JP2000063596A - オレフィン系熱可塑性エラストマー - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー

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JP2000063596A
JP2000063596A JP23585598A JP23585598A JP2000063596A JP 2000063596 A JP2000063596 A JP 2000063596A JP 23585598 A JP23585598 A JP 23585598A JP 23585598 A JP23585598 A JP 23585598A JP 2000063596 A JP2000063596 A JP 2000063596A
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JP
Japan
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olefin
weight
component
resin
thermoplastic elastomer
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JP23585598A
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English (en)
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Meiji Wakayama
明治 若山
Kazunori Yano
一憲 矢野
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張特性、ゴム弾性、耐油性等に優れたオレ
フィン系熱可塑性エラストマーを提供する。 【解決手段】 下記の(A)成分と(B)成分との組成
物を(C)成分の存在下に動的に熱処理してなるオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー。 (A)以下の特性を有する結晶性プロピレン系樹脂:2
0〜90重量% (1)メルトフローレート0.1〜20g/10分 (2)密度0.895〜0.920g/cm3 (B)エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンと非
共役ジエンとがメタロセン系触媒の存在下に共重合され
てなり、以下の特性を有するエチレン−α−オレフィン
−非共役ジエン共重合体ゴム:80〜10重量% (1)ムーニー粘度〔ML1+4 (125℃)〕10〜1
00 (2)密度0.850〜0.890g/cm3 (3)沃素価1〜40 (C)フェノール性水酸基を有する樹脂:(A)成分と
(B)成分との合計量100重量部に対して0.1〜1
0重量部

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、引張特性、ゴム弾
性、耐油性等に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、ゴム的な軟質材料であって、加硫
工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様の成形加工性を
有する、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、
ポリアミド系、ポリウレタン系等の熱可塑性エラストマ
ーが、工程合理化やリサイクル等の観点から注目され、
自動車部品、家電部品、医療用機器部品、電線、及び雑
貨等の分野で広汎に使用されており、中で、結晶性プロ
ピレン系樹脂とエチレン−プロピレン共重合体ゴム又は
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム等の
オレフィン系共重合体ゴムとを有機過酸化物の存在下に
動的に熱処理して後者ゴムを架橋せしめた部分架橋物で
あるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、比較的安価
であるため経済的に有利な材料として注目されている。 【0003】しかしながら、このオレフィン系熱可塑性
エラストマーは、従来の加硫ゴムに較べて引張特性、ゴ
ム弾性、耐油性等が劣っている等の問題があり、これに
対してこれらの特性を改良すべく、結晶性プロピレン系
樹脂として、従来のチタン化合物等のチーグラー系触媒
により重合されたものに代えてメタロセン系触媒により
重合されたものを用いたオレフィン系熱可塑性エラスト
マー(例えば、特開平6−287368号公報参
照。)、及び、オレフィン系共重合体ゴムとして、従来
のバナジウム化合物等のチーグラー系触媒により重合さ
れたものに代えてメタロセン系触媒により重合されたも
のを用いたオレフィン系熱可塑性エラストマー(例え
ば、特開平9−137001号、特開平10−4596
6号各公報等参照。)が、それぞれ提案されているが、
いずれも、ある程度の改良は認められるものの、市場の
要求を充分に満足させるには到っていない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、引張
特性、ゴム弾性、耐油性等に優れたオレフィン系熱可塑
性エラストマーを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、下記の(A)
成分と(B)成分との組成物を(C)成分の存在下に動
的に熱処理してなるオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、を要旨とする。 (A)以下の特性を有する結晶性プロピレン系樹脂:2
0〜90重量% (1)メルトフローレート0.1〜20g/10分 (2)密度0.895〜0.920g/cm3 (B)エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンと非
