JP2000060273A - コンバイン - Google Patents

コンバイン

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JP2000060273A
JP2000060273A JP10238252A JP23825298A JP2000060273A JP 2000060273 A JP2000060273 A JP 2000060273A JP 10238252 A JP10238252 A JP 10238252A JP 23825298 A JP23825298 A JP 23825298A JP 2000060273 A JP2000060273 A JP 2000060273A
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sensor
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threshing
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JP10238252A
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Harumitsu Toki
治光 十亀
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンバインの主要な各部の負荷を推定し、あ
るいは各工程間の障害発生を未然に検出して、コンバイ
ン全体の負荷を監視して過負荷とならないで、かつ最高
の能率で運転できるようにすること。 【解決手段】 コンバインでの穀類の収穫作業時に前記
制御装置により、手動車速設定値が過大であっても、刈
取装置の負荷、脱穀装置の負荷、走行装置の負荷の、い
ずれか一つまたは複数の負荷過大を検出し、または合計
した全負荷の過大を検出した場合、および刈取装置から
脱穀装置への引き継ぎの異常を検出した場合には、車速
が低減する。また、手動設定値にかかわらず各負荷の過
大を解消し、また刈取装置から脱穀装置への引き継ぎの
異常を解消するように作用するので、コンバインにおけ
る収穫作業において、コンバインの各部の負荷が正常か
つ最大の状態に保持できて、作業の能率を高めることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圃場を走行しなが
ら刈取、脱穀作業を行う農業用のコンバインに関する。 【0002】 【従来の技術】コンバインは、車体フレームの下部側に
土壌面を走行する左右一対の走行クローラを有する走行
装置を配設し、該車体フレームの前方側に刈取装置が設
けられている。車体フレームには上下動する刈取装置が
設けられ、該刈取装置は植立穀稈を刈取り、刈取った穀
稈を挟持して後方に搬送する。また、車体フレームの上
方には刈取装置から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬
送するフィードチェーンを有する脱穀装置が設けられ、
脱穀装置内に設けられた扱胴で穀粒を穀稈から脱穀し、
揺動棚やシーブで穀粒を選別分離して、穀粒を一時貯留
するグレンタンクへ搬送する。また、グレンタンクの後
部に設けられたオーガによりグレンタンク内に貯留した
穀粒が外部に搬送される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】コンバインを用いるこ
とにより穀物の収穫作業、すなわち刈取、脱穀作業は省
力化され能率化されてきた。特にコンバインにHST無
段変速装置やパワーステアリング装置を設けることによ
りコンバインの操作は省労力化と操作の容易化が図ら
れ、運転者の技量はそれほど熟練を要しないようになり
つつある。 【0004】しかしながら、コンバインの収穫作業を更
に高能率化することが求められると共に、一方において
コンバイン自身の価格低減、運転動力費の低減などの観
点からコンバインに搭載するエンジンの容量を低減させ
る傾向があって、小容量のエンジンの少ない発生動力
で、より高能率の収穫作業を行うことが求められるよう
になってきた。 【0005】コンバインは、収穫作業において、刈取装
置、脱穀装置、走行装置などの種々別個の作業を行う機
構が相互に連携関連して作動するので、それぞれの装置
が正常に動作すると共に、関連する前工程と後工程とが
バランスしている必要があり、バランスが崩れると刈取
った穀稈や脱穀した穀粒が詰まったり、選別精度が低下
したりするという不具合が発生する。 【0006】刈取装置、脱穀装置、および走行装置が正
常に動作しているかどうかは、それぞれの運転負荷を検
出する手段があれば、負荷の大小から判定できるが、一
般のコンバインではこのような検出手段は設けられてい
ない。したがって、それぞれの負荷はもっぱら熟練した
オペレータの勘に頼って推定するほかはなく、大容量の
エンジンで余裕をもって運転していた場合には多少の不
具合も無視して運転できていたが、小容量のエンジンで
高効率運転する場合には、各負荷の推定を誤ってエンジ
ンに過負荷を掛けると、エンジンをストップさせてしま
い、作業を中断するようなことが発生するようになっ
た。 【0007】コンバインによる収穫作業中に突然エンジ
ンがストップすると、エンジンを再始動する前に、エン
ジンストップの原因、すなわちどの部分の過負荷、また
は障害によりエンジンがストップしたかを調べ、過負荷
の原因または障害を排除する必要がある。しかし、上述
のようにコンバインには、各負荷の検出手段や、まして
各負荷の記録手段を備えていないので、エンジンストッ
プの原因究明は困難であり、作業再開までに長時間を要
するか、または十分に原因究明を行わずに作業を再開し
て、再びエンジンストップを繰り返すなど、収穫作業の
能率を著しく低下させることがあった。 【0008】そこで本発明の課題は、コンバインの主要
な各部の負荷を推定し、あるいは各工程間の障害発生を
未然に検出して、コンバイン全体の負荷を監視して過負
