JPH08504802A - スクアレンシンターゼ阻害剤としてのキヌクリジン誘導体 - Google Patents

スクアレンシンターゼ阻害剤としてのキヌクリジン誘導体

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JPH08504802A JP6514942A JP51494294A JPH08504802A JP H08504802 A JPH08504802 A JP H08504802A JP 6514942 A JP6514942 A JP 6514942A JP 51494294 A JP51494294 A JP 51494294A JP H08504802 A JPH08504802 A JP H08504802A
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ブラウン,ジョージ・ロバート
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ゼネカ・リミテッド
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    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis

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Abstract

(57)【要約】 式I[式中、R1は水素またはヒドロキシであり;R2は水素であり;またはR1およびR2は、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合していて;Xは、−CH2CH2-、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O-、−OCH2−、−CH2NH−、−NHCH2−、−CH2CO−、−COCH2−、−CH=N−、−N=CH−、−O−、−NH−、−CO−、−CH2−、−CH2S−、−SCH2−および−S−(但し、最後の三つの基の硫黄原子は、場合により1個または2個の酸素原子を有していてよい)から選択され;Ar1はフェニレン残基であり;Ar2は複素環式残基であり;そしてAr1およびAr2の一方または両方は、場合により、ハロゲノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、(1〜6C)アルキル、(2〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ、(1〜6C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜6C)アルキル]アミノ、N−(1〜6C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−[(1〜6C)アルキル]カルバモイル、(1〜6C)アルコキシカルボニル、(1〜6C)アルキルチオ、(1〜6C)アルキルスルフィニル、(1〜6C)アルキルスルホニル、ハロゲノ(1〜6C)アルキル、(1〜6C)アルカノイルアミノ、ウレイド、N′−(1〜6C)アルキルウレイド、(1〜6C)アルカノイルおよびそれらのオキシム誘導体並びに前記オキシム誘導体のO−(1〜6C)アルキルエーテルから独立して選択される1個またはそれ以上の置換基を有していてよい]を有する化合物;およびそれらの薬学的に許容しうる塩は、スクアレンシンターゼの阻害剤であり、したがって、コレステロールの低下が有益である医学的症状を治療する場合に有用である。更に、これらの誘導体の製造法、それらを含む薬剤組成物を、それらの医学的用途と一緒に記載する。

Description

【発明の詳細な説明】 スクアレンシンターゼ阻害剤としてのキヌクリジン誘導体 本発明は、スクアレンシンターゼを阻害するのに有用な複素環式誘導体、それ らの製造法およびそれらを含む薬剤組成物に関する。本発明は、更に、スクアレ ンシンターゼの阻害が望まれる疾患および医学的症状を治療する場合、例えば、 高コレステロール血症およびアテローム硬化症などの疾患または医学的症状を治 療する場合のこのような複素環式誘導体の使用法に関する。 いくつかの異なるクラスの化合物が、血漿中のコレステロール濃度を低下させ ることができる能力を有すると報告された。例えば、コレステロールの生産に不 可欠な酵素HMG CoA還元酵素を阻害する物質は、血清コレステロール濃度 を減少させることが報告された。このクラスの代表的な化合物は、米国特許第4 ,231,938号明細書に開示されているロバスタチン(lovastati n)として知られるHMG CoA還元酵素阻害剤である。血清コレステロール を低下させることが報告されている他の物質としては、腸管系において胆汁酸と 錯体形成することによって作用し、したがって「胆汁酸キレート形成剤(bil e acid sequestrants)」と称されるものがある。多数のこ のような物質は、腸管中で胆汁酸をキレート形成することによって作用すると考 えられる。これは、腸肝系における胆汁酸循環濃度の低下および肝臓での合成に よるコレステロールからの胆汁酸の置換促進を引き起こし、その結果、肝LDL 受容体のアップレギュレーションが起こり、したがって循環血中コレステロール 濃度の低下が起こる。 スクアレンシンターゼ(当該技術分野においてスクアレンシンテターゼとも称 する)は、コレステロール生合成の最初の始動反応を触媒するミクロソーム酵素 である。ファルネシルピロリン酸(FPP)2分子を還元型ニコチンアミドアデ ニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)の存在下において縮合させてスクアレ ンを生成する。コレステロールに対するこの始動反応の阻害は、ユビキノン、ド リコールおよびイソペンテニルt−RNAに対する非阻害生合成経路を残すべき である。高コレステロール濃度は、虚血性心臓血管疾患の主要な危険因子の一つ であることが知られている。したがって、スクアレンシンターゼを阻害する薬剤 は、コレステロール濃度の減少が望まれる疾患および医学的症状、例えば、高コ レステロール血症およびアテローム硬化症を治療する場合に有用であるべきであ る。 これまでのところ、スクアレンシンターゼ阻害剤の設計は、基質ファルネシル ピロリン酸(FPP)の類似体の製造に的が絞られており、したがってリン基を 有する化合物に的が絞られてきた。例えば、リン含有スクアレンシンターゼ阻害 剤の製造は、公開された欧州特許出願第409,181号明細書に報告され;そ してスクアレンシンターゼの阻害剤としてのイソプレノイド(ホスフィニルメチ ル)ホスホネートの製造は、ビラー(Biller)ら、J.Med.Chem ,1988,31,1869に報告されている。最近、ある種のキヌクリジン 誘導がスクアレンシンターゼを阻害することが報告された(WO92/1557 9号および米国特許第5,135,935号明細書)。 本発明は、ある種の複素環式誘導体がスクアレンシンターゼの阻害剤であり、 したがってスクアレンシンターゼの阻害が望まれる疾患および医学的症状を治療 する場合に有用であるという発見に基づいている。 本発明により、式I(本明細書中で論及された他の化学式と一緒に以下に示さ れた式) [式中、R1は水素またはヒドロキシであり; R2は水素であり;または R1およびR2は、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合していて; Xは、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、−OC H2−、−CH2NH−、−NHCH2−、−CH2CO−、−COCH2−、−C H=N−、−N=CH−、−O−、−NH−、−CO−、−CH2−、−CH2S −、−SCH2−および−S−(但し、最後の三つの基の硫黄原子は、場合によ り1個または2個の酸素原子を有していてよい)から選択され; Ar1はフェニレン残基であり; Ar2は複素環式残基であり;そして Ar1およびAr2の一方または両方は、場合により、ハロゲノ、ヒドロキシ、 アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、(1〜6C)アルキル、 (2〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ、 (1〜6C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜6C)アルキル]アミノ、N−(1 〜6C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−[(1〜6C)アルキル]カルバ モイル、(1〜6C)アルコキシカルボニル、(1〜6C)アルキルチオ、(1 〜6C)アルキルスルフィニル、(1〜6C)アルキルスルホニル、ハロゲノ( 1〜6C)アルキル、(1〜6C)アルカノイルアミノ、ウレイド、N′−(1 〜6C)アルキルウレイド、(1〜6C)アルカノイルおよびそれらのオキシム 誘導体並びに前記オキシム誘導体のO−(1〜6C)アルキルエーテルから独立 して選択される1個またはそれ以上の置換基を有していてよい] を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。 式I化合物が1個(または複数の)キラル中心を有する場合、本発明の化合物 は、光学活性体またはラセミ体で存在しうるし且つ単離されうることは理解され る。本発明は、スクアレンシンターゼを阻害する有益な薬理効果を有する式Iの 化合物の任意の光学活性体またはラセミ体を包含する。光学活性体の合成は、当 該技術分野において周知の有機化学の標準的な技法によって、例えば、ラセミ体 の分割によって、光学活性出発物質からの合成によってまたは不斉合成によって 実施することができる。 更に、式Iを有するある種の化合物、例えば、Ar2がヒドロキシ置換基を有 する式Iを有する化合物が互変異性現象を示すことがある限りにおいて、本発明 が、スクアレンシンターゼを阻害する有益な薬理効果を有する式Iの化合物の任 意の互変異性体を包含することは理解される。 更に、式Iを有する若干の化合物は幾何異性体として存在しうるということお よびこのような場合、本発明は、スクアレンシンターゼを阻害する有益な薬理効 果を有する任意のこのような異性体を包含するということは理解される。 更に、「アルキル」などの総称がブチルおよびt−ブチルなどの直鎖基および 分岐状鎖基両方を含むことは理解されるべきである。しかしながら、「ブチル」 などの具体的な用語が用いられる場合、それは、直鎖すなわち「ノルマル」ブチ ル基に特定され、「t−ブチル」などの分岐状鎖異性体は、意図された場合に特 定して言及される。 R1およびR2が、CR1−CR2が二重結合であるように結合している場合、式 I中のキヌクリジン環は、式Iaで示された2,3−デヒドロキヌクリジン残基 を含むということは理解される。 複素環式残基Ar2は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個、2個また は3個のヘテロ原子を(炭素原子の他に)含む単環式芳香族複素環;約8〜10 個の環原子を有し且つ窒素、酸素および硫黄から選択される1個、2個または3 個のヘテロ原子を含む二環式芳香族複素環、特に、前記単環式芳香族複素環のベ ンズ誘導体;並びにベンゼン環に融合されている窒素、酸素および硫黄から選択 される1個、2個または3個のヘテロ原子を(炭素原子の他に)含む非芳香族5 員または6員複素環式環から成る二環式複素環を包含する。 複素環式残基は、−XAr1に対して任意の利用可能な環原子によって結合さ れていてよいということは理解される。したがって、複素環式残基は、概して、 環炭素原子によって−XAr1に結合されているということが理解される。特に 、Xのいくつかの意味に対して、基-Ar1−X−Ar2の安定性が、概して、A r2が環窒素原子によるよりもむしろAr2上の環炭素原子によって−XAr1に 結合されているのが好ましいということを意味することは理解される。概して、 Ar2は−XAr1に対してAr2上の環炭素原子によって結合されていることが 好ましい。 したがって、Ar2の適当な意味としては、例えば、窒素、酸素および硫黄か ら選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む芳香族5員または6員複 素環式環、並びにベンゼン環に融合されている窒素、酸素および硫黄から選択さ れる1個、2個または3個のヘテロ原子を含む芳香族5員または6員複素環式環 がある。 