JP2000065580A - ジャイロセンサ用振動体 - Google Patents

ジャイロセンサ用振動体

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JP2000065580A
JP2000065580A JP10239833A JP23983398A JP2000065580A JP 2000065580 A JP2000065580 A JP 2000065580A JP 10239833 A JP10239833 A JP 10239833A JP 23983398 A JP23983398 A JP 23983398A JP 2000065580 A JP2000065580 A JP 2000065580A
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vibrating
legs
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Norihiko Shiratori
典彦 白鳥
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Miyota KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動ジャイロセンサに用いる音叉において、
各振動脚相互の間の力の伝達をより直接的に近づけるこ
とにより、過渡的状態からの復元性、振幅の均等性、Q
値等の諸特性の改善を図る。 【解決手段】 回転運動に伴って発生するコリオリ力を
検出するための2脚または多脚の音叉型をなす振動体に
おいて、隣接する振動脚を連結する連結部材を、各脚の
共通固定部をなす基部とは別個に設けたことを特徴とす
るジャイロセンサ用振動体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動ジャイロスコー
プのセンサとして用いられるジャイロセンサ用振動体の
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】運動体の運動状況を検知しつつ制御等を
行う目的で、所謂振動ジャイロスコープが小型に構成で
き簡便であるのでよくに用いられるようになってきた。
これは電気回路により所定のモードで励振され定常的な
振動を与えられた機械的振動体が回転運動するとき発生
するコリオリ力による他モードの振動を検出して回転角
速度を知るものである。
【0003】この用途に適する振動体として音叉型のも
のが注目されている。本来の音叉は支持の役目も担う基
部によって連結された2本のほぼ同形の振動脚を平行に
配したほぼU字型のものである。実際には直方体の素材
板の中央に一端の開いたスリットを加工して得られる。
振動体として単純な形状でありながら振動の反作用もう
まく相殺されており、水晶から適当なカット方位で切り
出されたものは周波数温度特性も優れ、以前から時計用
の基準振動体として広く使用されてきた。
【0004】振動ジャイロスコープとしても音叉の振動
体としての基本的な優秀性は極めて魅力的である。しか
しジャイロ用の振動体は励振はもとより、コリオリ力も
効果的に検出できねばならない。そこで脚の数を3本あ
るいは4本等に増して検出を容易にしたり(多脚音
叉)、また脚の形状を変更して異なる方向の角速度検出
を可能にしたりする工夫が従来行われている。なお脚数
が増えると作用の多様性は増大するが、各脚の固有振動
数の調整作業は面倒になるとされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の音叉(多脚を含
む)には共通の欠点とみなされる特性がある。それは各
振動脚の独立性が比較的強いと考えられることである。
望ましい振動特性は音叉型振動体全体が基本的に1つの
自由度で振動することである。これは複数の振動脚に設
けられた励振電極を共通の発振回路に接続することで長
期的には達成されるが、短時間・突発的な振動状況の変
化に対しては、実際にはそうならない。
【0006】即ち、一方の脚に外力等が印加されると、
まずその脚の振動の振幅あるいは位相が少し変化する。
その振動の変化分は基部に伝達されて基部を揺り動か
す。そして基部に生じた揺動が他方の脚に伝えられ、該
他方の脚の振動の振幅あるいは位相を変化させ、最初の
脚の振動の変化に追従し、新たな定常状態に達すること
ができる。
【0007】しかし基部は音叉の支持固定にも用いられ
ているため、1脚から他脚への力の伝達は全てが直接的
には行われない。基部はかなりの面積を持ち、支持台に
は通常その一部が接着されている。従って基部に伝えら
れた複数の脚の間の(いわば短期的な)力の伝達は、一
部分は基部の非接着固定部に惹起された歪みにより直接
的に行われるが、他の部分は支持台ごと基部を振動させ
ることによって伝えられる。支持台は基本的に運動を検
出する目的である機器(当然センサ振動体よりは・かに
質量が大きい)に固定されるため、途中にかなりの弾性
的要素が介在するではあろうが、その伝達効率は極度に
悪く、かつ一定していない。位相や波形の変化も考えら
れる。
【0008】その結果として、例えば急変する角速度に
対する測定の応答性、両脚の固有振動数が完全に一致調
整されていない場合の両脚の振幅の絶対値や均等性、Q
値等(なおこれらは長期的な特性でもある)、動作開始
から定常状態に達するまで過渡状態にある時間の長さ、
衝撃的外乱の影響の鎮静速度、励振脚とコリオリ力検出
脚を分離した場合の検出脚の定常振幅確保等、従来音叉
の諸特性は十分満足すべきものであるとは言えず、まだ
改善の余地があると考えられる。
【0009】本発明の目的は、振動脚間に直接に伝達さ
れる力の成分を増すことのできる手段を持ったジャイロ
センサ用の振動体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明におけるジャイロセンサ用振動体は、次の特
徴を個別に、あるいは必要に応じて、可能ならば組み合
わせて備えるものである。
【0011】(1)回転運動に伴って発生するコリオリ
力を検出するための2脚または多脚の音叉型をなす振動
体において、隣接する振動脚を連結する連結部材を、各
脚の共通固定部をなす基部とは別個に設けたこと。
【0012】(2)前記振動脚の全長は、該振動脚の前
記連結部材よりも先端部側に設けたスリットの側面、前
記連結部材と前記振動脚との接続部、および前記音叉型
をなす振動体の基部寄りに設けた窓部の側面より成り、
前記振動脚の先端から当該振動脚の前記接続部までの長
さは前記当該脚の全長のほぼ1/3以上であること。
【0013】(3)前記振動脚の先端から当該振動脚の
前記接続部までの長さは前記当該脚の全長のほぼ9/1
0以内であること。
【0014】(4)前記連結部材は前記隣接する振動脚
をほぼ直線的に連結する形状を有すること。
【0015】(5)前記連結部材は屈曲した形状を有す
ること。
【0016】(6)前記連結部材、接続部あるいはその
近傍における前記振動体の表面に、外部回路用の接続パ
ッドを設けたこと。
【0017】(7)前記隣接する振動脚の一方は励振の
みの作用を行い、他方はコリオリ力の検出作用のみを行
うこと。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の種々の実施の形態
における音叉の基本的な形状の概略の平面図で、(a)
第1の基本形、(c)〜(l)はそれぞれ第2〜第11
の基本形を示す。ただし(b)は第1の基本形の振動モ
ードを示す平面図の略図である。これらは本発明の概念
図で、本発明の具体的な実施の形態は別途説明する。
【0019】図1(a)において、1は振動体、11は
第1脚、12は第2脚で、それらの共通固定部である基
部13から平行に延びている。基部13はまた図の右端
付近でジャイロセンサデバイスの支持台(図示せず)に
接着固定される。支持台上には励振・検出用の回路(図
示せず)も搭載され、振動体1上の電極(図示せず)と
接続されている。また第1脚と第2脚はその長さの中間
で連結部材15で結合されている。なお連結部材、基
部、両脚により窓14が形成されている。全体は例えば
水晶ウエハからエッチング技術を用いて成形されてい
る。
【0020】(b)は前図の音叉の励振・検出動作を示
す平面図で、線画で簡略に描いてある。振動脚11、1
2は励振回路によって、音叉のU字面内で開閉する基本
振動を行う。図では両脚が開きつつある(画は誇張され
ている)。vは脚先端部の速度ベクトルである。今音叉
が長軸に平行な軸のまわりに角速度Ωで回転運動を行う
と、各脚先端部にはFのように画面に垂直なコリオリ力
が発生する。この力によって各脚は実際に画面に垂直に
撓むので、その撓みを圧電的に検出すれば角速度の大き
さが知られる。
【0021】また両脚の振動に対して連結部15は図示
のように僅かに撓んで振動力の脚相互間での基部13を
介さない直接的な相互伝達を行う。以上の動作は図
(a)、(c)〜(l)の各例に対して連結部の作用
(伝達力の強度その他)を除けばほぼ共通である。各例
の特徴は組み合わせて使用することも可能である。
【0022】(c)は、連結部15が直線的であると突
っ張り作用が強すぎることがあるので、突っ張りを弱め
るため小U字形を形成させた例である。また(d)はそ
の屈曲の向きを逆にした例である。
【0023】(e)は、脚11、12の基部13への付
け根を細くした例である。各脚はその先端を自由端、連
結部(連結部材の端部)を回転支持部、基部への付け根
を固定端とする梁の振動をほぼ行う。単純な励振のため
には梁全体が一方向の曲率を持って変形することが望ま
しいが、固定端があるとその付近では曲率が先端寄り部
分と逆転するので、電極構造をそれに対応させると複雑
に過ぎる。図のようなくびれを設けると曲率反転部分を
くびれ部にほぼ限定させ短くすることができ、電極(反
転部分には設けない)の有効長を十分とることができ
る。
【0024】(f)は窓14の側面に当たる脚11と1
2を細くして、その部分の可撓性を増した形状の例であ
る。これは2か所の拘束により当該部分の剛性が強くな
りすぎる場合に採用される。
【0025】(g)は連結部材を複数個としかつラーメ
ン構造として各脚の基部側の剛性を高めたものである。
これは(a)のような連結部材であると、それが無いと
きと比較して、脚の開閉モード(音叉の正規のモード)
の剛性が脚の平行撓みモードの剛性よりも高まり、後者
のモード(音叉本来の振動モードではない)が起こりや
すく減衰が遅いことが懸念される場合、その対策として
採用される形状の例である。斜めの部材2本が脚の平行
運動を阻止するが、正規のモードに対しては抵抗が少な
いように、即ち連結部材と脚との結合部は回転自由であ
り、剛性を高め過ぎないように配慮されている。
【0026】(h)も前図と同様の効果を狙った形状を
示す。筋交いとなる斜めの連結部材が1本に節約されて
いるが、そのため連結部材が非対称となっている。この
ため両脚の固有振動数(正規のモードにおける)が異な
り得るが、それは脚寸法の補正や一致調整により解決さ
れる。
【0027】(i)は前述の(c)、(d)と同様、両
脚の結合を弱めるよう、屈曲した連結部材の形状を示
す。前掲の各図よりも形状は簡素化しているが、脚の非
対称性が生ずるので、(h)の場合のような補正操作が
考慮されるべきである。
【0028】(j)は、連結部材はほぼ直線的であるが
各脚に対する付着点の位置が異なる形状の例で、非対称
形状効果により非正規のモードも起きにくい。正規モー
ドに対する前記の補正操作はもちろん行う。
【0029】(k)は、(h)と(j)を組み合わせた
形状で、同様な効果を狙った変形例を示す。(l)も、
基部側の脚の剛性を高めた他の例である。以上これらの
基本形は例示であって、図示したもののみに限られるわ
けではない。また脚の本数が増えても隣接脚の連結によ
る効果は発揮される。なお連結部材の付着位置について
考察すると、あまりに先端寄りでは正規の音叉モードか
ら離れ、基部に寄りすぎると連結効果が薄れるから、先
端から脚全長のほぼ1/3と9/10の間でセンサとし
ての総合的効果が顕著になると考えられる。
【0030】図2は図1の第1の基本形(a)に具体的
な電極構造および接続構造を附加した第1の実施の形態
を示す。図2(a)はその平面図、(b)はA−A断面
図兼接続図、(c)はB−B断面図兼接続図である。水
晶の結晶軸X、Y、Zとの関係はほぼ図示の如くであ
る。検出される角速度Ωの方向も図示する。実際には例
えば数度傾けて周波数温度特性等を調整する。
【0031】21、22は検出端子用の接続パッド、2
3、24は励振端子用の接続パッド、31〜34は支持
台(図示せず)側に設けた端子ピン、41〜44は各接
続パッドと端子ピンとを接続するボンディングワイヤで
ある。接続部材15は第1の基本形図1(a)形である
が、他の基本形を用いてもよい。
【0032】E1〜E8は連結部材よりも先端側の脚側
面に配置された真空蒸着膜より成る検出電極で、図1の
(b)におけるコリオリ力Fによる、各脚の画面に垂直
な方向の撓みを圧電効果で検出する。脚側面の電極配置
と結線は(b)のA−A断面図兼接続図に示す如くであ
る。各側面電極は配置を明瞭に示すため、振動体表面か
らわずか浮かせて図示してある。
【0033】G1〜G5は電極引出線で、G1は脚11
を半周して電極E2とE4を連結し、G2はE1とE3
を、G3はE6とE8を、G2はE1と接続パッド21
を、G4はE6と接続パッド21を、G5は振動体の側
面を経由してE7と接続パッド22を連結する。また振
動体1の下面には、図示しないがE2、E4、E7を連
結する電極引出線が存在する。
【0034】またF1〜F8は薄膜状の励振電極で、
(c)のB−B断面図兼接続図にも示すように各脚の周
囲表面に設けられ、2端子にまとめられている。基本的
には周知の構成である。各脚の連結部材15と基部13
