JP2000060990A - 消火剤組成物 - Google Patents

消火剤組成物

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JP2000060990A
JP2000060990A JP10238912A JP23891298A JP2000060990A JP 2000060990 A JP2000060990 A JP 2000060990A JP 10238912 A JP10238912 A JP 10238912A JP 23891298 A JP23891298 A JP 23891298A JP 2000060990 A JP2000060990 A JP 2000060990A
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JP
Japan
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fire
fire extinguishing
fire extinguisher
extinguishing
ammonium salt
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JP10238912A
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English (en)
Inventor
Tomoji Teramoto
友治 寺本
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HATTA SEISAKUSHO KK
Original Assignee
HATTA SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 A火災(一般固体火災)に対して優れた消火
能力を有する消火剤組成物を得る。 【解決手段】 メチル燐酸エステルのアンモニウム塩を
含有せしめてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安全で高い消火能
力を有する水系の消火剤に関する。即ち、紙や木材・繊
維等の一般火災対して優れた消火性能を有する消火薬剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】日本国内の住居は木造家屋が多く、又住
居内での主たる可燃物質も紙・木材・繊維等の固体一般
火災物質が多いという現状がある。又、林野火災も日本
国内においてのみならず、日本国外で多発しているとい
う現状がある。これらのA火災(固体一般火災)に対し
て、確実に、速く、少ない薬剤量で、消火できる消火剤
組成物の必要性が求められている。従来、広く使われて
いる水系の消火薬剤として、消防法で言うところの機械
泡消火薬剤や強化液消火薬剤や浸潤剤消火薬剤が有る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の消火薬剤は、A火災(木材火災)に対して消火効果は
有るが、少量で確実に対応できているとは言い難い。即
ち、従来の機械泡消火薬剤や強化液消火薬剤や浸潤剤消
火薬剤のA火災に対する消火能力は、「消火器の技術上
の規格を定める省令」に基づくと、消火薬剤量3リット
ルでA−1もしくはA−2単位であり、少量で確実に対
応しているとは言い難い。
【0004】A−2単位とは、長さ90cm幅3cm高
さ3.5cmの杉の気乾剤(水分含有度:10〜15
%)6本・6本・5本・5本・6本・6本・・・・・6
本・6本を井桁状に144本組み、高さ40cm幅90
cm×90cmの架台に置き、ヘプタン3リットルを予
燃焼剤として、3分間燃焼させた後に消火開始し、消火
後の再着火の有無と消火状況を試験を行う試験のことで
ある。
【0005】住宅や事務所の火災として最も多いA火災
に対して、少量で有効に消火できる消火剤組成物の出現
が望まれている。本発明はかかる現状を踏まえて、A火
災に対して少量で有効に作用する消火薬剤を見出だし完
成するに至ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る消火剤組成
物は、メチル燐酸エステルのアンモニウム塩・モノエタ
ノールアミンを燐酸で中和反応し、更にアンモニア水を
付加した物質・フッ素系界面活性の中から、1〜3種類
を配合することにより初期の目的を達成することができ
たのである。本発明の消火剤組成物は、消火器に充填し
て使用できる。又、林野火災等には、この発明の消火剤
組成物を5%から20%に水で希釈して放射ノズルから
散布したり、ヘリコプターを用いて空中から散布するこ
ともできる。
【0007】
【発明の実施の形態】この消火剤組成物に使用される物
質の効能及び添加剤量等について説明する。メチル燐酸
エステルのアンモニア塩は、メチルアルコールと燐酸と
を反応させてエステル化し、更にアンモニア水を添加し
て付加反応させることによって、合成することができ
る。
【0008】この物質は、A火災に対して有用な「燐と
窒素」を含んでいるので、A火災に対して優れた消火効
果を発揮する。又、親水基と疎水基を有する物質である
ため、界面活性作用があるため木材等の一般火災物質の
表面を濡れやすくしかつ木材等の内部に浸潤しやすい性
質を有するので、A火災に対して、優れた消火効果・防
炎効果を発揮するようになる。同時に界面活性を有する
物質であるため、水に極めて溶解しやすく、フッ素系界
面活性剤等の他の種類の界面活性剤との溶解性も極めて
優れているので任意の消火剤組成物を配合することが極
めて容易にできる。
【0009】添加量は消火剤の目的に応じて任意に配合
できるが、消火器用消火剤組成物としては、水に対して
25%〜50%位を配合したものが有効である。又、使
用時に希釈して使用する林野火災や都市火災の延焼防止
用としての消火剤組成物としては、水に対して50%以
上配合したものが有効である。
【0010】モノエタノールアミンを燐酸で中和反応