共役ジエンとがメタロセン系触媒の存在下に共重合され
てなり、以下の特性を有するエチレン−α−オレフィン
−非共役ジエン共重合体ゴム:80〜10重量% (1)ムーニー粘度〔ML1+4 (125℃)〕10〜1
00 (2)密度0.850〜0.890g/cm3 (3)沃素価1〜40 (C)フェノール性水酸基を有する樹脂:(A)成分と
(B)成分との合計量100重量部に対して0.1〜1
0重量部 【0006】 【発明の実施の形態】本発明において、(A)成分の結
晶性プロピレン系樹脂としては、具体的には、例えば、
プロピレン単独重合体、プロピレンと、エチレン、1−
ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−デセン等の他のα−オレフィンとか
らなり、他のα−オレフィン含量が10重量%以下、好
ましくは0.5〜7重量%のプロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体、及び、他のα−オレフィン含量が
1〜40重量%、好ましくは3〜15重量%のプロピレ
ン−α−オレフィンブロック共重合体等を挙げることが
できる。 【0007】尚、本発明における結晶性プロピレン系樹
脂は、チーグラー系触媒によって重合されたものでもメ
タロセン系触媒によって重合されたものでも、いずれで
もよく、これら触媒の存在下にスラリー法、気相法、バ
ルク法、溶液法等の従来公知の重合法によって製造され
たものである。 【0008】そして、前記結晶性プロピレン系樹脂は、
JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg
荷重で測定したメルトフローレートが0.1〜20g/
10分であることが必須であり、0.3〜10g/10
分であるのが好ましく、0.5〜5g/10分であるの
が特に好ましい。メルトフローレートが前記範囲未満で
は、熱可塑性エラストマーとして成形加工性が劣ること
となり、一方、前記範囲超過では、充分な機械的性質を
得ることが困難となる。 【0009】更に、前記結晶性プロピレン系樹脂は、J
IS K7112に準拠して測定した密度が0.895
〜0.920g/cm3 であることが必須であり、0.
900〜0.915g/cm3 であるのが好ましく、
0.900〜0.910g/cm3 であるのが特に好ま
しい。密度が前記範囲未満では、熱可塑性エラストマー
として充分な機械的強度、及び耐油性を得ることが困難
となり、一方、前記範囲超過では、成形加工性が劣るこ
ととなる。 【0010】又、本発明において、(B)成分のエチレ
ン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとして
は、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、3−メチル
−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−オクタデセン等の炭素数3〜18のα−オレフ
ィンと、1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−
ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、シクロヘキサジ
エン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2
−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネ
ン等の非共役ジエンとの共重合体であって、このα−オ
レフィンの含有量は、5〜70重量%、特には10〜6
0重量%であるのが好ましく、具体的には、例えば、エ
チレン−プロピレン−1,4−ヘキサジエン共重合体、
エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合
体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノル
ボルネン共重合体等が挙げられる。 【0011】そして、本発明における前記エチレン−α
−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムは、メタロセ
ン系触媒の存在下に共重合されたものであることが必須
であり、バナジウム化合物等のチーグラー系触媒により
共重合されたものであっては、本発明の目的を達成でき
ない。 【0012】尚、ここで、メタロセン系触媒としては、
例えば、特開昭58−19309号、同59−9529
2号、同60−35005号、同60−35006号、
同60−35007号、同60−35008号、同60
−35009号、同61−130314号、特開平3−
163088号の各公報、欧州特許公開第420436
号公報、米国特許第5055438号明細書、及び国際
公開WO91/04257号公報等に記載されている、
メタロセン系触媒、特にメタロセン・アルモキサン系触
媒、又は、例えば、国際公開WO92/01723号公
報等に記載されている、メタロセン化合物と該化合物と
反応して安定なアニオンとなる化合物からなる触媒等が
挙げられ、本発明におけるエチレン−α−オレフィン−
非共役ジエン共重合体ゴムは、これら触媒の存在下にエ
チレンと前記α−オレフィンと前記非共役ジエンとが、
例えば、気相法、スラリー法、溶液法、高圧イオン重合
法等の従来公知の重合法によって製造されたものであ
る。 【0013】又、前記エチレン−α−オレフィン−非共
役ジエン共重合体ゴムは、ASTMD1646に準拠し
て125℃で測定したムーニー粘度〔ML1+4 (125
℃)〕が10〜100であることが必須であり、15〜
90であるのが好ましく、20〜85であるのが特に好
ましい。ムーニー粘度が前記範囲未満では、熱可塑性エ
ラストマーとして充分な機械的強度、及び耐油性を得る
ことが困難となり、一方、前記範囲超過では、成形加工