荷とならないで、かつ最高の能率で運転できるように、
適切に制御することのできるしたコンバインを提供する
ことにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、刈
取手段、脱穀選別手段および走行手段を備えたコンバイ
ンにおいて、刈取手段、脱穀選別手段および走行手段の
各負荷を推定し、いずれか一の前記手段の負荷の推定
値、あるいは前記各手段の負荷の推定値の合計値が、予
め設定した、前記各手段の負荷の上限値または前記各手
段の負荷の合計値の上限値を超えた場合には、コンバイ
ンの車速を低減する制御装置を備えたコンバインにより
解決される。 【0010】本発明では、コンバインでの穀類の収穫作
業時に前記制御装置により、手動車速設定値が過大であ
っても、刈取手段の負荷、脱穀選別手段の負荷、走行手
段の負荷の、いずれか一つまたは複数の負荷過大を検出
し、または合計した全負荷の過大を検出した場合には車
速が低減する。また、手動設定値にかかわらず各負荷の
過大を解消し、また刈取手段から脱穀選別手段への引き
継ぎの異常を解消するように作用するので、コンバイン
における収穫選別作業において、コンバインの各部の負
荷が正常かつ最大の状態に保持できて、作業の能率を高
めることができる。また、刈取手段から脱穀選別手段へ
の引き継ぎの異常を検出した場合にも車速を低減させる
制御を行うこともできる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
本発明の実施の形態を図1ないし図20により説明す
る。図1は本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行う
コンバインの側面図を示し、図2はコンバインの上面図
を示し、図3はその内部の刈取装置の一部を示す側面略
図であり、図4は図1のA−A線矢視の脱穀装置15の
平面断面図であり、図5は図4のX−X線矢視の脱穀装
置15の立面断面図であり、図6は図5のY−Y線矢視
の脱穀装置15の側面断面図であり、図7は本発明の実
施の形態の制御回路のブロック図であり、図8は本発明
の実施の形態の制御のフローを示す図である。図9以下
は後に説明する。 【0012】図1に示すコンバイン1の車体フレーム2
の下部には、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯
状に成型したクローラ4を駆動スプロケット4aと複数
の遊動転輪4bとに巻回し、乾田はもちろんのこと、湿
田においてもクローラ4が若干沈下するだけで自由に走
行できる構成の走行装置3を備え、車体フレーム2の前
部には刈取装置6を搭載し、車体フレーム2の上部には
脱穀装置15を搭載する。 【0013】まず、刈取装置6は、図3に示すように、
車体フレーム2の前部に設けた刈取支持台2aに刈取支
持フレーム13の後端部を回動自在に枢着し、刈取昇降
シリンダ13aの伸縮により刈取装置6全体を昇降でき
る構成としている。刈取装置6の前端下部に分草具7
を、その背後に傾斜状にした穀稈引起し装置8を、その
後方底部には刈刃9を配置している。さらに、その刈刃
9と図1ないし図3に示すフィードチェン14の始端部
との間に、前部搬送装置10と、扱深さ調節装置11
と、供給調節装置12とを、順次穀稈の受継搬送と扱深
さ調節とができるように配置して、かつ前述の刈取支持
フレーム13に取り付けて、動力を伝動し、かつ一斉に
昇降する構成としている。 【0014】本発明の実施の形態の刈取装置6には、次
の各種のセンサ類を設けて刈取装置6の運転制御の入力
信号を検出している(図3参照)。まず、前部搬送装置
10の始端部と後端部付近に前部穀稈センサS1と後部
穀稈センサS2とを設け、搬送経路の始端部分と終端部
分とにおいて搬送穀稈の有無と、穀稈搬送量を検出す
る。供給搬送装置12付近には、穂先センサS3を穀稈
の搬送通路に垂下して設け、搬送中の穀稈丈を検出する
構成としている。刈取支持フレーム13の基部に回転ポ
テンショメーター型の位置検出センサS4を設け、刈取
支持フレーム13の回動角度を検出して刈取装置6の相
対高さ位置を計測できる構成とし、分草具7の後方に超
音波高さセンサS5を設け、分草具7すなわち刈取装置
6の対地絶対高さを検出できる構成としている。 【0015】フィードチェン14と挟扼桿21との間に
穀稈が詰まると挟扼桿21が所定量以上上がるので、こ
れを検出する引継異常検出センサS13(機構はセンサ
S12と同じ)を挟扼桿21に設ける。 【0016】コンバイン1の刈取装置6の作動は次のよ
うに行われる。まず、操縦席20のキャビン20a内の
オペレータがエンジンを始動してHSTレバーを前進に
操作し、刈取クラッチ、脱穀クラッチを入り操作して機
体の回転各部を伝動しながら、車体フレーム2を前進走
行させると、刈取、脱穀作業が開始される。圃場に植立
する穀稈は、刈取装置6の前端下部にある分草具7によ
って分草作用を受け、次いで穀稈引起し装置8の引起し
作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、
穀稈の株元が刈刃9に達して刈取られ、前部搬送装置1
0に掻込まれて後方に搬送され、扱深さ調節装置11、
供給搬送装置12に受け継がれて順次連続状態で後部上
方に搬送される(図3参照)。 【0017】穀稈は供給搬送装置12からフィードチェ
ン14の始端部に受け継がれ、挟扼桿21を介して脱穀
装置15(図1)に供給される(図3参照)。脱穀装置
15は、上側に扱胴49を軸架した扱室46を配置し、
扱室46の下側に選別室40を設け、供給された刈取穀
稈を脱穀、選別する。 【0018】脱穀装置15は、図4ないし図6に示すよ
うに、扱胴49を備えた扱室46を主脱穀部とし、その
下部に選別室40を一体的に設けたものである。扱胴4
9は、その表面に多数の扱歯49aが設けられており、
図示しない駆動機構により、エンジンからの動力を刈取
脱穀クラッチを経て伝動され、図5の矢印B方向に回転
