JP2000071974A - 車両の制動装置 - Google Patents

車両の制動装置

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JP2000071974A
JP2000071974A JP10242091A JP24209198A JP2000071974A JP 2000071974 A JP2000071974 A JP 2000071974A JP 10242091 A JP10242091 A JP 10242091A JP 24209198 A JP24209198 A JP 24209198A JP 2000071974 A JP2000071974 A JP 2000071974A
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brake
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Satoru Niwa
悟 丹羽
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輪に付与される制動力を検出するための荷
重センサの異常を適切に検出できるようにする。 【解決手段】 ブレーキユニットBR内に電動モータ2
8を設けるとともに、車輪に対する制動力を検出するた
めに荷重センサ63を設け、荷重センサ63により検出
された荷重が目標制動力に一致するように電動モータ2
8の駆動電流を制御して、同モータ28により車輪に電
気的に目標制動力を付与する。一方、ブレーキペダル3
9の踏み込み操作力をブレーキユニットBRに選択的か
つ機械的に伝達するためのペダル連結機構PD及びケー
ブル31を設ける。ブレーキペダル39の踏み込み操作
により機械的な制動力すなわち電気系とは独立した制動
力を車輪に付与している状態で、マイクロコンピュータ
65は、荷重センサ63からの検出荷重を入力して、同
センサ63の異常を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気アクチュエー
タにより摩擦部材を変位させ、同摩擦部材を車輪と一体
的に回転する回転部材に押しつけて、車輪を制動する車
両の制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば国際出願公開WO97
/03869号公報に示されているように、車輪に付与
されている制動力に関係した物理量として摩擦部材が回
転部材に押しつけられている圧力(又は摩擦部材の変位
量)を検出して、同検出圧力(又は同検出変位量)を用
いて、ブレーキペダルの操作、アンチロック制御装置に
よる要求などに応じた制動力が車輪に付与されるように
電気アクチュエータを制御する車両の制動装置におい
て、電気アクチュエータに流れている電流を検出し、前
記検出圧力(又は検出変位量)及び電流をそれぞれ制動
力に換算するとともに、各換算した制動力を比較して、
前記圧力(又は変位量)を検出するためのセンサ等の異
常を検出するようにすることは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、検出された圧力(又は変位量)が、電気
制御装置に入力されて、同電気制御装置が電気アクチュ
エータに制御電流を流して同アクチュエータにより所望
の制動力を得ており、電気的に制動力の制御される系内
において圧力(又は変位量)を検出するためのセンサ等
の異常を判定しているので、同異常の検出に正確さを欠
く。例えば、電気制御装置による電気アクチュエータの
制御機能に異常が発生している場合にも、電流を検出す
るセンサ又は圧力(又は変位量)を検出するセンサの異
常と判定される。また、前記比較が不一致であっても、
電流を検出するセンサの異常か、圧力(又は変位量)を
検出するセンサの異常か、電気アクチュエータの制御異
常であるかを特定し難い。その結果、前記各種の異常に
対して適切に対処できないという問題がある。
【0004】
【発明の大略】本発明は、上記問題に対処するためにな
されもので、その目的は、車輪に付与される制動力に関
係した物理量を検出するセンサ等の制動力検出手段の異
常を適切に検出できるようにした車両の制動装置を提供
するものである。
【0005】前記目的を達成するために、本発明の構成
上の特徴は、車輪と一体的に回転する回転部材に摩擦部
材を押しつけて車輪に制動力を付与するブレーキユニッ
トと、ブレーキユニットに組み付けられ摩擦部材を変位
させて回転部材に押しつける電気アクチュエータと、ブ
レーキユニットによる制動力に関係した物理量(例え
ば、摩擦部材又は回転部材に付与される荷重(圧力)、
摩擦部材の回転部材に対する変位量など)を検出する制
動力検出手段と、前記検出された物理量に基づいて目標
となる制動力が車輪に付与されるように電気アクチュエ
ータを制御する電気制御手段とを備えた車両の制動装置
において、電気アクチュエータによる駆動に代え摩擦部
材を機械的に変位させて回転部材に押しつけることを可
能とする機械式制動力付与機構を設け、電気アクチュエ
ータに代えて機械式制動力付与機構により車輪に制動力
が付与されている状態で、制動力検出手段により検出さ
れた物理量に基づいて制動力検出手段の異常を判定する
異常判定手段を設けたことにある。
【0006】この場合、好ましくは、前記制動力検出手
段を、前記ブレーキユニットによる制動力に関係した物
理量を第1物理量として検出するように構成し、電気制
御手段を、ペダル操作検出手段により検出されてブレー
キペダルの踏み込み操作に関係した第2物理量と、前記
第1物理量とに基づいて、同第2物理量に対応した制動
力が目標となる制動力として車輪に付与されるように前
記電気アクチュエータを制御するように構成できる。
【0007】また、好ましくは、前記機械式制動力付与
機構を、ブレーキペダルと摩擦部材とを機械的に連結し
て同ブレーキペダルの踏み込み操作により摩擦部材を機
械的に変位させて回転部材に押しつけること、及び前記
機械的な連結を解除して摩擦部材の機械的な変位による
摩擦部材の回転部材に対する押しつけを解除することを
選択可能とする選択連結機構で構成するとともに、前記
異常判定手段を、電気アクチュエータの作動を禁止する
とともに選択連結機構によるブレーキペダルと摩擦部材
との機械的な連結状態を選択し、ブレーキペダルの踏み
込み操作により摩擦部材が選択連結機構を介して機械的
に変位されて回転部材に押しつけられている状態で、制
動力検出手段により検出された第1物理量に基づいて前
記制動力検出手段の異常を判定するように構成すること
もできる。
【0008】前記のように構成した本発明においては、
機械式制動力付与機構(選択連結機構)により機械的に
摩擦部材を変位させて回転部材に押しつけることにより
機械的に車輪に制動力を付与した状態で、制動力検出手
段により検出された物理量(第1物理量)に基づいて制
動力検出手段の異常が検出される。したがって、電気系
による制動力付与(ブレーキペダルの操作量の検出をも
含めた制動力の付与)とは全く独立して制動力検出手段
の異常を検出することになるので、制動力検出手段の異
常の検出に前記電気系の制動力付与が影響することがな
くなる。その結果、本発明によれば、制動力検出手段の
異常の有無が適切に検出されるとともに、同異常検出の
信頼性が高くなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明すると、図1は本発明に係る車両の制動装
置を概略的に示している。この制動装置は、左右前輪W
fl,Wfr及び左右後輪Wrl,Wrrにそれぞれ対応したド
ラム式のブレーキユニットBRfl,BRfr,BRrl,B
Rrrを備えている。
【0010】これらのブレーキユニットBRfl,BRf
r,BRrl,BRrrはそれぞれ同一のデュオサーボ型に
構成され、図2に示すように、車体に取り付けられた円
板状のバッキングプレート11と、内周面を摩擦面とし
車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrと一体的に回転する回転部
材としてのドラム12とを備えている。バッキングプレ
ート11上の一直径方向の隔たった2箇所には、同プレ
ート11に固定されたアンカピン13と、フローティン
グ式の中継リンクとしてのアジャスタ14が設けられて
いる。アンカピン13とアジャスタ14との間には、円
弧状をなす一対のブレーキシュー15,16がドラム1
2の内周面に対向するように取り付けられている。一対
