JP2000074419A - 空気調和機の室外機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】部品点数の削減による組立作業の簡略化及びコ
ストダウンを図るとともに、前面と障害物との間に設け
るべき間隔を小さくする。 【構成】前面パネル１ａにおいて送風機４のファン４ｂ
に対向する範囲に、複数の切り起こし孔８を形成した。
切り起こし孔８は、前面パネル１ａにおいてファン４ｂ
の垂直方向の直径を対称軸として左右対称となる位置に
配置し、前面パネル１ａの一部を切り起こし片８ｂとし
て前面側に押し出してパネル面に直交する開口部８ａを
形成したものである。モータ４ａの駆動によりファン４
ｂが回転すると、前面パネル１ａの外部においてファン
４ｂの中心位置から前面パネル１ａのパネル面に略平行
に左右方向に空気流路が形成され、熱交換機３との間で
熱交換を行った後の空気は前面パネル１ａの外部におい
て前面パネル１ａに略平行にファン４ｂの中心位置から
左右に別れて排出される。

Description

【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】この発明は、内部に送風機を収納
した空気調和機の室外機に関し、特に、送風機によって
形成される空気流路中に位置する外側パネルの構造に関
する。

【従来の技術】空気調和機の室外機は、吸引口から内部
に流入した外気を熱交換機を経由して吐出口から外部に
排出する送風機を備え、熱交換機に当接する外気との間
で熱交換を行う。空気調和機によって室内の温度を所望
の設定温度に維持するためには、熱交換機に多量の空気
を通過させて熱交換を効率よく行う必要があり、室外機
の前面には送風機のファンの全体が対向する範囲に吐出
口が開口している。この吐出口に対向する送風機のファ
ンは空気調和機の動作中において回転するため、安全上
の要請から吐出口の内部に人体の一部等が挿入されるこ
とを防止する必要がある。そこで、従来の空気調和機の
室外機には、前面の吐出口を部分的に被覆するファンガ
ードが装着されている。このファンガードは、一般に、
複数の線材によって構成されている。また、室外機にお
いて熱交換機に多量の空気を通過させるためには、室外
機において吐出口が形成された前面、及び、吸引口が形
成された背面と建物の壁面等の障害物との間には、内部
に流入すべき空気、及び、内部から排出される空気が通
過するために十分な間隔を設ける必要がある。ところ
が、室外機の設置場所が狭小である場合には、室外機の
前面及び背面と障害物との間に十分な間隔を取ることが
できず、熱交換機に多量の空気を通過させることができ
ず、熱交換効率の低下を招く。そこで、特開平１０−３
８３２１号公報には、室外機の吐出口に設けた複数の縦
桟又は横桟を、室外機の前後方向の一部の左右方向又は
上下方向における角度を変更できるようにし、吐出口か
ら排出される空気の方向を左右方向又は上下方向に偏向
できるようにした構成が開示されている。この構成によ
り、室外機から排出される吐出風の方向を可変させて設
置場所選択の自由度を増加することができるとされてい
る。

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
空気調和機の室外機では、前面に複数の線材からなるフ
ァンガードを装着する必要があり、部品点数の増加によ
る組立作業の煩雑化及びコストの上昇を招く問題があ
る。また、特開平１０−３８３２１号公報に開示された
構成では、室外機の設置場所の状況に応じて吐出口から
排出される吐出風の方向を適宜偏向することにより、吐
出口が形成された前面と障害物との間に十分な間隙を取
ることができない場合でも、熱交換機に多量の空気を通
過させることができるが、吐出口に設けられる複数の縦
桟及び横桟の形状が複雑化し、コストの著しい上昇を招
く問題がある。この発明の目的は、前面に形成する吐出
口を多数の切り起こし孔によって構成することにより、
前面の吐出口に装着されるファンガードを不要にして組
立作業の簡略化及びコストダウンを実現できるととも
に、簡単な構成によって内部の空気を前面に略平行に排
出するようにして前面と障害物との間に設けるべき間隔
を小さくすることができ、熱交換効率を低下させること
なく狭小な場所にも設置することができる空気調和機の
室外機を提供することにある。