する。フィードチェーン14により図4の矢印A方向に
移送される穀粒のついた穀稈は、フィードチェーン14
の搬送と、扱胴49の扱歯49aの回転運動と、扱胴4
9の扱歯49aと扱網54との相互作用により脱穀され
る。被処理物(穀粒や藁くず)は扱網54を矢印C1方
向(図5)に通過して、揺動棚41で受け止められる。
図6に示すように揺動棚41は支点41bを揺動中心と
して上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印D方
向に移動しながら、唐箕59からの送風を受けて風力選
別され、比重の重い穀粒はシーブ42および選別網43
を矢印E方向に通過し、一番棚板44で集積される。選
別された穀粒は、一番棚板44下部の一番ラセン45で
収集、搬送され、一番揚穀筒60(図2)で揚送してグ
レンタンク16(図2)に投入され、グレンタンク16
に一時貯留される。 【0019】揺動棚41の上の被処理物のうち軽量のも
のは、揺動棚41の揺動作用と唐箕59の送風に吹き飛
ばされてシーブ42の上を矢印D方向に移動し、ストロ
ーラック42aの上で大きさの小さい二番穀粒は矢印G
方向に落下して二番棚板65に集められ、二番ラセン6
6で二番揚穀筒67へ搬送される。 【0020】二番穀粒は、正常な穀粒、枝梗粒、藁くず
および藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒
などの混合物であり、図5に示すように二番揚穀筒67
の中を二番揚穀筒ラセンにより矢印H方向に揚送され
て、二番処理室入り口から二番処理室47の上方へ矢印
H’方向(図5)へ放出される。二番処理室47の下部
の二番処理胴50は図示しない駆動装置により図4およ
び図5の矢印J方向に回転して、二番穀粒は二番処理胴
50に植設してある多数の処理歯50aに衝突しながら
矢印I方向(図4および図6)に進行する間に二番穀粒
の分離と枝梗粒の枝梗の除去を行い、一部の被処理物は
二番処理胴受網55から矢印C2方向(図6)に通過し
て揺動棚41に落下し、大部分の被処理物は二番処理胴
50の終端から二番処理胴風送羽根50bの送風に送ら
れて矢印C3方向(図6)に揺動棚41に落下して扱室
46からの被処理物と合流する。 【0021】扱室46を図4の矢印A方向に進行し、扱
室46の終端に到達した被処理物の中の脱穀された穀稈
のうち、長尺のままのものは、図4に示したように矢印
A1方向に進み、参考線で示す排藁チェーン69および
排藁穂先チェーン70に挟持されて搬送され、藁用カッ
ター72、73に投入されて切断され、圃場に放出され
る。 【0022】扱室46の終端に到達した被処理物の中
で、脱穀された穀稈のうち、藁くずなど短尺のものは、
排塵処理室入口48aから矢印A2(図4)方向に投入
されて排塵処理室48に入り、排塵処理室48を矢印K
方向に進行して、二番処理胴50と一体に回転する排塵
処理胴51に植設された多数の処理歯51aによって拡
散や裁断が行われ、残留していた穀粒や藁くずは排塵処
理胴受網56を図6の矢印C4方向に通過して揺動棚4
1の上に落下する。 【0023】図6に示すように、排塵処理室終端出口4
8bと揺動棚41の終端部上部とは連通しており、さら
に脱穀装置15後部に設けた横断流ファン71にも連通
しているので、排塵処理室48から揺動棚41の終端部
に矢印Mのように落ちた排塵のうち比重の軽い藁くず、
枝梗および塵埃を含む空気は横断流ファン羽根車71a
の回転による送風で吸引され、横断流ファン出口71b
から矢印L方向へ吹き出され、コンバイン1の外部へ放
出される。 【0024】排塵処理室48から揺動棚41の終端部に
矢印Mのように落ちた排塵のうち二番穀粒など小径で比
重の重いものは、揺動棚41の終端部のストローラック
42aあるいはシーブ42を矢印G方向へ通過して二番
棚板65に落下し、再び二番処理室47において処理さ
れる。排塵処理室48から揺動棚41の終端部に矢印M
のように落ちた排塵のうち、やや長めの藁くずはストロ
ーラック42aで受けとめられ、揺動棚41の揺動運動
により矢印Fのように揺動棚41の終端部から排出され
圃場に放出される。揺動棚41やシーブ42で穀粒を選
別分離して、穀粒を一時貯留するグレンタンク16へ搬
送する。また、グレンタンク16の後部に設けられたグ
レンタンクラセン17と縦オーガ18と横オーガ19に
よりグレンタンク16内に貯留した穀粒が外部に搬送さ
れる。 【0025】刈取装置6の負荷は、引き起こしケース
8、刈刃9、前部搬送装置10、扱深さ調節装置11、
供給搬送装置12の各部の駆動動力の合計である。刈取
装置6の負荷は、刈取装置6から脱穀装置15に供給さ
れる穀稈量に基づき、制御装置100(図7)により算
出される。この供給穀稈量は前部穀稈センサS1および
後部穀稈センサS2により検出される(図3参照)。 【0026】脱穀装置15の負荷は、フィードチェーン
14、扱胴49、二番処理胴50、排塵処理胴51、揺
動棚41、一番ラセン45、一番揚穀筒60、二番ラセ
ン66、二番揚穀筒67、唐箕59、排藁チェーン6
9、排藁穂先チェーン70、横断流ファン71、藁用カ
ッター72、73の各部の駆動動力の合計である。脱穀
装置15の負荷は、上述の供給穀稈量および後に詳述す
る登熟度センサの検出値に基づき、制御装置100(図
7)により算出される。 【0027】走行装置3の負荷は、クローラ4を駆動す
る動力で、刈取装置6の分草具7が穀稈を分草する抵抗
力も含まれる。走行装置3の負荷は、コンバイン1の機
体沈下量に基づき、制御装置100(図7)により算出
される。 【0028】以下、具体例で、本発明の制御装置を用い
た制御の作動の概略を説明する。本発明では、図7にブ
ロック図で示す制御装置100のCPU101に、あら
かじめコンバイン1の収穫作業に関する各部の負荷信号
の取り込み、各部負荷の上限値、演算処理方法、制御信
号の出力手順などを記憶させておく。 【0029】オペレータがコンバイン1を圃場に進入さ
せ刈取作業を開始しようとするとき、まず手動にて刈取
