JP4156150B2 - 無停電電源システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源ラインに並列に挿入された並列トランスと、電源ラインに直列に接続された直列トランスと、前記並列トランスに接続された双方向に電力変換できる並列補償コンバータと、前記直列トランスに接続された双方向に電力変換できる直列補償インバータと、前記並列補償コンバータと前記直列補償インバータの間に接続された電力貯蔵媒体と、前記並列補償コンバータを制御する並列補償コンバータ制御回路と、前記直列補償インバータを制御する直列補償インバータ制御回路とから構成され、電源ラインの電圧低下時に電力貯蔵媒体から負荷に電力を供給するようにした直並列補償方式瞬低対策システムを用いた電力供給システムを構成する無停電電源システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電源ライン電圧の瞬低を許容しない負荷へ無停電で電力を供給する電力供給システムとして、図13に示す無停電電源装置を用いた電力供給システムがある。
図13は、従来の直並列補償法式瞬低対策システムを用いた電力供給システムの構成を示すブロック図である。この電力供給システムは、瞬低を許容しない負荷(以下、重要負荷という)70と、該重要負荷に電力を供給する電力系統60と、電力系統60から重要負荷70に電力を供給する電源ラインに一次巻線が並列に接続された並列トランス40と、電源ラインに一次巻線が直列に接続された直列トランス50と、前記並列トランスの二次巻線に接続された双方向に電力変換できる並列補償コンバータ10と、前記直列トランスの二次巻線に接続された双方向に電力変換できる直列補償インバータ20と、電力貯蔵媒体30と、前記並列補償コンバータと前記直列補償インバータにより共用される直流ライン(以下、「直流中間回路」という)の電圧を検出し直流中間回路電圧検出値EDCを出力する直流中間回路電圧検出回路(VSDC)35と、並列補償コンバータ10の出力電流を検出し並列補償コンバータ出力電流検出値Icを出力する並列補償コンバータ出力電流検出回路(CTC)63と、電源ラインに流れる負荷電流を検出し負荷電流検出値ILを出力する負荷電流検出回路(CTL)65と、直並列補償方式瞬低対策システムの入力電圧を検出し入力電圧検出値Viを出力する入力電圧検出回路(PTI)67と、前記並列補償コンバータ10を制御する並列補償コンバータ制御回路100と、前記直列補償インバータ20の動作を制御する直列補償インバータ制御回路200から構成される。
【0003】
このような電力供給システムにおいて、電力系統に発生する瞬低に対する対策として、並列補償コンバータ10を、瞬低補償対象である重要負荷70のフィーダ(電源ライン)に並列トランス40を介して並列に接続し、直列補償インバータ20を直列トランス50を介して直列に接続し、並列補償コンバータ10と直列補償インバータ20との間の直流ラインに電力貯蔵媒体30を接続して直並列補償方式瞬低対策システムを構成している。
【0004】
このシステムは、直列トランス50を介して、直列補償インバータ20の出力電圧を電源ラインの電圧に補償電圧として直接加えることによって重要負荷70に印加される電圧を重要負荷の定格電圧に補償している。すなわち、電源ラインの電圧が定格電圧より不足する場合はその不足分を直列補償インバータ20で発生させ直列トランス50を介してその電圧を電源ラインの電圧に重畳することによって定格電圧を維持している。
一方、電源ラインの電圧が定格電圧より高い場合は、超過分の電圧を反転させた電圧を直列補償インバータ20で発生させ直列トランス50を介してその電圧を電源ラインの電圧に重畳することによって定格電圧に維持している。
【0005】
このシステムでは、電源ラインで不足する分のエネルギーは電力貯蔵媒体30から供給される。すなわち、電源ラインの電圧が定格電圧より低い場合は直列トランス50と直列インバータ20を介して電力貯蔵媒体30から電力を供給して重要負荷70の定格電圧を維持することができる。
【0006】
さらに、並列補償コンバータ10は、直列補償インバータ20の電圧補償動作に伴い電源ラインとの間でエネルギーの授受が発生したときに、その電力の供給又は回生を行うとともに、重要負荷の無効電流および不平衡電流(逆相電流)ならびに高調波電流を補償するアクテイブフィルターとしても動作する。
【0007】
つぎに、直並列補償方式瞬低対策システムによる並列補償コンバータ10の制御方法の概要を図14を用いて説明する。図14は図13中の並列補償コンバータ制御回路100の構成を示す図である。
【0008】
並列補償コンバータ制御回路100は、直流中間回路電圧補償電流演算回路110と、負荷電流補償電流演算回路120と、並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130と、並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140と、PWM制御回路150と、キャリア信号発生回路155と、ゲートドライブ回路160を有して構成される。
【0009】
直流中間回路電圧補償電流演算回路110は、直流中間回路電圧目標値EDC*と直流中間回路電圧検出値EDCから直流中間回路電圧を一定にするのに必要な並列補償コンバータ10から出力すべき有効電流に関する信号(以下、直流中間回路電圧補償有効電流信号という)を演算する。
【0010】
負荷電流補償電流演算回路120は、負荷電流検出値ILと入力電圧検出値Viから負荷に流入する負荷電流の無効成分および高調波成分ならびに逆相成分を抽出した演算値と、直流中間回路電圧補償電流演算回路110から出力された直流中間回路電圧補償有効電流信号から、並列補償コンバータ10が出力すべき負荷電流の無効成分および高調波成分ならびに逆相成分を相殺するのに必要な電流ならびに直流中間回路電圧を一定に保つのに必要な電流(以下、並列補償コンバータ出力電流目標値信号という)を演算する。
【0011】
並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130は、並列補償コンバータ出力電流目標値信号と並列補償コンバータ出力電流検出値Icから両者の偏差をゼロにするために必要な並列補償コンバータ出力電圧の変化分(以下、並列補償コンバータ出力電圧変化分指令信号という)を演算する。
【0012】
並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140は、並列補償コンバータ出力電圧変化分指令信号と入力電圧検出値Viから並列補償コンバータ10の出力電圧指令信号を演算する。
【0013】
PWM制御回路150は、並列補償コンバータ10の出力電圧指令信号とキャリア信号発生回路155からのキャリア信号との比較を行い、並列補償コンバータ10を構成するスイッチング素子ブリッジのスイッチング信号を出力する。
【0014】
ゲートドライブ回路160は、このスイッチング信号に基づきスイッチング素子ブリッジに駆動パワーを供給する。
【0015】
以上の構成を有する並列補償コンバータ制御回路100の制御動作により、並列補償コンバータ10から負荷電流の無効成分および高調波成分ならびに逆相成分を相殺するのに必要な電流、および直流中間回路電圧を一定に保つのに必要な電流が出力され、その結果、負荷電流の無効成分および高調波成分ならびに逆相成分が相殺され負荷電流の品質が向上するとともに、直流中間回路電圧も目標値に保たれる。
【0016】
並列補償コンバータ10の具体的な構成および制御方法を並列補償コンバータ制御回路100の具体的な構成図である図15を用いて以下に詳述する。
【0017】
直流中間回路電圧補償電流演算回路110は、減算器111と直流中間回路電圧制御回路AVR(EDC)112とから構成される。減算器111において、直流中間回路電圧検出値EDCから直流中間回路電圧目標値EDC*を減算した偏差の信号を生成し、例えば、PI制御回路からなる直流中間回路電圧制御回路112に入力し、その出力を直流中間回路電圧を一定にするための並列補償コンバータ10から出力すべき直流中間回路電圧補償有効電流信号にする。
【0018】
負荷電流補償電流演算回路120は、3相2相変換回路(3φ/2φ)121と、基準信号発生回路122と、正相回転座標変換回路(VD)123と、交流成分抽出回路124と、加算器125と、正相逆回転座標変換回路(VD-1)126と、2相3相変換回路(2φ/3φ)127を有して構成される。交流成分抽出回路124は、ローパスフィルタ(LPF)1241と減算器1242とから構成されるが、これに代えてハイパスフィルタによって構成しても良い。
【0019】
3相2相変換回路121には、負荷電流R相検出値ILR、負荷電流S相検出値ILS、負荷電流T相検出値ILTが入力され、2相交流であるα−β座標軸に変換する。以下この変換された信号を負荷電流α成分信号、負荷電流β成分信号という。
【0020】
基準信号発生回路122は、入力電圧R相検出値ViR、入力電圧S相検出値ViS、入力電圧T相検出値ViTが入力され、入力電圧に同期した基準正弦波信号sinωtおよび基準余弦波信号cosωtを出力する。
【0021】
正相回転座標変換回路123は、負荷電流α成分信号、負荷電流β成分信号、基準正弦波信号sinωtおよび基準余弦波信号cosωtから負荷電流を入力電圧と同一速度で同一方向に回転する直交正相回転座標変換軸(d―q座標軸)を基準にして座標変換し、正相二軸成分の直流量として分離検出する。以下この変換された信号を負荷電流d成分信号、負荷電流q成分信号という。なお、このd成分信号およびq成分信号の直流成分は基本波有効成分および基本波無効成分を示し、交流成分は高調波成分および逆相成分(不平衡成分)を示すことは公知の事実である。
【0022】
今、負荷電流のうち補償したい電流は、高調波成分および不平衡成分ならびに無効電流であり、これらの成分を以下のように抽出する。
交流成分抽出回路124において、負荷電流d成分信号からローパスフィルター1241により直流成分を抽出し、この信号を負荷電流d成分信号から減算器1242により減算して交流成分を抽出する。
【0023】
この結果出力される信号(以下、負荷電流d成分交流信号という)は負荷電流d成分信号の交流成分であり、負荷電流有効成分のうち基本波成分以外の成分すなわち、不平衡成分、高調波成分を抽出した信号である。
【0024】
負荷電流d成分交流信号と直流中間回路電圧補償有効電流信号を加算器125で加算して、並列補償コンバータ10から出力すべき d―q座標軸におけるd成分電流信号(以下、負荷電流d成分処理信号という)とする。
一方、負荷電流q成分信号はフィルター操作を行わないので無効電流、不平衡成分、高調波成分を示す信号である。
【0025】
以上の負荷電流d成分処理信号および負荷電流q成分信号を、基準正弦波信号sinωtおよび基準余弦波信号cosωtを用いて、正相逆回転座標変換回路126および2相3相変換回路127によりd−q座標軸から3相交流座標軸に変換し、並列補償コンバータ10が出力すべき負荷電流の無効成分および高調波成分ならびに逆相成分を相殺することならびに直流中間回路を一定に保つのに必要なR相電流信号およびT相電流信号(以下、並列補償コンバータR相出力電流目標値信号ICR*、並列補償コンバータT相出力電流目標値信号ICT*という)を出力する。
【0026】
並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130は,減算器131Rと、並列補償コンバータR相出力電流制御回路(ARC(IC))132Rと、R相フィードフォワード電圧出力回路(FF)133Rと、加算器134Rと、減算器131Tと、並列補償コンバータT相出力電流制御回路(ARC(IC))132Tと、T相フィードフォワード電圧出力回路(FF)133Tと、加算器134Tと、減算器135とから構成される。
【0027】
減算器131Rは、並列補償コンバータR相出力電流目標値信号ICR*と並列補償コンバータR相出力電流検出値ICRが入力され、偏差を出力する。減算器131Tは、並列補償コンバータT相出力電流目標値信号ICT*と並列補償コンバータT相出力電流検出値ICTが入力され、偏差を出力する。
【0028】
並列補償コンバータR相出力電流制御回路132Rは、並列補償コンバータR相出力電流目標値信号ICR*と並列補償コンバータR相出力電流検出値ICRの偏差から並列補償コンバータR相出力電圧の変化分(以下、並列補償コンバータR相出力電圧変化分指令信号という)を演算する。また、並列補償コンバータT相出力電流制御回路132Tは、並列補償コンバータT相出力電流目標値信号ICT*と並列補償コンバータT相出力電流検出値ICTの偏差から並列補償コンバータT相出力電圧の変化分(以下、並列補償コンバータT相出力電圧変化分指令信号という)を演算する。
【0029】
2相3相変換回路127から出力された並列補償コンバータR相出力電流目標値信号ICR*は、R相フィードフォワード電圧出力回路133Rを介して加算器134Rに入力され、並列補償コンバータR相出力電圧変化分指令信号と加算される。
2相3相変換回路127から出力された並列補償コンバータT相出力電流目標値信号ICT*は、T相フィードフォワード電圧出力回路133Tを介して加算器134Tに入力され、並列補償コンバータT相出力電圧変化分指令信号と加算される。
【0030】
減算器135には、フィードフォワード信号が加算された並列補償コンバータR相出力電圧変化分指令信号(以下、並列補償コンバータR相出力電圧変化分指令処理信号という)およびフィードフォワード信号が加算された並列補償コンバータT相出力電圧変化分指令信号(以下、並列補償コンバータT相出力電圧変化分指令処理信号という)が入力され、ゼロから並列補償コンバータR相出力電圧変化分指令処理信号および並列補償コンバータT相出力電圧変化分指令処理信号を減算してS相出力電圧の変化分(以下、並列補償コンバータS相出力電圧変化分指令処理信号という)を生成する。
【0031】
減算器131Rおよび並列補償コンバータR相出力電流制御回路132Rに並列に接続されたR相フィードフォワード電圧出力回路133Rと、減算器131Tおよび並列補償コンバータT相出力電流制御回路132Tに並列に接続されたT相フィードフォワード電圧出力回路133Tは、省略することができる。
フィードフォワード電圧出力回路133R,133Tは、並列補償コンバータR相出力電流目標値および並列補償コンバータT相出力電流目標値になるための並列補償コンバータR相出力電圧の変化分およびT相出力電圧の変化分を並列トランスのリアクトル分(L)および抵抗分(R)からあらかじめ演算して、並列補償コンバータ10の応答性を高めるためのもので、LS+R(Sは微分器)で実現できるが、必須の構成ではない。
【0032】
並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140は、並列補償コンバータR相出力電圧変化分指令処理信号と入力電圧R相検出値ViRが入力される加算器141Rと、並列補償コンバータS相出力電圧変化分指令処理信号と入力電圧S相検出値ViSが入力される加算器141Sと、並列補償コンバータT相出力電圧変化分指令処理信号と入力電圧T相検出値ViTが入力される加算器141Tから構成され、それぞれの入力を加算して並列補償コンバータの各相の出力電圧指令信号を生成する。
【0033】
PWM制御回路150Rは、並列補償コンバータのR相出力電圧指令信号とキャリア信号発生回路155からのキャリア信号との比較を行い、並列補償コンバータ10を構成するR相スイッチング素子ブリッジのスイッチング信号を出力する。PWM制御回路150Sは、並列補償コンバータのS相出力電圧指令信号とキャリア信号発生回路155からのキャリア信号との比較を行い、並列補償コンバータ10を構成するS相スイッチング素子ブリッジのスイッチング信号を出力する。PWM制御回路150Tは、並列補償コンバータのT相出力電圧指令信号とキャリア信号発生回路155からのキャリア信号との比較を行い、並列補償コンバータ10を構成するT相スイッチング素子ブリッジのスイッチング信号を出力する。
【0034】
ゲートドライブ回路160R,160S,160Tは、このスイッチング信号に基づいて各相のスイッチング素子ブリッジに駆動パワーを供給する。
【0035】
また、直並列補償方式瞬低対策システムは、その電力貯蔵媒体30の容量の関係上、補償時間が限定されてしまう。この欠点を補うために、補償時間が長いガスエンジンまたはガスタービンで駆動される発電機とセットで設置されるのが一般的である。
【0036】
すなわち、図16に示すように,ガスエンジンまたはガスタービンで駆動される発電機69を電力系統10と遮断器90を介して連系させている。
【0037】
電力系統60の短絡事故等による瞬低が発生すると、電力系統電圧の低下または電力系統周波数の低下により電力系統の瞬低を検出した瞬低検出回路95は、遮断器90に遮断指令を出力する。
遮断指令を受けた遮断器90は開放し、電力系統と分離された発電機69は自立運転に移行し重要負荷70に電力を供給する。
なお、電力系統60の短絡事故等発生から遮断器90の開放までは通常数秒程度を必要とし、遮断器90の開放により自立運転に移行した発電機69が定格電圧に戻るまで通常数秒程度を必要とする。
【0038】
電源ラインの電圧は、電力系統60の短絡事故等発生から遮断器90の開放までの時間と、自立運転に移行した発電機69が定格電圧に戻るまでの時間低下することになり、この低下した電圧は直並列補償方式瞬低対策システムにより補償され重要負荷は定格電圧が維持される。
【0039】
上記の直並列補償方式瞬低対策システムの動作時の電流および電力の流れを、図17〜図21を用いて以下に説明する。図17〜図21は、ガスエンジンまたはガスタービンにより常時運転される発電機69と組み合わせた直並列補償方式瞬低対策システムの各部の電流および電力の流れを示す図である。
図17は短絡事故(瞬低)発生時の電流および電力の流れ図、図18は遮断器開放直後の電流および電力の流れ図、図19は遮断器開放後発電機電圧がある程度回復したときの電流および電力の流れ図、図20は遮断器開放後発電機電圧が回復したときの電流および電力の流れ図、図21は遮断器開放後発電機電圧が回復してしばらくたったときの電流および電力の流れ図である。
【0040】
図17を用いて電力系統60に短絡事故(瞬低)が発生した場合の電流および電力の流れを説明する。
電力系統に短絡事故(瞬低)が発生すると、電力系統60の電源から事故点に向かって電力系統短絡電流Ipsが流入し、それに伴い電力系統短絡電力Ppsが事故点に供給される。
【0041】
発電機69からの電流の大半は、発電機短絡電流Igsとして事故点へ流入し、それに伴い発電機電力の大半である発電機短絡電力Pgsが事故点に供給される。したがって、発電機69の出力電圧は重要負荷の定格電圧より低下することとなり電源ライン電圧も重要負荷の定格電圧より低下する。
【0042】
直列補償インバータ20は、電源ラインの電圧を重要負荷の定格電圧に維持するために、入力電圧が重要負荷の定格電圧より低下した分に当たる電圧に相当する電圧を出力し直列トランス50を介して入力電圧である発電機69の出力電圧に直列に重畳させる。
【0043】
重要負荷70には直列トランス50を介した直列補償インバータ20の電圧と発電機69の出力電圧が合計された定格電圧がかかり、重要負荷70のインピーダンスに見合った電流が流入する。この電流は発電機69→直列トランス50→重要負荷70→発電機69のような電流閉ループを構成している。以下この電流を「発電機重要負荷電流IgL」という。
【0044】
今、例えば短絡事故(瞬低)が発生した瞬間に発電機69の出力電圧が重要負荷の定格電圧に対して70%に低下すると、発電機の出力電圧に直列補償インバータ20から定格電圧の30%を直列トランス50を介して重畳させることによって、重要負荷70には定格電圧100%の電圧が維持される。
【0045】
この場合、発電機69が重要負荷70に供給する電力(以下、「発電機重要負荷電力PgL」という)は、重要負荷70の電力(以下、「重要負荷電力PL」という)の70%であり、直列補償インバータ20から重要負荷70に供給する電力(以下、「直列補償インバータ出力電力Pi」という)は、重要負荷電力PLの30%である。重要負荷には発電機重要負荷電力PgLと直列補償インバータ出力電力Piにより必要な電力がまかなわれている。
【0046】
なお、直列トランス50の一次巻線に、発電機重要負荷電流IgLが流れ、二次巻線を介して直列補償インバータ出力電流Iiが流れている。
【0047】
並列補償コンバータ10は、直流中間回路電圧を一定にするため、電力貯蔵媒体30への充電電力容量、例えば、重要負荷電力PLの15%程度の電力を入力から流入するように制御され、その結果並列補償コンバータ電流Icが流入し、これに伴い並列補償コンバータ電力Pcが直流中間回路に流入する。なお、この並列補償コンバータ電流Icは、並列補償コンバータ10→発電機69→並列補償コンバータ10の電流閉ループを構成している。
【0048】
電力貯蔵媒体30は、直列補償インバータ出力電力Piと並列補償コンバータ電力Pcの差に相当する分の電力(例えば、この例では、重要負荷電力の15%程度)を供給する。言い換えると、重要負荷電力の30%に相当する電力である直列補償インバータ出力電力Piの半分程度が、電力貯蔵媒体30から電力貯蔵媒体電力Pesとして出力され、残りの半分程度は、並列補償コンバータ電力Pcの源である発電機69から供給されていることになる。
【0049】
なお、発電機69から出力される電流(以下、「発電機電流Ig」という)は、発電機短絡電流Igs、発電機重要負荷電流IgL、並列補償コンバータ電流Icの合計であり、発電機69から出力される電力(以下、「発電機電力Pg」という)は発電機短絡電力Pgs、発電機重要負荷電力PgL、並列補償コンバータ電力Pcの合計である。
【0050】
以上の現象は、電力系統の短絡事故の発生から遮断器90が開放されるまでの数秒間継続する。
【0051】
図18を用いて、遮断器90の開放直後の電流および電力の流れを説明する。遮断器90が開放されると発電機短絡電流Igsが遮断され、発電機短絡電力Pgsも遮断されるので、発電機69の過負荷が解消されるのみで、その他の電流および電力の流れは上記と変わらない。
【0052】
図19を用いて、遮断器90の開放後発電機電圧がある程度(定格電圧の90%)回復したときの電流および電力の流れを説明する。
遮断器90が開放されると、発電機短絡電流Igsが遮断され、発電機短絡電力Pgsも遮断されるので、発電機69の過負荷が解消されるとともに、数秒間程度をかけて発電機69の電圧はある程度復帰する。遮断器90が開放されてから発電機電圧が上昇するに伴い直列補償インバータ20から重畳させる電圧は減少する。この結果、発電機重要負荷電力PgLが上昇し、直列補償インバータ出力電力Piが減少し、その合計である重要負荷電力PLは一定であり、重要負荷に必要な電力がまかなわれる。直列補償インバータ出力電力Piが並列補償コンバータ電力Pcより減少すると、電力貯蔵媒体30へその差の電力が電力貯蔵媒体電力Pesとして流入することになり、電力貯蔵媒体30は失った電力が充電される。
