JP2000057959A - 荷電粒子発生装置 - Google Patents

荷電粒子発生装置

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JP2000057959A
JP2000057959A JP22789398A JP22789398A JP2000057959A JP 2000057959 A JP2000057959 A JP 2000057959A JP 22789398 A JP22789398 A JP 22789398A JP 22789398 A JP22789398 A JP 22789398A JP 2000057959 A JP2000057959 A JP 2000057959A
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JP
Japan
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insulator
electrons
electrodes
electron
emitter
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JP22789398A
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English (en)
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Kenichi Saito
賢一 斎藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子などの荷電粒子によるビームをより安定
して放出できるようにする. 【解決手段】 碍子105の固有抵抗ρ(Ωm)を、S
/(10L)≦ρ≦SV/(1LI)で表される
範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子ビーム露光
装置,走査型電子顕微鏡等に搭載する電子銃などの荷電
粒子を発生させる荷電粒子発生装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の荷電粒子発生装置の一例として、
文献(K.Saito,J.Kato,N.Shimazu,andA.Shimizu,“A 1O
OkV Electron Gun for the X-Ray Mask Writer,EB-X2",
Proc.SPlE2858,p.2(1996))に掲載されている電子銃を
図2に示す。この電子銃は、電子ビーム露光装置、走査
型電子顕微鏡等の電子銃として用いられている。その構
成について説明すると、まず、電子が放出されるエミッ
タ201を備えている。また、エミッタ201より電子
を引き出すための引き出し電極202を備えている。ま
た、引き出し電極202により引き出された電子の進行
方向に、その電子を加速するための陽極203が配置さ
れている。加えて、エミッタ201側面からの電子の放
出を抑えるためのウエネルト電極204を備えている。
【0003】また、引き出し電極202と陽極203と
は、碍子205により絶縁分離されて固定配置されてい
る。また、引き出し電極202の電子が通り抜ける経路
には、ビーム制限アパーチャ206が設けられている。
また、陽極203の電子が通り抜ける経路には、クロス
オーバ制限アパーチャ207が設けられている。そし
て、引き出し電極202内部とその周囲とに磁界アライ
ナ208が筒状に設けられ、陽極203の電子通過領域
には、やはり筒状に静電アライナ209が配置されてい
る。
【0004】この電子銃の動作について説明すると、ま
ず、エミッタ201の電位を基準にし、引き出し電極2
02には10kV,陽極203には100kV,ウエネ
ルト電極204には約−1kVの電圧を印加する。この
ことにより、エミッタ201から放出された電子は、引
き出し電極202により10kVに加速され、ビーム制
限アパーチャ206に到達する。ビーム制限アパーチャ
206には、直径300μmの円形の穴が開いている。
この穴を通過した電子が、陽極203によって100k
Vに加速され、クロスオーバ制限アパーチャ207に到
達する。クロスオーバ制限アパーチャ207には、直径
50μmの円形の穴が開いており、この穴を通過した電
子が電子銃外に出て、所期の目的に利用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の荷電粒子発生装置では、例えば、クロスオーバ制限
アパーチャ207には電子が衝突するが、これにより、
クロスオーバ制限アパーチャ207から2次電子(後方
散乱電子を含む広義の2次電子)が発生する。図3は、
引き出し電極202−陽極203間の一部領域を拡大し
た断面図である。エミッタから放出された電子ビーム3
01が、例えば、クロスオーバ制限アパーチャ207に