装置6の刈高さを設定し、次いで手動車速設定110を
操作して車速を設定し、さらに本発明では自動負荷調整
スイッチ111をONにする。図8の制御のフローに示
すように、制御装置100のCPU101は刈取装置負
荷112、脱穀装置負荷113、走行装置負荷114、
刈取装置から脱穀装置への引き継ぎ検出信号115(引
継異常検出センサS13により検出できる。)および車
速116を取り込み、いずれもそれぞれの上限値未満
か、異常がなく、かつ各負荷を合計した全負荷も上限値
未満であれば、制御のフローをそのままリターンする。
刈取装置負荷112、脱穀装置負荷113、走行装置負
荷114、刈取装置から脱穀装置への引き継ぎ検出信号
115、および各負荷を合計した全負荷のいずれか一つ
でもそれぞれの上限値以上、または異常であれば、車速
調整手段120を作動させ、車速を低下してリターンす
るように制御する構成を特徴とする。 【0030】本発明の実施の形態によれば、コンバイン
1による刈取作業において自動負荷調整スイッチをON
にしておけば、オペレータが刈取作業の能率をあげよう
としてコンバイン1の車速の手動設定値を過大に設定し
た場合でも、刈取装置負荷112、脱穀装置負荷11
3、走行装置負荷114の、いずれか一つまたは複数が
それぞれの設定した上限値を超えて過大となり、または
合計した全負荷が設定上限値を超えて過大となれば、C
PU101は信号を発信して車速調整手段120を作動
させ、車速を低下するように作用し、過大となった刈取
装置、脱穀装置、または走行装置の負荷を低減し、ある
いは過大となった全負荷を低減して、過大が解消され、
各負荷が上限値未満になるまで車速を低下させる。 【0031】また、刈取装置6から脱穀装置15への引
き継ぎ検出信号115が異常の場合も、CPU101は
信号を発信して車速調整手段120を作動させ、車速を
低下して、刈取装置6から脱穀装置15への引き継ぎの
異常を解除するように作用する。 【0032】本発明では、コンバイン1の制御装置10
0において、収穫作業時に自動負荷調整スイッチがON
されれば、手動車速設定値が過大であっても、刈取装置
負荷112、脱穀装置負荷113、走行装置負荷114
の、いずれか一つまたは複数の負荷過大を検出し、また
は合計した全負荷の過大を検出した場合、および刈取装
置6から脱穀装置15への引き継ぎの異常を検出した場
合には、車速を低減するように作用し、手動設定値にか
かわらず各負荷の過大を解消し、また刈取装置から脱穀
装置への引き継ぎの異常を解消するように作用するの
で、コンバイン1における収穫作業において、コンバイ
ン1の各部の負荷が正常かつ最大の状態に保持できて、
作業の能率を最高に発揮できる。 【0033】コンバイン1の脱穀装置15の負荷の推定
手段について以下に説明する。図9は図6と同様の脱穀
装置15の側面断面図略図であり、特に扱室入口部46
aに設けた穀稈供給量センサS6と、一番棚板44に設
けた登熟度センサS7とを示している。 【0034】穀稈供給量センサS6は、図9において時
計回り方向に弾性バネなどで付勢された検出レバーをも
つ回転ポテンシオメータであり、扱室入り口部46aを
通過する穀稈の量の多少によりポテンシオメータの回転
角度すなわちポテンシオメータの出力が変化する構成で
ある。登熟度センサS7は、一組の発光ダイオードと受
光ダイオードとからなる、葉緑素のスペクトルに感度を
合わせた光センサで、葉緑素センサとも呼ばれるもので
あり、穀粒表面の葉緑素が登熟にともない減少すること
を利用して穀粒の登熟度を検出する構成である。なお、
登熟度センサS7は、扱室入り口46a付近に設置して
も差し支えない。 【0035】図10は、実験結果による穀粒の登熟度と
脱粒力および補正係数αとの関係を示す線図であり、図
中の黒丸印は収穫適期の登熟度を示し、これよりも登熟
度が低く、未熟であれば脱粒力はほぼ横這いであり、こ
れよりも登熟度が高くなり、過熟になると脱粒力および
補正係数αの値が急激に低下する傾向を示している。 【0036】図11は、実験結果による扱胴への穀稈供
給量と扱胴負荷との関係を示す線図であり、実線は収穫
適期の穀稈を供給した場合を示し、破線は過熟した穀稈
を供給した場合を示す。実線、破線共に扱胴49への穀
稈供給量が増大すると、扱胴負荷は急激に増大する傾向
を示している。破線で示す過熟した穀稈の扱胴負荷は、
図10で説明した脱粒力の低下の影響で、実線で示す収
穫適期の扱胴負荷よりも補正係数α倍だけ減少すること
を示している。 【0037】図12には、穀稈供給量センサS6と、登
熟度センサS7の検出結果から扱胴負荷および脱穀装置
負荷113を推定する制御フローを示す。 【0038】コンバイン1の走行装置3の負荷を推定す
る一つの手段について以下に説明する。図3の刈取装置
6の側面略図に示すように、刈取支持フレーム13の基
部に回転ポテンショメーター型の位置検出センサS4を
設け、刈取支持フレーム13の回動角度を検出できる構
成とし、分草具7の後方に超音波高さセンサS5を設
け、刈取装置6の対地高さを検出できる構成としてい
る。 【0039】圃場面地盤の強弱により走行装置3の沈下
量が変化した場合に、超音波高さセンサS5の検出値に
従い、刈取装置6を圃場面から一定の高さに保持するよ
うに手動または自動刈高さ制御を行うと、刈取支持フレ
ーム13は上下に揺動し、その回動角度が刈取支持フレ
ーム13の基部の回転ポテンショメーター型の位置検出
センサS4により検出され、この回動角度は、コンバイ
ン1の機体の沈下量を示す。 【0040】図13は、刈取装置6の圃場面からの高さ
を一定に制御した場合の刈取フレーム回動角度と、コン
バイン1の機体の沈下量との関係を示す線図である。 【0041】図14は、実験結果による機体の沈下量と
走行負荷係数βとの関係を示す線図であり、機体の沈下
量が小さいほどβが低減する傾向を示している。また、
図15は、実験結果によるコンバイン1の車速と走行装
置3の走行負荷との関係を示す線図であり、走行負荷は
車速の増大に伴い急激に増大する傾向を示している。図
