JP2000060003A - 直流送電システムに用いる交直変換器の制御装置 - Google Patents

直流送電システムに用いる交直変換器の制御装置

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JP2000060003A
JP2000060003A JP10220169A JP22016998A JP2000060003A JP 2000060003 A JP2000060003 A JP 2000060003A JP 10220169 A JP10220169 A JP 10220169A JP 22016998 A JP22016998 A JP 22016998A JP 2000060003 A JP2000060003 A JP 2000060003A
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suppression
control
shaft
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Kenichi Tanomura
顕一 田能村
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 系統の状態が変化しても的確に軸ねじれ共振
現象を抑制する。 【解決手段】 軸ねじれ振動成分検出手段31では、交
直変換器3あるいは交流母線1の周辺から得られる軸ね
じれ振動成分を含む入力された電気量から軸ねじれ振動
成分のみを抽出する。軸ねじれ共振振動抑制制御手段3
2では、軸ねじれ振動成分からSSR振動を抑制するた
めの抑制信号をn個作成する。信号切換手段33は、母
線電圧や送電線電流などの系統状態に応じて軸ねじれ共
振振動抑制制御手段32の出力信号n個の中から、現在
の系統状態において的確に効果的にSSRを抑制できる
抑制信号を選択して、選択された抑制信号を加算器8へ
送る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つ以上の電力系
統を直流回路を介して連系する非同期連係システム、あ
るいは、周波数変換システムを含む直流送電システムに
用いる交直変換器の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電力系統の直流送電システムに用
いる従来の交直変換器の制御装置の構成を図25を用い
て説明する。
【0003】図25において、変換所A側と変換所B側
は対象な構成であるため、一方の変換所A側で説明し、
また、相手側の変換所Bの符号は変換所Aの符号にダッ
シュを付して示している。
【0004】まず、交流母線1に変換器用変圧器2を介
してサイリスタブリッジで構成された交直変換器3が接
続されている。交直変換器3の直流側は直流リアクトル
4及び直流線路DC−lineを介して、変換所B側の
交直変換器3’に接続している。
【0005】この交直変換器3は、直流電流検出器5に
より直流電流が検出され、直流電圧検出回路6により直
流電圧が検出されて点弧角制御装置7に与えられてい
る。
【0006】交直変換器3は片端が順変換、他端は逆変
換で運転され、点弧角制御装置7は順変換運転時は直流
電流が直流電流設定値Idrefに等しくなるような制
御を行い、また、逆変換運転時は直流電圧が直流電圧設
定値Edrefに等しくなるような制御を行い、結果と
して点弧角信号を加算器8を介してパルス発生回路9へ
出力する。
【0007】一方、交流母線1から交流電圧を交流電圧
検出器11により検出し、それを周波数検出器12へ入
力し、交流母線1の周波数を検出する。検出された周波
数は軸ねじれ共振現象(以下、SSR:Subsync
hronous Resonanceという)SSR抑
制制御回路13に入力される。
【0008】ここで、SSRについて詳細に説明する。
【0009】直流送電システムを電力系統へ適用した場
合、変換所に近接する発電所のタービン発電機のタービ
ン軸系と直流送電システムの点弧角制御ループの一部
が、系統条件によっては、正帰還結合となり、タービン
軸系の固有振動周波数での振動発散現象を引き起こす恐
れがある。この現象は、ねじれ共振現象(SSR)と呼
ばれ、直流送電システムを含む電気回路と発電機タービ
ン軸系(機械系)の相互作用による共振現象である。こ
れは、電源周波数(50Hzまたは60Hz)よりも低
い、発電機のタービン軸系の固有振動数(5Hz〜40
Hz)で共振するため、低周波数共振現象とも呼ばれて
いる。
【0010】実際に、SSRが発生し問題となった例
は、1977年10月、ミネソタ州と北ダコタ州を75
0kmの直流送電線で結ぶSquare Butte直
流送電システム(500MW,±250kV)のフィー
ルド試験で、北ダコタ州側の変換所に近接するMILT
ON YOUNG発電所の2号発電機のタービン軸固有
振動モード(11.5Hz)の周波数成分が進展する現
象が観測された例である。その後の検討で、これは直流
送電と発電機軸系との相互作用で発生する現象であるこ
とが判明し、その対策を直流送電システムの制御系に施
し現在に至っている。この実例については次の文献を参
照して頂きたい。
【0011】[1]M.Bahmanetal:EXP
ERIENCE WITHHVDC−TURBINE−
GENERATOR TORSIONAL INTER
ACTION AT SQUARE BUTTE,IE
EE Transactions on Power
Apparatus and Systems,Vo
1.PAS−99,No.3, May/Jun 19
80
【0012】SSR抑制制御回路13は、変換所Aに、
しゃ断機18と送電線20および昇圧変圧器21を介し
て電力を送るタービン発電機30のSSRを抑制する制
御回路である。
【0013】タービン発電機30は、発電機22、低圧
タービン23および高圧タービン24とこれらを連結す
るタービン軸25で構成される。タービン軸系は通常複
数のタービンで構成されるが、ここでは2つのタービン
で表してある。SSR抑制制御回路13の出力は、点弧
角制御装置7の出力信号と加算器8で加算され、得られ
た最終的な点弧角信号αをパルス発生回路9に与える。
【0014】直流電流設定値Idrefや直流電圧設定
値Edrefは、対応する変換所の操作員による手動操
作により決まる場合や、遠方の給電指令所からの指令に
より決まる場合などシステムによって異なるが、一般に
直流電圧設定値Edrefは定格100%であり、電力
変換器の運転電力は直流電流設定値Idrefを操作す
ることにより調整される。
【0015】パルス発生回路9では、与えられた点弧角
信号αに応じたタイミングで点弧パルス10を発生し、
このパルス信号により交直変換器3を構成する各サイリ
スタが点弧され、運転が行われる。
【0016】また、交流母線1には交直変換器3の発生
する高調波電流が交流系統に流出するのを防止し、さら
に、基本周波数領域において、交直変換器3が消費する
誘導性無効電力を供給するようにフィルタ群14が設置
されている。基本周波数におけるフィルタ群14の容量
は交直変換器3の定格容量の20〜30%程度とするよ
うに設計がされている。
【0017】交直変換器3が定格100%で運転した場
合に消費する無効電力は、定格容量の60%程度にもな
るため、フィルタ群14による補償だけでは不十分であ
り、それを補うために調相用変圧器15を介してコンデ
ンサ群16が設置されている。コンデンサ群16の総容
量は、交直変換器3の定格容量の30〜40%程度にな
るように設計されている。
【0018】系統条件がSSR発生条件を満足する場
合、前述したようにタービン発電機30と直流送電シス
テムの間でSSRが発生する。SSRが発生すると変換
所Aの母線位相と周波数はタービン軸系の固有振動周波
数で変化する。また、直流送電線を流れる直流電流もタ
ービン軸系の固有振動周波数で振動する。点弧角制御装
置7に与えられる直流電流が振動しているので、点弧角
制御装置7は直流電流を直流電流設定値Idrefに一
致させるように働き、点弧角信号を発生させる。
【0019】SSR抑制制御回路13を設けない場合に
は、点弧角信号はそのままパルス発生回路9へ送られ、
パルス発生回路9は与えられた点弧角信号αに応じてサ
イリスタへの点狐パルス10を発生する。この点孤パル
ス10は、直流電流の振動の影響を受けてタービン軸系
の固有振動周波数で変化している。従って、タービン発
電機30から交直変換器3へ流入する交流電流にはター
ビン軸系の固有振動周波数相当の電流成分が重畳するこ
とになり、発電機の電気的トルクはタービン軸系の固有
振動周波数で変化する。発電機の電気的トルクの変化
は、発電機の回転速度に影響を与え、さらにタービン軸
系の固有振動を助長する。以上のような振動サイクルで
SSRは振動発散する。
【0020】従来のSSR抑制制御回路13は、上述し
たように振動サイクルを断ち切り、SSR振動の発散を
抑える働きを持つ。まず、交流電圧検出器11にて変換
所Aの母線電圧を検出し、母線周波数の変化を周波数検
出器12により検出する。SSR抑制制御回路13は、
周波数検出器12から得られる周波数変化を取り込み、
タービン軸系の固有振動周波数の周波数領域で適切な信
号調整を行う。信号調整は、点弧角制御装置7の点弧角
信号αに含まれるタービン軸系の固有振動周波数を相殺
し、さらに、全体の振動サイクルが負帰還結合となるよ
うに行う。加算器8では点弧角制御装置7の出力である
点弧角とSSR抑制制御回路13の出力信号が加算器8
で加算され、パルス発生回路9に与えられる。このよう
にしてSSR振動の発散を抑制する。なお、SSR抑制
制御回路13は常時制御装置に組み込まれており、SS
Rが発生しない系統条件に対しては、系統および直流送
電システムの点弧角制御に悪影響を与えないように設計
されている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SSR
抑制制御回路13は、特定の系統の状態を対象にしてお
り、系統の状態が変わった場合、SSRの振動発散現象
を的確に抑制することは極めて困難であるという問題が
ある。
【0022】すなわち、SSR抑制制御回路13はSS
Rが発生する全ての系統の状態で、効果的にSSRの振
動発散を抑えることができ、SSRが発生しない系統の
状態では、系統および直流送電システムの点弧角制御に
悪影響を与えないようなSSR抑制制御ができるもので
なかった。例えば、かかる場合、程度の小さいSSRが
発生する系統の状態ではSSR抑制制御が過剰な制御に
ならないように設計し、程度の大きいSSRが発生する
系統の状態では、タービン軸の固有振動周波数でよく応
答するように設計することになり、2つの条件を適当に
満足する制御定数の設計が必要となる。仮に2つの条作
を満足する制御定数を設計できたとしても、2つの系統
の状態におけるSSRの振動発散を的確に抑制できるだ
けの効果はなく、また、SSRが発生しない系統の状態
では、負荷変動や系統の操作など、タービン軸の固有振
動周波数に近い周波数領域での変化が生じた場合には、
SSR抑制制御回路が働き、点弧角制御に影響を及ぼす
ことがある。
【0023】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、系統の状態に応じて、SSRの振動発散を的確
に効果的に抑制できる直流送電システムに用いる交直変
換器の制御装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、複数
の電力系統間を直流回路を介して直流送電するための交
直変換器を制御信号によって制御する制御手段と、直流
回路と近接するタービン発電機との相互作用によって発
生する軸ねじれ共振現象を抑制するように制御手段の制
御信号を増減するように抑制信号を加えて軸ねじれ共振
現象を抑制させる抑制制御手段とを具備する直流送電シ
ステムに用いる交直変換器の制御装置において、電力系
統と直流回路との接続部近傍の電気量に基づいて、ター
ビン発電機の軸ねじれ振動成分を算出して軸ねじれ振動
成分信号を出力する軸ねじれ振動成分検出手段と、この
軸ねじれ振動成分検出手段によって出力される軸ねじれ
振動成分信号に基づき軸ねじれ振動を抑制するための電
力系統の電気量、接続状態、運用状態等の系統の状態に
対応する複数の共振振動抑制信号を生成する軸ねじれ共
振振動抑制制御手段と、この軸ねじれ共振振動抑制制御
手段により生成された複数の共振振動抑制信号の内から
系統の状態に応じた共振振動抑制信号を選択して抑制制
御手段へ抑制信号として出力するように信号を切り換え
る信号切換手段とを設けるようにしたものである。この
