JP2000073389A - 既存杭の健全性調査方法及び健全性調査装置 - Google Patents
既存杭の健全性調査方法及び健全性調査装置Info
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- JP2000073389A JP2000073389A JP10242237A JP24223798A JP2000073389A JP 2000073389 A JP2000073389 A JP 2000073389A JP 10242237 A JP10242237 A JP 10242237A JP 24223798 A JP24223798 A JP 24223798A JP 2000073389 A JP2000073389 A JP 2000073389A
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- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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- G01N2291/04—Wave modes and trajectories
- G01N2291/044—Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 コストダウン、工期短縮のための既存杭の再
利用に際して、確実で簡便な既存杭の健全性調査方法の
提供を課題とする。また、この健全性調査方法の実施を
可能とする既存杭の健全性調査装置の提供も課題とす
る。 【解決手段】 既存杭10の軸線方向に向けてコアボー
リング孔11を形成した後、該コアボーリング孔11の
内部12から外面13に向けて超音波P1を発信し、外
面13で反射された超音波P2を内部12で受信し、こ
のときの発信から受信までの時間及び受信された超音波
P2の強度を測定して既存杭10の健全性の調査を行う
健全性調査方法を採用した。また、これを行う健全性調
査装置には、コアボーリング孔11内に挿入されて内部
12から外面13に向かって超音波P1を発信する超音
波発信器14と、超音波P2を受信する超音波受信器1
5とが備えられた構成とした。
利用に際して、確実で簡便な既存杭の健全性調査方法の
提供を課題とする。また、この健全性調査方法の実施を
可能とする既存杭の健全性調査装置の提供も課題とす
る。 【解決手段】 既存杭10の軸線方向に向けてコアボー
リング孔11を形成した後、該コアボーリング孔11の
内部12から外面13に向けて超音波P1を発信し、外
面13で反射された超音波P2を内部12で受信し、こ
のときの発信から受信までの時間及び受信された超音波
P2の強度を測定して既存杭10の健全性の調査を行う
健全性調査方法を採用した。また、これを行う健全性調
査装置には、コアボーリング孔11内に挿入されて内部
12から外面13に向かって超音波P1を発信する超音
波発信器14と、超音波P2を受信する超音波受信器1
5とが備えられた構成とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存杭の再利用に
あたり問題となる、欠損やクラックの有無を確認する既
存杭の健全性調査方法及び健全性調査装置に関するもの
である。
あたり問題となる、欠損やクラックの有無を確認する既
存杭の健全性調査方法及び健全性調査装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、老朽化したビルの建て替え工事の
需要が高まっているが、コストダウン及び工期短縮の両
面から、既存杭の再利用が検討されている。しかし、そ
の再利用にあたっては、これら既存杭の健全性の確認が
問題となっており、その確実で簡便な健全性調査方法及
び健全性調査装置が求められてきた。従来のこの種の健
全性調査方法及び健全性調査装置につき、図7に示す場
所杭打1の健全性調査を例として以下に説明する。図7
において、符号2は、場所杭打1内に検査のためにセン
ター付近にコアボーリングによって形成されたコアボー
リング孔である。このコアボーリングで採取された図示
されないコンクリートコアは、強度試験体して別途試験
評価される。コアボーリング孔2内には、場所杭打1の
健全性調査のために、図示されない受像装置に接続され
た水中TVカメラ3が挿入されている。
需要が高まっているが、コストダウン及び工期短縮の両
面から、既存杭の再利用が検討されている。しかし、そ
の再利用にあたっては、これら既存杭の健全性の確認が
問題となっており、その確実で簡便な健全性調査方法及
び健全性調査装置が求められてきた。従来のこの種の健
全性調査方法及び健全性調査装置につき、図7に示す場
所杭打1の健全性調査を例として以下に説明する。図7
において、符号2は、場所杭打1内に検査のためにセン
ター付近にコアボーリングによって形成されたコアボー
リング孔である。このコアボーリングで採取された図示
されないコンクリートコアは、強度試験体して別途試験
評価される。コアボーリング孔2内には、場所杭打1の
健全性調査のために、図示されない受像装置に接続され
た水中TVカメラ3が挿入されている。
【0003】場所杭打1に生じる可能性のある欠陥とし
ては、同図7の符号4から7に示すものがある。欠陥4
は、コンクリートの流動性が小さいためにコンクリート
が鉄筋の外側に流動していかず、鉄筋の内側までの出来
上がり径となったものである。この欠陥4が有る場合、
鉄筋コンクリートとしての機能していない恐れがある。
欠陥5は、場所杭打ち1の周辺に発生したクラックであ
り、欠陥6は、中心部まで到達したクラックを示してい
る。欠陥7は、場所杭打ち1の周辺に発生した土砂巻き
込み等による欠損である。水中TVカメラ3による場所
杭打1の健全性調査は、該水中TVカメラ3をコアボー
リング孔2内で回転させながら上下移動させ、前記受像
装置に映し出された内部映像を、作業者が観察しながら
欠陥の有無の確認を目視で行うものである。なお、健全
性調査後は、水中TVカメラ3をコアボーリング孔2内
から取り出し、必要に応じてコアボーリング孔2内に図
示されないコンクリート材を充填することで調査作業が
完了する。
ては、同図7の符号4から7に示すものがある。欠陥4
は、コンクリートの流動性が小さいためにコンクリート
が鉄筋の外側に流動していかず、鉄筋の内側までの出来
上がり径となったものである。この欠陥4が有る場合、
鉄筋コンクリートとしての機能していない恐れがある。
欠陥5は、場所杭打ち1の周辺に発生したクラックであ
