JP2000072829A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2000072829A
JP2000072829A JP10242121A JP24212198A JP2000072829A JP 2000072829 A JP2000072829 A JP 2000072829A JP 10242121 A JP10242121 A JP 10242121A JP 24212198 A JP24212198 A JP 24212198A JP 2000072829 A JP2000072829 A JP 2000072829A
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resin composition
resin
radical polymerizable
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monomer
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JP10242121A
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English (en)
Inventor
Keiko Kashiwabara
圭子 柏原
Masaya Tsujimoto
雅哉 辻本
Kenji Ogasawara
健二 小笠原
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス転移温度が優れると共に、低応力化性
が優れた硬化物が得られるラジカル重合型熱硬化性樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 ラジカル重合性樹脂原料(a)とアクリ
ル又はメタクリル酸エステルモノマー(b)とを、ポリ
オキシアルキレン基を有するシラン化合物(c)の存在
下で反応させて得られる重合体粒子(A)、及び、ラジ
カル重合性樹脂原料(a)とラジカル重合性不飽和結合
を有するモノマー(d)とを反応させて得られるラジカ
ル重合性樹脂(B)を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層板の製造等に
使用されるラジカル重合型熱硬化性樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ビニルエステル樹脂等のラジ
カル重合型熱硬化性樹脂組成物が、成形時の作業性、硬
化性、硬化物の特性のバランスの良さ等から各種分野に
おいて活発に利用されている。プリント配線板の製造に
使用される銅張り積層板を、このラジカル重合型熱硬化
性樹脂組成物を用いて製造すると、樹脂組成物を基材に
含浸させる工程から、含浸品と銅箔とを一体化する工程
までを連続的に行うことが可能となり、従って長尺の基
材と長尺の銅箔を切断することなく一体化できるため、
少ないロスで積層板を製造できる利点がある。
【0003】しかし、ラジカル重合型熱硬化性樹脂組成
物の硬化物は、一般に硬くて脆いという欠点を有してい
る。そのため、例えば、特公平5−29548号に記載
されたように、カルボキシル基末端のアクリロニトリル
ブタジエンゴム(CTBN)等の、弾性が優れた充填材
を添加して変性したビニルエステル樹脂を用いて積層板
を製造することが検討されている。この樹脂を用いた場
合、樹脂の硬化物の可とう性や靭性が高まり、低応力化
性が優れた積層板が得られるが、相溶性のゴムで変性し
ているため、得られる積層板のガラス転移温度が低下し
たり、線膨張係数が大きくなるという問題があった。
【0004】また、特開平4−370139号には、乳
化重合によって合成したゴム粒子をエポキシ樹脂に分散
させる方法が開示されており、このエポキシ樹脂をメタ
クリレート化することによりラジカル重合型熱硬化性樹
脂組成物を得る方法が考えられる。この方法の場合、ゴ