手段によれば、系統の状態に対応する複数の共振振動抑
制信号の内から系統の状態に応じた共振振動抑制信号が
選択されて抑制信号とされる。これにより、系統の状態
が変化しても最適な抑制信号によって交直変換器を制御
するので的確、かつ、効果的に、軸ねじれ共振振動を抑
制することができる。
【0025】請求項2の発明は、複数の電力系統間を直
流回路を介して直流送電するための交直変換器を制御信
号によって制御する制御手段と、直流回路と近接するタ
ービン発電機との相互作用によって発生する軸ねじれ共
振現象を抑制するように制御手段の制御信号を増減する
ように抑制信号を加えて軸ねじれ共振現象を抑制させる
抑制制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交
直変換器の制御装置において、電力系統と直流回路との
接続部近傍の電気量に基づいて、タービン発電機の軸ね
じれ振動成分を算出して軸ねじれ振動成分信号を出力す
る軸ねじれ振動成分検出手段と、この軸ねじれ振動成分
検出手段によって出力される軸ねじれ振動成分信号と軸
ねじれ振動を抑制するための制御定数とに基づいて抑制
信号を生成して抑制制御手段へ出力する軸ねじれ共振振
動抑制制御手段と、予め電力系統の電気量、接続状態、
運用状態等の系統の状態に対応する複数の制御定数を有
し、系統の状態に応じて複数の制御定数の内から選択し
て、軸ねじれ共振振動抑制制御手段の制御定数へ設定す
るように切り換える制御定数切換手段とを設けるように
したものである。この手段によれば、予め定める系統の
状態に対応する複数の制御定数の内から系統の状態に応
じた制御定数が選択され、選択された制御定数とを軸ね
じれ振動成分信号とから抑制信号が生成される。これに
より、系統の状態が変化しても最適な制御定数が選択さ
れ、最適な抑制信号が生成されるので、的確、かつ、効
果的に軸ねじれ共振振動を抑制することができる。
【0026】請求項3の発明は、複数の電力系統間を直
流回路を介して直流送電するための交直変換器を制御信
号によって制御する制御手段と、直流回路と近接するタ
ービン発電機との相互作用によって発生する軸ねじれ共
振現象を抑制するように制御手段の制御信号を増減する
ように抑制信号を加えて軸ねじれ共振現象を抑制させる
抑制制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交
直変換器の制御装置において、電力系統と直流回路との
接続部近傍の電気量に基づいて、タービン発電機の軸ね
じれ振動成分を算出して軸ねじれ振動成分信号を出力す
る軸ねじれ振動成分検出手段と、この軸ねじれ振動成分
検出手段によって出力される軸ねじれ振動成分信号に基
づき軸ねじれ振動を抑制するための電力系統の電気量、
接続状態、運用状態等の系統の状態に対応する複数の共
振振動抑制信号を生成する軸ねじれ共振振動抑制制御手
段と、交直変換器の直流電流、直流電圧、あるいは、点
弧角等の電気的諸量に基づいて直流回路の運転状態を検
出する直流系運転状態検出手段と、この直流系運転状態
検出手段により検出される運転状態と系統のしゃ断器の
開閉状態に応じて、軸ねじれ共振振動抑制制御手段によ
り生成される複数の共振振動抑制信号の内から共振振動
抑制信号を選択して抑制制御手段へ抑制信号として出力
するように切り換える信号切換手段とを設けるようにし
たものである。この手段によれば、直流回路の運転状態
と系統のしゃ断器の開閉状態に応じて複数の共振振動抑
制信号の内から共振振動抑制信号が選択され抑制信号と
される。これにより、直流回路の運転状態と系統しゃ断
器の開閉状態が変化しても、変化に応じた最適な抑制信
号で交直変換器を制御するので的確、かつ、効果的に軸
ねじれ共振振動を抑制することができる。
【0027】請求項4の発明は、複数の電力系統間を直
流回路を介して直流送電するための交直変換器を制御信
号によって制御する制御手段と、直流回路と近接するタ
ービン発電機との相互作用によって発生する軸ねじれ共
振現象を抑制するように制御手段の制御信号を増減する
ように抑制信号を加えて軸ねじれ共振現象を抑制させる
抑制制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交
直変換器の制御装置において、電力系統と直流回路との
接続部近傍の電気量に基づいて、タービン発電機の軸ね
じれ振動成分を算出して軸ねじれ振動成分信号を出力す
る軸ねじれ振動成分検出手段と、この軸ねじれ振動成分
検出手段によって出力される軸ねじれ振動成分信号に基
づき軸ねじれ振動を抑制するための電力系統の電気量、
接続状態、運用状態等の系統の状態に対応する複数の共
振振動抑制信号を生成する軸ねじれ共振振動抑制制御手
段と、タービン発電機の端子電圧、出力電流等の電気的
諸量、あるいは、角速度、軸伝達トルク等の機械的諸量
から発電機の運転状態を検出する発電機運転状態検出手
段と、この発電機運転状態検出手段により検出される運
転状態と系統のしゃ断器の開閉状態に応じて、軸ねじれ
共振振動抑制制御手段により生成される複数の共振振動
抑制信号の内から共振振動抑制信号を選択して抑制制御
手段へ抑制信号として出力するように切り換える信号切
換手段とを設けるようにしたものである。この手段によ
れば、タービン発電機の運転状態と系統のしゃ断器の開
閉状態に応じて複数の共振振動抑制信号の内から共振振
動抑制信号が選択され抑制信号とされる。これにより、
タービン発電機の運転状態と系統しゃ断器の開閉状態が
変化しても、変化に応じた最適な抑制信号で交直変換器
を制御するので的確、かつ、効果的に軸ねじれ共振振動
を抑制することができる。
【0028】請求項5の発明は、複数の電力系統間を直
流回路を介して直流送電するための交直変換器を制御信
号によって制御する制御手段と、直流回路と近接するタ
ービン発電機との相互作用によって発生する軸ねじれ共
振現象を抑制するように制御手段の制御信号を増減する
ように抑制信号を加えて軸ねじれ共振現象を抑制させる
抑制制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交
直変換器の制御装置において、電力系統と直流回路との
接続部近傍の電気量に基づいて、タービン発電機の軸ね
じれ振動成分を算出して軸ねじれ振動成分信号を出力す
る軸ねじれ振動成分検出手段と、この軸ねじれ振動成分
検出手段によって出力される軸ねじれ振動成分信号と軸
ねじれ振動を抑制するための制御定数とに基づいて抑制
信号を生成して抑制制御手段へ出力する軸ねじれ共振振
動抑制制御手段と、交直変換器の直流電流、直流電圧、
あるいは、点弧角等の電気的諸量に基づいて直流回路の
運転状態を検出する直流系運転状態検出手段と、予め直
流回路の運転状態と系統のしゃ断器の開閉状態に対応す
る複数の制御定数を有し、直流系運転状態検出手段によ
って検出される直流回路の運転状態と系統のしゃ断器の
開閉状態に応じて複数の制御定数の内から選択して軸ね
じれ共振振動抑制制御手段の制御定数へ設定するように
切り換える制御定数切換手段とを設けるようにしたもの
である。この手段によれば、直流回路の運転状態と系統
のしゃ断器の開閉状態に応じて複数の制御定数の内から
制御定数が選択され抑制信号が生成される。これによ
り、直流回路の運転状態と系統しゃ断器の開閉状態が変
化しても、変化に応じた最適な制御定数を用いた抑制信
号で交直変換器を制御するので的確、かつ、効果的に軸
ねじれ共振振動を抑制することができる。
【0029】請求項6の発明は、複数の電力系統間を直
流回路を介して直流送電するための交直変換器を制御信
号によって制御する制御手段と、直流回路と近接するタ
ービン発電機との相互作用によって発生する軸ねじれ共
振現象を抑制するように制御手段の制御信号を増減する
ように抑制信号を加えて軸ねじれ共振現象を抑制させる
抑制制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交
直変換器の制御装置において、電力系統と直流回路との
接続部近傍の電気量に基づいて、タービン発電機の軸ね
じれ振動成分を算出して軸ねじれ振動成分信号を出力す
る軸ねじれ振動成分検出手段と、この軸ねじれ振動成分
検出手段によって出力される軸ねじれ振動成分信号と軸
ねじれ振動を抑制するための制御定数とに基づいて抑制
信号を生成して抑制制御手段へ出力する軸ねじれ共振振
動抑制制御手段と、タービン発電機の端子電圧、出力電
流等の電気的諸量、あるいは、角速度、軸伝達トルク等
の機械的諸量から発電機の運転状態を検出する発電機運
転状態検出手段と、予めタービン発電機の運転状態と系
統のしゃ断器の開閉状態に対応する複数の制御定数を有
し、発電機運転状態検出手段によって検出される運転状
態と系統のしゃ断器の開閉状態に応じて複数の制御定数
の内から選択して軸ねじれ共振振動抑制制御手段の制御
定数へ設定するように切り換える制御定数切換手段とを
設けるようにしたものである。この手段によれば、ター
ビン発電機の運転状態と系統のしゃ断器の開閉状態に応
じて複数の制御定数の内から制御定数が選択され抑制信
号が生成される。これにより、タービン発電機の運転状
態と系統しゃ断器の開閉状態が変化しても、変化に応じ
た最適な制御定数を用いた抑制信号で交直変換器を制御
するので的確、かつ、効果的に軸ねじれ共振振動を抑制
することができる。
【0030】請求項7の発明は、複数の電力系統間を直
流回路を介して直流送電するための交直変換器を制御信
号によって制御する制御手段と、直流回路と近接するタ
ービン発電機との相互作用によって発生する軸ねじれ共
振現象を抑制するように制御手段の制御信号を増減する
ように抑制信号を加えて軸ねじれ共振現象を抑制させる
抑制制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交
直変換器の制御装置において、電力系統と直流回路との
接続部近傍の電気量に基づいて、タービン発電機の軸ね
じれ振動成分を算出して軸ねじれ振動成分信号を出力す
る軸ねじれ振動成分検出手段と、この軸ねじれ振動成分
検出手段によって出力される軸ねじれ振動成分信号に基
づき軸ねじれ振動を抑制するための電力系統の電気量、
接続状態、運用状態等の系統の状態に対応して複数の制
御定数による共振振動抑制信号を生成する軸ねじれ共振
振動抑制制御手段と、系統の状態に応じて複数の制御定
数に対応するタービン発電機の電気ダンピングを算出す
る電気ダンピング算出手段と、この電気ダンピング算出
手段によって算出された複数の電気ダンピングの内で系
統の状態から最適な抑制効果を有する電気ダンピングを
選択し、選択された電気ダンピングに対応する制御定数
による共振振動抑制信号を抑制制御手段へ抑制信号とし
て設定するように切り換える信号切換手段とを設けるよ
うにしたものる。この手段によれば、複数の制御定数に
対応するタービン発電機の電気ダンピングが複数算出さ
れ、これらの電気ダンピングの内から系統の状態に応じ
て抑制効果が高い選択された電気ダンピングに対応する
制御定数による抑制信号が選択される。これにより、系
統の状態が変化しても抑制効果の高い電気ダンピングが
選択され、これに応じて抑制信号が生成されるので、軸
ねじれ共振現象の抑制が的確、かつ、効果的にできる。
【0031】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7
記載のいずれかの直流送電システムに用いる交直変換器
の制御装置において、軸ねじれ振動成分検出手段は、一
次側の周波数、直流回路の直流電流、タービン発電機の
角速度、タービン発電機の軸伝達トルクのいずれかを用
いて、タービン発電機の軸ねじれ振動成分を算出するよ
うにしたものである。この手段によれば、系統の状態を
的確に把える各状態のいずれかを用いて軸ねじれ振動成
分を算出するので、系統が変化しても正確な軸ねじれ振
動成分が得られる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0033】(第1実施の形態)(請求項1対応) 図1は、本発明の第1実施の形態を示す直流送電システ
ムに用いる交直変換器の制御装置の構成図であって、従
来技術を示す図25と同一符号は、同一部分または相当
部分を示しており、既に説明した部分の説明は省略す
る。
【0034】第1実施の形態は、変換所近傍の電気量を
検出して、タービン発電機の軸ねじれ振動成分を抽出す
る軸ねじれ振動成分検出手段31と、抽出した軸ねじれ
振動成分を入力信号として、当該軸ねじれ振動を抑制す
るための交直変換器制御信号を作成する複数の軸ねじれ
共振振動抑制制御手段32と、電力系統の電気量または
運用状態に応じて、軸ねじれ共振振動抑制制御手段32