フェニレン残基であるAr1の適当な意味としては、1,2−フェニレン、1 ,3−フェニレンおよび1,4−フェニレンがある。 Ar1またはAr2に存在しうる任意の置換基についての具体的な意味は、例え ば、 アルキルに関しては;(1〜4C)アルキル、例えば、メチル、エチル、プロ ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたは第二ブチル; アルケニルに関しては;(2〜4C)アルケニル、例えば、アリル、プロプ− 2−エニル、ブト−2−エニルまたは2−メチル−2−プロペニル; アルキニルに関しては;(2〜4C)アルキニル、例えば、プロプ−2−イニ ルまたはブト−2−イニル; アルコキシに関しては;(1〜4C)アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキ シ、プロポキシ、イソプロポキシまたはブトキシ; アルキルアミノに関しては;(1〜4C)アルキルアミノ、例えば、メチルア ミノ、エチルアミノ、プロピルアミノまたはブチルアミノ; ジ−アルキルアミノに関しては;ジ−[(1〜4C)アルキルアミノ、例えば 、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノまたはジプロピルア ミノ; アルキルカルバモイルに関しては;N−メチルカルバモイル、N−エチルカル バモイルまたはN−プロピルカルバモイル; ジ−アルキルカルバモイルに関しては;N,N−ジメチルカルバモイルまたは N,N−ジエチルカルバモイル; アルコキシカルボニルに関しては;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル またはプロポキシカルボニル; アルキルチオに関しては;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロ ピルチオまたはブチルチオ; アルキルスルフィニルに関しては;メチルスルフィニル、エチルスルフィニル 、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニルまたはブチルスルフィニル ; アルキルスルホニルに関しては;メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロ ピルスルホニル、イソプロピルスルホニルまたはブチルスルホニル; ハロゲノに関しては;フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード; ハロゲノアルキルに関しては;フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選 択される1個、2個または3個のハロ基と、メチル、エチル、プロピル、イソプ ロピル、ブチル、イソブチルおよび第二ブチルから選択されるアルキル基とを含 むハロゲノアルキル(特に、フルオロメチル、ジフルオロメチルまたはトリフル オロメチル); アルカノイルに関しては;ホルミル、アセチル、プロピオニルおよびブチリル ; アルカノイルオキシムのO−(1〜6C)アルキルエーテルに関しては;前記 オキシムのメチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチルエステル; アルキルウレイドに関しては;N′−メチルウレイド、N’−エチルウレイド 、N′−プロピルウレイド、N′−イソプロピルウレイドまたはN′−ブチルウ レイド;そして アルカノイルアミノに関しては;ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンア ミド、イソプロピオンアミド、ブチルアミドまたはイソブチルアミドである。 Ar1の具体的な意味は、例えば、1,3−フェニレン残基または1,4−フ ェニレン残基であり、特に、1,4−フェニレン残基である。 Ar2の具体的な意味としては、例えば、フリル、ピロリル、チエニル、ピリ ジル、ピリミジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサ ゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、1,2,3−トリア ゾリル、1,2,4−トリアゾリル、ベンズフラニル、キノリル、イソキノリル 、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンズチアゾリル、ベンゾジオキソリル( 例えば、1,3−ベンゾジオキソリル)、ベンゾジオキサニル(例えば、1,4 −ベンゾジオキサニル)およびベンゾジヒドロフラニルがある。 一つの実施態様において、Xは、例えば、−CH2CH2−、−CH=CH−、 −C≡C−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2NH−、−NHCH2−、−C H2−、−CO−、−CH2CO−、−COCH2−、−CH2S−または−SCH2 −(但し、最後の二つの基の硫黄原子は、場合により1個または2個の酸素原 子を有していてよい)である。 もう一つの実施態様において、Xは、例えば、−CH2CH2− −CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2NH−、− NHCH2−、−CH2CO−、−COCH2−、−O−、−NH−、−CH2S− 、−SCH2−または−S−(但し、最後の三つの基の硫黄原子は、場合により 1個または2個の酸素原子を有していてよい)である。 もう一つの実施態様において、Xは、例えば、−O−、−CO−、−S−、− S(O)−、−S(O)2−、−NH−または−CH2である。 もう一つの実施態様において、Xは、例えば、−CH2CH2−、−CH=C H−または−C≡C−である。 具体的な実施態様において、Ar1およびAr2の一方または両方は、場合によ り、ハロゲノ、ヒドロキシ、ニトロ、(1〜6C)アルキル、(2〜6C)アル ケニル、(1〜6C)アルコキシ、(1〜6C)アルカノイルおよびそれらのオ キシム誘導体および前記オキシムのO−(1〜6C)アルキルエーテル、(1〜 6C)アルカノイルアミノ並びにハロゲノ−(1〜6C)アルキルから選択され る1個またはそれ以上の置換基を有していてよい。 概して、Ar1は、場合により非置換であるかまたは前述のものから独立して 選択される1個、2個または3個の置換基によって置換されていること;および Ar2は、場合により非置換であるかまたは前述のものからの1個、2個または 3個の置換基によって置換されていることが好ましい。 概して、例えば、R1はヒドロキシであり且つR2は水素であることが好ましい 。 概して、例えば、Ar1は1,4−フェニレン残基であることが好ましい。 概して、例えば、Ar2は、ピロリル残基、チエニル残基、ピリジル残基、キ ノリル残基および1,3−ベンゾジオキソリル残基から選択されるのが好ましい 。 興味深いAr2の意味としては、例えば、フリル、ピロリル、チエニル、ピリ ジル、ピリミジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサ ゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、1,2,3−トリア ゾリル、1,2,4−トリアゾリル、ベンズフラニル、キノリル、イソキノリル 、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンズチアゾリル、ベンゾジオキソリル( 例えば、1,3−ベンゾジオキソリル)、ベンゾジオキサニル(例えば、1,4 −ベンゾジオキサニル)およびベンゾジヒドロフラニルがあり;それらは、場合 により、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、ニトロ、メチル、エ チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、アリル、メ トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ホルミル、アセチ ル、プロピオニル、ブチリルおよび最後の4種類の基のオキシム誘導体と前記オ キシムのO−メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチルエーテル、 アセトアミド、プロピオンアミド、イソプロピオンアミド、フルオロメチル、ジ フルオロメチル並びにトリフルオロメチルから独立して選択される1個または2 個の置換基を有していてよい。 興味深いAr1の意味としては、例えば、非置換1,4−フェニレン残基と、 フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、ニトロ、メチル、エチル、プ ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、アリル、メトキシ、 エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ホルミル、アセチル、プロ ピオニル、ブチリルおよび最後の4種類の基のオキシム誘導体と前記オキシムの O−メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチルエーテル、アセトア ミド、プロピオンアミド、イソプロピオンアミド、フルオロメチル、ジフルオロ メチル並びにトリフルオロメチルから独立して選択される1個または2個の置換 基を有する1,4−フェニレン残基とがある。 Ar2の更に別の意味としては、例えば、場合により、フルオロ、クロロ、ブ ロモ、ヨード、ヒドロキシ、ニトロ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル 、ブチル、イソブチル、第二ブチル、アリル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ 、イソプロポキシ、ブトキシ、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルお よび最後の4種類の基のオキシム誘導体と前記オキシムのO−メチル、エチル、 プロピル、イソプロピルおよびブチルエーテル、アセトアミド、プロピオンアミ ド、イソプロピオンアミド、フルオロメチル、ジフルオロメチル並びにトリフル オロメチルから独立して選択される1個または2個の置換基を有していてよい2 −チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、2−ピロリル、2−イミダゾリル、 1,2,3−トリアゾル−4−イル、1,2,4−トリアゾル−3−イル、3− キノリル、2−キノリル、2−チアゾリル、5−チアゾリル、1−イソキノリル 、3−イソキノリル、2−ベンズイミダゾリル、2−ベンズチアゾリル、5−オ キサジアゾリル、2−インドリルおよび3−インドリルがある。 R1およびR2の特定の意味としては、例えば、R1がヒドロキシであり且つR2 が水素であるものがある。 Xの特定の意味としては、例えば、−CH=CH−、CH2O−および−O− がある。 Ar1の特定の意味としては、1,4−フェニレン残基がある。 Ar2の特定の意味としては、例えば、N−メチルピロル-2−イル、2−チエ ニル、2−ピリジル、2−キノリルおよび1,3−ベンゾジオキソル−5−イル がある。 特定の実施態様において、Ar1は非置換1,4−フェニレン残基であり且つ Ar2は、場合により置換された(本明細書注前記に定義の)複素環式残基であ る。 本発明の一つの実施態様において、R1およびR2は両方とも水素であり;そし てX、Ar1およびAr2は、前記の定義された意味のいずれかを有する。 本発明のもう一つの実施態様において、R1はヒドロキシであり;R2は水素で あり;そしてX、Ar1およびAr2は、前記の定義された意味のいずれかを有す る。 本発明のもう一つの実施態様において、R1およびR2は、CR1−CR2が二重 結合であるように互いに結合していて;そしてX、Ar1およびAr2は、前記の 定義された意味のいずれかを有する。 