のブレーキシュー15,16は、各一端部同士にてアジ
ャスタ14により相互に接近不能かつ隔離可能に連結さ
れているとともに、各他端部にてアンカピン13に当接
しており、各端部の回りに回動可能になっている。
【0011】また、一対のブレーキシュー15,16の
各一端部はアジャスタスプリング17により互いに接近
する方向すなわちアジャスタ14側に付勢されていると
ともに、同シュー15,16の各他端部はリターンスプ
リング18,19により互いに接近する方向すなわちア
ンカピン13側に付勢されている。各ブレーキシュー1
5,16の外周面上には摩擦部材としてのブレーキライ
ニング21,22が固着されている。一方のブレーキシ
ュー15には、円弧状のレバー23がドラム12の回転
軸線と交差する方向に回動可能に取り付けられている。
レバー23と他方のブレーキシュー16とにはトラッド
24の両端がそれぞれ係合されており、同トラッド24
はレバー23とブレーキシュー16の各一方の回動によ
る力を他方にそれぞれ伝達する。
【0012】レバー23の一端部には、フレキシブルな
ケーブル25の一端部が接続され、同ケーブル25の他
端部はボールねじ機構26の出力部材に接続されてい
る。このボールねじ機構26は、減速器27を介して電
気アクチュエータとしての直流モータで構成した電動モ
ータ28に接続されており、電動モータ28の回転に応
じてケーブル25がその軸線方向に引っ張られるように
なっている。なお、この電動モータ28は直流モータ以
外にも、誘導モータ、同期モータ、ステップモータ、超
音波モータなどの種々のモータを利用できる。また、図
2においては、この電動モータに対して符号28を付け
て示したが、図1においては、ブレーキユニットBRf
l,BRfr,BRrl,BRrr毎に符号28fl,28fr,
28rl,28rrを付けて示してある。
【0013】レバー23の一端部と減速器27のハウジ
ングとの間には、ケーブル25を貫通させたリターンス
プリング29が設けられており、レバー23を図示反時
計方向に付勢している。さらに、レバー23の一端部に
はフレキシブルなケーブル31の一端も接続され、同ケ
ーブル31は前記ケーブル25と略同方向に延設され、
ドラム12に一端を固定したアウタケーシング31aを
貫通してペダル連結機構PD(図1)に導かれている。
レバー23の一端部とアウタケーシング31aの端面と
の間には、ケーブル31を貫通させたリターンスプリン
グ32が設けられており、同レバー23を図示反時計方
向に付勢している。
【0014】ペダル連結機構PDは、図3に示すよう
に、円筒状に形成されるとともに直列に接続された第1
及び第2ハウジング35,36を備えている。第1ハウ
ジング35内には、第1ピストン37が軸線方向に変位
可能かつ軸線回りに回転不能に組み込まれており、同ピ
ストン37はリターンスプリング38により常時図示右
方向に付勢されていて、ブレーキペダル39が踏み込み
操作されていない状態では図示位置にある。ブレーキペ
ダル39は、車体に取り付けられたブラケット40に回
動可能に支持されており、リターンスプリング41によ
りストッパ42に向かって付勢されている。ブレーキペ
ダル39の中間部にはクレビス43を介してプッシュロ
ッド44の後端部が接続され、同ロッド44の先端は第
1ピストン37の後端面に当接している。
【0015】第2ハウジング36内には、第2ピストン
45が軸線方向に変位可能かつ軸線回りに回転不能にそ
れぞれ組み込まれており、同ピストン45はリターンス
プリング46により常時図示右方向に付勢されていて通
常図示位置にある。第2ピストン45には第1ハウジン
グ35及び第1ピストン37内に侵入した小径部45a
が形成されており、同小径部45aの後端面はピン47
により選択的に図示左方向に押圧されるようになってい
る。
【0016】ピン47の上部は、第1ピストン37の外
周上に固定したケーシング48内に軸線方向に変位可能
に組み込んだプランジャ49に圧入固定されている。プ
ランジャ49は、ケーシング48内に固定したコア50
との間に介装されたスプリング51により下方に常時付
勢されていて、ピン47を第1ピストン37に設けた孔
37aを貫通させて第2ピストン45の小径部45aの
後端面に当接させるようになっている。ケーシング48
内には、プランジャ49及びコア50の外側にてソレノ
イドコイル52も組み込まれており、同コイル52はリ
ード線52aを介した通電によりプランジャ49及びピ
ン47をスプリング51の付勢力に抗して引き上げ、ピ
ン47と第2ピストン45の小径部45aの後端面との
前記当接を解除するようになっている。リード線52a
は、ケーシング48及び第1ハウジング35に固定した
カバー53を介して外部に引き出されている。また、カ
バー53は第1ハウジング35に固定されているととも
に、ケーシング48は第1ピストン37に固定されてお
り、第1ピストン37は第1ハウジング35に対して相
対移動するので、リード線52aは可撓性を有するとと
もにその長さも充分に設定されている。
【0017】第2ハウジング36の内周面上には、円筒
状の回転部材54がベアリング55,55を介して軸線
回りに回動可能かつ軸線方向に変位不能に組み付けられ
ている。回転部材54の内周面と第2ピストン45の外
周面との間には、第2ピストン45の軸線方向の変位を
回転部材54の回転運動に変換するとともに、回転部材
54の回転運動を第2ピストン45の軸線方向の変位に
変換するボールねじ機構56が介装されている。ボール
ねじ機構56は、回転部材54の内周面に圧入固定され
て同部材54と一体的に回転するナット56aと、同ナ
ット56aと第2ピストン45との間に介装された複数
のボール56bとからなる。回転部材54の外周面上に
は、前述した各ブレーキユニットBRfl,BRfr,BR
rl,BRrrの各ケーブル31の他端部が巻かれており、
同ケーブル31を貫通させたアウタケーシング31aの
他端が第2ハウジング36に固定されている。これによ
り、回転部材54の回転によりケーブル31がペダル連
結機構PD側に引かれたり、同ケーブル31の引っ張り
により回転部材54が前記とは逆方向に回転したりす
る。
【0018】次に、この制動装置の電気制御装置につい
て説明する。この電気制御装置は、図1に示すように、
ペダルストロークセンサ61、ブレーキスイッチ62、
荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rr及び電流計
64fl,64fr,64rl,64rrを備えている。ペダル
ストロークセンサ61は、ペダル連結機構PDに付設さ
れて、プッシュロッド44のストローク量Sを検出する
(図3参照)。このペダルストロークセンサ61はブレ
ーキペダル39の踏み込み操作量(踏み込み操作力)を
検出するもので、ブレーキペダル39の回動量を検出す
る回転角センサ、同ペダル39と連動する部材の変位量
を検出するセンサなどで代用することもできる。
【0019】ブレーキスイッチ62は、ペダル連結機構
PDに付設されて、プッシュロッド44が初期位置(ブ
レーキペダル39が踏み込み操作されていない状態)に
あるときオフしており、同初期位置から図3の左方向に
変位したときオンするスイッチである。このブレーキス
イッチ62は、ブレーキペダル62の踏み込み操作を検
出するもので、ブレーキペダル39の踏み込み解除状態
でオフしていて、同ペダル39の踏み込み操作時にオン
するものであれば、ブレーキペダル39、ブラケット4
0、ストッパ42に組み付けたスイッチ、又はクレビス
43、ペダル連結機構PDなどに組み込んだスイッチで
も代用できる。
【0020】荷重センサ63fl,63fr,63rl,63
rr(図2では符号63として示されている)は、各ブレ
ーキユニットBRfl,BRfr,BRrl,BRrrのレバー
23とトラッド24との係合部にそれぞれ設けられて、
同係合部に作用する荷重Ffl,Ffr,Frl,Frrをそれ
ぞれ検出する。なお、この荷重センサ63fl,63fr,
63rl,63rrは、ブレーキシュー15,16及びブレ
ーキライニング21,22により回転部材12及び各車
輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに実際に付与されている制動
力を検出するもので、アンカピン13とブレーキシュー
15,16の当接部に設けた荷重センサ、レバー23、
ブレーキシュー15,16の歪を検出する歪センサなど
でも代用できる。
【0021】電流計64fl,64fr,64rl,64rr