から出力される信号を切り換える信号切換手段33を備
えたことを特徴とするものである。
【0035】この構成で、交直変換器3あるいは交流母
線1の周辺から得られる軸ねじれ振動成分を含む電気量
を検出し、軸ねじれ振動成分検出手段31に取り入れ
る。軸ねじれ振動成分検出手段31では、入力された電
気量から軸ねじれ振動成分のみを抽出し、それを軸ねじ
れ共振振動抑制制御手段32へ送る。
【0036】軸ねじれ共振振動抑制制御手段32では、
入力された軸ねじれ振動成分からSSR振動を抑制する
ための制御信号をn個作成し、それを信号切換手段33
へ送る。信号切換手段33は、母線電圧や送電線電流な
どの系統の電気量またはしゃ断器のオンオフなどの系統
の接続構成または系統の運用状態から、現在の系統状態
を把握し、SSR現象の発生がある場合には、軸ねじれ
共振振動抑制制御手段32の出力信号n個の中から、現
在の系統状態において的確に効果的にSSRを抑制でき
る抑制信号を選択して、選択された抑制信号を加算器8
へ送る一方、SSR現象の発生が無い場合には加算器8
へ抑制信号を送らないようにする。
【0037】これにより、系統の状態に応じて、効果的
なSSR抑制制御へ自動的に切り換えることができるの
で、系統状態が変化してもSSR現象の振動発散を的確
に効果的に抑制することができる。
【0038】図2は、図1に示す直流送電システムの交
直変換器の制御装置の具体的構成を示すもので、図25
及び図1と同一符号は、同一部分または相当部分を示し
ており、既に説明した部分の説明は省略する。
【0039】図2において、軸ねじれ振動成分検出手段
31は有効電力検出器31aとバンドパスフィルター3
1bから構成されている。軸ねじれ共振振動(SSR)
抑制制御手段32は、SSR抑制制御回路(1)32a
とSSR抑制制御回路(2)32bとから構成されてい
る。信号切換手段33は有効電力比較器33a,しきい
値設定器33b,しゃ断器オンオフ判定器33c,系統
状態判定部33d,判定用テーブル部33eおよび信号
切換スイッチ部33fから構成されている。
【0040】次に本発明の第1実施の形態の作用につい
て説明する。
【0041】まず、有効電力検出器31aによって、交
流母線1から交流電圧検出器11により検出される交流
電圧と、変換器用変圧器2の高圧側に接続された電流検
用器101により検出される交流電流が取り込まれ、交
直変換器3への有効電力PLが検出される。検出された
有効電力PLはバンドパスフィルター31bと有効電力
比較器33aへ送られる。バンドパスフィルター31b
は、検出された有効電力から軸ねじれ振動成分を抽出
し、それをSSR抑制制御回路(1)32aとSSR抑
制制御回路(2)32bへ送る。
【0042】ここで、SSR抑制制御回路(1)32a
とSSR抑制制御回路(2)32bは、それぞれ図3に
示されているような伝達関数の組み合わせによるブロッ
ク図で表現され、それぞれ伝達関数の値が異なる制御回
路で構成されている。この伝達関数の値はシミュレーシ
ョン解析などを用いて一定の系統条件においてSSR抑
制効果が得られるように予め調整されたものである。
【0043】図3においては、不完全微分要素71と一
次進み遅れ要素(a)72と一次進み遅れ要素(b)7
3とリミッタ付ゲイン要素74とからなっている。
【0044】SSR抑制制御回路(1)31aは交直変
換器3への有効電力量が有効電力しきい値PLrよりも
大きく、かつ、しゃ断器17がオフ状態の場合にSSR
抑制効果が高くなる特性を有し、SSR抑制制御回路
(2)32bは変換器3への有効電力量が有効電力しき
い値PLr以下で、かつ、しゃ断器17がオフ状態の場
合にSSR抑制効果が高いという特性を有している。
【0045】次に、有効電力比較器33aは、検出され
た有効電力PLと、SSR抑制制御回路(1)およびS
SR抑制制御回路(2)32bの特性から予めしきい値
設定器33bで設定された有効電力しきい値PLrとを
比較して、次の式(1),(2)により演算出力する。
【0046】 PL>PLrならば出力信号=1 …(1) PL≦PLrならば出力信号=0 …(2)
【0047】また、しゃ断器オンオフ判定器33cはし
ゃ断器17のオンオフ状態を判定し、次の式(3),
(4)により演算出力する。
【0048】 しゃ断器17がオン状態 ならば 出力信号=0 …(3) しゃ断器17がオフ状態 ならば 出力信号=1 …(4)
【0049】系統状態判定部33dは、有効電力比較器
33aとしゃ断器オンオフ判定器33cからの出力を基
にして、判定用テーブル部33eの次の表1に示す内容
に従ってSSR抑制制御回路(1)32aまたはSSR
抑制制御回路(2)32bのいずれを使用または不使用
するか選択する。
【0050】
【表1】
【0051】次に、信号切換スイッチ部33fは系統状
態判定部33dの制御系選択結果に応じて、使用する制
御系の信号へスイッチを切り換え、その信号を抑制信号
として加算器8へ送る。
【0052】なお、表1のSSR抑制制御回路(1)3
2a,SSR抑制制御回路(2)32bとも不使用の場
合には、信号切換スイッチ部33fは信号零の端子へス
イッチを切り換える。
【0053】以上の作用により、系統の状態に応じて、
効果的なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えること
ができる。
【0054】なお、本実施の形態において、しゃ断器1
7がオン状態であっても、SSR抑制制御回路が必要な
場合は、対応する系統状態において制御定数を調整した
SSR抑制制御回路を新たに二つ(番号3、4)追加
し、信号切換スイッチ部33fのスイッチ端子を新たに
二つ設け、判定用テーブル部31eを次の表2のように
変更した判定用テーブル31e1を用いれば実施可能で
ある。
【0055】
【表2】
【0056】このように第1実施の形態によれば、電力
系統の電気量接続状態または運用状態に応じて、変換所
近傍の電気量からタービン発電機の軸ねじれ振動成分を
抽出し、抽出した軸ねじれ振動成分を入力として軸ねじ
れ振動を抑制するために、より効果の高い軸ねじれ共振
抑制制御手段の出力信号へ自動的に切り換えることがで
きるので、系統状態が変化してもSSRの振動発散を的
確に効果的に抑制できる。
【0057】(第2実施の形態)(請求項2対応) 図4は、本発明の第2実施の形態を示す直流送電システ
ムに用いる交直変換器の制御装置の構成図であって、第
1実施の形態を示す図1と同一符号は、同一部分または
相当部分を示している。
【0058】第2実施の形態は、変換所近傍の電気量を
検出して、タービン発電機の軸ねじれ振動成分を抽出す
る軸ねじれ振動成分検出手段31と、抽出した軸ねじれ
振動成分を入力信号として、軸ねじれ振動を抑制するた
めの交直変換器制御信号を作成する軸ねじれ共振現象抑
制制御手段34と、電力系統の電気量または接続状態ま
たは運用状態等の系統状態に応じて、軸ねじれ共振振動
抑制制御手段32の制御定数を切り換える制御定数切換
手段35とを備えたことを特徴とするものである。
【0059】この構成で、交直変換器3あるいは交流母
線1の周辺から得られる軸ねじれ振動成分を含む電気量
を検出し、軸ねじれ振動成分検出手段31に取り入れ
る。軸ねじれ振動成分検出手段31では、入力された電
気量から軸ねじれ振動成分のみを抽出し、それを軸ねじ
れ共振振動抑制制御手段34へ送る。軸ねじれ共振振動
抑制制御手段34では、入力された軸ねじれ振動成分か
らSSR振動を抑制するための抑制信号を作成し、それ
を加算器8へ送る。制御定数切換手段35は予測される
系統状態において複数の制御定数を予め保持しておき、
母線電圧や送電線電流などの系統の電気量、または、し
ゃ断器のオンオフなどの系統の接続構成または系統の運
用状態から、現在の系統の状態と把握する。そして現在
の系統の状態がSSR現象が発生する系統状態へ移行し
た場合に、的確に効果的にSSRを抑制できる軸ねじれ
共振振動抑制制御手段34の制御定数を選択して、その
信号を軸ねじれ共振振動抑制制御手段34へ送る。
【0060】以上の作用により、系統の状態に応じて、
SSR抑制制御回路の効果的な制御定数を選択すること
ができるので、系統の状態が変化してもSSRの振動発
散を的確に効果的に抑制できる。
【0061】図5は、図4に示す直流送電システムに用
いる交直変換器の制御装置の具体的構成を示すもので、
図4と同一符号は、同一部分または相当部分を示し、重
複説明を省略する。
【0062】図5において、軸ねじれ共振振動(SS
R)抑制制御手段34はSSR抑制制御回路34aから
構成されている。制御定数切換手段35は有効電力比較
器35d,しきい値設定器35f,しゃ断器オンオフ判
定器35e,系統状態判定部35a,判定用テーブル部
35bおよび制御定数テーブル部35cから構成されて
いる。
【0063】次に第2実施の形態の作用について説明す
る。
【0064】まず、有効電力検出器31aは、交流母線
1から交流電圧検出器11により検出される交流電圧
と、変換器用変圧器2の高圧側に接続された電流検出器
101により検出される交流電流とを取り込み、交直変
換器3への有効電力PLを検出する。検出された有効電
力PLは、バンドパスフィルター31bと有効電力比較
器33aへ送られる。バンドパスフィルター31bは、
検出された有効電力から軸ねじれ振動成分を抽出し、そ
れをSSR抑制制御回路34aへ送る。
【0065】SSR抑制制御回路34aは、図3に示さ
れているような伝達関数の組み合わせによるブロック図
で表現されている。伝達関数の値はシミュレーション解
析などを用いて一定の系統条件においてSSR抑制効果
が得られるように予め調整されたものであり、それらの
定数は制御定数テーブル部35cに次の表3のように格
納されている。
【0066】
【表3】
【0067】SSR抑制制御回路34aは、有効電力P
Lの軸ねじれ振動成分を入力として、対象システムで発
生する軸ねじれ共振現象を抑制するように交直変換器3
を動作させるための抑制信号を出力する。
【0068】有効電力比較器35dは検出された有効電
力PLと、SSR抑制制御回路34aの制御定数A〜D
の特性からしきい値設定器35fで予め設定された有効
電力しきい値PLrとを比較して、次の式(5),
(6)によって演算出力する。
【0069】 PL>PLr ならば 出力信号=1 …(5) PL≦PLr ならば 出力信号=0 …(6)
【0070】また、しゃ断器オンオフ判定器35eはし
ゃ断器17のオンオフ状態を判定し、次の式(7),
(8)によって出力する。
【0071】 しゃ断器17がオン状態 ならば 出力信号=0 …(7) しゃ断器17がオフ状態 ならば 出力信号=1 …(8)
【0072】系統状態判定部35aは、有効電力比較器
35dとしゃ断器オンオフ判定器35eからの出力を基
にして、判定用テーブル部35bの内容に従ってSSR
抑制制御回路34aの制御定数を選択する。判定用テー
ブル部35bの内容を表4に示す。
【0073】
【表4】
【0074】続けて、表4の判定用テーブル部35bか
ら選定された制御定数(A〜D)のいずれかに対応する
制御定数を表3の制御定数テーブル部35cから取り出
し、SSR抑制制御回路34aへ伝送する。SSR抑制
制御回路34aは受け取った制御定数に基づいて抑制信
号を加算器8へ出力する。
【0075】以上の作用により、系統の状態に応じて、
SSR抑制側御回路34aのSSR抑制に効果的な制御
定数を選定することができる。
【0076】このように第2実施の形態によれば、電力
系統の電気量または接続状態または運用状態に応じて、
変換所近傍の電気量からタービン発電機の軸ねじれ振動
成分を抽出し、抽出した軸ねじれ振動成分を入力として
軸ねじれ振動を抑制するために、より効果の高い軸ねじ
れ共振抑制制御手段の制御定数を選択することができる
ので、系統状態が変化してもSSRの振動発散を的確に
効果的に抑制できる。
【0077】(第3実施の形態)(請求項3対応) 図6は、本発明の第3実施の形態を示す直流送電システ
ムに用いる交直変換器の制御装置の構成図であって、第
1実施の形態を示す図1と同一符号は、同一部分または
相当部分を示している。
【0078】第3実施の形態は、第1実施の形態と同様
の変換所近傍の電気量を検出して、タービン発電機の軸
ねじれ振動成分を検出する軸ねじれ振動成分検出手段3
1と、検出した軸ねじれ振動成分を入力信号として、軸
ねじれ振動を抑制するための交直変換器制御信号を作成
する複数の軸ねじれ共振振動抑制制御手段32とに加え
て、交直変換器の直流電流、直流電圧及び点弧角などの
電気的諸量から直流回路の運転状態を検出する直流系運
転状態検出手段36と、直流系運転状態検出手段36の
結果と系統のしゃ断器18としゃ断器17のオン・オフ