本発明の具体的な態様において、式I [式中、R1はヒドロキシであり;R2は水素であり;Xは、−CH2CH2−、− CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2NH−、−N HCH2−、−CH2CO−、−COCH2−、−CH=N−、−N=CH−、− O−、−NH−、−CO−、−CH2−、−CH2S−、−SCH2−および−S −(但し、最後の三つの基の硫黄原子は、場合により1個または2個の酸素原子 を有していてよい)から選択され; Ar1はフェニレン残基であり、Ar2は複素環式残基であり;そして Ar1およびAr2の一方または両方は、場合により、ハロゲノ、ヒドロキシ、 アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、(1〜6C)アルキル、 (2〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ、 (1〜6C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜6C)アルキル]アミノ、N−(1 〜6C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−[(1〜6C)アルキル]カルバ モイル、(1〜6C)アルコキシカルボニル、(1〜6C)アルキルチオ、(1 〜6C)アルキルスルフィニル、(1〜6C)アルキルスルホニル、ハロゲノ( 1〜6C)アルキル、(1〜6C)アルカノイルアミノ、ウレイド、N′−(1 〜6C)アルキルウレイド、(1〜6C)アルカノイルおよびそれらのオキシム 誘導体並びに前記オキシム誘導体のO−(1〜6C)アルキルエーテルから独立 して選択される1個またはそれ以上の置換基を有していてよい] を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。 具体的な、好ましいおよび特定の意味は、前述の適当な意味である。 もう一つの態様において、式I [式中、R1は水素またはヒドロキシであり; R2は水素であり;または R1およびR2は、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合していて; Xは、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、−OC H2−、−CH2NH−、−NHCH2−、−CH2CO−、−COCH2−、−C H2S−および−SCH2−(但し、最後の二つの基の硫黄原子は、場合により1 個または2個の酸素原子を有していてよい)から選択され; Ar1は1,4−フェニレン残基であり; Ar2は複素環式残基であり;そして Ar1およびAr2の一方または両方は、場合により、ハロゲノ、ヒドロキシ、 アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、(1〜6C)アルキル、 (2〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ 、(1〜6C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜6C)アルキル]アミノ、N−( 1〜6C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−[(1〜6C)アルキル]カル バモイル、(1〜6C)アルコキシカルボニル、(1〜6C)アルキルチオ、( 1〜6C)アルキルスルフィニル、(1〜6C)アルキルスルホニル、ハロゲノ (1〜6C)アルキル、(1〜6C)アルカノイルアミノ、ウレイド、N′−( 1〜6C)アルキルウレイド、(1〜6C)アルカノイルおよびそれらのオキシ ム誘導体並びに前記オキシム誘導体のO−(1〜6C)アルキルエーテルから独 立して選択される1個またはそれ以上の置換基を有していてよい] を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。 具体的な、好ましいおよび特定の意味は、前述の適当な意味である。 更に別の実施態様において、式I(本明細書中で論及される他の化学式と一緒 に以下に記載された式) [式中、R1は水素またはヒドロキシであり; R2は水素であり;または R1およびR2は、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合していて; Xは、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、−OC H2−、−CH2NH−、−NHCH2−、−CH2CO−、−COCH2−、−C H2−、−CO−、−O−、−NH−、−CH2S−、−SCH2−および−S− (但し、最後の三つの基の硫黄原子は、場合により1個または2個の酸素原子を 有していてよい)から選択され; Ar1は1,4−フェニレン残基であり; Ar2は複素環式残基であり;そして Ar1およびAr2の一方または両方は、場合により、ハロゲノ、ヒドロキシ、 アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、(1〜6C)アルキル、 (2〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ、 (1〜6C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜6C)アルキル]アミノ、N−(1 〜6C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−[(1〜6C)アルキル]カルバ モイル、(1〜6C)アルコキシカルボニル、(1〜6C)アルキルチオ、( 1〜6C)アルキルスルフィニル、(1〜6C)アルキルスルホニル、ハロゲノ (1〜6C)アルキル、(1〜6C)アルカノイルアミノ、ウレイド、N′−( 1〜6C)アルキルウレイド、(1〜6C)アルカノイルおよびそれらのオキシ ム誘導体並びに前記オキシム誘導体のO−(1〜6C)アルキルエーテルから独 立して選択される1個またはそれ以上の置換基を有していてよい] を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。 具体的な、好ましいおよび特定の意味は、前述の適当な意味である。 もう一つの実施態様において、式I(本明細書中で論及される他の化学式と一 緒に以下に記載された式) [式中、R1は水素またはヒドロキシであり; R2は水素であり;または R1およびR2は、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合していて; Xは、−O−、−S−、−NH−または−CH2−から選択され; Ar1は1,4−フェニレン残基であり; Ar2は複素環式残基であり;そして Ar1およびAr2の一方または両方は、場合により、ハロゲノ、ヒドロキシ、 アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、(1〜6C)アルキル、 (2〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ、 (1〜6C)アルキルアミノ、ジー[(1〜6C)アルキル]アミノ、N−(1 〜6C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−[(1〜6C)アルキル]カルバ モイル、(1〜6C)アルコキシカルボニル、(1〜6C)アルキルチオ、(1 〜6C)アルキルスルフィニル、(1〜6C)アルキルスルホニル、ハロゲノ( 1〜6C)アルキル、(1〜6C)アルカノイルアミノ、ウレイド、N′−(1 〜6C)アルキルウレイド、(1〜6C)アルカノイルおよびそれらのオキシム 誘導体並びに前記オキシム誘導体のO−(1〜6C)アルキルエーテルから独立 して選択される1個またはそれ以上の置換基を有していてよい] を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。 具体的な、好ましいおよび特定の意味は、前述の適当な意味である。 もう一つの実施態様において、式I(本明細書中で論及される他の化学式と一 緒に以下に記載された式) [式中、R1はヒドロキシであり; R2は水素であり;または R1およびR2は、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合していて; Xは、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、−OC H2−、−CH2NH−、−NHCH2−、−CH2CO−、−COCH2−、−C H=N−、−N=CH−、−CO−、−O−、−NH−、−CH2−、−CH2S −、−SCH2−および−S−(但し、最後の三つの基の硫黄原子は、場合によ り1個または2個の酸素原子を有していてよい)から選択され; Ar1はフェニレン残基であり; Ar2は複素環式残基であり;そして Ar1およびAr2の一方または両方は、場合により、ハロゲノ、ヒドロキシ 、アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、(1〜6C)アルキル 、(2〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ 、(1〜6C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜6C)アルキル]アミノ、N−( 1〜6C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−[(1〜6C)アルキル]カル バモイル、(1〜6C)アルコキシカルボニル、(1〜6C)アルキルチオ、( 1〜6C)アルキルスルフィニル、(1〜6C)アルキルスルホニル、ハロゲノ (1〜6C)アルキル、(1〜6C)アルカノイルアミノ、ウレイド、N′−( 1〜6C)アルキルウレイド、(1〜6C)アルカノイルおよびそれらのオキシ ム誘導体並びに前記オキシム誘導体のO−(1〜6C)アルキルエーテルから独 立して選択される1個またはそれ以上の置換基を有していてよい] を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。 具体的な、好ましいおよび特定の意味は、前述の適当な意味である。 具体的な興味深い実施態様において、R1はヒドロキシであり;R2は水素であ り;Xは、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、 −OCH2−、−CH2NH−、−NHCH2−、−CH2CO−、−COCH2− 、−CO−、−O−、−NH−、−CH2−、−CH2S−、−SCH2−および −S−(但し、最後の三つの基の硫黄原子は、場合により1個または2個の酸素 原子を有していてよい)から選択され;Ar1は1,4−フェニレン残基であり; Ar2は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個、2個または3個のヘテロ 原子を有する5員または6員ヘテロアリール残基であり;そしてAr1およびA r2の一方または両方は、場合により、ハロゲノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ 、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、(1〜6C)アルキル、(2〜6C)ア ルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ、(1〜6C)ア ルキルアミノ、ジ−[(1〜6C)アルキル]アミノ、N−(1〜6C)アルキ ルカルバモイル、ジ−N,N−[(1〜6C)アルキル]カルバモイル、(1〜 6C)アルコキシカルボニル、(1〜6C)アルキルチオ、(1〜6C)アルキ ルスルフィニル、(1〜6C)アルキルスルホニル、ハロゲノ(1〜6C)アル キル、(1〜6C)アルカノイルアミノ、ウレイド、N’−(1〜6C)アルキ ルウレイド、(1〜6C)アルカノイルおよびそれらのオキシム誘導体並びに前 記オキシム誘導体のO−(1〜6C)アルキルエーテルから独立して選択される 1個またはそれ以上の置換基を有していてよい。 具体的な、好ましいおよび特定の意味は、前述の適当な意味である。 