JP2000071126A - 放電表面処理方法および放電表面処理装置 - Google Patents

放電表面処理方法および放電表面処理装置

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JP2000071126A
JP2000071126A JP10241894A JP24189498A JP2000071126A JP 2000071126 A JP2000071126 A JP 2000071126A JP 10241894 A JP10241894 A JP 10241894A JP 24189498 A JP24189498 A JP 24189498A JP 2000071126 A JP2000071126 A JP 2000071126A
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Hidetaka Miyake
英孝 三宅
Yoshihito Imai
祥人 今井
Akihiro Goto
昭弘 後藤
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性物質表面に良質な硬質表面処理層を形
成する。 【解決手段】 改質材料、あるいは改質材料の元となる
電極と被処理材である金属との間に電圧を印加して放電
を発生させることにより、該導電性材料表面に改質層を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改質材料あるいは
改質材料の元となる電極と被処理材である導電性物質と
の間に放電を発生させることにより、被処理材表面に改
質層を形成する放電表面処理方法および放電表面処理装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液中放電によって金属材料等の表面をコ
ーティングして、耐食性,耐摩耗性を与える技術は既に
特許出願され公知となっている。その技術の骨子は次の
とおりである。WCとCoの粉末を混合して圧縮成形し
た混合圧縮粉体電極で液中放電を行うことにより、この
混合粉体電極を構成している電極材料を被処理材(ワー
ク)に堆積させる。この後、別の電極(例えば、銅電
極,グラファイト電極)によって、再溶融放電加工を行
い、より高い硬度と高い密着力を得る方法である。
【0003】以下、従来技術について、図9を用いて説
明する。WCーCo(タングステンカーバイドーコバル
ト)の混合圧粉体電極17を用いて、被処理材1(母材
S50C)に液中放電加工を行い堆積させる(1次加
工)、19は堆積した電極材料の被覆層である。次い
で、銅電極のようなそれほど消耗しない電極18によっ
て再溶融加工(2次加工)を行う。1次加工の堆積のま
までは、組織は硬度もHv=1410程度であり、また
空洞も多かったが、2次加工の再溶融加工によって被覆
層19の空洞が無くなり、硬度もHv=17590と向
上している。
【0004】この方法では、被処理面の硬度を向上させ
る一方で、その面粗さは約10μmになる。これは生成
被膜自体の面粗さの限界であり、これよりも面粗さを得
ることは困難である。また、2次加工における被膜の再
溶融が不完全な場合、被処理材の形状精度を低下させる
ことなく被膜処理することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の放電表面処理方
法は、上記のように被処理材の形状や生成被膜厚さの限
界により、均質な改質層が得られないという問題があっ
た。
【0006】本発明は、上記のような課題を解消するた
めになされたもので、被処理材の形状や生成する被膜面
粗さに関係なく、良好な改質層を形成することができる
放電表面処理方法および放電表面処理装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の構成で
ある放電表面処理方法は、改質材料あるいは改質材料の
元となる材料からなる電極と被処理材である導電性物質
との間に電圧を印加して放電を発生させることにより該
被処理材の表面に改質層を形成し、その後、研削あるい
は研磨という整形処理を行うものである。
【0008】また、この発明の第2の構成である放電表
面処理装置は、改質材料あるいは改質材料の元となる材
料からなる電極と被処理材である導電性物質との間に電
圧を印加して放電を発生させることにより該被処理材の
表面に改質層を形成した後、被膜の研削あるいは研磨処
理を行い改質被膜を形成する放電表面処理装置におい
て、改質材料あるいは改質材料の元となる材料からなる
電極を保持する電極保持装置と、研削あるいは研磨処理
用の研削・研磨装置(整形装置)とを備えたものであ
る。
【0009】また、この発明の第3の構成である放電表