信号から、軸ねじれ共振振動抑制制御手段32から出力
される信号を切り換える信号切換手段26とを設けたこ
とを特徴とするものである。
【0079】以上の構成において、軸ねじれ振動成分検
出手段31と軸ねじれ共振振動抑制制御手段32の作用
は第1実施の形態と同様である。直流系運転状態検出手
段36は、交直変換器3の直流電圧、直流電流および点
弧角などの電気的諸量から、現在の直流系の運転状態を
把握し、その結果を信号切換手段26へ送る。信号切換
手段26は、直流系運転状態検出手段36の結果としゃ
断器17およびしゃ断器18のオンオフ状態を受け取る
ことで現在の系統状態を把握し、SSR現象の発生があ
る場合には、現在の系統状態において、的確に効果的に
SSRを抑制できる軸ねじれ共振振動抑制制御手段32
の出力信号を選択して、その信号を抑制信号として加算
器8へ送る一方、SSR現象の発生が無い場合は加算器
8へは抑制信号を送らないようにする。
【0080】以上の作用により、系統の状態に応じて、
効果的なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えること
ができるので、系統の状態が変化してもSSRの振動発
散を的確に効果的に抑制できる。
【0081】図7は、図6に示す直流送電システムに用
いる交直変換器の制御装置の具体的構成を示すもので、
図6と同一符号は、同一部分または相当部分を示してい
る。
【0082】図7において、直流系運転状態検出手段3
6は直流電力検出器36aで構成されている。軸ねじれ
振動成分検出手段31はバンドパスフィルター31bか
ら構成されている。軸ねじれ共振振動(SSR)抑制制
御手段32はSSR抑制制御回路(1)32bとSSR
抑制制御回路(2)32cとから構成されている。信号
切換手段26は直流電力比較器26e,しきい値設定器
26f,しゃ断器オンオフ判定器26d,系統状態判定
部26a,判定用テーブル部26bおよび信号切換スイ
ッチ部26cから構成されている。
【0083】次に第3実施の形態の作用について説明す
る。
【0084】まず、直流電力検出器36aは、直流電圧
検出器6により検出されている直流電圧と、直流電流検
出器5により検出されている直流電流を取り込み、変換
所A側から変換所B側へ送電されている直流電力Pdを
検出する。検出された直流電力Pdはバンドパスフィル
ター31bと直流電力比較器26eへ送られる。バンド
パスフィルター31bは、検出された直流電力から軸ね
じれ振動成分を抽出し、それをSSR抑制制御回路
(1)32aとSSR抑制制御回路(2)32bへ送
る。SSR抑制制御回路(1)32aとSSR抑制制御
回路(2)32bは、それぞれ、図3に示されているよ
うな伝達関数の組み合わせによるブロック図で表現さ
れ、それぞれ伝達関数の値が異なる制御回路である。伝
達関数の値はシミュレーション解析などを用いて一定の
系統条件においてSSR抑制効果が得られるように予め
調整されたものである。
【0085】ここで、SSR抑制制御回路(1)32a
は直流電力Pdが直流電力量しきい値Pdrよりも大き
く、しゃ断器17がオフ状態の場合にSSR抑制効果が
高く、SSR抑制制御回路(2)32aは直流電力Pd
が直流電力量しきい値Pdr以下で、しゃ断器17がオ
フ状態の場合にSSR抑制効果が高いという特性を持っ
ている。
【0086】直流電力比較器26eは、検出された直流
電力Pdと、SSR抑制制御回路(1)32a及びSS
R抑制制御回路(2)32bの特性から予めしきい値設
定器26fで設定された直流電力量しきい値Pdrとを
比較して、次の式(9),(10)により演算出力す
る。
【0087】 Pd>Pdr ならば 出力信号=1 …(9) Pd≦Pdr ならば 出力信号=0 …(10)
【0088】また、しゃ断器オンオフ判定器26dは、
それぞれしゃ断器17およびしゃ断器18のオンオフ状
態を判定し、次の式(11)〜(14)により演算出力
する。
【0089】 しゃ断器17がオン状態 ならば 出力信号=0 …(11) しゃ断器17がオフ状態 ならば 出力信号=1 …(12) しゃ断器18がオン状態 ならば、出力信号=0 …(13) しゃ断器18がオフ状態 ならば 出力信号=1 …(14)
【0090】系統状態判定部26aは、直流電力比較器
26eとしゃ断器オンオフ判定器26dからの出力を基
にして、判定用テーブル部26bの内容に従ってSSR
抑制制御回路(1)32aまたはSSR抑制制御回路
(2)32bの使用また不使用を選択する。判定用テー
ブル部26bの内容を表5に示す。
【0091】
【表5】
【0092】信号切換スイッチ部26cは系統状態判定
部26aの制御系選択結果に応じて、使用する制御系の
信号ヘスイッチを切り換え、得られる抑制信号を加算器
8へ送る。なお、表5のSSR抑制制御回路(1)32
aまたはSSR抑制制御回路(2)32bとも不使用の
場合には、信号切換スイッチ部26cは抑制信号零の端
子へスイッチを切り換える。
【0093】以上の作用により、系統の状態に応じて、
効果的なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えること
ができる。
【0094】なお、本実施の形態において、しゃ断器1
7がオン状態であってもSSR抑制制御回路が必要な場
合は、対応する系統状態において制御定数を調整したS
SR抑制制御回路を新たに二つ(番号3、4)追加し、
信号切換スイッチ部26cのスイッチ端子を新たに二つ
設け、他の判定用テーブル部26b1として表6のよう
に構成すれば実施可能である。
【0095】
【表6】
【0096】このように第3実施の形態によれば、第1
実施の形態の交直変換器の制御装置において、変換器の
直流電流、直流電圧および点弧角などの電気的諸量から
直流回路の運転状態を把握し、その結果と系統のしゃ断
器のオンオフ状態から、軸ねじれ振動を抑制するため
に、より効果の高い軸ねじれ共振抑制制御手段の出力信
号へ自動的に切り換えることができるので、系統状態が
変化してもSSRの振動発散を的確に効果的に抑制でき
る。
【0097】(第4実施の形態)(請求項4対応) 図8は、本発明の第4実施の形態を示す直流送電システ
ムに用いる交直変換器の制御装置の構成図であって、第
1実施の形態を示す図1と同一符号は、同一部分または
相当部分を示している。
【0098】第4実施の形態は、第1実施の形態の直流
送電システムに用いる交直変換器の制御装置に対してタ
ービン発電機の端子電圧、出力電流などの電気的諸量ま
たは角速度、軸伝達トルクなどの機械的諸量から発電機
の運転状態を検出する発電機運転状態検出手段38と、
発電機運転状態検出手段38の結果と系統のしゃ断器1
7、しゃ断器18のオン・オフ信号から、軸ねじれ共振
振動抑制制御手段32から出力される信号を切り換える
信号切換手段37とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0099】以上の構成において、軸ねじれ振動成分検
出手段31と軸ねじれ共振振動抑制制御手段32の作用
は第1実施の形態と同様である。発電機運転状態検出手
段38は、発電機端子電圧、出力電流などの電気的諸量
および発電機の回転角速度、軸伝達トルクなどの機械的
諸量から、現在の発電機の運転状態を把握し、その結果
を信号切換手段37へ送る。信号切換手段37は発電機
運転状態検出手段38の結果としゃ断器17およびしゃ
断器18のオンオフ状態を受け取ることで現在の系統状
態を把握し、SSR現象の発生がある場合には、現在の
系統状態において、的確に効果的にSSRを抑制できる
軸ねじれ共振振動抑制制御手段32の出力信号を選択し
て、その信号を抑制信号として加算器8へ送る。SSR
現象の発生が無い場合は加算器8へは信号を送らないよ
うにする。
【0100】以上の作用により、系統の状態に応じて、
効果的なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えること
ができるので、系統状態が変化してもSSRの振動発散
を的確に効果的に抑制できる。
【0101】図9は、図8の直流送電システムに用いる
交直変換器の制御装置の具体的構成図を示すもので、図
8と同一符号は、同一部分または相当部分を示してい
る。
【0102】図9において、発電機運転状態検出手段3
8は発電機有効電力検用器38aで構成されている。軸
ねじれ振動成分検出手段31はバンドパスフィルター3
1bから構成されている。軸ねじれ共振振動(SSR)
抑制制御手段32はSSR抑制制御回路(1)32aと
SSR抑制制御回路(2)32bから構成されている。
【0103】信号切換手段37は有効電力比較器37
d,しきい値設定器37e,しゃ断器オンオフ判定器3
7f,系統状態判定部37a,判定用テーブル部37b
および信号切換スイッチ部37cから構成されている。
【0104】次に、第4実施の形態の作用について説明
する。
【0105】まず、発電機有効電力検出器38aは、発
電機用変圧器の母線から交流電圧検出器11により検出
されている交流電圧と、電流検出器101により検出さ
れている交流電流を取り込み、発電機から変換所A側お
よび電力系統Aへ送電されている発電機有効電力PGを
検出する。検出された発電機有効電力PGはバンドパス
フィルター31bと有効電力比較器37dへ送られる。
バンドパスフィルター31bは、検出された有効電力か
ら軸ねじれ振動成分を抽出し、それをSSR抑制制御回
路(1)32aとSSR抑制制御回路(2)32bへ送
る。
【0106】SSR抑制制御回路(1)32aとSSR
抑制制御回路(2)32bはそれぞれ図3に示されてい
るような伝達関数の組み合わせによるブロック図で表現
され、それぞれ伝達関数の値が異なる制御回路である。
伝達関数の値はシミュレーション解析などを用いて一定
の系統条件においてSSR抑制効果が得られるように予
め調整されたものである。SSR抑制制御回路(1)3
2aは有効電力PGが有効電力量しきい値PGrよりも
大きく、しゃ断器17がオフ状態の場合にSSR抑制効
果が高く、SSR抑制制御回路(2)32bは有効電力
PGが有効電力量しきい値PGr以下で、しゃ断器17
がオフ状態の場合にSSR抑制効果が高いという特性を
持っている。
【0107】有効電力比較器37dは検出された有効電
力PCと、SSR抑制制御回路(1)32a及びSSR
抑制制御回路(2)32bの特性から予めしきい値設定
器37eで設定された有効電力量しきい値PGrと比較
して、次の式(15),(16)により演算出力する。
【0108】 PG>PGr ならば 出力信号=1 …(15) PG≦PGr ならば 出力信号=0 …(16)
【0109】また、しゃ断器オンオフ判定器37fは、
それぞれしゃ断器17およびしゃ断器18のオンオフ状
態を判定し、次の式(17)〜(20)により演算出力
する。
【0110】 しゃ断器17がオン状態 ならば 出力信号=0 …(17) しゃ断器17がオフ状態 ならば 出力信号=1 …(18) しゃ断器18がオン状態 ならば 出力信号=0 …(19) しゃ断器18がオフ状態 ならば 出力信号=1 …(20)
【0111】系統状態判定部37aは、有効電力比較器
37dとしゃ断器オンオフ判定器37fからの出力を基
にして、判定用テーブル部37bの内容に従ってSSR
抑制制御回路(1)32aまたはSSR抑制制御回路
(2)32bの使用また不使用を選択する。判定用テー
ブル部37bの内容を次の表7に示す。
【0112】
【表7】
【0113】信号切換スイッチ部37cは系統状態判定
部37aの制御系選択結果に応じて、使用する制御系の
信号へスイッチを切り換え、その信号を抑制信号として
加算器8へ送る。なお、表7のSSR抑制制御回路
(1),(2)とも不使用の場合には、信号切換スイッ
チ部37cは信号零の端子へスイッチを切り換える。
【0114】以上の作用により、系統の状態に応じて、
効果的なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えること
ができる。
【0115】本実施の形態において、しゃ断器17がオ
ン状態であってもSSR抑制制御回路が必要な場合は、
対応する系統状態において制御定数を調整したSSR抑
制制御回路を新たに二つ(番号3、4)追加し、信号切
換スイッチ部37cのスイッチ端子を新たに二つ設け、
判定用テーブル部37bを表8のように変更した判定テ
ーブル部37b1を設ければ実施可能である。
【0116】
【表8】
【0117】このように第4実施の形態によれば、第1
実施の形態の交直変換器の制御装置において、タービン
発電機の端子電圧、出力電流などの電気的諸量またはの