特定の実施態様において、R1はヒドロキシであり;R2は水素であり;Xは、 −CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、−OCH2−、− CH2NH−、−NHCH2−、−CH2CO−、−COCH2−、−CO−、−O −、−NH−、−CH2−、−CH2S−、−SCH2−および−S−から選択さ れ;Ar1は1,4−フェニレン残基であり;Ar2はピリジルであり;そしてA r1およびAr2の一方または両方は、場合により、ハロゲノ、ヒドロキシ、アミ ノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、(1〜6C)アルキル、(2 〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ、(1 〜6C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜6C)アルキル]アミノ、N−(1〜6 C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−[(1〜6C)アルキル]カルバモイ ル、(1〜6C)アルコキシカルボニ ル、(1〜6C)アルキルチオ、(1〜6C)アルキルスルフィニル、(1〜6 C)アルキルスルホニル、ハロゲノ(1〜6C)アルキル、(1〜6C)アルカ ノイルアミノ、ウレイド、N′−(1〜6C)アルキルウレイド、(1〜6C) アルカノイルおよびそれらのオキシム誘導体並びに前記オキシム誘導体のO−( 1〜6C)アルキルエーテルから独立して選択される1個またはそれ以上の置換 基を有していてよい。 具体的な、好ましいおよび特定の意味は、前述の適当な意味である。 具体的な興味深い本発明の化合物は、以下の実施例に記載された化合物(およ びそれらの薬学的に許容しうる塩)を包含し、したがって、本発明のもう一つの 特徴として提供される。特に、本発明は、実施例2、3または5に記載の式Iの 化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。 本発明の適当な薬学的に許容しうる塩は、薬学的に許容しうる陰イオンを与え る無機酸または有機酸に由来する酸付加塩を含む。したがって、本発明の塩の例 としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン 酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸または酢酸による酸付加塩がある 。更に、適当な薬学的に許容しうる塩としては、[式Iの化合物が十分に酸性で ある場合、例えば、式Iの化合物がカルボキシなどの酸性置換基を有する場合] 薬学的に許容しうる陽イオンを与える塩基によって生成されたものがある。適当 な塩基としては、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩)、 アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩)、アンモニ ウム塩、または生理学的に許容しうる陽イオンを与える有機塩基との塩、例えば 、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン若しくはモル ホリンとの塩がある。 本発明の化合物は、構造的に類似の化合物の製造に適用しうることが既に知ら れている有機化学の標準法によって得ることができる。式Iの化合物またはその 薬学的に許容しうる塩の製造のためのこのような方法を、本発明のもう一つの特 徴として提供し、そして下記の好ましい方法によって例証するが、そこにおいて 、種々の総称的な基、例えば、R1、R2、Ar1およびAr2は以下に定義された 意味のいずれかを有し、Ar1およびAr2は非置換であってよいしまたは 以下に定義のように置換されていてよい。 (a)R1およびR2が両方とも水素である式Iを有する化合物のための、CR1 −CR2が二重結合であるようにR1およびR2が互いに結合している式I(但し 、Xは−C≡C−または−CH=CH−ではないという条件付きである)の化合 物の還元。 還元反応は、例えば、接触水素添加によってまたは適当な還元剤との反応によ って行なうことができる。適当な反応条件としては、例えば、貴金属を含む触媒 を用いる接触水素添加がある。具体的な触媒としては、パラジウム、白金および ニッケル(特に、ラニーニッケルとして知られる微細状態の場合)、並びに貴金 属が炭素などの不活性担体上に担持されている触媒がある。担持触媒の独特の例 はPd/Cである。還元反応は、便宜上、溶媒、例えば、エタノールなどのアル コール中において周囲温度(または付近)で、場合により加圧下で行なわれる。 更に適当な反応条件としては、例えば、ジボランなどのボランによる還元があ る。反応は、概して、テトラヒドロフランまたはメチルt−ブチルエーテルなど の不活性溶媒中において、例えば、0〜60℃の温度で行なわれる。還元中に反 応を周囲温度未満に(例えば、約0℃まで)冷却することが好ましいことがある 。生成されたボランは、酢酸などの有機酸での処理によって加水分解することが でき、その加水分解は0〜60℃で行なってよいし、加熱(例えば、還流)する ことによって促進させてよい。 R1およびR2が両方とも水素であり且つXが−C≡C−または−CH=CH− である式Iの化合物は、Xを含む残基とのカップリングまたは結合xの形成の前に 、上記のキヌクリジン残基の還元によって製造することができることは理解され る。 (b)R1およびR2が、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合して いる式Iを有する化合物のための、R1がヒドロキシであり且つR2が水素である 式Iを有する化合物の脱水。 脱水は、硫酸(例えば、濃硫酸)またはp−トルエンスルホン酸などの酸を用 いて行なうことができる。反応は、便宜上、加熱しながら行なわれ、便宜上、不 活性溶媒を用いる。例えば、反応は、硫酸を用いて約70〜130℃の温度で; またはトルエン若しくはキシレンなどの炭化水素溶媒中においてp−トルエンス ルホン酸を用いて還流までの周囲温度で、好ましくは還流させながら行なうこと ができる。脱水は、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中においてトリフルオロ酢 酸を用いて(還流温度までの周囲温度で)行なうこともできる。 (c)R1およびR2が、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合して いる式Iを有する化合物のための、Zが脱離基である式IIを有する化合物の塩 基による処理。 Zの適当な意味としては、例えば、クロロ、ブロモ、ヨードなどのハロゲン、 またはメチルスルホニルオキシ基若しくはトルエンスルホニルオキシ基がある。 適当な塩基としては、水酸化物(例えば、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウ ム)およびアルコキシド(例えば、カリウムt−ブトキシドまたはナトリウムエ トキシド)がある。 反応は、便宜上、溶媒、好ましくは極性有機溶媒存在下で行なわれる。適当な 溶媒としては、例えば、アルコール(例えば、エタノール)または非プロトン性 溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド若しくはN−メチルピロリドンがある。反 応は、周囲温度でまたは高温で、例えば、周囲温度〜反応混合物の還流温度の温 度で行なうことができる。この方法は、概して、Xが-OCH2−または−SCH2 −である場合、(b)に記載の方法より好ましい。 式IIを有する化合物は、R1がヒドロキシである式Iの化合物から製造する ことができる。例えば、Zがハロゲンである場合、R1がヒドロキシであり且つ R2が水素である式Iを有する化合物を適当なハロゲン化リン(例えば、PCl5 、PBr3またはPI3)と反応させることができるし、またはZがクロロである 場合、塩化チオニルとの反応によることができる。R1がヒドロキシである式I を有する化合物を塩化メシルと反応させて、Zがメチルスルホニルオキシである 化合物にすることができるし;塩化トシルと反応させて、Zがトルエンスルホニ ルオキシであるようにすることができる。 (d)R1がヒドロキシであり且つR2が水素である化合物のための、Mが金属 原子またはその誘導体である式IIIを有する有機金属誘導体とキヌクリジン− 3−オンとの反応。 Mの適当な意味としては、例えば、マグネシウムおよびリチウムがある。Mが マグネシウムである場合、それは、便宜上、式-MgX(式中、Xはハロゲン原 子、例えば、ヨードまたはブロモである)を有する誘導体の形で存在するので、 式IIIを有する有機金属化合物は「グリニャール試薬」として知られる形であ る。概して、反応は、乾燥ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランなどの不 活性溶媒中において冷却しながら行なわれる。例えば、反応は、ほぼ周囲温度か ら反応混合物の還流温度までの温度で行なうことができる。 Xが−COCH2−または−CH2CO−である場合、カルボニル基は、式II Iの化合物とキヌクリジン−3−オンとの反応中に、例えば、ケタールとして保 護されることができる。次に、保護基は当該技術分野において周知の方法を用い て除去することができる。 式IIIを有する化合物は、「hal」がハロゲン原子、例えば、ヨードまた はブロモである式IIIaの化合物から製造することができる。式IIIaの化 合物は、金属Mと直接的に反応することができる。したがって、マグネシウムの 場合、式IIIを有するグリニャール試薬は、当該技術分野において周知のよう に、「hal」がブロモまたはヨードである式IIIaの化合物とマグネシウム 削り屑との、ジエチルエーテルなどの不活性溶媒中での反応によって製造するこ とができる。Mがリチウムである場合、式IIIを有する化合物は、当該技術分 野において周知のように、式IIIaを有する化合物とリチウムとのジエチルエ ーテルなどの不活性溶媒中での反応によって、またはジエチルエーテル若しくは テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中での第二ブチルリチウムなどのアルキル リチウム誘導体との反応によって製造することができる。 式IIIaを有する化合物は、概して、当該技術分野において周知の方法によ って利用可能であるかまたは容易に製造しうる。例えば、式 Ar2−X−Ar1−hal(式中、Xは−OCH2−である)を有する化合物は 、式Ar1−OHを有する化合物と、式hal−Ar2−CH2−hal(式中、 「hal」はブロモなどのハロゲン原子である)を有する化合物との塩基存在下 の反応によって製造することができる。適当な反応条件としては、好ましくは約 80℃まで加熱しながら、メチルエチルケトンなどの溶媒中での炭酸カリウ ムの使用がある。Xが−SCH2−である式IIIaを有する化合物は、同様の 方法で製造することができる。したがって、Xが−SCH2−である式IIIa を有する化合物は、式Ar1−SHを有する化合物と、式 hal−Ar2−CH2−hal(式中、「hal」はブロモなどのハロゲンであ る)を有する化合物との、水素化ナトリウムなどの塩基およびジメチルホルムア ミドなどの溶媒の存在下の反応によって製造することができる。Xが−CH2O −および-CH2S−である式IIIaを有する化合物は、同様の方法で、すなわ ち、式Ar1−CH2−halを有する化合物と、それぞれ式hal−Ar2−O Hまたはhal−Ar2−SHを有する化合物との反応によって製造することが できる。 Xが−CH2−NH−である式IIIaを有する化合物は、式 hal−Ar1−CHO(halはブロモなどのハロゲンである)を有する化合 物と、式Ar2−NH2を有する化合物との反応に続いて、例えば、メタノール中 の水素化ホウ素ナトリウムを用いる還元によって製造することができる。同様に 、Xが−NHCH2−である式IIIaを有する化合物は、式 hal−Ar1−NH2を有する化合物と式Ar2−CHOを有する化合物との反 応に続く還元によって製造することができる。 Xが−CH=CH−である式IIIaを有する化合物は、式 hal−Ar1−CHO(halはブロモなどのハロゲンである)を有する化合 物と、式Ar2−CH2−P+Ph3Cl-を有する化合物との反応によって、ウィ ッティヒ反応を行なうための当業者に知られている条件を用いて、例えば、テト ラヒドロフランなどの溶媒中のカリウムt−ブトキシド存在下において冷却しな がら製造することができる。同様に、それらは、式 Ar1−CH2−P+Ph3Cl-を有する化合物と式Ar2−CHOを有する化合物 との反応によって製造することができる。 