JP2000062044A - 浴槽の製造方法 - Google Patents

浴槽の製造方法

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JP2000062044A
JP2000062044A JP10237552A JP23755298A JP2000062044A JP 2000062044 A JP2000062044 A JP 2000062044A JP 10237552 A JP10237552 A JP 10237552A JP 23755298 A JP23755298 A JP 23755298A JP 2000062044 A JP2000062044 A JP 2000062044A
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bathtub
reinforcing
manufacturing
resin
mold
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Kazufumi Harumiya
一文 春宮
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Daikyo Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深みのある高級感を維持しつつ、製品の重量
を低減し、一人で据え付けを容易に行い得る浴槽の製造
方法を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂を含むBMC材を金型10
内にセットし、圧縮成形することによって薄肉の浴槽で
あるベース層1を形成した後、金型10から取り出し、
その裏面に熱硬化性樹脂又は硬質発泡樹脂のいずれか一
方と強化繊維とを含む補強層2を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂を用
いて圧縮成形される浴槽の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の浴槽の成形方法として、注入成
形方法、ゲルコート吹き付け後に積層成形する方法、
ゲルコート吹き付け後に注入成形する方法、圧縮成
形して浴槽を成形する方法が知られている。
【0003】上記の注入成形方法は、コンパウンドを
金型内に注入し、型を加熱してそのコンパウンドを硬化
させることにより、型の形状等を忠実に再現して注型品
を得る方法である。
【0004】また、及びの方法は、予め型に例えば
着色したゲルコート樹脂を吹き付けておき、これを硬化
させることにより表面層を形成した後、積層成形又は注
入成形する加工法である。
【0005】さらに、の圧縮成形方法は、加熱したキ
ャビティと称される金型の凹所に成形材料を入れ、圧縮
成形機の定盤間で加圧し、成形する方法であり、通常、
熱硬化性樹脂の成形に利用される。成形材料は、金型中
で加熱されて一旦流動状態となり、キャビティの隅々に
まで行きわたると共に、化学反応を起こして硬化するの
で、適当な時間の後、金型を開いて成形品を取り出す。
【0006】上記のの圧縮成形方法を利用した模様付
浴槽の製造方法は、例えば、特開平7−329091号
公報に開示されている。
【0007】この公報に開示された模様付浴槽の製造方
法は、SMC又はBMCを用いて圧縮成形し、厚肉の浴
槽を得るものである。上記のSMCとは、シートモール
ディングコンパウンドの略称であり、ガラス繊維等の補
強繊維物質にポリエステル樹脂を含浸させた後、増粘さ
せた成形材料をいう。また、BMCとは、塊状成形材料
つまりバルクモールディングコンパウンドの略称であ
り、樹脂やガラス繊維の他に多量の充填材を加え、混練
して増粘させた成形材料をいう。
【0008】圧縮成形方法による浴槽の製造方法は、具
体的には、図5(a)に示すように、バスタブの形をし
た加熱した金型のキャビティ101に成形材料としての
BMC100を投入し、図5(b)に示すように、コア
103にて加圧する。次いで、図5(c)に示すよう
に、コア103を開き、図5(d)に示すように、成形
品102を取り出す。次いで、図5(e)に示すよう
に、この成形品102のトリミング処理を行い、図5
(f)に示す仕上げ処理を行う。
