JP2000061956A - 低融点金属中子の溶出方法 - Google Patents

低融点金属中子の溶出方法

Info

Publication number
JP2000061956A
JP2000061956A JP10231610A JP23161098A JP2000061956A JP 2000061956 A JP2000061956 A JP 2000061956A JP 10231610 A JP10231610 A JP 10231610A JP 23161098 A JP23161098 A JP 23161098A JP 2000061956 A JP2000061956 A JP 2000061956A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal core
melting
low
molded product
plastic molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10231610A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3899189B2 (ja
Inventor
Isao Matsumoto
勲 松本
Keiichi Kubo
啓一 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DKK Co Ltd
Original Assignee
Denki Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kogyo Co Ltd filed Critical Denki Kogyo Co Ltd
Priority to JP23161098A priority Critical patent/JP3899189B2/ja
Publication of JP2000061956A publication Critical patent/JP2000061956A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3899189B2 publication Critical patent/JP3899189B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック成型品の中空部内の低融点金属
中子を能率良く溶出することができ、この低融点金属中
子を構成する金属がプラスチック成型品の中空部の内壁
面に残留するのを皆無にすることができる低融点金属中
子の溶出方法及びその溶出装置を提供する。 【構成】 エチレングリコール液5中に配設された高周
波誘導加熱コイル7によりプラスチック成型品(例え
ば、インテークマニホールド2)の中空部3内の低融点
金属中子4を予備加熱した後に、プラスチック成型品2
を高周波誘導加熱コイル7に対して上昇移動させ、次い
でプラスチック成型品2を移動加熱することによりプラ
スチック成型品2の中空部3内の低融点金属中子4を溶
解温度にまで本加熱して、溶解状態の低融点金属(中子
金属)をプラスチック成型品2の下端側に形成された開
口部から漸進的に溶出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離型不可能な形状
の中空部を有しかつ低融点金属中子が前記中空部に充填
されたプラスチック成型品をエチレングリコール液中に
浸漬し、前記エチレングリコール液中で高周波誘導加熱
により前記プラスチック成型品の中空部内の低融点金属
中子を溶解せしめ、溶解状態の低融点金属を前記プラス
チック成型品に形成された開口部から溶出させるように
した低融点金属中子の溶出方法に関するものである。な
お、本願明細書において、「離型不可能な形状の中空
部」とは、プラスチック成型に際してプラスチック成型
品の中空部内に充填される低融点金属中子を、プラスチ
ック成型完了後に固体状態のままプラスチック成型品の
中空部から離脱させることができないような形状(例え
ば、曲がりくねった形状や屈曲した形状等)を有する中
空部をいうものとする。
【0002】
【従来の技術】従来において、プラスチック成型品の離
型不可能な形状の中空部内に充填された低融点金属中子
を高周波誘導加熱により溶解せしめてプラスチック成型
品の外部へ溶出するに際しては、次のような方法を採用
している。すなわち、従来では、所要温度に加熱したエ
チレングリコール液中に高周波誘導加熱コイルを配置
し、プラスチック成型品をエチレングリコール液中に浸
漬させると共に高周波誘導加熱コイル内にプラスチック
成型品を設置し、この状態の下で高周波誘導加熱コイル