中の実線は標準状態の沈下量における走行負荷を、また
点線は機体の沈下量が少なく、βが小の場合の走行負荷
を示す。 【0042】図16には、刈取高さ制御を行っている場
合の、支持フレーム13の回動角度検出値から機体沈下
量を求め(図13)、機体沈下量から走行負荷係数βを
求め(図14)、車速検出値から走行装置の走行負荷1
14を推定する(図15)制御のフローを示す。 【0043】コンバイン1の走行装置3の負荷を推定す
る別の手段について以下に説明する。図17は、図2の
D−D線矢視のグレンタンク16の断面略図であり、グ
レンタンク天井部に籾量センサS8を設けている。籾量
センサS8は、グレンタンク16内の貯留籾量を検出で
きるものであれば形式に限定はなく、たとえば超音波高
さ計形式のものでも良い。 【0044】グレンタンク16内に籾が貯留されると、
貯留量が増大するほどコンバイン1全体の重量が増大し
て、コンバイン機体の沈下量が増大し、したがって走行
抵抗が増大する。図18は実験結果によるグレンタンク
16内の籾量と走行負荷係数γとの関係を示す線図で、
グレンタンク16内の籾量の増加により、走行負荷係数
γも増大することを示している。 【0045】図19は、実験結果によるコンバイン1の
車速と走行装置3の走行負荷との関係を示す線図であ
り、図15と同様に、走行負荷は車速の増大に伴い急激
に増大する傾向を示している。図中の実線は標準状態の
籾量における走行負荷を、また破線は籾量が増大してγ
が大の場合の走行負荷を示す。 【0046】図20には、グレンタンク16内の籾量を
籾量センサS8で測定し、グレンタンク内籾量から走行
負荷係数γを求め(図18)、車速検出値から走行装置
3の走行負荷114を推定する(図19)制御のフロー
を示す。 【0047】走行装置負荷114としては、図16のフ
ローで求めた結果によるか、図20で求めた結果による
か、いずれか一方もしくは両者の平均値を取るなど、圃
場や植生に適した推定方法によることができる。 【0048】上記図1ないし図20に示す本発明の実施
の形態の変形例を図21に示す。図21は本例によるコ
ンバイン1の機体高さ制御のフローを示す図であり、本
例によれば高価な超音波高さセンサを用いることなく、
湿田などでクローラ4が沈下した場合にコンバイン1の
機体高さを一定に制御することができる。 【0049】コンバイン1が湿田などを走行し、あるい
はグレンタンク16内の穀粒の貯留量が増えると、クロ
ーラ4が圃場表面から沈下し、コンバイン1の下部のト
ランスミッションケース5が地面に触れて損傷するなど
の問題が発生することがある。図1に示すコンバイン1
は、車体2と走行装置3との間に図示しない油圧シリン
ダとリンク装置からなる車体昇降手段を備えていて、ク
ローラ4が沈下した場合などに車体2を上昇して、地面
から車体2までの高さを適正に保持できる構造になって
いる。車体2の昇降制御は、オペレータによる手動制御
によるか、車体2に車体高さセンサを備えて高さ検出値
が一定になるように自動制御する方法がある。しかしな
がら、車体高さセンサとしては超音波高さセンサが適当
であるが、車体高さ検出用に高価な超音波センサを設け
ると、コストアップやシステムが複雑化するという問題
があった。 【0050】本例では、図3のコンバイン1の刈取装置
側面略図に示した刈取装置6の分草具7に取り付けた刈
取装置昇降用超音波センサS4と、刈取支持フレーム1
3の基部に設けた回動角度検出用の刈取支持フレーム位
置センサS5とを利用して、図21に示す制御のフロー
のように車体の昇降制御を行う構成を特徴とする。すな
わち、図21において、まず、コンバイン1は刈取運転
のために周知の方法で刈高さの自動制御を行う。刈高さ
自動制御の方法は、超音波センサS4が検出する圃場面
からの刈取装置6までの高さが一定になるように、刈取
昇降シリンダ13aを伸縮して、刈取フレーム13を回
動して行う。次いで刈取支持フレーム13の回動角度を
位置検出センサS4で検出し、検出した回動角度から車
体2の沈下量を算出し、沈下量が適正であれば制御のフ
ローをリターンし、沈下量が多ければ車体を上昇し、沈
下量が少なければ車体を下降するように制御する。 本
例によれば、刈取装置6の高さ制御用の高さセンサS4
と、刈取支持フレーム13の回動角度検出用の位置セン
サS5とを用い、別途に車体高さ検出センサを用いるこ
となく、コンバイン1の昇降制御を行い、車体2の高さ
をあらかじめ設定した高さに保持することができ、車体
沈下によるトランスミッションケースなどの破損を防止
することができる。 【0051】上記図1ないし図20に示す本発明の実施
の形態の別の変形例を図22および図23に示す。図2
2は本例による脱穀装置15のシーブ42付近の側面略
図であり、図23は本例による制御回路のブロック図で
あり、図24は本例によるシーブ制御のフローを示す図
である。 【0052】コンバイン1を用いて稲の収穫作業を行う
場合、早生の稲、降雨直後の稲、早朝の露が付着した稲
などを刈取、脱穀し、選別しようとすると、脱穀装置1
5の選別室40のシーブ42(図6および図22参照)
の表面に、刈取った高水分の穀稈の葉の部分、穀稈の切
れ端が付着し、シーブ42の隙間を閉塞し、穀粒の選別
濾過状態が悪くなり、そのまま放置すれば選別不良や、
穀粒回収率の低下が発生して、収穫作業に重大な支障を
与えることになるという問題があった。 【0053】本例では、開度調節により穀粒の通過量を
調節できるシーブ42において、図22に示すように脱
粒量センサS9を揺動棚41の上側に設け、シーブ通過
量センサS10をシーブ42の下側に設け、それぞれの
センサS9およびS10は穀粒の通過量に比例した信号
を発生する、例えば圧電形センサとし、両センサS9,
S10の出力信号を用いて図23に示す制御回路によ
り、図24に示すフローにしたがって制御する。すなわ
ち、揺動棚41の上を通過する脱穀された穀物の量を脱
粒量センサS9で検出し、またシーブ42を通過した穀
物の量をシーブ通過センサS10で検出し、これを入力
インタフェース102を介してCPU101に入力し、
通過量比を演算算出し、あらかじめCPU101に設定
記憶された通過量比になるように、シーブ開度調整手段
121を駆動して、シーブ開度を調節した結果、穀粒の
シーブ通過量センサS10の値の変化または、通過量比
の値の変化があらかじめ設定した値以下であれば、シー
ブ42が詰まって濾過不良であるとして報知するか、あ
るいは報知と同時に詰まり解除動作、たとえばシーブ4
2を最大開度と現在の開度との間を数回開閉動作させ
る。 【0054】本例によれば、水分が多い稲などを刈取っ
て、脱穀した穀粒などがシーブ42に詰まった場合で
も、シーブ42の詰まり、濾過不良を検出して報知し、
オペレータが詰まりを解除するか、自動的にシーブ42
を開閉動作させるなどして詰まりを解除できるので、濾
過不良のまま作業を継続して発生する選別不良や、穀粒
の回収効率低下を防止できる。 【0055】上記の本発明の実施の形態の別の変形例に
おいて、シーブ42の詰まりを検出するセンサはシーブ
42を挟んでシーブ42通過前の揺動棚41の上とシー
ブ通過後のシーブ下とに、離隔して配置する必要がある
から、機械的に一体構成とすることは困難である。そこ
で、上記に示したように脱粒量センサS9とシーブ通過
量センサS10とは、2個の別体のものとし、2個のセ
ンサS9、S10をそれぞれ最適位置に設置するが、図
25の制御回路のブロック図に示すように電気的に一体
構成とする信号処理回路104を設けることにより、セ
ンサS9、S10の取付が容易で、かつ信号処理が確実
となる構成を取ることができる。 【0056】また、上記の本発明の実施の形態の別の変
形例において、シーブ42には開度センサが設けてあ
り、脱粒量に対する最適シーブ開度が実験結果により図
26の線図に示す関係として知られている場合に、シー
ブ42の開度制御を図27の制御のフローに示すように
行うことができる。すなわち、まず、脱粒量を測定し、
シーブ開度を測定し、シーブ開度が最適シーブ開度でな
ければシーブ開度を調整し、シーブ開度が最適開度であ
ればシーブ通過量を測定し、脱粒量とシーブ通過量とか
ら通過量比を算出し、通過量比が設定値であればそのま
まリターンする、また、前記通過量比が設定値でない場
合であって、設定値より大であればシーブ42の開度を
低下して閉じる方向に調節し、設定値よりも小であれば
シーブ42の開度を大にして開く方向に調節し、その後
再びシーブ通過量測定にもどる制御を行う構成とするこ
とができる。 【0057】この構成によれば、圃場内の作柄のばら付
きや、コンバイン1の車速の変更などによる脱粒量の変
化に応じてシーブ42の開度を調整するので、選別不良
や選別ロスを低減でき、また、穀粒の通過量比でシーブ
開度を制御するために、穀物水分によるシーブ42の濾
過状態の変化にも対応できるので、オペレータは脱穀選
別に注意を払う必要がなくなり、もっぱらコンバイン1
の操舵に集中できる。なお図26の脱粒量と最適シーブ
開度との関係を示す線図は、通過量比=0.8に対する
実験結果であり、あらかじめ他の通過量比に対する同様
の実験的関係を求めておくことが望ましい。 【0058】さらに、上記の本発明の実施の形態の別の
変形例において、シーブ42には開度センサが設けてあ
り、図9に示した登熟度センサS7により登熟度が測定
できる構造で、測定した登熟度に対する最適シーブ開度
の補正係数δが実験結果により図28の線図に示す関係
として知られている場合に、シーブ42の開度制御を図
29の制御のフローに示すように行うことができる。す
なわち、まず、脱粒量と登熟度を測定し、最適シーブ開
度補正係数δを計算し、シーブ開度最適値を算出し、シ
ーブ開度を測定し、シーブ開度が最適値であればそのま
まリターンするが、シーブ開度が最適シーブ開度でなけ
ればシーブ開度を調節し、シーブ開度が小であればシー
ブ42を開く方向に調節し、シーブ開度が大であればシ
ーブを閉じる方向で調節してリターンするように制御す
る構成とすることができる。稲の登熟度によって籾の枝
梗長さや、その割合が異なるため、脱粒量が同一でもシ
ーブ42の濾過状態が異なるから、脱粒量でシーブ42
の開度を制御する場合には選別精度が安定しない問題が
あるが、この構成によれば、脱粒量に加えて登熟度セン
サS7により登熟度を検出して、刈取時期や圃場内での
登熟度のばら付きの影響を補正して最適シーブ開度に調
節するので、選別精度と穀粒の回収効率の向上を図るこ
とができる。 【0059】さらに、上記の発明の実施の形態の別の変
形例において、図30の制御装置ブロック図に示すよう
に、登熟度センサS7(図9参照)として用いた葉緑素
センサの検出値、および別にグレンタンク16内などに
設ける籾水分センサS11の検出値などを、CPU10
1に取り込み、信号処理して、外部記憶装置M1に記憶
させる構成とする。 【0060】こうして、収穫作業中の稲の登熟度、水分
量、これらの値のばらつき、未熟米の割合など収穫穀粒
に関するデータを外部記憶装置MIに記憶することがで
き、外部記憶装置M1の情報を収穫作業後段の乾燥機に
伝達すれば、乾燥作業をより適切に制御して高品質な穀
粒乾燥ができるようになるとともに、記憶されたデータ
を収集蓄積すれば、次年度以降の栽培管理データとして
利用することもできる。 【0061】外部記憶装置M1としては適切な記憶容量
を有し、制御装置100に脱着可能のものであれば形式
は限定されず、たとえばメモリーカードなどが利用でき
るし、さらに通信手段によりコンバイン1の外部にデー
タを送信して、受信手段に設ける記憶装置に記憶するこ
とも可能である。 【0062】上記図1ないし図20に示す本発明の実施
の形態のさらに別の変形例を図31および図32に示
す。図31は本例による脱穀装置15の一部上面図であ
り、フィードチェン14の終端部と排藁チェーン69の
始端部付近を示し、図32は本例の詰まりセンサS12
の構造を示す外形図であり、図33は本例の詰まりセン
サS12の出力信号を示す線図である。 【0063】本例によれば脱穀装置15において排藁が