し、更にアンモニア水を付加した物質は、モノエタノー
ルアミン10部に対して、燐酸を5部〜10部を少しず
つ加え、常温で攪拌混合して反応させ、部分的にエステ
ル化した物質を合成し、この反応液に対して29%アン
モニア水を1部〜3部添加することによって、得られ
る。
【0011】この物質は、前述したメチル燐酸エステル
のアンモニア塩と同様に、A火災に対して有用な「燐と
窒素」を含んでいるので、A火災に対して優れた消火効
果を発揮する。又、親水基と疎水基を有する物質である
ため、界面活性作用があるため木材等の一般火災物質の
表面を濡れやすくしかつ木材等の内部に浸潤しやすい性
質を有するので、A火災に対して、優れた消火効果・防
炎効果を発揮するようになる。同時に界面活性を有する
物質であるため、水に極めて溶解しやすく、フッ素系界
面活性剤等の他の種類の界面活性剤との溶解性も極めて
優れているので、任意の消火剤組成物を配合することが
極めて容易にできる。
【0012】尚、この反応物は、メチル燐酸エステルの
アンモニウム塩を製造することに比べると、前述したよ
うに極めて安全で簡易な方法で製造することができるの
で、製造コストも安価になり、経済的な負担も軽減する
ことができる。
【0013】添加量は目的に応じて任意にできるが、メ
チル燐酸エステルのアンモニウム塩と同様に、水に対し
て25%〜50%位配合したものが消火器用消火剤組成
物としては有効である。又、使用時に希釈して使用する
林野火災や都市火災の延焼防止用としては、水に対して
50%以上配合したものが有効である。
【0014】メチル燐酸エステルのアンモニア塩とモノ
エタノールアミンと燐酸反応液にアンモニアを付加した
物の配合比率は、任意に決定できる。水に対して2つの
物質を25%〜50%位配合したものが消火器用消火剤
組成物としては有効である。又、使用時に希釈して使用
する林野火災や都市火災の延焼防止用としては、2つの
物質を水に対して50%以上配合したものが適当であ
る。
【0015】フッ素系界面活性剤は、ロダインF312
A(チバ社製)が最も有用である。ライトウォーター
(スリーM社製)やメガフォーム(大日本インキ製)も
目的に応じて、適宜配合すると有用である。フッ素系界
面活性剤を配合すると、一般火災に対して浸潤性が良く
なるために消火性能が向上する。又、同時にキレーと作
用を有するために、消火薬剤溶液を安定させる効果があ
る。添加量は1.0%〜5.0%が望ましい。好ましく
は2.0%の添加量が最適である。1.0%以下では所
定の消火性能を発揮できない。又、5.0%以上では顕
著な効果の向上が期待できないと共に、物質が高価であ
るため経済的な負担が大きくなる。
【0016】以上記載した如く、本発明の消火剤組成物
はメチル燐酸エステルのアンモニウム塩・モノエタノー
ルアミンを燐酸で中和反応し、更にアンモニア水を付加
した物質・フッ素系界面活性の中から、1〜3種類を配
合することにより初期の目的である消火薬剤組成物を完
成するに至ったものである。尚、従来よりA火災に対し
て有効であると知られている燐酸アンモニウム・臭化ア
ンモニウム等のアンモニウム塩や燐酸グアニジン・硫酸
グアニジン・スルファミン酸グアニジン等のグアニジン
塩も目的に応じて適宜配合することができる。
【0017】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明の消火剤組成物を
説明する。実施例の組成を表1に記載する。
【0018】
【表1】
【0019】次に比較例の組成を表2に記載する。
【0020】
【表2】
【0021】(注)市販品Aとは、強化液消火薬剤のこ
とである。市販品Bとは、機械泡消火薬剤のことであ
る。
【0022】上記記載の各実施例及び比較例に基づく組
成物を用いて、消火器に6リットルずつ充填し、窒素ガ
スを放出圧力としてA火災(木材火災)試験を行った。
試験は消火器の技術上の規格を定める省令に準じて行な
った。各消火剤組成物を6リットルずつ充填し窒素ガス
を放出圧力として封入した消火器を用いて、A−2の模
型に対する消火試験を行った。各消火剤組成物は消火修
了した時点で放出を中止し、消火に要した消火剤の量を
測定した。併せて、消火後の再着火の有無と消火状況の
試験を行った。
【0023】A−2の模型及び消火実験は次の通り行っ
た。長さ90cm幅3cm高さ3.5cmの杉の気乾剤
(水分含有度:10〜15%)を6本・6本・5本・5
本・6本・6本・・・・・6本・6本と井桁状に144
本組み、高さ40cm幅90cm×90cmの架台に置
き、ヘプタン3リットルを予燃焼剤として、3分間燃焼
させた後に消火開始する。その結果を表3に記載する。
【0024】
【表3】
【0025】以上の実施例からも明らかなように、この
発明による消火剤組成物はA火災(一般固体火災)に対
して、従来の消火薬剤に比べて約3〜5倍の消火能力を
有するものである。
【0026】
【発明の効果】以上の如く、この発明によればA火災
(一般固体火災)に対して優れた消火能力を有する消火
剤組成物が得られるという効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチル燐酸エステルのアンモニウム塩を
    含有せしめたことを特徴とする消火剤組成物。
  2. 【請求項2】 モノエタノールアミンを燐酸で中和反応
    し、更にアンモニア水を付加した物質を含有せしめたこ
    とを特徴とする消火剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のメチル燐酸エステルのア
    ンモニウム塩と、請求項2記載のモノエタノールアミン
    を燐酸で中和反応し、更にアンモニア水を付加した物質
    とを任意の割合で含有せしめたことを特徴とする消火剤
    組成物。
  4. 【請求項4】 フッ素系界面活性剤を更に含有せしめた
    請求項1〜3記載のいずれかの消火剤組成物。
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