JP2000074316A - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

液体燃料燃焼装置

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JP2000074316A
JP2000074316A JP10243130A JP24313098A JP2000074316A JP 2000074316 A JP2000074316 A JP 2000074316A JP 10243130 A JP10243130 A JP 10243130A JP 24313098 A JP24313098 A JP 24313098A JP 2000074316 A JP2000074316 A JP 2000074316A
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Japan
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heat transfer
heat
transfer section
burner
vaporization chamber
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JP10243130A
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English (en)
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Toshiro Ogino
俊郎 荻野
Katsuhiko Ishikawa
克彦 石川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は液体燃料燃焼部の気化部において、
予熱時間の短縮と、気化の安定化と、高沸点成分を含む
燃料を使用しても短時間に燃焼量の低下や異常燃焼を生
じないようにする。 【解決手段】 略扁平状の気化室26内の上下の両面に
第1の伝熱部25a、第2の伝熱部25b、第1の加熱
ヒータ30a、第2の加熱ヒータ30bと、第1の伝熱
部と第2の伝熱部の間に伝熱経路25c、25d(開示
せず)を備えた構成にし、燃焼動作の運転開始時、気化
室26の昇温速度を速くできる。また、燃焼時、気化室
26は上下両面から加熱されるために内部まで高温に加
熱することが可能となり、沸点が高くなった燃料も気化
することができ、変質油などを使用した際気化室26内
での油のタール化を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体燃料燃焼装置
の気化部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の液体燃料燃焼装置は特開
平8−68509号公報に記載されているようなものが
知られていた。これを図7を用いて説明する。図中、1
は気化器でその上部に円形のバーナ受け座2を設け、前
記バーナ受け座2のほぼ中央にノズル部3を配置し、バ
ーナ受け座2とノズル部3の間に燃焼用空気を供給する
開口部4を設けてある。そしてノズル部3に連通する連
通口5を介して円筒状の気化室6を形成し、気化室6内
には燃料の気化を促進するための気化素子7が、またノ
ズル部3の反対側の端部には燃料を供給する給油口8が
設けてある。そして気化器1の気化室6の反対側のバー
ナ受け座2の下側の約半周に沿うようにU字型のヒータ
9が配設してある。10は混合管で多数の炎孔12を穿
設したバーナ11とともにバーナ受け座2の上部に載置
してある。
【0003】上記構成において、ヒータ9により所定温
度まで気化部1が加熱されると給油口8を介して液体燃
料は燃料供給手段13により供給され、高温に加熱され