詰まる現象を早期に発見検出して、詰まりを容易に解除
し、脱穀装置15の重大な故障発生を未然に防止するこ
とができる。 【0064】コンバイン1を用いて収穫作業を行う場
合、図4および図31に示すように脱穀装置15で脱穀
して穀粒を脱粒した後の穀稈は、フィードチェン14に
より矢印A方向に搬送され、長尺のものは排藁として扱
胴49の後部から排藁チェーン69により矢印A1方向
にさらに搬送されて、藁用カッター72、73に投入さ
れる。排藁チェーン69の始端付近には、排藁の詰まり
が発生しやすいので従来から詰まりセンサを設けている
が、従来の詰まりセンサは板バネの変形量が大になると
詰まりを検出する形式であるので、詰まった藁が一定量
以上でなければ詰まりを検出できない構造であり、詰ま
りが検出された時点では排藁は圧縮固着しており、その
解除、解消に多くの労力を必要としていた。 【0065】本例に用いる詰まりセンサS12は、図3
2に示す回転形ポテンシオメータ80の回転軸80aに
アクチュエータアーム80bを固着し、アクチュエータ
アーム80bは弦巻バネにより図32の時計回り方向に
付勢され、排藁に接触してストッパー80d,80dの
間を回動する構造のものである。 【0066】上記の詰まりセンサS12を用いたセンサ
出力の例は、図33に示すように非詰まり時において
は、搬送されてくる穀稈毎にアクチュエータアーム80
bが揺動して、センサ出力は波動状を示すが、排藁の詰
まりが発生すると排藁の流れが止まり、アクチュエータ
アーム80bの揺動が停止し、センサ出力は一定値の直
線状波動状を示すので、容易に詰まり発生初期状態を検
出できる。 【0067】本例では、このように構成することを特徴
とするので、詰まりの初期状態を検出して直ちにその解
消作業を行えば極めて容易に詰まりを解除できるので、
脱穀作業中断時間を短縮することによる作業能率の向上
が図れると共に、脱穀装置15の重大な故障を回避でき
る。なお、詰まりセンサS12として、上述の例ではポ
テンシオメータ形のものを示したが、穀稈の流れを検出
できるものであれば形式を限定することなく、たとえば
光センサ形のものでも差し支えない。また、図3に示す
引継異常検出センサS13は、図3に示す刈取装置6か
ら脱穀装置15への引継検出信号115(図7、図8参
照)検出用に用いることもできる。 【0068】上記図1ないし図20に示す本発明の実施
の形態の変形例を図34および図35に示す。図34は
本例によるコンバイン1のハイドロスタティックトラン
スミッションHST5aに遮音構造を取り付けた外形斜
視図であり、図35は図34のE−E線矢視の遮音構造
断面図であり、本例により従来困難であったHST5a
の冷却を妨げずに遮音を行うことができる。 【0069】コンバイン1の走行装置3は、エンジンの
動力をトランスミッション5により変速されて伝動さ
れ、適切な速度で走行することができるが、特にトラン
スミッション5にHST5aを備えることによって、任
意の速度に無段変速することができる。しかし、HST
5aは、油圧ポンプと油圧モータにより構成されるの
で、運転中に特定周波数の騒音を発生し、コンバイン1
を操作するオペレータの労働環境を悪化させるのみなら
ず、周辺圃場にも騒音による環境問題を引き起こすこと
があって、その騒音の低減が望まれていた。しかし、H
ST5aは、運転中に油圧ポンプ、油圧モータおよび油
圧回路の損失動力のために発熱し、この発熱は油冷却器
で冷却する以外は、HST5aの外周壁の空気対流によ
り除去される構造であるので、騒音を遮音するための遮
音壁を設けることができなかった。 【0070】本例では、図35に示す通気型遮音パネル
90を用い、HST5aの周辺を覆うことによりHST
5aの発生する騒音を遮音すると共に、HST5aの発
生する発熱を通気により除去する構成を特徴とする。 【0071】通気型遮音パネル90は、吸音材料からな
る遮音板90aで空洞部90b,90b、・・・を構成
し、通気型遮音パネル90の内側と外側を空洞部90b
と連通路90cで連通する通気路90d、または空洞部
90bと連通しない通気路90eにより接続している。
HST5aの発生する騒音は、まず遮音パネル90の内
側の遮音板90aで吸音され、次ぎに通気路90dまた
は通気路90eを通過する際に吸音されるが、特に通気
路90dは連通部90cにおける反射現象と、空洞部9
0b内の定在波による消音作用による消音効果があり、
減音されて通気型遮音パネルの外側に伝達される。HS
T5aの発生する発熱は、通気路90dおよび通気路9
0eを通じて空気が流通して通気型遮音パネルの外部に
対流され、冷却される。 【0072】 【発明の効果】本発明によれば、コンバインによる収穫
作業時に、制御装置の自動負荷調整作用により、オペレ
ータによる手動車速設定値が過大であっても、刈取装
置、脱穀装置、走行装置の各負荷または合計した全負荷
の過大を解消し、また刈取装置から脱穀装置への引き継
ぎの異常を解消し、各部の負荷を正常かつ最大の状態に
保持するように車速を制御して、作業の能率を最高に発
揮できるコンバインを提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行う
コンバインの側面図である。 【図2】 図1のコンバインの上面図である。 【図3】 図1のコンバインの内部の刈取装置の一部を
示す側面略図である。 【図4】 図1のコンバインのA−A線矢視の脱穀装置
の一部を示す平面断面図である。 【図5】 図4の脱穀装置のX−X線矢視の立面断面図
である。 【図6】 図5の脱穀装置のY−Y線矢視の側面断面図
である。 【図7】 本発明の実施の形態の制御回路のブロック図
である。 【図8】 本発明の実施の形態の制御のフローを示す図
である。 【図9】 図6と同様の脱穀装置の側面断面略図であ
る。 【図10】 実験結果による穀粒の登熟度と脱粒力およ
び補正係数αとの関係を示す線図である。 【図11】 実験結果による扱胴への穀稈供給量と扱胴
負荷との関係を示す線図である。 【図12】 穀稈供給量と登熟度の検出結果から扱胴負