は、電動モータ28fl,28fr,28rl,28rr(図2
の電動モータ28)に供給される電流量Ifl,Ifr,I
rl,Irrをそれぞれ検出するものである。なお、これら
の電流量Ifl,Ifr,Irl,Irrは、電動モータ28f
l,28fr,28rl,28rrによってブレーキユニット
BRfl,BRfr,BRrl,BRrrの各回転部材12及び
各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに実際に付与される制動
力に対応する。
【0022】これらのペダルストロークセンサ61、ブ
レーキスイッチ62、荷重センサ63fl,63fr,63
rl,63rr及び電流計64fl,64fr,64rl,64rr
には、マイクロコンピュータ65が接続されている。マ
イクロコンピュータ65は、図4のプログラムを所定の
短時間毎に実行して、電動モータ28fl,28fr,28
rl,28rrをそれぞれ駆動制御するとともに、ペダル連
結機構PDのソレノイドコイル52の通電を制御する。
このために、マイクロコンピュータ65と電動モータ2
8fl,28fr,28rl,28rrとの各間には、同モータ
28fl,28fr,28rl,28rrを駆動制御するための
駆動回路66fl,66fr,66rl,66rrが接続されて
いる。また、マイクロコンピュータ65とソレノイドコ
イル52の間にも、同コイル52に通電する駆動回路6
7が接続されている。
【0023】次に、上記のように構成した実施形態の動
作を図4のフローチャートに沿って説明する。マイクロ
コンピュータ65は、図示しないイグニッションスイッ
チのオン操作に伴い、図4のステップ100にてメイン
プログラムの実行を開始し、以降、ステップ102〜1
24からなる処理を所定の短時間毎に繰り返し実行す
る。前記プログラムの開始後、ステップ102にてペダ
ルストロークセンサ61からストローク量Sを入力し、
ステップ104にて前記入力したストローク量Sに基づ
いて各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに対する目標制動力
Ffl*,Ffr*,Frl*,Frr*を計算する。これらの目標
制動力Ffl*,Ffr*,Frl*,Frr*は、ストローク量S
すなわちブレーキペダル31の踏み込み操作量(踏み込
み操作力)にほぼ比例する値に設定されるが、後輪Wr
l,Wrr側を前輪Wfl,Wfr側より所定比率だけ大きく
したり、図示しないアンチロックブレーキ装置、トラク
ション装置などの車両に搭載した他の装置からの信号に
より増減されたりする。
【0024】次に、ステップ106にて全ての異常フラ
グEfl,Efr,Erl,Errが”0”であるか否かを判定
する。これらの異常フラグEfl,Efr,Erl,Err
は、”1”により各荷重センサ63fl,63fr,63r
l,63rrの異常をそれぞれ表すもので、最初、図示し
ない初期設定により各荷重センサ63fl,63fr,63
rl,63rrの正常をそれぞれ表す”0”に設定されてい
る。なお、これらの異常フラグEfl,Efr,Erl,Err
を不揮発性メモリに記憶しておいて、イグニッションス
イッチのオフ時にも過去の異常判定を記憶しておいて、
前記初期設定により異常フラグEfl,Efr,Erl,Err
がイグニッションスイッチのオン操作毎に前記”0”に
クリアされないようにしてもよい。
【0025】全ての異常フラグEfl,Efr,Erl,Err
が”0”であれば、ステップ106にて「YES」と判
定してプログラムをステップ108に進める。このステ
ップ108の処理は、各荷重センサ63fl,63fr,6
3rl,63rrの異常を判定するためのタイミングである
かを判定するものである。例えば、この判定処理ルーチ
ンでは、「イグニッションスイッチのオンから所定時間
内である」、「シフトレバーがパーキング位置にあ
る」、「車速が極低車速(例えば5km/h以)下である」
などの大きな制動力が急に必要とされないという条件下
で所定時間毎に「YES」と判定され、それ以外のとき
には「NO」と判定される。そして、同ステップ108
にて「NO」と判定されれば、電動モータ28fl,28
fr,28rl,28rrを用いて各車輪Wfl,Wfr,Wrl,
Wrrを制動するためのステップ110,112からなる
通常ブレーキモード処理を実行して、ステップ124に
てこのメインプログラムの実行を一旦終了する。一方、
ステップ108にて「YES」と判定されれば、各荷重
センサ63fl,63fr,63rl,63rrの異常を判定す
るためのステップ114,116からなる異常判定モー
ド処理を実行して、ステップ124にてこのメインプロ
グラムの実行を一旦終了する。
【0026】まず、通常ブレーキモード処理について説
明すると、ステップ110にて駆動回路67を介してペ
ダル連結機構PDのソレノイドコイル52に通電する。
このソレノイドコイル52への通電により、プランジャ
49はスプリング51の付勢力に抗して図3の上方に吸
引され、このプランジャ49の上昇に伴い、ピン47も
上方に変位してピン47と第2ピストン45の小径部4
5aとの当接が解除される。したがって、第1ピストン
37は第2ピストン45に対して相対変位可能となり、
この状態では、第1ピストン37はブレーキペダル39
の踏み込み操作に応じて軸線方向に変位可能であるが、
第2ピストン45はリターンスプリング46の付勢力に
より図示位置に保たれる。
【0027】前記ステップ110の処理後、マイクロコ
ンピュータ65は、ステップ112にて図5に詳細を示
す第1モータ制御ルーチンを実行する。この第1モータ
制御ルーチンは、荷重センサ63fl,63fr,63rl,
63rrによりそれぞれ検出された荷重Ffl,Ffr,Fr
l,Frrに基づいて、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrr毎
に付与される制動力が前記ステップ104で計算した目
標制動力Ffl*,Ffr*,Frl*,Frr*になるように電動
モータ28fl,28fr,28rl,28rrをそれぞれ駆動
制御するものであるが、図5においては、各車輪Wfl,
Wfr,Wrl,Wrr共通に一つのプログラムのみを示して
いる。そのために、同図においては、ブレーキユニット
BRfl,BRr,BRrl,BRrrの各検出荷重Ffl,Ff
r,Frl,Frrを単にFで表すとともに、目標制動力Ff
l*,Ffr*,Frl*,Frr*を単にF*で表している。ま
た、この第1モータ制御ルーチンの説明においては、電
動モータ28fl,28fr,28rl,28rr、荷重センサ
63fl,63fr,63rl,63rr及び駆動回路66fl,
66fr,66rl,66rrに関しても、簡単のために、各
電動モータ、各荷重センサ及び各駆動回路を電動モータ
28、荷重センサ63及び駆動回路66として記載す
る。
【0028】この第1モータ制御ルーチンについて説明
すると、マイクロコンピュータ65は、同ルーチンの実
行をステップ130にて開始し、ステップ132に荷重
センサ63により検出された荷重Fと、前記ステップ1
04で計算した目標制動力F*とを比較する。前記検出
荷重Fが目標制動力F*よりも小さければ、ステップ1
32の比較判定処理により、ステップ134にて駆動回
路66を制御して電動モータ28に対する駆動電流を増
加させる。前記検出荷重Fが目標制動力F*に等しけれ
ば、ステップ132の比較判定処理により、ステップ1
36にて駆動回路66を制御して電動モータ28に対す
る駆動電流を以前の値に維持させる。前記検出荷重Fが
目標制動力F*よりも大きければ、ステップ132の比
較判定処理により、ステップ138にて駆動回路66を
制御して電動モータ28に対する駆動電流を減少させ
る。これらのステップ134〜138の処理後、ステッ
プ140にて第1モータ制御ルーチンの実行を終了す
る。なお、前記検出荷重Fは、車輪Wfl,Wfr,Wrl,
Wrrに付与される制動力に換算された値である。
【0029】このような制御により、ブレーキペダル3
9が踏み込み操作されて、ストローク量Sが増加して目
標制動力F*が増加すれば、電動モータ28の駆動電流
は増加する。電動モータ28は駆動電流の増加にしたが
って増加する駆動トルクを発生するので、前記駆動電流
の増加により、減速器27及びボールねじ機構26を介
してケーブル25を引っ張る電動モータ28の引っ張り
力が増加し、レバー23を図2の時計方向に回動させる