にてプラスチック成型品の中空部内の低融点金属中子を
高周波誘導加熱して溶解せしめ、溶解金属のプラスチッ
ク成型品の中空部内における溶解金属の膨張による圧力
及び重力による自然落下により、プラスチック成型品に
形成されている開口部からプラスチック成型品の外部に
溶出するようにしている。
【0003】この種のプラスチック成型品としては自動
車用のインテークマニホールドが一例として挙げられ
る。図3に示すように、自動車用のインテークマニホー
ルド2は、その内部に複数本の中空部(吸気管部若しく
はパイプ部)3を有するものであって、これらの中空部
3はインテークマニホールド2のプラスチック成型時に
インテークマニホールド本体2aと同時に成型されるよ
うになっている。ところで、前記中空部3は、通常、図
3及び図4に示す如く複雑な形状に曲げられており、い
わゆる離型不可能な形状の中空部3となされている。従
って、インテークマニホールド2のプラスチック成型に
際しては、中空部3内に充填された中子をこの中空部3
内から離脱させることができないので、これらの中空部
3に低融点金属中子4を図4に示す如く充填してインテ
ークマニホールド2の外形を分割金型にて成型した後
に、固体状態の低融点金属中子4が中空部3内に充填さ
れているインテークマニホールド2を分割金型から取り
出して加熱することにより、低融点金属中子4のみを溶
解させて中空部3ひいてはインテークマニホールド2の
外部へ溶出させるようにしている。なお、低融点金属中
子4はインテークマニホールドの構成材料(プラスチッ
ク)の融点よりも低い融点を有する金属から成るもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の高周波誘導加熱による低融点金属中子の溶出
方法及びこの方法を実施する装置にあっては、次のよう
な問題点がある。まず、離型不可能な中空部を有するプ
ラスチック成型品は複雑形状のものが多い。例えば、プ
ラスチック成型品から成るインテークマニホールド2等
のように、低融点金属中子4と接する中空部(吸気管
部)3の内壁面3aは、図3及び図4に示す如く、円筒
面等の単純形状ではなく、曲がりくねった形状や屈曲し
た形状等の複雑形状を有するものが多い。このような複
雑形状の中空部を有するプラスチック成型品の場合にあ
っては、溶解状態の低融点金属が流れにくい小寸法の隅
部等が存在し、加熱温度が不均一になり易いため、プラ
スチック成型品の中空部の外部へ溶解金属が溶出せず、
プラスチック成型品の中空部内に微量の溶解金属が残留
することがある。また、中子金属(低融点金属中子を構
成する金属)の残留を防ぐため高周波誘導加熱を長時間
に亘って継続的に施行するようにしているのが実状であ
るが、この場合には残留金属が高周波誘導加熱作用にて
過熱され、これに起因してプラスチック成型品の中空部
の内壁面部分に材質劣化(熱劣化)を引き起こすという
不具合を生ずるおそれがある。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的は、プラスチック成型品の
中空部内の低融点金属中子を能率良く溶出することがで
き、この低融点金属中子を構成する低融点金属がプラス
チック成型品の中空部の内壁面に残留するのを皆無にす
ることができ、しかもプラスチック成型品の中空部の内
壁面部分に材質劣化を生じるようなことのない低融点金
属中子の溶出方法及びその溶出装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、離型不可能な形状の中空部を有しか
つ低融点金属中子が前記中空部に充填されたプラスチッ
ク成型品をエチレングリコール液中に浸漬し、前記エチ
レングリコール液中で高周波誘導加熱により前記プラス
チック成型品の中空部内の低融点金属中子を溶解せし
め、溶解状態の低融点金属を前記プラスチック成型品に
形成された開口部から溶出させるようにした低融点金属
中子の溶出方法において、(a) 前記エチレングリコ
ール液中に配設された高周波誘導加熱コイルにより前記
低融点金属中子を予備加熱せしめる予備加熱工程と、
(b) 前記予備加熱工程の完了後に、前記プラスチッ
ク成型品の下端部が前記高周波誘導加熱コイルの上端部
にほぼ等しくなる所定位置まで前記プラスチック成型品
を上昇移動させる上昇移動工程と、(c) 前記上昇移
動工程の完了後に、前記所定位置から前記プラスチック
成型品を下降移動させながら移動加熱を開始し、前記プ
ラスチック成型品の下端部が前記高周波誘導加熱コイル
の下端部に至るまでに前記プラスチック成型品の下端部
を前記低融点金属中子の溶解温度に移動加熱を行なう本
加熱工程と、(d) 前記本加熱工程の完了後に、前記
プラスチック成型品の下端側から前記低融点金属中子の