面処理方法は、改質材料あるいは改質材料の元となる材
料からなる電極と被処理材である導電性物質との間に電
圧を印加して放電を発生させることにより該被処理材の
表面に改質層を形成し、その後、整形処理を繰返し行う
ことにより、緻密な改質層を得るものである。
【0010】また、この発明の第4の構成である放電表
面処理方法は、改質材料あるいは改質材料の元となる材
料からなる電極と被処理材である導電性物質との間に電
圧を印加して放電を発生させることにより該導電性物質
表面に仕上げ寸法より厚めに改質層を形成し、その後、
整形処理を行うものである。
【0011】また、この発明の第5の構成である放電表
面処理方法は、改質材料あるいは改質材料の元となる材
料からなる電極と被処理材である導電性物質との間に電
圧を印加して放電を発生させることにより、該導電性物
質表面の摩耗部分や欠陥部分び対して重点的に改質層を
形成した後、整形処理などにより、その余分な改質層を
除去するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1および図2は
この発明の実施の形態1である放電表面処理方法を示
す。図において、1は導電性物質よりなる被処理材であ
る。2は例えば水素化チタンバナジウムカーバイド,グ
ラファイトなどが混合された圧粉体電極であり、この電
極は改質材料あるいは改質材料の元となる材料により構
成されている。最初の工程として、放電加工液中で、混
合圧粉体電極2と被処理材1の表面との間で放電加工を
行う(図1(A)(B))。22は放電加工により被処
理材1に堆積した電極材料物質の被覆層(改質層とい
う)である。この改質層22は混合圧粉体電極2を構成
する改質材料あるいは改質材料の元となる材料と被処理
材とが瞬時に溶融凝固することにより構成される。この
改質層には被処理材の表面上から中へ厚さ数ミクロンの
深さにまで達する拡散層23が形成されている。すなわ
ち、母材である被処理材1の上面にはTiC層として、
被処理材1の下面にはTiC等が拡散した層として形成
される。
【0013】図2(A)に示すように、被処理材の表面
上には所定厚さの層となっており、拡散層22を含む改
質層23が形成されている。混合圧粉体電極2による放
電表面処理方法の次の工程として、図2(A)に示すよ
うに、被処理材1の表面に形成された改質層22を研削
工具21等により整形(研削または研磨)することによ
り、改質層22の面粗さを改善する。
【0014】改質層22を研削すると、図2(B)に示
すように、その表面に形成された拡散層23が現れると
この拡散層23のため、硬度,耐摩耗性,耐食性などの
特性が処理前に比べて大きく向上する。しかも、面粗さ
が良好で、厚さの均一な改質層を得ることができる。1
μmRmax 以下という高精度な表面を形成することがで
きる。
【0015】この発明の放電表面処理方法は、切削工
具,プレス金型の切れ刃,ジグ,その他処理後の形状精
度が要求される被処理材に有効である。
【0016】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2である放電表面処理装置を示す構成図である。図に
おいて、1は例えばエンドミル(被処理材)、2は上述
した混合圧粉体電極であり、TiH2 (水素化チタン
系)で構成されている。3はエンドミル1を保持する保
持装置、4はモータ7に連結された回転軸5を介して保
持装置4を回転させると共にZ軸駆動機構8により矢印
Z方向にスライドさせるZ軸駆動装置、6は混合圧粉体
電極2を保持する電極保持装置であり加工槽11内に載
置されている。12は加工槽11内にみたされた放電加
工液であり、上記エンドミル1,混合圧粉体電極2はこ
の放電加工液中に配置されている。13はエンドミル1
と混合圧粉体電極2との間に放電を発生させるための電
源装置である。
【0017】なお、上記加工槽11はXおよびYテーブ
ル101,102に載置され、各々X軸駆動機構9,Y
軸駆動機構10により、X軸およびY軸の方向に移動
し、加工槽11を介して、保持装置6がX軸およびY軸
方向に移動可能である。14は制御装置であり、エンド
ミル1の刃先の長さ,リード角,工具径に関する刃先の
軌跡移動に関する数値データを記憶するメモリ,CPU
を備え、エンドミル1の刃先が電極に沿って動くようエ
ンドミル1を制御する。16はエンドミル1と混合圧粉
体電極2との間の極間距離を検出する極間検出回路であ
り、極間距離の検出信号を制御装置14へ送る。制御装
置14は上記検出信号を受け、XおよびYテーブル10
1,102を移動させる制御信号をXおよびY軸駆動機
構9,10へ送り、エンドミル1と混合圧粉体電極2と
の間の極間距離を所定置に制御する。20は整形装置と
しての研削装置であり、研削工具21を備え、加工槽1
1内に載置されているため、X軸およびY軸駆動機構1