駆動トルクは大きくなる。したがって、ブレーキシュー
15,16によるブレーキライニング21,22を回転
部材12に押し付ける力(制動力)が大きくなり、車輪
Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに付与される制動力も大きくな
る。一方、この状態では、荷重センサ63により検出さ
れる荷重Fも増加する。そして、この荷重Fが目標制動
力F*に等しくなれば、電動モータ28への前記駆動電
流は以前の値に維持されるので、車輪Wfl,Wfr,Wr
l,Wrrに付与される制動力も以前の値に維持され、同
車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに付与される制動力は目標
制動力F*に維持されることになる。
【0030】また、逆に、ブレーキペダル39の踏み込
み操作が解除され始めれば、ストローク量Sは減少して
目標制動力F*も減少する。したがって、電動モータ2
8への駆動電流が減少し、レバー23を前記時計方向に
回動させる駆動トルクは小さくなり、ブレーキシュー1
5,16、ブレーキライニング21,22及び回転部材
12によって車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに付与される
制動力も小さくなる。一方、この状態では、荷重センサ
63により検出される荷重Fも減少する。そして、この
検出荷重Fが目標制動力F*に等しくなれば、電動モー
タ28への前記駆動電流は以前の値に維持されるので、
車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに付与される制動力は目標
制動力F*に維持される。
【0031】このような作動説明からも理解されるとお
り、前記第1モータ制御ルーチンの処理により、ブレー
キペダル39の踏み込み操作量(踏み込み操作力)にほ
ぼ比例した制動力が車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに付与
されることになる。そして、ブレーキペダル39の踏み
込み操作が完全に解除された状態では、ストローク量S
は「0」であり、目標制動力F*も「0」となるので、
レバー23にケーブル25を介した電動モータ28によ
る引っ張り力が作用することはない。したがって、この
状態では、車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに制動力が付与
されることがないとともに、レバー23はリターンスプ
リング29により基準位置に戻されており、また電動モ
ータ28に対する駆動電流も「0」に保たれている。
【0032】次に、異常判定モードの処理について説明
する。図4のメインプログラムのステップ108にて前
記のように「YES」と判定されると、マイクロコンピ
ュータ65は、ステップ114にて駆動回路67を制御
してソレノイドコイル52の通電を解除する。このソレ
ノイドコイル52への通電解除により、プランジャ49
及びピン47はスプリング51の付勢力により下方に変
位し、ピン47が第2ピストン45の小径部45aの端
面に当接する。
【0033】したがって、この状態で、ブレーキペダル
39を踏み込み操作すると、第1ピストン37はプッシ
ュロッド44によって押されリターンスプリング38の
付勢力に抗して図3の左方向に変位し、第2ピストン4
5もピン47を介して第1ピストン37によって押され
リターンスプリング46の付勢力に抗して図3の左方向
に第1ピストン37と連動して変位する。この第2ピス
トン45の左方向への変位はボールねじ機構56により
回転運動に変換されて回転部材54に伝達され、同部材
54は軸線回りに回転する。この回転により、ケーブル
31は回転部材54の外周上に巻き込まれるので、ケー
ブル31にはブレーキペダル31の踏み込み操作量(踏
み込み操作力)に比例した引っ張り力が付与される。こ
のケーブル31の引っ張り力は、ブレーキユニットBR
fl,BRfr,BRrl,BRrrの各レバー23に伝達さ
れ、同レバー23が前記電動モータ28の駆動の場合と
同様に図2の時計方向に前記引っ張り量に比例した量だ
け回動するので、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrには、
ブレーキペダル31の踏み込み操作量(踏み込み操作
力)に応じた制動力が付与される。なお、この制動力の
付与においては、後輪Wrl,Wrrに対する制動力と前輪
Wfl,Wfrに対する制動力との比は常にほぼ一定である
が、後輪Wrl,Wrrに対する制動力が前輪Wfl,Wfrに
対する制動力に比べて大きくなるように設定されてい
る。
【0034】また、前記ブレーキペダル39の踏み込み
操作が解除されると、ブレーキユニットBRfl,BRf
r,BRrl,BRrrの各リターンスプリング32は各レ
バー23を基準位置に戻すように作用する。したがっ
て、車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに対する制動力は解
除される。一方、このとき、レバー23はケーブル31
を前記とは逆方向に引っ張るので、ケーブル31は前記
巻き込まれたケーブル31を回転部材54から巻き戻す
ように作用する。また、これと同時に、リターンスプリ
ング38,46は第1及び第2ピストン37,45を図
3の右方向に変位させるように作用するので、ボールね
じ機構56の作用により、回転部材54はブレーキペダ
ル39を踏み込み操作した場合とは逆方向に回転すると
ともに、第1及び第2ピストン37,45も図3の右方
向に変位し、ブレーキペダル39は初期位置に復帰す
る。
【0035】ふたたび、図4のメインプログラムの説明
に戻ると、前記ステップ114の処理後、マイクロコン
ピュータ65はステップ116にて図6,7に詳細を示
す異常判定ルーチンを実行する。この異常判定ルーチン
は、前述したブレーキペダル39の踏み込み操作によっ
てペダル連結機構PD及びケーブル31を介して各車輪
Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに機械式の制動力を付与した状
態で、荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rrによ
り検出されて前記制動力にそれぞれ対応した荷重Ffl,
Ffr,Frl,Frrに基づいて、各荷重センサ63fl,6
3fr,63rl,63rrの異常をそれぞれ検出するもので
ある。
【0036】この異常判定ルーチンの実行は、ステップ
200にて開始され、ステップ202にてブレーキスイ
ッチ62がオン状態にあるか否かを判定する。ブレーキ
ペダル39の踏み込み操作が解除されていて、ブレーキ
スイッチ62がオフ状態にあれば、ステップ202にて
「NO」と判定して、ステップ204にてこの異常判定
ルーチンの実行を終了する。
【0037】一方、ブレーキペダル39が踏み込み操作
されていて、ブレーキスイッチ62がオン状態にあれ
ば、ステップ202にて「YES」と判定してプログラ
ムをステップ206以降に進める。ステップ206にお
いては、荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rrに
より検出された荷重Ffl,Ffr,Frl,Frrを取り込ん
で一時記憶しておく。次に、ステップ208にて各荷重
センサ63fl,63fr,63rl,63rrにそれぞれ対応
して同各センサ63fl,63fr,63rl,63rrの異常
の判定に利用される評価値Zfl,Zfr,Zrl,Zrrを
「0」にリセットして、プログラムをステップ210以
降に進める。
【0038】ステップ210〜260の処理は、前記検
出された荷重Ffl,Ffr,Frl,Frr及び評価値Zfl,
Zfr,Zrl,Zrrを用いて各荷重センサ63fl,63f
r,63rl,63rrの異常を検出するもので、同異常の
検出は次のの関係を利用するものである。
【0039】前述のように車輪Wfl,Wfr,Wrl,W
rrに付与された機械式の各制動力においては、前輪Wf
l,Wfrの各制動力は共にほぼ等しく、後輪Wrl,Wrr
の各制動力も共にほぼ等しく、かつ前輪Wfl,Wfrの制
動力と後輪Wrl,Wrrの制動力の比はほぼ等しい関係に
ある。
【0040】全ての荷重センサ63fl,63fr,63
rl,63rrが正常であれば、同各センサによって検出さ
れた荷重Ffl,Ffr,Frl,Frrは前記の制動力と同
