JP2000072776A - チエノジピリジン誘導体、その製造法および用途 - Google Patents

チエノジピリジン誘導体、その製造法および用途

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JP2000072776A
JP2000072776A JP11166365A JP16636599A JP2000072776A JP 2000072776 A JP2000072776 A JP 2000072776A JP 11166365 A JP11166365 A JP 11166365A JP 16636599 A JP16636599 A JP 16636599A JP 2000072776 A JP2000072776 A JP 2000072776A
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Takashi Soda
隆 左右田
Haruhiko Makino
治彦 牧野
Atsuo Baba
厚生 馬場
Tahei Yamane
太平 山根
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗炎症剤、特に関節炎治療剤として有用なチエ
ノジピリジン誘導体、その製造法及びそれを含有する医
薬組成物の提供。 【解決手段】式 【化1】 [式中、Rは水素原子またはC2-6アルカノイル基を、
Xはハロゲンを、環Aは1〜4個の(1)ハロゲン、(2)ヒ
ドロキシ、(3)ハロゲンもしくはフェニルで置換されて
いてもよいC1-6アルコキシ、(4)ハロゲンもしくはフェ
ニルで置換されていてもよいC1-6アルキルチオ、(5)ハ
ロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル、(6)C
2-6アルカノイルアミノまたは(7)C1-6アルキルでエス
テル化されていてもよいカルボキシで置換されていても
よいベンゼン環を、それぞれ示す。]で表わされる化合
物(I)またはその塩は、極めて優れた抗炎症作用、抗
関節炎作用、抗リウマチ作用、抗慢性関節リウマチ作用
または自己免疫疾患の予防・治療作用、臓器移植後の拒
絶反応の予防・治療作用を有するので、炎症性疾患、関
節炎、リウマチ、慢性関節リウマチまたは自己免疫疾患
の予防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応の予防・治療剤
として用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗炎症作用、骨吸
収抑制作用、免疫性サイトカイン産生抑制作用などを示
し、関節炎治療剤などの医薬として有用な新規チエノジ
ピリジン誘導体またはその塩、その製造法および用途に
関する。
【0002】
【従来の技術】関節炎は、関節の炎症性疾患であり、主
な疾患としては、リウマチ様関節炎や関節に炎症の認め
られるその類縁疾患があげられる。とりわけ、リウマチ
様関節炎は、慢性関節リウマチともいわれ、関節内包層
の滑膜における炎症性変化を主要病変とする慢性多発性
関節炎である。リウマチ様関節炎などの関節炎は、進行
性であり、関節の変形、強直などの関節障害を来たし、
効果的な治療がなされずに悪化すれば、重症の身体障害
にいたることも多い。従来、これらの関節炎の治療に当
たっては、薬物療法として、副腎皮質ホルモンなどのス
テロイド(例、コーチゾン等)、非ステロイド系抗炎症
剤(例、アスピリン、ピロキシカム、インドメタシン
等)、金剤(例、金チオマレート等)、抗リウマチ剤
(例、クロロキン製剤、D−ペニシラミン等)、抗痛風
剤(例、コルヒチン等)、免疫抑制剤(例、サイクロホ
スファマイド、アザチオプリン、メトトレキセート、レ
バミソール等)などが用いられてきた。抗炎症剤、特に
関節炎治療剤としてチエノピリジン誘導体やチエノジピ
リジン誘導体が示されている(特開平10−36374
号公報、PCT国際出願公開第WO97/40050号
公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、副腎皮
質ホルモンなどのステロイドや非ステロイド系抗炎症剤
は、重篤なあるいは長期的使用を困難にさせる副作用が
あるものもある。特開平10−36374号あるいはP
CT国際出願公開第WO97/40050号公報に開示
されたチエノピリジン誘導体やチエノジピリジン誘導体
は、抗炎症作用、特に関節炎治療作用を有するものであ
るが、生体内において代謝の影響を受け、未変化体の残
存率が低い。生体内代謝に対して安定でかつ優れた抗炎
症作用、骨吸収抑制作用、免疫性サイトカイン産生抑制
作用などを示す医薬が要望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記状況
に鑑み、種々研究したところ、2位にスクシンイミドメ
チル基を有し、7位が無置換またはアルカノイル基で保
護されたチエノジピリジン誘導体が、強い抗炎症作用、
特に、抗関節炎作用を有すること、さらに、これらの化
合物が代謝に対しても安定であることを見出し、これに
基づいてさらに研究した結果、本発明を完成した。
【0005】本発明は、(1)式
【化7】 [式中、Rは水素原子またはC2-6アルカノイル基を、
Xはハロゲンを、環Aは1〜4個のハロゲン、ヒド
ロキシ、ハロゲンもしくはフェニルで置換されていて
もよいC1-6アルコキシ、ハロゲンもしくはフェニル
で置換されていてもよいC1-6アルキルチオ、ハロゲ
ンで置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アル
カノイルアミノまたはC1-6アルキルでエステル化さ
れていてもよいカルボキシで置換されていてもよいベン
ゼン環を、それぞれ示す。]で表わされる化合物(I)
またはその塩、(2)Rが水素原子である上記(1)記
載の化合物、(3)Rが水素原子であり、環Aが1〜2
個のヒドロキシ,ハロゲンで置換されていてもよい
1-6アルコキシもしくはハロゲンで置換されていて
もよいC1-6アルキルチオで置換されていてもよいベン
ゼン環である上記(1)記載の化合物、(4)Rが水素
原子であり、環Aが1〜2個のハロゲンで置換されて
いてもよいC1-6アルコキシもしくはハロゲンで置換
されていてもよいC1-6アルキルチオで置換されていて
もよいベンゼン環である上記(1)記載の化合物、
(5)Rが水素原子であり、Xが塩素原子であり、環A
が1〜2個のC1-6アルコキシで置換されていてもよい
ベンゼン環である上記(1)記載の化合物、(6)環A
が4位とそれ以外の位置において、C1-6アルコキシで
置換されていてもよいベンゼン環である上記(5)記載
の化合物、(7)Rが水素原子であり、Xが塩素原子で
あり、環Aが1〜2個のメトキシ基で置換されていても
よいベンゼン環である上記(1)記載の化合物、(8)
RがC2-6アルカノイル基であり、環Aが1〜2個の
ヒドロキシ,ハロゲンで置換されていてもよいC1-6
アルコキシもしくはハロゲンで置換されていてもよい
1-6アルキルチオで置換されていてもよいベンゼン環
である上記(1)記載の化合物、(9)上記(1)記載
の化合物のプロドラッグ、(10)3−クロロ−5,6,
7,8−テトラヒドロ−4−(4−メトキシフェニル)
−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:
5,4−c']ジピリジン、3−クロロ−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−
2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:5,
4−c']ジピリジンまたはそれらの塩、(11)3−
クロロ−4−(4−エトキシフェニル)−5,6,7,8
−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)チエノ
[2,3−b:5,4−c']ジピリジン、3−ブロモ−
5,6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−メトキシフェ
ニル)−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3
−b:5,4−c']ジピリジンまたはそれらの塩、(1
2)7−アセチル−3−クロロ−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ−4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニ
ル)−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−
b:5,4−c']ジピリジン、7−アセチル−3−クロ
ロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−ヒドロキ
シフェニル)−2−(スクシンイミドメチル)チエノ
[2,3−b:5,4−c']ジピリジンまたはそれらの
塩、(13)7−アセチル−3−クロロ−5,6,7,8
−テトラヒドロ−4−(4−メトキシフェニル)−2−
(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−
c']ジピリジン、7−アセチル−3−クロロ−4−
(4−エトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:
5,4−c']ジピリジン、7−アセチル−3−クロロ−
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テ
トラヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)チエノ
[2,3−b:5,4−c']ジピリジンまたはそれらの
塩、
【0007】(14)式
【化8】 [式中、Mは窒素原子の保護基を、Xはハロゲンを、環
Aは1〜4個のハロゲン、ヒドロキシ、ハロゲン
もしくはフェニルで置換されていてもよいC1-6 アルコ
キシ、ハロゲンもしくはフェニルで置換されていても
よいC1-6アルキルチオ、ハロゲンで置換されていて
もよいC1-6アルキル、C2-6アルカノイルアミノもし
くはC1-6アルキルでエステル化されていてもよいカ
ルボキシで置換されていてもよいベンゼン環を、それぞ
れ示す。]で表わされる化合物(II)またはその塩を
脱保護基反応に付すことを特徴とする式
【化9】 [式中の各記号は前記と同意義を有する。]で表わされ
る化合物(I−2)またはその塩の製造法、
【0008】(15)式
【化10】 [式中、Xはハロゲンを、環Aは1〜4個のハロゲ
ン、ヒドロキシ、ハロゲンもしくはフェニルで置換
されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲンもしく
はフェニルで置換されていてもよいC1-6アルキルチ
オ、ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキ
ル、C2-6アルカノイルアミノもしくはC1-6 アルキ
ルでエステル化されていてもよいカルボキシで置換され
ていてもよいベンゼン環を、それぞれ示す。]で表わさ
れる化合物(I−2)またはその塩をアルカノイル化反
応に付すことを特徴とする式
【化11】 [式中、R1はC2-6アルカノイル基を示す。他の記号は
前記と同意義を有する。]で表わされる化合物(I−
3)またはその塩の製造法、
【0009】(16)式
【化12】 [式中、Rは水素原子またはC2-6アルカノイル基を、
Xはハロゲンを、環Aは1〜4個のハロゲン、ヒド
ロキシ、ハロゲンもしくはフェニルで置換されていて
もよいC1-6アルコキシ、ハロゲンもしくはフェニル
で置換されていてもよいC1-6アルキルチオ、ハロゲ
ンで置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アル
カノイルアミノもしくはC1-6アルキルでエステル化
されていてもよいカルボキシで置換されていてもよいベ
ンゼン環を、それぞれ示す。]で表わされる化合物
(I)またはその塩を含有してなる医薬組成物、(1
7)炎症性疾患の予防・治療剤である上記(16)記載
の医薬組成物、(18)関節炎の予防・治療剤である上
記(16)記載の医薬組成物、(19)リウマチの予防
・治療剤である上記(16)記載の医薬組成物、(2
0)慢性関節リウマチの予防・治療剤である上記(1
6)記載の医薬組成物、(21)自己免疫疾患の予防・
治療剤である上記(16)記載の医薬組成物、および、
(22)臓器移植後の拒絶反応の予防・治療剤である上
記(16)記載の医薬組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】上記式中、RおよびR1で示され
るC2-6アルカノイルの例としては、例えば、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ピバロイル等が挙げられる。上記の
式中、Xで示されるハロゲンおよび環Aの置換基(その
置換基を含む)としてのハロゲンとしては、例えば、塩
素、臭素、ヨウ素、フッ素が挙げられ、好ましくは、塩
素、臭素が挙げられ、なかでも塩素が最も好ましい。上
記の式中、環Aの置換基としての置換されていてもよい
1-6アルコキシにおけるC1-6アルコキシの例として
は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t
ert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキ
シ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられ
る。また、隣接する該C1-6アルコキシはそれぞれが結
合して縮合環を形成していてもよい。縮合環を形成する
場合の置換基のと例としては、メチレンジオキシ基,エ
チレンジオキシ基等が挙げられるハロゲンで置換された
1-6アルコキシの例としては、例えば、トリフルオロ
メトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシなどが挙
げられる。フェニルで置換されたC1-6アルコキシの例
としては、例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキ
シ、1−フェニルプロポキシ、2−フェニルプロポキ
シ、3−フェニルプロポキシ、ベンツヒドリルオキシ、
トリチルオキシ等が挙げられる。上記の式中、環Aの置
換基としての置換されていてもよいC1-6アルキルチオ
におけるC1-6アルキルチオの例としては、例えば、メ
チルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチ
オ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、t
ert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、
ネオペンチルチオ、ヘキシルチオなどが挙げられる。ハ
ロゲンで置換されたC1-6アルキルチオの例としては、
例えば、トリフルオロメチルチオ、2,2,2−トリフ
ルオロエチルチオなどが挙げられる。フェニルで置換さ
れたC1-6アルキルチオの例としては、例えば、ベンジ
ルチオ、フェネチルチオ、1−フェニルプロピルチオ、
2−フェニルプロピルチオ、3−フェニルプロピルチ
オ、ベンツヒドリルチオ、トリチルチオ等が挙げられ
る。上記の式中、環Aの置換基としての置換されていて
もよいC1-6アルキルにおけるC1-6アルキルの例として
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル
などが挙げられる。上記の式中、環Aの置換基としての
2-6アルカノイルアミノにおけるC2-6アルカノイルの
例としては、例えば、プロピオニル、ブチリル、イソブ
チリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル等が挙げ
られる。上記の式中、環Aの置換基としてのC1-6アル
キルでエステル化されていてもよいカルボキシ基におけ
るC1-6アルキルの具体例としては、上記のC1-6アルキ
ルの具体例と同様のものが挙げられる。環Aは、上記置
換基を、1〜4個、好ましくは1〜2個有していてもよ
い。環Aの置換基の置換位置は、好ましくは該置換基の
1つが3位,4位または5位であり、より好ましくは該
置換基の1つが4位に結合していることが好ましい。例
えば、上記置換基を1個有する場合は該置換基の置換位
置は4位が好ましい。例えば、上記が置換基を2個有す
る場合は該置換基の置換位置は4位とその他の位置、よ
り好ましくは4位と,3位または5位である。
【0011】上記式中、Rで示されるC2-6アルカノイ
ルの好ましい例としては、例えば、C2-4アルカノイル
(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル)が挙げられ、なかでもアセチル、プロピオニルが好
ましく、アセチルが最も好ましい。環Aの置換基として
好ましいものとしては、(1)ヒドロキシ、(2)ハロゲンで
置換されていてもよいC1-6アルコキシ、(3)ハロゲンで
置換されていてもよいC1- 6アルキルチオが挙げられ
る。さらに好ましくは、(1)ヒドロキシ、(2)C1-4アル
コキシ、(3)C1-4アルキルチオが挙げられる。なかで
も、ヒドロキシ、メトキシ、メチルチオが好適である。
環Aの置換基の数としては、1〜2個が好ましい。環A
の置換基としては、1〜2個のメトキシがもっとも好ま
しい。RがC2-6アルカノイル基である場合、環Aの置
換基としては、(1)ヒドロキシおよび(2)ハロゲンから選
ばれる同一または異なる2個の基で置換されていてもよ
いC1-6アルコキシが好ましい。
【0012】本発明の化合物(I)の塩および化合物(I)
を製造する原料化合物の塩としては、薬学的に許容され
る塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、有機塩基との
塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性ア
ミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適
な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などの
アルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などの
アルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモ
ニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例
としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシル
アミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどとの
塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例
えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩
が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例え
ばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ
酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ
酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジ
ン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸と
の塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グル
タミン酸などとの塩が挙げられる。化合物(I)または
その塩は、そのプロドラッグであってもよい。化合物
(I)またはその塩のプロドラッグは、生体内における
生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物
(I)またはその塩に変換する化合物、すなわち、酵
素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)
またはその塩に変化する化合物、胃酸等により加水分
解などを起こして化合物(I)またはその塩に変化する
化合物をいう。化合物(I)またはその塩のプロドラッ
グとしては、化合物(I)またはその塩の水酸基が、ア
シル化,アルキル化,リン酸化,ほう酸化された化合物
またはその塩(例えば、化合物(I)またはその塩の水
酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、
ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル
化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物ま
たはその塩など)、化合物(I)またはその塩のカルボ
キシル基が、エステル化,アミド化された化合物(例え
ば、化合物(I)またはその塩のカルボキシル基がエチ
ルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシオキシ
メチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、
ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニ
ルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4
−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカル
ボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物
またはその塩など)などが用いられる。これらのプロド
ラッグは自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に従
って製造することができる。また、化合物(I)または
その塩のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬
品の開発」第7巻分子設計163〜198頁に記載され
ているような生理的条件で化合物(I)またはその塩に
変化するものであってもよい。本発明の化合物(I)ま
たはその塩は同位元素(例、3H,14C,35S,125Iな
ど)などで標識されていてもよい。
【0013】本発明の化合物(I)またはその塩の好ま
しいものの具体例としては、例えば、3−クロロ−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3
−b:5,4−c']ジピリジン、3−クロロ−5,6,7,
8−テトラヒドロ−4−(4−メトキシフェニル)−2
−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4
−c']ジピリジン、3−クロロ−4−(4−エトキシ
フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スク
シンイミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−c']ジ
ピリジン、3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−
4−(4−メトキシフェニル)−2−(スクシンイミド
メチル)チエノ[2,3−b:5,4−c']ジピリジン、
7−アセチル−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−
2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:5,
4−c']ジピリジン、7−アセチル−3−クロロ−5,
6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−
b:5,4−c']ジピリジン、7−アセチル−3−クロ
ロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−メトキシ
フェニル)−2−(スクシンイミドメチル)チエノ
[2,3−b:5,4−c']ジピリジン、7−アセチル−
3−クロロ−4−(4−エトキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)
チエノ[2,3−b:5,4−c']ジピリジン、7−アセ
チル−3−クロロ−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイ
ミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−c']ジピリジ
ン、それらの塩などが挙げられる。
【0014】本発明の化合物(I)またはその塩は、た
とえば、次のようにして製造することができる。次の
[数1]の反応式に示す如く、上記化合物(II)また
はその塩を脱保護基反応に付して化合物(I−2)を製
造する。
【0015】
【数1】 [式中の各記号は前記と同意義を有する。]
【0016】化合物(II)におけるMで表わされる保
護基としては、例えば、置換されていてもよいC1-6
ルキル基、置換されていてもよいC1-6アルカノイル
基、置換されていてもよいC6-10アリール−カルボニル
基、置換されていてもよいC6-10 アリール−スルホニル
基、置換されていてもよいC1-4アルキルオキシ−カル
ボニル基などが挙げられる。これらにおいて、置換基の
数は、1〜3個が挙げられる。該置換されていてもよい
1-6アルキル基におけるC1-6アルキル基としては、前
記したものと同様のものが挙げられる。その置換基とし
ては、例えば、C1-4 アルキルもしくはC1-4アルコキシ
で置換されていてもよいC6-10アリールが挙げられる。
置換されているC1-6アルキル基の具体例としては、例
えば、ベンジル、p−メトキシベンジル、トリチルなど
が挙げられる。該置換されていてもよいC1-6アルカノ
イル基におけるC1-6アルカノイル基としては、例え
ば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バ
レリル、ピバロイル、サクシニル、グルタニルなどが挙
げられ、その置換基としては、例えば、ハロゲン、オキ
ソ、C1-4アルコキシなどが挙げられる。置換されたC
1-6アルカノイル基の具体例としては、例えば、トリフ
ルオロアセチル等が挙げられる。該置換されていてもよ
いC6-10アリール−カルボニル基におけるC6-10アリー
ルとしては、例えば、フェニル、ナフチルなどが挙げら
れる。その置換基としては、例えば、ハロゲン、ニト
ロ、ヒドロキシもしくはオキソ、C1-4アルキル、C1-4
アルコキシなどが挙げられる。C6-10アリール−カルボ
ニル基の例としては、例えば、ベンゾイル等が挙げられ
る。
【0017】該置換されていてもよいC6-10アリール−
スルホニル基におけるC6-10アリールとしては、前記し
たものと同様のものが挙げられる。その置換基として
は、例えば、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシもしくはオ
キソ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシなどが挙げられ
る。C6-10アリール−スルホニル基の例としては、例え
ば、ベンゼンスルホニル等が挙げられる。置換されたC
6-10アリール−スルホニル基の例としては、例えば、ト
ルエンスルホニルなどが挙げられる。該置換されていて
もよいC1-4アルキルオキシ−カルボニル基におけるC
1-4アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、n−ブチル、tert-ブチル等が挙げられる。
置換基としては、例えば、置換されていてもよいC6-10
アリール、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシもしくはオキ
ソ、C1-4アルキル、C1 -4アルコキシ、C1-4アルキル
チオなどが挙げられる。置換されていてもよいC1 -4
ルキルオキシ−カルボニル基の具体例としては、例え
ば、エトキシカルボニル、tert-ブチルオキシカルボニ
ル、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジル
オキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ルなどが挙げられる。上記において、C6-10アリールと
しては、例えば、フェニル、ナフチルなどが挙げられ
る。上記において、置換されていてもよいC6-10アリー
ルにおける置換基としては、例えば、ニトロ、C1-4
ルキル、C1-4アルコキシ等が挙げられる。上記におい