【0009】これによって、図6に示すように、フラン
ジ部102aが10〜12mm、側面部102bが8〜
10mm、及び底面部102cが10〜12mmの浴槽
を得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の浴槽の製造方法では、先ず、及びの方法では、
成形時の残留応力の問題で薄肉化が難しいため、厚肉と
なって製品が重くなるとという問題点を有している。
【0011】また、の方法では、着色ゲルコートを使
用するため、深みのある高級感が得られないという問題
点を有している。
【0012】一方、の圧縮成形方法では、深みのある
高級感を出すことができるものの、物性を良くするため
には、長い強化繊維材を入れない方が良い。このため、
製品に要求される強度を確保するには、製品の肉厚を厚
くする必要がある。この結果、図6に示すように、製品
肉厚が8〜12mmとなって非常に重いものとなり、搬
送や現場での施工を困難なものとしていた。
【0013】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、深みのある高級感を維持
しつつ、製品の重量を低減し、一人で据え付けを容易に
行い得る浴槽の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の浴
槽の製造方法は、上記課題を解決するために、熱硬化性
樹脂を含むBMC材を圧縮成形型内にセットし、圧縮成
形することによって薄肉の浴槽を形成した後、圧縮成形
型から取り出し、その裏面に熱硬化性樹脂又は硬質発泡
樹脂のいずれか一方と強化繊維とを含む補強材を積層す
ることを特徴としている。
【0015】上記の発明によれば、浴槽を製造するとき
には、先ず、熱硬化性樹脂を含むBMC材を圧縮成形型
内にセットし、圧縮成形することによって薄肉の浴槽を
形成し、その薄肉の浴槽を圧縮成形型から取り出す。
【0016】次いで、この薄肉の浴槽における裏面に、
熱硬化性樹脂又は硬質発泡樹脂のいずれか一方と強化繊
維とを含む補強材が積層される。
【0017】即ち、従来においては、製品に強度を持た
せるために、厚肉の浴槽を形成していた。
【0018】しかし、本発明の浴槽の製造方法では、浴
槽を薄く形成することができると共に、必要強度も維持
できる。
【0019】また、本発明では、最初の薄肉の浴槽を形
成する際に、硬化性樹脂を含むBMC材を用いている。
【0020】このため、補強材を積層したときに、最初
の薄肉の浴槽を樹脂単体を用いて形成するのに比べて、
薄肉の浴槽と補強材との接合性が良い。
【0021】この結果、深みのある高級感を維持しつ
つ、製品の重量を低減し、一人で据え付けを容易に行い
得る浴槽の製造方法を提供することができる。
【0022】請求項2に係る発明の浴槽の製造方法は、
上記課題を解決するために、請求項1記載の浴槽の製造
方法において、上記補強材の積層を、スプレーアップ、
ハンドレーアップ又はレジンインジェクションにて行う
ことを特徴としている。
【0023】上記の発明によれば、補強材の積層は、ス
プレーアップ、ハンドレーアップ又はレジンインジェク
ションにて行われる。
【0024】このため、補強材の積層を容易に行うこと
ができる。
【0025】請求項3に係る発明の浴槽の製造方法は、
上記課題を解決するために、請求項1又は2記載の浴槽
の製造方法において、上記補強材にて形成される補強層
は、全厚みの1/2以下であることを特徴としている。
【0026】上記の発明によれば、補強材にて形成され
る補強層は、全厚みの1/2以下が良い。これによっ
て、物性、重量及びコストの点で満足する浴槽を得るこ
とができる。
【0027】請求項4に係る発明の浴槽の製造方法は、
上記課題を解決するために、請求項1〜3のいずれか1
項に記載の浴槽の製造方法において、上記BMC材によ
る薄肉の浴槽は、半透明樹脂にて形成される一方、上記
補強材にて形成される補強層には着色又は模様が施され
ることを特徴としている。
【0028】即ち、従来の厚肉の浴槽では、半透明樹脂
にて形成することによって高級感を出すことができた。
従って、本発明においても高級感を出すために、半透明
樹脂にて行うのが好ましい。しかし、肉厚が薄いため、
肉厚の違いで色合いが変わって見えるという不具合が生
じる。
【0029】そこで、本発明では、補強材にて形成され
る補強層に、着色又は模様を施すことによって、色合い