01,102により、X軸,Y軸方向に移動可能であ
る。更に、研削装置20は、内蔵されている駆動機構に
よって直交するx,y,zの3軸回りに回転する構造を
有している。
【0018】次に、以上のように構成された放電表面処
理装置の動作について説明する。混合圧粉体電極2を固
定した状態で、Z軸駆動装置4およびZ軸駆動機構8に
よってエンドミル1の刃先の先端が混合圧粉体電極2に
対し、所定の放電間隙となるようエンドミル1をZ方向
にスライドおよびZ方向の軸を中心に回転させることに
より、エンドミル1の位置を制御する。その後、放電加
工液中において、エンドミル1と混合圧粉体電極2との
間に電源装置13より電力を供給して両者間に放電を発
生させる。この時、制御装置14からZ軸駆動装置4,
Z軸駆動機構8に対し、エンドミル1の刃先を混合圧粉
対電極2に沿って移動させるための指令信号(刃先の軌
跡移動を指令する)を送ると共にX軸駆動機構9,Y軸
駆動機構10に対し、エンドミル1と混合圧粉体電極2
との間の極間距離を所定値に維持するため、極間制御信
号が送られる。制御装置14からの上記指令信号を受け
たZ軸駆動装置4およびZ軸駆動機構8により、刃先が
混合圧粉体電極2に沿うようにエンドミル1を移動させ
る。そして、制御装置14からの上記極間制御信号を受
けたX軸駆動機構9およびY軸駆動機構10により、X
テーブル101,Yテ−ブル102をXおよびY方向に
移動させることによって混合圧粉体電極2とエンドミル
1との極間距離を調整して一定に維持しながら上記放電
を行う。
【0019】このような制御によってエンドミル1の刃
先部分にのみ図1(B)に示すような改質層を形成する
ことができる。すなわち、この放電により、図1(A)
のように混合圧粉体電極2が消耗し、この混合圧粉体電
極2の成分であるTiCを中心とした改質層をエンドミ
ル1表面の刃先に形成することができる。この改質層は
図1(A),図2(A)に示すものと同じ構造である。
この場合の電極はTiH2 (水素化チタン)系の混合圧
粉体電極だけでなく、ソリッドのTi電極でもよい。
【0020】エンドミル1とTiH2 (水素化チタン)
系の混合圧粉体電極2との間の放電でエンドミル1表面
に形成された改質層は、TiC(炭化チタン)が主成分
となる。これは、放電加工液12が油であるため、放電
の熱で分解した油の成分のC(炭素)と電極中のTiが
熱により化学反応を起こしてTiCとなるためである。
エンドミル1とTiH2 (水素化チタン)系の混合圧粉
体電極2との間の放電により、混合圧粉体電極2が消耗
して、被処理材であるエンドミル1の表面に対して付着
する。この時、改質層とエンドミル1との界面において
改質物質の主成分であるTiC(炭化チタン)と被処理
材とが混合して再凝固した層が形成される。改質層は図
2(A)に示すように、エンドミル1の表面より上面に
はTiCの層として、エンドミル1の表面より下面には
母材内部にTiCが拡散した層として形成される。Ti
Cは非常に硬質(ビッカース硬度2000〜3000)
であり、改質層として良質のものである。Ti以外にも
炭化物が硬質の物質であるV(バナジウム),Nb(ニ
オブ),Ta(タンタル)等を成分とする電極を使用し
ても同様の効果がえられる。
【0021】次に、加工層11内の放電加工液を除去し
た後、TiCを主成分とする改質層を形成したエンドミ
ル1に整形処理としての研削処理を行う。研削工具21
は、例えば、ダイヤモンド砥粒,CBN,アルミナ質,
炭化珪素質の物質などからなる砥石であり、研削装置2
0により保持されて回転する。エンドミル1を固定して
おき、Xテーブル101,Yテーブル102をX軸駆動
機構9,Y軸駆動機構10によりX軸,Y軸方向にそれ
ぞれ所定距離だけスライドさせると共に、研削装置20
により、研削工具21の回転面をエンドミル1の改質層
の形成面に接触させながら、Z軸駆動機構8と回転軸駆
動装置4によりエンドミルを主軸5の回りに回転させな
がらZ方向にスライドさせることにより、改質層の表面
が研削される。エンドミル1の表面上に形成された改質
層の部分が研削により除去され、エンドミル1の表面か
ら深さ約5μmの厚さに形成された拡散層の部分が残さ
れた状態となる。従って、図2(B)と同様にエンドミ
ル1の表面は非常に硬質の拡散層により形成することが
できる。
【0022】すなわち、エンドミル1の表面から5μm
の深さの領域では、電極に使用されている材料と、エン
ドミル1を構成している材料とが瞬時に溶融凝固するこ
とにより、拡散層が形成されている。改質層23硬度は
深さ方向に傾斜特性を有している。そのため、エンドミ
ル1と改質層23の界面付近の硬度勾配が小さくなるの
で改質層23の密着度が高く、砥石回転軸をワーク表面
に対して、平衡に移動させる動作を行い、砥石を回転さ