様の関係にあり、いずれかの荷重センサ63fl,63f
r,63rl,63rrに異常があれば、異常があるセンサ
に関して前記の制動力のような関係がなくなる。
【0041】具体的には、ステップ210〜244の処
理により、前記検出された荷重Ffl,Ffr,Frl,Frr
のうちの各2つずつを順次比較して、前記の関係にあ
れば前記各2つの荷重に対応した評価値Zfl,Zfr,Z
rl,Zrrにそれぞれ「1」を加算し、前記の関係にな
ければ前記各2つの荷重に対応した評価値Zfl,Zfr,
Zrl,Zrrからそれぞれ「1」を減算する。これによ
り、正常な荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rr
に対応した評価値Zfl,Zfr,Zrl,Zrrは正になり、
異常な荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rrに対
応した評価値Zfl,Zfr,Zrl,Zrrは負になるので、
ステップ246〜260の処理により、評価値Zfl,Z
fr,Zrl,Zrrの正負に基づいて荷重センサ63fl,6
3fr,63rl,63rrの異常を判定する。
【0042】すなわち、ステップ210〜214におい
ては、前記ステップ206の処理により一時記憶した前
輪Wfl,Wfrに関する検出荷重Ffl,Ffrの差の絶対値
|Ffl−Ffr|が所定の小さな値ΔF以下であれば、評
価値Zfl,Zfrに「1」をそれぞれ加算し、同絶対値|
Ffl−Ffr|が所定の小さな値ΔFよりも大きければ、
評価値Zfl,Zfrから「1」をそれぞれ減算する。ステ
ップ216〜218においても、後輪Wrl,Wrrに関す
る検出荷重Frl,Frr及び評価値Zrl,Zrrに対しても
同様な処理を実行する。
【0043】ステップ222〜226においては、左前
輪Wfl及び左後輪Wrlに関する検出荷重Ffl,Frlと評
価値Zfl,Zrlに対しても前記ステップ210〜21
4,216〜218と同種の処理を実行する。ただし、
後輪Wrl,Wrrに対する制動力と前輪Wfl,Wfrに対す
る制動力との比は常にほぼ一定であるが、後輪Wrl,W
rrに対する制動力は前輪Wfl,Wfrに対する制動力に比
べて大きくなるように設定されているので、検出荷重F
fl,Frlの比較においては、左前輪Wflの検出荷重Ffl
と、左後輪Wrlの検出荷重Frlに所定値α(例えば、
「0.6」)をかけた値αFrlとの差の絶対値|Ffl−
αFrl|が所定の小さな値ΔF以下であるか否かが判定
される。
【0044】そして、ステップ228〜232において
は、左前輪Wfl及び右後輪Wrrに関する検出荷重Ffl,
Frrと評価値Zfl,Zrrに対して前記ステップ222〜
226の場合と同様な処理が実行される。ステップ23
4〜238においては、右前輪Wfr及び右後輪Wrrに関
する検出荷重Ffr,Frrと評価値Zfr,Zrrに対して前
記ステップ222〜226の場合と同様な処理が実行さ
れる。ステップ240〜244においては、右前輪Wfr
及び左後輪Wlrに関する検出荷重Ffr,Frlと評価値Z
fr,Zrlに対して前記ステップ222〜226の場合と
同様な処理が実行される。
【0045】このようなステップ210〜244の処理
による評価値Zfl,Zfr,Zrl,Zrrの変化について、
具体例を上げて説明しておく。全ての荷重センサ63f
l,63fr,63rl,63rrが正常であれば、評価値Zf
l,Zfr,Zrl,Zrrは「1」ずつ3回に渡って加算さ
れ、最終的にはそれぞれ「+3」になる。一方、左前輪
Wflの荷重センサ63flに異常が発生し、その他の荷重
センサ63fr,63rl,63rrは正常である場合には、
ステップ210〜214,222〜226,228〜2
32の処理により、評価値Zflは「1」ずつ3回に渡っ
て減算される。また、これらのステップ210〜21
4,222〜226,228〜232の処理により、他
の評価値Zfr,Zrl,Zrrも「1」だけそれぞれ減算さ
れるが、これらの他の評価値Zfr,Zrl,Zrrは、ステ
ップ216〜220,234〜238,240〜244
の処理により「1」ずつ2回に渡って加算される。その
結果、最終的には、評価値Zflは「−3」になり、他の
評価値Zfr,Zrl,Zrrはそれぞれ「+1」になる。
【0046】前記ステップ210〜244からなる評価
値Zfl,Zfr,Zrl,Zrrの変更後、ステップ246〜
252の各処理により、各評価値Zfl,Zfr,Zrl,Z
rrがそれぞれ正であるか否かを判定する。全ての評価値
Zfl,Zfr,Zrl,Zrrが正であれば、各ステップ24
6〜252にてそれぞれ「YES」と判定し、ステップ
262にてこの異常判定ルーチンの実行を終了する。こ
の場合、異常フラグEfl,Efr,Erl,Errは”0”に
維持されたままである。一方、評価値Zfl,Zfr,Zr
l,Zrrのいずれかが負であると、ステップ246〜2
52のうちで前記負である評価値に関して判定するステ
ップにて「NO」と判定され、異常フラグEfl,Efr,
Erl,Errのうちで前記負である評価値に対応した異常
フラグが”1”に設定される。その結果、荷重センサ6
3fl,63fr,63rl,63rrのうちのいずれかに異常
が発生すると、異常フラグEfl,Efr,Erl,Errのう
ちの前記異常が発生した荷重センサに対応したフラグ
が”1”に設定される。
【0047】前記のようにして荷重センサ63fl,63
fr,63rl,63rrの異常が判定された結果、全ての異
常フラグEfl,Efr,Erl,Errが”0”であれば、上
述のように、ステップ106における「YES」との判
定のもとに、ステップ108〜112の処理が実行され
る。一方、荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rr
のうちのいずれかに異常が発生して、異常フラグEfl,
Efr,Erl,Errのうちのいずれかが”1”に設定され
ていると、ステップ106にて「NO」と判定してプロ
グラムをステップ118以降に進める。
【0048】ステップ118においては、前記ステップ
110の処理と同様にソレノイドコイル52に通電す
る。したがって、この場合には、ケーブル31を介した
ブレーキペダル39とブレーキユニットBRfl,BRf
r,BRrl,BRrrの機械的な連結が解除される。
【0049】次に、マイクロコンピュータ65は、ステ
ップ120にて第2モータ制御ルーチンを実行する。こ
の第2モータ制御ルーチンは、荷重センサ63fl,63
fr,63rl,63rrによって検出された荷重Ffl,Ff
r,Frl,Frrを用いないで、電流計64fl,64fr,
64rl,64rrによって検出された電流量Ifl,Ifr,
Irl,Irrを用いて、電動モータ28fl,28fr,28
rl,28rrによって車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに電気
的に制動力を付与するものである。この第2モータ制御
ルーチンも、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrr毎に制動力
の付与を制御するものであるが、図8には、各車輪Wf
l,Wfr,Wrl,Wrr共通の一つのプログラムのみを示
している。そのために、この第2モータ制御ルーチンに
おいても、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに対応したサ
フィックス「fl」、「fr」、「rl」、「rr」を
除いた部品符号及び値を用いて説明する。
【0050】この第2モータ制御ルーチンの実行は、図
8のステップ150にて開始され、ステップ152にて
電動モータ28のための目標駆動電流I*を上記図4の
ステップ104の処理により計算した目標制動力F*
(図4では目標制動力Ffl*,Ffr*,Frl*,Frr*)に
基づいて決定する。電動モータ28への駆動電流Iと同
モータ28による車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに対する
制動力Fとの関係は、図9のグラフに示されているよう
に、駆動電流Iが所定値aに達するまでは制動力Fは
「0」に保たれ、駆動電流Iが所定値aを越えると制動
力Fは比例係数bで電流Iの増加に比例して増加する。
したがって、前記ステップ152の処理においては、目
標駆動電流I*を下記数1にしたがって目標制動力F*を