に違いが生じるのを防止することができる。
【0030】この結果、本発明の浴槽の製造方法におい
ても、深みのある高級感を確実に維持することができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0032】本実施の形態の浴槽の製造方法では、図1
(a)〜(g)に示すように、熱硬化性樹脂を用いて圧
縮成形により薄肉の浴槽(以下、「ベース層1」とい
う)を形成し、その裏面に補助材を積層する(以下、
「補強層2」という)ことにより浴槽を製造する。上記
の熱硬化性樹脂には、不飽和ポリエステル樹脂を主材料
としたBMC材が使用される。但し、熱硬化性樹脂とし
ては必ずしもこれに限らず、例えばビニルエステル樹
脂、アクリル樹脂でも良い。
【0033】即ち、ベース層1に用いられるBMC材と
しては、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し
て、低収縮樹脂5〜20重量部、内部離型剤3〜7重量
部、禁止剤適量、硬化剤0.7〜1.5重量部、着色剤
適量、増量材200〜350重量部、増粘剤0.5〜
1.5重量部、ガラス繊維10〜20重量部等が混入さ
れる。
【0034】上記の不飽和ポリエステル樹脂は、グリコ
ールと不飽和多塩基酸と飽和多塩基酸とを加熱エステル
化することによって合成されたものをスチレンモノマー
に溶解したものとなっている。
【0035】また、低収縮樹脂としては、例えば、ポリ
スチレン共重合体、変成酢酸ビニルブロックコポリマ、
ジビニルベンゼン共重合体を用いることができる。好ま
しくは、ジビニルベンゼン共重合体が良い。
【0036】また、内部離型剤としては、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸ナトリウムを用いることができる。
好ましくは、ステアリン酸亜鉛が良い。
【0037】禁止剤は、熱硬化性樹脂の熟成時に硬化剤
が反応しないようにするためのものであり、ターシャル
ブチルハイドロキノン、クペエンアルミ塩、パラペンゾ
キノンを用いることができる。好ましくは、ターシャル
ブチルハイドロキノン、クペエンアルミ塩が良い。
【0038】硬化剤としては、アルキルパーエステル、
パーオキシエステル、パーオキシタケールを用いること
ができる。好ましくは、パーオキシエステルが良い。
【0039】着色剤としては、顔料を用いる。
【0040】増量材としては、ガラスフリット、水酸化
アルミニウムを用いることができる。
【0041】増粘剤としては、酸化マグネシウムが良
い。
【0042】ガラス繊維としては、1〜3mmのEガラ
スが良い。
【0043】一方、補強層2に用いられる補強材として
は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、硬
化剤0.5〜5.0重量部、強化繊維20〜70重量
部、その他を混入したものが使用される。
【0044】上記の不飽和ポリエステル樹脂としては、
グリコールと不飽和多塩基酸と飽和多塩基酸とを加熱エ
ステル化することによって合成されたものをスチレンモ
ノマーに溶解したものを用いる。
【0045】硬化剤としては、メチルエチルケトンパー
オキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、クペン
ハイドロパーオキサイドを用いることができる。好まし
くは、メチルエチルケトンパーオキサイドが良い。
【0046】強化繊維としては、Eガラス、Cガラス、
Sガラス、Aガラスを用いることができる。好ましく
は、Eガラスが良い。Eガラスは低アルカリであるため
である。また、その繊維長さは、2.5〜5.0mmが
好ましい。
【0047】その他には、促進剤としてナフテン酸コバ
ルトを用いることができる一方、さらに他の添加剤とし
てオフテン酸コバルト、ジメチルアニリン、バナジウム
系を用いることができる。好ましくは、少なくともオフ
テン酸コバルトを入れておくのが良い。
【0048】上記の材料を用いた本実施の形態の浴槽の
製造方法について、図1(a)〜(g)に基づいて、詳
細に説明する。
【0049】先ず、図1(a)に示すように、図示しな
い圧縮成形機の金型10を開き、その浴槽の型をした金
型10における下型11に、BMC材をセットする。こ
のときのBMC材の使用量は、従来の約2分の1であ