【0053】
図20を用いて、遮断器90が開放された後、発電機電圧が回復(定格電圧の95%)したときの電流および電力の流れを説明する。
電力フローは、基本的に図19に示した遮断器90の開放後発電機電圧がある程度回復したときと同じである。違うところは、発電機電圧の更なる上昇に伴い、発電機重要負荷電力PgLが更に増加し、直列補償インバータ出力電力Piが更に減少する。また、並列補償コンバータ電力Pcは変わらないので、並列補償コンバータ電力Pcと発電機重要負荷電力PgLとの合計である発電機電力Pgは更に増える。並列補償コンバータ電力Pcが不変で直列補償インバータ出力電力Piが減少すると、電力貯蔵媒体電力30へ供給される(充電方向)電力が増え電力貯蔵媒体30の充電時間を短縮させる。
【0054】
図21を用いて、遮断器90が開放された後、発電機電圧が回復してしばらくたったときの電流と電力の流れを説明する。
遮断器90が開放された後、発電機電圧が回復してしばらくたつと、電力貯蔵媒体30の充電が完了し、並列補償コンバータ10は直流中間回路電圧を一定に保つのに必要な電力すなわち直列補償インバータ出力電力Piと同じ電力を入力から流入するように制御される。この結果、並列補償コンバータ電力Pcは減少し、これに伴い発電機電力Pgが減少し、重要負荷電力PLに相当する電力となり、発電機69および直並列補償方式瞬低対策システムは定常状態に移行する。
【0055】
上記図17から図21までに示した、従来の直並列補償方式瞬低対策システムにおける、直列補償インバータ出力電力Piと、並列補償コンバータ電力Pcの状態などをまとめて一覧表として表1に示した。この表において、電圧は定格電圧のパーセンテージで、電力は負荷電力のパーセンテージでそれぞれ示してある。
【0056】
【表1】
Figure 0004156150
【0057】
従来の直並列補償方式瞬低対策システムを用いた回路構成では、系統の完全な停電、電力系統の断線、上流側遮断器の開放等の上流に開放事故が発生すると、重要負荷に電力を供給できなくなる問題がある。すなわち、上流側に開放事故が発生した場合の電流および電力の流れを、図22,図23を用いて説明する。
【0058】
直並列補償方式瞬低対策システムの上流に開放事故が発生する前に電力系統の電圧が例えば重要負荷の定格電圧の95%だったとすると、直並列補償法式瞬低対策システムの入力電圧が95%であることから、直列補償インバータ20に重要負荷の定格電圧の5%の電圧を発生させ、直列トランス50を介して入力電圧に重畳させ重要負荷70には定格電圧の100%の電圧を確立している。
【0059】
上流に開放事故が発生すると、図22に示すように、重要負荷70には、並列補償コンバータ10が電流の供給源になり、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の閉ループを形成する。並列補償コンバータ10は重要負荷の定格電圧の95%の電圧を確立しているので重要負荷電力PLの95%を供給する。直列補償インバータ20は重要負荷の定格電圧の5%の電圧を確立しているので重要負荷電力PLの5%を供給する。
【0060】
直列補償インバータ20の出力電流Iiは、直列トランス50の二次巻線を介し閉ループを構成している。
【0061】
このように、上流開放事故発生時には、電力貯蔵媒体30は、並列補償コンバータ10および直列補償インバータ20へ電力貯蔵媒体電力Pesを供給する。これはちょうど重要負荷電力PLの100%に相当する。したがって、電力貯蔵媒体30の電圧が急激に低下する。
【0062】
直流中間回路の電圧を一定に保つために、並列補償コンバータ10は、並列補償コンバータ制御回路100の動作により電源ラインから電力を吸収する動作を行おうとする。このため並列補償コンバータ10の出力電圧は低下もしくは周波数が遅れるようになる。通常、並列補償コンバータ10には電圧低下もしくは周波数低下の場合に自動的に作動を停止する自己防衛機能を備えている。
【0063】
図23に示すように、電圧低下もしくは周波数低下が発生すると、並列補償コンバータ10はその自己防衛機能により停止する。並列補償コンバータ10が停止すると、前述の電流の閉回路(並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の閉ループ)を形成できないので、負荷に電力を供給できなくなる。すなわち上流の開放事故があると負荷へは電力が供給できなくなると言った欠点がある。
【0064】
ガスエンジンまたはガスタービンによって運転される発電機69が設けられている場合で、短絡事故が発電機に近い場所で生じた場合の各部の電流および電力の流れを、図24から図26を用いて説明する。
図24に示すように、発電機69に近い個所で電力系統に短絡事故が発生すると、事故点における短絡電流は電力系統の電源および電源から事故点までのインピーダンスと、発電機および発電機から事故点までのインピーダンスの比の逆数により事故点における短絡電流は案分されるから、発電機短絡電流Igsは相当大きい値になり、発電機69はより厳しい過電流又は過負荷状況に陥ることになる。
【0065】
このため、図25に示すように、遮断器90の開放が間に合わず、過電流や過負荷時、またはガスタービンと発電機を接続するシアピンが破断するなどによる自己防衛機能により発電機69がトリップし、図示していない発電機69と電源ラインとの間に設置されている遮断器が開放する。
【0066】
また、直並列補償方式瞬低対策システムにおいては、短絡事故発生時、発電機69は発電機短絡電力Pgsばかりか発電機重要負荷電力PgLおよび並列補償コンバータ電力Pcも供給する必要があり、発電機69の過電流や過負荷を助長する結果となり、自己防衛機能により発電機69がトリップする可能性が更に高くなる。
【0067】
図26に示すように、発電機69がトリップすると、発電機69に設置されている遮断器が開放し、電力系統の電源と発電機69間の遮断器90も開放しているので、直並列補償方式瞬低対策システムの上流開放モードが発生し、図22および図23を用いて説明に示したと同様の理由により、並列補償コンバータ10は自己防衛機能により停止し、その結果、重要負荷に電力を供給できなくなる。
【0068】
また、直並列補償方式瞬低対策システムを構成するインバータおよびコンバータの変換器ならびに電力貯蔵媒体は、非常に高価であるとともに、容量の増大に伴い体積が大きくなり、広い設置スペースを要するという問題がある。
【0069】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、上流開放モード発生時にも重要負荷へ電力供給することができる直並列補償方式瞬低対策システムを提供することを目的とする。
【0070】
さらに、本発明は、ガスエンジンまたはガスタービンで駆動される発電機とセットで設置される直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、電力系統に短絡事故等(瞬低)発生時に発電機の自己防衛機能が働く前に発電機を電力系統から分離し自立運転に移行させることにより、直並列補償方式瞬低対策システムの上流側の開放モードの発生を防止し、重要負荷に安定して電力を供給することができる直並列補償方式瞬低対策システムを提供することを目的とする。
【0071】
さらに、本発明は、ガスエンジンまたはガスタービンにより常時運転される発電機と組み合わせた直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、並列補償コンバータ、直列補償インバータおよび電力貯蔵媒体の容量を最適化することにより、安価でスペースメリットがある直並列補償方式瞬低対策システムを提供することを目的とする。
【0072】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、電力系統と、該電力系統から給電され電力系統の瞬低を許容しない負荷と、前記電力系統と前記負荷との間に設けた電源ラインに並列に挿入された並列トランスと電源ラインに直列に接続された直列トランスと前記並列トランスに接続された双方向に電力変換できる並列補償コンバータと前記直列トランスに接続された双方向に電力変換できる直列補償インバータと前記並列補償コンバータと前記直列補償インバータの間に接続された電力貯蔵媒体と前記並列補償コンバータを制御する並列補償コンバータ制御回路と前記直列補償インバータを制御する直列補償インバータ制御回路とから構成され電力系統の瞬低に対応する直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、前記直並列補償方式瞬低対策システムと前記電力系統の間に、電力系統側の開放事故の発生を検出したときに前記電力系統と前記直並列補償方式瞬低対策システムとの間を遮断するスイッチを設けて無停電電源システムを構成した。
【0073】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、直並列補償方式瞬低対策システムの上流側の開放を検出する上流側開放検出回路と、並列補償コンバータの制御モードを電圧制御モードと電流制御モードとに切り替える電流/電圧制御モード切替器を設け、前記電力系統と前記直並列補償方式瞬低対策システムとの間を遮断する前記スイッチの確実な開放を検出した後に、前記並列補償コンバータの制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに変更するようにした。
【0074】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、電力系統側の開放事故の発生を、直並列補償方式瞬低対策システムの入力電圧の周波数の低下あるいは電圧低下により検出するようにした。
【0075】
本発明は、電力系統と、該電力系統から給電され電力系統の瞬低を許容しない負荷と、前記電力系統と前記負荷との間に設けた電力系統の瞬低に対応する直並列補償方式瞬低対策システムと、前記直並列補償方式瞬低対策システムに並列に設けられ前記電力系統と連系して常時運転される発電機とからなる無停電電源システムにおいて、前記直並列補償方式瞬低対策システムは、電源ラインに並列に挿入された並列トランスと、電源ラインに直列に接続された直列トランスと、前記並列トランスに接続された双方向に電力変換できる並列補償コンバータと、前記直列トランスに接続された双方向に電力変換できる直列補償インバータと、前記並列補償コンバータと前記直列補償インバータの間に接続された電力貯蔵媒体と、前記並列補償コンバータを制御する並列補償コンバータ制御回路と、前記直列補償インバータのを制御する直列補償インバータ制御回路とから構成され、前記直並列補償方式瞬低対策システムおよび前記発電機の上流側に前記電力系統の瞬低時に前記電力系統と前記直並列補償法式瞬低対策システムおよび前記発電機の間を高速に遮断する高速遮断システムを設けて無停電電源システムを構成した。
【0076】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、前記高速遮断システムが、前記発電機の瞬時電力を検出して瞬時電力が設定値を超えたときに遮断動作を行うようにした。
【0077】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、前記並列補償コンバータの容量を、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量以上、例えば重要負荷容量の15%以上とした。
