形状の物に対しても適用することができる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
一光学系を移動することによって光学レンズ系の焦点の
合う位置を少なくとも光学レンズ系の焦点深度と同じ距
離ずつずらす度に、シャッタ手段を用いて一定時間内に
少なくとも一度、光学レンズ系を通過した光を画像検出
手段に取り込むことにより、移動する計測対象物の瞬間
の状態を捉えた複数の画像を検出することができる。そ
して、焦点を合わせた各位置毎の画像データに基づいて
ピントが合っている計測対象物の像の個数を数えること
により当該焦点を合わせた位置を移動する計測対象物の
個数を求めることができるので、その求めた結果から、
移動している計測対象物の奥行き方向の分布を計測する
ことができる。
【0096】また、光学レンズ系を通過した光を、波長
が第一波長値(例えば略460nm)である第一の光
と、波長が第一波長値と異なる第二波長値(例えば略6
60nm)である第二の光と、第一の光及び第二の光以
外の第三の光とに分けるフィルタ手段を設けることによ
り、画像検出手段は、第一の光によって得られる第一画
像と、第二の光によって得られる第二画像と、第三の光
によって得れらる第三画像とからなる多数の画像を検出
することができる。このため、第三画像に基づいてピン
トが合っていると判断された計測対象物の像の各々につ
いて、計測対象物の像の第三画像上の位置に対応する第
一画像上の位置における第一の光の強度と、計測対象物
の像の第三画像上の位置に対応する第二画像上の位置に
おける第二の光の強度とを求めることにより、二色温度
計測法を用いて、計測対象物の温度を計測することがで
きる。
【0097】更に、上記フィルタ手段の代わりに、光学
レンズ系を通過した光の一部を取り込むための長方形状
の開口部と、開口部を通過した光をその光の開口部の幅
方向に対応する方向に沿って各波長の光に分ける回折格
子とを有する分光手段を設けることにより、画像検出手
段は、例えばy座標軸が開口部の長さ方向の位置を表し
x座標軸が波長を表す画像を検出することができる。こ
のため、かかる画像に基づいて計測対象物の奥行き方向
の分布を計測する際にピントが合っていると判断された
計測対象物の像の各々について、y座標が計測対象物の
像の所定位置でありx座標が第一波長値である画像上の
位置における光の強度と、y座標が計測対象物の像の所
定位置でありx座標が第二波長値である画像上の位置に
おける光の強度とを求めることにより、二色温度計測法
を用いて、計測対象物の温度を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態である測距装置の概略構
成図である。
【図2】その測距装置の画像検出部の概略構成図であ
る。
【図3】背景が白色である場合にピントが合っている計
測対象物の画像データを模式的に示した図である。
【図4】背景が白色である場合にピントが合っていない
計測対象物の画像データを模式的に示した図である。
【図5】(a)は図3の場合にx方向の光の強度分布を
示す図、(b)は図4の場合にx方向の光の強度分布を
示す図である。
【図6】(a)は背景が黒色の場合に計測対象物の像に
ピントが合っているときのx方向の光の強度分布を示す
図、(b)は背景が黒色の場合に計測対象物の像にピン
トが合っていないときのx方向の光の強度分布を示す図
である。
【図7】本発明の第二実施形態である測距装置の概略構
成図である。
【図8】球形状の計測対象物の像にピントが合っている
場合の光の強度分布を示す図である。
【図9】本発明の第三実施形態である測距装置の概略構
成図である。
【図10】本発明の第四実施形態である測距装置の概略
構成図である。
【図11】(a)はその測距装置のフィルタユニットの
概略構成図、(b)はその測距装置の画像検出部で得ら
れた画像を説明するための図である。
【図12】本発明の第五実施形態である測距装置の概略
構成図である。
【図13】その測距装置の分光ユニットの概略構成図で
ある。
【図14】(a)は画像データを説明するための図、
(b)はスリットの長さ方向に対する光の強度分布の一
例を示す図である。
【図15】本発明の第六実施形態である測距装置の概略
構成図である。
【図16】第二実施形態の測距装置にフィルタユニット
を加えて構成した測距装置の概略構成図である。
【図17】第三実施形態の測距装置にフィルタユニット
を加えて構成した測距装置の概略構成図である。
【図18】第二実施形態の測距装置に分光ユニットを加
えて構成した測距装置の概略構成図である。
【図19】第三実施形態の測距装置に分光ユニットを加
えて構成した測距装置の概略構成図である。
【符号の説明】
2 計測対象物 10 第一光学系 11,12 反射鏡 20 第二光学系 21,22 反射鏡 30,30a 光学レンズ系 31 バンドパスフィルタ 40,40a 画像検出部 41 光電面 42 マイクロチャネルプレート 43 蛍光面 44 撮像部 50 画像処理部 60 コンピュータ 61 コンピュータ本体 62 CRT表示装置 70,70a,70b レーザ発振装置 80 フィルタユニット 81,82 干渉フィルタ 83 反射鏡 90 分光ユニット 91 スリット 92a,92b 反射鏡 93a,93b 凹面鏡 94 回折格子 110 光検出器 120 電気信号処理保存器 160 ビーム折返し用プリズム 170 ビームスプリッタ 180 反射鏡
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06M 11/00 G02B 7/11 N Fターム(参考) 2F065 AA02 AA12 BB05 BB24 CC39 DD00 FF04 FF10 FF69 GG05 JJ03 JJ16 JJ26 LL04 LL12 QQ03 QQ24 QQ33 QQ43 SS02 SS13 2F112 AB07 BA20 CA08 DA04 DA09 DA25 DA28 EA01 FA07 FA21 FA32 FA41 2H051 AA00 BA52 CB11 CB22 CE09 DA21 DD09 EA14

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動している多数の計測対象物に向けて
    設置され且つ前記計測対象物に向かう方向に沿って前後
    に移動可能に構成されており、前記計測対象物からの光
    をその進行方向と逆向きに反射する第一光学系と、 前記第一光学系で反射した光を前記計測対象物からの光
    の進行方向と同じ向きに反射する第二光学系と、 焦点の合う位置及び焦点深度がそれぞれ所望の値になる
    ように調整されており、前記第二光学系で反射した光を
    結像させる光学レンズ系と、 前記第一光学系を移動することによって前記光学レンズ
    系の前記焦点の合う位置を少なくとも前記焦点深度と同
    じ距離ずつずらす度に、シャッタ手段を用いて一定時間
    内に少なくとも一度、前記光学レンズ系を通過した光を
    取り込むことにより、前記計測対象物の移動を止めた瞬
    間の状態を捉えた複数の画像を検出する画像検出手段
    と、 前記光学レンズ系の前記焦点を合わせた各位置毎の前記
    画像に基づいてピントが合っている前記計測対象物の像
    の個数を数えることにより当該焦点を合わせた位置を移
    動する前記計測対象物の個数を求め、その求めた結果に
    基づいて前記焦点を合わせた各位置に対する前記計測対
    象物の分布を計測する計測処理手段と、 を具備することを特徴とする測距装置。
  2. 【請求項2】 前記計測処理手段は、前記焦点を合わせ
    た各位置毎の前記画像に基づいて、光の強度が所定値以
    上である範囲を前記計測対象物に対応する像として特定
    した後、その特定した前記計測対象物の像を横切る所定
    の直線に沿った光の強度分布を求め、前記計測対象物の
    像の輪郭部分における光の強度の傾きの大きさが基準値
    よりも小さいときに前記計測対象物にはピントが合って
    いないと判断し、一方、前記計測対象物の像の輪郭部分
    における光の強度の傾きの大きさが前記基準値以上であ
    るときに前記計測対象物にピントが合っていると判断す
    ることを特徴とする請求項1記載の測距装置。
  3. 【請求項3】 移動している多数の計測対象物に向けて
    設置され且つ前記計測対象物に向かう方向に沿って前後
    に移動可能に構成されており、前記計測対象物からの光
    をその進行方向と逆向きに反射する第一光学系と、 前記第一光学系で反射した光を前記計測対象物からの光
    の進行方向と同じ向きに反射する第二光学系と、 焦点の合う位置及び焦点深度がそれぞれ所望の値になる
    ように調整されており、前記第二光学系で反射した光を
    結像させる光学レンズ系と、 前記光学レンズ系を通過した光を、波長が所定の第一波
    長値である第一の光と波長が前記第一波長値と異なる所
    定の第二波長値である第二の光と前記第一の光及び前記
    第二の光以外の第三の光とに分けるフィルタ手段と、 前記第一光学系を移動することによって前記光学レンズ
    系の前記焦点の合う位置を少なくとも前記焦点深度と同
    じ距離ずつずらす度に、シャッタ手段を用いて一定時間
    内に少なくとも一度、前記光学レンズ系を通過した光を
    前記フィルタ手段を介して取り込むことにより、前記計
    測対象物の移動を止めた瞬間の状態を捉えた複数の画像
    であって、前記第一の光によって得られる第一画像、前
    記第二の光によって得られる第二画像及び前記第三の光
    によって得られる第三画像からなるものを検出する画像
    検出手段と、 前記光学レンズ系の前記焦点を合わせた各位置毎の前記
    第三画像に基づいてピントが合っている前記計測対象物
    の像の個数を数えることにより当該焦点を合わせた位置
    を移動する前記計測対象物の個数を求め、その求めた結
    果に基づいて前記焦点を合わせた各位置に対する前記計
    測対象物の分布を計測する計測処理手段と、 前記ピントが合っている前記計測対象物の像の各々につ
    いて、前記計測対象物の像の前記第三画像上の位置に対
    応する前記第一画像上の位置における前記第一の光の強
    度と、前記計測対象物の像の前記第三画像上の位置に対
    応する前記第二画像上の位置における前記第二の光の強
    度とを求め、その求めた前記第一の光の強度及び前記第
    二の光の強度を用いて二色温度計測法により前記計測対
    象物の温度を計測する温度計測手段と、 を具備することを特徴とする測距装置。
  4. 【請求項4】 前記計測処理手段は、前記焦点を合わせ
    た各位置毎の前記第三画像に基づいて、光の強度が所定
    値以上である範囲を前記計測対象物に対応する像として
    特定した後、その特定した前記計測対象物の像を横切る
    所定の直線に沿った光の強度分布を求め、前記計測対象
    物の像の輪郭部分における光の強度の傾きの大きさが基
    準値よりも小さいときに前記計測対象物にはピントが合
    っていないと判断し、一方、前記計測対象物の像の輪郭
    部分における光の強度の傾きの大きさが前記基準値以上
    であるときに前記計測対象物にピントが合っていると判
    断することを特徴とする請求項3記載の測距装置。
  5. 【請求項5】 移動している多数の計測対象物に向けて
    設置され且つ前記計測対象物に向かう方向に沿って前後
    に移動可能に構成されており、前記計測対象物からの光
    をその進行方向と逆向きに反射する第一光学系と、 前記第一光学系で反射した光を前記計測対象物からの光
    の進行方向と同じ向きに反射する第二光学系と、 焦点の合う位置及び焦点深度がそれぞれ所望の値になる
    ように調整されており、前記第二光学系で反射した光を
    結像させる光学レンズ系と、 前記光学レンズ系を通過した光の一部を取り込むための
    長方形状の開口部と、前記開口部を通過した光をその光
    の前記開口部の幅方向に対応する方向に沿って各波長の
    光に分光する回折格子とを有する分光手段と、 前記第一光学系を移動することによって前記光学レンズ
    系の前記焦点の合う位置を少なくとも前記焦点深度と同
    じ距離ずつずらす度に、シャッタ手段を用いて一定時間
    内に少なくとも一度、前記光学レンズ系を通過した光を
    前記分光手段を介して取り込むことにより、前記計測対