性が劣ることとなる。 【0014】更に、前記エチレン−α−オレフィン−非
共役ジエン共重合体ゴムは、JISK7112に準拠し
て測定した密度が0.850〜0.890g/cm3
あることが必須であり、0.860〜0.885g/c
3 であるのが好ましく、0.865〜0.880g/
cm3 であるのが特に好ましい。密度が前記範囲未満で
は、熱可塑性エラストマーとして充分な機械的強度を得
ることが困難となり、一方、前記範囲超過では、ゴム弾
性が劣ることとなる。 【0015】更に、前記エチレン−α−オレフィン−非
共役ジエン共重合体ゴムは、沃素価が1〜40であるこ
とが必須であり、2〜30であるのが好ましく、5〜2
0であるのが特に好ましい。沃素価が前記範囲未満で
は、熱可塑性エラストマーとして充分な機械的強度、及
び耐油性を得ることが困難となり、一方、前記範囲超過
では、ゴム弾性が劣ることとなる。 【0016】尚、前記エチレン−α−オレフィン−非共
役ジエン共重合体ゴムは、JISK7210に準拠して
230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレ
ートが0.05〜5g/10分であるのが好ましく、
0.1〜3g/10分であるのが特に好ましい。 【0017】又、本発明において、(C)成分のフェノ
ール性水酸基を有する樹脂としては、具体的には、例え
ば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノ
ール樹脂、フェノール性水酸基を有するアクリル酸誘導
体の共重合体等が挙げられ、中で、ノボラック樹脂、レ
ゾール樹脂、又はポリビニルフェノール樹脂が好まし
く、特に、ノボラック樹脂が好ましい。 【0018】ノボラック樹脂は、例えば、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、
2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エ
チルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフ
ェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノー
ル、tert−ブチルフェノール、1−ナフトール、2
−ナフトール、4,4’−ビフェニルジオール、ビスフ
ェノール−A、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイ
ドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリ
オール、フロログリシノール等のフェノール類の少なく
とも1種を、酸性触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアル
デヒド、フルフラール等のアルデヒド類(尚、ホルムア
ルデヒドに代えてパラホルムアルデヒドを、アセトアル
デヒドに代えてパラアルデヒドを、用いてもよい。)、
又は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させ
た樹脂であって、中で、本発明においては、フェノール
類としてのフェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−
キシレノール、レゾルシノール、ピロガロールと、アル
デヒド類又はケトン類としてのホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒドとの重縮合体が好
ましい。 【0019】前記ノボラック樹脂は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の
重量平均分子量が、好ましくは1,000〜15,00
0、特に好ましくは1,500〜10,000のものが
用いられる。 【0020】又、レゾール樹脂は、ノボラック樹脂の重
縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外
は同様にして重縮合させた樹脂であって、本発明におい
ては、前記ノボラック樹脂におけると同様の、フェノー
ル類及びその混合組成、及び、アルデヒド類又はケトン
類が好ましく、又、同様の重量平均分子量のものが好ま
しい。 【0021】又、ポリビニルフェノール樹脂は、例え
ば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレ
ン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、
トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、
ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェ
ニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プ
ロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン
等のヒドロキシスチレン類の単独または2種以上を、ラ
ジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤の存在下で重
合させた樹脂であって、中で、本発明においては、ベン
ゼン環に炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有し
ていてもよいヒドロキシスチレン類の重合体が好まし
く、特に、無置換のベンゼン環のヒドロキシスチレン類
の重合体が好ましい。又、重量平均分子量が、好ましく
は1,000〜100,000、特に好ましくは1,5
00〜50,000のものが用いられる。 【0022】本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、前記(A)成分の結晶性プロピレン系樹脂と前記