【0078】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、前記並列補償コンバータの容量を、重要負荷の不平衡を補償する必要がある場合は、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量および重要負荷の不平衡を補償する容量の合計値以上とする。
【0079】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、前記並列補償コンバータの容量を、重要負荷の高調波を補償する必要がある場合には、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量および重要負荷の高調波を補償する容量の合計値以上とする。
【0080】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、前記並列補償コンバータの容量を、重要負荷の不平衡および高調波を補償する必要がある場合には、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量および重要負荷の不平衡を補償する容量ならびに重要負荷の高調波を補償する容量の合計値以上とする。
【0081】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、前記直列補償インバータの容量を、少なくとも高速遮断システムにより限定された発電機の電圧低下を補償するに足る容量以上、例えば重要負荷容量の40%以上とする。
【0082】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、前記電力貯蔵媒体の出力容量を、少なくとも高速遮断システムによる限定された発電機の電圧低下を補償するに足る出力容量以上、例えば重要負荷容量の40%以上とする。
【0083】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、前記電力貯蔵媒体のエネルギー容量を、少なくとも(電力系統の短絡事故発生から高速遮断システムが開放する時間+高速遮断システムが開放し発電機電圧が定格まで回復する時間)×前記高速遮断システムによる限定された発電機の電圧低下を補償するに足る出力容量以上とする。
【0084】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、前記スイッチの確実な開放を検出した後に、前記スイッチが開放した瞬間における入力電圧および入力周波数を時限後に基準電圧および基準周波数にするために必要な並列補償コンバータが出力すべき電流の目標値を演算しこの目標電流に基づき並列補償コンバータを制御する入力電圧制御演算回路を設けた。
【0085】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる直並列補償方式瞬低対策システムを具備した無停電電源システムの実施の形態を図を用いて説明する。
【0086】
この発明は、並列補償コンバータ10の制御モード切替により上記問題を解決している。本発明の構成の概要を図1を用いて説明する。
この発明にかかる直並列補償方式瞬低対策システムは、図13に示した、電力系統60と重要負荷70の間に直並列補償方式瞬低対策システムを設けた従来の無停電電源システムにおいて、上流側すなわち電力系統側の開放を検出し、かつ入力スイッチ開放信号を出力する上流開放検出回路85と、該上流開放検出回路85の入力スイッチ開放信号によって電力系統60と直並列補償方式瞬低対策システムとの間を遮断動作する入力スイッチ80を設けた点に特徴を有している。
【0087】
図1に示すように、本発明にかかる無停電電源システムは、瞬低を許容しない負荷(重要負荷)70と、該重要負荷に電力を供給する電力系統60と、前記電力系統から前記重要負荷に電力を供給する電源ラインに一次巻線が並列に接続された並列トランス40と、前記電源ラインに一次巻線が直列に接続された直列トランス50と、前記並列トランスの二次巻線に接続され双方向に電力変換できる並列補償コンバータ10と、前記直列トランスの二次巻線に接続され双方向に電力変換できる直列補償インバータ20と、前記並列補償コンバータと前記直列補償コンバータの間に接続された電力貯蔵媒体30と、直流中間回路の電圧を検出し直流中間回路電圧検出値EDCを出力する直流中間回路電圧検出回路(VSDC)35と、前記並列補償コンバータの出力電流(入力電流)を検出し並列補償コンバータ出力電流値Icを出力する並列補償コンバータ出力電流検出回路(CTC)63と、負荷電流を検出し負荷電流検出値ILを出力する負荷電流検出回路(CTL)65と、直並列補償方式瞬低対策システムの入力電圧を検出し入力電圧検出値Viを出力する入力電圧検出回路(PTI)67と、前記並列補償コンバータを制御する並列補償コンバータ制御回路100と、前記直列補償インバータを制御する直列補償インバータ制御回路200と、入力電圧の周波数低下もしくは電圧低下を検出し入力スイッチ開放信号を出力する上流開放検出回路85と、前記入力スイッチ開放信号によって前記電力系統と前記直並列補償方式瞬低対策システムとの接続を遮断する入力スイッチ80とを有して構成される。
【0088】
図2を用いて、本発明に用いる並列補償コンバータ制御回路100の構成の概要を説明する。
【0089】
並列補償コンバータ制御回路100は、直流中間回路電圧補償電流演算回路110と、負荷電流補償電流演算回路120と、並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130と、並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140と、PWM制御回路150と、キャリア信号発生回路155と、ゲートドライブ回路160と、電流/電圧制御モード切替器170と、入力電圧制御演算回路180と、入力電圧基準値設定器191と、入力周波数基準値設定器193と、時限設定器195とを有して構成される。
【0090】
直流中間回路電圧補償電流演算回路110は、図14および図15で説明した直流中間回路電圧補償電流演算回路110と同様の構成を有しており、これと同様の働きをする。
【0091】
同様に、負荷電流補償電流演算回路120は、図14および図15で説明した負荷電流補償電流演算回路120同様の構成を有しており、これと同様の働きをする。負荷電流補償電流演算回路120は、電流制御モード並列補償コンバータ電流目標値信号を出力する
【0092】
並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130は、電流制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値信号または電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値信号と並列補償コンバータ出力電流検出値Icから両者の偏差がゼロになるために必要な並列補償コンバータ出力電圧の変化分(以下、並列補償コンバータ出力電圧変化分指令信号という)を演算する。
【0093】
並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140は、図14および図15で説明した並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140と同様の構成を有しており、これと同様の働きをする。
【0094】
PWM制御回路150およびキャリア信号発生回路155は、図14および図15で説明したPWM制御回路150およびキャリア信号発生回路155と同様の構成を有しており、これと同様の働きをする。
【0095】
ゲートドライブ回路160は、図14および図15で説明したゲートドライブ回路160と同様の構成を有しており、これと同様の働きをする。
【0096】
電流/電圧制御モード切替器170は、負荷電流補償電流演算回路120からの電流制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値信号または入力電圧制御演算回路180からの後述する電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値信号のいずれかを上流開放検出回路85からの制御モード選択信号に基づいて選択し、並列補償コンバータ10を電流制御モードで動作させるか電圧制御モードで動作させるかを選択する。
【0097】
入力電圧制御演算回路180は、入力電圧検出値Viと、入力電圧基準値設定器191からの入力電圧基準値Vi*と、入力周波数基準値設定器193からの入力周波数基準値ω0と、時限設定器195からの時限値Tが入力され、上流開放検出回路85からの起動信号を受けた瞬間における入力電圧検出値Viおよびその周波数、入力電圧基準値Vi*(例えば定格の95%)、入力周波数基準値ω0(例えば50Hz)、時限値Tから、入力電圧が、起動信号を受けた瞬間における入力電圧および入力周波数から時限値T後に基準電圧および基準周波数になるために必要な並列補償コンバータ10が出力すべき電流(以下、電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値という)を演算する。
【0098】
入力スイッチ80は、上流開放検出回路85からの入力スイッチ開放信号を受けると開放するとともに、確実に開放したことを検出して入力スイッチ開放アンサーバック信号を出力する。
【0099】
上流開放検出回路85は、入力電圧の周波数または電圧を監視し、入力電圧に周波数低下もしくはもしくは電圧低下を検出したときに、入力スイッチ80に入力スイッチ開放信号を出力する。さらに、上流開放検出回路85は、入力スイッチ80からの入力スイッチ開放アンサーバック信号を受けたときに、電流/電圧制御モード切替器170に制御モード切替信号を出力するとともに、入力電圧制御演算回路180に起動信号を出力する。
【0100】
並列補償コンバータ10から安定した電圧を確立させることによって、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の電流閉回路が形成され、重要負荷70へ安定した電力を供給することができる。その制御方法の概要を以下に説明する。
【0101】
上流側に開放事故が発生すると、図22および図23の説明で述べた理由により入力電圧が低下もしくは入力周波数が低下する。上流開放検出回路85は、入力電圧検出値Viから入力電圧の低下(例えば定格電圧の90%)もしくは入力周波数の低下(例えば49.5Hz(50Hz定格))を検出すると、入力スイッチ80に入力スイッチ開放信号を出力する。
この入力スイッチ開放信号を受けた入力スイッチ80は、開放して電力系統60と直並列補償方式瞬低対策システムを分離し、確実に開放したことを検出して入力スイッチ開放アンサーバック信号を出力する。
【0102】
入力スイッチ開放アンサーバック信号を受けた上流開放検出回路85は、電流/電圧制御モード切替器170に制御モード切替信号を出力するとともに、入力電圧制御演算回路180に起動信号を出力する。なお、入力スイッチ80から入力スイッチ開放アンサーバック信号を受けてから制御モード切替信号および起動信号を出力することに代えて、入力スイッチ開放信号を出力した後、入力スイッチ80が開放する十分な時間をとり、この時間後、制御モード切替信号および起動信号を出力しても良い。