せながらワーク表面方向へ回転軸を送り込むことで、被
膜を徐々に研削する。
【0023】本実施の形態による放電表面処理方法にお
いては、形成された改質層の面粗さを改善するために改
質層の整形処理として研削・研磨を行う。これにより、
改質層の面粗さを向上させ、改質層の面粗さを向上さ
せ、摺動部における摩耗抵抗を軽減させることができ
る。
【0024】実施の形態3.図4はこの発明の実施の形
態3である放電表面処理装置を示す構成図である。研削
装置21は図3に示すように加工槽11内に設置する必
要はなく、図4に示すように加工槽11の外に設置して
もよい。
【0025】以下、図4により実施の形態3である放電
表面処理装置について具体的に説明する。図において、
1〜14,1b,20,21,101,102は図3と
同一の構成であるが、Xテーブル101上には加工槽1
1と研削装置20が載置され、加工槽11内に混合圧粉
体電極2を保持する電極保持装置6が配置されている構
成は図1と同一であり、エンドミル1の刃先に改質層を
上述した実施の形態2と同様にして形成することができ
る。
【0026】エンドミル1の刃先に改質層を形成した
後、保持装置3およびZ軸回転駆動装置4と共にコンド
ミル1を図中矢印で示すように研削装置20の研削工具
21に対向する位置まで移動させる。以後、研削工具2
1により、エンドミル1の刃先部分の改質層を上述した
実施の形態2と同様に整形処理して研削する。
【0027】この構成によれば、研削装置20を加工槽
11の外側に配置したことにより図3の構成に比べて、
研削屑による加工液の汚れや、砥石(研削工具)の回転
による加工液の飛散をなくすことができるという効果が
ある。
【0028】実施の形態4.図5はこの発明の実施の形
態4である放電表面処理装置を示す構成図である。図に
おいて、1〜14,16,20,21,101,102
は図3尾呼び図4と同一の構成である。研削装置20が
加工槽11の外側にある点は図4の構成と同じである
が、図4では研削装置20が直接Xテーブル101およ
びYテーブル1102上に載置されているのに対し、図
5では加工槽11の外壁Pに取り付けられている点で相
違しているのみである。このような構成において、図
3,図4の放電表面処理装置と同じ動さによってエンド
ミル1の刃先に図1と同様の改質層を形成することがで
きる。
【0029】エンドミル1の刃先に改質層を形成した
後、保持装置3およびZ軸回転駆動装置4と共にエンド
ミル1を図中の矢印方向へ移動させ、エンドミル1の刃
先を研削工具21により研削できる位置で停止させる。
この後、研削工具21によりエンドミル1の刃先に形成
された改質層を実施の形態2と同様にして形成処理とし
て研削する。
【0030】この構成によれば、研削装置20を加工槽
11の外側に配置したことにより、図3の構成に比べ
て、研削屑による加工液の汚れや、砥石(研削工具)の
回転による加工液の飛散を阻止することができる。
【0031】実施の形態5.図6はこの発明の実施の形
態5である放電表面処理方法を示す工程図である。図6
(A)は被処理材1上に、実施の形態1で述べた方法、
すなわち図1(A)に示す方法により改質層22が形成
された状態を示す。この改質層22を仕上げ厚さ寸法t
より厚く形成しておく。その後、図6(B)に示すよう
に、複数回の研削により余分な改質層22を除去して図
69(C)に示すように所望の厚さtの改質層22に仕
上げる。この実施の形態による放電表面処理法によれ
ば、面粗さの良好な膜厚を厚く形成することができると
共に厚さ精度が良好な改質層22を得ることができる。
【0032】また、被処理材1と改質層22との界面数
μmの領域では、混合圧粉体電極として使用した改質材
料あるいは改質材料の元となる材料である例えば水素化
チタンと被加工材料との溶融凝固が瞬時に行われ、一種
の拡散層23が形成されている。すなわち、被処理材1
の上面にはTiC層として、被処理材1の下面にはTi
C等が拡散した層として形成される。そのため、生成厚
さt以上に改質層22を研削してもその材料表面に形成
された拡散層23が形成されているため硬度,耐摩耗
性,耐食性などが放電表面処理以前より大きく向上して
いる。
【0033】したがって、研削・研磨により面粗さが良
好であり、かつ、改質層厚さが均一な放電表面処理面を
得ることができ、形状精度の高い被処理材を得ることが
できる。
【0034】本放電表面処理方法によると、被加工材に
改質層の厚さを均一、かつ、高精度に形成することがで
きる。この工程は、切削工具,エンドミルの他に金型,
ジグ,その他工具に対しても適用でき、同様の効果を得
ることができる。
【0035】実施の形態6.図7はこの発明の実施の形
態6である放電表面処理方法を示す工程図である。この
放電表面処理方法では、改質層の形成工程と研削工程に