との中間に配置されている。基部寄りの脚側面には曲率
の反転部を避けるため電極面を設けていない。電極引出
線G6〜G11は、G6がF2とF4を、G9がF5と
F7を、G7がF1と接続パッド23を、G8がF3
(裏側)とF1(G7を介し)を、G10がF6とF8
とF1を、G11が振動体の裏面でF2とF7を連結
し、表面に回って接続パッド24に連結する。
【0035】接続パッド21、22は連結部材15の近
傍に設けた。これはその部分が連結部材の拘束作用のた
めに振幅(変位、角度)が小さく、事実上の不動点に近
いと見なせ、ワイヤボンディングを行っても影響が少な
いと考えられるからである。こうすることにより検出電
極の引出線と駆動電極とが交差あるいは接近することが
なく、電極引出線の構成も容易になると共に、検出電極
に駆動電極からのノイズが混入し難くなるという長所が
ある。なお(b)、(c)の接続パッドに印した+、−
の記号は便宜的なものに過ぎない。実際には交流的な入
出力となる。
【0036】図3は本発明の第2の実施の形態を示し、
(a)はその平面図、(b)はA−A断面図兼接続図で
ある。本例は駆動電極F1〜F4を第1脚11のみに、
コリオリ力検出電極E1〜E4を第2脚12のみに分け
て設けたものである。各電極の脚面への配置と作用は
(b)の断面図でわかる通り第1の実施の形態と基本的
に共通である。
【0037】そして2種の電極とそれらの引出線は十分
離れているため駆動電極に発生する電圧が検出信号に混
入する恐れが小さい。また片脚しか駆動されないが、連
結部材により振動の伝達が良くなっているため検出側の
脚も十分な振幅あるいは追従性が得られ、問題はない。
【0038】また電極引出線G1はE1とE2を、G5
はF2とF4を、G2はE1とパッド21を、G3はE
4とパッド22を、G4はE4とパッド22と振動体裏
側でE3と、G6はF1とパッド23を、G7は振動体
裏側のF3とパッド23を、G8はF4とパッド24を
連結する。
【0039】図4は本発明の第3の実施の形態を示し、
(a)はその平面図、(b)はA−A断面図兼接続図、
(c)は主振動モードを示す側面図の略図、(d)は検
出モードを示す平面図の略図である。
【0040】図4の形態も2脚音叉であるが、図3第2
の形態とは駆動・検出モードが逆である。即ち(c)の
如く励振モードでの脚の運動はU字面に垂直な方向であ
り、検出モードは(d)の如くU字面内運動となる。そ
のため水晶結晶軸との方位関係は前例とほぼ垂直で、音
叉は所謂X板から切り出される。本例も駆動脚と検出脚
を分離した構成である。検出電極はU字面側に配置され
る。全体の電極配置と結線は(b)に示すが、前例と同
功であるから詳細な説明は省略する。
【0041】図5は本発明の第4の実施の形態を示し、
(a)はその平面図、(b)はA−A断面図兼接続図、
(c)は主振動モードを示す側面図の略図、(d)は検
出モードを示す平面図の略図である。本図は3脚音叉に
よる実施の形態を示すが、3脚音叉のジャイロセンサ自
体は公知である。
【0042】本音叉脚の励振モードは(c)側面図の如
くE字面に垂直であり、第3脚16と第1脚11・第2
脚12の組とは反対方向に運動する。各脚のサイズが同
じであれば、第3脚の振幅は他の脚の振幅の約2倍とな
る。検出モードは(d)平面図の如くE字面内である。
第1、第2脚を駆動に用い、第3脚16をコリオリ力検
出に使用する。3つの振動脚の間に2個の連結部材15
を配する。両外側の駆動電極の引出線を振動体1の表面
で敢えて纏めると電極引出線の交差が起こるので、接続
パッド数を増やして(本形態では25、26)外部に取
り出し外部回路側での纏め接続を図る。
【0043】図6は本発明の第5の実施の形態を示し、
(a)はその平面図、(b)はA−A断面図兼接続図で
ある。本例の振動体1はは2脚音叉であるが、脚の形状
をL字型とすることによって、音叉U字面内での回転の
角速度に対して感受性を与えたもので、連結部の存在を
除けば基本的には公知である。通常の音叉とほぼ同様Z
板から切出される。
【0044】振動体1の脚11、12は正規の励振によ
って面内で開閉運動を行う。図示のような面内回転の角
速度Ωが発生したとき、各脚の有する外側への偏心質量
には、速度vのときコリオリ力Fが発生する。コリオリ
力Fの作るモーメントΔMは、正規振動によるモーメン
トMに対し、一方の脚では加算、他方の脚では減算する
ように働く。但しMとΔMは位相が約90°異なる。そ
こで(b)の如く各脚の周囲に励振電極を設け、各々の
脚の電極端子に誘起される電圧出力を差動増幅回路増幅
回路に導いて差をとれば駆動に基づく電圧成分は相殺さ