【0103】
制御モード切替信号を受けた電流/電圧制御モード切替器170は、並列補償コンバータ10の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードへ瞬時に切り替える。
【0104】
起動信号を受け入力電圧制御演算回路180は、起動信号を受けた瞬間における入力電圧検出値Viおよび起動信号を受けた瞬間における入力周波数、ならびに、入力電圧基準値Vi*(例えば定格の95%)および入力周波数基準値ω0(例えば50Hz)および時限値Tを用いて、時限後に入力電圧を基準電圧Vi*および基準周波数ω0にするために必要な並列補償コンバータ10が出力すべき電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値を演算する。
【0105】
電圧制御モードにおける並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130以降の動作は、図14およびその説明に示した従来技術の動作において、「並列補償コンバータ出力電流目標値」を「電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値」と読み替えることによって同様になされる。
【0106】
以上の制御動作により、上流開放検出回路85を用いて入力電圧の周波数低下もしくは電圧低下により上流開放事故を検出し、入力スイッチ80を開放した後、並列補償コンバータ10の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替える。
【0107】
並列補償コンバータ10は、入力電圧および周波数を時限後に基準値になるようにその電流を出力し、その結果、入力電圧および周波数を基準値に制御することができるので、電圧低下もしくは周波数低下による並列補償コンバータの自己防衛機能が働く前に並列補償コンバータ10から安定した電圧を確立させることができ、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の電流閉回路を形成させることにより重要負荷70へ安定した電力を供給することができる。
【0108】
上記、並列補償コンバータ制御回路100の具体的な回路構成を図3を用いて説明する。
本発明においては、直流中間回路電圧補償電流演算回路110と、負荷電流補償電流演算回路120と、補償並列コンバータ出力電流制御演算回路130と、並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140と、PWM制御回路150と、キャリア信号発生回路155と、ゲートドライブ回路160は、図15に示した回路と同様の構成を有し同様に働くので、その詳細な説明を省略する。
【0109】
入力電圧制御演算回路180は、3相2相変換回路(3φ/2φ)181と、入力周波数目標値発生回路182と、正相回転座標変換回路(VD)183と、直流成分抽出回路184と、入力電圧目標値発生回路185と、減算器186d,186qと、入力電圧制御回路AVR(VI)187と、正相逆回転座標変換回路(VD-1)188と、2相3相変換回路(2φ/3φ)189とを有して構成される。直流成分抽出回路184は、ローパスフィルタによって構成されるが、これに代えてハイパスフィルタと減算器によって構成しても良い。
【0110】
3相2相変換回路(3φ/2φ)181には、入力電圧R相検出値ViR、入力電圧S相検出値ViS、入力電圧T相検出値ViTが入力され、2相交流であるα―β座標軸に変換する。以下この変換された信号を入力電圧α成分および入力電圧β成分信号という。
【0111】
入力周波数目標値発生回路182は、入力電圧R相検出値ViR、入力電圧S相検出値ViS、入力電圧T相検出値ViTと、入力周波数基準値ω0および時限値Tと、起動信号が入力され、起動信号を受けた瞬間はそのときにおける入力電圧の周波数ωaと同期させ、その後は時限値T後に入力周波数基準値ω0になるような基準余弦波信号cosω*h×tおよび基準正弦波信号sinω*h×tを出力する。
【0112】
正相回転座標変換回路183は、入力電圧α成分信号、入力電圧β成分信号、基準余弦波信号cosω*h×tおよび基準正弦波信号sinω*h×tから入力電圧を入力周波数目標値と同一速度で同一方向に回転する直交正相回転座標変換軸(d―q座標軸)を基準にして座標変換し、正相二軸成分の直流量として分離検出する。以下この変換された信号を入力電圧d成分信号、入力電圧q成分信号という。この入力電圧d成分信号の直流成分は基本波正相成分を示し、交流成分は、逆相正分、高調波成分を示し、入力電圧q成分信号は、逆相正分、高調波成分を示すことは公知の事実である。
【0113】
直流成分抽出回路184において、入力電圧d成分信号をローパスフィルターを通すことによって、直流成分を抽出する。入力電圧d成分をハイパスフィルタにより交流成分を抽出し、この信号を入力電圧d信号から減算器により減算してもよい。この結果出力される信号を、以下、入力電圧d成分直流信号という。
【0114】
入力電圧目標値発生回路185は、入力電圧d成分直流信号、入力電圧基準値Vi*および時限値Tならびに起動信号が入力され、起動信号を受けた時間は、そのときにおける入力電圧d成分直流信号を発生させ、その後は時限値T後に基準値Vi*となるような信号Vi*h(以下、「入力電圧d成分目標値信号」という)を。また、入力電圧q成分信号目標値信号としてゼロを出力する。
【0115】
減算器186dは、入力電圧目標値発生回路185から出力された入力電圧d成分目標値信号Vi*hから正回転座標変換回路183から出力された入力電圧d成分信号を減算した入力電圧d成分偏差信号を出力する。減算器186qは、入力電圧目標値発生回路185から出力されたゼロ値から正回転座標変換回路183から出力された入力電圧q成分信号を減算した入力電圧q成分偏差信号を出力する。なお、入力電圧q成分偏差信号の演算は、入力電圧q成分信号を極性反転回路により極性反転させて得るようにしても良い。
【0116】
例えば、PI制御回路から構成される入力電圧制御回路(AVR(VI))187は、入力電圧d成分偏差信号、入力電圧q成分偏差信号をゼロにするのに必要な並列補償コンバータ10から出力すべきd成分電流信号(以下、電圧制御モード並列補償コンバータd成分電流目標値信号という)、q成分電流信号(以下、電圧制御モード並列補償コンバータq成分電流目標値信号という)を出力する。なお、本回路は、定常偏差をゼロにするために必要な回路であり、必ずしも必須の回路ではない。
【0117】
電圧制御モード並列補償コンバータd成分電流目標値信号、電圧制御モード並列補償コンバータq成分電流目標値信号、基準余弦波信号cosω*h×tおよび基準正弦波信号sinω*h×tを正相逆回転座標変換回路188に入力して、d―q座標軸から2相交流であるα―β座標軸に変換する。さらに、この信号を2相3相変換回路189で3相交流座標軸に変換し、並列補償コンバータ10が出力すべき入力電圧および周波数の目標値に追従させ、入力電圧を平衡化し、高調波をキャンセルするのに必要なR相電流信号(以下、電圧制御モード並列補償コンバータR相出力電流目標値信号)およびT相電流信号(以下、電圧制御モード並列補償コンバータT相出力電流目標値信号という)を出力する。
【0118】
電流/電圧制御モード切替器170は、上流開放検出回路85からの制御モード切替信号に基づいて、電流制御モード選択時には負荷電流補償電流演算回路120からの出力を選択し、電圧制御モード選択時には入力電圧制御演算回路180からの出力を選択して、並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130へ出力する。
【0119】
並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130以降の動作は、図15の場合と同様である。
【0120】
上流開放検出回路85は、各相の入力電圧検出値Viから入力電圧の低下(例えば定格電圧の90%)もしくは入力周波数の低下(例えば49.5Hz(50Hz定格))を検出すると入力スイッチ80に入力スイッチ開放信号を出力する。
【0121】
入力スイッチ開放信号を受けた入力スイッチ80は、開放し、確実に開放したことを検出して入力スイッチ開放アンサーバック信号を出力する。
【0122】
入力スイッチ開放アンサーバック信号を受けて上流開放検出回路85は、電流/電圧制御モード切替器170に制御モード切替信号を出力するとともに、入力電圧制御演算回路180に起動信号を出力する。
【0123】
なお、入力スイッチから入力スイッチ開放アンサーバック信号を出力し、この信号を受けて、起動信号および制御モード切替信号を生成することに代えて、入力スイッチ80が開放するのに十分な時間をとり、この時間後、制御モード切替信号および起動信号を出力する構成としても良い。
【0124】
制御モード切替信号を受けた電流/電圧制御モード切替器170は、並列補償コンバータ10の運転モードを電流制御モードから電圧制御モードへ瞬時に切り替える。
【0125】
図4〜図6を用いて、この制御モード切替による実施の形態の無停電電源システムにおける電流および電力の流れを説明する。
<上流事故発生時>
図4に示すように、上流開放事故発生前に電力系統の電圧が、例えば重要負荷70の定格電圧の95%だったとすると、入力電圧が重要負荷の定格電圧の95%であることから、直列補償インバータ20は、重要負荷の定格電圧の5%の電圧を発生させて、直列トランス50を介して入力電圧に重畳させ重要負荷には100%の電圧を確立させている。
【0126】
上流側に開放事故が発生すると、並列補償コンバータ10は、重要負荷の定格電圧の95%の電圧を確立し、重要負荷70に供給する電力の95%を供給する。直列補償インバータ20は、重要負荷の定格電圧の5%の電圧を確立し、重要負荷に供給する電力の5%を供給する。
【0127】
重要負荷の電流は、並列補償コンバータ10が供給源になり並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の閉ループを形成する。直列補償インバータ20の出力電流Iiは、直列トランス50の二次巻線を介して閉ループを構成する。
【0128】
電力貯蔵媒体30は、並列補償コンバータ10および直列補償インバータ20へ電力Pesを供給している。これはちょうど重要負荷70に供給する電力の100%に相当する。
したがって、電力貯蔵媒体30の電圧は急激に低下する。直流中間回路の電圧を一定に保つために並列補償コンバータ制御回路100の動作により並列補償コンバータ10は、電源ラインから電力を吸収する動作を行おうとする。このため並列補償コンバータ10の出力電圧は低下もしくは周波数が遅れるようになる。電流および電力の流れは、周波数にはあまり関係しないので以下の説明は周波数に関して無視して説明する。
【0129】
<上流開放検出回路85により例えば入力電圧が90%まで低下したことを検出して入力スイッチ80を開放したとき>
図5に示すように、例えば、入力電圧が重要負荷の定格電圧の90%まで低下したことを上流開放検出回路85が検出すると、入力スイッチ開放信号が出力され入力スイッチ80が開放される。並列補償コンバータ10は、電圧低下による自己防衛機能により停止する前に、前述の制御モード切替動作により電流制御モードから電圧制御モードへ切り替えられる。この時間は瞬時にして行われるので入力電圧は重要負荷定格電圧の90%のままである。
【0130】