(B)成分のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン
共重合体ゴムとの組成物を、前記(C)成分のフェノー
ル性水酸基を有する樹脂の存在下に動的に熱処理してな
る。 【0023】ここで、前記(A)成分と前記(B)成分
との組成比は、(A)成分20〜90重量%、(B)成
分80〜10重量%であることが必須であり、(A)成
分25〜80重量%、(B)成分75〜20重量%であ
るのが好ましく、(A)成分30〜70重量%、(B)
成分30〜70重量%であるのが特に好ましい。(A)
成分が前記範囲未満では成形加工性が劣ることとなり、
一方、前記範囲超過ではゴム弾性が劣ることとなって、
いずれも熱可塑性エラストマーとしての優位性を発現す
ることができない。 【0024】又、(C)成分は、(A)成分と(B)成
分との合計量100重量部に対して0.1〜10重量部
であることが必須であり、0.5〜8重量部であるのが
好ましく、1〜5重量部であるのが特に好ましい。
(C)成分が前記範囲未満では、熱可塑性エラストマー
として充分な機械的特性、及び耐油性を得ることが困難
となり、一方、前記範囲超過では、ゴム弾性が劣ること
となる。 【0025】本発明においては、前記(A)成分と
(B)成分との組成物を前記(C)成分の存在下に動的
に熱処理してなり、この動的熱処理により(B)成分に
おいて(C)成分による架橋反応が進行し、部分架橋物
である熱可塑性エラストマーとなる。ここで、動的に熱
処理するとは、ミキシングロール、ニーダー、バンバリ
ーミキサー、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二
軸押出機等の混練装置を用いて、(A)成分と(B)成
分とを溶融状態として混練することであり、通常、10
0〜400℃、好ましくは120〜300℃の温度で、
0.2〜30分、好ましくは0.5〜20分の時間行
う。 【0026】尚、前記混練装置の中で、本発明において
は二軸押出機が好適である。又、二軸押出機は、スクリ
ュー径(D)に対するスクリュー長さ(L)の比(L/
D)、二軸の回転方向の異同、及び二軸の噛み合い形態
(例えば、分離型、接触型、部分噛み合い型、完全噛み
合い型等)等により混練特性が異なるが、本発明におい
ては、L/Dが10〜100、回転方向が同方向、噛み
合い形態が部分又は完全噛み合い型のものが好適であ
る。 【0027】又、前記混練装置への前記(A)、
(B)、(C)成分の投入順序は、これら三成分を一括
して投入する方法、(A)成分と(B)成分とを予め溶
融混練した後、(C)成分を添加する方法、(A)成分
を予め溶融混練し、そこへ予め溶融混練した(A)成分
と(C)成分とを添加する方法等、いずれの方法によっ
てもよいが、中で、(A)成分と(B)成分とを予め溶
融混練した後、(C)成分を添加する方法が好適であ
る。 【0028】尚、本発明においては、前記動的熱処理時
に、前記(C)成分と共に、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーの製造に通常用いられる有機過酸化物、具体的
には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチ
ルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキシド類、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘ
キシン−3等のパーオキシエステル類、ベンゾイルパー
オキシド等のジアシルパーオキシド類、ジイソプロピル
ベンゼンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド類
等が併用されてもよい。 【0029】又、必要に応じて架橋助剤、具体的に、例
えば、ジビニルベンゼン、メタフェニレンビスマレイミ
ド、キノンジオキシム、1,2−ポリブタジエン、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジ
アリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート等が併用されても
よい。 【0030】本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーには、通常、熱可塑性エラストマーに加工性や柔軟性
等を付与するために配合されるゴム用軟化剤が、前記
(B)成分100重量部に対して400重量部以下の量
で配合されているのが好ましい。 【0031】このゴム用軟化剤としては、特に、鉱物油
系のものが好ましく、これは、一般に、芳香族環、ナフ
テン環、及びパラフィン鎖の3者の混合物であって、パ
ラフィン鎖の炭素数が全炭素数中の50%以上を占める
パラフィン系と、ナフテン環の炭素数が全炭素数中の3
0〜40%を占めるナフテン系と、芳香族環の炭素数が
全炭素数中の30%以上を占める芳香族系とに区分され
ているが、本発明においては、パラフィン系のものが特
に好ましく、その数平均分子量は、200〜2000、
特に300〜1600のものが好ましい。 【0032】更に、本発明のオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーには、前記成分以外の各種樹脂やゴム、ガラス
繊維、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土、シリカ等の充
填剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、分
散剤、スリップ剤等の各種添加剤、カーボンブラック等
の顔料等が、必要に応じて配合されていてもよい。 【0033】 【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び
比較例で用いた(A)成分、(B)成分、及び(C)成