り、欠陥6は、中心部まで到達したクラックを示してい
る。欠陥7は、場所杭打ち1の周辺に発生した土砂巻き
込み等による欠損である。水中TVカメラ3による場所
杭打1の健全性調査は、該水中TVカメラ3をコアボー
リング孔2内で回転させながら上下移動させ、前記受像
装置に映し出された内部映像を、作業者が観察しながら
欠陥の有無の確認を目視で行うものである。なお、健全
性調査後は、水中TVカメラ3をコアボーリング孔2内
から取り出し、必要に応じてコアボーリング孔2内に図
示されないコンクリート材を充填することで調査作業が
完了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の健全
性調査方法では、前述した欠陥4から7を発見しようと
した場合、観察部であるコアボーリング孔2内にまで損
傷が至っている欠陥6については確認可能であるが、そ
の他の欠陥4、5、7については確認することができな
い。しかも、これら周辺部に発生する欠陥4、5、7の
方が、数、種類が多い上に、その中には再利用に際して
大きな問題となるものが含まれている。
性調査方法では、前述した欠陥4から7を発見しようと
した場合、観察部であるコアボーリング孔2内にまで損
傷が至っている欠陥6については確認可能であるが、そ
の他の欠陥4、5、7については確認することができな
い。しかも、これら周辺部に発生する欠陥4、5、7の
方が、数、種類が多い上に、その中には再利用に際して
大きな問題となるものが含まれている。
【0005】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
であって、以下の目的を達成しようとするものである。
すなわち、コストダウン、工期短縮のための既存杭の再
利用に際して、確実で簡便な既存杭の健全性調査方法の
提供を目的とする。また、同健全性調査方法の実施を可
能とする既存杭の健全性調査装置の提供も目的とする。
であって、以下の目的を達成しようとするものである。
すなわち、コストダウン、工期短縮のための既存杭の再
利用に際して、確実で簡便な既存杭の健全性調査方法の
提供を目的とする。また、同健全性調査方法の実施を可
能とする既存杭の健全性調査装置の提供も目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の既存杭の健全性
調査方法及び健全性調査装置は、上記課題を解決するた
めに以下の手段を採用した。すなわち、請求項1記載の
既存杭の健全性調査方法は、建築構造物の既存杭の健全
性を調査する既存杭の健全性調査方法において、前記既
存杭の軸線方向に向けてコアボーリング孔を形成した
後、該コアボーリング孔の内部から外面に向けて超音波
を発信し、前記外面で反射された前記超音波を前記内部
で受信し、このときの発信から受信までの時間及び受信
された前記超音波の強度を測定して前記既存杭の健全性
の調査を行うことを特徴とする。上記請求項1記載の既
存杭の健全性調査方法によれば、発信から受信までの時
間を測定することで、コアボーリング孔の内面から外面
までの肉厚が求められ、欠損の有無の確認がなされる。
つまり、外面に欠損が有る場合には、肉厚が薄くなるの
で超音波進路が短くなり、前記時間は、欠損のない箇所
に比較して短くなる。また、外面で反射して受信された
超音波の強度を測定することで、超音波進路におけるク
ラックの有無が求められる。つまり、超音波進路にクラ
ックが有る場合には、超音波はクラックに当たって内面
まで伝わらなくなるか弱まるので、超音波の強度はクラ
ックのない箇所に比較して弱いものとなる。
調査方法及び健全性調査装置は、上記課題を解決するた
めに以下の手段を採用した。すなわち、請求項1記載の
既存杭の健全性調査方法は、建築構造物の既存杭の健全
性を調査する既存杭の健全性調査方法において、前記既
存杭の軸線方向に向けてコアボーリング孔を形成した
後、該コアボーリング孔の内部から外面に向けて超音波
を発信し、前記外面で反射された前記超音波を前記内部
で受信し、このときの発信から受信までの時間及び受信
された前記超音波の強度を測定して前記既存杭の健全性
の調査を行うことを特徴とする。上記請求項1記載の既
存杭の健全性調査方法によれば、発信から受信までの時
間を測定することで、コアボーリング孔の内面から外面
までの肉厚が求められ、欠損の有無の確認がなされる。
つまり、外面に欠損が有る場合には、肉厚が薄くなるの
で超音波進路が短くなり、前記時間は、欠損のない箇所
に比較して短くなる。また、外面で反射して受信された
超音波の強度を測定することで、超音波進路におけるク
ラックの有無が求められる。つまり、超音波進路にクラ
ックが有る場合には、超音波はクラックに当たって内面
まで伝わらなくなるか弱まるので、超音波の強度はクラ
ックのない箇所に比較して弱いものとなる。
【0007】請求項2記載の既存杭の健全性調査方法
は、請求項1記載の既存杭の健全性調査方法において、
前記超音波の発信と受信とを、前記軸線方向に間隔をお
いて行うことを特徴とする。上記請求項2記載の既存杭
の健全性調査方法によれば、超音波の発信経路と受信経
路とを軸線に垂直な方向に取った場合に比較して、クラ
ックの発見が確実にできる。
は、請求項1記載の既存杭の健全性調査方法において、
前記超音波の発信と受信とを、前記軸線方向に間隔をお
いて行うことを特徴とする。上記請求項2記載の既存杭
の健全性調査方法によれば、超音波の発信経路と受信経
路とを軸線に垂直な方向に取った場合に比較して、クラ
ックの発見が確実にできる。
【0008】請求項3記載の既存杭の健全性調査装置
は、建築構造物の既存杭にその軸線方向に向けて形成さ
れたコアボーリング孔内に挿入されて既存杭の健全性を
調査する既存杭の健全性調査装置であって、前記コアボ
ーリング孔の内部から外面に向けて超音波を発信する超
音波発信器と、前記外面で反射された前記超音波を受信
する超音波受信器とを備えてなることを特徴とする。上
記請求項3記載の既存杭の健全性調査装置によれば、超
音波発信器によりコアボーリング孔の内部から外面に向
けて超音波を発信し、外面で反射された超音波を超音波
受信器で受信し、このときの発信から受信までの時間を
測定することで、コアボーリング孔の内面から外面まで
の肉厚が求められ、欠損の有無の確認がなされる。つま
り、外面に欠損が有る場合には、肉厚が薄くなるので超
音波進路が短くなり、前記時間は、欠損のない箇所に比
較して短くなる。また、超音波受信器で受信された超音
波の強度を測定することで、超音波進路におけるクラッ
クの有無が求められる。つまり、超音波進路にクラック
が有る場合には、超音波はクラックに当たって内面まで