る。
【0050】次いで、図1(b)に示すように、金型1
0を閉じて上型12にて圧縮成形する。このとき、下型
11側に設けられた図示しない加熱部にて金型10が加
熱されている。また、このときの硬化条件としては、温
度条件として製品表面型温度が120℃〜130℃であ
って、製品裏面型温度が100℃〜110℃であること
が好ましい。さらに、時間条件としては、4分〜8分が
好ましい。より好ましい硬化条件は、硬化温度103℃
〜125℃であって硬化時間6分である。
【0051】このようにして、ベース層1が成形される
と、図1(c)に示すように、金型10における上型1
2を開く。このとき、金型10を開くために、先ず、上
型12とベース層1との間に図示しない圧縮エアーを吹
き付けて離型させて、上型12を上昇させる。
【0052】次いで、図1(d)に示すように、下型1
1に残ったベース層1を脱型するため、下型11とベー
ス層1との間に図示しない圧縮エアーを流してベース層
1を取り出す。
【0053】これによって、図2に示すように、ベース
層1として浴槽の上端であるフランジ部1aを6mm、
側面部1bを3mm、底面部1cを6mmとした厚みが
従来品の約2分の1の薄肉のベース層1を形成すること
ができる。
【0054】次に、本実施の形態では、図1(e)に示
すように、この取り出したベース層1の裏面に、不飽和
ポリエステル樹脂と強化繊維とからなる補強材を吹き付
けて積層し、気泡を抜いて硬化させる。これによって、
ベース層1に補強層2が形成される。
【0055】このときの、補強材の硬化条件は、温度条
件を40℃〜80℃とし、時間条件を10分〜60分と
するのが好ましい。より好ましい硬化条件は、硬化温度
60℃であって硬化時間30分である。
【0056】次いで、図1(f)に示すように、バリ取
り等のトリミングを施し、縁を仕上げることによって、
図1(g)に示すように、製品としての浴槽が完成す
る。
【0057】上記ベース層1の裏面に積層された補強層
2の各部の寸法は、図3に示すように、フランジ部2a
が2〜3mm、側面部2bが2〜3mm、底面部2cが
2〜3mmとなっている。
【0058】従って、ベース層1と補強層2とを合わせ
た各部の寸法は、フランジ部では8〜9mm、側面部で
は5〜6mm、底面部では8〜9mmとなり、この結
果、前記図6に示す従来例の浴槽よりも薄く仕上げられ
ている。また、重量についても、従来の浴槽が約46k
gであったのに対して、本実施の形態の浴槽は28kg
となり、軽量化が図られている。
【0059】さらに、上記補強材にて形成される補強層
2は、全厚みの1/2以下となっており、これによっ
て、後述する実施例に示すように、物性、重量及びコス
トの点で満足する浴槽を得ることができる。
【0060】ここで、本実施の形態では、補強層2を形
成する方法として、図4(a)にも示すように、補強材
を吹き付ける方法、つまり所謂スプレーアップによる方
法を用いている。そして、この補強材は、ベース層1の
材質と類似する不飽和ポリエステル樹脂に強化繊維を混
入したものである。
【0061】しかしながら、上記材質の補強材からなる
補強層2を形成する方法としては、必ずしもスプレーア
ップに限らず、例えば、図4(b)に示すように、この
補強材をローラ21にて塗布する所謂ハンドレーアップ
にて積層することが可能である。そして、これによっ
て、スプレーアップよりも補強材の飛散を防止すること
ができる。
【0062】また、図4(c)に示すように、ベース層
1を形成した後、このベース層1を注入型30に入れ、
中央部に開けた注入口31から、浴槽の形状を保持した
ガラス繊維のプリフォーム3をセットし、高圧で硬化剤
を含んだポリエステル樹脂を注入する、レジンインジェ
クション成形も可能である。
【0063】この方法では、成形品の裏面が美しいとい
う長所がある。さらに、補強材の注入時に、型内を減圧
にしておくと、樹脂の強化繊維への含浸性や脱泡性が改
善されるという長所もある。
【0064】一方、上記図4(a)〜(c)において
は、補強材として不飽和ポリエステル樹脂と強化繊維と
からなるものであった。
【0065】しかし、補強層2を形成するための補強材
としては、必ずしも不飽和ポリエステル樹脂と強化繊維
とからなる必要はない。
【0066】例えば、図4(d)に示すように、補強材