た気化素子7内で燃料が気化を開始する。気化室6で気
化した気化ガスは連通口5を介してノズル部3より混合
管10内に噴出する。噴出した気化ガスはエゼクタ効果
により燃焼用の1次空気を開口部4より吸引し混合管1
0内で混合されて混合気となりバーナ11に穿設した炎
孔12より噴出して燃焼する。そして燃焼により発生し
た燃焼排ガスは空気と混合して温風となり暖房などに使
用される。燃焼を開始すると燃焼熱でバーナ受け座2に
一体形成した受熱フランジ2aを介して気化室を加熱す
るために、ヒータ9による加熱が不要となり、自己の燃
焼熱で燃料を気化しながら燃焼を継続するようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た特開平8−68509号公報に記載されている構成の
燃焼装置では、燃焼開始時に気化器1を加熱するために
ヒータ9を使用し、ヒータ9で発生した熱を気化器1の
金属部を介して燃料を気化するための気化素子7を加熱
する間接加熱方式になっている。したがってヒータ9に
通電してから気化素子7が燃料の気化可能温度に到達す
るまでの時間が長くなると言う課題があった。
【0005】また、燃料を気化する気化素子7が円柱状
であるために内部の温度が上がり難く長期間保管され酸
化した変質灯油や高沸点の異種油成分を含む燃料を使用
した際に燃料を完全に気化させることができず、気化素
子7内にタール成分が生成し、気化素子7の目詰まりに
よって燃焼不良を生ずる可能性があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、液体燃料を気化した気化ガスを燃焼させる
バーナと、前記バーナ側の端部にノズル部、他端に液体
燃料の燃料供給口を備えた略扁平状の気化室と、前記気
化室の1扁平面に前記バーナの燃焼熱を前記気化室に伝
熱する第1の伝熱部と第1の加熱ヒータを、他の扁平面
に第2の伝熱部と第2の加熱ヒータと、前記第1の伝熱
部と前記第2の伝熱部の間に伝熱経路とを備えた構成に
したものである。
【0007】上記手段によれば、加熱された気化室に供
給された液体燃料は燃料供給口側より気化室内を移動拡
散し、徐々に加熱されながら気化ガスとなってノズル部
より噴出しバーナで燃焼する。加熱ヒータに通電し気化
室を予熱する際に、加熱ヒータによって気化室と伝熱部
を加熱するが、気化室が略扁平状に構成してあり、通電
開始時に気化室の両面に配置してある第1の加熱ヒータ
と第2の加熱ヒータによって気化室の両面から加熱する
ために気化室を速く加熱することができ、燃焼開始時に
加熱ヒータに通電してから気化室内が燃料気化可能な温
度に到達する時間が短縮できるとともに、第1の伝熱部
と第2の伝熱部の間に設けた伝熱経路により第1の伝熱
部と第2の伝熱部との温度がほぼ均等化され気化室を両
面からほぼ均等な温度で加熱することにより燃焼初期か
ら燃料を安定して気化させることができる。
【0008】また、燃焼が開始すると燃焼熱は第1の伝
熱部を介して気化室を1扁平面から加熱するとともに、
第1の伝熱部と第2の伝熱部の間に設けた伝熱経路を通
じて第2の伝熱部を介して気化室の他の扁平面から気化
室を加熱する。したがって気化室は両面から加熱される
ために内部まで高温に加熱することが可能となり、長期
間保管され酸化した変質灯油や高沸点の異種成分が混入
し沸点が高くなった燃料も気化することができ、変質油
などを使用した際気化室内でのタール化を抑制すること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1にかかる液体燃
料燃焼装置は、液体燃料を気化した気化ガスを燃焼させ
るバーナと、前記バーナ側の端部にノズル部、他端に液
体燃料の燃料供給口を備えた略扁平状の気化室と、前記
気化室の1扁平面に前記バーナの燃焼熱を前記気化室に
伝熱させる第1の伝熱部と第1の加熱ヒータを、他の扁