    象物の移動を止めた瞬間の状態を捉えた複数の画像であ
    って、前記画像上の直交する二つの座標軸のうち一方の
    座標軸が前記開口部の長さ方向に沿った位置を表し他方
    の座標軸が波長を表すものを検出する画像検出手段と、 前記光学レンズ系の前記焦点を合わせた各位置毎の前記
    画像に基づいて前記一方の座標の値が同一である画素点
    における光の強度を加算することにより前記一方の座標
    に対する光の強度分布を導出した後、その導出した前記
    光の強度分布に基づいてピントが合っている前記計測対
    象物の像の個数を数えることにより当該焦点を合わせた
    位置を移動する前記計測対象物の個数を求め、その求め
    た結果に基づいて前記焦点を合わせた各位置に対する前
    記計測対象物の分布を計測する計測処理手段と、 前記ピントが合っている前記計測対象物の像の各々につ
    いて、前記一方の座標の値が前記計測対象物の像の所定
    位置であり前記他方の座標が所定の第一波長値である前
    記画像上の位置における光の強度と、前記一方の座標値
    が前記計測対象物の像の所定位置であり前記他方の座標
    が前記第一波長値と異なる所定の第二波長値である前記
    画像上の位置における光の強度とを求め、その求めた二
    つの光の強度を用いて二色温度計測法により前記計測対
    象物の温度を計測する温度計測手段と、 を具備することを特徴とする測距装置。
  6. 【請求項6】 前記計測処理手段は、前記光の強度分布
    において光の強度が所定値以上である範囲を前記計測対
    象物に対応する像として特定した後、前記計測対象物の
    像の輪郭部分における光の強度の傾きの大きさが基準値
    よりも小さいときに前記計測対象物にはピントが合って
    いないと判断し、一方、前記計測対象物の像の輪郭部分
    における光の強度の傾きの大きさが前記基準値以上であ
    るときに前記計測対象物にピントが合っていると判断す
    ることを特徴とする請求項5記載の測距装置。
  7. 【請求項7】 前記シャッタ手段は電子シャッタである
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載
    の測距装置。
  8. 【請求項8】 連続発振のレーザ光又はパルス発振のレ
    ーザ光を前記第二光学系、前記第一光学系を介して前方
    に照射するレーザ発振手段を備えることを特徴とする請
    求項1又は2記載の測距装置。
  9. 【請求項9】 波長が前記第一波長値及び前記第二波長
    値以外の波長を有する連続発振のレーザ光又はパルス発
    振のレーザ光を前記第二光学系、前記第一光学系を介し
    て前方に照射するレーザ発振手段を備えることを特徴と
    する請求項3、4、5、6又は7記載の測距装置。
  10. 【請求項10】 前記光学レンズ系に、前記レーザ光の
    波長と同じ波長の光を透過するバンドパスフィルタを設
    けたことを特徴とする請求項8記載の測距装置。
  11. 【請求項11】 所定の第一波長値及び前記第一波長値
    と異なる所定の第二波長値以外の波長を有するパルス発
    振のレーザ光を、移動している多数の計測対象物に向け
    て前方に放射するレーザ発振手段と、 前記計測対象物で反射して戻ってきた前記レーザ光を二
    つに分けるビームスプリッタと、 前記ビームスプリッタで分けられた一方の前記レーザ光
    を検出する光検出手段と、 前記レーザ発振手段が前記レーザ光を発した時間と前記
    光検出手段が前記レーザ光を検出した時間との時間差に
    基づいて当該レーザ光が当たった前記計測対象物までの
    距離を算出し、その算出した結果に基づいて前記計測対
    象物の奥行き方向の分布を計測する計測処理手段と、 前記多数の計測対象物に向けて設置され、前記ビームス
    プリッタで分けられた他方の前記レーザ光を含む前記計
    測対象物からの光を結像させる光学レンズ系と、 前記光学レンズ系を通過した光を、波長が前記第一波長