として硬質発泡材に強化繊維を混入したものを吹き付け
ることが可能である。
【0067】この硬質発泡材としては、例えば、ポリウ
レタン及び硬化剤等の反応型の硬化性樹脂を使用するこ
とができる。
【0068】具体的には、ポリウレタンとしては、ポリ
イソシアネートと活性水素基を持った化合物(ポリオー
ル)を主原料としたものを用いることができる。
【0069】また、その硬化剤としては、有機金属系又
はアミン系を用いることができる。好ましくはトリエチ
レンジアミンが良い。
【0070】尚、添加剤として、水を用いることも可能
である。
【0071】強化繊維としては、450番1プライを浴
槽底面に使用するのが好ましい。尚、上記の450番と
は、450g/m2 の強化繊維シートをいい、1プライ
とは、1層のことをいう。
【0072】上記の硬質発泡材を吹き付けるときの硬化
条件としては、硬化温度10〜40℃、硬化時間10秒
〜30分が好ましい。より好ましい硬化条件は、硬化温
度25℃であって硬化時間1分である。
【0073】このように、本実施の形態の浴槽の製造方
法では、浴槽を製造するときには、先ず、熱硬化性樹脂
を含むBMC材を金型10内にセットし、圧縮成形する
ことによって薄肉の浴槽であるベース層1を形成し、そ
のベース層1を金型10から取り出す。
【0074】次いで、このベース層1における裏面に熱
硬化性樹脂又は硬質発泡樹脂のいずれか一方と強化繊維
とを含む補強層2が形成される。
【0075】即ち、従来においては、製品に強度を持た
せるために、厚肉の浴槽を形成していた。
【0076】しかし、本実施の形態の浴槽の製造方法で
は、浴槽を薄く形成することができると共に、必要強度
も維持できる。
【0077】この結果、深みのある高級感を維持しつ
つ、製品の重量を低減し、一人で据え付けを容易に行い
得る浴槽の製造方法を提供することができる。
【0078】また、本実施の形態では、ベース層1を形
成する際に、硬化性樹脂を含むBMC材を用いている。
【0079】このため、補強層2を形成したときに、ベ
ース層1を樹脂単体を用いて形成するのに比べて、ベー
ス層1と補強層2との接合性が良い。
【0080】即ち、例えば、アクリル樹脂シートとFR
P層との積層においては、両者の熱膨張係数の差が大き
いので温度変化によって歪みを生じて劣化することがあ
る。
【0081】しかし、このアクリル樹脂をBMC材にし
てベース層1を形成し、そのベース層1にFRP層を積
層した場合には、熱膨張係数の差がアクリル樹脂単体の
場合よりも小さくなるので、温度変化による歪みが小さ
くなり、剥がれ難くなるという利点がある。
【0082】また、本実施の形態の浴槽の製造方法で
は、補強材の積層は、スプレーアップ、ハンドレーアッ
プ又はレジンインジェクションにて行われる。
【0083】このため、補強層2の形成を容易に行うこ
とができる。
【0084】また、本実施の形態の浴槽の製造方法で
は、補強材にて形成される補強層2は、全厚みの1/2
以下が良い。これによって、物性、重量及びコストの点
で満足する浴槽を得ることができる。
【0085】尚、本実施の形態においては、BMC材に
よるベース層1は、半透明樹脂にて形成される。
【0086】即ち、従来の厚肉の浴槽では、半透明樹脂
にて形成することによって高級感を出すことができた。
従って、本実施の形態においても高級感を出すために、
半透明樹脂にて行うのが好ましい。しかし、肉厚が薄い
ため、肉厚の違いで色合いが変わって見えるという不具
合を生じる。
【0087】そこで、本実施の形態では、補強材にて形
成される補強層2に、着色又は模様を施すことによっ
て、色合いに違いが生じるのを防止することができる。
【0088】具体的には、例えば、補強層2を形成した
後に、補強層2を着色するか、又は絵画や石目等の模様
を付けることが可能である。これによって、深みのある
高級感を保つことができる。
【0089】また、場合によっては、BMC材を着色す
ることも可能である。
【0090】この結果、本実施の形態の浴槽の製造方法
においても、深みのある高級感を確実に維持することが
できる。
【0091】
【実施例】本欄においては、上記実施の形態の各方法に
より形成した浴槽について、各種の評価を行った結果を
説明する。
【0092】先ず、評価の結果は、表1のように示され
る。
【0093】表1において、実施例1及び実施例2は不