速度、軸伝達トルクなどの機械的諸量から発電機の運転
状態を把握し、その結果と系統のしゃ断器のオンオフ状
態から、軸ねじれ振動を抑制するために、より効果の高
い軸ねじれ共振抑制制御手段の出力信号へ自動的に切り
換えることができるので、系統状態が変化してもSSR
の振動発散を的確に効果的に抑制できる。
【0118】(第5実施の形態)(請求項5対応) 図10は、本発明の第5実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置の構成図であって、
第2実施の形態を示す図6と同一符号は、同一部分また
は相当部分を示している。
【0119】第5実施の形態は、第2実施の形態の直流
送電システムに用いる交直変換器の制御装置において、
変換器の直流電流、直流電圧及び点弧角などの複数の電
気的諸量から直流回路の運転状態を検出する直流系運転
状態検出手段36と、直流系運転状態検出手段36の結
果と系統のしゃ断器17,18のオン・オフ信号から、
軸ねじれ共振振動抑制制御手段32の制御定数を切り換
える制御定数切換手段39とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0120】以上の構成において、軸ねじれ振動成分検
出手段31と軸ねじれ共振振動抑制制御手段34の作用
は第2実施の形態と同様である。また、直流系運転状態
検出手段36の作用は、第3実施の形態と同様である。
制御定数切換手段39は予測される系統の状態におい
て、複数の制御定数を予め保持しておき、直流系運転状
態検出手段36の結果としゃ断器17およびしゃ断器1
8のオンオフ状態を受け取ることで現在の系統の状態を
把握する。そして、現在の系統の状態がSSR現象が発
生する系統状態へ移行した場合に、的確に効果的にSS
Rを抑制できる軸ねじれ共振振動抑制制御手段34の制
御定数を選択して、その信号を加算器8へ送る。
【0121】以上の作用により、系統の状態に応じて、
SSR抑制制御回路の効果的な制御定数を選択すること
ができるので、系統状態が変化してもSSRの振動発散
を的確に効果的に抑制できる。
【0122】図11は、図10に示す直流送電システム
に用いる交直変換器の制御装置の具体的構成を示すもの
で、図11において、制御定数切換手段39は直流電力
比較器39d,しきい値設定器39e,しゃ断器オンオ
フ判定器39f,系統状態判定部39a,判定用テーブ
ル39bおよび制御定数テーブル部39cとから構成さ
れている。
【0123】次に、第5実施の形態の作用について説明
する。
【0124】SSR抑制制御回路34aは、図3に示さ
れているような伝連関数の組み合わせによるブロック図
で表現されている。伝達関数の値はシミュレーション解
析などを用いて一定の系統条件においてSSR抑制効果
が得られるように予め調整されたものであり、それらの
定数が制御定数テーブル部39cに表9のように格納さ
れている。
【0125】
【表9】
【0126】SSR抑制制御回路34aは、直流電力P
dの軸ねじれ振動成分を入力として、対象システムで発
生する軸ねじれ共振現象を抑制するように交直変換器3
を動作させるための抑制信号を出力する。
【0127】直流電力比較器39dは、検出された直流
電力Pdと、SSR抑制制御回路34aの制御定数A〜
Gの特性から予めしきい値設定器39eで設定された直
流電力しきい値Pdrと比較して、次の式(21),
(22)により演算出力する。
【0128】 Pd>Pdr ならば 出力信号=1 …(21) Pd≦Pdr ならば 出力信号=0 …(22)
【0129】また、しゃ断器オンオフ判定器39fは、
それぞれしゃ断器17およびしゃ断器18のオンオフ状
態を判定し、次の式(23)〜(26)により出力す
る。
【0130】 しゃ断器17がオン状態 ならば 出力信号=0 …(23) しゃ断器17がオフ状態 ならば 出力信号=1 …(24) しゃ断器18がオン状態 ならば 出力信号=0 …(25) しゃ断器18がオフ状態 ならば 出力信号=1 …(26)
【0131】系統状態判定部39aは、有効電力比較器
37dとしゃ断器オンオフ判定器39fからの出力を基
にして、判定用テーブル部39bの内容に従ってSSR
抑制制御回路34aの制御定数を選択する。判定用テー
ブル部39bの内容を次の表10に示す。
【0132】
【表10】
【0133】続いて、表10の判定用テーブル39bで
選定された制御定数に対応する制御定数を表9の制御定
数テーブル部39cから取出し、SSR抑制制御回路3
4aへ伝送する。SSR抑制制御回路34aは受け取っ
た制御定数により抑制信号を生成して加算器8へ送る。
【0134】以上の作用により系統状態に応じて、SS
R抑制制御回路34aのSSR抑制に効果的な制御定数
が選定され、自動的に切り換えることができる。
【0135】(第6実施の形態)(請求項6対応) 図12は、本発明の第6実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置の構成図であって、
第2実施の形態を示す図4と同一符号は、同一部分また
は相当部分を示している。
【0136】第6実施の形態は、第2実施の形態におい
て、タービン発電機の端子電圧、出力電流などの電気的
諸量または角速度、軸伝達トルクなどの機械的諸量から
発電機の運転状態を検出する発電機運転状態検出手段3
8と、発電機運転状態検出手段38の結果と系統のしゃ
断器17,18のオン・オフ信号から、軸ねじれ共振振
動抑制制御手段32の制御定数を切り換える制御定数切
換手段40とを備えたことを特徴とするものである。
【0137】以上の構成において、軸ねじれ振動成分検
出手段31と軸ねじれ共振振動抑制制御手段34の作用
は第2実施の形態と同様である。また、発電機運転状態
検出手段38の作用は第4実施の形態と同様である。
【0138】制御定数切換手段40は、予測される系統
の状態において、複数の制御定数を予め保持しておき、
発電機運転状態検出手段38の結果としゃ断器17およ
びしゃ断器18のオンオフ状態を受け収ることで現在の
系統状態を把握する。そして現在の系統状態がSSR現
象が発生する系統状態へ移行した場合に、的確に効果的
にSSRを抑制できる軸ねじれ共振振動抑制制御手段3
4の制御定数を選択して、その信号を抑制信号として加
算器8へ送る。
【0139】これにより、系統の状態に応じて、SSR
抑制制御回路の効果的な制御定数を選択することができ
るので、系統状態が変化してもSSRの振動発散を的確
に効果的に抑制できる。
【0140】図13は、図12に示す直流送電システム
に用いる交直変換器の制御装置の具体的構成を示すもの
で、図13において、制御定数切換手段40は有効電力
比較器40d,しきい値設定器40e、しゃ断器オンオ
フ判定器40f、系統状態判定部40a、判定用テーブ
ル40b及び制御定数テーブル部40cから構成されて
いる。
【0141】次に、第6実施の形態の作用について説明
する。
【0142】まず、SSR抑制制御回路34aは、図3
に示されているような伝達関数の組合せによるブロック
図で表現されている。伝達関数の値はシミュレーション
解析などを用いて一定の系統条件においてSSR抑制効
果が得られるように予め調整されたものであり、それら
の定数は制御定数テーブル部40cに次の表11のよう
に格納されている。
【0143】
【表11】
【0144】SSR抑制制御回路34aは、発電機有効
電力PGの軸ねじれ振動成分を入力として、対象システ
ムで発生する軸ねじれ共振現象を抑制するように交直変
換器3を動作させるための抑制信号を出力する。
【0145】有効電力比較器40dは検出された有効電
力PGと、SSR抑制制御回路34aの制御定数A〜G
の特性から予めしきい値設定器40eで設定された有効
電力しきい値PGrと比較して、次の式(27),(2
8)により演算出力する。
【0146】 PG>PGr ならば 出力信号=1 …(27) PG≦PGr ならば 出力信号=0 …(28)
【0147】また、しゃ断器オンオフ判定器40fは、
それぞれしゃ断器17およびしゃ断器18のオンオフ状
態を判定し、次の式(29)〜(32)により演算出力
する。
【0148】 しゃ断器17がオン状態 ならば 出力信号=0 …(29) しゃ断器17がオフ状態 ならば 出力信号=1 …(30) しゃ断器18がオン状態 ならば 出力信号=0 …(31) しゃ断器18がオフ状態 ならば 出力信号=1 …(32)
【0149】系統状態判定部40aは、有効電力比較器
37dとしゃ断器オンオフ判定器40fからの出力を基
にして、判定用テーブル部40bの内容に従ってSSR
抑制制御回路34aの制御定数を選択する。判定用テー
ブル部40bの内容を表12に示す。
【0150】
【表12】
【0151】次に、表12の判定用テーブル部40bで
選定された制御定数に対応する制御定数を表11の制御
定数テーブル部40cから取り出し、SSR抑制制御回
路34aへ伝送する。SSR抑制制御回路34aは受け
取った制御定数によって抑制信号を生成し加算器8へ送
る。
【0152】これにより、系統の状態に応じて、SSR
抑制制御回路34aのSSR抑制に効果的な制御定数が
選定される。
【0153】このように第6実施の形態によれば、第2
実施の形態において、タービン発電機の端子電圧、出力
電流などの電気的諸量または角速度、軸伝達トルクなど
の機械的諸量から発電機の運転状態を把握し、その結果
と系統のしゃ断器のオンオフ状態を基に、軸ねじれ振動
を抑制するために、より効果の高い軸ねじれ共振抑制制
御手段の制御定数を選択することができるので、系統状
態が変化してもSSRの振動発散を的確に効果的に抑制
できる。
【0154】(第7実施の形態)(請求項8対応) 図14は、本発明の第7実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置であって、第1実施
の形態を示す図1と同一符号は、同一部分または相当部
分を示している。
【0155】第7実施の形態は、第1実施の形態におい
て、交直変換器用変圧器の一次側母線周波数を検出する
周波数検出器12を備えて、一次側母線周波数に基づい
て、タービン発電機の軸ねじれ振動成分を抽出する軸ね
じれ振動成分検出手段31を備えたことを特徴とするも
のである。
【0156】以上の構成において、軸ねじれ振動成分検
出手段31と軸ねじれ共振振動抑制制御手段32および
信号切換手段33の作用は第1実施の形態と同様であ
る。
【0157】まず、交流電圧検出器11により検出され
る交流母線1の交流電圧から周波数検出器12を用いて
母線周波数を検出し、検出された周波数を軸ねじれ振動
成分検出手段31に入力する。軸ねじれ振動成分検出手
段31では、入力された周波数から軸ねじれ振動成分の
みを抽出し、それを軸ねじれ共振振動抑制制御手段32
へ送る。以降の作用は第1実施の形態と同様である。
【0158】以上の作用により、系統の状態に応じて、
効果的なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えること
ができるので、系統状態が変化してもSSRの振動発散
を的確に効果的に抑制できる。
【0159】なお、本実施の形態として、軸ねじれ振動
成分検出手段31の出力信号の送り先が第2実施の形態
乃至第6実施の形態のそれぞれに示す軸ねじれ共振振動
抑制制御手段であっても同様な作用を得ることが可能で
ある。
【0160】図15は、図14の直流送電システムに用
いる交直変換器の制御装置の具体的構成を示すもので、
図15においては、第1実施の形態を示す図2に周波数
変換器12を追設した構成している。
【0161】次に、第7実施の形態の作用について説明
する。
【0162】まず、周波数検出器12は、交流母線1か
ら交流電圧検出器11により検出された交流電圧から、
系統の周波数を検出し、その結果をバンドパスフィルタ
ー31bへ送る。バンドパスフィルター31bは検出さ
れた周波数から軸ねじれ振動成分を抽出し、SSR抑制
制御回路(1)32aとSSR抑制制御回路(2)32
bへ送る。
【0163】以降の作用は第1実施の形態と同様であ
る。これにより、系統の状態に応じて、効果的なSSR
抑制制御回路へ自動的に切換えることができる。
【0164】このように第7実施の形態によれば、第1
実施の形態乃至第6実施の形態の構成に加え、交直変換
器用変圧器の一次側母線周波数を検出して、タービン発
電機の軸ねじれ振動成分を抽出し、その信号を軸ねじれ
共振抑制制御手段の入力とすることで、変換所近傍のロ
ーカル情報にて効果的に軸ねじれ共振を抑制することが
可能となる。また、効果的な軸ねじれ共振抑制制御手段
を選択することができるので、系統状態が変化してもS
SRの振動発散を的確に効果的に抑制できる。