用いて計算する。
【0051】
【数1】I*=(F*/b)+a 次に、ステップ154にて電流計64により検出された
電流量Iと、前記計算した目標駆動電流I*とを比較す
る。検出電流量Iが目標駆動電流I*よりも小さけれ
ば、ステップ154の比較判定処理により、ステップ1
56にて駆動回路66を制御して電動モータ28に対す
る駆動電流を増加させる。検出電流量Iが目標駆動電流
I*に等しければ、ステップ154の比較判定処理によ
り、ステップ158にて駆動回路66を制御して電動モ
ータ28に対する駆動電流を以前の値に維持させる。検
出電流量Iが目標駆動電流I*よりも大きければ、ステ
ップ154の比較判定処理により、ステップ160にて
駆動回路66を制御して電動モータ28に対する駆動電
流を減少させる。前記ステップ156〜160の処理
後、ステップ162にて第2モータ制御ルーチンの実行
を終了する。
【0052】このように電動モータ28(電動モータ2
8fl,28fr,28rl,28rr)の駆動電流が制御され
る結果、上述した第1モータ制御ルーチンの場合と同様
に、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrには目標駆動電流I
*(目標駆動電流Ifl*,Ifr*,Irl*,Irr*)に対応
した制動力が付与される。これらの目標駆動電流Ifl
*,Ifr*,Irl*,Irr*は前記目標制動力Ffl*,Ffr
*,Frl*,Frr*に対応して決定されたものであり、ま
た同目標制動力Ffl*,Ffr*,Frl*,Frr*はブレーキ
ペダル39のストローク量Sに応じて決定されたもので
ある。したがって、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに
は、電動モータ28fl,28fr,28rl,28rrを用い
て、ブレーキペダル39の踏み込み操作量(踏み込み操
作力)に対応した電気式の制動力が付与される。
【0053】前記第2モータ制御ルーチンの実行後、図
4のステップ122にて、運転者に荷重センサ63fl,
63fr,63rl,63rrの異常を知らせるために、前記
異常を表示するための異常処理を実行する。そして、ス
テップ124にて、同メインプログラムの実行を終了す
る。
【0054】上記作動説明からも理解できるように、上
記実施形態においては、ステップ102〜112の処理
により、荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rrに
よって検出された荷重Ffl,Ffr,Frl,Frrを用いて
車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに電気式に制動力を付与す
る車両の制動装置において、ステップ108,114,
116の処理により、所定の判定タイミングでブレーキ
ペダル39とブレーキユニットBRfl,BRfr,BRr
l,BRrrとをペダル連結機構PD及びケーブル31を
介して機械的に連結して、ブレーキペダル39の踏み込
み操作による機械的な制動力を車輪Wfl,Wfr,Wrl,
Wrrに付与した状態で、荷重センサ63fl,63fr,6
3rl,63rrの異常を判定するようにした。これによ
り、電気系による制動力付与とは全く独立して車輪Wf
l,Wfr,Wrl,Wrrに付与されている制動力を検出す
るための荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rrの
異常を検出することになるので、同各荷重センサ63f
l,63fr,63rl,63rrの異常の検出に前記電気系
の制動力付与が影響することがなくなり、同異常の有無
が適切に検出されるとともに、同異常検出の信頼性が高
くなる。
【0055】また、ステップ116の処理によって荷重
センサ63fl,63fr,63rl,63rrの異常が検出さ
れたときには、ステップ106〜120の処理により、
荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rrにより検出
された荷重Ffl,Ffr,Frl,Frrを用いないで、電流
計64fl,64fr,64rl,64rrにより検出された電
流量Ifl,Ifr,Irl,Irrを用いて、車輪Wfl,Wf
r,Wrl,Wrrに電気式に制動力を付与するようにし
た。その結果、荷重センサ63fl,63fr,63rl,6
3rrに異常が発生した場合でも、車輪Wfl,Wfr,Wr
l,Wrrに電気式の制動力を付与できる。
【0056】次に、上記実施形態の変形例について説明
する。
【0057】a.第1変形例 上記実施形態においては、ブレーキペダル39の踏み込
み操作に関係した物理量としてストロークセンサ61に
より検出したブレーキペダル39のストローク量Sを用
いるようにしたが、ブレーキペダル39はリターンスプ
リング41により初期位置に付勢されていて同ペダル3
9の踏み込み操作量は操作力に比例するので、前記スト
ロークセンサ61に代えて図3に破線で示すようにプッ
シュロッド44に組み付けた荷重センサ58を用い、同
荷重センサ58により検出された荷重を前記ブレーキペ
ダル39の踏み込み操作に関係した物理量として利用す
ることもできる。また、この種の荷重センサ58を、ブ
レーキペダル39、クレビス43などのブレーキペダル
39の踏み込み操作力が伝達される経路に設けるように
してもよい。この場合、マイクロコンピュータ65は、
図4のステップ102にてストローク量Sに代えて前記
荷重センサ58により検出された荷重(踏み込み操作量
及び踏み込み操作力に対応)を取り込み、ステップ10
4にて前記取り込んだ荷重に応じて各車輪Wfl,Wfr,
Wrl,Wrrに対する目標制動力Ffl*,Ffr*,Frl*,
Frr*を決定するようにすればよい。
【0058】b.第2変形例 上記実施形態においては、ブレーキユニットBRfl,B
Rfr,BRrl,BRrrにおいて車輪Wfl,Wfr,Wrl,
Wrrに付与されている制動力に関係した物理量として、
荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rrにより検出
された荷重Ffl,Ffr,Frl,Frrを用いるようにし
た。しかし、これらの荷重Ffl,Ffr,Frl,Frrは、
ケーブル25の変位量、レバー23の回転量などにほぼ
比例するので、図1に示すように、ブレーキユニットB
Rfl,BRfr,BRrl,BRrr内にケーブル25の変位
量又はレバー23の回転量を検出するセンサ68fl,6
8fr,68rl,68rrをそれぞれ設け、同センサ68f
l,68fr,68rl,68rrによる検出値を前記検出荷
重Ffl,Ffr,Frl,Frrに代えて用いるようにしても
よい。なお、この場合も、センサ68fl,68fr,68
rl,68rrによる検出値を、車輪Wfl,Wfr,Wrl,W
rrに実際に付与される制動力に換算する必要があり、同
各検出値が図5の第1モータ制御ルーチン及び図6,7
の異常判定ルーチンにて上記実施形態の検出荷重Ffl,
Ffr,Frl,Frrに代えて用いられるようにすればよ
い。また、ケーブル25の変位量又はレバー23の回転
量を検出するのに代え、電動モータ28(電動モータ2
8fl,28fr,28rl,28rr)の回転量、減速器27
内の回転量、ボールねじ機構26内の回転運動部の回転
量、同機構26内の直線運動部の変位量などを検出する
ようにしてもよい。
【0059】c.第3変形例 上記実施形態の電流計64fl,64fr,64rl,64rr
に代えて、上記第2変形例のケーブル25の変位量、レ
バー23の回転量、電動モータ28の回転量、減速器2
7内の回転量、ボールねじ機構26内の回転運動部の回
転量及び同機構26内の直線運動部の変位量のうちのい
ずれかを検出するセンサ68fl,68fr,68rl,68
rrを設け、これらのセンサ68fl,68fr,68rl,6
8rrによる検出値を用いて荷重センサ63fl,63fr,
63rl,63rrの異常時における制動力の付与を行うよ
うにしてもよい。
【0060】この場合、前記センサ68fl,68fr,6
8rl,68rr(以下、この場合も単にセンサ68とい
う)による変位量又は回転量を検出値CSとし、上記図
8の第2モータ制御ルーチンを図10に示す第2モータ
制御ルーチンに変更する。この変更した第2モータ制御
ルーチンの実行は、図10のステップ170にて開始さ
れ、ステップ172にて上記図4のステップ104の処
