JP2000063494A - エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置

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JP2000063494A
JP2000063494A JP10250494A JP25049498A JP2000063494A JP 2000063494 A JP2000063494 A JP 2000063494A JP 10250494 A JP10250494 A JP 10250494A JP 25049498 A JP25049498 A JP 25049498A JP 2000063494 A JP2000063494 A JP 2000063494A
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resin composition
epoxy resin
fused silica
glass transition
transition temperature
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JP10250494A
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Masanori Okamoto
正法 岡本
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Kyocera Chemical Corp
Original Assignee
Toshiba Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿性、半田耐熱性、成形性、特にパッケー
ジ反りに優れ、吸湿による影響が少なく、電極の腐蝕に
よる断線や水分によるリーク電流の発生等を著しく低減
することができ、しかも長期間にわたって信頼性を保証
できるエポキシ樹脂組成物および半導体封止装置を提供
する。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤とし
てフェノール樹脂、(C)充填剤として球状溶融シリカ
を必須成分とし、全体の樹脂組成物に対して前記(C)
の球状溶融シリカを90〜95重量%の割合で含有してなる
樹脂組成物であって、硬化物のガラス転移温度が140 ℃
以下であり、ガラス転移温度よりも高いゴム領域の熱膨
脹係数が 2.5×10-5/℃以下であるエポキシ樹脂組成物
である。また、その硬化物によって半導体チップが封止
されてなる半導体封止装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐湿性、半田耐熱
性、成形性、特にパッケージ反りに優れたエポキシ樹脂
組成物および半導体封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の分野において、
高集積化、高信頼性化の技術開発と同時に半導体装置の
実装工程の自動化が推進されている。例えばフラットパ
ッケージ型の半導体装置を回路基板に取り付ける場合
に、従来、リードピン毎に半田付けを行っていたが、最
近では、半田浸漬方式や半田リフロー方式が採用されて
いる。
【0003】また、高集積化に伴い、チップサイズが大
きくなる一方で、パッケージ形状は薄型化が進み、その
ため半導体装置の内部で熱応力の差が生じ、パッケージ
の反りが大きくなる傾向がある。このため、薄型パッケ
ージ、あるいは基板面について樹脂の肉厚の上下比が大
きく異なる異形パッケージ、あるいは片面モールドパッ
ケージには、ガラス転移温度が成形温度以上の、つまり
170 ℃以上の樹脂組成物が広く使用されている。
【0004】しかし、ガラス転移温度が170 ℃以上の樹
脂組成物によって封止された半導体装置は、エポキシ樹
脂のエポキシ基と硬化剤フェノール樹脂のフェノール性
水酸基が反応する架橋点が多くなり、吸湿量が増加する
ために、装置全体の半田浴浸漬を行うと耐湿性が低下す
るという欠点があった。特に多量に吸湿した半導体装置
を半田浴浸漬すると、封止樹脂と半導体チップ、あるい
は封止樹脂とリードフレームとの間の剥がれや、内部樹
脂クラックが生じて著しい耐湿性劣化を起こし、電極の
腐蝕による断線や水分によるリーク電流を生じ、その結
果、半導体装置は、長期間の信頼性を保証することがで
きないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消するためになされたもので、吸湿の影響が少な
く、特に半田浴浸漬後の耐湿性、半田耐熱性、成形性、
特にパッケージ反りに優れ、封止樹脂と半導体チップあ
るいは封止樹脂とリードフレームの間の剥がれや、内部
樹脂クラックの発生がなく、また電極の腐蝕による断線
や水分によるリーク電流の発生もなく、長期信頼性を保
証できるエポキシ樹脂組成物および半導体封止装置を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、ガラス転移温度
を低くするエポキシ樹脂とフェノール樹脂の組合せそれ
に球状溶融シリカを高充填することによって、耐湿性、
半田耐熱性、成形性、特にパッケージ反り等に優れた樹
脂組成物が得られることを見いだし、本発明を完成した
ものである。
【0007】即ち、本発明は、(A)エポキシ樹脂、
(B)硬化剤としてフェノール樹脂、(C)充填剤とし
て球状溶融シリカを必須成分とし、全体の樹脂組成物に
対して前記(C)の球状溶融シリカを90〜95重量%の割
合で含有してなる樹脂組成物であって、硬化物のガラス
転移温度が140 ℃以下であり、ガラス転移温度よりも高
い温度領域(ゴム領域)の熱膨脹係数が 2.5×10-5/℃
以下であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物であ