【0165】なお、第7実施の形態は、他実施の形態と
して図16に示すように実施できる。
【0166】図16に示す実施の形態は、直流回路の直
流電流を検出して、タービン発電機の軸ねじれ振動成分
を抽出する軸ねじれ振動成分検出手段を備えるものであ
る。
【0167】この構成で、軸ねじれ振動成分検出手段3
1と軸ねじれ共振振動抑制制御手段32および信号切換
手段33の作用は第1実施の形態と同様である。
【0168】まず、直流送電システムの直流回路を流れ
る直流電流を直流電流検出器5によって検出され、検出
された直流電流が軸ねじれ振動成分検出手段31に入力
する。軸ねじれ振動成分検出手段31では、入力された
直流電流から軸ねじれ振動成分のみを抽出し、それを軸
ねじれ共振振動抑制制御手段32へ送る。以降の作用は
第1実施の形態と同様である。
【0169】これにより、系統の状態に応じて、効果的
なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えることができ
るので、系統状態が変化してもSSRの振動発散を的確
に効果的に抑制できる。また、従来の制御装置で検出し
ている直流電流をそのまま利用できるので、新たに検出
器を設置する必要がない。
【0170】図17は、図16に示す直流送電システム
に用いる交直変換器の制御装置の具体的構成であって、
バンドパスフィルター31bへ入力する電気量を、電流
検出器5により検出した直流電流Idとした構成とする
ものである。
【0171】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。
【0172】電流検出器5により検出された直流電流I
dがバンドパスフィルター31bへ送られる。バンドパ
スフィルター31bは検出された直流電流Idから軸ね
じれ振動成分を抽出し、SSR抑制制御回路(1)32
aとSSR抑制制御回路(2)32bへ送る。
【0173】以降の作用は第1実施の形態と同様であ
る。これにより、系統の状態に応じて、効果的なSSR
抑制制御回路へ自動的に切り換えることができる。
【0174】このように本実施の形態によれば、直流回
路の直流電流を検出して、タービン発電機の軸ねじれ振
動成分を抽出し、その信号を軸ねじれ共振抑制制御手段
の入力とすることで、新たな検出器を設ける必要がな
く、軸ねじれ共振を抑制することが可能となる。また、
効果的な軸ねじれ共振抑制制御手段を選択することがで
きるので、系統状態が変化してもSSRの振動発散を的
確に効果的に抑制できる。
【0175】なお、第7実施の形態は、図18に示すよ
うに実施することができる。
【0176】図18に示す実施の形態は、発電機または
タービンの角速度を検出し、タービン発電機の軸ねじれ
振動成分を抽出する軸ねじれ振動成分検出手段を備えた
ことを特徴とするものである。
【0177】この構成において、軸ねじれ振動成分検出
手段31と軸ねじれ共振振動抑制制御手段32および信
号切換手段33の作用は第1実施の形態と同様である。
【0178】まず、タービン発電機30の角速度を検出
し、検出された角速度を軸ねじれ振動成分検出手段31
に入力する。軸ねじれ振動成分検出手段31では、入力
された角速度から軸ねじれ振動成分のみを抽出し、それ
を軸ねじれ共振振動抑制制御手段32へ送る。以降の作
用は第1実施の形態と同様である。
【0179】以上の作用により、系統の状態に応じて、
効果的なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えること
ができるので、系統状態が変化してもSSRの振動発散
を的確に効果的に抑制できる。
【0180】図19は、図18に示す直流送電システム
の交直変換器に用いる制御装置の具体的構成図であっ
て、図19においては、図2に示す第1実施の形態に角
速度検出器102を追設したことを特徴としている。
【0181】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。
【0182】角速度検出器102は、発電機22または
低圧タービン23または高圧タービン24から回転角速
度を検出し、その結果をバンドパスフィルター31bへ
送る。バンドパスフィルター31bは検出された角速度
から軸ねじれ振動成分を抽出し、SSR抑制制御回路
(1)32aとSSR抑制制御回路(2)32bへ送
る。
【0183】以降の作用は第1実施の形態と同様であ
る。これにより、系統の状態に応じて、効果的なSSR
抑制制御回路へ自動的に切り換えることができる。
【0184】本実施の形態によれば、軸ねじれ共振に関
係の深い発電機またはタービンの角速度を検出して、タ
ービン発電機の軸ねじれ振動成分を抽出し、その信号を
軸ねじれ共振抑制制御手段の入力とすることで、効果的
に軸ねじれ共振を抑制することが可能となる。また、効
果的な軸ねじれ共振抑制制御手段を選択することができ
るので、系統状態が変化してもSSRの振動発散を的確
に効果的に抑制できる。
【0185】なお、第7実施の形態は、図20に示すよ
うに実施することができる。
【0186】図20の実施の形態は、タービン発電機の
軸トルクを検出して、タービン発電機の軸ねじれ振動成
分を抽出する軸ねじれ振動成分検出手段31を備えるこ
とを特徴とするものである。
【0187】この構成で、軸ねじれ振動成分検出手段3
1と軸ねじれ共振振動抑制制御手段32および信号切換
手段33の作用は第1実施の形態と同様である。
【0188】まず、タービン発電機30の軸伝達トルク
が検出され、検出された軸伝達トルクが軸ねじれ振動成
分検出手段31へ入力される。軸ねじれ振動成分検出手
段31では入力された軸伝達トルクから軸ねじれ振動成
分のみが抽出され、それを軸ねじれ共振振動抑制制御手
段32へ送られる。以降の作用は第1実施の形態と同様
である。
【0189】これにより、系統の状態に応じて、効果的
なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えることができ
るので、系統状態が変化してもSSRの振動発散を的確
に効果的に抑制できる。
【0190】図21は、図20の直流送電システムに用
いる交直変換器の制御装置の具体的構成を示し、図21
において、図2に示す第1実施の形態に軸伝達トルク検
出器103を追設したことを特徴とするものである。
【0191】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。
【0192】まず、軸伝達トルク検出器103により、
タービン発電機30からの軸伝達トルクが検出され、そ
の結果がバンドパスフィルター31bへ送られる。バン
ドパスフィルター31bは検出された軸伝達トルクから
軸ねじれ振動成分を抽出し、SSR抑制制御回路(1)
32aとSSR抑制制御回路(2)32bへ送る。
【0193】以降の作用は第1実施の形態と同様であ
る。
【0194】これにより、系統の状態に応じて、効果的
なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えることができ
る。
【0195】このように本実施の形態によれば、軸ねじ
れ共振に関係の深いタービン発電機の軸伝達トルクを検
出して、タービン発電機の軸ねじれ振動成分を抽出し、
その信号を軸ねじれ共振抑制制御手段の入力とすること
で、効果的に軸ねじれ共振を抑制することが可能とな
る。また、効果的な軸ねじれ共振振動抑制制御手段を選
択することができるので、系統状態が変化してもSSR
の振動発散を的確に効果的に抑制できる。
【0196】(第8実施の形態)(請求項7対応) 図22は、本発明の第8実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置の構成図であって、
第1実施の形態を示す図1と同一符号は、同一部分また
は相当部分を示している。
【0197】第8実施の形態は、系統の電気量と系統の
接続構成と系統の運用状態から、対象とするタービン発
電機の電気ダンピング算出する電気ダンピング算出手段
41と、電気ダンピング算出手段41の結果と電力系統
の電気量または接続状態または運用状態から軸ねじれ共
振振動抑制制御手段32から出力される信号を切り換え
る信号切換手段42とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0198】以上の構成において、軸ねじれ振動成分検
出手段31と軸ねじれ共振振動抑制制御手段32の作用
は第1実施の形態と同様である。
【0199】まず、電気ダンピング算出手段41は、母
線電圧や送電線電流などの系統の電気量およびしゃ断器
のオンオフなどの系統の接続構成および系統の適用状態
と、軸ねじれ共振振動抑制制御手段32のn通りの制御
定数を用いて、軸ねじれ共振振動抑制制御手段32に対
応する、タービン発電機30の発電機回転子からみた電
気系の電気ダンピング(または制動トルク係数と呼ぶ)
をn通り算出する。
【0200】電気ダンピング算出手段41は、軸ねじれ
共振振動抑制手段32に対応する電気ダンピングの算出
結果を信号切換手段42へ送る。信号切換手段42は、
電気ダンピング算出手段41の出力信号を受けて、n通
りの電気ダンピングから現在の系統状態において、的確
に効果的にSSRを抑制できる軸ねじれ共振振動抑制制
御手段32の出力信号を選択し、その信号を抑制信号と
して加算器8へ送る。
【0201】これにより、系統の状態に応じて、効果的
なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えることができ
るので、系統状態が変化してもSSRの振動発散を的確
に効果的に抑制できる。
【0202】また、本実施の形態は、電気ダンピング算
出手段41の入力信号が第1実施の形態乃至第7実施の
形態のそれぞれに示す軸ねじれ共振振動抑制制御手段か
らのものであっても同様な作用を得ることが可能であ
る。
【0203】図23は、図22の直流送電システムの交
直変換器に用いる制御装置の具体的構成を示し、電気ダ
ンピング算出手段41は、電気ダンピング算出部41
a,状態推定部41b,しゃ断器状態検出部41c,系
統構成機器情報部41dおよびSSR抑制制御回路情報
部41eから構成されている。
【0204】系統構成機器情報部41dには、対象とす
る電力系統の発電機、送電線、直流送電システムなどの
電力機器の機器情報(定格容量、インピーダンス、構成
など)が格納されている。SSR抑制制御回路情報部4
1eには、SSR抑制制御手段32を構成するSSR抑
制制御回路(1)32a,SSR抑制制御回路(2)3
2bの制御回路情報(回路構成、制御定数など)が格納
されている。信号切換手段42は、系統状態判定部42
a,判定用テーブル部42bおよび信号切換スイッチ4
2cから構成されている。なお、61は系統側電力電圧
電流検出器、62は発電機側電力電流電圧検出器、63
は変換器側電力電圧電流検出器である。
【0205】次に、第8実施の形態の作用について説明
する。
【0206】まず、系統側電力電圧電流検出器61は、
交流電圧検出器11bで検出される交流母線1aの交流
電圧と電流検出器101bで検出される電流から、交流
母線1aにおける交流電圧、交流母線1aから交流母線
1へ流れる電流、電力を検出する。発電機側電力電圧電
流検出器62は、交流電圧検用器11aで検出される発
電機端子電圧と電流検出器101aで検出される発電機
電流から、発電機の端子低圧、発電機から交流母線1へ
流れる電流、電力を検出する。
【0207】変換器側電力電圧電流検出器63は、交流
電圧検出器11で検出される交流母線1の交流電圧と電
流検出器101で検出される電流から、交流母線1にお
ける交流電圧、交流母線1から交直変換器3へ流れる電
流、電力を検出する。
【0208】これら系統側電力電圧電流検出器61、発
電機側電力電圧電流検出器62および変換器側電力電圧
電流検出器63の検出結果は状態推定部41bへ送られ
る。しゃ断器状態検出部41cはしゃ断器17,18の
入り切り状態を検出する。状態推定部41bは系統側電
力電圧電流検出器61、発電機側電力電圧電流検出器6
2および変換器側電力電圧電流検出器63の検出結果、
しゃ断器状態検出部41cの検出結果および系統構成機
器情報部41dの情報から、系統の潮流状態を算出す
る。
【0209】電気ダンピング算出部41aは、状態推定
部41bの結果と、系統構成機器情報部41dおよびS
SR抑制制御回路情報部41eの情報から、SSR抑制
対象となるタービン発電機30の電気ダンピングを算出
する。
【0210】ここで、電気ダンピングの算出方法につい
て詳細に説明する。
【0211】電気ダンピングは、対象とする発電機の回