【課題を解決するための手段】請求項１に記載した発明
は、内部に収納した送風機によって熱交換機を経由する
空気流路を構成し、この空気流路中に位置する外側面に
空気流通部を形成した空気調和機の室外機において、前
記空気流路中に位置する少なくとも一方の外側面に形成
される空気流通部を、外側面に略直交する開口部を有す
る複数の切り起こし孔によって構成したことを特徴とす
る。請求項１に記載した発明においては、内部に収納し
た送風機によって構成される空気流路中に位置する少な
くとも一方の外側面に、その外側面に略直交する開口部
を有する複数の切り起こし孔によって構成された空気流
通部が形成される。したがって、送風機によって構成さ
れる空気流路には、空気流通部を構成する複数の切り起
こし孔において外則面に平行に空気が流通し、外側面に
直交する方向において外側面と障害物との間の隙間が小
さい場合にも、空気流路内に多量の空気が流通する。ま
た、複数の切り起こし孔のそれぞれを構成する切り起こ
し片により、室外機の内部が外側面に直交する方向にお
いて被覆され、外側面に線材等によって構成されるファ
ンガードを装着する必要がない。請求項２に記載した発
明は、前記複数の切り起こし孔が、外側面において送風
機のファンの回転軸又は直径方向について点対称又は線
対称となる位置に配置され、互いに対向しない方向に開
口したことを特徴とする。請求項２に記載した発明にお
いては、空気流路の空気流通部を構成する複数の切り起
こし孔が、外側面において送風機のファンの回転軸を中
心として放射状、同心円状、左右対称又は上下対称とな
る位置に、開口部が互いに対向しない状態で形成され
る。したがって、外側面において複数の切り起こし孔が
送風機のファンの回転軸又は直径を基準として外側に向
かって開口し、送風機のファンの回転軸若しくは直径に
向かう方向、又は、送風機のファンの回転軸若しくは直
径から外側に向かう方向に外側面に平行に空気が流通す
る。請求項３に記載した発明は、前記外側面が、合成樹
脂成型品であることを特徴とする。請求項３に記載した
発明においては、複数の切り起こし孔を設けた外側面が
樹脂成型によって製造される。したがって、外側面の樹
脂成型時に同時に複数の切り起こし孔が外側面に形成さ
れる。請求項４に記載した発明は、前記外側面に形成す
る複数の切り起こし孔の密度が、送風機のファン回転軸
の近傍においてファン外周部の近傍よりも疎であること
を特徴とする。請求項４に記載した発明においては、外
側面における切り起こし孔の形成密度が、送風機のファ
ンの外周部に対向する位置からファンの中心部に対向す
る位置にいくにしたがって疎にされる。したがって、送
風量が比較的多いファンの外周部には比較的多数の切り
起こし孔が対向する一方、送風量が比較的少ないファン
の中心部には比較的小数の切り起こし孔が対向し、送風
機による送風量に応じた密度で複数の切り起こし孔が外
側面に形成される。