溶解を開始し、高周波誘導加熱コイルの中を移動させな
がら漸進的に前記低融点金属中子を溶解させ、溶解状態
の低融点金属を前記プラスチック成型品の下端側に形成
された開口部から漸進的に溶出させる溶出工程と、を順
次に施行するようにしている。また、本発明では、前記
予備加熱工程及び本加熱工程を、前記エチレングリコー
ル液中において1〜10kHzの電源周波数範囲で高周
波誘導加熱を行うようにしている。また、本発明では、
前記予備加熱工程において、前記プラスチック成型品の
中空部内の低融点金属中子を前記低融点金属中子の溶解
開始温度の直下の温度にまで予備加熱するようにしてい
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施態様につい
て図1〜図4を参照して説明する。なお、以下に述べる
本発明の一実施態様は、プラスチック成形品である自動
車用インテークマニホールド(自動車用プラスチック製
インテークマニホールド)の中空部から低融点金属中子
を溶出する例である。
【0008】図1は、本発明の一実施形態に係る高周波
誘導加熱式溶出装置1を示すものであって、この溶出装
置1は、インテークマニホールド2(離型不可能な形状
の中空部を有するプラスチック成型品)のプラスチック
成型に際してその中空部3内に充填され低融点金属中子
4(図3及び図4参照)をエチレングリコール液中で高
周波誘導加熱して前記中空部3から溶出させるための装
置である。
【0009】図1に示すように、本実施形態の溶出装置
1は、所要温度に加熱されたエチレングリコール液5を
貯溜するエチレングリコール熱浴槽6と、このエチレン
グリコール熱浴槽6内のエチレングリコール液5中にお
いてインテークマニホールド2を高周波誘導加熱する高
周波誘導加熱コイル7と、エチレングリコール液5中に
浸漬された高周波誘導加熱コイル7に高周波電流を供給
する高周波電源8と、加熱対象(ワーク)であるインテ
ークマニホールド2を前記高周波誘導加熱コイル7によ
って取り囲まれた所定位置に載置固定するワーク載置固
定治具9と、インテークマニホールド2が載置固定され
るワーク載置固定治具9を昇降移動するワーク昇降機構
10と、エチレングリコール液5を所要温度に加熱する
図外のエチレングリコール液加熱用ヒーターとをそれぞ
れ具備している。
【0010】上述の高周波誘導加熱コイル7は、内部
(中空部)に冷却液が通される銅管にて構成されてお
り、インテークマニホールド2の中空部3内に充填され
た低融点金属中子4を高周波誘導加熱作用にて加熱溶解
する複数巻きの加熱部(本体部)7aと、この加熱部7
aに高周波電源8から高周波電流を供給するためのリー
ド部7bとをそれぞれ備えている。
【0011】このような構成の溶出装置1を用いてイン
テークマニホールド2の中空部3内の低融点金属中子4
を高周波誘導加熱により溶解溶出する際の操作手順及び
作用につき図2を参照して説明すると、以下の通りであ
る。
【0012】(1) まず、中空部3に低融点金属中子
4が充填されたインテークマニホールド2を、エチレン
グリコール熱浴槽6の上方位置においてワーク載置固定
治具9上に載置固定する。 (2) 次いで、図外のワーク昇降機構を作動させるこ
とにより、ワーク載置固定治具9と一緒にインテークマ
ニホールド2を下降移動させ、所定の加熱位置、すなわ
ち、所要温度に加熱されたエチレングリコール液5中で
あってかつエチレングリコール液5中に浸漬されている
高周波誘導加熱コイル7内の所定位置(高周波誘導加熱
コイル7の加熱部7aによって取り囲まれた位置)にイ
ンテークマニホールド2を配置する(図2(A)参
照)。 (3) この状態の下で、高周波電源8から高周波誘導
加熱コイル7のリード部7bを介して加熱部7aに所要
周波数の高周波電流を供給し、高周波誘導作用による低
融点金属中子4の予備加熱工程を施行開始する(図2
(A)参照)。 (4) これに伴って低融点金属中子4が昇温されて溶
解温度の直下の温度(溶解温度に達しない範囲であって
かつこれに近い温度)に達しった時点で、高周波誘導加
熱コイル7ヘの通電を停止する。 (5) その直後に、ワーク昇降機構10を作動させる
によりインテークマニホールド2をワーク載置固定治具
9と一緒に上方向に移動せしめ(上昇移動工程)、イン
テークマニホールド2の下端部αが高周波誘導加熱コイ
ル7の加熱部7aの上端部βとほぼ等しくなる位置でイ
ンテークマニホールド2の上昇移動を停止する。 (6) 次いで、高周波誘導加熱コイル7に高周波誘導
電流を供給すると共に、それと同時にインテークマニホ
ールド2を所要速度で下方向に移動することにより、イ
ンテークマニホールド2の下端側から順次に移動加熱
し、本加熱工程を施行開始する(図2(B)参照)。 (7) しかる後に、インテークマニホールド2が高周