て、C1-4アルキルとしては、例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、n−ブチル、tert-ブチル等が挙げ
られる。上記において、C1-4アルコキシとしては、例
えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキ
シ、tert-ブトキシ等が挙げられる。
【0018】該脱保護基反応としては、Mで表わされる
保護基が、置換されていてもよいC1-6アルキル基であ
る場合、および、置換されていてもよいC1-4アルキル
オキシ−カルボニル基である場合、接触水素添加反応
(接触還元反応)を用いることができる。接触水素添加
反応(接触還元反応)においては、原料化合物に、パラ
ジウム触媒(例、パラジウム炭素、パラジウム黒、水酸
化パラジウム等)、白金触媒(例、酸化白金等)等の触
媒の存在下に、水素を作用させる。水素を作用させる際
には、水素または水素を発生させる化合物をが用いられ
る。水素を発生させる化合物としては、蟻酸、蟻酸アン
モニウム、シクロヘキサジエン、シスデカリン、シクロ
ヘキセンなどが挙げられる。該接触水素添加反応に用い
られる溶媒としては例えば、アルコール類(例、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、3−ペンタノール等)、芳香族炭
化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、飽
和炭化水素類(例、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、ケト
ン類(例、アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリ
ル類(例、アセトニトリル等)、スルホキシド類(例、
ジメチルスルホキシド等)、アミド類(N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、
エステル類(例、酢酸エチル等)、カルボン酸類(例、
酢酸、プロピオン酸)、ピリジン、ケトン類(例、アセ
トン)、ジメトキシエタンなどが挙げられる。パラジウ
ム触媒や白金触媒の使用量は、原料化合物1グラムに対
し、約200ミリグラム〜4グラム程度が好ましく、約
500ミリグラム〜2グラム程度がより好ましい。本反
応は通常約0〜100℃、好ましくは約10〜40℃で
行われ、反応時間は通常約2〜24時間、好ましくは約
4〜8時間である。
【0019】該脱保護基反応としては、Mで表わされる
保護基が、置換されていてもよいC1-6アルカノイル基
である場合、および、置換されていてもよいC6-10アリ
ール−カルボニル基である場合、酸性条件下での加水分
解反応を用いるのが好ましい。用いられる酸としては、
例えば、有機酸(例、蟻酸、酢酸等)、無機酸(例、硫
酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸等)が挙げられる。該加
水分解反応に用いられる溶媒としては例えば、アルコー
ル類(例、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、3−ペンタノ
ール等)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等)、飽和炭化水素類(例、ヘキサン、ヘ
プタン、シクロヘキサン等)、エーテル類(例、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト
キシエタン等)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチ
ルケトン等)等が挙げられる。本反応は通常0〜150
℃、好ましくは約20〜80℃で行われ、反応時間は通
常約1〜10時間、好ましくは約2〜4時間である。
【0020】該脱保護基反応としては、Mで表わされる
保護基が、置換されていてもよいC6-10アリール−スル
ホニル基である場合、酸で処理することにより、該保護
基を脱離させることができる。用いられる酸としては、
例えば、有機酸(例、蟻酸、酢酸等)、無機酸(例、臭
化水素酸、硫酸、塩酸等)が挙げられる。該反応に用い
られる溶媒としては、例えば、上記加水分解反応におい
て用いられる溶媒と同様のものやフェノール等が挙げら
れる。本反応は通常0〜150℃、好ましくは約20〜
80℃で行われ、反応時間は通常約1〜10時間、好ま
しくは約2〜4時間である。
【0021】Mで表わされる保護基が、置換されていて
もよいC1-4アルキルオキシ−カルボニル基である場
合、該保護基を脱離させる反応としては、前記したと同
様の接触水素添加反応、前記したと同様の加水分解反応
に加え、アルキルシリル試薬(例、ヨードトリメチルシ
ラン、トリエチルシラン等)を用いる反応、ルイス酸
(例、塩化アルミニウム、三臭化ホウ素、三フッ化ホウ
素エチルエーテル錯体等)を用いる反応等が挙げられ
る。アルキルシリル試薬を用いる反応において使用され
る溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類
(例、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタン、ジクロロ
メタン、クロロホルム等)、飽和炭化水素類(例、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、エーテル類
(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメトキシエタン等)、ケトン類(例、アセト
ン、メチルエチルケトン等)、ニトリル類(例、アセト
ニトリル等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキ
シド等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド等)、エステル類(例、
酢酸エチル等)、ピリジン、ケトン類(例、アセト
ン)、ジメトキシエタンなどが挙げられる。アルキルシ
リル試薬の使用量は、原料化合物1モルに対し、約1〜
10モル当量が好ましく、約1〜3モル程度がより好ま
しい。本反応は通常約−20〜50℃、好ましくは約0
〜25℃で行われ、反応時間は通常約1〜24時間、好
ましくは約2〜4時間である。
【0022】該ルイス酸を用いる反応において使用され
る溶媒としては、上記したアルキルシリル試薬を用いる
反応において使用される溶媒と同様のものが挙げられ
る。該ルイス酸の使用量としては、原料化合物1モルに
対し、約1〜10モル当量が好ましく、約1〜3モル程
度がより好ましい。これらの反応は通常約−40〜15
0℃、好ましくは約−10〜40℃で行われ、反応時間
は通常約1〜24時間、好ましくは約2〜6時間であ
る。
【0023】このようにして得られる化合物(I−2)
は公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽
出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどによ
り単離精製することができる。
【0024】次の[表2]に示す化合物(I−2)から
化合物(I−3)を製造するアルカノイル化反応は、例
えば、次のようにして行われる。
【0025】
【数2】 [式中、各記号は前記と同意義を有する。]
【0026】本法では、化合物(I−2)と式 R1
COOH [式中、R1は、前記と同意義を示す]で表
わされる化合物(III)またはカルボキシル基における
反応性誘導体またはその塩とを反応させることにより、
化合物(I−3)を製造する。
【0027】化合物(III)のカルボキシル基における
好適な反応性誘導体としては、酸ハロゲン化物、酸無水
物、活性化アミド、活性化エステル等が挙げられる。反
応性誘導体の好適な例としては、酸塩化物;酸アジ化
物;例えばジアルキルリン酸、フェニルリン酸、ジフェ
ニルリン酸、ジベンジルリン酸、ハロゲン化リン酸等の
置換されたリン酸、ジアルキル亜リン酸、亜硫酸、チオ
硫酸、硫酸、例えばメタンスルホン酸等のスルホン酸、
例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸ピバリン
酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、トリクロロ酢酸等の
脂肪族カルボン酸または例えば安息香酸等の芳香族カル
ボン酸のような酸との混合酸無水物;対称酸無水物;イ
ミダゾ−ル、4−置換イミダゾ−ル、ジメチルピラゾ−
ル、トリアゾ−ルまたはテトラゾ−ルとの活性化アミ
ド;例えばシアノメチルエステル、メトキシメチルエス
テル、ジメチルイミノメチルエステル、ビニルエステ
ル、プロパルギルエステル、p-ニトロフェニルエステ
ル、トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニ
ルエステル、メシルフェニルエステル、フェニルアゾフ
ェニルエステル、フェニルチオエステル、p-ニトロフェ
ニルエステル、p-クレジルチオエステル、カルボキシメ
チルチオエステル、ピラニルエステル、ピリジルエステ
ル、ピペリジルエステル、8-キノリルチオエステル等
の活性化エステル;または例えばN,N-ジメチルヒドロ
キシアミン、1-ヒドロキシ-2-(1H)-ピリドン、N-
ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシフタルイミ
ド、1-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾ−ル等のN-ヒ
ドロキシ化合物とのエステル等が挙げられる。
【0028】これら反応性誘導体は、使用する化合物
(III)の種類によって任意に選択することができる。
化合物(III)の反応性誘導体の好適な塩としては、例
えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、例
えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金
属塩、アンモニウム塩、例えばトリメチルアミン塩、ト
リエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロ
ヘキシルアミン塩、N,N-ジベンジルエチレンジアミン
塩等の有機塩基塩等のような塩基塩が挙げられる。反応
は通常、水、例えばメタノ−ル、エタノ−ル等のアルコ
−ル類、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、クロ
ロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、テトラヒドロ
フラン、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、ピ
リジンのような常用の溶媒中で行われるが、反応に悪影
響を及ぼさない溶媒であればその他のいかなる有機溶媒
中でも反応を行うことができる。これら常用の溶媒は水
との混合物として使用してもよい。この反応において、
化合物(III)を遊離酸の形またはその塩の形で使用す
る場合には、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド;N-シクロヘキシル-N'-モルホリノエチルカルボジ
イミド;N-シクロヘキシル-N'-(4-ジエチルアミノ
シクロヘキシル)カルボジイミド;N,N'-ジエチルカ
ルボジイミド、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミ
ド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド;N,N'-カルボニルビス(2-メチルイミ
ダゾ−ル);ペンタメチレンケテン-N-シクロヘキシル
イミン;ジフェニルケテン-N-シクロヘキシルイミン;
エトキシアセチレン;1-アルコキシ-1-クロロエチレ
ン;亜リン酸トリアルキル;ポリリン酸エチル;ポリリ
ン酸イソプロピル;オキシ塩化リン;ジフェニルホスホ
リルアジド;塩化チオニル;塩化オキサリル;例えばク
ロロギ酸エチル;クロロギ酸イソプロピル等のハロギ酸
低級アルキル;トリフェニルホスフィン;2-エチル-7
-ヒドロキシベンズイソオキサゾリウム塩、2-エチル-
5-(m-スルホフェニル)イソオキサゾリウムヒドロキ
シド分子内塩;N-ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル;1-
(p-クロロベンゼンスルホニルオキシ)-6-クロロ-1H
-ベンゾトリアゾ−ル;N,N-ジメチルホルムアミドと塩
化チオニル、ホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、
オキシ塩化リン等との反応によって調製したいわゆるビ
ルスマイヤ−試薬等のような常用の縮合剤の存在下に反
応を行うのが望ましい。反応はまたアルカリ金属炭酸水
素塩、トリ(低級)アルキルアミン、ピリジン、N-
(低級)-アルキルモルホリン、N,N-ジ(低級)アルキ
ルベンジルアミン等のような無機塩基または有機塩基の
存在下に行ってもよい。反応温度は特に限定されない
が、通常は冷却下(約−40℃)ないし加温下(約15
0℃)で、好ましくは約−20℃〜60℃で反応が行わ
れる。反応時間は、約1〜24時間、好ましくは約2〜
6時間である。このようにして得られる化合物(I−
3)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶
媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなど
により単離精製することができる。
【0029】化合物(I−2)の製造に用いられる原料
化合物(II)は、例えば、特開平10−36374号
公報あるいはPCT国際出願公開第WO97/4005
0号公報に記載の方法、またはそれと同様のもしくは類
似の方法で製造することができる。
【0030】本発明の化合物(I)またはその塩は、抗
炎症作用を有し、さらに抗関節炎作用を有するので、関
節に炎症症状を呈する総ての関節炎の予防または治療に
用いることができる。該関節炎としては、例えば、慢性
関節リウマチ等が挙げられる。また、本発明の化合物
(I)またはその塩は、リウマチ等の予防または治療に
用いることができる。また、本発明化合物(I)または
その塩は、優れた骨吸収抑制作用を有し、関節炎に伴う
骨破壊、骨粗鬆症等の予防・治療に有用である。さら
に、本発明化合物は、免疫性サイトカイン産生抑制作用