【発明の実施の形態】図１は、この発明の実施形態に係
る空気調和機の室外機の外観図である。また、図２は、
上記室外機の平面断面の略図である。室外機１は、内部
に圧縮機２、熱交換機３及び送風機４を収納した６面体
形状を呈する。室外機１の内部は、底面板から立設する
仕切板５により、圧縮機室６と熱交換機室７とに区画さ
れている。圧縮機２は、平面方向において圧縮機室６内
の略中央部に固定されている。熱交換機３は、平面方向
において熱交換機室７内の背面側に固定されている。送
風機４は、平面方向において熱交換機室７内の前面側に
固定されている。送風機４は、モータ４ａ及びファン４
ｂによって構成されており、ファン４ｂは室外機１の前
面パネル１ａに対向する。前面パネル１ａにおいて送風
機４のファン４ｂに対向する範囲には、複数の切り起こ
し孔８が形成されている。複数の切り起こし孔８は、前
面パネル１ａにおいてファン４ｂの垂直方向の直径を対
称軸として左右対称となる位置に配置されている。ま
た、各切り起こし孔８は、前面パネル１ａの一部を切り
起こし片８ｂとして前面側に押し出すことにより、前面
パネル１ａのパネル面に直交する開口部８ａを形成した
ものである。ファン４ｂの垂直方向の直径を基準として
左側に位置する切り起こし孔８の開口部８ａは左側に開
口しており、右側に位置する切り起こし孔８の開口部８
ａは右側に開口している。したがって、複数の切り起こ
し孔８の開口部８ａは互いに対向することがない。な
お、室外機１の背面パネル１ｂには、多数の孔部９が開
口している。また、室外機１において少なくとも前面パ
ネル１ａを合成樹脂成型品とすることにより、前面パネ
ル１ａの樹脂成型時に、同時に、複数の切り起こし孔８
を前面パネル１ａに形成することができる。上記のよう
に構成された室外機１において、空気調和機の運転時に
送風機４のモータ４ａが駆動されるとファン４ｂが回転
し、背面パネル１ｂの外側から孔部９、熱交換機室７内
及び切り起こし孔８を通過して前面パネル１ａの外側に
至る空気流路が形成される。この空気流路中には熱交換
機３及び送風機４が位置しており、背面パネル１ｂの孔
部９を経由して熱交換機室７内に吸引された外気は、熱
交換機３との間で熱交換を行った後に前面パネル１ａの
切り起こし孔８の開口部８ａから外部に排出される。こ
のとき、切り起こし孔８の開口部８ａは、前面パネル１
ａのパネル面に直交する方向に形成されているととも
に、ファン４の垂直方向の直径を基準として左側に位置
する切り起こし孔８においては左側に開口し、右側に位
置する切り起こし孔８においては右側に開口している。
したがって、前面パネル１ａの外部においてはファン４
ｂの中心位置から前面パネル１ａのパネル面に略平行に
左右方向に空気流路が形成され、熱交換機３との間で熱
交換を行った後の空気は前面パネル１ａの外部において
前面パネル１ａに略平行にファン４ｂの中心位置から左
右に別れて排出される。このため、熱交換機３における
熱交換に必要な空気流路中の空気流量を確保するために
前面パネル１ａと障害物１１との間に設けるべき間隔
を、前面パネル１ａのパネル面に直交する方向に空気を
排出する場合に比較して、短くすることができる。した
がって、室外機１を設置するために必要な前後方向のス
ペースを短くすることができ、狭小な場所にも室外機１
を設置することができる。また、ファン４ｂは、切り起
こし孔８の切り起こし片８ｂによって前面パネル１ａの
パネル面に直交する方向について被覆されており、人間
の手足、小動物又は落下物等がファン４ｂに当接するこ
とがない。このため、前面パネル１ａにファンガードを
装着する必要がなく、部品点数を削減して組立作業の簡
略化、及び、コストダウンを実現できる。図３は、この
発明の別の実施形態に係る室外機の前面パネルにおける
切り起こし孔の形成状態を示す正面図である。図３
（Ａ）に示す例は、複数の切り起こし孔８を、前面パネ
ル１ａにおいてファン４ｂの水平方向の直径を対称軸と
して上下対称となる位置に配置したものである。また、
図３（Ｂ）に示す例は、複数の切り起こし孔８を、前面
パネル１ａにおいてファン４ｂの複数の直径を対称軸と
して放射状となる位置に配置したものである。さらに、
図３（Ｃ）に示す例は、複数の切り起こし孔８を、前面
パネル１ａにおいてファン４ｂの回転軸を対称点として
略点対称となる位置に、同心円状に配置したものであ
る。図３（Ａ）〜（Ｃ）に示すいずれの例においても、
複数の切り起こし孔８の開口部８ａが互いに対向しない
ように形成されており、空気は前面パネル１ａのパネル
面に平行にパネル面の外側に向かって排出され、図２に
示した配置状態と同様の効果を得ることができる。な
お、図１及び図３（Ａ）〜（Ｃ）に示すいずれの例にお
いても、ファン４ｂの中心付近では送風量が少ないた
め、前面パネル１ａにおいてファン４ｂの中心付近に対
向する範囲には切り起こし孔８を形成しないようにして
もよく、ファン４ｂの外周部から中心部にいくにしたが
って切り起こし孔８の形成密度を疎にするようにしもよ
い。また、上述した実施形態においては、切り起こし孔
８を空気流路の吐出側に位置する前面パネル１ａのみに
形成したものについて説明したが、切り起こし孔８を空
気流路の吸引側に位置する背面パネル１ｂに形成するこ
とにより、室外機１の背面パネル１ｂと障害物との隙間
を小さくすることもできる。