平面に第2の伝熱部と第2の加熱ヒータと、前記第1の
伝熱部と前記第2の伝熱部の間に伝熱経路とを備えた構
成にしたものである。
【0010】加熱ヒータに通電し気化室を予熱する際
に、加熱ヒータによって気化室と伝熱部を加熱するが、
気化室が略扁平状に構成してあり、通電開始時に気化室
の両面に配置してある第1の加熱ヒータと第2の加熱ヒ
ータによって気化室の両面から加熱するために気化室を
速く加熱することができ、燃焼開始時に加熱ヒータに通
電してから気化室内が燃料気化可能な温度に到達する時
間が短縮できるとともに、第1の伝熱部と第2の伝熱部
の間に設けた伝熱経路により第1の伝熱部と第2の伝熱
部との温度がほぼ均等化され気化室を両面からほぼ均等
な温度で加熱することにより燃焼初期から燃料を安定し
て気化させることができる。
【0011】また、燃焼が開始すると燃焼熱は第1の伝
熱部を介して気化室を1扁平面から加熱するとともに、
第1の伝熱部と第2の伝熱部の間に設けた伝熱経路を通
じて第2の伝熱部を介して気化室の他の扁平面から気化
室を加熱する。したがって気化室は両面から加熱される
ために内部まで高温に加熱することが可能となり、長期
間保管され酸化した変質灯油や高沸点の異種成分が混入
し沸点が高くなった燃料も気化することができ、変質油
などを使用した際気化室内でのタール化を抑制すること
ができる。
【0012】また、本発明の請求項2にかかる液体燃料
燃焼装置は、バーナの燃焼熱を受熱する手段として前記
バーナを載置するバーナ受け座を備え、前記バーナ受け
座と第1の伝熱部を一体とした構成にしたものである。
そして、通電開始後、第1の伝熱部と一体で構成してあ
るバーナ受け座をより速く昇温し、バーナ受け座に載置
してあるバーナが速く加熱され、点火時にバーナの炎孔
部から噴出する予混合ガスへの着火を容易にし、着火時
の白煙や臭気を低減することができる。また、燃焼が開
始すると燃焼熱はバーナ受け座から第1の伝熱部を介し
て気化室を1扁平面から加熱するとともに、第1の伝熱
部と第2の伝熱部の間に設けた伝熱経路を通じて第2の
伝熱部を介して気化室の他の扁平面から気化室を加熱す
る。したがって気化室は両面から加熱されるために内部
まで高温に加熱することが可能となる。
【0013】また、本発明の請求項3にかかる液体燃料
燃焼装置は、バーナの燃焼熱を受熱する手段として前記
バーナの略上方に受熱体を備え、前記受熱体と第1の伝
熱部を一体とした構成にした。そして、通電開始後、第
1の伝熱部と一体で構成してある受熱体の熱容量をバー
ナ受け座に比べ小さくすることができるために昇温速度
が速く、燃焼開始後、短時間でバーナの燃焼熱を第1の
伝熱部に伝熱し、第1の伝熱部と第2の伝熱部を介して
燃焼熱によって気化室を両面から加熱し、安定した気化
状態を得ることができる。
【0014】また、本発明の請求項4にかかる液体燃料
燃焼装置は、伝熱経路を第1の伝熱部の端部または略中
央部のいずれかに伝熱経路を設けた構成にした。そし
て、伝熱経路を伝熱部の両端部に設けることにより気化
室が伝熱経路で包み込むように構成されるため気化室か
らの放熱が抑制され気化室を均一に加熱することができ
る。また伝熱経路を伝熱部の略中央部に設けることによ
り、第1の伝熱部と第2の伝熱部を略中央部で締結する
ことが可能となり、締結個所を削減することができる。
【0015】また、本発明の請求項5にかかる液体燃料
燃焼装置は、伝熱経路を第1の伝熱部の端部を第2の伝
熱部の方向に屈曲させ、第2の伝熱部と接触するように
構成した。そして、伝熱経路を第1の伝熱部と一体で構
成することにより、伝熱抵抗を小さくして第1の伝熱部
と第2の伝熱部間の熱伝導効率を高めることができる。
【0016】また、本発明の請求項6にかかる液体燃料
燃焼装置は、伝熱経路を第1の伝熱部の略中央部を第2
の伝熱部の方向に突出させ、第2の伝熱部と接触するよ
うに構成した。そして、伝熱経路を第1の伝熱部と一体
で構成することにより、伝熱抵抗を小さくして第1の伝
熱部と第2の伝熱部間の熱伝導効率を高めることができ
る。
【0017】また、本発明の請求項7にかかる液体燃料
燃焼装置は、第1の伝熱部と第2の伝熱部を主たる伝熱
経路の位置でねじで締結し前記第2の伝熱部、気化室、
加熱ヒータを脱着自在に構成したものである。そして気
化室や加熱ヒータに不具合が生じた場合に第2の伝熱部
を取り外して、気化室や加熱ヒータの交換を容易にする
ことができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について図面
を用いて説明する。 (実施例1)図1は本発明の実施例1における液体燃料
燃焼装置を示す要部断面図、図2は同液体燃焼装置の気
化部の側面部分断面図である。
【0019】図1、図2において、21は気化部で、そ
の上部に円形のバーナ受け座22を設け、前記バーナ受
け座22のほぼ中央にノズル部23を配置しバーナ受け
座22とノズル部23の間に燃焼用空気が流入する開口
部24が設けてある。25aは第1の伝熱部でバーナ受
け座22と一体で構成し、気化室26の上面に配置して
ある。25bは第2の伝熱部で気化室26の下面に設け
てある。25cは第1の伝熱部25aの両端を第2の伝
熱部25b側に屈曲させて構成した伝熱経路、25dは
第1の伝熱部25aの略中央部を第2の伝熱部25b側
に突出させて構成した伝熱経路で、それぞれ端部は第2
の伝熱部25bに接するように設けてある。26は気化
室で一端が気化ガス通路27を介しノズル部23と連通
し、他端に燃料供給口28が設けてある。29は気化室
26内に設けてある気化素子、30a、30bは加熱ヒ
ータで気化室26を両面から挟むように第1の伝熱部2
5aと第2の伝熱部25bによって固定されている。3
1はノズル部23の上方に位置しバーナ受け座22に載
置した混合管、32は下部周壁に多数の炎孔部33を設
けたバーナである。34は燃料を気化部21に供給する
燃料ポンプ、35はノズル部23を開閉するニードル、
36はニードル35を駆動するソレノイドである。
【0020】次に動作、作用について説明する。加熱ヒ
ータ30a、30bに通電し、気化室26が所定の温度
に到達すると、燃料ポンプ35が起動し、燃料を燃料供
給口28から気化室26内に供給する。燃料供給口28
より気化室26内に供給された燃料は多孔を有した気化
素子29の細孔内をノズル部側に向かって加熱されなが
ら拡散移動し燃料中の低沸点成分から気化し液体から気
体になり気化ガスとなって気化ガス通路27を経由して
ノズル部23より噴出する。気化ガスがノズル部23よ
り噴出する際にエゼクタ効果により開口部24より1次
空気を吸入し混合管32内で気化ガスと混合しながらバ
ーナ33内を経由して炎孔部34で燃焼する。そして燃
焼中は炎孔部34に形成した火炎によってバーナ受け座
22が加熱されバーナ受け座22と一体で構成した第1
の伝熱部25aを介して気化室26を加熱することによ
り燃焼時は加熱ヒータ30a、30bによる加熱が不要
となり燃焼熱のみで気化燃焼を持続する。
【0021】加熱ヒータに通電し気化室26を予熱する
際に、加熱ヒータによって気化室26と伝熱部を加熱す
るが、気化室26が略扁平状に構成してあり、通電開始
時に気化室内の両面に配置してある第1の加熱ヒータ3
0aと第2の加熱ヒータ30bによって気化室26内の
両面から加熱するために気化室を26速く加熱すること
ができ、燃焼開始時に加熱ヒータに通電してから気化室
26内が燃料気化可能な温度に到達する時間が短縮でき
るとともに、同時に加熱される第1の伝熱部25aと第
2の伝熱部25bの熱容量が異なる場合においては熱容
量の大きい側の伝熱部の昇温速度が遅くなり、それに接
する側の気化室26の温度が低くなるために燃料を供給
した際に気化不良を生じることがあるが、本発明の実施
例の構成においては伝熱経路25c、25dによって昇
温速度の速い側の伝熱部から昇温速度の遅い側の伝熱部
へ熱が伝導するために第1の伝熱部25aと第2の伝熱
部25bの温度が略均等化され、気化室26も両面から
略均等に加熱されるために燃料を供給した際にも高温で
安定した気化状態を得ることができる。また、第1の伝
熱部とバーナ受け座22が一体で構成してあるために、
バーナ受け座22に載置してあるバーナ32も速く加熱
され、点火時にバーナ32の炎孔部33から噴出する予
混合ガスへの着火を容易にし、着火時の白煙や臭気を低
減することができる。
【0022】また、燃料が気化室26内で気化する過程
において、気化室26および内蔵された気化素子29内
の燃料の拡散通路に温度の低い部分が存在すると燃料の
一部が気化室26内で気化せず、タール化して気化素子
29の細孔部を目詰まりさせたり、下流側のノズル部2
3で気化して生成したタールがノズル部23の気化ガス
噴出孔を閉塞し燃焼量の低下を生ずることがある。本実
施例の構成においては、燃焼熱を気化室26へ伝熱する
経路はバーナ33の炎孔部34で形成する火炎の熱をバ
ーナ受け座22に設けた受熱壁22aで受熱する。受熱
した熱はバーナ受け座22と一体で構成してある第1の
伝熱部を通じ、第1の加熱ヒータ30aを介して気化室
26を上面から、熱の一部は第1の伝熱部25aから伝
熱経路25c、25dを通じて第2の伝熱部25bを加
熱し、さらに第2の加熱ヒータ30bを介して気化室2
6を下面から加熱する。したがって、略扁平状の気化室
26は両面から加熱されるために、気化室26の内部ま
で高温に加熱され、低温部が生じないために燃料は気化
室26内で気化を完全に完了させることができる。
【0023】(実施例2)図3は本発明の実施例2の液
体燃料燃焼装置を示す要部縦断面図、図4は同液体燃料
燃焼装置の気化部の側部部分断面図である。図3、図4
において、41は気化部、44は略扁平状の気化室で一
端にノズル部45、他端に燃料供給口46を備え内部に
気化素子47を内蔵してある。43aは第1の伝熱部で
一端を受熱部42と一体で構成し、気化室44の上面に
配置してある。43bは第2の伝熱部で気化室44の下
面に設けてある。43cは第1の伝熱部43aの両端を
第2の伝熱部43b側に屈曲させて構成した伝熱経路、
43dは第1の伝熱部43aの略中央部を第2の伝熱部
43b側に突出させて構成した伝熱経路で、それぞれ端
部は第2の伝熱部43bに接するように設けてある。4
8a、48bは加熱ヒータで気化室44を両面から挟む
ように第1の伝熱部43aと第2の伝熱部43bによっ
て固定されている。49はバーナで略上方に受熱部42
が臨むように設けてある。
【0024】次に動作、作用について説明する。加熱ヒ
ータ48a、48bに通電し、気化室44が所定の温度
に到達すると、燃料ポンプ(図示せず)が起動し、燃料
を燃料供給口46から気化室44内に供給する。燃料供
給口46より気化室44内に供給された燃料は多孔を有
した気化素子47の細孔内をノズル部45側に向かって
加熱されながら拡散移動し燃料中の低沸点成分から気化
し液体から気体になり気化ガスとなってノズル部45よ
り噴出する。気化ガスがノズル部45より噴出する際に
エゼクタ効果により1次空気を吸入しバーナ49内で混
合しながらバーナ49の出口で燃焼する。そして燃焼中
はバーナ49に形成した火炎によって受熱部42が加熱
され受熱部42と一体で構成してある第1の伝熱部43
aを介して気化室44を加熱することにより燃焼時は加
熱ヒータ48a、48bよる加熱が不要となり燃焼熱の
みで気化燃焼を持続する。
【0025】本実施例の構成によれば、燃焼熱を気化室
44へ伝熱する経路はバーナ49の燃焼熱を受熱部42
で受熱する。受熱した熱は受熱部42と一体で構成して
ある第1の伝熱部43aを通じ、第1の加熱ヒータ48
aを介して気化室44を上面から、熱の一部は第1の伝
熱部43aから伝熱経路43c、43dを通じて第2の
伝熱部43bを加熱し、さらに第2の加熱ヒータ48b
を介して気化室44を下面から加熱する。したがって、
略扁平状の気化室44は両面から加熱されるために、気
化室44の内部まで高温に加熱され、低温部が生じない
ために燃料は気化室44内で気化を完全に完了させるこ
とができる。
【0026】また、受熱部42がバーナ49を載置する
必要がないために熱容量を小さくすることが可能とな
り、気化部41全体の熱容量が小さくなるために通電開
始後、短時間で必要な温度に昇温することができる。ま
た、運転開始時に加熱ヒータ48a、48bに通電し気
化室44を加熱する際に同時に加熱される第1の伝熱部
43aと第2の伝熱部43bの熱容量が異なる場合にお
いては熱容量の大きい側の伝熱部の昇温速度が遅くな
り、それに接する側の気化室44の温度が低くなるため
に燃料を供給した際に気化不良を生じることがあるが、
本発明の実施例の構成においては伝熱経路43c、43
dによって昇温速度の速い側の伝熱部から昇温速度の遅
い側の伝熱部へ熱が伝導するために第1の伝熱部43a
と第2の伝熱部43bの温度が略均等化され、気化室4
4も両面から略均等に加熱されるために燃料を供給した
際にも高温で安定した気化状態を得ることができる。
【0027】(実施例3)図5は本発明の実施例3の液
体燃料燃焼装置の気化部を示す側面部分断面図である。
実施例3において、実施例1と異なる点は伝熱経路を第
1の伝熱部25aの両端部を第2の伝熱部25b側に屈
曲させた伝熱経路25cのみで構成とした点である。な
お、実施例と同一符号のものは同一構造を有し、説明は
省略する。
【0028】本実施例の構成において、伝熱経路を25
cと25dの両方で構成した場合に比べ気化室26と伝
熱部25a、25bとの接触面積が広くなるために伝熱
部25a、25bから気化室26への伝熱量が多くな
り、燃焼熱を効率よく伝熱することができる。また、気
化室26を包み込むように伝熱経路25cが構成される
ことから気化室26からの放熱が抑制され気化室26の
温度を均一にすることができる。
【0029】(実施例4)図6は本発明の実施例4の液
体燃料燃焼装置の気化部を示す側面部分断面図である。
実施例4において、実施例1と異なる点は伝熱経路を第
1の伝熱部25aの略中央部を第2の伝熱部25b側に
突出させた伝熱経路25dのみで構成とした点である。
【0030】本実施例の構成において、伝熱経路を25
cと25dの両方で構成した場合に比べ気化室26と伝
熱部25a、25bとの接触面積が広くなるために伝熱
部25a、25bから気化室26への伝熱量が多くな
り、燃焼熱を効率よく伝熱することができるとともに、
第1の伝熱部25aの両端部を屈曲させた伝熱経路25
cで構成した場合に比べ第1の伝熱部25aと第2の伝
熱部25bを略中央部で締結できるために締結部を削減
することができる。
【0031】また、伝熱経路25c、および25dを第
1の伝熱部25aと一体で構成することにより伝熱抵抗
を小さくして第1の伝熱部と第2の伝熱部間の熱伝導効
率を高めることができる。また、第1の伝熱部25aと
第2の伝熱部25bを伝熱経路25c、または25dの
位置でねじで締結することにより、気化室や加熱ヒータ
に不具合が生じた場合に第2の伝熱部を取り外して、気
化室や加熱ヒータの交換を容易にすることができるとと
もに、伝熱経路25c、25dと第2の伝熱部25bと
の接触が確実に行われ、伝熱が安定することにより、気
化室26内で安定した気化ができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
かかる液体燃料燃焼装置は、略扁平状の気化室と、前記
気化室の1扁平面に前記バーナの燃焼熱を前記気化室に
伝熱させる第1の伝熱部と第1の加熱ヒータを、他の扁
平面に第2の伝熱部と第2の加熱ヒータを備え、前記第
1の伝熱部と前記第2の伝熱部の間に伝熱経路を設けて
いるので、燃焼時、燃焼熱は第1の伝熱部を介して気化
室を1扁平面から加熱するとともに、第1の伝熱部と第
2の伝熱部の間に設けた伝熱経路を通じて第2の伝熱部
を介して気化室の他の扁平面から気化室を加熱すること
により、気化室は両面から加熱されるために内部まで高
温に加熱することが可能となり、長期間保管され酸化し
た変質灯油や高沸点の異種成分が混入し沸点が高くなっ
た燃料も気化することができ、変質油などを使用した際
気化室内でのタール化を抑制することができる。また、
通電開始時に気化室の両面に配置してある第1の加熱ヒ
ータと第2の加熱ヒータによって気化室の両面から加熱
するために気化室を早く加熱することができ、燃焼開始
時に加熱ヒータに通電してから気化室内が燃料気化可能
な温度に到達する時間が短縮できる。
【0033】また、本発明の請求項2にかかる液体燃料
燃焼装置は、バーナの燃焼熱を受熱する手段として前記
バーナを載置するバーナ受け座を備え、前記バーナ受け
座と第1の伝熱部を一体とした構成にし、かつ、略扁平
状の気化室と、前記気化室の1扁平面に前記バーナの燃
焼熱を前記気化室に伝熱させる第1の伝熱部と第1の加
熱ヒータを、他の扁平面に第2の伝熱部と第2の加熱ヒ
ータを備え、前記第1の伝熱部と前記第2の伝熱部の間
に伝熱経路を設けているので、気化室は両面から加熱さ
れるために内部まで高温に加熱することが可能となり、
長期間保管され酸化した変質灯油や高沸点の異種成分が
混入し沸点が高くなった燃料も気化することができ、変
質油などを使用した際気化室内でのタール化を抑制する
ことができる。また、燃焼開始時に加熱ヒータに通電し
てから気化室内が燃料気化可能な温度に到達する時間が
短縮できるとともに、第1の伝熱部と一体で構成してあ
るバーナ受け座をより速く昇温し、バーナ受け座に載置
してあるバーナが速く加熱され、点火時にバーナの炎孔
部から噴出する予混合ガスへの着火を容易にし、着火時
の白煙や臭気を低減することができる。
【0034】また、本発明の請求項3にかかる液体燃料
燃焼装置は、バーナの燃焼熱を受熱する手段として前記
バーナの略上方に受熱体を備え、前記受熱体と第1の伝
熱部を一体とした構成にし、かつ、略扁平状の気化室
と、前記気化室の1扁平面に前記バーナの燃焼熱を前記
気化室に伝熱させる第1の伝熱部と第1の加熱ヒータ
を、他の扁平面に第2の伝熱部と第2の加熱ヒータを備
え、前記第1の伝熱部と前記第2の伝熱部の間に伝熱経
路を設けているので、気化室は両面から加熱されるため
に内部まで高温に加熱することが可能となり、長期間保
管され酸化した変質灯油や高沸点の異種成分が混入し沸
点が高くなった燃料も気化することができ、変質油など
を使用した際気化室内でのタール化を抑制することがで
きる。また、第1の伝熱部と一体で構成してある受熱体
の熱容量をバーナ受け座に比べ小さくすることができる
ために昇温速度が速く、燃焼開始時に加熱ヒータに通電
してから気化室内が燃料気化可能な温度に到達する時間
が短縮できるとともに燃焼開始後、短時間でバーナの燃
焼熱を第1の伝熱部に伝熱し、第1の伝熱部と第2の伝
熱部を介して燃焼熱によって気化室を両面から加熱し、
安定した気化状態を得ることができる。
【0035】また、本発明の請求項4にかかる液体燃料
燃焼装置は、伝熱経路を第1の伝熱部の端部または略中
央部のいずれかに伝熱経路を設けているので、伝熱経路
を伝熱部の両端部に設けることにより気化室が伝熱経路
で包み込むように構成されるため気化室からの放熱が抑
制され気化室を均一に加熱することができる。また伝熱
経路を伝熱部の略中央部に設けることにより、第1の伝
熱部と第2の伝熱部を略中央部で締結することが可能と
なり、締結個所を削減することができる。