を有しており、免疫が関与すると考えられる疾患の予防
・治療、または/および臓器移植後の拒絶反応の予防・
治療にも有効である。本発明の化合物(I)またはその
塩は、さらに、免疫性サイトカイン[例えば、インター
ロイキン−2(IL−2)、インターフェロン−γ(I
FN−γ)など]の産生を抑制する作用を有し、自己免
疫疾患を含む免疫が関与すると考えられる疾患の予防ま
たは治療に有用である。かかる対象疾患としては、例え
ば全身性エリセマトーデス、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸
炎、クローン病)、多発性硬化症、乾癬、慢性肝炎、膀
胱ガン、乳ガン、子宮頚部ガン、慢性リンパ性白血球、
慢性骨髄性白血病、大腸ガン、結腸ガン、直腸ガン、ヘ
リコバクターピロリ感染症、ホジキン病、インスリン依
存性糖尿病、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキン性
リンパ腫、非小細胞肺ガン、卵巣ガン、消化性潰瘍、前
立腺ガン、敗血症ショック、結核、不妊症、動脈硬化、
ベーチュット病、喘息、アトピー性皮膚炎、腎炎、全身
性真菌感染症、急性バクテリア髄膜炎、急性心筋梗塞、
急性膵炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バ
クテリア肺炎、慢性膵炎、単純ヘルペスウイルス感染
症、水痘−帯状疱疹ウイルス感染症、AIDS、ヒトパ
ピローマウイルス感染症、インフルエンザ、侵襲性ブド
ウ状球菌感染症、末梢血管疾患、敗血症、間質性肝疾
患、時局性回腸炎、多発性硬化症などが挙げられる。本
発明の化合物(I)またはその塩は、とりわけ、全身性
エリセマトーデス、慢性肝炎、間質性肝疾患、喘息、乾
癬、潰瘍性大腸炎、クローン病、限局性回腸炎または多
発性硬化症などの予防または治療に対し用いられる。ま
た、本発明の化合物(I)またはその塩は、臓器移植後
の拒絶反応の予防・治療にも有用である。本発明の化合
物の毒性は低い。
【0031】従って、本発明の化合物(I)またはその
塩は、ヒトを含む哺乳動物(例、ヒト、ウマ、ウシ、ブ
タ、イヌ、ネコ、ラット、マウスなど)の炎症性疾患、
関節炎、リウマチ、慢性関節リウマチまたは自己免疫疾
患の予防・治療剤として、また、臓器移植後の拒絶反応
の予防・治療剤として用いることができる。また、本発
明の化合物(I)またはその塩は、生体内における代謝
に安定であるので、長時間にわたってその薬効が発揮さ
れるため、医薬として有利に使用できる。本発明の化合
物(I)またはその塩の投与量は、投与経路、治療すべ
き患者の症状により種々選択できるが、化合物(I)と
して、通常、成人1人あたり、経口投与の場合、例えば
約1mg〜約500mg,好ましくは約5mg〜約10
0mg,さらに好ましくは約10mg〜約50mg、ま
たは約1mg〜約30mg、非経口投与の場合、約0.
1mg〜約100mg,さらに好ましくは約0.3mg
〜約10mgの範囲から選択でき、これらを1日1〜3
回に分けて投与できる。
【0032】本発明の目的化合物(I)またはその塩
は、薬学的に許容される担体と配合し、錠剤、カプセル
剤、顆粒剤、散剤などの固形製剤;またはシロップ剤、
注射剤などの液状製剤として経口または非経口的に投与
することができる。また、パッチ剤、パップ剤、軟膏剤
(クリーム剤も含む)、硬膏剤、テープ剤、ローション
剤、液剤、懸濁剤、乳剤、噴霧剤などの経皮投与製剤と
することもできる。薬学的に許容される担体としては、
製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が
用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、
崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化
剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合され
る。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤、
着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもでき
る。
【0033】賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、
白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、
軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤の好適な例と
しては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられ
る。結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロー
ス、α化デンプン、白糖、D−マンニトール、デキスト
リン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙
げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプ
ン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、
カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロ
キシプロピルセルロースなどが挙げられる。溶剤の好適
な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレ
ングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油
などが挙げられる。必要により、味のマスキング、腸溶
性あるいは持続性の目的のため、自体公知の方法でコー
ティングすることにより、経口投与製剤とすることもで
きる。そのコーティング剤としては、例えば、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン80、ブ
ルロニックF68、セルロースアセテートフタレート、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒド
ロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイ
ドラギット(ローム社製、ドイル、メタアクリル酸・ア
クリル酸共重合体)などが用いられる。
【0034】溶解補助剤の好適な例としては、例えばポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マ
ンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスア
ミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、
炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられ
る。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルト
リエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリ
ルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン
などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロースなどの親水性高分子物質などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、
グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。緩衝
剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸
塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化
剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなど
が挙げられる。防腐剤の好適な例としては、例えばパラ
オキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジ
ルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、
ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤の好適な例とし
ては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられ
る。さらに、化合物(I)またはその塩は、例えば、
シクロオキシゲナーゼ抑制剤(Cox−I,Cox−II
抑制剤),疾患修飾性抗リウマチ薬および免疫抑制
薬,生物製剤,鎮痛剤および消炎剤または骨疾患
治療薬等と、同時にあるいは時間的間隔をおいて投与す
ることができる。 シクロオキシゲナーゼ抑制剤(Cox−I,Cox−
II抑制剤)としては、例えば、セレコキシブ,ロフェコ
キシブ,アスピリン等のサリチル酸誘導体,ジクロフェ
ナック,インドメタシン,ロキソプロフェン等が挙げら
れる。これらの投与量としては、例えば、セレコキシブ
は約100〜200mg/日,ロフェコキシブは約10
〜30mg/日,アスピリン等のサリチル酸誘導体は約
1000〜4500mg/日,ジクロフェナックは約2
5〜75mg/日,インドメタシンは約50〜150m
g/日,ロキソプロフェンは約60〜180mg/日であ
る。 疾患修飾性抗リウマチ薬および免疫抑制薬としては、
例えば、メソトレキセイト,レフルノミド,プログラ
フ,スルファサラジン,D−ペニシラミン,経口金剤等
が挙げられる。これらの投与量としては、例えば、メソ
トレキセイトは約2.5〜7.5mg/週,レフルノミ
ドは約20〜100mg/日,プログラフは約1〜5m
g/日,スルファサラジンは約500〜2000mg/
日,D−ペニシラミンは約100〜600mg/日,経
口金剤は約3〜6mg/日である。 生物製剤としては、例えば、モノクロナール抗体
(例、抗TNF−α抗体,抗IL−12抗体,抗IL−
6抗体,抗ICAM−I抗体,抗CD4抗体等)、可溶
性レセプター(例、可溶性TNF−αレセプター等)、
タンパク性リガンド(IL−Iリセプターアンタゴニス
ト等)が挙げられる。これらの投与量としては、例えば
約0.1〜50mg/kg/日、好ましくは0.5〜20
mg/kg/日である。 鎮痛剤および消炎剤としては、例えば、中枢性鎮痛剤
(例、モルフィン,コデイン,ペンタジシン等)、ステ
ロイド剤(例、プレドニゾロン,デキサメタゾン,ベタ
メタゾン等)、消炎酵素剤(例、ブロメルシン,リゾチ
ーム,ブロメラーゼ等)が挙げられる。これらの投与量
としては、例えば、中枢性鎮痛剤は約1〜1000mg
/日,好ましくは約5〜300mg/日、ステロイド剤は
約0.1〜400mg/日,好ましくは約0.5〜10
0mg/日、消炎酵素剤は約1〜100mg/日,好まし
くは約5〜40mg/日である。 骨疾患(例えば、骨折,再骨折,骨粗鬆症,骨軟化
症,骨ペーチェット病,硬直性脊髄炎,慢性関節リウマ
チ,変形性膝関節炎およびそれらの類似疾患における関
節組織の破壊等)治療薬としては、例えば、カルシウム
製剤(例、炭酸カルシウム等)、カルシトニン製剤、ビ
タミンD製剤(例、アルファカルシドール等)、性ホル
モン類(例、エストロゲン,エストランジオール等)、
プロスタグランジンA1、ビスホスホン酸類、イプリフ
ラボン類、フッ素化合物(例、フッ化ナトリウム等)、
ビタミンK2、骨形成タンパク(BMP)、線維芽細胞
増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDG
F)、トランスフォーミング成長因子(TGF−β)、
インスリン様成長因子−1及び2(IGF−1,−
2)、副甲状腺ホルモン(PTH)、ヨーロッパ出願公
開EP−A1−376197号公報,EP−A1−46
0488号公報およびEP−A1−719782号公報
記載の化合物(例、(2R.4S)-(-)-N-[4-(diethoxyphosph
orylmethyl)phenyl]-1,2,4,5-tetrahydro-4-methyl-7,8
-methylenedioxy-5-oxo-3-benzothiepin-2-carboxamide
等)等が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下に参考例、実施例および実験例を挙げて
本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。なお、以下において、Meはメ
チルを、Etはエチルを、Phはフェニルを、Cbzは
ベンジルオキシカルボニルをそれぞれ示す。 参考例1 アセトニトリル(48g)を1.6M n−ブチルリチウム
のヘキサン溶液(728ml)およびテトラヒドロフラン(9
00ml)の混合物に−70℃で滴下した。−70℃で20
分間撹拌した後、4−メトキシベンゾイルクロリド(10
0g)のテトラヒドロフラン溶液(200ml)を同温度で滴
下した。反応混合物はさらに同温度で30分間かき混ぜ
た後、4規定塩酸で酸性化した。室温で30分間かき混
ぜ、析出結晶をろ取し、ω−シアノ−4−メトキシアセ
トフェノン(69.5g, 68%)を得た。エタノールから
再結晶した。無色プリズム晶。融点127−128℃。 参考例2 3,4−ジメトキシベンゾイルクロリドを原料として用
い、参考例1と同様の方法で、ω−シアノ−3,4−ジ
メトキシアセトフェノンを得た。酢酸エチルから再結晶
した。無色プリズム晶。融点141−142℃。
【0036】参考例3 4−イソペンチルオキシ安息香酸エチルエステルを原料
として用い、参考例1と同様の方法で、ω−シアノ−4
−イソペンチルオキシアセトフェノンを得た。イソプロ
ピルエーテル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム
晶。融点77−78℃。 参考例4 4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリドを原料とし
て用い、参考例1と同様の方法で、ω−シアノ−4−ト
リフルオロメチルアセトフェノンを不定形固体として得
た。1 H−NMR(δppm in CHCl3): 4.11(2H,s),
7.80(2H,d,J=8.6 Hz),8.05(2H,d,J=8.6 Hz).