る。また、このエポキシ樹脂組成物の硬化物によって、
半導体チップが封止されてなることを特徴とする半導体
封止装置である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明に用いる(A)エポキシ樹脂は、エ
ポキシ基を2 個以上有するエポキシ樹脂であれば種類を
問わないが、150 ℃におけるICI粘度が0.2 ポイズ以
下の低粘度で、4-4'- ジグリシジルビフェニル樹脂等の
結晶性エポキシ樹脂の含有率の多いものが望ましい。
【0010】本発明に用いる(B)の硬化剤フェノール
樹脂としては、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応し得る
フェノール性水酸基を2 個以上有するもので、水酸基当
量が90〜150 、好ましくは100 〜120 の化合物が望まし
い。
【0011】これらのエポキシ樹脂とフェノール樹脂の
組合せにおいて、ガラス転移温度が140 ℃を超えると、
極端に離型性が悪くなるばかりでなく、吸湿量が増加し
てしまう。一般にガラス転移温度が低い方が低吸湿の材
料となるので、吸湿後の半田耐熱性、耐湿信頼性が良好
となる。
【0012】また、フェノール硬化剤の水酸基当量が15
0 以下の化合物を用いると4-4'- ジグリシジルビフェニ
ル樹脂の分子間作用が強まるため、ゴム領域の熱膨脹係
数を小さくすることができ、その結果パッケージ反り量
を小さくすることができる。本発明に用いる(C)球状
溶融シリカとしては、一般に使用されているものが広く
使用されるが、それらの中でも不純物濃度が低く、最大
粒径が100 μm以下で、平均粒径30μm 以下の溶融シリ
カ粉末が好ましく使用される。平均粒径30μm を超える
と耐湿性および成形性が劣り好ましくない。球状溶融シ
リカの配合割合は、全体の樹脂組成物に対して90〜95重
量%含有するように配合することが好ましい。その割合
が90重量%未満ではゴム領域の熱膨脹係数が大きくな
り、パッケージ反りに対して有効でなく、また95重量%
を超えると極端に流動性が悪くなり、成形性に劣り好ま
しくない。
【0013】本発明のエポキシ樹脂組成物は、前述した
特定のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、球状溶融シリカ
を必須成分とするが、本発明の目的に反しない限度にお
いて、また必要に応じて、例えば天然ワックス類、合成
ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド類、エステ
ル類、パラフィン類等の離型剤、カーボンブラック等の
着色剤、シランカップリング剤、ゴム系やシリコーン系
の低応力付与剤等を適宜添加配合することができる。ま
た、無機充填剤の配合量が多いため、特に難燃剤を使用
しなくても難燃性が高く、高信頼性の樹脂組成物とな
る。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物を成形材料と
して調製する場合の一般的方法は、球状溶融シリカ粉末
にシランカップリング剤を用いて表面処理し、前述した
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シランカップリング剤
処理をした球状溶融シリカ粉末および硬化促進剤その他
の成分を配合し、ミキサー等によって十分均一に混合し
た後、さらに熱ロールによる溶融混合処理またはニーダ
等による混合処理を行い、次いで冷却固化させ適当な大
きさに粉砕して成形材料とすることができる。こうして
得られた成形材料は、半導体装置をはじめとする電子部
品或いは電気部品の封止・被覆・絶縁等に適用すれば優
れた特性と信頼性を付与させることができる。
【0015】また、本発明の半導体封止装置は、上述の
成形材料を用いて半導体チップを封止することにより容
易に製造することができる。封止を行う半導体チップと
しては、例えば集積回路、大規模集積回路、トランジス
タ、サイリスタ、ダイオード等で特に限定されるもので
はない。封止の最も一般的な方法としては、低圧トラン
スファー成形法があるが、射出成形、圧縮成形、注形等
による封止も可能である。成形材料で封止後加熱して硬
化させ、最終的にはこの硬化物によって封止された半導
体封止装置が得られる。加熱による硬化は、150 ℃以上
に加熱して硬化させることが望ましい。
【0016】
【作用】本発明のエポキシ樹脂組成物および半導体封止
装置は、吸湿の影響が少なく、特に半田浸漬後の耐湿
性、半田耐熱性、成形性、特にパッケージ反りに優れ、
封止樹脂と半導体チップあるいは封止樹脂とリードフレ
ームとの間の剥がれや、内部樹脂クラックの発生がな
く、また、電極の腐食による断線や水分によるリーク電
流の発生もなく、長期信頼性を保証できる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施例によって説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。以下の実施例および比較例において「%」
とは「重量%」を意味する。
【0018】実施例1 球状溶融シリカ粉末(最大粒径100 μm以下)91.4%を
ヘンシェルミキサーに入れ、攪拌しながら先述したγ−
グリシドキシプロピルメトキシシラン0.4 %を加えて球
状溶融シリカ粉末の表面処理をした。
【0019】次に、表面処理をした球状溶融シリカ粉末
に、 4,4′−ジグリシドキシビフェニルと 4,4′−ジグ
リシドキシ-3,5,3′,5′−テトラメチルビフェニルの混
合物(1:2 の割合で混合しておく)5.0 %、フェノール
ノボラック樹脂3 %、トリフェニルホスフィン0.1 %、
カルナバワックス0.2 %、およびカーボンブラック0.3
%を常温で混合し、さらに70〜100 ℃で混練冷却した
後、粉砕して成形材料(A)を製造した。
【0020】実施例2〜3 実施例1と同様にして、表1に示す組成で成形材料