直列補償インバータ20は、入力電圧が重要負荷の定格電圧の90%であるので、重要負荷の定格電圧の10%の電圧を発生させ、直列トランス50を介して入力電圧に重畳させ、重要負荷には定格電圧の100%の電圧を確立させる。
【0131】
重要負荷の電流は、並列補償コンバータ10が供給源になり並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の閉ループを形成している。また、直列補償インバータ20の出力電流Iiは、直列トランス50の二次巻線を介し閉ループを構成している。
【0132】
並列補償コンバータ10は、重要負荷定格電圧の90%の電圧を確立しているので重要負荷に供給する電力の90%を供給している。また、直列補償インバータ20は重要負荷定格電圧の10%の電圧を確立しているので重要負荷に供給する電力の10%を供給している。
【0133】
電力貯蔵媒体30は、並列補償コンバータ10および直列補償インバータ20の電力Pesを供給している。これはちょうど重要負荷に供給する電力の100%に相当する。したがって、電力貯蔵媒体30の電圧は依然として急激に低下するが、並列補償コンバータ10は電圧制御モードに切り替えられているので、これ以上の入力電圧の低下または周波数の低下はなく自己防衛機能により並列補償コンバータ10は停止する恐れはない。
その後、前述の制御動作により、入力電圧は基準の例えば95%まで、時限Tを伴い徐々に上昇していく。
【0134】
<入力電圧が基準値、例えば95%に並列補償コンバータ10が制御されている時>
図6に示すように、この時の電流や電力の流れは入力スイッチ80が開放していることを除き、図4に示した<上流事故発生時>と同じである。
【0135】
このように、本発明に実施の形態によれば、上流に開放事故が発生した場合であっても、電力貯蔵媒体30に並列補償コンバータ10および直列補償インバータ20を駆動する電力が貯蔵されている間は、並列補償コンバータ10は自己防衛機能によって停止することが無くなり、重要負荷70への電力供給を維持することができる。
【0136】
図7〜図9を用いて、本発明の第二の実施の形態を説明する。この実施の形態は、ガスエンジンまたはガスタービンによって常時駆動される発電機69を電源ラインの入力側に設け、高速遮断システム98を介して電力系統60に連系させた無停電電源システムの実施の形態である。
【0137】
この無停電電源システムは、図7に示すように、直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機69と、直並列補償方式瞬低対策システムおよび該発電機と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた点に特徴を有している。
【0138】
すなわち、この無停電電源システムは、重要負荷70と、該重要負荷に電力を供給する電力系統60と、電力系統60に連系して接続されガスタービンエンジンまたはガスエンジンによって常時運転される発電機69と、電力系統と発電機69の連系を遮断する高速遮断システム98と、並列トランス40と、直列トランス50と、双方向に電力変換できる並列補償コンバータ10と、双方向に電力変換できる直列補償インバータ20と、電力貯蔵媒体30とを有して構成される。
【0139】
この無停電電源システムは、高速遮断システム98を用いて発電機69の自己防衛機能が働く前に発電機を電力系統60から分離し発電機を自立運転に移行させて、電力系統における短絡事故等発生時の発電機のトリップを防ぐことにより、発電機69→直列トランス50→重要負荷70→発電機69の電流閉ループの構成を維持し重要負荷70には安定して電力を供給する。
【0140】
この実施の態様で用いる高速遮断システム98は、電力系統に停電または瞬低が発生すると、発電機の過負荷か過電流による自己防衛機能が働く前やガスタービンと発電機を接続するシアピンが破断する前に高速に電力系統60から発電機69を分離する機能を有している。
【0141】
この高速遮断システム98は、具体的には、特開平5−22865号公報、特開平6−339227号公報、特開平6−296330号公報、特開平6−339300号公報、特開平7−271401号公報、特開平8−126210号公報などに示される高速遮断システムを用いることができ、例えば、遮断器と、発電機69の瞬時電力をサンプルする手段と、3サンプル連続して瞬時電力が設定値を越えたときに遮断信号を出力する手段と、該遮断信号が出力されると遮断器を遮断する動作手段を有しており、発電機69の瞬時電力を検出し、瞬時電力が設定値を越えたきに高速に遮断動作を行う高速遮断システムとして構成される。本発明においては、高速遮断システム98は、高速に遮断し発電機を継続運転できる遮断システムであれば、いかなるシステムでも使用することができる。
【0142】
第二の実施の形態にかかる高速遮断システムを用いた場合の各部の電流および電力の流れを図8から図12を用いて説明する。
図8を用いて短絡事故(瞬低)発生時の電流および電力の流れを説明する。
電力系統60に、例えば、発電機69に近いところで短絡事故(瞬低)が発生した瞬間の発電機69の電圧を例えば重要負荷の定格電圧に対して60%とする。これは、図17に示した従来の例では、発電機の電圧は重要負荷定格電圧の70%であったが、事故点が発電機69に近いことを反映させたため従来の例より10%減とした。
【0143】
したがって、重要負荷の定格電圧の40%を直列補償インバータ20から直列トランス50を介して重畳させ、重要負荷70には定格電圧の100%の電圧が維持されているとすると、発電機69が重要負荷に供給する電力である発電機重要負荷電力PgLは、重要負荷の電力である重要負荷電力PLの60%であり、直列補償インバータ20から重要負荷に供給する電力である直列補償インバータ出力電力Piは、重要負荷電力PLの40%である。又発電機短絡電流Igsは事故点が発電機69に近いので相当大きくなる。
【0144】
電力貯蔵媒体30は、直列補償インバータ出力電力Piと並列補償コンバータ電力Pcの差に相当する分の電力(例えば、この例では、重要負荷電力PLの25%程度)を供給する。言い換えると重要負荷電力の40%に相当する電力である、直列補償インバータ20の出力電力Piのうち60%程度が電力貯蔵媒体30から出力され、残りの40%程度は並列補償コンバータ電力の源である発電機69から供給されていることになる。上記以外は従来と変わらない。
【0145】
図9を用いて高速遮断システム開放直後の電流および電力の流れを説明する。高速遮断システムの開放直後には、図9に示すように、短絡事故点が発電機69に近いところで、発電機短絡電流Igsが相当大きくても、高速遮断システム98により短絡事故(瞬低)を検出して0.2秒程度以下という短い時間に電力系統60と発電機69を遮断・分離することができるから、発電機短絡電流Igsが遮断され、発電機短絡電力Pgsも遮断されるので発電機69の過負荷が解消され確実に発電機69を自立運転に移行することが可能である。また、各電力の流れは上記と変わらない。
【0146】
高速遮断システム98開放後発電機電圧がある程度(定格電圧の90%)回復したときの電流と電力の流れは、図10に示すように、従来における図19の電流および電力の流れと変わらない。
【0147】
高速遮断システム98開放後発電機電圧が回復(定格電圧の95%)したときの電流と電力の流れは、図11に示すように、従来における図20の電流および電力の流れと変わらない。
【0148】
高速遮断システム98開放後発電機電圧が回復してしばらくたったときの電流と電力の流れは、図12に示すように、従来における図21の電流および電力の流れと変わらない。
【0149】
以上のように、高速遮断システム98を用い発電機69の自己防衛機能が働く前に発電機69を電力系統60から分離して発電機69を自立運転に移行させることにより、直並列補償方式瞬低対策システム上流側の開放モードを防止することができ、発電機69→直列トランス50→重要負荷70→発電機69の電流閉ループの構成を維持し、重要負荷に安定して電力を供給することができる。
【0150】
直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機19と直並列補償方式瞬低対策システムおよび発電機19と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた無停電電源システムにおける並列補償コンバータ10の容量について、以下に検討する。
【0151】
並列補償コンバータ10の容量を少なくとも電力貯蔵媒体30の充電に必要な容量以上、例えば重要負荷容量の15%以上にする。並列補償コンバータ10の容量をこのような値とすることによって、並列補償コンバータの容量を削減することができ、コストの削減、効率の向上、設置費用の削減、スペースメリットの向上を図ることができる。
【0152】
重要負荷70の不平衡を補償する必要がある場合は、並列補償コンバータ10の容量を、少なくとも電力貯蔵媒体30の充電に必要な容量および重要負荷70の不平衡を補償する容量の合計値以上にする。並列補償コンバータ10の容量をこのような値とすることによって、並列補償コンバータの容量を削減することができ、コストの削減、効率の向上、設置費用の削減、スペースメリットの向上を図ることができる。
【0153】
重要負荷の高調波を補償する必要がある場合は、並列補償コンバータ10の容量を、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量および重要負荷の高調波を補償する容量の合計値以上にする。並列補償コンバータ10の容量をこのような値とすることによって、並列補償コンバータの容量を削減することができ、コストの削減、効率の向上、設置費用の削減、スペースメリットの向上を図ることができる。
【0154】
重要負荷の不平衡および高調波を補償する必要がある場合は、並列補償コンバータ10の容量を、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量ならびに重要負荷の高調波および不平衡を補償する容量の合計値以上にする。並列補償コンバータ10の容量をこのような値とすることによって、並列補償コンバータの容量を削減することができ、コストの削減、効率の向上、設置費用の削減、スペースメリットの向上を図ることができる。
【0155】
上述のように並列補償コンバータ10の容量を限定できる理由は以下のとおりである。すなわち、発電機69を連系していないときには重要負荷70への電力の供給源はほとんどが並列補償コンバータ10を介して電力貯蔵媒体30からなされており、一方、高速遮断システム98を使用し発電機69を連系しているときには、重要負荷70への電力の供給源は発電機69および直列補償インバータ20を介した電力貯蔵媒体30からなされるので、並列補償コンバータ10は電力貯蔵媒体30に充電する容量で済むことが理由である。
【0156】
例えば、図4において、上流側に開放事故が発生したときには、電力貯蔵媒体30から並列補償コンバータ10を介して、重要負荷70の電力にほぼ相当する電力を供給している。したがって、並列補償コンバータ10の容量は、少なくとも重要負荷70の容量以上が必要となる。
【0157】
一方、直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機19と直並列補償方式瞬低対策システムおよび発電機19と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた無停電電源システムにおいては、図8〜図12に示すように、短絡事故発生時から高速遮断システム98開放後に発電機電圧が回復してしばらくたったときのいずれのときにおいても、並列補償コンバータ10の電力は、電力貯蔵媒体30を充電する電力ですんでおり、並列補償コンバータ10の容量は、同様に電力貯蔵媒体10を充電する容量で足りている。