伝わらなくなるか弱まるので、超音波の強度はクラック
のない箇所に比較して弱いものとなる。
は、建築構造物の既存杭にその軸線方向に向けて形成さ
れたコアボーリング孔内に挿入されて既存杭の健全性を
調査する既存杭の健全性調査装置であって、前記コアボ
ーリング孔の内部から外面に向けて超音波を発信する超
音波発信器と、前記外面で反射された前記超音波を受信
する超音波受信器とを備えてなることを特徴とする。上
記請求項3記載の既存杭の健全性調査装置によれば、超
音波発信器によりコアボーリング孔の内部から外面に向
けて超音波を発信し、外面で反射された超音波を超音波
受信器で受信し、このときの発信から受信までの時間を
測定することで、コアボーリング孔の内面から外面まで
の肉厚が求められ、欠損の有無の確認がなされる。つま
り、外面に欠損が有る場合には、肉厚が薄くなるので超
音波進路が短くなり、前記時間は、欠損のない箇所に比
較して短くなる。また、超音波受信器で受信された超音
波の強度を測定することで、超音波進路におけるクラッ
クの有無が求められる。つまり、超音波進路にクラック
が有る場合には、超音波はクラックに当たって内面まで
伝わらなくなるか弱まるので、超音波の強度はクラック
のない箇所に比較して弱いものとなる。
【0009】請求項4記載の既存杭の健全性調査装置
は、請求項3記載の既存杭の健全性調査装置において、
前記超音波発信器と前記超音波受信器とが、前記軸線方
向に間隔をおいて配置されていることを特徴とする。上
記請求項4記載の既存杭の健全性調査装置によれば、超
音波の発信経路及び受信経路を、既存杭の半径方向に取
った場合に比較してクラックの発見がしやすくなる。
は、請求項3記載の既存杭の健全性調査装置において、
前記超音波発信器と前記超音波受信器とが、前記軸線方
向に間隔をおいて配置されていることを特徴とする。上
記請求項4記載の既存杭の健全性調査装置によれば、超
音波の発信経路及び受信経路を、既存杭の半径方向に取
った場合に比較してクラックの発見がしやすくなる。
【0010】請求項5記載の既存杭の健全性調査装置
は、請求項3または4記載の既存杭の健全性調査装置に
おいて、前記超音波発信器と前記超音波受信器とを前記
軸線方向に移動させる移動機構と、これらを前記軸線ま
わりに回転させる回転機構とが設けられていることを特
徴とする。上記請求項5記載の既存杭の健全性調査装置
によれば、移動機構を操作して超音波発信器と超音波受
信器とを軸線方向に移動させることで、既存杭の軸線方
向における欠損及びクラックの位置と大きさの確認がな
される。また、回転機構を操作して超音波発信器と超音
波受信器とを軸線まわりに回転させることで、既存杭の
軸線まわりにおける欠損及びクラックの位置や大きさの
確認がなされる。これらにより、既存杭全体での欠損及
びクラックの位置や大きさの特定がなされる。
は、請求項3または4記載の既存杭の健全性調査装置に
おいて、前記超音波発信器と前記超音波受信器とを前記
軸線方向に移動させる移動機構と、これらを前記軸線ま
わりに回転させる回転機構とが設けられていることを特
徴とする。上記請求項5記載の既存杭の健全性調査装置
によれば、移動機構を操作して超音波発信器と超音波受
信器とを軸線方向に移動させることで、既存杭の軸線方
向における欠損及びクラックの位置と大きさの確認がな
される。また、回転機構を操作して超音波発信器と超音
波受信器とを軸線まわりに回転させることで、既存杭の
軸線まわりにおける欠損及びクラックの位置や大きさの
確認がなされる。これらにより、既存杭全体での欠損及
びクラックの位置や大きさの特定がなされる。
【0011】請求項6記載の既存杭の健全性調査装置
は、請求項3から5のいずれかに記載の既存杭の健全性
調査装置において、前記超音波発信器及び前記超音波受
信器が、それぞれ前記コアボーリング孔の内面に合致し
た形状の当接面を有する信号伝達治具と、該信号伝達治
具内に内蔵された超音波器本体と、前記当接面を前記内
面に向けて押しつける付勢部材とを備えてなることを特
徴とする。上記請求項6記載の既存杭の健全性調査装置
によれば、コアボーリング孔の内面と信号伝達治具の当
接面とは面接触し、さらに、付勢部材によって当接面は
内面に向けて押しつけられるので、これらの間の密着が
十分になされる。
は、請求項3から5のいずれかに記載の既存杭の健全性
調査装置において、前記超音波発信器及び前記超音波受
信器が、それぞれ前記コアボーリング孔の内面に合致し
た形状の当接面を有する信号伝達治具と、該信号伝達治
具内に内蔵された超音波器本体と、前記当接面を前記内
面に向けて押しつける付勢部材とを備えてなることを特
徴とする。上記請求項6記載の既存杭の健全性調査装置
によれば、コアボーリング孔の内面と信号伝達治具の当
接面とは面接触し、さらに、付勢部材によって当接面は
内面に向けて押しつけられるので、これらの間の密着が
十分になされる。
【0012】請求項7記載の既存杭の健全性調査装置
は、請求項6記載の既存杭の健全性調査装置において、
前記信号伝達治具には、前記内面と前記当接面との間に
接触媒質を供給する接触媒質供給部が設けられているこ
とを特徴とする。上記請求項7記載の既存杭の健全性調
査装置によれば、コアボーリング孔内に水がない場合に
は、信号伝達治具の当接面とコアボーリング孔の内面と
の間に接触媒質供給部から接触媒質を供給することで、
これら両面は間に空気を介在させずに密着するようにな
る。
は、請求項6記載の既存杭の健全性調査装置において、
前記信号伝達治具には、前記内面と前記当接面との間に
接触媒質を供給する接触媒質供給部が設けられているこ
とを特徴とする。上記請求項7記載の既存杭の健全性調
査装置によれば、コアボーリング孔内に水がない場合に
は、信号伝達治具の当接面とコアボーリング孔の内面と
の間に接触媒質供給部から接触媒質を供給することで、
これら両面は間に空気を介在させずに密着するようにな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる既存杭の健
全性調査方法及び健全性調査装置の第1の実施の形態に
つき、図面を参照しながら説明する。図1に示す既存杭
の健全性調査装置には、既存杭10にその軸線方向に形
成されたコアボーリング孔11内に挿入されて該コアボ
ーリング孔11の内部12から外面13に向けて超音波
P1を発信する超音波発信器14と、外面13で反射さ
れて内面12aに戻ってくる超音波P2を受信する超音
波受信器15と、これらを前記軸線方向に間隔Sをおい
て保持する板形状の保持部材16と、該保持部材16を
保持する吊り下げ具17と、該吊り下げ具17を介在さ
せて超音波発信器14及び超音波受信器15を前記軸線