理により計算した目標制動力F*(図4では目標制動力
Ffl*,Ffr*,Frl*,Frr*)を前記検出値CSに対応
した目標変位量CS*(又は目標回転量CS*)に換算す
る。前記センサ68によって検出される変位量CS(又
は回転量CS)と車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに対する
制動力Fとの関係は、図11のグラフに示されているよ
うに、制動力Fは比例係数cで変位量CSに比例して増
加する。したがって、前記ステップ172の処理におい
ては、目標変位量CS*(又は目標回転量CS*)を下記
数2にしたがって目標制動力F*を用いて計算する。
【0061】
【数2】CS*=F*/c 次に、ステップ174にて前記センサ68により検出さ
れた変位量CS(又は回転量CS)と、前記計算した目
標変位量CS*とを比較する。そして、ステップ174
〜180の処理により上記実施形態の場合と同様に、検
出変位量CS(又は回転量CS)が目標変位量CS*よ
りも小さければ、駆動回路66を制御して電動モータ2
8に対する駆動電流を増加させる。検出変位量CS(又
は回転量CS)が目標変位量CS*に等しければ、駆動
回路66を制御して電動モータ28に対する駆動電流を
以前の値に維持させる。検出変位量CS(又は回転量C
S)が目標変位量CS*よりも大きければ、駆動回路6
6を制御して電動モータ28に対する駆動電流を減少さ
せる。前記ステップ176〜180の処理後、ステップ
182にてこの変更した第2モータ制御ルーチンの実行
を終了する。
【0062】これによっても、荷重センサ63fl,63
fr,63rl,63rrの異常が検出された場合には、同荷
重センサ63fl,63fr,63rl,63rrにより検出さ
れた荷重Ffl,Ffr,Frl,Frrを用いないで、前記セ
ンサ68fl,68fr,68rl,68rrにより検出された
変位量CS(又は回転量CS)を用いて、車輪Wfl,W
fr,Wrl,Wrrに電気式の制動力を付与できる。
【0063】d.第4変形例 この第4変形例は、上記実施形態の図6,7の異常判定
ルーチンのステップ210〜262の処理をステップ2
70〜286の処理に変更したものである。これは、ブ
レーキペダル39の踏み込み操作により機械的な制動力
の付与されている状態であっても、荷重センサ63fl,
63fr,63rl,63rrが正常であれば、同センサ63
fl,63fr,63rl,63rrにより検出された車輪Wf
l,Wfr,Wrl,Wrrに実際に付与されている制動力を
表す各検出荷重Ffl,Ffr,Frl,Frrは、ブレーキペ
ダル39の踏み込み操作量を表すストローク量Sに基づ
いて図4のステップ104で計算した目標制動力Ffl
*,Ffr*,Frl*,Frr*にほぼ等しいことに基づくもの
である。
【0064】したがって、ステップ270〜276にお
いては、各検出荷重Ffl,Ffr,Frl,Frrと各目標制
動力Ffl*,Ffr*,Frl*,Frr*との各差の絶対値|F
fl−Ffl*|,|Ffr−Ffr*|,|Frl−Frl*|,|
Frr−Frr*|が所定の小さな値ΔF以下である否かを
それぞれ判定する。そして、前記各絶対値|Ffl−Ffl
*|,|Ffr−Ffr*|,|Frl−Frl*|,|Frr−Fr
r*|が値ΔF以下であれば、全ての荷重センサ63fl,
63fr,63rl,63rrが正常であるとの判断のもと
に、ステップ270〜286にてそれぞれ「YES」と
判定して、ステップ286にてこの異常判定ルーチンの
実行を終了する。この場合、異常フラグEfl,Efr,E
rl,Errは”0”に維持されたままである。
【0065】一方、前記各絶対値|Ffl−Ffl*|,|
Ffr−Ffr*|,|Frl−Frl*|,|Frr−Frr*|の
うちのいずれかが値ΔFよりも大きければ、ステップ2
70〜276のうちで、前記ΔFよりも大きな絶対値|
Ffl−Ffl*|,|Ffr−Ffr*|,|Frl−Frl*|,
|Frr−Frr*|に対応したステップにて「NO」と判
定され、ステップ278〜284の処理により、異常フ
ラグEfl,Efr,Erl,Errのうちで前記値ΔFよりも
大きな絶対値|Ffl−Ffl*|,|Ffr−Ffr*|,|F
rl−Frl*|,|Frr−Frr*|に対応した異常フラグ
を”1”に設定する。これにより、この第4変形例にお
いても、上記実施形態の場合と同様に、荷重センサ63
fl,63fr,63rl,63rrの異常が判定される。
【0066】なお、上記第2変形例のように、荷重セン
サ63fl,63fr,63rl,63rrによる検出荷重Ff
l,Ffr,Frl,Frrに代えて、センサ68fl,68f
r,68rl,68rrによる検出変位量又は検出回転量を
用いて車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに付与される制動力
を制御する場合には、ステップ270〜276の処理に
より、同検出した変位量又は回転量と前記目標制動力F
fl*,Ffr*,Frl*,Frr*とを比較するようにすればよ
い。
【0067】e.その他の変形例 なお、上記実施形態及び第4変形例による異常判定にか
えて、ブレーキペダル39の踏み込み操作による機械的
な制動力が車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに付与されてい
る状態で、上記実施形態の荷重センサ63fl,63fr,
63rl,63rr又は上記第2変形例のセンサ68fl,6
8fr,68rl,68rrにより検出される変位量(又は回
転量)が所定値以上であるか否かななどの簡単な方法
で、前記各センサの異常を検出するようにしてもよい。
【0068】また、上記実施形態及び第3変形例によれ
ば、荷重センサ63fl,63fr,63rl,63rrに異常
が発生した場合にも、電流計64fl,64fr,64rl,
64rr又はセンサ68fl,68fr,68rl,68rrを用
いて車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに電気的な制動力を付
与するようにしたが、前記荷重センサ63fl,63fr,
63rl,63rrの異常時には、車輪Wfl,Wfr,Wrl,
Wrrに対する制動力付与を機械式に切り換えるようにし
てもよい。この場合、前記荷重センサ63fl,63fr,
63rl,63rrの異常時にソレノイドコイル52への通
電を解除し、ブレーキペダル39の踏み込み操作力がペ
ダル連結機構PD及びケーブル31を介してブレーキユ
ニットBRfl,BRfr,BRrl,BRrrに伝達されるよ
うにして、車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに機械的な制動
力が付与されるようにすればよい。また、荷重センサ6
3fl,63fr,63rl,63rrに異常が発生した場合に
は、電流計64fl,64fr,64rl,64rr又はセンサ
68fl,68fr,68rl,68rrを用いた制動力制御を
行い、さらに、これらの制動力制御にも異常が発生した
場合にのみ前記機械的な制動力制御を行うようにしても
よい。これにより、各種電気系統の異常時にも、的確に
対処できる。
【0069】また、上記実施形態及び第1〜第4変形例
においては、機械的に車輪に制動力を付与する場合に
は、ブレーキペダル39とブレーキユニットBRfl,B
Rfr,BRrl,BRrrとをペダル連結機構PD及びケー
ブル31により連結するようにしたが、このケーブル3
1の連結に代えて油圧などの他の機械的な手段によりブ
レーキペダル39とブレーキユニットBRfl,BRfr,
BRrl,BRrrとを選択的に連結するようにしてもよ
い。
【0070】また、上記実施形態及び第1〜第4変形例
においては、本発明をドラム式のブレーキユニットBR
fl,BRfr,BRrl,BRrrを用いた車両の制動装置に
適用したが、本発明はディスク式のブレーキユニットを
用いた車両の制動装置にも適用できる。この場合、ブレ
ーキユニットを、車輪と一体的に回転するディスクにブ
レーキパッドを電動モータなどの電気アクチュエータで
押し付けることを可能に構成しておくとともに、ブレー
キペダルとブレーキパッドをケーブル、油圧などの機械
的手段で選択的に連結して、機械的手段により車輪に制
動力を付与することを可能に構成しておく。そして、電
気アクチュエータによるブレーキパッドの駆動制御のた
めに、電気アクチュエータによってブレーキパッドに付
与される加圧力、電気アクチュエータによるブレーキパ