衝突することにより、クロスオーバ制限アパーチャ20
7から2次電子が発生する。その2次電子は、軌跡30
2のような軌道を通り、碍子205に衝突する。この衝
突により、碍子205から2次電子303が放出され、
碍子205の表面には正電荷304が形成される。
【0006】碍子205は絶縁体で形成されているた
め、正電荷304は碍子205の表面に留まり続ける。
そして、その溜まっていく正電荷304の存在により、
碍子205付近の電位分布が変化し、これにともなって
クロスオーバ制限アパーチャ207から発生した2次電
子は、軌跡305のような軌道を通るようになる。これ
により、碍子205の表面において、正電荷304の位
置より上方の領域で、2次電子306および正電荷30
7が生成されるようになる。また、エミッタから放出さ
れた電子ビームは、ビーム制限アパーチャにも衝突し、
ビーム制限アパーチャからも2次電子は発生する。この
2次電子は、例えば、図示していないが、ウエネルト電
極を支持して絶縁分離している碍子にも衝突することに
なる。そして、上述と同様であり、その碍子にも正電荷
が生成されることになる。
【0007】このような原理で、正電荷が蓄積される碍
子205の表面領域が、時間とともに上方に拡大してい
く。そして、その正電荷の蓄積される領域が、引き出し
電極202,碍子205,および,真空領域308中に
おける接合点309に近づいてくると、接合点309に
かかる電界が増大する。この電界がある値を越えると、
電界放出現象により接合点309から電子が放出され、
碍子205の沿面放電を引き起こす。同様に、ウエネル
ト電極など、他の電極間を絶縁分離している碍子におい
ても、その沿面放電が引き起こされる。従来の荷電粒子
発生装置においては、その沿面放電により発生した多量
のイオンや電子が碍子に衝突し、これにより碍子表面や
碍子内部からガスが放出され、エミッタ付近の真空度が
劣化し、電子銃のビーム放出特性が不安定になるという
問題があった。
【0008】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、電子などの荷電粒子によ
るビームをより安定して放出できるようにすることを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の荷電粒子発生
装置は、荷電粒子を放出するエミッタと、エミッタから
放出された荷電粒子を加速するための複数の電極と、電
極間を絶縁分離するための碍子とを備え、碍子が絶縁分
離している2つの電極間の方向の長さをLメートル,碍
子の2つの電極間方向に垂直な面の断面積をS平方メー
トル,碍子の2つの電極間の電位差をVボルト,碍子に
衝突してくる荷電粒子による電流をIアンペア,また,
碍子の発熱量の上限をaワットとしたとき、碍子の固有
抵抗は、SV2 /(aL)以上かつSV/(10LI)
以下であるようにした。以上のように構成したので、碍
子が接触している電極から碍子表面に電子が供給される
ようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1(a)は、この発明の実施の形
態における荷電粒子発生装置の一部構成を示す断面図で
ある。ここでは、電子銃を例にとり説明する。この実施
の形態1における電子銃は、電子ビーム露光装置,走査
型電子顕微鏡等に用いられている。その構成について説
明すると、まず、熱電子放出型のエミッタ101を備え
ている。また、一部がそのエミッタ101周囲を覆うよ
うに配置され、エミッタ101より電子を引き出すため
の筒状に形成された引き出し電極102を備えている。
また、中央部に電子が通過する孔が形成され、引き出し
電極102により引き出された電子を加速するための陽
極103を備えている。また、エミッタ101周囲を囲
うように配置され、エミッタ101側面からの熱電子を
カットするためのウエネルト電極104を備えている。
【0011】また、引き出し電極102と陽極103と
は、碍子105により絶縁分離されて固定配置されてい
る。この碍子105は、引き出し電極102と陽極10
3方向の長さL=0.2m、内直径0.1m、外直径
0.12mの円筒形状とした。この場合、碍子105の
断面積Sは345×10-32 となる。そして、この実
施の形態では、碍子105を、固有抵抗が1.0×10
8 Ωmであるアルミナで構成するようにした。また、引
き出し電極102の電子が通り抜ける経路には、ビーム
制限アパーチャ106が設けられている。このビーム制
限アパーチャ106により、まだあまり加速されていな
い電子の中より、電子ビームとして使用するもの以外の
余分な電子を取り除き、引き出し電極102に取り込む
ようにしている。
【0012】また、陽極103の電子が通り抜ける経路
には、クロスオーバ制限アパーチャ107が設けられて
いる。そして、引き出し電極102内部とその周囲と
に、磁力線により電子の流れを制御する磁界アライナ1
08が設けられている。この磁界アライナ108の一部