【0158】
直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機19と直並列補償方式瞬低対策システムおよび発電機19と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた無停電電源システムにおける直列補償インバータ20の容量について、以下に検討する。
【0159】
直列補償インバータ20の容量を少なくとも高速遮断システムにより限定された発電機69の電圧低下を補償するに足る容量(例えば重要負荷容量の40%程度)以上とする。直列補償インバータの容量をこのような値とすることによって、直列補償インバータの容量を削減することができ、コストの削減、効率の向上、設置費用の削減、スペースメリットの向上を図ることができる。
【0160】
上述のように直列補償インバータの容量を限定できる理由は以下のとおりである。高速遮断システム98を使用すると遮断時間は0.2秒程度以下に限定される。遮断時間の間は発電機短絡電流Igsが事故点に向け流れるが、この時のエネルギーは主に発電機69の慣性によるものであり、この慣性エネルギーにより発電機69の電圧の低下度は限定される。したがって、電圧の低下度が限定されるので直列補償インバータ20はその限定された電圧低下を補償するに足る容量で済むことになる。
【0161】
例えば、図8〜図12に示すように、短絡事故発生時から高速遮断システム98開放後に発電機電圧が回復してしばらくたったときのいずれのときにおいても、直列補償インバータ20の出力電力は、高速遮断システム98により限定された発電機69の電圧低下を補償するのに必要な電力しか供給しておらず、直列直列補償インバータ20の容量も同様に発電機69の電圧低下を補償するのに必要な容量で足りている。
【0162】
直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機19と直並列補償方式瞬低対策システムおよび発電機19と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた無停電電源システムにおける電力貯蔵手段30の出力容量について、以下に検討する。
【0163】
電力貯蔵媒体30の出力容量を高速遮断システムによる限定された発電機の電圧低下を補償するに足る出力容量(例えば、重要負荷容量の40%程度)以上とする。このように電力貯蔵媒体30の出力容量を限定することにより、電力貯蔵媒体30の容量を削減することができ、コストの削減、効率の向上、設置費用の削減、スペースメリットの向上を図ることができる。
【0164】
上述のように、電力貯蔵媒体30の出力容量を限定できる理由は、以下のとおりである。既に述べた直列補償インバータの容量を限定できる理由で示したとおり、直列補償インバータの容量は、高速遮断システムにより限定された発電機69の電圧低下を補償するに足る容量(例えば重要負荷電力の40%程度)に限定される。したがって、電力貯蔵媒体30の出力容量も同様に高速遮断システムにより限定された発電機69の電圧低下を補償するに足る容量(例えば重要負荷電力の40%程度)に限定される。
【0165】
例えば、図8〜図12に示すように電力系統に短絡事故発生時から高速遮断システム開放後発電機電圧が回復してしばらくたったときのいずれにおいても、電力貯蔵媒体の出力は高速遮断システムによる限定された発電機の電圧低下を補償するに足る出力で足りている。
【0166】
直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機19と直並列補償方式瞬低対策システムおよび発電機19と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた無停電電源システムにおける電力貯蔵手段30のエネルギー容量について、以下に検討する。
【0167】
電力貯蔵媒体30のエネルギー容量を少なくとも(電力系統の短絡事故発生時から高速遮断システムが開放する時間+高速遮断システムが開放し発電機電圧が定格まで回復する時間)×前記高速遮断システムによる限定された発電機の電圧低下を補償するに足る出力容量以上とする。このように電力貯蔵手段30のエネルギー容量を限定することにより、電力貯蔵媒体30の容量を削減することができ、コストの削減、効率の向上、設置費用の削減、スペースメリットの向上を図ることができる。
【0168】
上述のように、電力貯蔵媒体のエネルギー容量を限定できる理由は以下のとおりである。電力貯蔵媒体30の出力の時間は電力系統に短絡事故発生から高速遮断システムが開放する時間+高速遮断システムが開放し発電機電圧が定格まで回復する時間で限定され、電力貯蔵媒体30の出力容量はこの出力容量に関する既述の理由により前記高速遮断システムによる限定された発電機の電圧低下を補償するに足る出力容量で限定される。したがって、電力貯蔵媒体30のエネルギー容量は、出力時間×出力容量として、(電力系統の短絡事故発生時から高速遮断システムが開放する時間+高速遮断システムが開放し発電機電圧が定格まで回復する時間)×前記高速遮断システムによる限定された発電機の電圧低下を補償するに足る出力容量で足りることになる。
【0169】
【発明の効果】
上流の開放事故(系統の完全な停電、電力系統の断線、上流遮断器の開放等)が発生しても、上流開放検出回路85によって入力電圧の周波数低下もしくは電圧低下により上流開放事故を検出し、入力スイッチ80を開放したあと、並列補償コンバータ10の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替えることにより、並列補償コンバータ10は、入力電圧・周波数を時限後に基準値になるようにその電流を出力し、その結果、入力電圧・周波数は基準値に制御することができる。このため、電圧低下もしくは周波数低下による並列補償コンバータ10の自己防衛機能が働く前に、並列補償コンバータ10から安定した電圧を確立させることができるので、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の電流閉回路を形成させることにより重要負荷70へ安定した電力を供給することができる。
【0170】
直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機19と直並列補償方式瞬低対策システムおよび発電機19と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた場合には、絡事故点が発電機69に近いところであって、発電機短絡電流Igsが相当大きくても、高速遮断システム98により短絡事故(瞬低)を検出して0.2秒程度以下という短い時間に電力系統60と発電機69を遮断・分離することができるから、発電機短絡電流が遮断され、発電機短絡電力も遮断されるので発電機69の過負荷が解消され確実に発電機69を自立運転に移行することが可能である。
高速遮断システム98を用い発電機69の自己防衛機能が働く前に発電機69を電力系統から分離し発電機69を自立運転に移行させることにより、直並列補償方式瞬低対策システムの上流側の開放モードの発生を防止することにより、発電機69→直列トランス60→重要負荷70→発電機69の電流閉ループの構成を維持し重要負荷70には安定して電力を供給することができる。
【0171】
直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機19と直並列補償方式瞬低対策システムおよび発電機19と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた無停電電源システムにおいて、並列補償コンバータ10の容量を、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量以上、例えば重要負荷容量の15%程度以上にすること、または重要負荷の不平衡を補償する必要がある場合は、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量および重要負荷の不平衡を補償する容量の合計値以上にすること、または、重要負荷の高調波を補償する必要がある場合は、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量および重要負荷の高調波を補償する容量の合計値以上にすること、または、重要負荷の不平衡および高調波を補償する必要がある場合は、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量ならびに重要負荷の高調波および不平衡を補償する容量の合計値以上にすることにより、並列補償コンバータ10の容量を削減することができ、コストの削減、効率の向上、設置費用の削減、スペースメリトの向上がはかれる。
【0172】
直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機19と直並列補償方式瞬低対策システムおよび発電機19と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた無停電電源システムにおいて、直列補償インバータ20の容量を少なくとも高速遮断システム98により限定された電圧低下を補償するに足る容量以上(例えば重要負荷容量の40%程度以上)とすることにより上記と同様なメリットがある。
【0173】
さらに、直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機19と直並列補償方式瞬低対策システムおよび発電機19と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた無停電電源システムにおいて、電力貯蔵媒体30の出力容量を、少なくとも高速遮断システム98により限定された電圧低下を補償するに足る容量以上(例えば重要負荷容量の40%程度以上)とすることにより上記と同様なメリットがある。
【0174】
直並列補償方式瞬低対策システムに並列に接続されたガスタービンやガスエンジンによって常時運転される発電機19と直並列補償方式瞬低対策システムおよび発電機19と電力系統60の間に高速遮断システム98を設けた無停電電源システムにおいて、電力貯蔵手段30のエネルギー容量を少なくとも(電力系統の短絡事故発生時から高速遮断システムが開放する時間+高速遮断システムが開放し発電機電圧が定格まで回復する時間)×前記高速遮断システムによる限定された発電機の電圧低下を補償するに足るエネルギー容量以上とすることによって、電力貯蔵媒体30の出力容量を削減することができ、コストの削減、効率の向上、設置費用の削減、スペースメリットの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる上流開放事故に対応する無停電電源システムの構成を示すブロック図。
【図2】図1の無停電電源システムの並列補償コンバータ制御回路の構成を示すブロック図。
【図3】図1の無停電電源システムの並列補償コンバータ制御回のより詳細な構成を示すブロック図。
【図4】本発明にかかる無停電電源システムにおける上流開放事故発生時の電流および電力の流れを説明する図。