荷および脱穀装置負荷を推定する制御のフローを示す図
である。 【図13】 刈取装置の高さを一定に制御した場合の刈
取フレーム回動角度と、コンバインの機体の沈下量との
関係を示す線図である。 【図14】 実験結果による機体の沈下量と走行負荷係
数βとの関係を示す線図である。 【図15】 実験結果によるコンバインの車速と走行装
置の走行負荷との関係を示す線図である。 【図16】 機体沈下量から走行負荷を推定する制御の
フローを示す図である。 【図17】 図2のD−D線矢視のグレンタンクの断面
略図である。 【図18】 実験結果によるグレンタンク内の籾量と走
行負荷係数γとの関係を示す線図である。 【図19】 実験結果によるコンバインの車速と走行装
置の走行負荷との関係を示す線図である。 【図20】 グレンタンク内籾量から走行負荷を推定す
る制御のフローを示す図である。 【図21】 本発明の実施の形態の変形例のコンバイン
の機体高さ制御のフローを示す図である。 【図22】 本発明の実施の形態の別の変形例の脱穀装
置のシーブ付近の側面略図である。 【図23】 本発明の実施の形態の別の変形例のシーブ
開度制御回路のブロック図である。 【図24】 本発明の実施の形態の別の変形例のシーブ
開度制御のフローを示す図である。 【図25】 本発明の実施の形態の別の変形例の電気的
に一体構成とする信号処理回路を設けた制御回路のブロ
ック図である。 【図26】 実験結果による脱粒量に対する最適シーブ
開度の線図である。 【図27】 脱粒量に対する最適シーブ開度が与えられ
ている場合のシーブの最適開度制御のフロー図である。 【図28】 実験結果による登熟度と最適シーブ開度の
補正係数δとの関係を示す線図である。 【図29】 登熟度に対する最適シーブ開度の補正係数
δが与えられた場合のシーブ開度制御のフローを示す図
である。 【図30】 葉緑素センサ、籾水分センサの検出値など
を外部記憶装置に記憶させる制御装置のブロック図であ
る。 【図31】 本発明の実施の形態のさらに別の変形例の
脱穀装置の一部上面図である。 【図32】 本発明の実施の形態のさらに別の変形例の
詰まりセンサの構造を示す外形図である。 【図33】 本発明の実施の形態のさらに別の変形例の
詰まりセンサの出力信号を示す線図である。 【図34】 本発明の実施の形態の変形例のコンバイン
のHSTに遮音構造を取り付けた外形斜視図である。 【図35】 図34のE−E線矢視の遮音構造の断面図
である。 【符号の説明】 1 コンバイン 2 車体フレ
ーム 2a 刈取支持台 3 走行装置 4 クローラ 5 走行トラ
ンスミッション 5a ハイドロスタティックトランスミッションHST 6 刈取装置 7 分草具 8 穀稈引起し装置 9 刈刃 10 前部搬送装置 11 扱深さ
調節装置 12 供給搬送装置 13 刈取装
置支持フレーム 13a 刈取上下シリンダ 14 フィー
ドチェン 15 脱穀装置 16 グレン
タンク 17 グレンタンクラセン 18 縦オー
ガ 19 横オーガ 20 操縦席 20a キャビン 21 挟扼桿 40 選別室 41 揺動棚 41b 揺動棚支点 41c 揺動
棚案内 41d 揺動棚受け皿 42 シーブ 42a ストローラック 43 選別網 44 一番棚板 45 一番ラ
セン 46 扱室 46a 扱室
入口 47 二番処理室 48 排塵処
理室 48a 排塵処理室入口 48b 排塵
処理室出口 49 扱胴 49a 扱歯 50 二番処理胴 50a 二番
処理胴処理歯 51 排塵処理胴 51a 排塵
処理胴処理歯 54 扱網 55 二番処
理胴受け網 56 排塵処理胴受け網 59 唐箕 60 一番揚穀筒 65 二番棚
板 66 二番ラセン 67 二番揚
穀筒 67a 二番揚穀筒ラセン 69 排藁チ
ェーン 70 排藁穂先チェーン 71 横断流
ファン 71a 横断流ファン羽根車 71b 横断
流ファン出口 72、73 藁用カッター 80 回転型
ポテンシオメータ 80a 回転軸 80b アク
チュエータアーム 80c 弦巻バネ 80d スト
ッパー 90 遮音パネル 90a 遮音
板 90b 空洞部 90c 連通
路 90d 通気路 90e 通気
路 100 制御装置 101 CP
U 102 入力インターフェース 103 出力
インターフェース 104 信号処理回路 120 車速
調整手段 S1 前部穀稈センサ S2 後部穀
稈センサ S3 穂先センサ S4 位置検
出センサ S5 超音波センサ S6 穀稈供
給量センサ S7 登熟度センサ S8 籾量セ
ンサ S9 脱粒量センサ S10 シー
ブ通過量センサ S11 水分センサ S12 詰ま
りセンサ S13 引継異常検出センサ M1 外部記
憶装置

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 刈取手段、脱穀選別手段および走行手段
    を備えたコンバインにおいて、刈取手段、脱穀選別手段
    および走行手段の各負荷を推定し、いずれか一の前記手
    段の負荷の推定値、あるいは前記各手段の負荷の推定値
    の合計値が、予め設定した、前記各手段の負荷の上限値
    または前記各手段の負荷の合計値の上限値を超えた場合
    には、コンバインの車速を低減する制御装置を備えたこ
    と特徴とするコンバイン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010263855A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Kubota Corp コンバインの車速制御装置
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KR20220117480A (ko) * 2021-02-17 2022-08-24 충남대학교산학협력단 탈곡통의 부하에 기반한 콤바인 주행 속도 조절 장치

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