は、引き出し電極102内部に配置され、他の一部が、
この電子銃を格納している容器の外壁110の内壁面に
配置されている。また、陽極103の電子通過領域に
は、電界により電子の流れを制御する静電アライナ10
9が、筒状に配置されている。
【0013】以上の構成において、エミッタ101の電
位を基準にし、引き出し電極102には10kV,陽極
103には100kV,ウエネルト電極104には約−
1kVの電圧を印加する。このことにより、エミッタ1
01から放出された電子は、引き出し電極102により
10kVに加速され、ビーム制限アパーチャ106に到
達する。ビーム制限アパーチャ106には、直径300
μmの円形の穴が開いている。この穴を通過した電子
が、陽極103によって100kVに加速され、クロス
オーバ制限アパーチャ107に到達する。クロスオーバ
制限アパーチャ107は、厚さ200μm程度のモリブ
デンからなる円板であり、中央部に直径50μmの円形
の穴が開いている。この穴を通過した電子が電子銃の外
に出て、ビーム電流200μA程度の電子ビーム110
として所期の目的に利用される。
【0014】以上示したように、この実施の形態では、
碍子105を半導電性の物質で形成するようにした。こ
のようにすることで、荷電粒子発生装置内で発生した2
次電子が碍子に衝突したことにより、結果として発生す
る碍子の沿面放電を防ぐことができる。これは、この実
施の形態では、碍子の固有抵抗をある程度下げたので、
電子が碍子中をある程度移動できるようになり、隣接し
た電極から十分な電子を供給できるからである。
【0015】前述したように、放出された電子の量を制
限するビーム制限アパーチャ106やクロスオーバ制限
アパーチャ107には電子が衝突することになるので、
これらから2次電子(後方散乱電子を含む広義の2次電
子)が発生する。その2次電子は、例えば、碍子105
に衝突し、この衝突により、碍子105から2次電子が
放出され、碍子105の表面には正電荷が形成される。
そして、結果として碍子105に沿面放電を引き起こ
す。ここで、アルミナなどを用いた通常の碍子の2次電
子放出比は、最大でも10であるので、碍子に衝突する
2次電子の電流をIとし素電荷をeとすると、最大で毎
秒(10I)/e個の正電荷が碍子表面に形成されるこ
とになる。
【0016】従って、沿面放電を防ぐためには、その正
電荷を打ち消すよう、隣接した電極からその数以上の電
子を碍子に対して供給する必要がある。すなわち、碍子
に隣接する電極から碍子に流れる電流をI0 とすると、
0 /e≧(10I)/eすなわちI0 ≧10Iとなっ
ている必要がある。一方、碍子の電極間方向の長さをL
(m),碍子の断面積をS(m2 ),碍子の両端(電極
間)にかかる電圧をV(V),碍子に入射する2次電子
の電流をI(A),碍子の固有抵抗をρ(Ω)とする
と、I0 =V/R=SV/(ρL)である。従って、碍
子に発生した正電荷をうち消すためには、SV/(ρ
L)≧10Iすなわち、ρ≦SV/(10LI)・・・
(1)となっている必要がある。
【0017】また、碍子の固有抵抗が小さすぎると、碍
子に流れる電流が大きくなり、碍子が発熱する。この発
熱により、碍子からガスが放出され、新たな放電の原因
になる。このため、例えば、碍子の発熱は10ワット以
下に抑える必要がある。なお、この碍子の発熱量の許容
値は、荷電粒子発生装置の形態により変化する。ここ
で、碍子の両端の抵抗R=ρL/Sなので、碍子の発熱
量は、発熱量W=I0 V=V2 /R=SV2 /(ρL)
となる。すなわち、碍子の固有抵抗ρと碍子の発熱量W
との関係は、ρ=V2 S/(WL)となる。従って、碍
子の発熱量を、例えば10ワット以下に抑えるために
は、ρ≧SV2 /(WL)・・・(2)となっている必
要がある。
【0018】以上の式(1)と式(2)より、電子銃の
ビーム放出特性を安定にするためには、碍子の固有抵抗
ρ(Ωm)は、次の(3)式で表される範囲にある必要
がある。ただし、以下の式(3)では、碍子の発熱量を
10ワット以下に抑える必要があるものとしている。 SV2/(10L)≦ρ≦SV/(1OLI)・・・(3) この実施の形態ではこの点に着目し、固有抵抗が式
(3)の範囲にある物質で碍子を形成することにより、
沿面放電の発生を抑え、安定な荷電粒子の放出特性を実
現するものである。なお、碍子の発熱量の上限をaワッ
トとすれば、碍子の固有抵抗ρは以下の式(4)で示さ
れる範囲にあればよい。 SV2/(aL)≦ρ≦SV/(10LI)・・・(4)
【0019】前述したように、この実施の形態における
電子銃に用いた碍子105は、電極間方向の長さL=
0.2m、内直径0.1m、外直径0.12mの円筒形
状であり、碍子105の断面積Sは345×10-32
である。また、碍子105の電位差は90kVであり、
そして、ビーム電流の約0.5%程度にあたる1μAの
2次電子が、クロスオーバ制限アパーチャ107で反射
し、軌跡111の軌道で碍子105に衝突してくる。こ