飽和ポリエステル樹脂+強化繊維によるスプレーアップ
補強したものを示している。
【0094】また、実施例3は、浴槽底面部補強として
ガラスマット1プライしたものに、硬質発泡材補強した
方法を示している。
【0095】尚、比較例1〜3として、硬質発泡材補強
のみのものについて示した。具体的には、比較例1は硬
質発泡樹脂を発泡しないで膜厚3mmに形成したもの、
比較例2は硬質発泡樹脂を発泡しないで膜厚6mmに形
成したもの、比較例3は硬質発泡樹脂を発泡させて膜厚
9mmに形成したものである。
【0096】また、表1の最後には従来例を記載した。
【0097】一方、表1における評価項目は、満水時た
わみ、耐荷重性、耐砂袋衝撃性、及び耐冷熱性の4項目
の品質確認、並びに重量等の物性評価とコスト評価とし
た。
【0098】また、これら物性評価及びコスト評価か
ら、最後に総合評価を行った。
【0099】さらに、上記4項目の品質確認における試
験方法及び評価基準については、表2に示した。
【0100】その結果、表1から分かるように、実施例
1及び実施例2に示すスプレーアッップ補強が、品質基
準を満足し、しかも軽量であって、コストも低減できる
ことが分かった。特に、実施例2に示すように、側面部
2bの厚さを2〜3mmとした場合が、その効果が最も
高かった。
【0101】一方、硬質発泡材補強については、比較例
1及び比較例2に示すように、強化繊維を1プライしな
いで無発泡の場合には、殆ど満足するものが得られなか
った。
【0102】また、比較例3に示すように、強化繊維を
1プライしないで発泡させた場合には、物性、コスト及
び総合評価について満足するものとはならなかった。
【0103】しかし、実施例3に示すように、硬質発泡
材補強について、強化繊維として450番1プライした
後に、側面部2bの厚さを9mmに発泡したものについ
ては、実施例2や実施例3には劣るものの、満足するこ
とができる浴槽を得ることができた。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【発明の効果】請求項1に係る発明の浴槽の製造方法
は、以上のように、熱硬化性樹脂を含むBMC材を圧縮
成形型内にセットし、圧縮成形することによって薄肉の
浴槽を形成した後、圧縮成形型から取り出し、その裏面
に熱硬化性樹脂又は硬質発泡樹脂のいずれか一方と強化
繊維とを含む補強材を積層する方法である。
【0107】それゆえ、浴槽を薄く形成することができ
ると共に、必要強度も維持できる。
【0108】また、最初の薄肉の浴槽を形成する際に硬
化性樹脂を含むBMC材を用いているので、補強材を積
層したときに、最初の薄肉の浴槽を樹脂単体を用いて形
成するのに比べて、薄肉の浴槽と補強材との接合性が良
い。
【0109】この結果、深みのある高級感を維持しつ
つ、製品の重量を低減し、一人で据え付けを容易に行い
得る浴槽の製造方法を提供することができるという効果
を奏する。
【0110】請求項2に係る発明の浴槽の製造方法は、
以上のように、請求項1記載の浴槽の製造方法におい
て、上記補強材の積層を、スプレーアップ、ハンドレー
アップ又はレジンインジェクションにて行う方法であ
る。
【0111】それゆえ、補強材の積層を容易に行うこと
ができるという効果を奏する。
【0112】請求項3に係る発明の浴槽の製造方法は、
以上のように、請求項1又は2記載の浴槽の製造方法に
おいて、上記補強材にて形成される補強層は、全厚みの
1/2以下である。
【0113】それゆえ、物性、重量及びコストの点で満
足する浴槽を得ることができるという効果を奏する。
【0114】請求項4に係る発明の浴槽の製造方法は、
以上のように、請求項1〜3のいずれか1項に記載の浴
槽の製造方法において、上記BMC材による薄肉の浴槽
は、半透明樹脂にて形成される一方、上記補強材にて形
成される補強層には着色又は模様が施される方法であ
る。
【0115】即ち、BMC材による薄肉の浴槽を形成
し、その裏面に強化繊維を含む補強材を積層したときに
は、肉厚の違いで色合いが変わって見えるという不具合
が生じる。
【0116】そこで、本発明では、補強材にて形成され
る補強層に、着色又は模様を施すことによって、色合い
に違いが生じるのを防止している。
【0117】それゆえ、本発明の浴槽の製造方法におい