【発明の効果】請求項１に記載した発明によれば、内部
に収納した送風機によって構成される空気流路中に位置
する少なくとも一方の外側面に、その外側面に略直交す
る開口部を有する複数の切り起こし孔によって構成され
た空気流通部を形成することにより、送風機によって構
成される空気流路に、空気流通部を構成する複数の切り
起こし孔において外則面に平行に空気を流通させること
ができ、外側面に直交する方向において外側面と障害物
との間の隙間が小さい場合にも、空気流路内に多量の空
気を流通させることができる。また、複数の切り起こし
孔のそれぞれを構成する切り起こし片により、室外機の
内部を外側面に直交する方向において被覆することがで
き、外側面に線材等によって構成されるファンガードを
装着する必要をなくし、部品点数の削減により組立作業
を簡略化できるとともにコストダウンを実現できる。請
求項２に記載した発明によれば、空気流路の空気流通部
を構成する複数の切り起こし孔を、外側面において送風
機のファンの回転軸を中心として放射状、同心円状、左
右対称又は上下対称となる位置に、開口部が互いに対向
しない状態で形成することにより、外側面において複数
の切り起こし孔を送風機のファンの回転軸又は直径を基
準として外側に向かって開口させることができ、送風機
のファンの回転軸若しくは直径に向かう方向、又は、送
風機のファンの回転軸若しくは直径から外側に向かう方
向に外側面に平行に空気を流通させることができ、外側
面に直交する方向において外側面と障害物との間の隙間
が小さい場合にも、空気流路内に多量の空気を流通させ
ることができる。請求項３に記載した発明によれば、複
数の切り起こし孔を設けた外側面を樹脂成型によって製
造することにより、外側面の樹脂成型時に同時に複数の
切り起こし孔を外側面に形成することができ、製造工程
を簡略化してコストの低廉化を図ることができる。請求
項４に記載した発明によれば、送風量が比較的多いファ
ンの外周部には比較的多数の切り起こし孔を対向させる
一方、送風量が比較的少ないファンの中心部には比較的
小数の切り起こし孔を対向させることにより、外側面に
おける送風機からの送風量の分布状態に応じた量の空気
を外部に排出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施形態に係る空気調和機の室外機
の外観図である。

【図２】上記室外機の平面断面の略図である。

【図３】この発明の別の実施形態に係る空気調和機の室
外機の前面パネルにおける切り起こし孔の形成状態を示
す正面図である。

【符号の説明】

１−室外機 １ａ−前面パネル １ｂ−背面パネル ２−圧縮機 ３−熱交換機 ４−送風機 ４ａ−モータ ４ｂ−ファン ６−圧縮機室 ７−熱交換機室 ８−切り起こし孔 ８ａ−開口部 ８ｂ−切り起こし片 ９−孔部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に収納した送風機によって熱交換機を
   経由する空気流路を構成し、この空気流路中に位置する
   外側面に空気流通部を形成した空気調和機の室外機にお
   いて、 前記空気流路中に位置する少なくとも一方の外側面に形
   成される空気流通部を、外側面に略直交する開口部を有
   する切り起こし孔によって構成したことを特徴とする空
   気調和機の室外機。
2. 【請求項２】前記複数の切り起こし孔が、外側面におい
   て送風機のファンの回転軸又は直径方向について点対称
   又は線対称となる位置に配置され、互いに対向しない方
   向に開口した請求項１に記載の空気調和機の室外機。
3. 【請求項３】前記外側面が、合成樹脂成型品である請求
   項１又は２に記載の空気調和機の室外機。
4. 【請求項４】前記外側面に形成する複数の切り起こし孔
   の密度が、送風機のファン回転軸の近傍においてファン
   外周部の近傍よりも疎である請求項１乃至３のいずれか
   に記載の空気調和機の室外機。