【0037】参考例5 4−tert−ブチルベンゾイルクロリドを原料として用
い、参考例1と同様の方法で、ω−シアノ−4−tert−
ブチルアセトフェノンを得た。イソプロピルエーテル−
ヘキサンから再結晶した。無色板状晶。融点74−76
℃。 参考例6 4−アセチルアミノ安息香酸エチルエステルを原料とし
て用い、参考例1と同様の方法で、ω−シアノ−4−ア
セチルアミノアセトフェノンを得た。N,N−ジメチル
ホルムアミド−水から再結晶した。無色プリズム晶。融
点255−257℃。
【0038】参考例7 アセトニトリル(4.2g)を1.6M n−ブチルリチウム
のヘキサン溶液(63ml)およびテトラヒドロフラン(20
0ml)の混合物に−70℃で滴下した。−70℃で30
分間撹拌した後、テレフタル酸ジエチルエステル(15
g)のテトラヒドロフラン溶液(200ml)に同温度で滴下
した。反応混合物はさらに同温度で30分間かき混ぜた
後、2規定塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。酢
酸エチル層を水洗、乾燥 (MgSO4)し、減圧下溶媒
を留去した。残渣物はシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付した。酢酸エチルーヘキサン(2:1、v/v)
で溶出する部分から、ω−シアノ−4−エトキシカルボ
ニルアセトフェノン(10.5g, 72%)を得た。酢酸エチル
−ヘキサンから再結晶した。無色針状晶。融点88−8
9℃。 参考例8 4−エトキシ安息香酸エチルエステルを原料として用
い、参考例1と同様の方法で、ω−シアノ−4−エトキ
シアセトフェノンを得た。メタノールから再結晶した。
無色プリズム晶。融点121−122℃。
【0039】参考例9 4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)安息香酸エチ
ルエステルを原料として用い、参考例1と同様の方法
で、ω−シアノ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキ
シ)アセトフェノンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから
再結晶した。無色針状晶。融点116−117℃。 参考例10 4−エチル安息香酸エチルエステルを原料として用い、
参考例1と同様の方法で、ω−シアノ−4−エチルアセ
トフェノンを得た。メタノールから再結晶した。無色プ
リズム晶。融点97−98℃。
【0040】参考例11 4−ベンジルオキシ安息香酸エチルエステルを原料とし
て用い、参考例1と同様の方法で、ω−シアノ−4−ベ
ンジルオキシアセトフェノンを得た。メタノールから再
結晶した。無色プリズム晶。融点127−128℃。 参考例12 参考例1で得られた化合物(40g)、硫黄(8g)、1−
ベンジル−4−ピペリドン(43.2g)、モルホリン(19.
9g)および2−プロパノール(1000ml)の混合物を70
℃で5時間撹拌した。反応混合物を室温で一晩静置し
た。析出結晶を濾取し、2−プロパノールで洗浄し、2
−アミノ−6−ベンジル−3−(4−メトキシベンゾイ
ル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピ
リジン(52.4g, 61%)を得た。酢酸エチル−ヘキサ
ンから再結晶した。黄色プリズム晶。融点164−16
5℃。
【0041】参考例13 参考例2で得られた化合物を原料として用い、参考例1
2と同様の方法で、2−アミノ−6−ベンジル−3−
(3,4−ジメトキシベンゾイル)−4,5,6,7−テト
ラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジンを得た。エタノー
ルから再結晶した。黄色プリズム晶。融点149−15
0℃。 参考例14 参考例3で得られた化合物を原料として用い、参考例1
2と同様の方法で、2−アミノ−6−ベンジル−4,5,
6,7−テトラヒドロ−3−(4−イソペンチルオキシ
ベンゾイル)チエノ[2,3−c]ピリジンを得た。酢酸
エチル−ヘキサンから再結晶した。黄色プリズム晶。融
点106−107℃。
【0042】参考例15 特開平10−59977号公報の参考例24に記載の方
法で得た化合物を原料として用い、参考例12と同様の
方法で、2−アミノ−6−ベンジル−3−(4−クロロ
ベンゾイル)−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,
3−c]ピリジンを得た。テトラヒドロフラン−ヘキサ
ンから再結晶した。黄色針状晶。融点158−159
℃。 参考例16 参考例5で得られた化合物を原料として用い、参考例1
2と同様の方法で、2−アミノ−6−ベンジル−3−
(4−tert−ブチルベンゾイル)−4,5,6,7−テト
ラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジンを得た。酢酸エチ
ル−ヘキサンから再結晶した。黄色プリズム晶。融点1
24−125℃。
【0043】参考例17 特開平10−59977号公報の参考例22に記載の方
法で得た化合物を原料として用い、参考例12と同様の
方法で、2−アミノ−6−ベンジル−4,5,6,7−テ
トラヒドロ−3−(4−イソプロピルベンゾイル)チエ
ノ[2,3−c]ピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキサン
から再結晶した。黄色プリズム晶。融点157−158
℃。 参考例18 参考例6で得られた化合物を原料として用い、参考例1
2と同様の方法で、2−アミノ−3−(4−アセチルア
ミノベンゾイル)−6−ベンジル−4,5,6,7−テト
ラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジンを得た。酢酸エチ
ル−ヘキサンから再結晶した。黄色針状晶。融点119
−120℃。
【0044】参考例19 参考例7で得られた化合物および1−ベンジルオキシカ
ルボニル−4−ピペリドンを原料として用い、参考例1
2と同様の方法で、2−アミノ−6−ベンジルオキシカ
ルボニル−3−(4−エトキシカルボニルベンゾイル)
−4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジ
ンを得た。テトラヒドロフラン−酢酸エチルから再結晶
した。黄色針状晶。融点195−196℃。 参考例20 参考例8で得られた化合物および1−ベンジルオキシカ
ルボニルー4−ピペリドンを原料として用い、参考例1
2と同様の方法で、2−アミノー6−ベンジルオキシカ
ルボニル−3−(4−エトキシベンゾイル)−4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジンを得
た。テトラヒドロフラン−酢酸エチルから再結晶した。
無色プリズム晶。融点197−198℃。
【0045】参考例21 参考例9で得られた化合物および1−ベンジルオキシカ
ルボニル−4−ピペリドンを原料として用い、参考例1
2と同様の方法で、2−アミノ−6−ベンジルオキシカ
ルボニル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3−[4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゾイル)]チ
エノ[2,3−c]ピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキサ
ンから再結晶した。黄色プリズム晶。融点146−14
7℃。 参考例22 参考例10で得られた化合物および1−ベンジルオキシ
カルボニル−4−ピペリドンを原料として用い、参考例
8と同様の方法で、2−アミノ−6−ベンジルオキシカ
ルボニル−3−(4−エチルベンゾイル)−4,5,6,
7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジンを得た。
酢酸エチルから再結晶した。黄色プリズム晶。融点12
1−123℃。
【0046】参考例23 参考例11で得られた化合物および1−ベンジルオキシ
カルボニル−4−ピペリドンを原料として用い、参考例
12と同様の方法で、2−アミノ−6−ベンジルオキシ
カルボニル−3−(4−ベンジルオキシベンゾイル)−
4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン
を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。黄色プ
リズム晶。融点151−152℃。 参考例24 参考例12で得られた化合物(8g),1,3−ジクロロア
セトン(5.4g)およびテトラヒドロフラン(140ml)の
混合物に,氷冷下で塩化アルミニウム(6.5g)を加えた
後,2.5 時間還流した。反応混合物をトルエン(100ml)
−水(100ml)に撹拌しながら注いだ。トルエン層を水
洗、乾燥(MgSO4)後減圧下に溶媒を留去した。7
−ベンジル−3−クロロ−2−クロロメチル−5,6,
7,8−テトラヒドロー4−(4−メトキシフェニル)
チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン(8.2g, 8
3%)を得た。エタノールから再結晶した。融点194
−195℃。
【0047】参考例25 参考例13で得られた化合物を原料として用い、参考例
24と同様の方法で、7−ベンジル−3−クロロ−2−
クロロメチル−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−
5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再
結晶した。無色プリズム晶。融点171−172℃。 参考例26 参考例14で得られた化合物を原料として用い、参考例
24と同様の方法で、7−ベンジル−3−クロロ−2−
クロロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4−(4
−イソペンチルオキシフェニル)チエノ[2,3−b:
5,4−c’]ジピリジンを得た。テトラヒドロフラン−
ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点149
−150℃。
【0048】参考例27 参考例12で得られた化合物および1,3−ジブロモア
セトンを原料として用い、参考例24と同様の方法で、
7−ベンジル−3−ブロモ−2−ブロモメチル−5,6,
7,8−テトラヒドロー4−(4−メトキシフェニル)
チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンを得た。テ
トラヒドロフラン−ヘキサンから再結晶した。無色プリ
ズム晶。融点177−178℃。 参考例28 参考例15で得られた化合物を原料として用い、参考例
24と同様の方法で、7−ベンジル−3−クロロ−2−
クロロメチル−4−(4−クロロフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−c’]
ジピリジンを得た。テトラヒドロフラン−ヘキサンから
再結晶した。無色プリズム晶。融点204−205℃。
【0049】参考例29 参考例4で得られた化合物(8.3g)、1−ベンジルオキ
シカルボニル−4−ピペリドン(10g)、イオウ(1.3
g)、モルホリン(3.4g)およびイソプロパノール(200
ml)の混合物を60℃で6時間撹拌した後、減圧下で濃
縮した。残渣物をカラムクロマトグラフィーに付した。
酢酸エチル−ヘキサン(1:1、v/v)から溶出する部
分を集め濃縮した。得られた残渣物(5g)、1,3−ジ
クロロアセトン(2.8g)のテトラヒドロフラン溶液(10
0ml)に塩化アルミニウム(3.3g)を室温で加えた後、
2時間還流した。反応溶液をトルエン(100ml)−水(5
0ml)に注いだ。トルエン層を水および飽和食塩水で洗
浄、乾燥(MgSO4)後、減圧下溶媒を留去した。残
渣物をシルカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。
ヘキサン−酢酸エチル−クロロホルム(2:1:1、v
/v)で溶出する部分から7−ベンジルオキシカルボニ
ル−3−クロロ−2−クロロメチル−4−(4−トリフ
ルオロメチルフェニル)[2,3−b:5,4−c’]ジピ
リジンを得た(2.2g,14%)。酢酸エチル−ヘキサン
から再結晶した。無色プリズム晶。融点146−147
℃。 参考例30 参考例16で得られた化合物を原料として用い、参考例
24と同様の方法で、7−ベンジル−4−(4−tert−
ブチルフェニル)−3−クロロ−2−クロロメチル−
5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジンを得た。テトラヒドロフラン−ヘキサ
ンから再結晶した。無色プリズム晶。融点208−20
9℃。
【0050】参考例31 参考例17で得られた化合物を原料として用い、参考例
24と同様の方法で、7−ベンジル−3−クロロ−2−
クロロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4−(4
−イソプロピルフェニル)チエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再
結晶した。無色プリズム晶。融点190−192℃。 参考例32 参考例18で得られた化合物を原料として用い、参考例
24と同様の方法で、4−(4−アセチルアミノフェニ