波誘導加熱コイル7の中を通過するのに伴って、インテ
ークマニホールド2の下端側から温度を順次に上昇せし
め、その下端部αが高周波誘導加熱コイル7の加熱部7
aの下端部γに到達した時点で低融点金属中子4の溶解
温度に到達せしめる。これにより、低融点金属中子4の
溶解を開始して、高周波誘導加熱コイル7の中を移動さ
せながら漸進的に低融点金属中子4を溶解させ、溶解状
態の低融点金属をインテークマニホールド2の下端側に
形成された複数の開口部から漸進的にインテークマニホ
ールド2の外部に溶出させ、溶出工程を施行開始する。 (8) このような状態の下で、インテークマニホール
ド2の上端部δが高周波誘導加熱コイル7の加熱部7a
の下端部γに到達した時点で本加熱を完了する(図2
(C)参照)。この際に、低融点金属は全て溶出され
る。 (9) インテークマニホールド2の中空部3内の低融
点金属中子4を全て溶解させて溶出を完了するのに応じ
て、高周波誘導加熱コイル7への通電、インテークマニ
ホールド2の下降移動を停止し、本加熱工程を終了する
(図2(C)参照)。 (10) しかる後に、インテークマニホールド2をワ
ーク載置固定治具9と一緒にエチレングリコール熱浴槽
6の上方の所定位置までワーク昇降機構10により移動
せしめ、その所定位置においてインテークマニホールド
2をワーク載置固定治具9から取外し、溶出完了品とし
て次工程に移送する。
【0013】このような構成の溶出装置1を用いた溶出
方法によれば、プラスチック成型品であるインテークマ
ニホールド2の低融点金属中子4を高周波誘導加熱によ
り低融点金属中子4の溶解開始温度の直下の温度にまで
予備加熱し、次いで高周波誘導加熱コイル7の中を移動
させながらインテークマニホールド2の下端側から漸進
的に(順次に)溶解させ、溶解金属の膨張による圧力及
び重力によりインテークマニホールド2の下端側の開口
部(図示せず)から漸進的に溶出するようにしているの
で、インテークマニホールド2の中空部3内に低融点金
属(中子金属)は全く残留せず、しかも低融点金属の過
熱によるインテークマニホールド2の中空部3の内壁部
分の材質劣化を生じるような不具合を回避することがで
きる。
【0014】以下に、本発明に係る具体的な実施例を示
す。実施例 (1) 加熱対象となるワーク : インテークマニホ
ールド (a) インテークマニホールドの材質; ナイロン(PA66GF33)(融点265〜270
℃) 低融点金属中子の材質; Sn−Bi系合金(溶解開始温度138.5℃) (b) 低融点金属中子の重量 60Kg (c) インテークマニホールドの寸法; 550×350×260mm (2) 高周波誘導加熱条件 〈A〉 予備加熱条件 (a) 周波数 : 10kHz (b) 出力 : 220kW (c) 加熱時間 : 50sec 〈B〉 本加熱条件及び移動条件 (a) 周波数 : 10kHz (b) 出力 : 220kW (c) 移動速度 : 30mm/sec (3) エチレングリコール液(溶出液) (a) 種類 : ルトロン(BASF社製) (b) 液温 : 180℃
【0015】この条件にて既述の溶出手順に従って低融
点金属中子4の溶出を行なったところ、インテークマニ
ホールド2中空部3内の低融点金属中子4は前記中空部
3の内壁面3aに全く残留することなく、しかも過熱に
よる材質劣化もなく、その全部が完全に(100%)溶
出されていることが確認された。
【0016】以上、本発明の一実施形態について述べた
が、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、
本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可
能である。例えば、既述の実施形態では円筒面に沿って
巻線を巻回した加熱部7aを有する高周波誘導加熱コイ
ル7を用いるようにしたが、インテークマニホールド2
の中空部3内に充填された低融点金属中子4を均一に加
熱溶解すべくインテークマニホールド2及び低融点金属
中子4の形状に沿ってインテークマニホールド2の外面
より一定の空隙をもって複数の巻数で巻回された加熱部
7aを有する高周波誘導加熱コイル7を用いることも可
能である。さらに、予備加熱及び本加熱の際のインテー
クマニホールド2と高周波誘導加熱コイル7との相対的
な位置関係は既述の実施形態で述べたものに限定され
ず、必要に応じて変更可能である。また、本発明は、イ
ンテークマニホールド2の他にも、離型不可能な形状の
中空部を有する各種のプラスチック成型品についても適
用可能であるとは言う迄もない。さらに、図3に示す如
き中空部3の形状以外の離型不可能な形状の中空部を有
するプラスチック成型品に対しても本発明を適用可能で