ム粒子は樹脂成分に対し非相溶であるため、ガラス転移
温度を低下させることなしに、低応力化性が優れた積層
板が得られるが、水系のゴム粒子分散体をエポキシ樹脂
に直接分散させるため、残留する水分によって、得られ
る積層板の耐熱性が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、ラジカル重合性樹脂を含有する樹脂組成物であっ
て、ガラス転移温度が優れると共に、低応力化性が優れ
た硬化物が得られる樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
樹脂組成物は、ラジカル重合性樹脂原料(a)とアクリ
ル又はメタクリル酸エステルモノマー(b)とを、ポリ
オキシアルキレン基を有するシラン化合物(c)の存在
下で反応させて得られる重合体粒子(A)、及び、ラジ
カル重合性樹脂原料(a)とラジカル重合性不飽和結合
を有するモノマー(d)とを反応させて得られるラジカ
ル重合性樹脂(B)を含有することを特徴とするラジカ
ル重合型熱硬化性樹脂組成物である。
【0007】本発明の請求項2に係る樹脂組成物は、請
求項1記載の樹脂組成物において、ポリオキシアルキレ
ン基を有するシラン化合物(c)が、下記式(ア)、
(イ)及び(ウ)からなる群の中から選ばれた少なくと
も1種のシラン化合物であることを特徴とする。
【0008】
【化2】
【0009】本発明の請求項3に係る樹脂組成物は、請
求項1又は請求項2記載の樹脂組成物において、ラジカ
ル重合性不飽和結合を有するモノマー(d)と反応させ
るラジカル重合性樹脂原料(a)が、重合体粒子(A)
の製造に用いたラジカル重合性樹脂原料(a)の未反応
分であることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項4に係る樹脂組成物は、請
求項1から請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物にお
いて、重合体粒子(A)の粒子径が、0.01〜50μ
mであることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項5に係る樹脂組成物は、請
求項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物にお
いて、ラジカル重合性樹脂原料(a)が、エポキシ樹
脂、プロピレングリコール及びビスフェノールAプロピ
レンオキサイド付加物からなる群の中から選ばれた少な
くとも1種の化合物であることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項6に係る樹脂組成物は、請
求項1から請求項5のいずれかに記載の樹脂組成物にお
いて、ラジカル重合性モノマー(C)をも含有すること
を特徴とする。
【0013】本発明の請求項7に係る樹脂組成物は、請
求項1から請求項6のいずれかに記載の樹脂組成物にお
いて、重合体粒子(A)が、ラジカル重合性樹脂原料
(a)と、アクリル又はメタクリル酸エステルモノマー
(b)との合計100重量部に対して、ポリオキシアル
キレン基を有するシラン化合物(c)を0.1〜10重
量部配合して反応させて得た重合体粒子(A)であるこ
とを特徴とする。
【0014】本発明の請求項8に係る樹脂組成物は、請
求項1から請求項7のいずれかに記載の樹脂組成物にお
いて、重合体粒子(A)が、ラジカル重合性樹脂原料
(a)100重量部に対して、アクリル又はメタクリル
酸エステルモノマー(b)を3〜100重量部配合して
反応させて得た重合体粒子(A)であることを特徴とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る樹脂組成物は、ラジ
カル重合性樹脂原料(a)とアクリル又はメタクリル酸
エステルモノマー(b)とを、ポリオキシアルキレン基
を有するシラン化合物(c)の存在下で反応させて得ら
れる重合体粒子(A)、及び、ラジカル重合性樹脂原料