ッドの変位量などを検出するセンサを設けておき、同セ
ンサの出力値と上述した目標制動力とを比較して電気ア
クチュエータを駆動制御して車輪に目標制動力を付与す
るようにしておけばよい。さらに、前記のような加圧
力、変位量などを検出するセンサの異常検出にあたって
は、前記機械的手段により車輪に制動力を付与した状態
で、前記センサ出力値に基づいて同センサの異常を上述
した実施形態又は各種変形例による各種方法で検出する
ようにすればよい。
【0071】さらに、上記実施形態及び第1〜第4変形
例においては、荷重センサ63fl,63fr,63rl,6
3rr又はセンサ68fl,68fr,68rl,68rrの異常
を異常判定ルーチンの処理によって検出する際、車両の
通常走行時に使用されるブレーキペダル39の踏み込み
操作を機械的にブレーキユニットBRfl,BRfr,BR
rl,BRrrに伝達して機械式の制動力を車輪Wfl,Wf
r,Wrl,Wrrに一時的に付与するようにした。しか
し、この一時的な機械式の制動力付与を、パーキングブ
レーキ用のペダルブレーキ操作子又はハンドブレーキ操
作子の操作により行うようにしてもよい。また、荷重セ
ンサ63fl,63fr,63rl,63rr又はセンサ68f
l,68fr,68rl,68rrの異常を検出するための特
別な操作子を運転席近傍に設け、運転者によるこの特別
な操作子に対する操作力を機械的にブレーキユニットB
Rfl,BRfr,BRrl,BRrrに伝達して機械式の制動
力を車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに一時的に付与し、同
機械的な制動力の付与時に前記センサの異常判定を行う
ようにしてもよい。
【0072】また、上記実施形態及び第1〜第4変形例
においては、4つの車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrとも機
械的な制動力を付与可能としたが、本発明は、4つの車
輪のうちの一部の車輪(例えば4輪のうちの2輪)には
機械的な制動力の付与を不能とする車両の制動装置にも
応用できる。この場合、機械的な制動力を付与可能な車
輪に関するセンサに関しては、上記実施形態及び各種変
形例と同様な方法で異常判定処理を行うようにすればよ
い。そして、機械的な制動力の付与を不能とする車輪に
関するセンサに関しては、電気的に制動力が付与されて
いる状態で、前記異常判定により正常と判定されたセン
サ出力を用い、同センサ出力と機械的な制動力の付与を
不能とする車輪側のセンサ出力とを比較して異常判定を
行うようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る車両の制動装置の
概略図である。
【図2】 図1のブレーキユニットの概略平面図であ
る。
【図3】 図1のペダル連結機構の概略断面図である。
【図4】 図1のマイクロコンピュータにて実行される
メインプログラムのフローチャートである。
【図5】 図4の第1モータ制御ルーチンを詳細に示す
フローチャートである。
【図6】 図4の異常判定ルーチンの前半部分を詳細に
示すフローチャートである。
【図7】 同異常判定ルーチンの後半部分を詳細に示す
フローチャートである。
【図8】 図4の第2モータ制御ルーチンを詳細に示す
フローチャートである。
【図9】 電動モータの駆動電流と制動力との関係を示
す特性グラフである。
【図10】 図8の変形例に係る第2モータ制御ルーチ
ンを詳細に示すフローチャートである。
【図11】 ブレーキユニットにおける制動力に対応し
た駆動部材の変位量と同制動力との関係を示す特性グラ
フである。
【図12】 図6,7の変形例に係る異常判定ルーチン
を詳細に示すフローチャートである。
【符号の説明】
Wfl,Wfr,Wrl,Wrr…車輪、BRfl,BRfr,BR
rl,BRrr…ブレーキユニット、PD…ペダル連結機
構、12…回転部材、15,16…ブレーキシュー、2
1,22…ブレーキライニング、23…レバー、25,
31…ケーブル、26…ボールねじ機構、28,28f
l,28fr,28rl,28rr…電動モータ、29,32
…リターンスプリング、37…第1ピストン、39…ブ
レーキペダル、45…第2ピストン、47…ピン、52
…ソレノイドコイル、56…ボールねじ機構、58…荷
重センサ、61…ストロークセンサ、62…ブレーキス
イッチ、63fl,63fr,63rl,63rr…荷重セン
サ、64fl,64fr,64rl,64rr…電流計、65…
マイクロコンピュータ、68fl,68fr,68rl,68
rr…変位量又は回転量のためのセンサ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪と一体的に回転する回転部材に摩擦部
    材を押しつけて車輪に制動力を付与するブレーキユニッ
    トと、 前記ブレーキユニットに組み付けられ前記摩擦部材を変
    位させて前記回転部材に押しつける電気アクチュエータ
    と、 前記ブレーキユニットによる制動力に関係した物理量を
    検出する制動力検出手段と、 前記検出された物理量に基づいて目標となる制動力が車
    輪に付与されるように前記電気アクチュエータを制御す
    る電気制御手段とを備えた車両の制動装置において、 前記電気アクチュエータによる駆動に代え前記摩擦部材
    を機械的に変位させて前記回転部材に押しつけることを
    可能とする機械式制動力付与機構を設け、 前記電気アクチュエータに代えて機械式制動力付与機構
    により車輪に制動力が付与されている状態で、前記制動
    力検出手段により検出された物理量に基づいて前記制動
    力検出手段の異常を判定する異常判定手段を設けたこと
    を特徴とする車両の制動装置。
  2. 【請求項2】車輪と一体的に回転する回転部材に摩擦部
    材を押しつけて車輪に制動力を付与するブレーキユニッ
    トと、 前記ブレーキユニットに組み付けられ前記摩擦部材を変
    位させて前記回転部材に押しつける電気アクチュエータ
    と、 前記ブレーキユニットによる制動力に関係した第1物理
    量を検出する制動力検出手段と、 ブレーキペダルの踏み込み操作に関係した第2物理量を
    検出するペダル操作検出手段と、 前記検出された第1物理量及び第2物理量に基づいて同
    第2物理量に対応した制動力が車輪に付与されるように
    前記電気アクチュエータを制御する電気制御手段とを備
    えた車両の制動装置において、 前記ブレーキペダルと前記摩擦部材とを機械的に連結し
    て同ブレーキペダルの踏み込み操作により同摩擦部材を
    機械的に変位させて前記回転部材に押しつけること、及
    び前記機械的な連結を解除して前記摩擦部材の機械的な
    変位による摩擦部材の回転部材に対する押しつけを解除
    することを選択可能とする選択連結機構を設け、 前記電気アクチュエータの作動を禁止するとともに前記
    選択連結機構による前記ブレーキペダルと前記摩擦部材
    との機械的な連結状態を選択し、同ブレーキペダルの踏
    み込み操作により同摩擦部材が同選択連結機構を介して
    機械的に変位されて前記回転部材に押しつけられている
    状態で、前記制動力検出手段により検出された第1物理
    量に基づいて前記制動力検出手段の異常を判定する異常
    判定手段を設けたことを特徴とする車両の制動装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004123094A (ja) * 2002-10-04 2004-04-22 General Motors Corp <Gm> 斜面におけるスリップしきい値を調整するためのアンチロック・ブレーキング・システム制御装置
JP2008168662A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Hi-Lex Corporation 車両の電動パーキングブレーキシステム
CN102494902A (zh) * 2011-11-14 2012-06-13 南车四方车辆有限公司 制动缸试验台及制动缸试验方法
KR101621083B1 (ko) * 2010-08-19 2016-05-13 현대모비스 주식회사 전자식 주차 브레이크 시스템의 제어 방법

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