方向に移動させる移動機構18と、これらを前記軸線ま
わりに回転させる回転機構19と、記録測定を行う測定
器20とが具備されている。
全性調査方法及び健全性調査装置の第1の実施の形態に
つき、図面を参照しながら説明する。図1に示す既存杭
の健全性調査装置には、既存杭10にその軸線方向に形
成されたコアボーリング孔11内に挿入されて該コアボ
ーリング孔11の内部12から外面13に向けて超音波
P1を発信する超音波発信器14と、外面13で反射さ
れて内面12aに戻ってくる超音波P2を受信する超音
波受信器15と、これらを前記軸線方向に間隔Sをおい
て保持する板形状の保持部材16と、該保持部材16を
保持する吊り下げ具17と、該吊り下げ具17を介在さ
せて超音波発信器14及び超音波受信器15を前記軸線
方向に移動させる移動機構18と、これらを前記軸線ま
わりに回転させる回転機構19と、記録測定を行う測定
器20とが具備されている。
【0014】図1に示すように、吊り下げ具17は、2
本に分割された管17a、17bを連結板17cとボル
ト17dとで連結させた構成となっている。図2から4
に示すように、超音波発信器14は、コアボーリング孔
11の内面12aに面接触する信号伝達治具21と、該
信号伝達治具21内に内蔵された超音波器本体22とか
ら概略構成されている。信号伝達治具21には、内面1
2aに合致した曲面形状の当接面21aが形成されてお
り、さらに、接触媒質供給部21bが備えられている。
この接触媒質供給部21bは、地上に設置された図示さ
れない接触媒質供給装置から供給される高い粘性の液体
状の接触媒質Lを受けて、当接面21aと内面12aと
の間にこれを供給する配管である。図2、3に示すよう
に、超音波発信器14には、保持部材16を介在させて
信号伝達治具21の当接面21aを内面12aに向けて
押しつける付勢部材23が備えられている。この付勢部
材23は、図2の視線において波形形状を有するスプリ
ング板であり、その一端23aが保持部材16にボルト
固定されている。なお、超音波受信器15も上記超音波
発信器14と同様の構成となっている。
本に分割された管17a、17bを連結板17cとボル
ト17dとで連結させた構成となっている。図2から4
に示すように、超音波発信器14は、コアボーリング孔
11の内面12aに面接触する信号伝達治具21と、該
信号伝達治具21内に内蔵された超音波器本体22とか
ら概略構成されている。信号伝達治具21には、内面1
2aに合致した曲面形状の当接面21aが形成されてお
り、さらに、接触媒質供給部21bが備えられている。
この接触媒質供給部21bは、地上に設置された図示さ
れない接触媒質供給装置から供給される高い粘性の液体
状の接触媒質Lを受けて、当接面21aと内面12aと
の間にこれを供給する配管である。図2、3に示すよう
に、超音波発信器14には、保持部材16を介在させて
信号伝達治具21の当接面21aを内面12aに向けて
押しつける付勢部材23が備えられている。この付勢部
材23は、図2の視線において波形形状を有するスプリ
ング板であり、その一端23aが保持部材16にボルト
固定されている。なお、超音波受信器15も上記超音波
発信器14と同様の構成となっている。
【0015】上記説明の既存杭の健全性調査装置を用い
た健全性調査方法について、図5を参照しながら以下に
説明する。なお、本図では、吊り下げ具17、移動機構
18、回転機構19等が省略されている。まず、既存杭
10のセンター付近に、検査のために既存杭10の軸線
方向に向けてコアボーリングによってコアボーリング孔
11を形成する。このコアボーリングで採取された図示
されないコンクリートコアは、強度試験体して別途試験
評価される。保持部材16に固定された超音波発信器1
4と超音波受信器15とをコアボーリング孔11内に挿
入してセットした後、超音波発信器14によりコアボー
リング孔11の内部12から外面13に向けて超音波P
1を発信し、これが外面13で反射されて超音波P2と
なったものを超音波受信器15で受信する。そして、こ
のときの発信から受信までの時間及び受信された超音波
P2の強度が測定される。
た健全性調査方法について、図5を参照しながら以下に
説明する。なお、本図では、吊り下げ具17、移動機構
18、回転機構19等が省略されている。まず、既存杭
10のセンター付近に、検査のために既存杭10の軸線
方向に向けてコアボーリングによってコアボーリング孔
11を形成する。このコアボーリングで採取された図示
されないコンクリートコアは、強度試験体して別途試験
評価される。保持部材16に固定された超音波発信器1
4と超音波受信器15とをコアボーリング孔11内に挿
入してセットした後、超音波発信器14によりコアボー
リング孔11の内部12から外面13に向けて超音波P
1を発信し、これが外面13で反射されて超音波P2と
なったものを超音波受信器15で受信する。そして、こ
のときの発信から受信までの時間及び受信された超音波
P2の強度が測定される。
【0016】前記時間の測定により、内面12aから外
面13までの肉厚Lxが求められ、欠損24の有無の確
認がなされる。つまり、外面13に欠損24が有る場合
には、超音波進路が短くなるので、前記時間は、欠損2
4のない箇所に比較して短い時間となる。また、超音波
受信器15で受信された超音波P2の強度を測定するこ
とで、この超音波進路におけるクラック25の有無が求
められる。つまり、超音波進路にクラック25が有る場
合には、超音波P1またはP2はクラック25に当たっ
て内面12aまで伝わらなくなるか弱まるので、超音波
P2の強度はクラック25のない箇所に比較して弱くな
る。
面13までの肉厚Lxが求められ、欠損24の有無の確
認がなされる。つまり、外面13に欠損24が有る場合
には、超音波進路が短くなるので、前記時間は、欠損2
4のない箇所に比較して短い時間となる。また、超音波
受信器15で受信された超音波P2の強度を測定するこ
とで、この超音波進路におけるクラック25の有無が求
められる。つまり、超音波進路にクラック25が有る場
合には、超音波P1またはP2はクラック25に当たっ
て内面12aまで伝わらなくなるか弱まるので、超音波
P2の強度はクラック25のない箇所に比較して弱くな
る。
【0017】このとき、超音波P1の発信と超音波P2
の受信とは、コアボーリング孔11の軸線方向に間隔S
をおいて行われる。これにより、超音波P1、P2の進
行経路は、既存杭10の軸線に垂直な方向に経路を取っ
た場合に比較してクラック25に確実に当たるため、ク
ラック25の発見が確実になる。すなわち、図5に示す
ように、既存杭10の軸線方向に垂直なクラック25の
場合であっても、超音波P1、P2はクラック25に対
して角度を持って当たることができ、これら当たる各ポ
イント25aをつなぎ合わせることで、クラック25の
位置や大きさなどが特定できるのである。
の受信とは、コアボーリング孔11の軸線方向に間隔S
をおいて行われる。これにより、超音波P1、P2の進
行経路は、既存杭10の軸線に垂直な方向に経路を取っ
た場合に比較してクラック25に確実に当たるため、ク
ラック25の発見が確実になる。すなわち、図5に示す
ように、既存杭10の軸線方向に垂直なクラック25の
場合であっても、超音波P1、P2はクラック25に対
して角度を持って当たることができ、これら当たる各ポ
イント25aをつなぎ合わせることで、クラック25の
位置や大きさなどが特定できるのである。
【0018】さらに、上述した前記時間と前記強度の測
定を、既存杭10の軸線方向及び軸線まわりに行う。す
なわち、移動機構18を操作して超音波発信器14と超
音波受信器15とを軸線方向に移動させることで、既存
杭10の軸線方向における欠損24及びクラック25の
位置や大きさの特定がなされる。また、回転機構19を
操作して超音波発信器14と超音波受信器15とを軸線
まわりに回転させることで、既存杭10の軸線まわりに
おける欠損24及びクラック25の位置や大きさの特定
がなされる。これらにより、既存杭10全体での欠損2
4及びクラック25の位置や大きさの特定がなされる。
定を、既存杭10の軸線方向及び軸線まわりに行う。す
なわち、移動機構18を操作して超音波発信器14と超
音波受信器15とを軸線方向に移動させることで、既存
杭10の軸線方向における欠損24及びクラック25の
位置や大きさの特定がなされる。また、回転機構19を
操作して超音波発信器14と超音波受信器15とを軸線
まわりに回転させることで、既存杭10の軸線まわりに
おける欠損24及びクラック25の位置や大きさの特定
がなされる。これらにより、既存杭10全体での欠損2
4及びクラック25の位置や大きさの特定がなされる。
【0019】このとき、付勢部材23によって信号伝達
治具21の当接面21aは、コアボーリング孔11の内
面12aに面接触した状態でさらに押しつけられるの
で、これらの間の密着が十分になされている。ところ
で、当接面21aと内面12aとの間の超音波P1、P
2の信号伝達において、両者の間に空気が介在すると、
その伝達が十分になされない恐れがあるので、コアボー
リング孔11内に水が溜まっていない場合には、接触媒
質供給部21bから当接面21aと内面12aとの間に
接触媒質Lを供給する。これにより、当接面21aと内
面12aとは、これらの間に空気を介在させずに密着す
るようになる。なお、健全性調査後は、上述した健全性
調査装置をコアボーリング孔11内から取り出し、必要
に応じてコアボーリング孔11内に図示されないコンク
リート材を充填することで調査作業が完了する。
治具21の当接面21aは、コアボーリング孔11の内
面12aに面接触した状態でさらに押しつけられるの
で、これらの間の密着が十分になされている。ところ
で、当接面21aと内面12aとの間の超音波P1、P
2の信号伝達において、両者の間に空気が介在すると、
その伝達が十分になされない恐れがあるので、コアボー
リング孔11内に水が溜まっていない場合には、接触媒
質供給部21bから当接面21aと内面12aとの間に
接触媒質Lを供給する。これにより、当接面21aと内
面12aとは、これらの間に空気を介在させずに密着す
るようになる。なお、健全性調査後は、上述した健全性
調査装置をコアボーリング孔11内から取り出し、必要
に応じてコアボーリング孔11内に図示されないコンク
リート材を充填することで調査作業が完了する。
【0020】本発明の既存杭の健全性調査方法によれ
ば、超音波による測定方法を採用したことで、既存杭1
0の周辺部に発生している欠損24やクラック25とい
ったコアボーリング孔11内からは目視で確認すること
のできない欠陥について、その位置と大きさを特定する
ことができるので、コストダウン、工期短縮のための既
存杭の再利用に際して、確実で簡便な既存杭の健全性調
査方法の提供が可能となる。
ば、超音波による測定方法を採用したことで、既存杭1
0の周辺部に発生している欠損24やクラック25とい
ったコアボーリング孔11内からは目視で確認すること
のできない欠陥について、その位置と大きさを特定する
ことができるので、コストダウン、工期短縮のための既
存杭の再利用に際して、確実で簡便な既存杭の健全性調
査方法の提供が可能となる。
【0021】また、上記健全性調査方法において、超音
波P1、P2の発信と受信とを間隔Sをおいて行ったこ
とで、クラック25に当たる超音波P2の位置が変化す
ることによりクラック25の位置・方向・広がり等の測
定が可能となり、測定精度の高い既存杭の健全性調査方
法とすることも可能となる。
波P1、P2の発信と受信とを間隔Sをおいて行ったこ
とで、クラック25に当たる超音波P2の位置が変化す
ることによりクラック25の位置・方向・広がり等の測
定が可能となり、測定精度の高い既存杭の健全性調査方
法とすることも可能となる。
【0022】本発明の既存杭の健全性調査装置によれ
ば、超音波発信器14と超音波受信器15とを設けたこ
とで、既存杭10の周辺部に発生している欠損24やク
ラック25といったコアボーリング孔11内からは目視
で確認することのできない欠陥の位置と大きさを特定す
ることができるので、コストダウン、工期短縮のための
既存杭10の再利用に際して、確実で簡便な健全性調査
を行える既存杭の健全性調査装置の提供が可能となる。
ば、超音波発信器14と超音波受信器15とを設けたこ
とで、既存杭10の周辺部に発生している欠損24やク
ラック25といったコアボーリング孔11内からは目視
で確認することのできない欠陥の位置と大きさを特定す
ることができるので、コストダウン、工期短縮のための
既存杭10の再利用に際して、確実で簡便な健全性調査
を行える既存杭の健全性調査装置の提供が可能となる。
【0023】また、上記健全性調査装置において、超音
波発信器14と超音波受信器15とを間隔Sをおいて配
置させたことで、クラック25に当たる超音波P2の位
置が変化することによりクラック25の位置・方向・広
がり等の測定が可能となり、測定精度の高い既存杭の健
全性調査装置とすることも可能となる。
波発信器14と超音波受信器15とを間隔Sをおいて配
置させたことで、クラック25に当たる超音波P2の位
置が変化することによりクラック25の位置・方向・広
がり等の測定が可能となり、測定精度の高い既存杭の健
全性調査装置とすることも可能となる。
【0024】また、上記健全性調査装置において、移動
機構18と回転機構19とを設けたことで、既存杭10
の軸線方向及び軸線まわりの測定が可能となり、既存杭
10全体の欠損24及びクラック25の位置及び大きさ
を特定できる既存杭の健全性調査装置とすることも可能
となる。
機構18と回転機構19とを設けたことで、既存杭10
の軸線方向及び軸線まわりの測定が可能となり、既存杭
10全体の欠損24及びクラック25の位置及び大きさ
を特定できる既存杭の健全性調査装置とすることも可能
となる。
【0025】また、上記健全性調査装置において、超音
波発信器14及び超音波受信器15は、コアボーリング
孔11内の内面12aに合致した曲面形状の当接面21
aで内面12aに面接触させた上に、当接面21aを内
面12aに向けて押しつける付勢部材23を設けたこと
で、当接面21aと内面12aとの間の接触が十分にな
されるので、この接触箇所における超音波P1、P2の
信号伝達が効率良く行える既存杭の健全性調査装置とす
ることも可能となる。
波発信器14及び超音波受信器15は、コアボーリング
孔11内の内面12aに合致した曲面形状の当接面21
aで内面12aに面接触させた上に、当接面21aを内
面12aに向けて押しつける付勢部材23を設けたこと
で、当接面21aと内面12aとの間の接触が十分にな
されるので、この接触箇所における超音波P1、P2の
信号伝達が効率良く行える既存杭の健全性調査装置とす
ることも可能となる。
【0026】また、上記健全性調査装置において、信号
伝達治具21に接触媒質供給部21bを設けたことで、
コアボーリング孔11内に水がない場合でも、当接面2
1aと内面12aとの間に接触媒質Lを供給すること
で、この間に空気を介在させずに両者を密着させること
ができるので、この接触箇所における超音波P1、P2
の信号伝達が効率良く行える既存杭の健全性調査装置と
することも可能となる。
伝達治具21に接触媒質供給部21bを設けたことで、
コアボーリング孔11内に水がない場合でも、当接面2
1aと内面12aとの間に接触媒質Lを供給すること
で、この間に空気を介在させずに両者を密着させること
ができるので、この接触箇所における超音波P1、P2
の信号伝達が効率良く行える既存杭の健全性調査装置と
することも可能となる。
【0027】次に、図6を参照しながら第2の実施の形
態について以下に説明する。なお、本実施の形態におい
て、第1の実施の形態と同一構成要素には同一符号を付
し、その説明を省略する。本実施の形態の既存杭の健全
性調査装置は、超音波発信器14の代わりに、超音波の
発信及び受信が行える超音波発受信器30が保持部材1
6に取り付けられた構成となっている点が特に異なって
いるので、この点についてのみ説明を行う。なお、この
超音波発受信器30においても、超音波発信器14や超
音波受信器15と同様に、信号伝達治具21と、接触媒
質供給部21bと、付勢部材23とが備えられている。
態について以下に説明する。なお、本実施の形態におい
て、第1の実施の形態と同一構成要素には同一符号を付
し、その説明を省略する。本実施の形態の既存杭の健全
性調査装置は、超音波発信器14の代わりに、超音波の
発信及び受信が行える超音波発受信器30が保持部材1
6に取り付けられた構成となっている点が特に異なって
いるので、この点についてのみ説明を行う。なお、この
超音波発受信器30においても、超音波発信器14や超
音波受信器15と同様に、信号伝達治具21と、接触媒
質供給部21bと、付勢部材23とが備えられている。
【0028】上記第2の実施の形態の既存杭の健全性調
査装置を用いた健全性調査方法では、超音波発受信器3
0は、内部12から外面13に向かって水平方向と斜め
下方に超音波P1を放つと共に、水平方向に発信された
超音波P1が外面13で反射されて戻ってくる超音波P
2の受信も行う。一方、超音波受信器15においては、
超音波発受信器30から斜め下方に発信された超音波P
1が外面13で反射された超音波P2を受信する。これ
らの受信において、超音波発受信器30では、超音波P
1が内部12から発信されてから外面13で反射されて
超音波P2となって再び内部12に戻ってくるまでの時
間の測定がなされる。また超音波受信器15では、受信
した超音波P2の強度の測定がなされる。
査装置を用いた健全性調査方法では、超音波発受信器3
0は、内部12から外面13に向かって水平方向と斜め
下方に超音波P1を放つと共に、水平方向に発信された
超音波P1が外面13で反射されて戻ってくる超音波P
2の受信も行う。一方、超音波受信器15においては、
超音波発受信器30から斜め下方に発信された超音波P
1が外面13で反射された超音波P2を受信する。これ
らの受信において、超音波発受信器30では、超音波P
1が内部12から発信されてから外面13で反射されて
超音波P2となって再び内部12に戻ってくるまでの時
間の測定がなされる。また超音波受信器15では、受信
した超音波P2の強度の測定がなされる。
【0029】超音波送受信器30で前記時間を測定する
ことにより、内面12aから外面13までの肉厚Lxが
求められ、欠損24の有無と大きさの確認がなされる。
つまり、外面13に欠損24が有る場合には、超音波進
路が短くなるので、前記時間は、欠損24のない箇所に
比較して短い時間となる。また、超音波受信器15で前
記強度を測定することにより、超音波進路におけるクラ
ック25の有無が求められる。つまり、超音波進路にク
ラック25が有る場合には、超音波P1またはP2はク
ラック25に当たって内面12aまで伝わらなくなるか
弱まるので、超音波P2の強度はクラック25がない場
合に比較して弱くなる。
ことにより、内面12aから外面13までの肉厚Lxが
求められ、欠損24の有無と大きさの確認がなされる。
つまり、外面13に欠損24が有る場合には、超音波進
路が短くなるので、前記時間は、欠損24のない箇所に
比較して短い時間となる。また、超音波受信器15で前
記強度を測定することにより、超音波進路におけるクラ
ック25の有無が求められる。つまり、超音波進路にク
ラック25が有る場合には、超音波P1またはP2はク
ラック25に当たって内面12aまで伝わらなくなるか
弱まるので、超音波P2の強度はクラック25がない場
合に比較して弱くなる。
【0030】本実施の形態においても、第1の実施の形
態と同様の効果が得られる上に、超音波発受信器30の
みで内面12aから外面13までの距離を測定すること
ができるので、欠損24にクラック25が発生している
場合であっても、欠損24の測定が可能となる。
態と同様の効果が得られる上に、超音波発受信器30の
みで内面12aから外面13までの距離を測定すること
ができるので、欠損24にクラック25が発生している
場合であっても、欠損24の測定が可能となる。
【0031】なお、上記第1及び第2の実施の形態にお
いて、付勢部材23は波形形状のスプリング板とした
が、これに限らず、信号伝達治具21の当接面21aを
コアボーリング孔11内の内面12aに押しつけるもの
であれば良く、気体や液体で膨らむ風船体等、その他の
ものを勢付部材23としてスプリング板の代わりに設け
た構成としても良い。また、吊り下げ具17は、2本に
分割された管17a、17bを連結させた構成とした
が、これに限らず、移動機構18及び回転機構19の駆
動力を伝えられる構成のもので有ればよい。すなわち、
その形状においては、管形状でなく、板形状や棒形状
等、その他の形状を採用しても良い。また、分割構造と
せずに1本で構成したり、3本以上に分割して長さ調節
自在としても良い。また、保持部材16は板形状とした
が、これに限らず、棒形状、管形状等、その他の形状と
しても良い。さらには、間隔Sを調節自在とすべく、保
持部材16に複数の取付箇所を設けて、超音波発信器1
4、超音波受信器15、超音波発受信器30の取付位置
を複数箇所選択できるようにしても良い。
いて、付勢部材23は波形形状のスプリング板とした
が、これに限らず、信号伝達治具21の当接面21aを
コアボーリング孔11内の内面12aに押しつけるもの
であれば良く、気体や液体で膨らむ風船体等、その他の
ものを勢付部材23としてスプリング板の代わりに設け
た構成としても良い。また、吊り下げ具17は、2本に
分割された管17a、17bを連結させた構成とした
が、これに限らず、移動機構18及び回転機構19の駆
動力を伝えられる構成のもので有ればよい。すなわち、
その形状においては、管形状でなく、板形状や棒形状
等、その他の形状を採用しても良い。また、分割構造と
せずに1本で構成したり、3本以上に分割して長さ調節
自在としても良い。また、保持部材16は板形状とした
が、これに限らず、棒形状、管形状等、その他の形状と
しても良い。さらには、間隔Sを調節自在とすべく、保
持部材16に複数の取付箇所を設けて、超音波発信器1
4、超音波受信器15、超音波発受信器30の取付位置
を複数箇所選択できるようにしても良い。
【0032】
【発明の効果】本発明の既存杭の健全性調査方法によれ
ば、超音波による測定方法を採用することで、既存杭の
周辺部に発生する恐れのある欠損やクラックといったコ
アボーリング孔内からは目視で確認することのできない
欠陥について、その位置と大きさを特定することができ
るので、コストダウン、工期短縮のための既存杭の再利
用に際して、確実で簡便な既存杭の健全性調査方法の提
供が可能となる。
ば、超音波による測定方法を採用することで、既存杭の
周辺部に発生する恐れのある欠損やクラックといったコ
アボーリング孔内からは目視で確認することのできない
欠陥について、その位置と大きさを特定することができ
るので、コストダウン、工期短縮のための既存杭の再利
用に際して、確実で簡便な既存杭の健全性調査方法の提
供が可能となる。
【0033】また、上記健全性調査方法において、超音
波の発信と受信とを間隔をおいて行うことで、クラック
に当たる超音波の位置が変化することによりクラックの
位置・方向・広がり等の測定が可能となり、測定精度の
高い既存杭の健全性調査方法とすることも可能となる。
波の発信と受信とを間隔をおいて行うことで、クラック
に当たる超音波の位置が変化することによりクラックの
位置・方向・広がり等の測定が可能となり、測定精度の
高い既存杭の健全性調査方法とすることも可能となる。
【0034】本発明の既存杭の健全性調査装置によれ
ば、超音波発信器と超音波受信器とを設けることで、既
存杭の周辺部に発生している欠損やクラックといったコ
アボーリング孔内からは目視で確認することのできない
欠陥の位置と大きさを特定することができるので、コス
トダウン、工期短縮のための既存杭の再利用に際して、
確実で簡便な健全性調査を行える既存杭の健全性調査装
置の提供が可能となる。
ば、超音波発信器と超音波受信器とを設けることで、既
存杭の周辺部に発生している欠損やクラックといったコ
アボーリング孔内からは目視で確認することのできない
欠陥の位置と大きさを特定することができるので、コス
トダウン、工期短縮のための既存杭の再利用に際して、
確実で簡便な健全性調査を行える既存杭の健全性調査装
置の提供が可能となる。
【0035】また、上記健全性調査装置において、超音
波発信器と超音波受信器とを間隔をおいて配置させるこ
とで、クラックに当たる超音波の位置が変化することに
よりクラックの位置・方向・広がり等の測定が可能とな
り、測定精度の高い既存杭の健全性調査装置とすること
も可能となる。
波発信器と超音波受信器とを間隔をおいて配置させるこ
とで、クラックに当たる超音波の位置が変化することに
よりクラックの位置・方向・広がり等の測定が可能とな
り、測定精度の高い既存杭の健全性調査装置とすること
も可能となる。
【0036】また、上記健全性調査装置において、移動
機構と回転機構とを設けることで、既存杭の軸線方向及
び軸線まわりの測定が可能となり、既存杭全体の欠損及
びクラックの位置及び大きさを特定できる既存杭の健全
性調査装置とすることも可能となる。
機構と回転機構とを設けることで、既存杭の軸線方向及
び軸線まわりの測定が可能となり、既存杭全体の欠損及
びクラックの位置及び大きさを特定できる既存杭の健全
性調査装置とすることも可能となる。
【0037】また、上記健全性調査装置において、超音
波発信器及び超音波受信器及び超音波発受信器は、コア
ボーリング孔内の内面に合致した曲面形状の当接面で内
面に面接触させる上に、当接面を内面に向けて押しつけ
る付勢部材を設けることで、当接面と内面との間の接触
が十分になされるので、この接触箇所における超音波の
信号伝達を効率良く行える既存杭の健全性調査装置とす
ることも可能となる。
波発信器及び超音波受信器及び超音波発受信器は、コア
ボーリング孔内の内面に合致した曲面形状の当接面で内
面に面接触させる上に、当接面を内面に向けて押しつけ
る付勢部材を設けることで、当接面と内面との間の接触
が十分になされるので、この接触箇所における超音波の
信号伝達を効率良く行える既存杭の健全性調査装置とす
ることも可能となる。
【0038】また、上記健全性調査装置において、信号
伝達治具に接触媒質供給部を設けることで、コアボーリ
ング孔内に水がない場合でも、当接面と内面との間に接
触媒質供給部から接触媒質を供給することで、これらの
間に空気を介在させずに両者を密着させることができる
ので、この接触箇所における超音波の信号伝達を効率良
く行える既存杭の健全性調査装置とすることも可能とな
る。
伝達治具に接触媒質供給部を設けることで、コアボーリ
ング孔内に水がない場合でも、当接面と内面との間に接
触媒質供給部から接触媒質を供給することで、これらの
間に空気を介在させずに両者を密着させることができる
ので、この接触箇所における超音波の信号伝達を効率良
く行える既存杭の健全性調査装置とすることも可能とな
る。
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す図であっ
て、健全性調査実施状態での既存杭の健全性調査装置の
側面図である。
て、健全性調査実施状態での既存杭の健全性調査装置の
側面図である。
【図2】 同既存杭の健全性調査装置の要部を示す図で
あって、図1のA部の拡大図である。
あって、図1のA部の拡大図である。
【図3】 同既存杭の健全性調査装置の要部を示す図で
あって、図2のB−B線から見た視図である。
あって、図2のB−B線から見た視図である。
【図4】 同既存杭の健全性調査装置の要部を示す図で
あって、図2のC−C線から見た断面図である。
あって、図2のC−C線から見た断面図である。
【図5】 同既存杭の健全性調査装置を示す図であっ
て、図1を簡略化した概念図である。
て、図1を簡略化した概念図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態を示す図であっ
て、健全性調査実施状態での健全性調査装置の側面図で
ある。
て、健全性調査実施状態での健全性調査装置の側面図で
ある。
【図7】 従来の既存杭の健全性調査装置を示す図であ
って、健全性調査実施状態での側面図である。
って、健全性調査実施状態での側面図である。
10・・・既存杭 11・・・コアボーリング孔 12・・・内部 12a・・・内面 13・・・外面 14・・・超音波発信器 15・・・超音波受信器 18・・・移動機構 19・・・回転機構 21・・・信号伝達治具 21a・・・当接面 21b・・・接触媒質供給部 22・・・超音波器本体 23・・・付勢部材 30・・・超音波発受信器(超音波発信器、超音波受信
器) L・・・接触媒質 P1、P2・・・超音波 S・・・間隔
器) L・・・接触媒質 P1、P2・・・超音波 S・・・間隔
フロントページの続き (72)発明者 玉置 克之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 小松 義典 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 脇田 英治 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 真野 英之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 竹内 正美 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 渡辺 正春 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 高山 正 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA10 BC07 DB18 GA05 GE04
Claims (7)
- 【請求項1】 建築構造物の既存杭の健全性を調査する
既存杭の健全性調査方法において、 前記既存杭の軸線方向に向けてコアボーリング孔を形成
した後、該コアボーリング孔の内部から外面に向けて超
音波を発信し、前記外面で反射された前記超音波を前記
内部で受信し、このときの発信から受信までの時間及び
受信された前記超音波の強度を測定して前記既存杭の健
全性の調査を行うことを特徴とする既存杭の健全性調査
方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の既存杭の健全性調査方法
において、 前記超音波の発信と受信とを、前記軸線方向に間隔をお
いて行うことを特徴とする既存杭の健全性調査方法。 - 【請求項3】 建築構造物の既存杭にその軸線方向に向
けて形成されたコアボーリング孔内に挿入されて既存杭
の健全性を調査する既存杭の健全性調査装置であって、 前記コアボーリング孔の内部から外面に向けて超音波を
発信する超音波発信器と、前記外面で反射された前記超
音波を受信する超音波受信器とを備えてなることを特徴
とする既存杭の健全性調査装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の既存杭の健全性調査装置
において、 前記超音波発信器と前記超音波受信器とは、前記軸線方
向に間隔をおいて配置されていることを特徴とする既存
杭の健全性調査装置。 - 【請求項5】 請求項3または4記載の既存杭の健全性
調査装置において、 前記超音波発信器と前記超音波受信器とを前記軸線方向
に移動させる移動機構と、これらを前記軸線まわりに回
転させる回転機構とが設けられていることを特徴とする
既存杭の健全性調査装置。 - 【請求項6】 請求項3から5のいずれかに記載の既存
杭の健全性調査装置において、 前記超音波発信器及び前記超音波受信器は、それぞれ前
記コアボーリング孔の内面に合致した形状の当接面を有
する信号伝達治具と、該信号伝達治具内に内蔵された超
音波器本体と、前記当接面を前記内面に向けて押しつけ
る付勢部材とを備えてなることを特徴とする既存杭の健
全性調査装置。 - 【請求項7】 請求項6記載の既存杭の健全性調査装置
において、 前記信号伝達治具には、前記内面と前記当接面との間に
接触媒質を供給する接触媒質供給部が設けられているこ
とを特徴とする既存杭の健全性調査装置。
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JP10242237A JP2000073389A (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 既存杭の健全性調査方法及び健全性調査装置 |
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JP10242237A JP2000073389A (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 既存杭の健全性調査方法及び健全性調査装置 |
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