れらの値を式(3)に代入すると、碍子105の固有抵
抗は、次式で示す範囲となっていればよい。 1.4×107Ωm≦ρ≦1.6×108Ωm・・・(5) そして、この実施の形態では、この式(5)を満足する
ように、固有抵抗が1.0×108 Ωmであるアルミナ
で碍子105を構成するようにした。
【0020】図1(a)に示すように、エミッタ101
から放出された電子ビーム110がクロスオーバ制限ア
パーチャ107に衝突することにより、クロスオーバ制
限アパーチャ107から2次電子が発生する。そして、
この2次電子は軌跡111の軌道を通って、碍子105
に衝突する。この衝突により、2次電子112が碍子1
05から放出され、碍子105の表面には正電荷113
が形成される。この実施の形態では、引き出し電極10
2から陽極103に向かって、1秒間に2.8×1016
個/m2 の電子が碍子105中を移動している。その中
の一部の電子114が正電荷113に引き寄せられ、正
電荷113の作る電界を打ち消す。このため、正電荷が
蓄積される碍子105の表面領域は、上方に拡大してい
かない。
【0021】これにより、引き出し電極102、碍子1
05、および真空領域121側の接合点122にかかる
電界は、沿面放電を引き起こす値より十分小さい値を維
持しつづける。以上述べてきたように、この実施の形態
では、碍子105を半導電性の物質で形成することによ
り、電子銃内で発生した2次電子が碍子105に衝突し
た際に生じる正電荷113を、その碍子105に隣接す
る引き出し電極102から供給される電子114により
打ち消すので、碍子105の沿面放電を防ぐことができ
る。これにより、安定な電子ビーム放出特性を実現する
ことができる。
【0022】ところで、荷電粒子発生装置としては、上
述した熱電子放出型に限らず、図1(b)に模式的に示
す電界放出型の電子銃もある。この電子銃は、エミッタ
121が碍子122を介して電極123に支えられてい
る。また、引き出し電極124は、碍子125により電
極123と絶縁分離されている。そして、電子は、引き
出し電極124のビーム制限アパーチャ126を通過し
ていく。このような、電界放出型の電子銃では、ウエネ
ルト電極は用いていない。
【0023】このような電子銃においても、ビーム制限
アパーチャ126に電子が衝突することで2次電子が発
生し、この2次電子が、碍子122や碍子125に衝突
することになる。そして、その結果、沿面放電を引き起
こすことになる。しかし、碍子122,125に、前述
したように、式(4)を満たす固有抵抗値をもつ材料を
用いれば、その沿面放電の発生を防ぐことができる。こ
のように、碍子の個数が2個以上の場合でも本発明は成
り立つ。
【0024】なお、上記実施の形態では、碍子をアルミ
ナで構成するようにしたが、これに限るものではなく、
式(4)を満たす固有抵抗を持つ物質であれば、アルミ
ナ以外の物質で碍子を形成してもよいことはいうまでも
ない。また、上記実施の形態では、エミッタから放出さ
れる荷電粒子が電子の場合を例にとって説明してきた
が、カリウムイオン等、電子以外の荷電粒子の場合でも
本発明は成り立つ。例えば、前述したエミッタをイオン
源に置き換えれば、電子以外の荷電粒子を発生する装置
となる。このイオン中の場合においても、アパーチャや
電極などに荷電粒子(イオン)が衝突すれば、荷電粒子
の衝突によってエネルギーを受けて、それらの内部にあ
る電子が外部に放出されることで、2次電子が発生す
る。そして、その2次電子が碍子に衝突することで、や
はり沿面放電が発生する。しかし、碍子に、式(4)を
満たす固有抵抗を持つ物質を用いれば、沿面放電の発生
を防ぐことができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、荷
電粒子を放出するエミッタと、エミッタから放出された
荷電粒子を加速するための複数の電極と、電極間を絶縁
分離するための碍子とを備え、碍子が絶縁分離している
2つの電極間の方向の長さをLメートル,碍子の2つの
電極間方向に垂直な面の断面積をS平方メートル,碍子
の2つの電極間の電位差をVボルト,碍子に衝突してく
る荷電粒子による電流をIアンペア,また,碍子の発熱
量の上限をaワットとしたとき、碍子の固有抵抗は、S
2 /(aL)以上かつSV/(10LI)以下である
ようにした。
【0026】以上のように構成したので、碍子表面に隣
接している電極から電子が供給されるようになる。従っ
て、碍子表面に2次電子が衝突したことなどにより発生
する正電荷の電界を、その供給される電子によりうち消
すことができるようになる。この結果、この発明によれ
ば、碍子表面に発生する正電荷の電界による沿面放電を
抑制できるので、電子などの荷電粒子によるビームをよ
り安定して放出できるようになるという効果を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態における荷電粒子発生
装置の一部構成を示す断面図である。