Xが−CH2CO−である式IIIaを有する化合物は、フリーデル・クラフ ツ条件(例えば、AlCl3)を用いて、式hal−Ar1−CH2COClを有す る化合物と式Ar2を有する化合物との反応によって製造することができる。次 に、カルボニル基を、(MeO)3Hなどのアルコールとの反応によって保 護することができる。Xが−COCH2−である式IIIaを有する化合物は、 式hal−Ar1−hal(halはブロモなどのハロゲンである)を有する化 合物と、式Ar2−CH2−CNを有する化合物との、ブチルリチウムおよび溶媒 、例えば、テトラヒドロフランの存在下の反応によって製造することができる。 次に、カルボニル基をアルコールとの反応によって保護することができる。 Xが−C≡C−である式IIIaを有する化合物は、式 hal−Ar1−hal(halはブロモなどのハロゲンである)を有する化合 物と式Ar2−C≡CHを有する化合物との、CuIまたは Pd(Ph3P)2Cl2、Et3Nおよび溶媒、例えば、ジメチルホルムアミドの 存在下の反応によって製造することができる。 Xが−CH2CH2−である式IIIaを有する化合物は、例えば、Xが−C≡ Cまたは−CH=CH−である式IIIaを有する化合物の還元(例えば、接触 水素添加)によって製造することができる。 Xが−O−または−S−である式IIIaを有する化合物の還元(例えばha l−Ar1−XH(halはブロモなどのハロゲンであり、Xは−O−または− S−である)を有する化合物と式Ar2−Z(Zは脱離基、例えば、ブロモ、ト シルまたはトリフレート(triflate)である)を有する化合物との、水 素化ナトリウムなどの塩基およびジメチルホルムアミドなどの溶媒の存在下の反 応によって製造することができる。Xが−NH−である式IIIaを有する化合 物は、式Ar2−Z(Zは脱離基、例えば、ブロモ、トシルまたはトリフレート である)を有する化合物の、ジメチルホルムアミドおよび2,2−ジクロロベン ゼンなどの溶媒中における加熱(例えば、50℃〜反応混合物の還流温度)を伴 う反応によって製造することができる。或いは、式 hal−Ar1−NHCOF3(halはブロモなどのハロゲンである)を有する 化合物を、式Ar2−Z(Zは脱離基、例えば、ブロモ、トシルまたはトリフレ ートである)を有する化合物と、水素化ナトリウムなどの塩基存在下およびジメ チルホルムアミドなどの溶媒中で反応させた後、炭酸ナトリウム溶液で処理する ことができる。Xが−CH2−である式IIIaを有する化合物は、式 hal−Ar1−hal(halはブロモなどのハロゲンである)を有する化合 物と式Ar2−CHOを有する化合物とをブチルリチウムおよび溶媒、例えば、 テトラヒドロフランの存在下で冷却しながら(例えば、−70℃〜0℃の温度で )反応させて、Xが−CH(OH)−である式IIIaを有する化合物を生成し 、それをEt3SiHおよびトリフルオロ酢酸で処理して、Xが−CH2−である 化合物を生成して;または二酸化マンガンなどを用いて酸化してXが−CO−で ある化合物を生成して製造することができる。 (e)Xが−CH=CH−である式Iを有する化合物のための、Yが−CHO である式IVを有する化合物と、Wがハロゲン原子(例えば、クロロ)である式 Vを有する化合物との塩基存在下の反応。 適当な塩基としては、アルコキシド、例えば、カリウムt−ブトキシドがあり 、反応は、便宜上、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中において周囲温度未 満に冷却しながら行なわれる。 式Vを有する化合物は、適当なベンジルハライドとトリフェニルホスフィンと の反応によって製造することができる。 (f)Xが−C≡C−である式Iを有する化合物のための、Yが脱離基である 式IVを有する化合物と、Mが金属原子である式VIを有する化合物との反応。 適当な脱離基としては、例えば、ブロモ、クロロまたはヨードなどのハロゲン がある。 適当な金属原子はリチウムであり、反応は、概して、ジエチルエーテルまたは テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中において冷却しながら行なわれる。式V Iを有する化合物は、金属と適当なフェニルアセチレン化合物との反応によって 製造することができる。 (g)Xが−OCH2−、−NHCH2−または−SCH2−である式Iを有す る化合物のための、Yが−OH、−NH2または−SHである式IVを有する化 合物と、Zが脱離基である式VIIを有する化合物との塩基存在下の反応。 Zの適当な意味としては、クロロ、ブロモまたはヨードなどのハロゲンがあり ;適当な塩基としては、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸カ リウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩および水素化ナトリウムなどの金属水素化 物がある。反応は、概して、メチルエチルケトンまたはジメチルホルムアミドな どの溶媒中で行なわれる。 (h)Xが−CH2O−、−CH2NH−または−CH2S−である式Iを有す る化合物のための、Yが−CH2OH、−CH2NH2または−CH2SHである式 IVを有する化合物と、Zが脱離基である式VIIIを有する化合物との塩基存 在下の反応。 Zの適当な意味としては、例えば、クロロまたはブロモなどのハロゲン、トリ フルオロメタンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキシおよびトルエンメタ ンスルホニルオキシがある。適当な塩基としては、例えば、水素化ナトリウムま たはアルコキシド、例えば、ナトリウムブトキシドがある。反応は、概して、ジ メチルホルムアミドなどの溶媒中で行なわれる。 式IVを有する化合物は、式Y−Ar1−M(式中、Mは金属原子または誘導 体、例えば、リチウムまたは−MgBrを表す)を有する対応する化合物とキヌ クリジン−3−オンとの反応によって製造することができる。反応は、概して、 ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランなどの不活性溶媒中で行なわれ、式 Y−Ar1−Mを有する化合物は、式Y−Ar1−Brを有する対応するブロモ化 合物と金属との反応によって製造することができる。基Yが基−OHまたは基− CH2OHである場合、概して、それは反応中に、例えば、シリル誘導体として 保護され;Yが−CHOである場合、概して、それはアセタールとして保護され る。 (i)Xが−S−、−SCH2−または−CH2S−(式中、硫黄原子は1個ま たは2個の酸素原子を有する)である式Iを有する化合物のための、Xが−S− 、−SCH2−または−CH2S−である対応する式Iの化合物の酸化。 Xが−SCH2−である式Iを有する化合物は、例えば、適当量の過ヨウ素酸 ナトリウムを用いて、硫黄原子が酸素原子を有するもの(すなわち、「スルホキ シド」)に酸化することができる。硫黄原子が酸素原子を有する化合物(すなわ ち、「スルホン」)に対する追加の酸化は、過酸、例えば、過酢酸または過酸化 水素を用いて行なうことができる。対応するスルホキシドおよびスルホンに対す る硫黄化合物の酸化は、当該化学技術分野において周知である。Xが−CH2S −である式Iを有する化合物は、同様の方法で対応するスルホキシド またはスルホンに酸化することができる。 若干の場合、スルホンを生成する式Iの化合物の酸化は、N−オキシドに対す るキヌクリジン環中の窒素原子のある種の酸化を伴うことがある。このような場 合、そのキヌクリジンN−オキシド残基は、当該技術分野において周知の還元剤 、例えば、二酸化硫黄を用いて、スルホンに影響を与えることなく元のキヌクリ ジン残基に還元することができる。 式Iを有する化合物は、キヌクリジン残基に対するAr1のカップリング後に 、Ar1およびAr2間に結合(X)を形成することによっても製造することがで きることは理解される。このような方法は上記と同様である。 本明細書中に記載されたいくつかの反応において、化合物中の任意の感受性基 を保護することが不可欠である/望ましいことがありうることは理解される。保 護が不可欠であるまたは望まれる例および保護に適当な方法は当業者に知られて いる。例えば、反応物がアミノ、カルボキシまたはヒドロキシなどの基を含む場 合、本明細書中に記載のいくつかの反応において基を保護することは望ましいこ とがありうる。ヒドロキシの適当な保護基としては、例えば、トリメチルシリル またはt−ブチルジメチルシリルなどのシリル基、テトラヒドロピラニル基およ びエステル化基、例えば、メチルエステルまたはエチルエステルがあり;アミノ 基に対しては、ベンジルオキシカルボニルまたはt−ブトキシカルボニルがある 。カルボキシ基は還元型で、例えば、対応する保護されたアルコールの形で保護 されることができ、これを引続き酸化してカルボキシ基を生成することができる 。保護基は、合成中の任意の好都合な段階で、当該化学技術分野において周知の 慣用的な技法を用いて除去することができる。 更に、式Iを有する具体的な化合物を製造するのに好ましい方法は、種々の基 の性質に依るということは理解される。同様に、試薬の好ましい選択は、存在し ている種々の基の性質に依る。例えば、特定の化合物を還元する必要がある場合 、還元剤は、概して、存在している他の基の妨げにならないものであるように選 択される。 更に、本発明の化合物中の種々の任意の置換基のいくつかは、前述の工程の前 かまたは直後に、標準的な芳香族置換反応によって導入することができるしまた は慣用的な官能基修飾によって生成することができ、そしてそれ自体本発明の実 施態様に包含されるということは理解される。このような反応および修飾として は、例えば、芳香族置換反応による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアル キル化および置換基の酸化がある。このような方法のための試薬および反応条件 は当該化学技術分野において周知である。芳香族置換反応の具体的な例としては 、濃硝酸を用いるニトロ基の導入、フリーデル・クラフツ条件下においてアシル ハライドおよびルイス酸(例えば、三塩化アルミニウム)などを用いるアシル基 の導入;フリーデル・クラフツ条件下においてアルキルハライドおよびルイス酸 (例えば、三塩化アルミニウム)を用いるアルキル基の導入;並びにハロゲノ基 の導入がある。修飾の具体的な例としては、例えば、ニッケル触媒を用いる接触 水素添加または加熱を伴う塩酸存在下の鉄による処理によるニトロ基のアミノ基 への還元;アルキルスルフィニルまたはアルキルスルホニルへのアルキルチオの 酸化がある。 式Iを有する化合物の薬学的に許容しうる塩が必要とされる場合、それは、例 えば、(生理学的に許容しうる陰イオンを与える)適当な酸と、または(生理学 的に許容しうる陽イオンを与える)適当な塩基と前記化合物の反応によって、或 いは任意の他の慣用的な塩生成法によって得ることができる。 前述のように、式Iを有する化合物(およびそれらの薬学的に許容しうる塩) は、酵素スクアレンシンターゼの阻害剤である。したがって、本発明の化合物は 、新規スクアレン生産の阻害によってコレステロール生合成を阻害することがで きる。 本発明の化合物の有益な薬理学的性質は、以下の技法の1種類またはそれ以上 を用いて実証することができる。 (a)スクアレンシンターゼの阻害 この試験において、放射性基質(トリチウム化ファルネシルピロリン酸)から のスクアレンの生成を妨げる化合物の能力を評価する。 試験化合物を、リン酸カリウム(50mM)、MgCl2(4.95mM)、 KF(9.9mM)、NADPH(0.9mM)およびラット肝ミクロソームタ ンパク質(20μg)を含む緩衝溶液200μl中25ミリモルの濃度でインキ ュベートする。ラット肝ミクロソームは、公開された欧州特許出願第324,4 21号明細書に記載された方法によって調製され且つ検定の前に液体窒素中に貯 蔵される。検定バイアルはインキュベーションの間中37℃で保持される。 反応は、最終濃度20μMの基質(1−[3H]−ファルネシルピロリン酸) の添加によって開始され、そして15分間の反応時間後、4%KOH 50μl の添加によって停止される。反応生成物を、C−18オクタデシル1ccボンド (Bond)カラム(アナリティケム・イント(Analytichem In t)製品番号617101)に適用後の未反応基質から分離する。水性部分を0 .1M KOH 250μlによって溶離する。次に、スクアレンをヘキサン中 10%酢酸エチル1.0mlによって溶離し且つ放射能を測定する。