【0036】また、本発明の請求項5にかかる液体燃料
燃焼装置は、伝熱経路を第1の伝熱部の端部を第2の伝
熱部の方向に屈曲させ、第2の伝熱部と接触するように
構成しているので、伝熱経路を第1の伝熱部と一体で構
成することにより、伝熱抵抗を小さくして第1の伝熱部
と第2の伝熱部間の熱伝導効率を高めることができる。
【0037】また、本発明の請求項6にかかる液体燃料
燃焼装置は、伝熱経路を第1の伝熱部の略中央部を第2
の伝熱部の方向に突出させ、第2の伝熱部と接触するよ
うに構成しているので、伝熱経路を第1の伝熱部と一体
で構成することにより、伝熱抵抗を小さくして第1の伝
熱部と第2の伝熱部間の熱伝導効率を高めることができ
る。
【0038】また、本発明の請求項7にかかる液体燃料
燃焼装置は、第1の伝熱部と第2の伝熱部を主たる伝熱
経路の位置でねじで締結し前記第2の伝熱部、気化室、
加熱ヒータを脱着自在に構成しているので、気化室や加
熱ヒータに不具合が生じた場合に第2の伝熱部を取り外
して、気化室や加熱ヒータの交換を容易にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における液体燃料燃焼装置の
要部縦断図
【図2】同液体燃料燃焼装置の気化器の側面図
【図3】本発明の実施例2における液体燃料燃焼装置の
要部縦断面図
【図4】同液体燃料燃焼装置の気化器の側面図
【図5】本発明の実施例3における液体燃料燃焼装置の
気化器の側面図
【図6】本発明の実施例4における液体燃料燃焼装置の
気化器の側面図
【図7】従来の液体燃料燃焼装置の要部縦断面図
【符号の説明】
21 気化器 22 バーナ受け座 23 ノズル部 25 伝熱部 25a 第1の伝熱部 25b 第2の伝熱部 25c 伝熱経路 25d 伝熱経路 26 気化室 28 燃料供給口 29 気化素子 30a 第1の加熱ヒータ 30b 第2の加熱ヒータ 32 バーナ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体燃料を気化した気化ガスを燃焼させる
    バーナと、前記バーナ側の端部にノズル部、他端に液体
    燃料の燃料供給口を備えた略扁平状の気化室と、前記気
    化室の1扁平面に前記バーナの燃焼熱を前記気化室に伝
    熱させる第1の伝熱部と第1の加熱ヒータを、他の扁平
    面に第2の伝熱部と第2の加熱ヒータと、前記第1の伝
    熱部と前記第2の伝熱部の間に伝熱経路とを備えた液体
    燃料燃焼装置。
  2. 【請求項2】バーナの燃焼熱を受熱する手段として前記
    バーナを載置するバーナ受け座を備え、前記バーナ受け
    座と第1の伝熱部を一体とした請求項1に記載の液体燃
    料燃焼装置。
  3. 【請求項3】バーナの燃焼熱を受熱する手段として前記
    バーナの略上方に受熱体を備え、前記受熱体と第1の伝
    熱部を一体とした請求項1に記載の液体燃料燃焼装置。
  4. 【請求項4】伝熱部の両端部または略中央部のいずれか
    に伝熱経路を設けた請求項1ないし3のいずれか1項記
    載の液体燃料燃焼装置。
  5. 【請求項5】第1の伝熱部の端部を第2の伝熱部の方向
    に屈曲させ、第2の伝熱部と接するように構成して伝熱
    経路を設けた請求項4に記載の液体燃料燃焼装置。
  6. 【請求項6】第1の伝熱部の略中央部を第2の伝熱部の
    方向に突出させ、第2の伝熱部と接するように構成して
    伝熱経路を設けた請求項4に記載の液体燃料燃焼装置。
  7. 【請求項7】第1の伝熱部と第2の伝熱部を主たる伝熱
    経路の位置でねじで締結し前記第2の伝熱部、気化室、
    加熱ヒータを脱着自在にした請求項1ないし6のいずれ
    か1項記載の液体燃料燃焼装置。
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