【図2】 従来よりある荷電粒子発生装置である電子銃
の構成を示す断面図である。
【図3】 図2の電子銃の一部を拡大して示す断面図で
ある。
【符号の説明】
101…エミッタ、102…引き出し電極、103…陽
極、104…ウエネルト電極、105…碍子、106…
ビーム制限アパーチャ、107…クロスオーバ制限アパ
ーチャ、108…磁界アライナ、109…静電アライ
ナ、110…電子ビーム、111…軌跡、112…2次
電子、113…正電荷、114…電子、121…真空領
域、122…接合点。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月14日(1998.8.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】以上の式(1)と式(2)より、電子銃の
ビーム放出特性を安定にするためには、碍子の固有抵抗
ρ(Ωm)は、次の(3)式で表される範囲にある必要
がある。ただし、以下の式(3)では、碍子の発熱量を
10ワット以下に抑える必要があるものとしている。 SV/(10L)≦ρ≦SV/(1LI)・・・(3) この実施の形態ではこの点に着目し、固有抵抗が式
(3)の範囲にある物質で碍子を形成することにより、
沿面放電の発生を抑え、安定な荷電粒子の放出特性を実
現するものである。なお、碍子の発熱量の上限をaワッ
トとすれば、碍子の固有抵抗ρは以下の式(4)で示さ
れる範囲にあればよい。 SV/(aL)≦ρ≦SV/(10LI)・・・(4)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】これにより、引き出し電極102、碍子1
05、および真空領域115側の接合点116にかかる
電界は、沿面放電を引き起こす値より十分小さい値を維
持しつづける。以上述べてきたように、この実施の形態
では、碍子105を半導電性の物質で形成することによ
り、電子銃内で発生した2次電子が碍子105に衝突し
た際に生じる正電荷113を、その碍子105に隣接す
る引き出し電極102から供給される電子114により
打ち消すので、碍子105の沿面放電を防ぐことができ
る。これにより、安定な電子ビーム放出特性を実現する
ことができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】なお、上記実施の形態では、碍子をアルミ
ナで構成するようにしたが、これに限るものではなく、
式(4)を満たす固有抵抗を持つ物質であれば、アルミ
ナ以外の物質で碍子を形成してもよいことはいうまでも
ない。また、上記実施の形態では、エミッタから放出さ
れる荷電粒子が電子の場合を例にとって説明してきた
が、リウムイオン等、電子以外の荷電粒子の場合でも
本発明は成り立つ。例えば、前述したエミッタをイオン
源に置き換えれば、電子以外の荷電粒子を発生する装置
となる。このイオン銃の場合においても、アパーチャや
電極などに荷電粒子(イオン)が衝突すれば、荷電粒子
の衝突によってエネルギーを受けて、それらの内部にあ
る電子が外部に放出されることで、2次電子が発生す
る。そして、その2次電子が碍子に衝突することで、や
はり沿面放電が発生する。しかし、碍子に、式(4)を
満たす固有抵抗を持つ物質を用いれば、沿面放電の発生
を防ぐことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態における荷電粒子発生
装置の一部構成を示す断面図である。
【図2】 従来よりある荷電粒子発生装置である電子銃
の構成を示す断面図である。
【図3】 図2の電子銃の一部を拡大して示す断面図で
ある。
【符号の説明】 101…エミッタ、102…引き出し電極、103…陽
極、104…ウエネルト電極、105…碍子、106…
ビーム制限アパーチャ、107…クロスオーバ制限アパ
ーチャ、108…磁界アライナ、109…静電アライ
ナ、110…電子ビーム、111…軌跡、112…2次
電子、113…正電荷、114…電子、115…真空領
域、116…接合点。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子を放出するエミッタと、 前記エミッタから放出された前記荷電粒子を加速するた
    めの複数の電極と、 前記電極間を絶縁分離するための碍子とを備え、 前記碍子が絶縁分離している2つの電極間の方向の長さ
    をLメートル,前記碍子の前記2つの電極間方向に垂直
    な面の断面積をS平方メートル,前記碍子の前記2つの
    電極間の電位差をVボルト,前記碍子に衝突してくる荷
    電粒子による電流をIアンペア,また,前記碍子の発熱
    量の上限をaワットとしたとき、 前記碍子の固有抵抗は、SV2 /(aL)以上かつSV
    /(10LI)以下であることを特徴とする荷電粒子発
    生装置。
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