ても、深みのある高級感を確実に維持することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における浴槽の製造方法の実施の一形態
を示す説明図であり、(a)は金型にBMC材をセット
した状態、(b)はBMC材を圧縮成形する状態、
(c)は金型を開く状態、(d)はベース層を金型から
離型させる状態、(e)はベース層の裏面に補強材をス
プレーアップする状態、(f)はトリミングを施す状
態、(g)は仕上げ処理を施した完成品を示すものであ
る。
【図2】上記ベース層の各部の厚さを示す断面図であ
る。
【図3】上記ベース層に積層される補強層の各部の厚さ
を示す断面図である。
【図4】上記ベース層に補強材を積層する方法を示す説
明図であり、(a)は不飽和ポリエステル樹脂と強化繊
維とからなる補強材をスプレーアップする方法、(b)
は同補強材をハンドレーアップする方法、(c)は同補
強材をレジンインジェクションする方法、(d)は硬質
発泡材からなる補強材をスプレーアップする方法であ
る。
【図5】従来の浴槽の製造方法を示す説明図であり、
(a)は金型にBMC材をセットした状態、(b)はB
MC材を圧縮成形する状態、(c)は金型を開く状態、
(d)はべース層を金型から離型させる状態、(e)は
トリミングを施す状態、(f)は仕上げ処理を施した完
成品を示すものである。
【図6】上記浴槽の各部の厚さを示す断面図である。
【符号の説明】
1 べース層(薄肉の浴槽) 1a フランジ部 2 補強層 2a フランジ部 10 金型 11 下型 12 上型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:06 Fターム(参考) 2D032 AA00 AB03 4F100 AA19 AA26 AG00 AK01A AK01B AK44 AK51 BA02 BA10B CA02 CA13 CA23 DC01B DE01 DG01 DG01B DH00B DH01A DH02A EA031 EH113 EJ20 EJ202 EJ42 EJ422 GB07 HB00 HB00B JB13A JB13B JK01 JL01 JL03 JL10B JL11 JN01A 4F205 AA36 AB12 AD04 AD16 AG03 AG07 AG20 AH49 HA03 HA04 HA12 HB01 HB13 HC01 HC11 4F213 AA36 AB12 AD04 AD16 AG03 AG07 AG20 AH49 WA04 WA05 WA12 WA14 WA53 WA73 WB01 WB18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂を含むBMC材を圧縮成形型
    内にセットし、圧縮成形することによって薄肉の浴槽を
    形成した後、圧縮成形型から取り出し、その裏面に熱硬
    化性樹脂又は硬質発泡樹脂のいずれか一方と強化繊維と
    を含む補強材を積層することを特徴とする浴槽の製造方
    法。
  2. 【請求項2】上記補強材の積層を、スプレーアップ、ハ
    ンドレーアップ又はレジンインジェクションにて行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の浴槽の製造方法。
  3. 【請求項3】上記補強材にて形成される補強層は、全厚
    みの1/2以下であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の浴槽の製造方法。
  4. 【請求項4】上記BMC材による薄肉の浴槽は、半透明
    樹脂にて形成される一方、上記補強材にて形成される補
    強層には着色又は模様が施されることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の浴槽の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104768735A (zh) * 2012-10-25 2015-07-08 株式会社Ihi 圆筒状外壳及圆筒状外壳的制造方法
CN111748187A (zh) * 2020-06-15 2020-10-09 惠达卫浴股份有限公司 浴缸填料、其制备方法及使用该填料的浴缸加工方法

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