ある。
【0017】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明は、エチレング
リコール液中に配設された高周波誘導加熱コイルにより
プラスチック成型品の中空部内の低融点金属中子を予備
加熱した後に、プラスチック成型品を高周波誘導加熱コ
イルに対して上昇移動させ、次いでプラスチック成型品
を移動加熱することによりプラスチック成型品の中空部
内の低融点金属中子を溶解温度にまで本加熱して、溶解
状態の低融点金属(中子金属)をプラスチック成型品の
下端側に形成された開口部から漸進的に溶出させるよう
にしたものであるから、プラスチック成型品の中空部の
内壁面における溶解金属(中子を構成する材質から成る
金属)の残留を皆無とすることが可能となる。しかも、
低融点金属の過熱によるプラスチック成型品の中空部の
内壁部分の材質劣化(熱劣化)を生じるような不具合を
回避することができる。
【0018】また、予備加熱工程及び本加熱工程を、エ
チレングリコール液中において1〜10kHzの電源周
波数範囲で高周波誘導加熱を行うようにしているので、
肉厚が不均一な金属中子の各部を均一温度に加熱するこ
とが可能となり、より一層効果的に溶解金属の溶出を行
ない得ると共に、前記中空部の内壁部分の材質劣化に発
生を回避することが可能となる。
【0019】また、予備加熱工程において、前記予備加
熱工程において、前記プラスチック成型品の中空部内の
低融点金属中子を前記低融点金属中子の溶解開始温度の
直下の温度にまで予備加熱するようにしているので、本
加熱において温度差の少ない状態の下で金属中子の溶解
が可能となり、従ってスムースな溶出を行なうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る低融点金属中子の溶
出装置を示す断面図である。
【図2】離型不可能な形状の中空部を有するプラスチッ
ク成型品の一例であるインテークマニホールドの斜視図
である。
【図3】プラスチック成形品から成る樹脂製の自動車用
インテークマニホールドの斜視図である。
【図4】図3におけるX−X線断面図である。
【符号の説明】
1 溶出装置 2 インテークマニホールド(プラスチック成型品) 3 中空部 3a 内壁面 4 低融点金属中子 5 エチレングリコール液 6 エチレングリコール熱浴槽 7 高周波誘導加熱コイル 7a 加熱部(本体部) 7b リード部 8 高周波電源 9 ワーク載置固定治具 10 ワーク昇降機構 α インテークマニホールドの下端部 β 高周波誘導加熱コイルの加熱部の上端部 γ 高周波誘導加熱コイルの加熱部の下端部 δ インテークマニホールドの上端部
フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AG07 AH17 AK11 CA11 CB01 CK33 CK81 CN20 4K063 AA12 BA01 BA03 CA00 FA31 FA43

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型不可能な形状の中空部を有しかつ低
    融点金属中子が前記中空部に充填されたプラスチック成
    型品をエチレングリコール液中に浸漬し、前記エチレン
    グリコール液中で高周波誘導加熱により前記プラスチッ
    ク成型品の中空部内の低融点金属中子を溶解せしめ、溶
    解状態の低融点金属を前記プラスチック成型品に形成さ
    れた開口部から溶出させるようにした低融点金属中子の
    溶出方法において、(a) 前記エチレングリコール液
    中に配設された高周波誘導加熱コイルにより前記低融点
    金属中子を予備加熱せしめる予備加熱工程と、(b)
    前記予備加熱工程の完了後に、前記プラスチック成型品
    の下端部が前記高周波誘導加熱コイルの上端部にほぼ等
    しくなる所定位置まで前記プラスチック成型品を上昇移
    動させる上昇移動工程と、(c) 前記上昇移動工程の
    完了後に、前記所定位置から前記プラスチック成型品を
    下降移動させながら移動加熱を開始し、前記プラスチッ
    ク成型品の下端部が前記高周波誘導加熱コイルの下端部
    に至るまでに前記プラスチック成型品の下端部を前記低
    融点金属中子の温度に移動加熱を行なう本加熱工程と、
    (d) 前記本加熱工程の完了後に、前記プラスチック
    成型品の下端側から前記低融点金属中子の溶解を開始
    し、高周波誘導加熱コイルの中を移動させながら漸進的
    に前記低融点金属中子を溶解させ、溶解状態の低融点金
    属を前記プラスチック成型品の下端側に形成された開口