(a)とラジカル重合性不飽和結合を有するモノマー
(d)とを反応させて得られるラジカル重合性樹脂
(B)を含有するラジカル重合型熱硬化性樹脂組成物で
ある。
【0016】上記重合体粒子(A)とラジカル重合性樹
脂(B)とを含有することが重要であり、どちらか一方
又は両方を含有しない場合、樹脂組成物の硬化物のガラ
ス転移温度が低下したり、低応力化性が低下する場合が
ある。これは、上記重合体粒子(A)は、弾性を有して
いるため、樹脂組成物の硬化物を低応力化することが可
能であり、かつ、ラジカル重合性樹脂(B)に対し非相
溶であるため、ガラス転移温度が優れると共に、低応力
化性が優れた硬化物が得られると考えられる。なお、ガ
ラス転移温度が優れると共に、低応力化性が優れるた
め、線膨張係数が小さい硬化物が得られるという効果も
有する。
【0017】なお、樹脂組成物には、分子中に1個以上
のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性モ
ノマー(C)をも含有しても良い。このラジカル重合性
モノマー(C)としては、例えば、スチレン、ジビニル
ベンゼン、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、2
種類以上を併用することもできる。なお、ラジカル重合
性樹脂(B)の製造に用いるラジカル重合性不飽和結合
を有するモノマー(d)とは、同じ化合物であっても良
く、異なっていても良い。
【0018】本発明で用いるラジカル重合性樹脂原料
(a)は、ラジカル重合性不飽和結合を有するモノマー
(d)と反応させた場合に、ラジカル重合性の熱硬化性
樹脂(B)が得られる化合物であり、得ようとするラジ
カル重合性樹脂(B)がビニルエステル樹脂の場合に
は、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する固形
状ないし液状のエポキシ樹脂等が挙げられ、不飽和ポリ
エステル樹脂の場合には、プロピレングリコール、ビス
フェノールAプロピレンオキサイド付加物等が挙げられ
る。
【0019】本発明で用いるアクリル又はメタクリル酸
エステルモノマー(b)(以下、両者を合わせてアクリ
ル酸エステルモノマー(b)と記す)としては、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸メチル等が挙
げられる。これらは、2種類以上を併用しても良く、共
重合体としても良い。
【0020】本発明で用いるポリオキシアルキレン基を
有するシラン化合物(c)は、ポリエーテル変性シリコ
ーンオイルやエポキシポリエーテル変性シリコーンオイ
ル等のシラン化合物であり、例えば上記式(ア)や
(イ)や(ウ)で表されるシラン化合物が挙げられる。
なお、ポリオキシアルキレン基の導入部位は特に限定す
るものではなく、また、分子中のポリオキシアルキレン
基の数も特に限定するものではない。
【0021】なお、ポリオキシアルキレン基を有するシ
ラン化合物(c)として、上記式(ア)、(イ)及び
(ウ)からなる群の中から選ばれた少なくとも1種のシ
ラン化合物を用いた場合、ガラス転移温度が優れると共
に、特に低応力化性が優れた硬化物が得られ好ましい。
なお、上記式(ア)、(イ)、(ウ)は、化合物全体で
見た場合に、x、y、z等の比率で各構造の部分が存在
していることを表す式であり、式の順に各構造のブロッ
クが配列されたブロックポリマーに限定するものではな
い。
【0022】そして、重合体粒子(A)を製造する場合
には、ラジカル重合性樹脂原料(a)とアクリル酸エス
テルモノマー(b)とを、ポリオキシアルキレン基を有
するシラン化合物(c)の存在下で反応させて製造す
る。
【0023】なおこのとき、ポリオキシアルキレン基を
有するシラン化合物(c)を用いると、ラジカル重合性
樹脂原料(a)とアクリル酸エステルモノマー(b)と
を反応させた反応物を分散させる効果があるため、得ら
れる重合体粒子(A)の粒子径が、低応力化を図ること
が可能であり、かつ、硬化物のガラス転移温度に悪影響
を与えない程度の適度な大きさとなるため、ガラス転移
温度が優れると共に、低応力化性が優れた硬化物が得る
ことが可能となる。なお、重合体粒子(A)の粒子径と
しては、0.01〜50μm程度が好ましい。50μm
を超える場合、ガラス転移温度が低下する場合があり、
0.01μm未満の粒子は製造することが困難である。
【0024】重合体粒子(A)を製造する際の、各材料
の配合比率としては、ラジカル重合性樹脂原料(a)1
00重量部に対して、アクリル酸エステルモノマー
(b)を3〜100重量部配合して反応させると、ガラ
ス転移温度が優れると共に、特に低応力化性が優れた硬
化物が得られる。なお、3重量部未満の場合には硬化物
の低応力化の効果が少なく、100重量部を越える場
合、耐熱性の劣化や曲げ強度の低下が生じる場合があ
る。
【0025】また、ラジカル重合性樹脂原料(a)と、
アクリル酸エステルモノマー(b)との合計100重量
部に対して、ポリオキシアルキレン基を有するシラン化
合物(c)を0.1〜10重量部配合して反応させる
と、ガラス転移温度が優れると共に、特に低応力化性が
優れた硬化物が得られる。なお、0.1重量部未満の場
合、シラン化合物(c)を配合して反応物を分散させる
効果が少ないため、ガラス転移温度が低下する場合があ
り、10重量部を越える場合、得られる硬化物に、耐熱
性の劣化や吸湿率の増大等の不都合が生じる場合があ
る。
【0026】また、本発明で用いるラジカル重合性不飽
和結合を有するモノマー(d)は、ラジカル重合性樹脂
原料(a)と反応させた場合に、ラジカル重合性の熱硬
化性樹脂(B)が得られる化合物であり、得ようとする
ラジカル重合性樹脂(B)がビニルエステル樹脂の場合
には、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和酸が挙げら
れ、不飽和ポリエステル樹脂の場合には、無水マレイン
酸やフマル酸等の多塩基不飽和酸が挙げられる。
【0027】なお、これらのラジカル重合性不飽和結合
を有するモノマー(d)は、単独で用いても2種類以上
を併用しても良い。また、得ようとするラジカル重合性
樹脂(B)が不飽和ポリエステル樹脂の場合には、上記
不飽和酸に加えて、無水フタル酸やイソフタル酸やテト
ラヒドロ無水フタル酸等の飽和酸を併用しても良い。
【0028】ラジカル重合性樹脂(B)を製造するため
に用いるラジカル重合性樹脂原料(a)としては、重合
体粒子(A)を製造するために用いるラジカル重合性樹
脂原料(a)と同じものを使用することができる。な
お、重合体粒子(A)を製造する際に、ラジカル重合性
樹脂原料(a)を過剰に配合しておき、ラジカル重合性
樹脂(B)を製造するためのラジカル重合性樹脂原料
(a)として、重合体粒子(A)の製造に用いたラジカ
ル重合性樹脂原料(a)の未反応分を使用するようにし
ても良い。この場合、重合体粒子(A)を製造するとき
に、過剰のラジカル重合性樹脂原料(a)によって重合
体粒子(A)が分散されやすくなるため、ガラス転移温
度が優れると共に、特に低応力化性が優れた硬化物が得
られ好ましい。
【0029】
【実施例】(実施例1)ラジカル重合性樹脂原料(a)
として、エポキシ樹脂(東都化成社製、品名YD−12
8、エポキシ当量190)を、アクリル酸エステルモノ
マー(b)として、アクリル酸2−エチルヘキシルを、
ポリオキシアルキレン基を有するシラン化合物(c)と
して、上記式(ア)で表されるエポキシ・ポリエーテル
変性シリコーンオイル(東レダウコーニングシリコーン
社製、品名SF8421EG)を、ラジカル重合性不飽
和結合を有するモノマー(d)として、メタクリル酸
を、ラジカル重合性モノマー(C)として、スチレン及
びアクリル酸を用いた。
【0030】そして、上記ラジカル重合性樹脂原料
(a)を150g、アクリル酸エステルモノマー(b)
を36g、ポリオキシアルキレン基を有するシラン化合
物(c)を3g秤取り、四ツ口フラスコに投入して、1
30℃に加熱した。次いで、攪拌しながら、ラジカル開
始剤として過酸化ベンゾイルを0.03gを添加した
後、130℃に保ちながら5時間反応させた。なお、ラ
ジカル開始剤を添加してから約10分後に、反応液に白
濁が生じた。
【0031】次いで、この反応液に、ラジカル重合性不
飽和結合を有するモノマー(d)38.7gと、重合禁
止剤としてハイドロキノン0.06gを添加し、均一に
なるまで攪拌した。次いで、この液に反応触媒のトリフ
ェニルホスフィン0.19gを添加した後、酸価が1
0.0以下になるまで120℃で反応させて、ビニルエ
ステル樹脂系のラジカル重合性樹脂(B)を製造した。
そして、この反応液に、ラジカル重合性モノマー(C)
としてスチレン76g及びアクリル酸12.2gを添加
して混合した後、冷却してラジカル重合型熱硬化性樹脂
組成物を得た。
【0032】(実施例2)ポリオキシアルキレン基を有
するシラン化合物(c)として、上記式(イ)で表され
るポリエーテル変性シリコーンオイル(東レダウコーニ
ングシリコーン社製、品名SH3771)を用いたこと
以外は、実施例1と同様にしてラジカル重合型熱硬化性
樹脂組成物を得た。
【0033】(実施例3)ポリオキシアルキレン基を有
するシラン化合物(c)の配合量を、0.2gとしたこ
と以外は、実施例1と同様にしてラジカル重合型熱硬化
性樹脂組成物を得た。
【0034】(実施例4)アクリル酸エステルモノマー
(b)として、アクリル酸2−エチルヘキシルを24g
とアクリル酸ブチル12gとを用いたこと以外は、実施
例1と同様にしてラジカル重合型熱硬化性樹脂組成物を
得た。
【0035】(実施例5)アクリル酸エステルモノマー
(b)の配合量を、3gとしたこと以外は、実施例1と
同様にしてラジカル重合型熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0036】(比較例1)ポリオキシアルキレン基を有
するシラン化合物(c)を用いずに反応させたこと以外
は、実施例1と同様にしてラジカル重合型熱硬化性樹脂
組成物を得た。
【0037】(比較例2)エポキシ樹脂(東都化成社
製、品名YD−128、エポキシ当量190)136
g、トリフェニルホスフィン0.4g、ハイドロキノン
0.06g、メタクリル酸0.21gを四ツ口フラスコ
に投入した後、酸価が10.0以下になるまで120℃
で反応させ、次いでスチレン90gとアクリル酸12g
を投入して、ラジカル重合型熱硬化性樹脂組成物を得
た。
【0038】(比較例3)液状アクリロニトリルブタジ
エンゴム( B.F.Goodrich Chemical社製、品名CTBN
1300X8)90g、エポキシ樹脂(東都化成社製、
品名YDB−400、エポキシ当量400)490g、
トリフェニルホスフィン0.4g、ハイドロキノン0.
25g、メタクリル酸98gおよびアクリル酸72gを
四ツ口フラスコに投入した後、120℃で4時間反応さ
せ、次いでスチレン125gを投入して、ゴム変性ビニ
ルエステルとスチレンの混合物よりなるラジカル重合型
熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0039】(評価)各実施例及び各比較例で得られた
樹脂組成物を用いて、評価用樹脂板と評価用積層板を作
製して、ガラス転移温度、曲げ弾性率、線膨張係数、及
び、重合体粒子(A)の粒子径を評価した。
【0040】なお、評価用樹脂板は、得られた樹脂組成
物100gに、ラジカル開始剤としてパークミルH−8
0(日本油脂社製:クメンハイドロパーオキサイド80
%と炭化水素20%の混合物)を1.25g添加し攪拌
した後、金型に注形し、次いで110℃で25分一次硬
化した後、180℃で30分アフターキュアして、厚さ
2mmの樹脂板を作製した。
【0041】また、評価用積層板は、得られた樹脂組成
物100gに、ラジカル開始剤としてパークミルH−8
0を1.25g、充填材として水酸化アルミニウム50
gとタルク10gを配合した後、ディスパーで攪拌し、
充填材を十分に分散させた。次いで、この液を厚さ0.