試験化合物 の存在下および不存在下の放射能の差を用いて阻害レベルを決定する。試験化合 物が25マイクロモルにおいて約70%より大で阻害する場合、通常、それを2 5および2.5マイクロモルで再試験する。試験化合物のIC50(スクアレン生 産の50%阻害を引き起こす濃度)は、二つの濃度結果から予測される数種類、 例えば、5種類の濃度で化合物を試験することによって決定することができる。 次に、IC50を、試験化合物の濃度に対する阻害百分率のプロットから決定する ことができる。 概して、式Iを有する化合物は、上記試験において約0.001〜25μMの 範囲の濃度で有意の阻害を示す。 スクアレンシンターゼ阻害性の実例として、以下の実施例2に記載の式Iを有 する化合物は、2.5μMで約89%の阻害を生じた。 (b)急性ラットコレステロール合成検定 これは、ラットにおいて外因的に投与された14C−アセテートからの新規の肝 臓コレステロール合成を測定する急性インビボ試験である。 雌ラット(35〜55g)を逆照明条件(0200h〜1400hの赤色光) に試験前に約2週間収容する。被験動物は、この期間中、食物および飲水を自由 に摂取することができる。試験時の被験動物の体重は125〜150gであるべ きである。 試験化合物は、0.5%ポリソルベート中に溶解されたまたは懸濁された経口 用強制飼養によって、または腹腔内若しくは静脈内投与によって投与することが できる。対照動物はビヒクルのみを与えられる。1時間後、ラットに、0.25 ml容量の食塩水中25μCiの[2−14C]−アセテート(NENデュポン( DUPONT.)比活性、45〜60mCi/ミリモル NEC−085H、ま たはアマーシャム(AMERSHAM)比活性、50〜60mCi/ミリモル CFA14)(100μCi/ml)を腹腔内注射する。更に1時間後、ラット を最終的にハロタンで麻酔し、そして腹部大静脈から血液試料を得る。 血漿1mlを凍結乾燥させた後、エタノール性KOH(33%KOH 1部、 エタノール9部)2ml中において75℃で2時間鹸化させる。等量の水を加え た後、非鹸化性脂質を5ml容量のヘキサンで2回抽出する。ヘキサン抽出物を 蒸発乾固させ、そして残留物をエタノール中に溶解させてコレステロール特異的 放射能を決定する。ED50値は、標準的な方法で決定することができる。 概して、式Iを有する化合物は、約0.1〜100mg/kgの範囲の活性を 示す。 実例として、実施例2に記載の式Iを有する化合物は、50mg/kgの濃度 でコレステロール生合成速度を72%低下させた。 別のインビボ試験において、外因的に投与された3H−メバロノラクトンから の新規の肝臓コレステロール合成を測定する。14C−アセテートの代わりに投与 される3H−メバロノラクトン(2.5μCi)を用いる以外は前記手順を用い 、概して、試験化合物は、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース中10 %ジメチルスルホキシド中溶液または懸濁液として投与される。 式Iを有する化合物をそれらの最小阻害用量または濃度の数倍で投与された場 合、明白な毒性は検出されなかった。 前述のように、本発明の化合物はスクアレンシンターゼ阻害剤であり、したが ってコレステロール生合成を阻害する性質を有する。したがって、本発明の化合 物は、スクアレンシンターゼの阻害が望まれる疾患または医学的症状、例えば、 血漿中コレステロール濃度の低下が望まれる疾患または医学的症状を治療する場 合に有用である。特に、本発明の化合物は、高コレステロール血症および/また はアテローム硬化症などのアテローム血管変性に関係した虚血性疾患の治療にお いて有用である。本発明の化合物は、真菌感染の治療にも有用である。 したがって、本発明のもう一つの特徴により、このような治療を必要としてい る温血動物(例えば、ヒト)においてスクアレンシンターゼを阻害する方法であ って、有効量の(本明細書中に定義の)式Iを有する化合物またはその薬学的に 許容しうる塩を該動物に対して投与することを含む上記方法を提供する。特に、 本発明は、コレステロール生合成を阻害する方法、更に詳しくは、高コレステロ ール血症およびアテローム血管変性(例えば、アテローム硬化症)を治療する方 法を提供する。 したがって、本発明は、更に、血漿中コレステロール濃度の低下が望まれる疾 患または医学的症状(例えば、高コレステロール血症およびアテローム硬化症) を治療するための薬剤の製造のための、(本明細書中に定義の)式Iを有する化 合物またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。 コレステロール生合成の阻害が望まれる疾患および医学的症状の治療において 、例えば、高コレステロール血症またはアテローム硬化症の治療において用いら れる場合、式Iの化合物(またはその薬学的に許容しうる塩)は、例えば、0. 01〜50mg/kg(体重)の一般的範囲の用量が与えられるように、経口に よって、静脈内に、または何か他の医学的に許容しうる経路によって投与される と予想される。しかしながら、投与される正確な用量は、疾患の性状および苛酷 さ、治療される患者の年齢および性別並びに投与経路にしたがって必然的に変化 することは理解される。 概して、式Iを有する化合物(またはその薬学的に許容しうる塩)は、通常、 薬剤組成物の形で、すなわち、薬学的に許容しうる希釈剤または担体と一緒に投 与され、このような組成物を本発明のもう一つの特徴として提供する。 本発明の薬剤組成物は種々の剤形でありうる。例えば、それは、経口投与用の 錠剤、カプセル剤、液剤または懸濁剤の形、肛門投与用の坐剤の形;静脈内また は筋内注射などによる非経口投与用の滅菌液剤または懸濁剤の形でありうる。 組成物は、当該技術分野において周知の薬学的に許容しうる希釈剤および担体 を用いる慣用法によって得ることができる。経口投与用の錠剤およびカプセル剤 は、便宜上、腸溶コーティング(例えば、酢酸フタル酸セルロース基剤のもの) などのコーティングを伴って成形されて、胃中における式Iの活性成分(または その薬学的に許容しうる塩)の溶解を最小限にするかまたは不快な味を隠すこと ができる。 本発明の化合物は、所望ならば、心臓血管系疾患の治療において有用であるこ とが知られている1種類またはそれ以上の他の薬物と一緒に(または逐次的に) 、例えば、HMG CoA還元酵素阻害剤、胆汁酸キレート形成剤、フィブレー ト(fibrates)などの他の低コレステロール血症薬、例えば、ジェムフ ィブロジル(gemfibrozil)、および冠状動脈性心臓病の治療薬など の薬剤と一緒に投与することができる。もう一つの例として、本発明の化合物は 、所望ならば、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えば、カプトプ リル、リシノプリル、ゾフェノプリルまたはエナラプリルと一緒に(または逐次 的に)投与することができる。 スクアレンシンターゼを阻害する化合物は、更に、抗真菌剤として用いられる ことが分かった。したがって、本発明は、更に、真菌感染を治療する方法であっ て、このような治療を必要としている生物に対して式Iを有する化合物またはそ の無毒性塩を投与することを含む上記方法を提供する。 特に、本発明は、更に、真菌感染を治療する方法であって、このような治療を 必要としているヒトなどの温血動物に対して、有効量の式Iを有する化合物また はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む上記方法を提供する。 抗真菌薬として用いられる場合、該化合物は様々な方法で配合することができ 、このような製剤の性状は、その用途がヒトなどの哺乳動物の病原体感染を抑制 するためであるか、或いは土壌若しくは植物などの農業用または何か他の目的で あるかどうかに依る。医学的用途のための本発明の化合物は、上述の製剤に加え て、局所投与用に応用することができ、このような組成物を本発明のもう一つの 特徴として提供する。このような組成物は、クリーム剤またはローション剤など の種々の剤形でありうる。 ここで、本発明を以下の非制限実施例によって例証するが、そこにおいて特に 断らない限り、 (i)蒸発は真空中のロータリーエバポレーションによって行なわれたし; (ii)操作は室温で、すなわち、18〜26℃の範囲で行なわれたし; (iii)フラッシュカラムクロマトグラフィーまたは中速液体クロマトグラ フィー(MPLC)は、シリカゲル(メルク・キーゼルゲル(Merck Ki eselgel)製品番号9385、E メルク、ダルムシュタット、ドイツか ら入手された)上で行なわれたし; (iv)収率は、単に例として与えられており、高度な方法の開発によって達 成しうる最大値を必要としているのではなく; (v)プロトンNMRスペクトルは、通常、テトラメチルシラン(TMS)を 内部標準として用いて200MHzで決定されたし、そして化学シフト(δ値) としてTMSに対するppmで、主要ピーク表示用の慣用略語:s,単一線;m ,多重線;t,三重線;br,幅広;d,二重線を用いて表され; (vi)最終生成物は全て、微量分析、NMRおよび/またはマススペクトロ スコピー(m/z値)によって特性決定されたし;そして (vii)慣用略語は、それぞれの基および再結晶溶媒に対して、例えば、M e=メチル、Et=エチル、Pr=プロピル、Pri=イソプロピル、Bu=ブ チル、Bui=イソブチル、Ph=フェニル;EtOAc=酢酸エチル、Et2O =エーテル、MeCN=アセトニトリル、MeOH=メタノール、EtOH=エ タノール、PriOH=2−プロパノール、H2O=水として用いられる。実施例1 第二ブチルリチウムのシクロヘキサン中溶液(1.74ml,1.3M)を、 2−(4−ブロモフェノキシ)ピリジン(477mg)の乾燥テトラヒドロフラ ン(10ml)中溶液に対してアルゴン雰囲気下において−78℃で撹拌しなが ら滴加した。混合物を5分間撹拌し、そしてキヌクリジン−3−オン(214m g)の乾燥テトラヒドロフラン(5ml)中溶液を1分間にわたって加えた。撹 拌を−78℃で30分間続けた後、混合物を2時間にわたって室温に達しさせた 。次に、水(15ml)を反応混合物に加え、同時に、反応温度を10℃未満に 保持した。水性層を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル相を分離し、乾燥させ(N a2SO4)そして蒸発させて残留物を生じ、それをアルミナ(ICNアル ミナ(Alumina)N32−63)上の中速カラムクロマトグラフィーによ って酢酸エチル中10%メタノールで溶離して精製した。得られた残留物を酢酸 エチルからの再結晶によって更に精製して、3−[4−(2−ピリジルオキシ) フェニル]キヌクリジン−3−オールを無色固体、m.p.167〜170℃と して生成した。 微量分析、実測値:C,73.1;H,7.0;N,9.0%; C182022計算値:C,72.0;H,6.8;N,9.4%; NMR(DMSOd6):1.3〜1.5(3H,m),1.9(1H,s), 2.1〜2.2(1H,m),2.6〜2.8(4H,m),2.9(2H,d ),3.4(2H,d),5.1(1H,s),7.0〜7.2(4H,m), 7.5〜7.6(2H,d),7.8〜7.9(1H,m)および8.1〜8. 2(1H,dのd):m/Z 297(M+H)。 2−(4−ブロモフェノキシ)ピリジンの製法は、例えば、J.O.C.,( 1949),14,783に記載されている。 したがって、出発物質として用いた2−(4−ブロモフェニルオキシ)ピリジ ンを以下のように製造した。 4−ブロモフェノール(1.73g)を、水素化ナトリウム(鉱油中60%懸 濁液440mg)の乾燥ジメチルホルムアミド(10ml)中撹拌懸濁液に対し て加えた。10分後、2−ブロモピリジン(1.66g)の乾燥ジメチルホルム アミド(10ml)中溶液を10分間にわたって加えた。反応混合物を100℃ で3日間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水(400ml)上に注加し 、そして水性層をジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル相を分離し、 乾燥させ(Na2SO4)そして蒸発させて残留物を生じ、それをシリカゲル上の 中速カラムクロマトグラフィーによってヘキサン中5%酢酸エチルを溶離剤とし て用いて精製して、2−(4−ブロモフェニルオキシ)ピリジン(510mg) を無色油として生成した。 