ル)−7−ベンジル−3−クロロ−2−クロロメチル−
5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジンを得た。テトラヒドロフラン−ヘキサ
ンから再結晶した。無色プリズム晶。融点203−20
4℃。
【0051】参考例33 参考例19で得られた化合物を原料として用い、参考例
24と同様の方法で、7−ベンジルオキシカルボニル−
3−クロロ−2−クロロメチル−4−(4−エトキシカ
ルボニルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエ
ノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンを得た。酢酸エ
チル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点
123−124℃。 参考例34 参考例20で得られた化合物(30g)、1,3−ジクロロ
アセトン(15.7g)、p−トルエンスルホン酸1水和物
(3.9g)、ベンゼン(500ml)の混合物を還流下に3時
間加熱した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、水の順に洗浄、乾燥(MgSO4)し、減圧下に濃
縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
に付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:10、v/v)で溶
出する部分より7−ベンジルオキシカルボニル−3−ク
ロロ−2−クロロメチル−4−(4−エトキシフェニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−b:
5,4−c’]ジピリジン(21g、58%)を得た。酢
酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。融点159
−161℃。
【0052】参考例35 参考例21で得られた化合物を原料として用い、参考例
24と同様の方法で、7−ベンジルオキシカルボニル−
3−クロロ−2−クロロメチル−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ−4−[4−(2、2、2−トリフルオロエトキ
シ)フェニル]チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリ
ジンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無
色プリズム晶。融点166−167℃。 参考例36 参考例22で得られた化合物を原料として用い、参考例
24と同様の方法で、7−ベンジルオキシカルボニル−
3−クロロ−2−クロロメチル−4−(4−エチルフェ
ニル)−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ[2,3−
b:5,4−c’]ジピリジンを得た。酢酸エチルから再
結晶した。無色プリズム晶。融点126−128℃。
【0053】参考例37 参考例23で得られた化合物を原料として用い、参考例
24と同様の方法で、7−ベンジルオキシカルボニル−
4−(4−ベンジルオキシフェニル)−3−クロロ−2
−クロロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロチエノ
[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンを得た。酢酸エチ
ル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点1
44−145℃。 参考例38 参考例24で得られた化合物(13.9g)、コハク酸イミ
ド(4.4g)、炭酸カリウム(6.2g)およびN,N−ジメ
チルホルムアミド(140ml)の混合物を70℃で2時間
撹拌した後、水に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エ
チル層を水洗、乾燥(MgSO4)した後減圧下に濃縮
した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1、v/v)で溶出す
る部分より7−ベンジル−3−クロロ−5,6,7,8−
テトラヒドロ−4−(4−メトキシフェニル)−2−
(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジン(21g、58%)を得た。テトラヒド
ロフラン−イソプロピルエーテルから再結晶した。無色
プリズム晶。融点241−243℃。
【0054】参考例39 参考例25で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジル−3−クロロ−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−
b:5,4−c’]ジピリジンを得た。エタノール−ヘキ
サンから再結晶した。無色プリズム晶。融点128−1
30℃。 参考例40 参考例26で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジル−3−クロロ−5,
6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−イソペンチルオキ
シフェニル)−2−(スクシンイミドメチル)チエノ
[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンを不定形固体とし
て得た。1 H−NMR(δppm in CHCl3): 0.99(6H,d,J=6.
6 Hz), 1.72(2H,q,J=6.6 Hz), 1.78-2.02 (3H,m),
2.54(2H, t,J=5.4 Hz), 2.91(4H,s), 3.64(2H,
s), 3.68(2H,s), 4.04(2H,t, J=6.6 Hz), 5.02(2
H,s), 6.96(2H,d,J=8.8 Hz), 7.12(2H,d,J=8.8 H
z), 7.20-7.41(5H,m).
【0055】参考例41 参考例27で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジル−3−ブロモー5,
6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−メトキシフェニ
ル)−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−
b:5,4−c’]ジピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキ
サンから再結晶した。無色プリズム晶。融点255−2
56℃。 参考例42 参考例28で得られた化合物を原料として用い,参考例
38と同様の方法で、7−ベンジル−3−クロロ−4−
(4−クロロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:
5,4−c’]ジピリジンを得た。テトラヒドロフラン−
ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点254
−255℃。
【0056】参考例43 参考例29で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジルオキシカルボニル−
3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロー2−(スク
シンイミドメチル)−4−(4−トリフルオロメチルフ
ェニル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンを
得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリ
ズム晶。融点201−202℃。 参考例44 参考例30で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジル−4−(4−tert−
ブチルフェニル)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−
b:5,4−c’]ジピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキ
サンから再結晶した。無色プリズム晶。融点198−1
99℃。
【0057】参考例45 参考例31で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジル−3−クロロー5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメチ
ル)−4−(4−イソプロピルフェニル)チエノ[2,3
−b:5,4−c’]ジピリジンを得た。酢酸エチル−ヘ
キサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点201−
202℃。 参考例46 参考例32で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、4−(4−アセチルアミノフェニ
ル)−7−ベンジル−3−クロロ−5,6,7,8−テト
ラヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3
−b:5,4−c’]ジピリジンを得た。N,N−ジメチ
ルホルムアミド−水から再結晶した。無色プリズム晶。
融点272−273℃。
【0058】参考例47 参考例33で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジルオキシカルボニル−
3−クロロ−4−(4−エトキシカルボニルフェニル)
−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミド
メチル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンを
得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリ
ズム晶。融点198−199℃。 参考例48 参考例34で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジルオキシカルボニル−
3−クロロ−4−(4−エトキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)
チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンを得た。酢
酸エチルから再結晶した。無色プリズム晶。融点125
−127℃。
【0059】参考例49 参考例35で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジルオキシカルボニル−
3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スク
シンイミドメチル)−4−[4−(2、2、2ートリフ
ルオロエトキシ)フェニル]チエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジンを得た。酢酸エチル−ヘキサンから再
結晶した。無色プリズム晶。融点190−191℃。 参考例50 参考例36で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジルオキシカルボニル−
3−クロロ−4−(4−エチルフェニル)−5,6,7,
8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)チエ
ノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンを得た。酢酸エ
チルから再結晶した。無色プリズム晶。融点170−1
71℃。
【0060】参考例51 参考例37で得られた化合物を原料として用い、参考例
38と同様の方法で、7−ベンジルオキシカルボニル−
4−(4−ベンジルオキシフェニル)−3−クロロー
5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメ
チル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンを得
た。テトラヒドロフラン−ヘキサンから再結晶した。無
色プリズム晶。融点238−239℃。 参考例52 特開平10−36374号公報の参考例13に記載の方
法で得た化合物を原料として用い、参考例38と同様の
方法で、7−ベンジル−3−クロロ−5,6,7,8−テ
トラヒドロ−4−(4−イソプロポキシ−3−メトキシ
フェニル)−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,
3−b:5,4−c’]ジピリジンを不定形固体として得
た。1 H−NMR(δppm in CHCl3): 1.43(6H,d,J=6.
0 Hz), 1.75-2.08(2H,m), 2.55(2H,t, J=5.2 Hz),
2.91(4H,s), 3.65(2H,s), 3.67(2H,s), 3.84(3
H,s), 4.62(1H,septet, J=6.0 Hz), 5.02(2H,s),
6.68-6.78(2H,m), 6.95(1H,d,J=8.4 Hz), 7.32(5
H,s).