    部から漸進的に溶出させる溶出工程と、を順次に施行す
    ることをことを特徴とする低融点金属中子の溶出方法。
  2. 【請求項2】 前記予備加熱工程及び本加熱工程を、前
    記エチレングリコール液中において1〜10kHzの電
    源周波数範囲で高周波誘導加熱を行うようにしたことを
    特徴とする請求項1に記載の低融点金属中子の溶出方
    法。
  3. 【請求項3】 前記予備加熱工程において、前記プラス
    チック成型品の中空部内の低融点金属中子を前記低融点
    金属中子の溶解開始温度の直下の温度にまで予備加熱す
    るようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    低融点金属中子の溶出方法。
JP23161098A 1998-08-18 1998-08-18 低融点金属中子の溶出方法 Expired - Fee Related JP3899189B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23161098A JP3899189B2 (ja) 1998-08-18 1998-08-18 低融点金属中子の溶出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23161098A JP3899189B2 (ja) 1998-08-18 1998-08-18 低融点金属中子の溶出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000061956A true JP2000061956A (ja) 2000-02-29
JP3899189B2 JP3899189B2 (ja) 2007-03-28

Family

ID=16926220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23161098A Expired - Fee Related JP3899189B2 (ja) 1998-08-18 1998-08-18 低融点金属中子の溶出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3899189B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3899189B2 (ja) 2007-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100320194A1 (en) Method and device for heating stator
JP2008118731A (ja) ステータコイル及びコアの加熱装置および加熱方法
JP2007066896A (ja) 電気コンタクトの製造方法
JP2000061956A (ja) 低融点金属中子の溶出方法
JP3899191B2 (ja) 低融点金属中子の溶出方法
JP2002067159A (ja) 樹脂製品のかしめ方法およびその装置
JP3899190B2 (ja) 低融点金属中子の溶出方法及びその溶出装置
JP2000061955A (ja) 低融点金属中子の溶出方法及びその溶出装置
KR100682981B1 (ko) 다이캐스팅 머신용 고주파 유도 가열 장치의 유도 코일권취 구조
JPS58213828A (ja) 有底筒状体内面の高周波焼入方法
JP3532041B2 (ja) 連続鋳造用浸漬ノズルの予熱装置
JP2000061957A (ja) 低融点金属中子の溶出方法及びその溶出装置
JP2004252228A (ja) 加熱定着ローラの離型層平滑化装置、及び平滑化方法
JPH0577033A (ja) 熱交換器の半田付け方法
JP7145839B2 (ja) はんだ付け基板の製造方法及びはんだ付け装置
KR100530829B1 (ko) 코일의 냉각 장치가 필요 없는 다이캐스팅 머신용 고주파 유도 가열 장치
JP3746840B2 (ja) 精密鋳造法
JP3245248B2 (ja) ダイカスト成形装置および同装置に使用する材料供給ノズル
JPH0536220B2 (ja)
CN1295050C (zh) 一种在浇铸过程中持续对铸液加热的铸造方法
JPH07116774A (ja) 金型予熱方法および装置
JPH11245025A (ja) 自動半田付け装置
JP4754724B2 (ja) 樹脂パイプの整形装置
JPH09234559A (ja) ロウ付け方法およびロウ付け装置
JP2001053434A (ja) リフロー方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees