JP2000072198A - 酒類等の提供システム及び酒類等の移し替え器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲料提供箇所に設置した適宜な飲料供給装置
に、飲料を所定の圧力下で而も空気と非接触状態で移し
替えができる器具を提供する。 【解決手段】 ２個のディスペンスヘッド１ａ，１ｂ
と、前記の２個のディスペンスヘッドを連結する液体ホ
ース部２及び気体ホース部３とを備え、気体ホース部３
に所定の高圧ガスを供給して、飲料用容器内の残存空気
の排除並びに飲料の圧送を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビール等の発泡酒
や、清酒やワイン等の貯蔵時に酸素との接触を嫌う飲料
等を、ビアホールやレストラン等で提供するために、醸
造箇所から提供箇所への運搬並びに容器の移し替えに使
用する器具並びに同器具を使用した飲料提供システムに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例えば
ビール等を醸造場所から離れたビアホールやレストラン
等で、醸造場所と同様な味わいで提供する手段として
は、醸造場所から特定の容器（現在は一定形状の金属製
樽が多用されている）にビールを充填し、提供場所に設
置されている供給機構に前記容器を組み込むようにして
いるものである。この供給機構は、金属容器を冷蔵空間
に設置し、ガスボンベを使用して容器内飲料をガス圧力
で取り出し、客に提供するものである。

【０００３】ところで前記の所謂生ビールの供給システ
ムは、特定の運搬容器（金属製樽）にしか使用できな
い。このため容器容量が需要量と対応しない場合には、
供給装置を多数設備したり、又は容器の取り替え作業を
頻繁に行う必要がある。勿論専用機装置となるために、
汎用性に欠ける。

【０００４】また各酒類提供場所に独自に設置した任意
の貯蔵タンクを備えた提供装置を使用して酒類等を提供
しようとした場合には、製造場所から運搬してきた運搬
容器から当該貯蔵タンクへの移し替えに際して、飲料が
ビールのような発泡性であれば、飲料からガスが抜け出
てしまうし、またワインや清酒等のような醸造酒は酸素
と接触すると風味が変化してしまう。

【０００５】そこで本発明は、酒類提供場所に設置した
酒類提供装置の貯蔵タンクへの酒類等の移し替え器具並
びに同器具を使用した酒類等の提供システムを提案した
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る酒類等の移
し替え器具は、２個のディスペンスヘッドと、前記の２
個のディスペンスヘッドを連結する液体ホース部及び気
体ホース部とを備えたもので、ディスペンスヘッド部
は、タンク装着機構を有し、タンク内上部空間と連通す
る気体流通部及びタンク内底部分と連通する液体流通部
を備えてなり、液体ホース部は、液体ホース及び、液体
ホースの両端と前記ディスペンスヘッドの液体流通部と
間に介装した開閉弁からなり、また気体ホース部は、デ
ィスペンスヘッドの各気体流通部に各々独立して接続し
た気体ホースで構成したり、両気体流通部間を連結する
気体ホースと、気体ホース途中に分岐した気体供給管
と、前記気体供給管の分岐位置と一方又は双方のディス
ペンスヘッドとの間に介装した気体開閉弁と、一方の気
体開閉弁と当該ディスペンスヘッドとの間に分岐した気
体放出部とで構成したり、或いは両気体開閉弁に代えて
気体供給管分岐箇所に介設した三方開閉弁で構成したも
のである。

【０００７】また本発明に係る酒類提供システムは、飲
料製造場所から出荷される飲料流通用の運搬タンクで所
定の飲料を飲料提供場所に運搬し、飲料提供場所に設置
した飲料提供装置の飲料タンクに、前記移し替え器具
と、所定のガスボンベとを使用し、空気と非接触状態で
且つ一定以上のガス圧力下で飲料の移し替えを行い、当
該飲料提供装置から飲料を提供することを特徴とするも
のである。

【０００８】従って運搬用器（供給容器）から飲料タン
ク（受容容器）の移し替えにおいて、受容容器にのみデ
ィスペンスヘッドを装着して、気体ホース（気体放出
部、気体供給部など）にガスボンベ（炭酸ガス若しくは
窒素ガス）を接続し、受容該容器内に当該ガスを供給し
て容器内の残存空気を当該ガスに置き換え、しかる後飲
料が収納されている需要容器に、他方のディスペンスヘ
ッドを装着し、弁の切り替え若しくはボンベの接続箇所
を変えて、供給容器に高圧ガスを供給すると、ガス圧で
供給容器内の飲料が液体ホースを通って需要容器に注入
され、需要容器内の気体は、速やかに気体放出部（又は
気体ホース）から放出されることになり、飲料は、基本
的に外気に触れることなく移し替えがなされる。

【０００９】

【発明の実施形態】＜第一実施形態＞図１〜４は、本発
明に係る酒類等の移し替え器具の第一の実施形態につい
て示したもので、この実施形態に示した移し替え器具
は、２個のディスペンスヘッド１ａ，１ｂと、前記の２
個のディスペンスヘッド１ａ，１ｂを連結する液体ホー
ス部２及び気体ホース部３とで構成される。

【００１０】ディスペンスヘッド部１は、公知の部品
で、タンク装着機構１１を有し、タンク内上部空間と連
通する気体流通部１２、及びタンク内底部分と連通すス
ピアチューブ１３を接続した液体流通部１４を備えてな
る。

【００１１】液体ホース部２は、液体ホース２１と、開
閉弁２２ａ，２２ｂとを備え、液体ホース２１の両端
を、開閉弁２２ａ，２２ｂを介して前記ディスペンスヘ
ッド１ａ，１ｂの液体流通部１４と接続したものであ
る。

【００１２】気体ホース部３は、気体ホース３１と、気
体供給管３２と、気体開閉弁３３ａ，３３ｂと、気体放
出部３４を備え、気体ホース３１の両端を気体開閉弁３
３ａ，３３ｂを介してディスペンスヘッド１ａ，１ｂの
気体流通部１２と接続し、気体供給管３２は、気体ホー
ス３１の途中で分岐してなる。また気体放出部３４は、
受容容器に装着する側のディスペンスヘッド１ｂと、当
該側の気体開閉弁３３ｂの間に介設したもので、気体ホ
ース３１から分岐させると共に、分岐管（放出管）３４
１に放出開閉弁３４２を介設したものである。

【００１３】前記器具を使用しての飲料移し替えについ
て次に説明する。図２は、移し替え前の受容容器４内及
び各ホース内の残存空気を追い出し、使用ガスに置き換
える手法を示したもので、使用ガスＡを充填した高圧ボ
ンベ５を気体供給管３２に接続し、受容容器側のディス
ペンスヘッド１ｂを受容容器４に装着し、気体開閉弁３
３ａ及び放出開閉弁３４２を閉じ、他の弁は開放した状
態で、ボンベ５を開いてガスＡの供給を行う。ガスＡは
受容容器４内に順次供給され、容器４内の残存空気は、
ガスＡによって液体ホース２１に押し出され、供給容器
６側のディスペンスヘッド１ａの液体口から大気に放出
され、当該箇所からガスＡが放出されると、器具及び受
容容器４内はガスＡで満たされることになる。

【００１４】次にガスボンベ５を閉じ、ディスペンスヘ
ッド１ａを、飲料Ｂが収納された供給容器６に接続し、
図３に例示する通り、気体開閉弁３３ｂを閉じ、ガスボ
ンベ５を開放すると、ガスＡは、供給容器６に供給さ
れ、供給容器６内の圧力を高め、液体ホース２１を通し
て飲料Ｂが受容容器４内に移し替えられる。この際受容
容器４内の残存ガスＡは、放出部３４から大気に放出さ
れ、飲料の移動はスムーズに行われることになる。

【００１５】そして受容容器４が満杯になると、放出部
３４から飲料の一部が放出されるので、直ちにガスボン
ベ５を閉じ、移し替え器具を外し、受容容器４を、当該
供給装置の一部として接続し、飲料供給を可能とするも
のである。尚液体ホース部２の開閉弁は、一箇所でも充
分である。

【００１６】＜第二実施形態＞また図５に示すように、
前記の第一実施形態の両気体開閉弁３３ａ，３３ｂに代
えて、ガスの流通方向を受容容器４側か或いは供給容器
６側であるかの選択切り替えが可能な三方開閉弁３５
を、気体供給管３２の分岐位置に設けても、前記第一実
施形態と同様に使用できるものである。

【００１７】特に前記第一実施形態及び第二実施形態
は、ガスボンベの取付箇所を変更することなく、受容容
器４内の残存空気の排除（無酸素ガスとの入れ替え）並
びに飲料の移し替えができる利点がある。

【００１８】＜第三実施形態＞図６〜８は本発明の第三
実施形態を示したもので、この実施形態は、第一実施形
態の移し替え器具において、供給容器６と接続する気体
ホース３１に介装する気体開閉弁３３ａを使用せずに、
直接接続する器具を採用したものである。

【００１９】この場合には、器具及び受容容器内の残存
空気の追い出しに際しては図７に示すように、気体開閉
弁３３ｂを閉じ、放出部３４にガスボンベ５を接続して
行い、移し替え作業時には、図８に示す通り、ガスボン
ベ５を気体供給管３２と接続するものである。

【００２０】特にガスボンベ５を接続する気体供給部３
２と気体放出部３４を近接して設けておくと、ガスボン
ベ５の接続変え作業が便利である。

【００２１】更に前記第三実施形態において、気体開閉
弁３３ｂは常時閉止であるから、開閉弁に代えて気体ホ
ース３１を当該箇所で二分する構造でも良い。

【００２２】そして前記器具を使用しての酒類等の提供
システムは、例えば提供飲料Ｂをビールとするならば、
醸造タンクＣから運搬用タンクＤへの移し替えに際し
て、前記の移し替え器具を使用して、運搬用タンクＤを
受容容器として、ビールの移し替えを行うものである。
従ってビール自体は、酸素に触れること無く、且つ所定
の圧力下での移し替えであるので、ビール中からの炭酸
ガスの放出を阻止した状態で運搬用タンクＤに移し替え
られ、ビヤホールや、レストラン等の酒類提供場所に設
置されている酒類提供装置Ｅのタンク（受容容器とな
る）に同様に移し替え器具とガスボンベを使用して移し
替えを行うと、ビールは、醸造タンク内と同様な状態の
まま酒類提供場所で保管出来、且つ同様のビールの提供
が可能となるものである。

【００２３】従って酒類提供場所に設置した酒類保管並
びに提供装置が、当該箇所独自のものであっても、何ら
支障無く、醸造箇所の酒類と同一状態で提供できるもの
である。勿論ビール以外にも空気（酸素）との接触を嫌
うワインや、清酒にも適用できるし、また所定の圧力下
状態での保管が必要な発泡性飲料についても同様に適用
できるものである。

【００２４】

【発明の効果】以上の通り本発明は、２個のディスペン
スヘッドと、前記の２個のディスペンスヘッドを連結す
る液体ホース部及び気体ホース部とを備え、気体ホース
部に所定の高圧ガスを供給して、飲料用容器内の残存空
気の排除並びに飲料の圧送を行う器具並びに同器具を使
用した酒類等の提供システムで、飲料の所定圧力下で、
且つ空気と非接触状態での飲料移し替えを実現したもの
で、酒類提供場所の酒類保管提供のための装置に自由度
があり、任意の飲料全てに対する汎用性を備えたもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施形態の一部省略した全体の正
面図。

【図２】同使用説明図（受容容器の空気抜き作業）。

【図３】同使用説明図（飲料移し替え作業）。

【図４】同使用説明図（飲料移し替え終了時）。

【図５】本発明の第二実施形態の部材構成図。

【図６】本発明の第二実施形態の一部省略した全体の正
面図。

【図７】同使用説明図（受容容器の空気抜き状態）。

【図８】同使用説明図（飲料移し替え作業時状態）。

【図９】本発明の酒類等の提供システムの説明図（醸造
箇所からの搬出）。

【図１０】本発明の酒類等の提供システムの説明図（提
供場所での移し替え）。

【符号の説明】

１ａ，１ｂａ ディスペンスヘッド １１ タンク装着機構 １２ 気体流通部 １３ スピアチューブ １４ 液体流通部 ２ 液体ホース部 ２１ 液体ホース ２２ａ，２２ｂ 開閉弁 ３ 気体ホース部 ３１ 気体ホース ３２ 気体供給管 ３３ａ，３３ｂ 気体開閉弁 ３４ 気体放出部 ３４１ 分岐管（放出管） ３４２ 放出開閉弁 ３５ 三方開閉弁 ４ 受容容器 ５ 高圧ガスボンベ ６ 供給容器

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 タンク装着機構を有し、タンク内上部空
   間と連通する気体流通部及びタンク内底部分と連通する
   液体流通部を備えた２個のディスペンスヘッドと、前記
   ディスペンスヘッドの液体流通部を接続すると共に、開
   閉弁を介装した液体ホース部と、各ディスペンスヘッド
   の気体流通部に各々独立して接続した気体ホース部とを
   備えたことを特徴とする酒類等の移し替え器具。
2. 【請求項２】 請求項１記載の酒類等の移し替え器具に
   於いて、気体ホース部を、両ディスペンスヘッドの気体
   流通部間を接続する気体ホースの途中の一方のディスペ
   ンスヘッドに近い箇所に気体供給管を分岐し、前記気体
   供給管分岐位置と、一方のディスペンスヘッドとの間に
   気体開閉弁を介装し、且つ気体開閉弁と当該ディスペン
   スヘッドとの間に、気体放出部を分岐して構成したこと
   を特徴とする酒類等の移し替え器具。
3. 【請求項３】 請求項２記載の酒類等の移し替え具にお
   いて、気体ホースの途中の適宜位置に配設した気体供給
   管の分岐位置と、他方のディスペンスヘッドとの間に気
   体開閉弁を介装するか、或いは両気体開閉弁に代えて気
   体供給管分岐箇所に三方開閉弁を介設してなる酒類等の
   移し替え器具。
4. 【請求項４】 飲料製造場所から出荷される飲料流通用
   の運搬タンクで所定の飲料を飲料提供場所に運搬し、飲
   料提供場所に設置した飲料提供装置の飲料タンクに、請
   求項１乃至３記載の器具と、所定のガスボンベとを使用
   し、空気と非接触状態で且つ一定以上のガス圧力下で飲
   料の移し替えを行い、当該飲料提供装置から飲料を提供
   することを特徴とする酒類等の提供システム。