NMR(CDCl3):6.9〜7.0(2H,m),7.0〜7.1(2H, d),7.5〜7.6(2H,d),7.65〜7.75(1H,tのd)およ び8.2(1H,d)。実施例2 第二ブチルリチウムのシクロヘキサン中溶液(5.12ml,1.3M)を、 (E)−3−[2−(4−ブロモフェニル)ビニル]ピリジン(1.57g)の 乾燥テトラヒドロフラン(27ml)中撹拌溶液に対してアルゴン雰囲気下にお いて−78℃で滴加した。混合物を5分間撹拌し、そしてキヌクリジン−3−オ ン(720mg)の乾燥テトラヒドロフラン(14ml)中溶液を3分間にわた って加えた。撹拌を−78℃で30分間続けた後、混合物を2時間にわたって室 温に達しさせた。次に、水(5Oml)を反応混合物に加え、同時に、反応温度 を10℃未満に保持した。水性層を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル相を分離し 、乾燥させ(Na2SO4)そして蒸発させて残留物を生じ、それをアルミナ(I CNアルミナN32−63)上の中速カラムクロマトグラフィーによって酢酸エ チル中5%メタノールで溶離して精製した。得られた残留物を酢酸エチル/ヘキ サンからの再結晶によって更に精製して、無色固体として3−(4−[(E)− 2−(3−ピリジル)ビニル]フェニル)キヌクリジン−3−オール(400m g)、m.p.160〜161℃として生成した。 微量分析、実測値:C,77.9;H,7.5;N,8.7%; C20222O・0.1H2O計算値:C,77.7;H,7.2;N,9.1% ; NMR(CDCl3):1.4〜1.6(3H,m),2.2〜2.3(2H, m),2.7〜2.8(2H,t),2.85〜3.05(2H,m),3.0 5〜3.15(1H,d),3.45〜3.55(1H,dのd),7.1(2 H,d),7.3(1H,m),7.5(4H,s),7.8(1H,tのd) ,8.45(1H,dのd)および8.6(1H,dのd):m/Z 307( M+H)。 出発物質として用いた(E)−3−[2−(4−ブロモフェニル)ビニル]ピ リジンを以下のように製造した。 カリウムt−ブトキシド(670mg)を、臭化4−ブロモベンジルトリフェ ニルホスホニウム(2.56g)の乾燥テトラヒドフラン(25ml)中撹拌懸 濁液に対してアルゴン雰囲気下で加えた。20分後、反応混合物を5℃まで冷却 し、3−ピリジンカルボキサルデヒド(56Omg)の乾燥テトラヒドロフラン (10ml)中溶液を20分間にわたって加えた。撹拌を5℃で30分間続けた 後、混合物を2時間にわたって室温に達しさせた。次に、水(75ml)を反応 混合物に加え、同時に、反応温度を10℃未満に保持した。水性層をジエチルエ ーテルで抽出し、ジエチルエーテル相を分離し、乾燥させ(Na2SO4)そして 蒸発させて残留物を生じ、それをシリカゲル上の中速カラムクロマトグラフィー によってヘキサン中30%酢酸エチルで溶離して精製して、(Z)−3[2−( 4−ブロモフェニル)ビニル]ピリジン(770mg)を無色油として生成した 。 NMR(CDCl3):6.5〜6.7(2H,dのd),7.0〜7.1(2 H,d),7.1〜7.2(1H,m),7.3〜7.4(2H,d),7.5 (1H,d)および8.4〜8.5(2H,m)。 同様の溶媒混合物で更に溶離して、無色固体として(E)−3−[2−(4−ブ ロモフェニル)ビニル]ピリジン(400mg)、m.p.96〜97℃が得ら れた。 NMR(CDCl3):7.1(2H,s),7.3(1H,m),7.35〜 7.5(4H,dのd),7.8(1H,d)および8.5〜8.8(2H,m )。実施例3 (Z)−3[2−(4−ブロモフェニル)ビニル]ピリジンを出発物質として ((E)−3−[2−(4−ブロモフェニル)ビニル]ピリジンの代わりに)用 いる以外は実施例2の場合と同様の手順を用いて、3−(4−[(Z)−2−( 3−ピリジル)ビニル]フェニル)キヌクリジン−3−オール(収率12%)、 m.p.167〜169℃を得た。 微量分析、実測値:C,78.2;H,7.3;N,8.8%; C20222O計算値:C,78.4;H,7.2;N,9.1%; NMR(CDCl3):1.3〜1.5(3H,m),2.0〜2.1(1H, m),2.1〜2.3(1H,m),2.65〜3.0(5H,m),3.1( 1H,dのd),6.5〜6.8(2H,dのd),7.1(1H,d), 7.15〜7.4(4H,dのd),7.5(1H,tのd),8.3(1H, dのd)および8.35(1H,d):m/z 307(M+H)。実施例4 第三ブチルリチウムのぺンタン中溶液(2.4ml,1.7M)を、2−(4 −ブロモフェニルオキシ)キノリン(600mg)の乾燥テトラヒドロフラン( 20ml)中溶液に対してアルゴン雰囲気下において−78℃で撹拌しながら1 0分間にわたって滴加した。反応混合物を30分間撹拌した後、キヌクリジン− 3−オン(225mg)の乾燥テトラヒドロフラン(5ml)中溶液を15分間 にわたって加えた。撹拌を−78℃で3時間続けた後、混合物を30分間にわた って室温に達しさせた。混合物を水に加え且つ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチ ル相を分離し、乾燥させ(MgSO4)そして蒸発させて油を生じた。その油を 酢酸エチル(4ml)中に溶解させ、そしてヘキサン(10ml)をその溶液に 加えて固体を沈殿させた。この固体を酢酸エチルから結晶化して、3−[4−( 2−キノリルオキシ)フェニル]キヌクリジン−3−オールを無色固体(244 mg)、m.p.266〜266.5℃として生成した。 微量分析、実測値:C,75.6;H,6.50;N,7.80%; C222222・0.1H2O計算値:C,75.8;H,6.38;N,8. 04%; NMR(DMSO−d6):1.25〜1.60(3H,m);1.99(1H ,m);2.05〜2.28(1H,m);2.60〜2.85(4H,m); 2.95(1H,d);3.40(1H,d);5.21(1H,s);7.1 5〜7.27(3H,m);7.42〜7.52(1H,m);7.52〜7. 67(4H,m);7.94(1H,d)および8.41(1H,d);m/z 347(M+H)。 出発物質として用いられた2−(4−ブロモフェニルオキシ)キノリンを以下 の方法で製造した。 水素化ナトリウム(0.86g;鉱油中60%分散液)を、4−ブロモフェノ ール(3.46g)のジメチルホルムアミド(30ml)中撹拌溶液に対してア ルゴン雰囲気下の室温で加えた。混合物を10分間撹拌した後、2−クロロキノ リン(3.26g)のジメチルホルムアミド(5ml)中溶液を5分間にわたっ て加えた。混合物を135℃で4時間加熱した。混合物を周囲温度まで冷却した 後、氷水に対して加えて、淡灰色固体を生成した。固体を乾燥させた後、ヘキサ ンから結晶化させて、2−(4−ブロモフェニルオキシ)キノリン(1.83g )を無色固体、m.p.112〜3℃として生成した。 微量分析、実測値:C,59.7;H,3.30;N,4.60%; C1510BrNO計算値:C,60.0;H,3.36;N,4.67%。実施例5 (E)−[4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ビニル]ブロモベンゼ ンを出発物質として用いる以外は実施例2の場合と同様の手順を用いて、3−( 4−[(E)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ビニル]フェニル) キヌクリジン−3−オール(収率52%)を固体、m.p.206〜207℃と して得た。 微量分析、実測値:C,75.3;H,6.6;N,3.9%; NMR(DMSOd6/CD3COOD):1.5〜1.7(1H,m),1.8 〜1.9(2H,m),2.4〜2.5(2H,m),3.2〜3.4(4H, m),3.4〜4.0(2H,dのd),6.0(2H,s);6.8〜6.9 (1H,d);7.0〜7.1(1H,dのd);7.1〜7.2(2H,d) ;7.2(1H,dのd)および7.5〜7.6(4H,m):m/z 350 (M+H)。 出発物質として用いられた(E)−[4−(3,4−メチレンジオキシフェニ ル)ビニル]ブロモベンゼンは、3−ピリジンカルボキシアルデヒドの代わりに ピペロナールを用いる以外は、(E)−3−[2−(4−ブロモフェニル)ビニ ル]ピリジンの製造のための実施例2に記載されたのと同様の手順で製造された 。(E)−[4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ビニル]ブロモベンゼ ン(収率27%)が固体、m.p.139〜140℃として得られた。 微量分析、実測値:C,59.2;H,3.5%; C1511BrO2計算値:C,59.4;H,3.7%。 NMR(CDCl3):6.0(2H,s)および6.8〜7.5(9H,m) :m/z 304(M+H)。実施例6 (E)−2−[2−(4−ブロモフェニル)ビニル]−1−メチルピロールを 出発物質として4−(2−ピリジルオキシ)ブロモベンゼン)の代わりに用いる 以外は実施例2の場合と同様の手順を用いて、3−(4−[(E)−2−(1− メチルピロール−2−イル]ビニル]フェニル)キヌクリジン−3−オール(収 率36%)を固体、m.p.158〜160℃として得た。 微量分析、実測値:C,77.8;H,8.0;N,8.8%; C202420計算値:C,77.9;H,7.8;N,9.1%; NMR(DMSO−d6):1.2〜1.5(3H,m),1.9〜2.0(1 H,m),2.1〜2.2(1H,m),2.6〜2.8(5H,m),2.9 〜3.4(2H,dのd),3.7(3H,s),5.0(IH,s),6.0 (1H,dのd),6.5(1H,dのd),6.8(1H,t),6.8〜7 .2(2H,dのd)および7.5(4H,m):m/z 309(M+H)。 出発物質として用いられた(E)−2−[2−(4−ブロモフェニル)ビニル ]−1−メチルピロールは、1−メチルピロール−2−カルボキサルデヒドを( 3−ピリジンカルボキサルデヒドの代わりに)用いる以外は(E)−3−[2− (4−ブロモフェニル)ビニル]ピリジンの製造のための実施例2に記載された のと同様の手順で製造された。このようにして、(E)−2−[2−(4−ブロ モフェニル)ビニル]−1−メチルピロール(収率20%)を固体、m.p.9 3〜94℃として得た。 微量分析、実測値:C,59.3;H,4.5;N,5.0%; C1312BrN計算値:C,59.6;H,4.6;N,5.3%。 NMR(CDCl3):3.7(3H,s),6.1(1H,t),6.5(1 H,d),6.6(1H,d),6.7〜7.0(1H,dのd)および7.3 〜7.5(4H,dのd):m/z 263(M+H)。実施例7 (E)−2−[2−(4−ブロモフェニル)ビニル]チオフェンを出発物質と して(4−(2−ピリジルオキシ)ブロモベンゼンの代わりに)用いる以外は実 施例2の場合と同様の手順を用いて、3−[4−((E)−2−(2−チエニル )ビニル]フェニル]キヌクリジン−3−オール(収率16%)を固体、m.p .183〜184℃として得た。 NMR(DMSOd6/CD3COOD):1.7〜1.9(3H,m);2.2 〜2.5(2H,m);3.2〜3.4(4H,m);3.4〜3.9(2H, dのd);6.9〜7.0(1H,dのd);7.1〜7.2(2H,dのd) および7.3〜7.6(6H,m):m/z 312(M+H)。 出発物質として用いられた(E)−2−[2−(4−ブロモフェニル)ビニル チオフェンは、2−チオフェンカルボキサルデヒドを(3−ピリジンカルボキサ ルデヒドの代わりに)用いる以外は(E)−3−[2−(4−ブロモフェニル) ビニル]ピリジンの製造のための実施例2に記載されたのと同様の手順で製造さ れた。このようにして、(E)−2−[2−(4−ブロモフェニル)ビニル]チ オフェン(収率33%)、m.p.149〜150℃を得た。 微量分析、実測値:C,54.5;H,3.4%; C129BrS計算値:C,54.4;H,3.4%。 NMR(CDCl3):6.8〜6.9(1H,d),7.0(1H,dのd) ,7.1(1H,dのd),7.2〜7.3(2H,m)および7.3〜7.5 (2H,dのd):m/z 266(M+H)。実施例8 2−(4−ブロモベンジルオキシ)キノリンを出発物質として(4−(2−ピ リジルオキシ)ブロモベンゼンの代わりに)用いる以外は実施例5の場合と同様 の手順を用いて、3−[4−(2−キノリルオキシメチル)フェニル]キヌクリ ジン−3−オール(収率37%)を固体、m.p.160〜161℃として得た 。