おいて、これらの工程を交互に繰返しながら改質層を形
成する。図7(A)は改質層22を被処理材1上に形成
する工程であり、図1(A)の工程と同じである。図7
(B)は被処理材1上に形成された改質層22を研削装
置21により所定厚さになるように一部除去する研削工
程であり、図1(B)と同じである。図7(A)に示す
改質層22の形成工程において、ポーラスな状態や厚さ
が不均一な改質層が形成された場合、その改質層を一定
量研削する。これにより、改質層の厚さや面性状が均一
な状態に修正されるため、図7(C)に示す第2層目の
改質層24を安定して形成することができる。
【0036】この後、図7(D)のように研削工具21
により、改質層24の表面を研削し所定厚さに形成す
る。さらに、改質層の形成と研削の工程を2回繰り返す
ことにより、4層の改質層22,24,25,26を密
着性の高い緻密な層として積層することができる。
【0037】この実施の形態6である放電表面処理方法
によると、被加工材に改質層の厚さを均一、かつ、高精
度に形成することができ、緻密な改質層を厚く形成する
ことができる。この実施の形態である放電表面処理方法
は、切削工具,エンドミルの他に金型,ジグ,その他工
具に対しても適用でき、同様の効果を得ることができ
る。
【0038】実施の形態7.図8はこの発明の実施の形
態7である放電表面処理方法を示す工程図である。被処
理材1として寿命に達した、もしくは、欠損した被処理
材を使用する。このような被処理材としては、例えば切
削工具や金型などが挙げられる。この実施の形態におい
て、図8(A)に示すように被処理材1の摩耗部分ある
いは欠損部分30に対して重点的に上述した例えば図1
(A)に示すような放電表面処理を行い、図8(B)に
示すように被処理材1の表面から盛り上がる程度に厚く
改質層22を形成する。この時、改質層22の下側には
図2(A)に示された実施の形態1等の場合と同様に拡
散層23が形成される。この拡散層23の存在により改
質層と被処理材の密着性が向上している。この後、図8
(C)に示すように、被処理材1の摩耗もしくは欠損前
の形状になるように研削工具などによって改質層22の
うち被処理材1の表面上に突出して形成された部分を除
去する。
【0039】この実施の形態の放電表面処理方法によ
り、例えば、被処理材1が切削工具である場合、その切
れ刃を再生・修復でき、再利用ができるようになる。こ
の実施の形態の放電表面処理方法は、切削工具の他に金
型,ジグ,その他工具に対しても適用でき、同様の効果
を得ることができる。
【0040】
【発明の効果】この発明の第1の構成である放電表面処
理方法によれば、改質材料あるいは改質材料の元となる
材料からなる電極と被処理材である導電性物質との間に
電圧を印加して放電を発生させることにより該被処理材
の表面に改質層を形成し、その後、改質層をを整形する
ので、膜厚さの精度の高い、面粗さの良好な被膜層(改
質層)を形成することができる。
【0041】また、この発明の第2の構成である放電表
面処理装置によれば、改質材料あるいは改質材料の元と
なる材料からなる電極と被処理材である導電性物質との
間に電圧を印加して放電を発生させることにより該被処
理材の表面に改質層を形成し、その後、改質層をを整形
する放電表面処理装置において、改質材料あるいは改質
材料の元となる材料からなる電極を保持する電極保持装
置と、研削あるいは研磨処理用の整形装置とを備えたの
で、膜厚さの精度の高い、面粗さの良好な改質層を形成
することができる。
【0042】また、この発明の第3の構成である放電表
面処理方法によれば、改質材料あるいは改質材料の元と
なる材料からなる電極と被処理材である導電性物質との
間に電圧を印加して放電を発生させることにより該被処
理材の表面に改質層を形成する放電表面処理方法におい
て、改質層を所望の厚さ以上に形成した後、整形によっ
て厚さの均一な改質層を得るようにしたので、被処理材
の表面に厚さの均一かつ高精度な改質膜を形成すること
ができる。
【0043】また、この発明の第4の構成である放電表
面処理方法によれば、改質材料あるいは改質材料の元と
なる材料からなる電極と被処理材である導電性物質との
間に電圧を印加して放電を発生させることにより該被処
理材の表面に改質層を形成する放電表面処理方法におい
て、該被処理材表面に改質層を形成する工程とその改質
層を整形する工程を交互に繰り返すことにより改質膜を
形成するので、被処理材の表面に厚さの均一かつ高精度
な改質膜を形成することができる。
【0044】また、この発明の第5の構成である放電表
面処理方法によれば、改質材料あるいは改質材料の元と
なる材料からなる電極と被処理材である導電性物質との
間に電圧を印加して放電を発生させることにより該被処
理材の表面に改質層を形成する放電表面処理方法におい
て、欠損の存在する被処理材の欠損部分に改質層を形成