れ、コリオリ力に比例する出力が得られる。
【0045】図7は本発明の第6の実施の形態を示し、
(a)はその平面図、(b)は断面図である。本例の動
作原理は前図の例と同じであるが、電極配置が異なる。
即ち各脚に内側領域と外側領域を設定し、外側領域に駆
動電極を、内側領域に検出電極を配した。(その逆でも
よい。)その配置は音叉軸に関して極力対称的である。
この構造によって、検出電極は近接する駆動電極のため
多少の影響は受けるがその量は検出と駆動の電極が兼用
である場合よりは少ない。また構造の対称性によってそ
の影響の相殺は容易である。
【0046】図8は本発明の第7の実施の形態を示す平
面図である。本例の狙いは前例と同じであるが、励振電
極を脚の根元側に設け、検出電極を脚の先端側に設け
た。こうしたのは、コリオリ力によるモーメントΔMは
脚の全長に渡って一様に発生するのでどこで検出しても
同じ能率であるが、正規振動のモーメントMは脚の根元
で大きく、根元で駆動するのが効率がよいからである。
【0047】しかし場合によっては位置を交換してもよ
い。また電極の分割位置は連結部材15の近辺が好都合
であるが、必ずしもそれにとらわれない。検出電極から
の引出線(図示せず)は第1実施例(図2)に倣って連
結部材15の近辺に接続パッドを設けてから取り出して
もよいが、駆動電極に隙間を作って通し、基部13に設
けた接続パッド(図示せず)に導き、そこから取り出し
てもよい。
【0048】図9は本発明の第8の実施の形態を示し、
(a)はその平面図、(b)は検出モードを示す平面図
の略図である。これは図6L字形音叉(第5の実施の形
態)の中央に検出専用の第3脚16を追加したものであ
る。励振駆動は第1脚11と第2脚12とで前記実施の
形態と同様に行われるので、駆動電極に付いての説明は
省略する。
【0049】第3脚16はコリオリ力が作用したとき、
他の脚の持つモーメント(M+ΔM)と(M−ΔM)の
差のモーメント−2ΔM(コリオリ力に比例する)を受
けて屈曲振動を行う。その状況を略図(b)に示す。Z
板面内の屈曲振動を検出するため、脚16の四囲には駆
動電極と同じ構成の薄膜電極を配置し、2端子の接続パ
ッド21、22から信号を取り出す。差のモーメントは
2個の連結部材15によって各脚から直接的に伝えられ
るので誤差は少ない。なお161は第3脚の先端部に設
けた負荷質量で、他の脚の偏心質量とのバランスを取る
ためにある。比重の大きい金属の厚メッキ等で構成され
る。
【0050】以上種々の実施の形態について説明した
が、本発明の技術的範囲はもちろん上記の例のみに限定
されない。例えば振動体として4本の振動脚が2本づ
つ、中央の基部から反対側に延びた、所謂H字型の音叉
(この場合、対角位置にある脚同士が組になって同方向
に、そして各組は反対方向に、音叉面に垂直に振動する
構成が普通である)を用いてもよい。また基部は単純な
長方形板とは限らず、例えばその内部に支持その他のた
めのバネ構造や支持のための補助部材を含んでいてもよ
い。
【0051】また振動脚の数も4脚あるいはそれ以上で
もよい。振動体の形状も板状に限らず立体的な形状であ
ってもよい。連結部材や窓の角部等を曲線状にすること
も良い。また振動体の材質は実施の形態に限定されず、
水晶の他のカット、他の圧電性結晶、圧電性磁器、金属
の恒弾性材料等を用いてもよい。電極構成や励振・検出
手段、端子の取り出し構造等はそれに応じて適当なもの
が採用される。例えば図2、図3の検出電極は図4の如
くU字面側に配置しても原理的には検出可能である。ま
た連結部材の表面に電極膜を設ける可能性もある。負荷
質量等も任意の部分に設けることができる。接続パッド
の形状や接続方法・構成についても同様である。
【0052】
【発明の効果】本発明においては音叉型振動体の隣接脚
に連結部材を設けたので、 (1)各振動脚間の力の伝達において従来よりも直接的
に伝達される力の成分を増すことができた。殊に基部か
ら支持台を経由しなくても力が伝達される効果が大き
い。
【0053】そのため、次の特性上の効果も期待でき
る。なお特性上の効果は下記の全てが顕著に表れるとは
限らず、諸条件によっては一部のみが観察されることが
ある。 (2)急変する角速度に対する測定の応答性の改善。 (3)各脚の固有振動数がやや不一致である場合の各脚
の振幅の絶対値や均等性、音叉全体のQ値等の改善。換
言すれば固有振動数調整作業における許容範囲の拡大。 (4)動作開始から定常状態に達するまでの立ち上がり
時間の短縮。 (5)衝撃的外乱状態からの復帰時間の短縮。
【0054】また次の構成も採用し易くなった。 (6)励振脚とコリオリ力検出脚を分離した構成におい