分を以下に示す。 【0034】(A)成分 A−1;チーグラー系触媒の存在下に重合され、メルト
フローレート1.0g/10分、密度0.910g/c
3 のプロピレン単独重合体 A−2;メタロセン系触媒の存在下に重合され、メルト
フローレート1.0g/10分、密度0.910g/c
3 のプロピレン単独重合体 【0035】(B)成分 B−1;α−オレフィンとしてプロピレン、非共役ジエ
ンとして5−エチリデン−2−ノルボルネンを用いてメ
タロセン系触媒の存在下に重合され、ムーニー粘度〔M
1+4 (125℃)〕70、密度0.878g/c
3 、沃素価11のエチレン−プロピレン−5−エチリ
デン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(プロピレン含量
53重量%、メルトフローレート0.2g/10分) B−2(比較例用);α−オレフィンとしてプロピレ
ン、非共役ジエンとして5−エチリデン−2−ノルボル
ネンを用いてチーグラー系触媒の存在下に重合され、ム
ーニー粘度〔ML1+4 (125℃)〕63、密度0.8
62g/cm3 、沃素価15のエチレン−プロピレン−
5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(プロ
ピレン含量28重量%、メルトフローレート0.9g/
10分) 【0036】(C)成分 C−1;反応型臭素化アルキルフェノールホルムアルデ
ヒド樹脂(田岡化学工業社製「タッキロール250−
1」) 【0037】実施例1〜4、比較例1〜6 (A)成分として表1に示す結晶性プロピレン系樹脂
と、(B)成分として表1に示すエチレン−α−オレフ
ィン−非共役ジエン共重合体ゴムとを、酸化防止剤とし
てテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−
ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
メタンとトリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−
3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートとを、
(A)成分と(B)成分との合計量100重量部に対し
て各0.25重量部添加して、ラボプラストミル(東洋
精機社製)にて温度180℃、回転速度100rpmで
2分間溶融混練した後、表1に示す(C)成分を添加し
て、更に5分間溶融混練することにより、動的に加熱処
理し、オレフィン系熱可塑性エラストマーを製造した。
尚、(C)成分を使用しない比較例においては、(A)
成分と(B)成分の全溶融混練時間を7分間とした。 【0038】得られたオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーについて、以下に示す方法で、ゲル分率、メルトフロ
ーレート、引張強伸度、硬度、圧縮永久歪、及び耐油性
を測定し、結果を表1に示した。 【0039】ゲル分率 得られた熱可塑性エラストマーを沸騰シクロヘキサンで
10時間のソックスレー抽出を行い、熱可塑性エラスト
マー中の(B)成分に対する抽出後の不溶分として算出
した。メルトフローレート JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重5.
0kgで測定した。 【0040】引張強伸度 ミニマックス小型射出成形機にて230℃で溶融、射出
成形した試験片を用い、JIS K7113に準拠し、
引張破断点強度、及び引張破断点伸度を測定した。硬度 JIS K6301に準拠し、スプリング式硬さ試験器
でショアー硬度Dを測定した。 【0041】圧縮永久歪 JIS K6301に準拠し、温度70℃、圧縮率25
%、22時間の永久歪を測定した。耐油性 JIS K6301に準拠し、No3油を用い、温度7
0℃、168時間の重量変化を測定した。 【0042】比較例7〜9 (C)成分のフェノール性水酸基を有する樹脂に代え
て、有機過酸化物であるジ−t−ブチルパーオキシド
(日本油脂社製「パーブチルD」)を用いた外は、実施
例1と同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマーを
製造し、諸特性を測定し、結果を表1に示した。 【0043】 【表1】【0044】 【発明の効果】本発明によれば、引張特性、ゴム弾性、
耐油性等に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーを
提供することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記の(A)成分と(B)成分との組成
    物を(C)成分の存在下に動的に熱処理してなることを
    特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー。 (A)以下の特性を有する結晶性プロピレン系樹脂:2
    0〜90重量% (1)メルトフローレート0.1〜20g/10分 (2)密度0.895〜0.920g/cm3 (B)エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンと非
    共役ジエンとがメタロセン系触媒の存在下に共重合され
    てなり、以下の特性を有するエチレン−α−オレフィン
    −非共役ジエン共重合体ゴム:80〜10重量% (1)ムーニー粘度〔ML1+4 (125℃)〕10〜1
    00 (2)密度0.850〜0.890g/cm3 (3)沃素価1〜40 (C)フェノール性水酸基を有する樹脂:(A)成分と
    (B)成分との合計量100重量部に対して0.1〜1
    0重量部
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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