2mmの平織ガラス布及びガラスペーパー(単重51g
/m2、密度0.14g/cm3)に含浸した後、ガラス
ペーパー含浸品2枚を中央に、ガラス布含浸品2枚を外
側において、サンドイッチ構造に積層した。そして、そ
の積層物の両側の表面に厚さ18μmの銅箔を配し、次
いでこの積層物を金属プレートの間にはさみ平置きの状
態で110℃、30分間加熱硬化させた後、170℃、
30分間アフターキュアして、厚さ1.6mmの銅張積
層板を作製した。
【0042】そして、ガラス転移温度は、得られた評価
用樹脂板を5×50mmに切り出し、粘弾性スペクトロ
メータにより動的粘弾性挙動を測定し、tanδの分散
曲線のピーク温度をガラス転移温度とした。
【0043】曲げ弾性率は、得られた評価用樹脂板を5
×50mmに切り出し、スパン25mmの3点曲げ試験
を行った。
【0044】線膨張係数は、得られた評価用樹脂板及び
評価用積層板を、リガク(株)製の熱機械分析装置(T
MA:品名TAS−100)を用いて、昇温スピード5
℃/分の条件で、40〜150℃の範囲を測定した。
【0045】重合体粒子(A)の粒子径は、得られた評
価用樹脂板の断面をSEM観察して重合体粒子(A)の
径を50個測定し、その平均、最大、最小を求めた。
【0046】(結果)その結果は、表1に示したよう
に、各実施例で得られた樹脂組成物には、重合体粒子
(A)が存在していることが確認された。また、各実施
例で得られた樹脂組成物は、ポリオキシアルキレン基を
有するシラン化合物(c)を用いずに反応させた比較例
1と比べて、重合体粒子(A)の粒子径が微細になって
いることが確認された。
【0047】また、重合体粒子(A)とラジカル重合性
樹脂(B)とを、共に含有する各実施例で得られた樹脂
組成物は、各比較例と比べて、ガラス転移温度が優れた
硬化物が得られることが確認された。また、各実施例で
得られた樹脂組成物は、曲げ弾性率が、ラジカル重合性
樹脂単独の樹脂組成物である比較例2と比べて小さく、
また、ゴム変性した比較例3とほぼ同等であり、各実施
例で得られた樹脂組成物は、低応力化性が優れた硬化物
が得られることが確認された。
【0048】また、各実施例で得られた樹脂組成物は、
ゴム変性した樹脂組成物である比較例3と比べて、線膨
張係数が小さい硬化物が得られることが確認された。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明に係る樹脂組成物は、ラジカル重
合性樹脂原料(a)とアクリル又はメタクリル酸エステ
ルモノマー(b)とを、ポリオキシアルキレン基を有す
るシラン化合物(c)の存在下で反応させて得られる重
合体粒子(A)、及び、ラジカル重合性樹脂原料(a)
とラジカル重合性不飽和結合を有するモノマー(d)と
を反応させて得られるラジカル重合性樹脂(B)を含有
するため、ガラス転移温度が優れると共に、低応力化性
が優れた硬化物が得ることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 健二 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4J027 AE01 AE07 BA05 BA06 CA10 CD01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合性樹脂原料(a)とアクリ
    ル又はメタクリル酸エステルモノマー(b)とを、ポリ
    オキシアルキレン基を有するシラン化合物(c)の存在
    下で反応させて得られる重合体粒子(A)、及び、ラジ
    カル重合性樹脂原料(a)とラジカル重合性不飽和結合
    を有するモノマー(d)とを反応させて得られるラジカ
    ル重合性樹脂(B)を含有することを特徴とするラジカ
    ル重合型熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオキシアルキレン基を有するシラン
    化合物(c)が、下記式(ア)、(イ)及び(ウ)から
    なる群の中から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物
    であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 ラジカル重合性不飽和結合を有するモノ
    マー(d)と反応させるラジカル重合性樹脂原料(a)
    が、重合体粒子(A)の製造に用いたラジカル重合性樹
    脂原料(a)の未反応分であることを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 重合体粒子(A)の粒子径が、0.01
    〜50μmであることを特徴とする請求項1から請求項
    3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ラジカル重合性樹脂原料(a)が、エポ
    キシ樹脂、プロピレングリコール及びビスフェノールA
    プロピレンオキサイド付加物からなる群の中から選ばれ
    た少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求
    項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ラジカル重合性モノマー(C)をも含有
    することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか
    に記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 重合体粒子(A)が、ラジカル重合性樹
    脂原料(a)と、アクリル又はメタクリル酸エステルモ
    ノマー(b)との合計100重量部に対して、ポリオキ
    シアルキレン基を有するシラン化合物(c)を0.1〜
    10重量部配合して反応させて得た重合体粒子(A)で
    あることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか
    に記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 重合体粒子(A)が、ラジカル重合性樹
    脂原料(a)100重量部に対して、アクリル又はメタ
    クリル酸エステルモノマー(b)を3〜100重量部配
    合して反応させて得た重合体粒子(A)であることを特
    徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の樹脂
    組成物。
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