【図5】本発明にかかる本発明にかかる無停電電源システムにおける上流開放事故発生時に上流開放検出回路85により入力電圧が90%まで低下したことを検出して入力スイッチを開放したときの電流および電力の流れを説明する図。
【図6】上流スイッチが開放し、入力電圧が95%(基準値)となるように並列補償コンバータが制御されているときの電流および電力の流れを説明する図。
【図7】本発明にかかる無停電電源システムの高速遮断器を用いた実施の形態の構成を示すブロック図。
【図8】図7の無停電電源システムの電力系統短絡事故発生時の電流および電力の流れを説明する図。
【図9】図7の無停電電源システムの高速遮断システム開放直後の電流および電力の流れを説明する図。
【図10】図7の無停電電源システムの高速遮断システム開放後発電機電圧がある程度(定格の90%)回復したときの電流および電力の流れを説明する図。
【図11】図7の無停電電源システムの高速遮断システム開放後発電機電圧が回復(定格の95%)したときの電流および電力の流れを説明する図。
【図12】図7の無停電電源システムの高速遮断システム開放後発電機電圧が回復してしばらくたったときの電流および電力の流れを説明する図。
【図13】従来の直並列補償方式瞬低対策システムの構成を示すブロック図。
【図14】図13の直並列補償方式瞬低対策システムの並列補償コンバータ制御回路の構成を示すブロック図。
【図15】図14の直並列補償方式瞬低対策システムの並列補償コンバータ制御回路のより詳細な構成を示すブロック図。
【図16】従来のガスエンジンまたはガスタービンで駆動される発電機と組み合わせた直並列補償方式瞬低対策システムの構成を示すブロック図。
【図17】図16の直並列補償方式瞬低対策システムにおいて電力系統に短絡事故が発生したときの電流および電力の流れを説明する図。
【図18】図16の直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、遮断器開放直後の電流および電力の流れを説明する図。
【図19】図16の直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、遮断器開放後発電機電圧がある程度(定格の90%)回復したときの電流および電力の流れを説明する図。
【図20】図16の直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、遮断器開放後発電機電圧が回復(定格の95%)したときの電流および電力の流れを説明する図。
【図21】図16の直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、遮断器開放後発電機電圧が回復してしばらくたったときの電流および電力の流れを説明する図。
【図22】従来の直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、上流側に開放事故が発生したときの電流および電力の流れを説明する図。
【図23】従来の直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、上流側に開放事故が発生したことにより並列補償コンバータが自己防衛機能により停止したときの電流および電力の流れを説明する図。
【図24】図16の直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、発電機に近い電力系統で短絡事故発生時の電流および電力の流れを説明する図。
【図25】図16の直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、発電機が自己防衛機能によりトリップし、発電機保護用の遮断器開放時の電流および電力の流れを説明する図。
【図26】図16の直並列補償方式瞬低対策システムにおいて、上流開放モードが発生し、並列補償コンバータが自己防衛機能により停止したときの電流および電力の流れを説明する図。
【符号の説明】
10 並列補償コンバータ
20 直列補償インバータ
30 電力貯蔵媒体
35 直流中間回路電圧検出回路
40 並列トランス
50 直列トランス
60 電力系統
63 並列補償コンバータ出力電流検出回路
65 負荷電流検出回路
67 入力電圧検出回路
69 発電機
70 重要負荷
80 入力スイッチ
85 上流開放検出回路
90 遮断器
95 瞬低検出回路
98 高速遮断システム
100 並列補償コンバータ制御回路
110 直流中間回路電圧補償電流演算回路
111 減算器
112 直流中間回路電圧制御回路(AVR(EDC))
120 負荷電流補償電流演算回路
121 3相2相変換回路
122 基準信号発生回路
123 正相回転座標変換回路
124 交流成分抽出回路
125 加算器
126 正相逆回転座標変換回路
127 2相3相変換回路
130 並列補償コンバータ出力電流制御演算回路
131R、131T 減算器
132R,132T 並列補償コンバータ出力流制御回路(ACR(IC))
133R,133T フィードフォワード電圧出力回路FF
134R,134T 加算器
135 減算器
140 並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路
141 加算器
150 PWM制御回路
155 キャリア信号発生回路
160 ゲートドライブ回路
170 電流/電圧制御モード切替器
180 入力電圧制御演算回路
181 3相2相変換回路
182 入力周波数目標値発生回路
183 正相回転座標変換回路
184 直流成分抽出回路
185 入力電圧目標値発生回路
186d、186q 減算器
187 入力電圧制御回路(AVR(VI))
188 正相逆回転座標変換回路
189 2相3相変換回路
191 入力電圧基準値設定器
193 入力周波数基準値設定器
195 時限設定器
200 直列補償インバータ制御回路
1241 ローパスフィルタ
1242 減算器

Claims (13)

  1. 電力系統と、該電力系統から給電され電力系統の瞬時電圧低下(以下、瞬低という)を許容しない負荷と、前記電力系統と前記負荷との間に設けた電源ラインに並列に挿入された並列トランスと電源ラインに直列に接続された直列トランスと前記並列トランスに接続された双方向に電力変換できるPWM制御コンバータ(以下、並列補償コンバータという)と前記直列トランスに接続された双方向に電力変換できるPWM制御インバータ(以下、直列補償インバータという)と前記並列補償コンバータと前記直列補償インバータの間に接続された電力貯蔵媒体と前記並列補償コンバータを制御する並列補償コンバータ制御回路と前記直列補償インバータを制御する直列補償インバータ制御回路とから構成され電力系統の瞬低に対応する直並列補償方式瞬時電圧低下対策システム(以下、直並列補償方式瞬低対策システムという)とを有し、
    前記直並列補償方式瞬低対策システムと前記電力系統の間に、電力系統側の開放事故の発生を検出したときに前記電力系統と前記直並列補償方式瞬低対策システムとの間を遮断するスイッチを設けた
    無停電電源システム。
  2. 直並列補償方式瞬低対策システムの上流側の開放を検出する上流側開放検出回路と、並列補償コンバータの制御モードを電圧制御モードと電流制御モードとに切り替える電流/電圧制御モード切替器を設け、前記電力系統と前記直並列補償方式瞬低対策システムとの間を遮断する前記スイッチの確実な開放を検出した後に、前記並列補償コンバータの制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに変更するようにした請求項1に記載の無停電電源システム。
  3. 電力系統側の開放事故の発生を、直並列補償方式瞬低対策システムの入力電圧の周波数の低下あるいは電圧低下により検出する請求項1または請求項2に記載の無停電電源システム。
  4. 電力系統と、該電力系統から給電され電力系統の瞬低を許容しない負荷と、前記電力系統と前記負荷との間に設けた電力系統の瞬低に対応する直並列補償方式瞬低対策システムと、前記直並列補償方式瞬低対策システムに並列に設けられ前記電力系統と連系して常時運転される発電機とからなる無停電電源システムにおいて、
    前記直並列補償方式瞬低対策システムは、電源ラインに並列に挿入された並列トランスと、電源ラインに直列に接続された直列トランスと、前記並列トランスに接続された双方向に電力変換できる並列補償コンバータと、前記直列トランスに接続された双方向に電力変換できる直列補償インバータと、前記並列補償コンバータと前記直列補償インバータの間に接続された電力貯蔵媒体とから構成され、前記直並列補償方式瞬低対策システムおよび前記発電機の上流側に前記電力系統の瞬低時に前記電力系統と前記直並列補償法式瞬低対策システムおよび前記発電機の間を高速に遮断する高速遮断システムを設けた
    無停電電源システム。
  5. 前記高速遮断システムが、前記発電機の瞬時電力を検出して瞬時電力が設定値を超えたときに遮断動作を行う請求項4に記載の無停電電源システム。
  6. 前記並列補償コンバータの容量を、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量以上、例えば重要負荷容量の15%以上とする請求項4または請求項5に記載の無停電電源システム。
  7. 前記並列補償コンバータの容量を、重要負荷の不平衡を補償する必要がある場合は、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量および重要負荷の不平衡を補償する容量の合計値以上とする請求項4または請求項5に記載の無停電電源システム。
  8. 前記並列補償コンバータの容量を、重要負荷の高調波を補償する必要がある場合には、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量および重要負荷の高調波を補償する容量の合計値以上とする請求項4または請求項5に記載の無停電電源システム。
  9. 前記並列補償コンバータの容量を、重要負荷の不平衡および高調波を補償する必要がある場合には、少なくとも電力貯蔵媒体の充電に必要な容量および重要負荷の不平衡を補償する容量ならびに重要負荷の高調波を補償する容量の合計値以上とする請求項4または請求項5に記載の無停電電源システム。
  10. 前記直列補償インバータの容量を、少なくとも高速遮断システムにより限定された発電機の電圧低下を補償するに足る容量以上、例えば重要負荷容量の40%以上とする請求項4または請求項5に記載の無停電電源システム。
  11. 前記電力貯蔵媒体の出力容量を、少なくとも高速遮断システムによる限定された発電機の電圧低下を補償するに足る出力容量以上、例えば重要負荷容量の40%以上とする請求項4または請求項5に記載の無停電電源システム。
  12. 前記電力貯蔵媒体のエネルギー容量を、少なくとも(電力系統の短絡事故発生から高速遮断システムが開放する時間+高速遮断システムが開放し発電機電圧が定格まで回復する時間)×前記高速遮断システムによる限定された発電機の電圧低下を補償するに足る出力容量以上とする請求項4または請求項5に記載の無停電電源システム。
  13. 前記スイッチの確実な開放を検出した後に、前記スイッチが開放した瞬間における入力電圧および入力周波数を時限後に基準電圧および基準周波数にするために必要な並列補償コンバータが出力すべき電流の目標値を演算しこの目標電流に基づき並列補償コンバータを制御する入力電圧制御演算回路を設けた請求項1に記載の無停電電源システム。
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