した後、余分な改質層を除去することにより被処理材の
欠損を補修するようにしたので、被処理材の欠損部を再
生,修復することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である放電表面処理
方法を示す工程図である。
【図2】 この発明の実施の形態1である放電表面処理
方法を示す工程図である。
【図3】 この発明の実施の形態2である放電表面処理
装置を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3である放電表面処理
装置を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態3である放電表面処理
装置を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態5である放電表面処理
方法を示す工程図である。
【図7】 この発明の実施の形態6である放電表面処理
方法を示す工程図である。
【図8】 この発明の実施の形態7である放電表面処理
方法を示す工程図である。
【図9】 従来の放電表面処理方法を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
1 被処理材、2 混合圧粉体電極、3 電極保持装
置、4 主軸、5 回転軸、8 Z軸駆動機構、9 X
軸駆動機構、10 Y軸駆動機構、11 加工槽、12
放電加工液、13 電源装置、14 制御回路、16
極間検出回路、20 研削装置、21 研削工具、2
2 改質層、23 拡散層、101 Xテーブル、10
2 Yテーブル。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月11日(1998.11.
11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】 この発明の実施の形態である放電表面処理
装置を示す構成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 昭弘 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3C059 AA01 AB01 HA03 4K044 BA18 BB01 BC01 BC02 CA12 CA36 CA67

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改質材料あるいは改質材料の元となる材
    料からなる電極と被処理材である導電性物質との間に電
    圧を印加して放電を発生させることにより該被処理材の
    表面に改質層を形成し、その後、改質層を整形すること
    を特徴とする放電表面処理方法。
  2. 【請求項2】 改質材料あるいは改質材料の元となる材
    料からなる電極と被処理材である導電性物質との間に電
    圧を印加して放電を発生させることにより該被処理材の
    表面に改質層を形成し、その後、改質層を整形する放電
    表面処理装置において、改質材料あるいは改質材料の元
    となる材料からなる電極を保持する電極保持装置と、研
    削あるいは研磨処理用の整形装置とを備えたことを特徴
    とする放電表面処理装置。
  3. 【請求項3】 改質材料あるいは改質材料の元となる材
    料からなる電極と被処理材である導電性物質との間に電
    圧を印加して放電を発生させることにより該被処理材の
    表面に改質層を形成する放電表面処理方法において、改
    質層を所望の厚さ以上に形成した後、整形によって厚さ
    の均一な改質層を得ることを特徴とする放電表面処理方
    法。
  4. 【請求項4】 改質材料あるいは改質材料の元となる材
    料からなる電極と被処理材である導電性物質との間に電
    圧を印加して放電を発生させることにより該被処理材の
    表面に改質層を形成する放電表面処理方法において、該
    被処理材表面に改質層を形成する工程とその改質層を整
    形する工程を交互に繰り返すことにより改質膜を形成す
    ることを特徴とする放電表面処理方法。
  5. 【請求項5】 改質材料あるいは改質材料の元となる材
    料からなる電極と被処理材である導電性物質との間に電
    圧を印加して放電を発生させることにより該被処理材の
    表面に改質層を形成する放電表面処理方法において、欠
    損の存在する被処理材の欠損部分に改質層を形成した
    後、余分な改質層を除去することにより被処理材の欠損
    を補修することを特徴とする放電表面処理方法。
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