転子からみた電力系統(発電機の電気回路を含む)の周
波数特性から算出する。図24の概念図を示すように、
一般に、電力系統を1台の発電機の回転子を基準にし
て、定常運転状態における微少変化分についてラプラス
演算子により表現すると、電力系統および発電機の電気
回路は発電機回転子の角速度変化分Δωを入力とし、発
電機の電気的トルク変化ΔTeを出力とする伝達関数D
e(s)で表すことができる。この伝達関数De(s)
は発電機の角速度ωが微少変化したときの発電機電気的
トルクTeの応答を表すものであり、電気的トルク変化
分ΔTeの符分がマイナスになるような応答を示す場合
には、発電機の回転子を含む系は正帰還結合となり不安
定な状態になる。
【0212】電気ダンピングKDは伝達関数De(s)
の実数部で定義されている。即ち、KDが正であればΔ
ωに対して系は負帰還となり安定、KDが負ならば正帰
還となり不安定な状態を表す。
【0213】一方、発電機のタービン軸系には蒸気の粘
性による損失や軸受けとの摩擦による損失など、回転に
対する制動力(機械ダンピング)が常に生じている。こ
れらは系を安定に保つ働きを示す。従って、軸ねじれ共
振現象(SSR)が発生するか否かは、軸固有振動角周
波数ωmにおける次式(33)〜(35)で判断するこ
とができる。
【0214】 KD(ωm)+KDm(ωm)>0 (SSR安定) …(33) KD(ωm)+KDm(ωm)=0 (SSR安定限界) …(34) KD(ωm)+KDm(ωm)<0 (SSR不安定) …(35) ただし、KDm(ωm)は軸固有振動的周波数ωmにお
ける機械ダンピング
【0215】軸固有振動角周波数ωmにおける機械ダン
ピングは、発電機の角速度変化分Δωから発電機回転子
への伝達トルク変化分ΔTmの伝達関数Dm(s)の実
数部として求めることができる。
【0216】電気ダンピング算出部41aでは、タービ
ン発電機30の軸固有振動角周波数における電気ダンピ
ングをSSR抑制制御回路が無い場合と各SSR抑制制
御回路が有る場合について計算し、その結果を系統状態
判定部42aへ送る。系統状態判定部42aは判定用テ
ーブル部42bに格納されているタービン発電機30の
固有振動角周波数に対する機械ダンピングとシミュレー
ション結果などを基に予め設定されているSSR安定性
判定基準KDSから、次式(36),(37)により、
SSR安定性を評価する。
【0217】 KD(ωm)+KDm(ωm)>KDS (SSR安定) …(36) KD(ωm)+KDm(ωm)≦KDS (SSR不安定)─…(37)
【0218】SSR抑制制御無しの状態でSSR安定の
場合は、SSR抑制制御回路不使用の信号を信号切換ス
イッチ42cへ送る。SSR抑制制御無しの状態でSS
R不安定の場合は、SSR抑制制御有りの電気ダンピン
グ算出結果を用いてSSRの安定性評価を行い、安定な
状態を最大に確保できるSSR抑制制御回路を使用する
信号を信号切換スイッチ42cへ送る。また、SSR抑
制制御回路を適用した全ての場合でSSR不安定と判断
された場合には、オペレータにSSR不安定状態になる
ことを通知し、直流送電システムの保護システムに信号
を送る。
【0219】信号切換スイッチ42cは系統状態判定部
42aの出力信号を受けて、SSR抑制制御回路を切り
換える。
【0220】これにより、系統の状態に応じて、効果的
なSSR抑制制御回路へ自動的に切り換えることができ
る。
【0221】このように第8実施の形態によれば、系統
の電気量と系統の接続構成と系統の運用状態から、対象
とするタービン発電機の電気ダンピングを算出し、その
結果と電力系統の電気量または接続状態または運用状態
を基にして、軸ねじれ共振振動抑制制御手段から出力さ
れる複数の信号の中から、より抑制効果の高い信号を選
択するので、系統状態が変化してもSSRの振動発散を
的確に効果的に抑制できる。
【0222】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
系統の状態に対応する複数の共振振動抑制信号の内から
系統の状態に応じた共振振動抑制信号が選択されて抑制
信号とされる。これにより、系統の状態が変化しても最
適な抑制信号によって交直変換器を制御するので的確、
かつ、効果的に、軸ねじれ共振振動を抑制することがで
きる。
【0223】また、請求項2の発明によれば、予め定め
る系統の状態に対応する複数の制御定数の内から系統の
状態に応じた制御定数が選択され、選択された制御定数
とを軸ねじれ振動成分信号とから抑制信号が生成され
る。これにより、系統の状態が変化しても最適な制御定
数が選択され、最適な抑制信号が生成されるので、的
確、かつ、効果的に軸ねじれ共振振動を抑制することが
できる。
【0224】また、請求項3の発明によれば、直流回路
の運転状態と系統のしゃ断器の開閉状態に応じて複数の
共振振動抑制信号の内から共振振動抑制信号が選択され
抑制信号とされる。これにより、直流回路の運転状態と
系統しゃ断器の開閉状態が変化しても、変化に応じた最
適な抑制信号で交直変換器を制御するので的確、かつ、
効果的に軸ねじれ共振振動を抑制することができる。
【0225】また、請求項4の発明によれば、タービン
発電機の運転状態と系統のしゃ断器の開閉状態に応じて
複数の共振振動抑制信号の内から共振振動抑制信号が選
択され抑制信号とされる。これにより、タービン発電機
の運転状態と系統しゃ断器の開閉状態が変化しても、変
化に応じた最適な抑制信号で交直変換器を制御するので
的確、かつ、効果的に軸ねじれ共振振動を抑制すること
ができる。
【0226】また、請求項5の発明によれば、直流回路
の運転状態と系統のしゃ断器の開閉状態に応じて複数の
制御定数の内から制御定数が選択され抑制信号が生成さ
れる。これにより、直流回路の運転状態と系統しゃ断器
の開閉状態が変化しても、変化に応じた最適な制御定数
を用いた抑制信号で交直変換器を制御するので的確、か
つ、効果的に軸ねじれ共振振動を抑制することができ
る。
【0227】また、請求項6の発明によれば、タービン
発電機の運転状態と系統のしゃ断器の開閉状態に応じて
複数の制御定数の内から制御定数が選択され抑制信号が
生成される。これにより、タービン発電機の運転状態と
系統しゃ断器の開閉状態が変化しても、変化に応じた最
適な制御定数を用いた抑制信号で交直変換器を制御する
ので的確、かつ、効果的に軸ねじれ共振振動を抑制する
ことができる。
【0228】また、請求項7の発明によれば、複数の制
御定数に対応するタービン発電機の電気ダンピングが複
数算出され、これらの電気ダンピングの内から系統の状
態に応じて抑制効果が高い選択された電気ダンピングに
対応する制御定数による抑制信号が選択される。これに
より、系統の状態が変化しても抑制効果の高い電気ダン
ピングが選択され、これに応じて抑制信号が生成される
ので、軸ねじれ共振現象の抑制が的確、かつ、効果的に
できる。
【0229】また、請求項8の発明によれば、系統の状
態を的確に把える各状態のいずれかを用いて軸ねじれ振
動成分を算出するので、系統が変化しても正確な軸ねじ
れ振動成分が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す直流送電システ
ムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図2】図1の直流送電システムに用いる交直変換器の
制御装置の具体的構成図である。
【図3】図2の軸ねじれ共振振動抑制制御手段の伝達関
数を示す図である。
【図4】本発明の第2実施の形態を示す直流送電システ
ムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図5】図4の直流送電システムに用いる交直変換器の
制御装置の具体的構成図である。
【図6】本発明の第3実施の形態を示す直流送電システ
ムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図7】図5の直流送電システムに用いる交直変換器の
制御装置の具体的構成図である。
【図8】本発明の第4実施の形態を示す直流送電システ
ムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図9】図8の直流送電システムに用いる交直変換器の
制御装置の具体的構成図である。
【図10】本発明の第5実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図11】図10の直流送電システムに用いる交直変換
器の制御装置の具体的構成図である。
【図12】本発明の第6実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図13】図12の直流送電システムに用いる交直変換
器の制御装置の具体的構成図である。
【図14】本発明の第7実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図15】図14の直流送電システムに用いる交直変換
器の制御装置の具体的構成図である。
【図16】図14の他の実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図17】図16の直流送電システムに用いる交直変換
器の制御装置の具体的構成図である。
【図18】図14の他の実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図19】図18の直流送電システムに用いる交直変換
器の制御装置の具体的構成図である。
【図20】図14の他の実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図21】図20の直流送電システムに用いる交直変換
器の制御装置の具体的構成図である。
【図22】本発明の第8実施の形態を示す直流送電シス
テムに用いる交直変換器の制御装置の構成図である。
【図23】図22の直流送電システムに用いる交直変換
器の制御装置の具体的構成図である。
【図24】発電機回転子からみた電力系統を伝達関数で
表した概念図である。
【図25】従来の直流送電システムに用いる交直変換器
の制御装置の構成図である。
【符号の説明】
1,1’,1a 交流母線 2,2’ 変換器用変圧器 3,3’ 交直変換器 4,4’ 直流リアクトル 5,5’ 直流電流検出器 6,6’ 直流電圧検出器 7,7’ 点弧角制御装置 8,8’ 加算器 9,9’ パルス発生回路 10,10’ 点弧パルス信号 11,11’,11a,11b 交流電圧検出器 12,12’ 周波数検出器 13,13’,34a SSR抑制制御回路 14,14’ フィルタ群 15,15’ 調相用変圧器 16,16’ コンデンサ群 17 しゃ断器a 18 しゃ断器b 19 送電線a 20 送電線b 21 昇圧変圧器 22 発電機 23 低圧タービン 24 高圧タービン 25 タービン軸 26,33,33a,37,42 信号切換手段 26e,39d,40d 直流電力量比較器 30 タービン発電機 31 軸ねじれ振動成分検出手段 31a 有効電力検出器 31b バンドパスフィルター 32,34 軸ねじれ共振振動抑制制御手段 32a SSR抑制制御回路(1) 32b SSR抑制制御回路(2) 33a,35d,37d 有効電力比較器 33b,35f,26f,37e,40e しきい値設
定器 33c,35e,26d,37f,39f,40f し
ゃ断器オンオフ判定器 33d,35a,26a,37a,39a,40a,4
2a 系統状態判定部 33e,35b,26b,37b,39b,40b,4
2b 判定用テーブル部 33f,26c,37c,42c 信号切換スイッチ部 35,35a,39,40 制御定数切換手段 35c,39c,40c 制御定数テーブル部 36 直流系運転状態検出手段 38 発電機運転状態検出手段 41 電気ダンピング算出手段 41a 電気ダンピング算出部 41b 状態推定部 41c しゃ断器状態検出部 41d 系統構成機器情報部 41e SSR抑制制御回路情報部 50 電力系統A 51 電力系統B 61 系統側電力電流電圧検出器 62 発電機側電力電流電圧検出器 63 変換器側電力電圧電流検出器 71 不完全微分要素 72 一次進み遅れ要素(a) 73 一次進み遅れ要素(b) 74 リミッタ付ゲイン要素 101,101a,101b 電流検出器 102 角速度検出器 103 軸伝達トルク検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G065 CA02 HA14 LA01 LA02 MA01 MA02 5G066 AD20 CA04 5H590 AA07 BB02 CA01 CC01 CC18 CD01 CD03 CE01 EA07 EA14 EB21 EB29 FA08 FB01 FB05 FC26 GA06 GB05 HA02 HA04 HA06 HA11 HA28 JA02 JA14 JA19 JB02 JB06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電力系統間を直流回路を介して直