    値である第一の光と波長が前記第二波長値である第二の
    光と前記第一の光及び前記第二の光以外の第三の光とに
    分けるフィルタ手段と、 前記レーザ発振手段が前記レーザ光を発するタイミング
    に対応してシャッタ手段を切ることにより、前記計測対
    象物の移動を止めた瞬間の状態を捉えた画像であって、
    前記第一の光によって得られる第一画像、前記第二の光
    によって得られる第二画像及び前記第三の光によって得
    られる第三画像からなるものを検出する画像検出手段
    と、 前記第三画像に基づいて前記計測対象物で反射した前記
    レーザ光による前記計測対象物の像を認識し、前記計測
    対象物の像の前記第三画像上の位置に対応する前記第一
    画像上の位置における前記第一の光の強度と、前記計測
    対象物の像の前記第三画像上の位置に対応する前記第二
    画像上の位置における前記第二の光の強度とを求め、そ
    の求めた前記第一の光の強度及び前記第二の光の強度を
    用いて二色温度計測法により前記計測対象物の温度を計
    測する温度計測手段と、 を具備することを特徴とする測距装置。
  12. 【請求項12】 所定の第一波長値及び前記第一波長値
    と異なる所定の第二波長値以外の波長を有するパルス発
    振のレーザ光を、移動している多数の計測対象物に向け
    て前方に放射するレーザ発振手段と、 前記計測対象物で反射して戻ってきた前記レーザ光を二
    つに分けるビームスプリッタと、 前記ビームスプリッタで分けられた一方の前記レーザ光
    を検出する光検出手段と、 前記レーザ発振手段が前記レーザ光を発した時間と前記
    光検出手段が前記レーザ光を検出した時間との時間差に
    基づいて当該レーザ光が当たった前記計測対象物までの
    距離を算出し、その算出した結果に基づいて前記計測対
    象物の奥行き方向の分布を計測する計測処理手段と、 前記多数の計測対象物に向けて設置され、前記ビームス
    プリッタで分けられた他方の前記レーザ光を含む前記計
    測対象物からの光を結像させる光学レンズ系と、 前記光学レンズ系を通過した光の一部を取り込むための
    長方形状の開口部と、前記開口部を通過した光をその光
    の前記開口部の幅方向に対応する方向に沿って各波長の
    光に分光する回折格子とを有する分光手段と、 前記レーザ発振手段が前記レーザ光を発するタイミング
    に対応してシャッタ手段を切ることにより、前記計測対
    象物の移動を止めた瞬間の状態を捉えた画像であって、
    前記画像上の直交する二つの座標軸のうち一方の座標軸
    が前記開口部の長さ方向に沿った位置を表し他方の座標
    軸が波長を表すものを検出する画像検出手段と、 前記画像に基づいて前記計測対象物で反射した前記レー
    ザ光による前記計測対象物の像を認識し、前記一方の座
    標の値が前記計測対象物の像の所定位置であり前記他方
    の座標が前記第一波長値である前記画像上の位置におけ
    る光の強度と、前記一方の座標値が前記計測対象物の像
    の所定位置であり前記他方の座標が前記第二波長値であ
    る前記画像上の位置における光の強度とを求め、その求
    めた二つの光の強度を用いて二色温度計測法により前記
    計測対象物の温度を計測する温度計測手段と、 を具備することを特徴とする測距装置。
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JP2018510345A (ja) * 2014-12-15 2018-04-12 フォルヴェルク・ウント・ツェーオー、インターホールディング・ゲーエムベーハーVorwerk & Compagnie Interholding Gesellshaft Mit Beschrankter Haftung 自動移動可能な清掃装置
JP2019211998A (ja) * 2018-06-04 2019-12-12 富士通株式会社 点検支援プログラム、点検支援方法および点検支援装置

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