微量分析、実測値:C,76.5;H,7.0;N,7.6%; C232424計算値:C,76.6;H,6.7;N,7.8%; NMR(DMSOd6/CD3COOD):1.5〜1.9(3H,m);2.3 〜2.5(2H,m);3.2〜3.4(4H,m);3.4〜3.9(2H, dのd);5.6(2H,s);7.0〜7.1(1H,d);7.4 〜7.5(1H,tのd);7.6(4H,s);7.7(1H,tのd);7 .8〜7.9(2H,m)および8.2(1H,d):m/z 361(M+H )。 出発物質として用いられた2−(4−ブロモベンジルオキシ)キノリンは以下 のように製造された。 2−ヒドロキシキノリン(1.25g)を、炭酸銀(1.32g)の乾燥トル エン(50ml)中撹拌溶液に加えた。10分後、臭化4−ブロモベンジル(1 .72g)を加え、反応混合物を光不存在下の室温で16時間撹拌した。反応混 合物を濾過した。濾液を蒸発させ、そして残留物をシリカゲル上の中速カラムク ロマトグラフィーによってヘキサン中5%酢酸エチルを溶離剤として用いて精製 した。得られた残留物をヘキサンからの再結晶によって更に精製して、2−(4 −ブロモベンジルオキシ)キノリン(収率79%)を無色固体、m.p.95〜 97℃として得た。 微量分析、実測値:C,61.2;H,3.8;N,4.5%; C1612BrNO計算値:C,61.2;H,3.8;N,4.5%; NMR(CDCl3):5.5(2H,s),6.9〜7.0(1H,d),7 .3〜7.5(2H,m),7.5〜7.7(2H,m),7.8〜7.9(1 H,d)および8.0(1H,d):m/z 315(M+H)。実施例9 治療的または予防的使用のための本発明の化合物を提供するのに適当な代表的 薬剤剤形としては、当該薬学技術分野において周知の慣用法によって入手しうる 且つヒトにおける治療的または予防的使用に適当な以下の錠剤およびカプセル製 剤がある。 (a)錠剤I mg錠剤 コンパウンドZ* 1.0 ラクトース、ヨーロッパ薬局方 93.25 クロスカルメロースナトリウム 4.0 トウモロコシデンプンペースト(5%w/v水性ペースト) 0.75 ステアリン酸マグネシウム 1.0 (b)錠剤II mg/錠剤 コンパウンドZ* 50 ラクトース、ヨーロッパ薬局方 223.75 クロスカルメロースナトリウム 6.0 トウモロコシデンプン 15.0 ポリビニルピロリドン(5%w/v水性ペースト) 2.25 ステアリン酸マグネシウム 3.0 (c)錠剤III mg/錠剤 コンパウンドZ* 100 ラクトース、ヨーロッパ薬局方 182.75 クロスカルメロースナトリウム 12.0 トウモロコシデンプンペースト(5%w/v水性ペースト) 2.25 ステアリン酸マグネシウム 3.0 (d)カプセル剤 mg/カプセル剤 コンパウンドZ* 10 ラクトース、ヨーロッパ薬局方 488.5 ステアリン酸マグネシウム 1.5注記 *活性成分コンパウンドZは、式Iを有する化合物またはその塩、例えば、前 述の実施例のいずれかに記載の式Iを有する化合物である。 錠剤組成物(a)〜(c)は、慣用的な手段によって、例えば、酢酸フタル酸 セルロースによって腸溶コーティングされていてよい。化学式 化学式
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN ,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SK,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 式I [式中、R1は水素またはヒドロキシであり; R2は水素であり;または R1およびR2は、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合していて; Xは、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、−OC H2−、−CH2NH−、−NHCH2−、−CH2CO−、−COCH2−、−C H=N−、−N=CH−、−O−、−NH−、−CO−、−CH2−、−CH2S −、−SCH2−および−S−(但し、最後の三つの基の硫黄原子は、場合によ り1個または2個の酸素原子を有していてよい)から選択され; Ar1はフェニレン残基であり; Ar2は複素環式残基であり;そして Ar1およびAr2の一方または両方は、場合により、ハロゲノ、ヒドロキシ、 アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、(1〜6C)アルキル、 (2〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ、 (1〜6C)アルキルアミノ、ジ−[(1〜6C)アルキル]アミノ、N−(1 〜6C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−[(1〜6C)アルキル]カルバ モイル、(1〜6C)アルコキシカルボニル、(1〜6C)アルキルチオ、(1 〜6C)アルキルスルフィニル、(1〜6C)アルキルスルホニル、ハロゲノ( 1〜6C)アルキル、(1〜6C)アルカノイルアミノ、ウレイド、N′−(1 〜6C)アルキルウレイド、(1〜6C)アルカノイルおよびそれらのオキシ ム誘導体並びに前記オキシム誘導体のO−(1〜6C)アルキルエーテルから独 立して選択される1個またはそれ以上の置換基を有していてよい] を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩。 2. R1がヒドロキシであり且つR2が水素である請求項1に記載の化合物。 3. Ar1が1,4−フェニレン残基である請求項1または2に記載の化合物 。 4. Ar1およびAr2の一方または両方が、場合により非置換であってもよ いし、またはハロゲノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、(1〜6C)アルキル、 (2〜6C)アルケニル、(1〜6C)アルコキシ、(1〜6C)アルカノイル およびそれらのオキシム誘導体と前記オキシムのO−(1〜6C)アルキルエー テル、ハロゲノ(1〜6C)アルキル並びに(1〜6C)アルカノイルアミノか ら独立して選択される1個またはそれ以上の置換基を有していてよい請求項1〜 3のいずれか1項に記載の化合物。 5. Ar2が、フリル、ピロリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピ リダジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イ ソチアゾリル、オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−ト リアゾリル、ベンズフラニル、キノリル、イソキノリル、ベンズイミダゾリル、 インドリル、ベンズチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニルおよ びベンゾジヒドロフラニルから選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の 化合物。 6. Xが、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、 −OCH2−、−CH2NH−、−NHCH2−、−CH2CO−、−COCH2− 、−O−、−NH−、−CH2S−、−SCH2−、−S−から選択され、そして 最後の三つの基の硫黄原子は、場合により1個または2個の酸素原子を有してい てよい請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。 7. Ar2が、ピロリル、チエニル、ピリジル、キノリルおよび1,3−ベン ゾジオキソリルから選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。 8. Ar2が、N−メチルピロル−2−イル、2−チエニル、2−ピリジル 、3−ピリジル、2−キノリルおよび1,3−ベンゾジオキソル−5−イルから 選択される請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。 9. Xが、−CH=CH−、CH2O−および−O−から選択される請求項 1〜8のいずれか1項に記載の化合物。 10.3−(4−[(E)−2−(3−ピリジル)ビニル]フェニル)キヌク リジン−3−オール; 3−(4−[(Z)−2−(3−ピリジル)ビニル]フェニル)キヌクリジン −3−オール; 3−(4−[(E)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ビニル]フ ェニル)キヌクリジン−3−オール;および それらの薬学的に許容しうる塩 から選択される請求項1に記載の化合物。 11.請求項1に記載の式Iを有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩 の製造法であって、 (a)R1およびR2が両方とも水素である式Iを有する化合物のための、CR1 −CR2が二重結合であるようにR1およびR2が互いに結合している式I(但し 、Xは−C≡C−または−CH=CH−ではないという条件付きである)の化合 物の還元; (b)R1およびR2が、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合して いる式Iを有する化合物のための、R1がヒドロキシであり且つR2が水素である 式Iを有する化合物の脱水; (c)R1およびR2が、CR1−CR2が二重結合であるように互いに結合して いる式Iを有する化合物のための、Zが脱離基である式IIを有する化合物の塩 基による処理; (d)R1がヒドロキシであり且つR2が水素である化合物のための、式III Ar2−X−Ar1−M III (式中、Mは金属原子またはその誘導体である) を有する有機金属誘導体とキヌクリジン−3−オンとの反応; (e)Xが−CH=CH−である式Iを有する化合物のための、式IV (式中、Yは−CHOである) を有する化合物と、Wがハロゲン原子(例えば、クロロ)である式Vを有する化 合物との塩基存在下の反応; (f)Xが−C≡C−である式Iを有する化合物のための、式IV (式中、Yは脱離基である)を有する化合物と、式VI Ar2−C≡CM VI (式中、Mは金属原子である) を有する化合物との反応; (g)Xが−OCH2−、−NHCH2−または−SCH2−である式Iを有す る化合物のための、式IV (式中、Yは−OH)−NH2または−SHである) を有する化合物と、式VII Z−CH2Ar2 VII (式中、Zは脱離基である) を有する化合物との塩基存在下の反応; (h)Xが−CH2O−、−CH2NH−または−CH2S−である式Iを有 する化合物のための、式IV (式中、Yは−CH2OH)−CH2NH2または−CH2SHである) を有する化合物と、式VIII Z−Ar2 VIII (式中、Zは脱離基である) を有する化合物との塩基存在下の反応; (i)Xが−S−、−SCH2−または−CH2S−(式中、硫黄原子は1個ま たは2個の酸素原子を有する)である式Iを有する化合物のための、Xが−S− 、−SCH2−または−CH2S−である対応する式Iの化合物の酸化;から選択 され、引続き、 薬学的に許容しうる塩が必要とされる場合、式Iを有する化合物を、生理学的 に許容しうる陰イオンを与える酸または生理学的に許容しうる陽イオンを与える 塩基で処理する上記方法。 12.請求項1〜10のいずれか1項に記載の式Iを有する化合物またはその 薬学的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる希釈剤または担体と一緒に含む薬剤 組成物。 13.スクアレンシンターゼを阻害する処置を必要としている温血動物(例え ば、ヒト)においてスクアレンシンターゼを阻害する方法であって、該動物に対 して、請求項1に記載の式Iを有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩の 有効量を投与することを含む上記方法。
JP6514942A 1992-12-21 1993-12-21 スクアレンシンターゼ阻害剤としてのキヌクリジン誘導体 Pending JPH08504802A (ja)

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