    流送電するための交直変換器を制御信号によって制御す
    る制御手段と、前記直流回路と近接するタービン発電機
    との相互作用によって発生する軸ねじれ共振現象を抑制
    するように前記制御手段の制御信号を増減するように抑
    制信号を加えて前記軸ねじれ共振現象を抑制させる抑制
    制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交直変
    換器の制御装置において、 前記電力系統と前記直流回路との接続部近傍の電気量に
    基づいて、前記タービン発電機の軸ねじれ振動成分を算
    出して軸ねじれ振動成分信号を出力する軸ねじれ振動成
    分検出手段と、 この軸ねじれ振動成分検出手段によって出力される軸ね
    じれ振動成分信号に基づき軸ねじれ振動を抑制するため
    の電力系統の電気量、接続状態、運用状態等の系統の状
    態に対応する複数の共振振動抑制信号を生成する軸ねじ
    れ共振振動抑制制御手段と、 この軸ねじれ共振振動抑制制御手段により生成された複
    数の共振振動抑制信号の内から系統の状態に応じた共振
    振動抑制信号を選択して前記抑制制御手段へ前記抑制信
    号として出力するように信号を切り換える信号切換手段
    とを備えることを特徴とする直流送電システムに用いる
    交直変換器の制御装置。
  2. 【請求項2】 複数の電力系統間を直流回路を介して直
    流送電するための交直変換器を制御信号によって制御す
    る制御手段と、前記直流回路と近接するタービン発電機
    との相互作用によって発生する軸ねじれ共振現象を抑制
    するように前記制御手段の制御信号を増減するように抑
    制信号を加えて前記軸ねじれ共振現象を抑制させる抑制
    制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交直変
    換器の制御装置において、 前記電力系統と前記直流回路との接続部近傍の電気量に
    基づいて、前記タービン発電機の軸ねじれ振動成分を算
    出して軸ねじれ振動成分信号を出力する軸ねじれ振動成
    分検出手段と、 この軸ねじれ振動成分検出手段によって出力される軸ね
    じれ振動成分信号と軸ねじれ振動を抑制するための制御
    定数とに基づいて前記抑制信号を生成して前記抑制制御
    手段へ出力する軸ねじれ共振振動抑制制御手段と、 予め電力系統の電気量、接続状態、運用状態等の系統の
    状態に対応する複数の制御定数を有し、系統の状態に応
    じて前記複数の制御定数の内から選択して、前記軸ねじ
    れ共振振動抑制制御手段の前記制御定数へ設定するよう
    に切り換える制御定数切換手段とを備えることを特徴と
    する直流送電システムに用いる交直変換器の制御装置。
  3. 【請求項3】 複数の電力系統間を直流回路を介して直
    流送電するための交直変換器を制御信号によって制御す
    る制御手段と、前記直流回路と近接するタービン発電機
    との相互作用によって発生する軸ねじれ共振現象を抑制
    するように前記制御手段の制御信号を増減するように抑
    制信号を加えて前記軸ねじれ共振現象を抑制させる抑制
    制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交直変
    換器の制御装置において、 前記電力系統と前記直流回路との接続部近傍の電気量に
    基づいて、前記タービン発電機の軸ねじれ振動成分を算
    出して軸ねじれ振動成分信号を出力する軸ねじれ振動成
    分検出手段と、 この軸ねじれ振動成分検出手段によって出力される軸ね
    じれ振動成分信号に基づき軸ねじれ振動を抑制するため
    の電力系統の電気量、接続状態、運用状態等の系統の状
    態に対応する複数の共振振動抑制信号を生成する軸ねじ
    れ共振振動抑制制御手段と、 前記交直変換器の直流電流、直流電圧、あるいは、点弧
    角等の電気的諸量に基づいて前記直流回路の運転状態を
    検出する直流系運転状態検出手段と、 この直流系運転状態検出手段により検出される運転状態
    と系統のしゃ断器の開閉状態に応じて、前記軸ねじれ共
    振振動抑制制御手段により生成される複数の共振振動抑
    制信号の内から共振振動抑制信号を選択して前記抑制制
    御手段へ前記抑制信号として出力するように切り換える
    信号切換手段とを備えることを特徴とする直流送電シス
    テムに用いる交直変換器の制御装置。
  4. 【請求項4】 複数の電力系統間を直流回路を介して直
    流送電するための交直変換器を制御信号によって制御す
    る制御手段と、前記直流回路と近接するタービン発電機
    との相互作用によって発生する軸ねじれ共振現象を抑制
    するように前記制御手段の制御信号を増減するように抑
    制信号を加えて前記軸ねじれ共振現象を抑制させる抑制
    制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交直変
    換器の制御装置において、 前記電力系統と前記直流回路との接続部近傍の電気量に
    基づいて、前記タービン発電機の軸ねじれ振動成分を算
    出して軸ねじれ振動成分信号を出力する軸ねじれ振動成
    分検出手段と、 この軸ねじれ振動成分検出手段によって出力される軸ね
    じれ振動成分信号に基づき軸ねじれ振動を抑制するため
    の電力系統の電気量、接続状態、運用状態等の系統の状
    態に対応する複数の共振振動抑制信号を生成する軸ねじ
    れ共振振動抑制制御手段と、 前記タービン発電機の端子電圧、出力電流等の電気的諸
    量、あるいは、角速度、軸伝達トルク等の機械的諸量か
    ら発電機の運転状態を検出する発電機運転状態検出手段
    と、 この発電機運転状態検出手段により検出される運転状態
    と系統のしゃ断器の開閉状態に応じて、前記軸ねじれ共
    振振動抑制制御手段により生成される複数の共振振動抑
    制信号の内から共振振動抑制信号を選択して前記抑制制
    御手段へ前記抑制信号として出力するように切り換える
    信号切換手段とを備えることを特徴とする直流送電シス
    テムに用いる交直変換器の制御装置。
  5. 【請求項5】 複数の電力系統間を直流回路を介して直
    流送電するための交直変換器を制御信号によって制御す
    る制御手段と、前記直流回路と近接するタービン発電機
    との相互作用によって発生する軸ねじれ共振現象を抑制
    するように前記制御手段の制御信号を増減するように抑
    制信号を加えて前記軸ねじれ共振現象を抑制させる抑制
    制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交直変
    換器の制御装置において、 前記電力系統と前記直流回路との接続部近傍の電気量に
    基づいて、前記タービン発電機の軸ねじれ振動成分を算
    出して軸ねじれ振動成分信号を出力する軸ねじれ振動成
    分検出手段と、 この軸ねじれ振動成分検出手段によって出力される軸ね
    じれ振動成分信号と軸ねじれ振動を抑制するための制御
    定数とに基づいて前記抑制信号を生成して前記抑制制御
    手段へ出力する軸ねじれ共振振動抑制制御手段と、 前記交直変換器の直流電流、直流電圧、あるいは、点弧
    角等の電気的諸量に基づいて直流回路の運転状態を検出
    する直流系運転状態検出手段と、 予め前記直流回路の運転状態と系統のしゃ断器の開閉状
    態に対応する複数の制御定数を有し、前記直流系運転状
    態検出手段によって検出される直流回路の運転状態と系
    統のしゃ断器の開閉状態に応じて前記複数の制御定数の
    内から選択して前記軸ねじれ共振振動抑制制御手段の前
    記制御定数へ設定するように切り換える制御定数切換手
    段とを備えることを特徴とする直流送電システムに用い
    る交直変換器の制御装置。
  6. 【請求項6】 複数の電力系統間を直流回路を介して直
    流送電するための交直変換器を制御信号によって制御す
    る制御手段と、前記直流回路と近接するタービン発電機
    との相互作用によって発生する軸ねじれ共振現象を抑制
    するように前記制御手段の制御信号を増減するように抑
    制信号を加えて前記軸ねじれ共振現象を抑制させる抑制
    制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交直変
    換器の制御装置において、 前記電力系統と前記直流回路との接続部近傍の電気量に
    基づいて、前記タービン発電機の軸ねじれ振動成分を算
    出して軸ねじれ振動成分信号を出力する軸ねじれ振動成
    分検出手段と、 この軸ねじれ振動成分検出手段によって出力される軸ね
    じれ振動成分信号と軸ねじれ振動を抑制するための制御
    定数とに基づいて前記抑制信号を生成して前記抑制制御
    手段へ出力する軸ねじれ共振振動抑制制御手段と、 前記タービン発電機の端子電圧、出力電流等の電気的諸
    量、あるいは、角速度、軸伝達トルク等の機械的諸量か
    ら発電機の運転状態を検出する発電機運転状態検出手段
    と、 予め前記タービン発電機の運転状態と系統のしゃ断器の
    開閉状態に対応する複数の制御定数を有し、前記発電機
    運転状態検出手段によって検出される運転状態と系統の
    しゃ断器の開閉状態に応じて前記複数の制御定数の内か
    ら選択して前記軸ねじれ共振振動抑制制御手段の前記制
    御定数へ設定するように切り換える制御定数切換手段と
    を備えることを特徴とする直流送電システムに用いる交
    直変換器の制御装置。
  7. 【請求項7】 複数の電力系統間を直流回路を介して直
    流送電するための交直変換器を制御信号によって制御す
    る制御手段と、前記直流回路と近接するタービン発電機
    との相互作用によって発生する軸ねじれ共振現象を抑制
    するように前記制御手段の制御信号を増減するように抑
    制信号を加えて前記軸ねじれ共振現象を抑制させる抑制
    制御手段とを具備する直流送電システムに用いる交直変
    換器の制御装置において、 前記電力系統と前記直流回路との接続部近傍の電気量に
    基づいて、前記タービン発電機の軸ねじれ振動成分を算
    出して軸ねじれ振動成分信号を出力する軸ねじれ振動成
    分検出手段と、 この軸ねじれ振動成分検出手段によって出力される軸ね
    じれ振動成分信号に基づき軸ねじれ振動を抑制するため
    の電力系統の電気量、接続状態、運用状態等の系統の状
    態に対応して複数の制御定数による共振振動抑制信号を
    生成する軸ねじれ共振振動抑制制御手段と、 系統の状態に応じて前記複数の制御定数に対応するター
    ビン発電機の電気ダンピングを算出する電気ダンピング
    算出手段と、 この電気ダンピング算出手段によって算出された複数の
    電気ダンピングの内で系統の状態から最適な抑制効果を
    有する電気ダンピングを選択し、選択された電気ダンピ
    ングに対応する制御定数による共振振動抑制信号を前記
    抑制制御手段へ前記抑制信号として設定するように切り
    換える信号切換手段とを備えることを特徴とする直流送
    電システムに用いる交直変換器の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記軸ねじれ振動成分検出手段は、一次
    側の周波数、直流回路の直流電流、タービン発電機の角
    速度、タービン発電機の軸伝達トルクのいずれかを用い
    て、タービン発電機の軸ねじれ振動成分を算出すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項7記載のいずれかの直
    流送電システムに用いる交直変換器の制御装置。
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