【0061】上記参考例1〜52で得られた化合物の構
造を、次の[表1]〜[表6]に示す。
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】実施例1 3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−
メトキシフェニル)−2−(スクシンイミドメチル)チ
エノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの製造:参
考例38で得た化合物(14.5g)、蟻酸(29.1m
l)、10%パラジウム炭素(50%含水物、14.5
g)およびメタノール(500ml)の混合物を室温で
21時間撹拌した。触媒を濾別した後、濾液を減圧下で
濃縮した。残渣を飽和重曹水で中和し、酢酸エチルで抽
出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSО4)後溶
媒を留去、残渣物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付した。酢酸エチル−メタノール(10:1,v/
v)で溶出する部分から、標記化合物(5.0g,42
%)を得た。酢酸エチル−メタノールから再結晶した。
無色プリズム晶。融点225−226℃。
【0068】実施例2 3−クロロ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメチ
ル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの製
造:参考例39に記載の方法で得た化合物を原料として
用い、実施例1と同様の方法で、標記化合物を得た。テ
トラヒドロフラン−ヘキサンから再結晶した。無色プリ
ズム晶。融点250−252℃。
【0069】実施例3 3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−
イソペンチルオキシフェニル)−2−(スクシンイミド
メチル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン
の製造:参考例40で得た化合物を原料として用い、実
施例1と同様の方法で、標記化合物を得た。酢酸エチル
ーヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点22
6−227℃。
【0070】実施例4 3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−
メトキシフェニル)−2−(スクシンイミドメチル)チ
エノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの製造:参
考例41で得た化合物を原料として用い、実施例1と同
様の方法で、標記化合物を得た。酢酸エチル−ヘキサン
から再結晶した。無色プリズム晶。融点219−221
℃。
【0071】実施例5 3−クロロ−4−(4−クロロフェニル)−5,6,7,
8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)チエ
ノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの製造:参考
例42で得た化合物を原料として用い、実施例1と同様
の方法で、標記化合物を得た。酢酸エチル−ヘキサンか
ら再結晶した。無色プリズム晶。融点230−231
℃。
【0072】実施例6 3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スク
シンイミドメチル)−4−(4−トリフルオロメチルフ
ェニル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン
の製造:参考例43で得た化合物を原料として用い、実
施例1と同様の方法で、標記化合物を得た。酢酸エチル
−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点22
6−227℃。
【0073】実施例7 4−(4−tert−ブチルフェニル)−3−クロロ−5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメチ
ル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの製
造:参考例44で得た化合物を原料として用い、実施例
1と同様の方法で、標記化合物を得た。酢酸エチル−ヘ
キサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点210−
212℃。
【0074】実施例8 3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4―(4―
イソプロピルフェニル)−2−(スクシンイミドメチ
ル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの製
造:参考例45で得た化合物を原料として用い、実施例
1と同様の方法で、標記化合物を得た。酢酸エチル−ヘ
キサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点204−
205℃。
【0075】実施例9 4−(4−アセチルアミノフェニル)−3−クロロ−
5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメ
チル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの
製造:参考例46で得た化合物を原料として用い、実施
例1と同様の方法で、標記化合物を得た。テトラヒドロ
フラン−へキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融
点300℃以上。
【0076】実施例10 3−クロロ−4−(4−エトキシカルボニルフェニル)
−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミド
メチル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジン
の製造:参考例47で得た化合物を原料として用い、実
施例1と同様の方法で、標記化合物を得た。酢酸エチル
−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融点21
3−214℃。
【0077】実施例11 3−クロロ−4−(4−エトキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)
チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの製造:
参考例48で得られた化合物(3g)の塩化メチレン
(100ml)の溶液に、ヨードトリメチルシラン
(2.5ml)を室温で滴下した後、室温で1時間撹拌
した。メタノール(30ml)を加え、さらに15分間撹
拌を続けた後、溶液を減圧下で濃縮した。得られた残渣
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。ク
ロロホルム−メタノール(20;1、v/v)で溶出する
部分を集め、減圧下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エ
チル(50ml)に溶解し、飽和重曹水、水および飽和食
塩水で洗浄、乾燥(MgSО4)した後溶媒を留去する
ことにより,標記化合物(673mg,29%)を得た。
酢酸エチル−メタノールから再結晶した。無色プリズム
晶。融点215−217℃。
【0078】実施例12 3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スク
シンイミドメチル)−4−[4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシフェニル)]チエノ[2,3−b:5,4−
c’]ジピリジンの製造:参考例49で得た化合物を原
料として用い、実施例11と同様の方法で、標記化合物
を得た。酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プ
リズム晶。融点193−194℃。
【0079】実施例13 3−クロロ−4−(4−エチルフェニル)−5,6,7,
8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)チエ
ノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの製造:参考
例50で得た化合物を原料として用い、実施例11と同
様の方法で、標記化合物を得た。酢酸エチルから再結晶
した。無色プリズム晶。融点157−158℃。
【0080】実施例14 4−(4−ベンジルオキシフェニル)−3−クロロ−
5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミドメ
チル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの製
造:参考例51で得た化合物を原料として用い、実施例
11と同様の方法で、標記化合物を得た。テトラヒドロ
フラン−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム晶。融
点247−248℃。
【0081】実施例15 3−クロロ−4−(4−ヒドロキシフェニル)−5,6,
7,8−テトラヒドロー2−(スクシンイミドメチル)
チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリジンの製造:
実施例14で得られた化合物(600mg)の塩化メチ
レン溶液(20ml)に四塩化チタン(1.1g)を氷
冷下加えた。室温で2時間撹拌した後,水(10ml)
を加え、さらに15分間撹拌を続けた。撹拌を止め、分
取した水層を飽和重曹水で中和し、さらに酢酸エチル−
テトラヒドロフラン(3:1,v/v)で抽出した.抽
出した有機層を水洗,乾燥(MgSО4)した後,溶媒を
留去することにより標記化合物(305mg,62%)
を得た。ジメチルホルムアミド−水から再結晶した。無
色プリズム晶。融点286−287℃。
【0082】実施例16 7−アセチル−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−4−(4−メトキシフェニル)−2−(スクシンイ
ミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリ
ジンの製造:実施例1で得られた化合物(1g),トリ
エチルアミン(343mg),テトラヒドロフラン(50
ml)の混合溶液に無水酢酸(254mg)を氷冷下加
えた。室温で2時間撹拌した後,反応溶液を減圧下で濃
縮した。得られた残渣物を酢酸エチル(50ml)に溶
解し,水洗、乾燥(MgSО4)した後,溶媒を留去する
ことにより,標記化合物(582mg,53%)を得た。
テトラヒドロフランから再結晶した。無色プリズム晶。
融点266−267℃。
【0083】実施例17 7−アセチル−3−クロロ−4−(4−エトキシフェニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイ
ミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピリ
ジンの製造:実施例11で得た化合物を原料として用
い、実施例16と同様の方法で、標記化合物を得た。テ
トラヒドロフラン−メタノールから再結晶した。無色プ
リズム晶。融点260−262℃。
【0084】実施例18 7−アセチル−3−クロロ−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スク
シンイミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]
ジピリジンの製造:実施例2で得た化合物を原料とし
て、実施例16と同様の方法で、標記化合物を得た。エ
タノールから再結晶した。無色プリズム晶。融点208
−210℃。
【0085】実施例19 7−アセチル−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−4−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(スクシン
イミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]ジピ
リジンの製造:実施例15で得られた化合物(640m
g)のピリジン溶液(30ml)に無水酢酸(336m
g)を氷冷下で加えた。室温で14時間撹拌した後、反
応溶液を減圧下濃縮した。残渣物を酢酸エチル(25m
l)に溶解し、水洗、乾燥(MgSО4)した後、溶媒
を留去した。残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付した。ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/
v)で溶出する部分を集め、溶媒を留去した。得られた
残渣物,飽和重曹水(15ml)、メタノール(30m
l)、水(15ml)およびテトラヒドロフラン(30
ml)の混合物を室温で3時間撹拌した後、1規定塩酸
で中和した。析出した結晶をろ取し、メタノールで洗浄
することによって標記化合物(406mg,58%)を
得た。テトラヒドロフラン−メタノールから再結晶し
た。無色プリズム晶。融点300℃以上。
【0086】実施例20 3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−
イソプロポキシ−3−メトキシフェニル)−2−(スク
シンイミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−c’]
ジピリジンの製造:参考例52で得た化合物を原料とし
て用い、実施例1と同様の方法で、標記化合物を得た。
酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。無色プリズム
晶。融点175−176℃。
【0087】実施例21 7−アセチル−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−4−(4ーイソプロポキシ−3−メトキシフェニ
ル)−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−
b:5,4−c’]ジピリジンの製造:実施例20で得
た化合物を原料として、実施例16と同様の方法で、標
記化合物を得た。テトラヒドロフラン−ヘキサンから再
結晶した。無色プリズム晶。融点242−243℃。
【0088】実施例22 7−アセチル−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−
2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:5,
4−c’]ジピリジンの製造:実施例21で得た化合物
を原料として用い、実施例15と同様の方法で、標記化
合物を得た。テトラヒドロフラン−ヘキサンから再結晶
した。無色プリズム晶。融点273−275℃。
【0089】上記実施例1〜22で得られた化合物の構
造を、次の[表7]および[表8]に示す。
【表7】
【0090】
【表8】
【0091】実施例23 実施例1で得られた化合物10mg、ラクトース90m
g、微結晶セルロース70mgおよびステアリン酸マグ
ネシウム5mgを混和した後、顆粒化する。これに、ス
テアリン酸マグネシウム5mgを加えて混合し、全体を
ゼラチンカプセルに封入する。 実施例24 実施例2で得られた化合物10mg、ラクトース35m
g、コーンスターチ150mg、微結晶セルロース20
mgおよびステアリン酸マグネシウム2.5mgを混和
した後、顆粒化する。これに、微結晶セルロース10m
gおよびステアリン酸マグネシウム2.5mgをこの顆
粒に加えて混合し、錠剤に加圧成形する。
【0092】実施例25 実施例18で得られた化合物10mg、イノシット10
0mg、ベンジルアルコール20mgを全量2mlにな
るように、注射用蒸留水に溶かし、アンプルに注入す
る。全行程は無菌状態で行なう。 実施例26 実施例22で得られた化合物10mg、ラクトース35
mg、コーンスターチ150mg、微結晶セルロース2
0mgおよびステアリン酸マグネシウム2.5mgを混
和した後、顆粒化する。これに、微結晶セルロース10
mgおよびステアリン酸マグネシウム2.5mgをこの
顆粒に加えて混合し、錠剤に加圧成形する。 実施例27 3−クロロ−5,6,7,8,−テトラヒドロ−4−
(4−メトキシフェニル)−2−(スクシンイミドメチ
ル)−7−プロピオニルチエノ[2,3−b:5,4−
c']ジピリジンの製造:実施例1で得られた化合物
(500mg)とピリジン(10ml)の混合物にプロ
ピオニルクロライド(0.1ml)を氷冷下で滴下し
た。室温で3時間攪拌した後、溶媒を留去した。残渣を
酢酸エチルに溶解し、水および飽和食塩水で連続的に洗
浄、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮し、標記化合
物(287mg,51%)を得た。酢酸エチルから再結
晶した。無色プリズム晶。融点236−237℃。 実施例28 3−クロロ−5,6,7,8,−テトラヒドロ−4−
(4−メトキシフェニル)−2−(スクシンイミドメチ
ル)−7−トリフルオロアセチル[2,3−b:5,4
−c']ジピリジンの製造:実施例1で得た化合物と無
水トリフルオル酢酸を原料物質として、実施例27と同
様の方法で、標記化合物を得た。酢酸エチル−メタノー
ルから再結晶した。無色プリズム晶。融点250−25
2℃。 上記実施例27および28で得られた化合物の構造を、
上記[表8]に示す。
【0093】試験例1 ラット・アジュバント関節炎に対する作用:雄性ルイス
(Lewis)系ラット(7週令、日本クレア)の右後肢足
蹠皮内に完全フロイントアジュバント[Freund's com
plete adjuvant(0.5%結核死菌の流動パラフィン懸
濁液)]0.05mlを注射して感作した。被検薬剤(3.