て、励振されない検出脚の定常振幅の確保や、角速度の
変化に対する応答性を良好にできる。 (7)連結部付近は振幅が小さいことを利用して、この
部分にも接続パッドを設け、外部との接続の容易化や検
出端子へのノイズの減少、電極面積の有効使用等を容易
化できる。
【0055】(8)連結部材の効果が発揮される位置の
範囲は、振動脚の先端からその全長のほぼ1/3以上、
またほぼ9/10以内であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の種々の実施の形態における音叉の基本
的な形状の概略の平面図で、(a)第1の基本形、
(c)〜(l)はそれぞれ第2〜第11の基本形を示
す。ただし(b)は第1の基本形の振動モードを示す平
面図の略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)はそ
の平面図、(b)はA−A断面図兼接続図、(c)はB
−B断面図兼接続図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示し、(a)はそ
の平面図、(b)はA−A断面図兼接続図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示し、(a)はそ
の平面図、(b)はA−A断面図兼接続図、(c)は主
振動モードを示す側面図の略図、(d)は検出モードを
示す平面図の略図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示し、(a)はそ
の平面図、(b)はA−A断面図兼接続図、(c)は主
振動モードを示す側面図の略図、(d)は検出モードを
示す平面図の略図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示し、(a)はそ
の平面図、(b)はA−A断面図兼接続図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態を示し、(a)はそ
の平面図、(b)は断面図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態を示す平面図であ
る。
【図9】本発明の第8の実施の形態を示し、(a)はそ
の平面図、(b)は検出モードを示す平面図の略図であ
る。
【符号の説明】
1 振動体 11 第1脚 12 第2脚 13 基部 14 窓 15 連結部材 16 第3脚 161 負荷質量 21〜28 接続パッド 31〜34 端子ピン 41〜44 ボンディングワイヤ E1〜E8 検出電極 F1〜F8 励振電極 G1〜G11 電極引出線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転運動に伴って発生するコリオリ力
    を検出するための2脚または多脚の音叉型をなす振動体
    において、隣接する振動脚を連結する連結部材を、各脚
    の共通固定部をなす基部とは別個に設けたことを特徴と
    するジャイロセンサ用振動体。
  2. 【請求項2】 前記振動脚の全長は、該振動脚の前記
    連結部材よりも先端部側に設けたスリットの側面、前記
    連結部材と前記振動脚との接続部、および前記音叉型を
    なす振動体の基部寄りに設けた窓部の側面より成り、前
    記振動脚の先端から当該振動脚の前記接続部までの長さ
    は前記当該脚の全長のほぼ1/3以上であることを特徴
    とする請求項1のジャイロセンサ用振動体。
  3. 【請求項3】 前記振動脚の先端から当該振動脚の前
    記接続部までの長さは前記当該脚の全長のほぼ9/10
    以内であることを特徴とする請求項2のジャイロセンサ
    用振動体。
  4. 【請求項4】 前記連結部材は前記隣接する振動脚を
    ほぼ直線的に連結する形状を有することを特徴とする請
    求項1のジャイロセンサ用振動体。
  5. 【請求項5】 前記連結部材は屈曲した形状を有する
    ことを特徴とする請求項1のジャイロセンサ用振動体。
  6. 【請求項6】 前記連結部材、接続部あるいはその近
    傍における前記振動体の表面に、外部回路用の接続パッ
    ドを設けたことを特徴とする請求項1のジャイロセンサ
    用振動体。
  7. 【請求項7】 前記隣接する振動脚の一方は励振のみ
    の作用を行い、他方はコリオリ力の検出作用のみを行う
    ことを特徴とする請求項1のジャイロセンサ用振動体。
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