(B)、(C)を製造した。
【0021】比較例1〜3 実施例1と同様にして、表1に示す組成で成形材料
(D)、(E)、(F)を製造した。
【0022】こうして製造した成形材料(A)〜(F)
を用いて 180℃に加熱した金型内にトランスファー注
入、半導体チップを封止し硬化させて半導体封止装置を
製造した。これらの半導体封止装置について、諸試験を
行ったのでその結果を表2に示したが、本発明のエポキ
シ樹脂組成物および半導体封止装置は、耐湿性、半田耐
熱性、成形性、特にパッケージ反りに優れており、本発
明の顕著な効果を確認することができた。
【0023】
【表1】 *1 :最大粒径100 μm以下の球状。*2 :OH当量104 、*3 :OH当量175 、*4 :OH当量60、*5 :OH当量80。
【0024】
【表2】 *1 :175 ℃,80kg/cm2 ,2 分間のトランスファー成形によって得られた 成形品(試験片)をつくり、175 ℃,8 時間の後硬化を行い、適当な大きさの試 験片とし、熱機械分析装置を用いて測定した。 *2 :5.3 ×5.3 mmチップをQFP(12×12×1.4 mm厚)パッケージに納め 、成形材料を用いて175 ℃,2 分間のトランスファー成形をした後、175 ℃,8 時間の後硬化を行った。こうして得た半導体封止装置を85℃,85%R.H.,48 時間の吸湿処理をした後、増加した重量によって計算した。 *3 :成形材料を用いて、TSOP88pin(チップサイズ13×21mm)を175 ℃,2 分間のトランスファー成形をした後、175 ℃,8 時間の後硬化を行った。 こうして得た半導体封止装置の長方形の長辺方向に切断し、断面の反り量を測定 し、40μm以上をNGとした。 *4 :5.3 ×5.3 mmチップをQFP(12×12×1.4 mm厚)パッケージに納め 、成形材料を用いて175 ℃,2 分間のトランスファー成形をした後、175 ℃,8 時間の後硬化を行った。こうして得た半導体封止装置を85℃,85%R.H.,48 時間の吸湿処理をした後、これをエアーリフローマシン(Max240 ℃)に通し 、外部および内部クラックの有無を調査した。
【0025】
【発明の効果】以上の説明および表1から明らかなよう
に、本発明のエポキシ樹脂組成物および半導体封止装置
は、耐湿性、半田耐熱性、成形性、特にパッケージ反り
に優れ、また薄型パッケージの充填性にも優れ、吸湿に
よる影響が少なく、電極の腐蝕による断線や水分による
リーク電流の発生等を著しく低減することができ、しか
も長期間にわたって信頼性を保証することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC00X CC03X CC13X CD00W CD05W DJ016 FA086 FD016 FD090 FD160 GQ05 4J036 AB00 AB01 AB02 AB03 DA01 FA05 FB07 HA12 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA02 EB03 EB06 EB08 EB09 EB13 EB16 EB19 EC01 EC05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤とし
    てフェノール樹脂、(C)充填剤として球状溶融シリカ
    を必須成分とし、全体の樹脂組成物に対して前記(C)
    の球状溶融シリカを90〜95重量%の割合で含有してなる
    樹脂組成物であって、硬化物のガラス転移温度が140 ℃
    以下であり、ガラス転移温度よりも高い温度領域(ゴム
    領域)の熱膨脹係数が 2.5×10-5/℃以下であることを
    特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤とし
    てフェノール樹脂、(C)充填剤として球状溶融シリカ
    を必須成分とし、全体の樹脂組成物に対して前記(C)
    の球状溶融シリカを90〜95重量%の割合で含有してなる
    樹脂組成物であって、硬化物のガラス転移温度が140 ℃
    以下であり、ガラス転移温度よりも高い温度領域(ゴム
    領域)の熱膨脹係数が 2.5×10-5/℃以下であるエポキ
    シ樹脂組成物の硬化物によって、半導体チップが封止さ
    れてなることを特徴とする半導体封止装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003012895A (ja) * 2001-06-27 2003-01-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
EP1557880A1 (en) * 2004-01-21 2005-07-27 Nitto Denko Corporation Resin composition for encapsulating semiconductor
WO2012137620A1 (ja) * 2011-04-05 2012-10-11 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置

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JP2003012895A (ja) * 2001-06-27 2003-01-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
EP1557880A1 (en) * 2004-01-21 2005-07-27 Nitto Denko Corporation Resin composition for encapsulating semiconductor
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