13mg/kg)を0.5%メチルセルロースに懸濁して感
作直前(day 0)から14日間1日1回経口投与し
た。14日目(Day 14)に左後肢容積を、プレサイ
スモメーター(Ugo Basile社製、イタリア)で測定
し、足蹠の膨張抑制率(%)を求めた。結果は、各群
(n=6)の平均±S.E.で表し、ダンネット(Dunne
t)法で比較・検定した。また、危険率5%未満を有意
とした。結果を、[表9]に示す。
【0094】
【表9】
【0095】[表9]から明らかなように、本発明の化
合物は足蹠浮腫抑制に見られる全身症状の改善において
効果を示す。
【0096】試験例2 肝ミクロソームに対する代謝安定性:イヌの肝ミクロソ
ームは常法に従って調製した。リン酸緩衝液(pH7.
4)中で被検化合物、肝臓ミクロソームおよびNADP
H産生系[0.5mM β−NADP( NADP:ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸),1mM
塩化マグネシウム、5mMグルコース−6−リン酸、1
50units/ml グルコース−6−リン酸デヒドロゲナ
ーゼ(各濃度は反応液中の終濃度)]を混合し、37℃
でインキュベーションした。反応停止後の被検化合物の
濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定し、残存
率(%)を求めた(n=2、平均値)。結果を[表1
0]に示す。
【0097】
【表10】
【0098】[表10]から明らかなように、本発明の
化合物は、肝ミクロソームにおける代謝に対して高い安
定性を示す。
【0099】
【発明の効果】本発明の化合物(I)またはその塩は、
優れた抗炎症作用を有しているので抗炎症剤、特に関節
炎治療剤として有用であり、優れた骨吸収抑制作用を有
しているので関節炎に伴う骨破壊、骨粗鬆症等の予防・
治療に有用であり、優れた免疫性サイトカイン産生抑制
作用を有しているので自己免疫疾患を含む免疫の関与し
ている疾患の予防・治療に有用であり、また、臓器移植
後の拒絶反応の予防・治療剤としても有用である。しか
も、本発明の化合物(I)またはその塩は、生体内にお
いて代謝に対して安定であるため、長時間にわたってそ
の薬効を発揮するので、医薬として有利に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/4375 A61K 31/00 643A 31/435 606 (72)発明者 山根 太平 大阪府池田市五月丘5丁目1番3号 武田 薬品五月丘寮

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 [式中、Rは水素原子またはC2-6アルカノイル基を、
    Xはハロゲンを、環Aは1〜4個の(1)ハロゲン、(2)ヒ
    ドロキシ、(3)ハロゲンもしくはフェニルで置換されて
    いてもよいC1-6アルコキシ、(4)ハロゲンもしくはフェ
    ニルで置換されていてもよいC1-6アルキルチオ、(5)ハ
    ロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル、(6)C
    2-6アルカノイルアミノまたは(7)C1-6アルキルでエス
    テル化されていてもよいカルボキシで置換されていても
    よいベンゼン環を、それぞれ示す。]で表わされる化合
    物(I)またはその塩。
  2. 【請求項2】Rが水素原子である請求項1記載の化合
    物。
  3. 【請求項3】Rが水素原子であり、環Aが1〜2個の
    (1)ヒドロキシ,(2)ハロゲンで置換されていてもよいC
    1-6アルコキシもしくは(3)ハロゲンで置換されていても
    よいC1-6アルキルチオで置換されていてもよいベンゼ
    ン環である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】Rが水素原子であり、環Aが1〜2個の
    (1)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシも
    しくは(2)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6 アルキ
    ルチオで置換されていてもよいベンゼン環である請求項
    1記載の化合物。
  5. 【請求項5】Rが水素原子であり、Xが塩素原子であ
    り、環Aが1〜2個のC1- 6アルコキシで置換されてい
    てもよいベンゼン環である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】環Aが4位とそれ以外の位置において、C
    1-6アルコキシで置換されていてもよいベンゼン環であ
    る請求項5記載の化合物。
  7. 【請求項7】Rが水素原子であり、Xが塩素原子であ
    り、環Aが1〜2個のメトキシ基で置換されていてもよ
    いベンゼン環である請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】RがC2-6アルカノイル基であり、環Aが
    1〜2個の(1)ヒドロキシ,(2)ハロゲンで置換されてい
    てもよいC1-6アルコキシもしくは(3)ハロゲンで置換さ
    れていてもよいC1-6アルキルチオで置換されていても
    よいベンゼン環である請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  10. 【請求項10】3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒド
    ロ−4−(4−メトキシフェニル)−2−(スクシンイ
    ミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−c']ジピリジ
    ン、3−クロロ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)
    −5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイミド
    メチル)チエノ[2,3−b:5,4−c']ジピリジンま
    たはそれらの塩。
  11. 【請求項11】3−クロロ−4−(4−エトキシフェニ
    ル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−(スクシンイ
    ミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4−c']ジピリジ
    ン、3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4−
    (4−メトキシフェニル)−2−(スクシンイミドメチ
    ル)チエノ[2,3−b:5,4−c']ジピリジンまたは
    それらの塩。
  12. 【請求項12】7−アセチル−3−クロロ−5,6,7,
    8−テトラヒドロ−4−(4−ヒドロキシ−3−メトキ
    シフェニル)−2−(スクシンイミドメチル)チエノ
    [2,3−b:5,4−c']ジピリジン、7−アセチル−
    3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4−(4−
    ヒドロキシフェニル)−2−(スクシンイミドメチル)
    チエノ[2,3−b:5,4−c']ジピリジンまたはそれ
    らの塩。
  13. 【請求項13】7−アセチル−3−クロロ−5,6,7,
    8−テトラヒドロ−4−(4−メトキシフェニル)−2
    −(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:5,4
    −c']ジピリジン、7−アセチル−3−クロロ−4−
    (4−エトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒド
    ロ−2−(スクシンイミドメチル)チエノ[2,3−b:
    5,4−c']ジピリジン、7−アセチル−3−クロロ−
    4−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,6,7,8−テ
    トラヒドロ−2−(スクシンイミドメチル)チエノ
    [2,3−b:5,4−c']ジピリジンまたはそれらの
    塩。
  14. 【請求項14】式 【化2】 [式中、Mは窒素原子の保護基を、Xはハロゲンを、環
    Aは1〜4個の(1)ハロゲン、(2)ヒドロキシ、(3)ハロ
    ゲンもしくはフェニルで置換されていてもよいC1-6
    ルコキシ、(4)ハロゲンもしくはフェニルで置換されて
    いてもよいC1-6アルキルチオ、(5)ハロゲンで置換され
    ていてもよいC1-6アルキル、(6)C2-6アルカノイルア
    ミノもしくは(7)C1-6アルキルでエステル化されていて
    もよいカルボキシで置換されていてもよいベンゼン環
    を、それぞれ示す。]で表わされる化合物(II)また
    はその塩を脱保護基反応に付すことを特徴とする式 【化3】 [式中の各記号は前記と同意義を有する。]で表わされ
    る化合物(I−2)またはその塩の製造法。
  15. 【請求項15】式 【化4】 [式中、Xはハロゲンを、環Aは1〜4個の(1)ハロゲ
    ン、(2)ヒドロキシ、(3)ハロゲンもしくはフェニルで置
    換されていてもよいC1-6アルコキシ、(4)ハロゲンもし
    くはフェニルで置換されていてもよいC1-6アルキルチ
    オ、(5)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキ
    ル、(6)C2-6アルカノイルアミノもしくは(7)C1-6アル
    キルでエステル化されていてもよいカルボキシで置換さ
    れていてもよいベンゼン環を、それぞれ示す。]で表わ
    される化合物(I−2)またはその塩をアルカノイル化
    反応に付すことを特徴とする式 【化5】 [式中、R1はC2-6アルカノイル基を示す。他の記号は
    前記と同意義を有する。]で表わされる化合物(I−
    3)またはその塩の製造法。
  16. 【請求項16】式 【化6】 [式中、Rは水素原子またはC2-6アルカノイル基を、
    Xはハロゲンを、環Aは1〜4個の(1)ハロゲン、(2)ヒ
    ドロキシ、(3)ハロゲンもしくはフェニルで置換されて
    いてもよいC1-6アルコキシ、(4)ハロゲンもしくはフェ
    ニルで置換されていてもよいC1-6アルキルチオ、(5)ハ
    ロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキル、(6)C
    2-6アルカノイルアミノもしくは(7)C1-6アルキルでエ
    ステル化されていてもよいカルボキシで置換されていて
    もよいベンゼン環を、それぞれ示す。]で表わされる化
    合物(I)またはその塩を含有してなる医薬組成物。
  17. 【請求項17】炎症性疾患の予防・治療剤である請求項
    16記載の医薬組成物。
  18. 【請求項18】関節炎の予防・治療剤である請求項16
    記載の医薬組成物。
  19. 【請求項19】リウマチの予防・治療剤である請求項1
    6記載の医薬組成物。
  20. 【請求項20】慢性関節リウマチの予防・治療剤である
    請求項16記載の医薬組成物。
  21. 【請求項21】自己免疫疾患の予防・治療剤である請求
    項16記載の医薬組成物。
  22. 【請求項22】臓器移植後の拒絶反応の予防・治療剤で
    ある請求項16記載の医薬組成物。
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