JP2000057849A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JP2000057849A
JP2000057849A JP10220817A JP22081798A JP2000057849A JP 2000057849 A JP2000057849 A JP 2000057849A JP 10220817 A JP10220817 A JP 10220817A JP 22081798 A JP22081798 A JP 22081798A JP 2000057849 A JP2000057849 A JP 2000057849A
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weight
resin
insulated wire
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Ryosuke Obika
亮介 小比賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁電線の加工工程のダメージによる絶縁性
低下の防止およびその後の使用環境における信頼性の向
上を実現しうる絶縁電線を提供する。 【解決手段】 トリスヒドロキシエチルイソシアヌレー
ト変性ポリエステルを含有してなる絶縁樹脂に、アミノ
基及び/又はメルカプト基を少なくとも2個有する化合
物と2−メルカプトベンゾオキサゾール化合物を配合し
た樹脂組成物の塗料を、導体上に塗布、焼き付けして絶
縁皮膜を形成してなる絶縁電線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電気機器等に使用
される加工条件の厳しいコイル、モーター等に有用な絶
縁電線とその製造に用いる絶縁樹脂組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、機器の小型化、軽量化の傾向に伴
いモーターについてもより小型で、軽量でしかも高性能
のものが要求されるようになってきた。この要求に応え
るためには、モーターのコアにより多くの絶縁電線を巻
き付ける必要があるが、コアのスロット内に絶縁電線を
強引に詰め込むことにより撚り線工程で絶縁皮膜に損傷
を生じる危険性がある。そして、絶縁皮膜に損傷が生じ
ると、レアー不良やアース不良などが発生するという問
題がある。このような問題は、機械的強度に優れた絶縁
皮膜を形成しうる、特殊な絶縁塗料を使用すれば解決す
るが、このような特殊な絶縁電線は一般に高価であるた
めより安価な汎用の絶縁塗料を用いてしかも損傷しにく
い絶縁皮膜を有する耐加工性に優れた絶縁電線を製造す
ることが求められている。最も一般的には絶縁塗料中に
ワックスを添加するか、または絶縁皮膜上にワックスを
塗布して絶縁皮膜の表面に潤滑性を付与し、それによっ
て絶縁皮膜同士あるいはモーターのコアなどとの擦れに
よる損傷を防止することが考えられるが、この方法は、
最近のより一層の撚り線量の増大と、これに伴う撚線条
件の過酷化に対しては十分な効果を発揮することができ
ず、絶縁皮膜の損傷を防止できなくなりつつある。
【0003】そこで、絶縁皮膜の金属(導体)との密着
性を高める成分を、絶縁樹脂に添加して、絶縁皮膜の機
械的強度を向上し、それによって絶縁電線の耐加工性を
改善する試みがなされている(例えば特開昭64−22
961号)。この従来技術では絶縁皮膜の、金属との密
着性を高める成分としてはメルカプタン類やアミン類を
はじめとして各種化合物が開示されている。このような
密着向上剤は金属と錯化合物をつくることで、絶縁皮膜
と金属との密着性を向上するものである。一方、絶縁電
線には上記のような耐加工性と同時に、コイル巻後の信
頼性が必要である。例えばモーターに巻き付けられた電
線は、加熱下あるいは冷媒中で、電磁振動などのストレ
スを長期間にわたって受けるため、ストレス下でも損傷
しにくい絶縁皮膜が有する必要がある。しかし、上記の
密着向上剤を用いた絶縁塗料からなる絶縁皮膜は、耐熱
用途としては比較的低温での加熱後の密着性および冷媒
浸漬後の密着性が大きく低下するため、このようなコイ
ル巻後の信頼性が不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、絶縁
電線の加工工程のダメージによる絶縁性低下の防止およ
びその後の使用環境における信頼性の向上を実現しうる
絶縁電線を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の絶縁
樹脂中に、金属と錯化合物を作る密着向上剤を含有させ
て従来の絶縁電線の欠点を克服するため鋭意研究を重ね
た結果、特定の絶縁樹脂にアミノ基及び/又はメルカプ
ト基を2個以上有する化合物と2−メルカプトベンゾオ
キサゾール化合物を組合せて含有させることにより導体
と絶縁層との密着性が著しく改善され、上記目的を達成
しうることを見いだし、この知見に基づき本発明をなす
に至った。複数の−NH2 (アミノ基)及び/又は−S
H(メルカプト基)は導体表面の銅又は銅酸化物或いは
樹脂成分との間に水素結合又は共有結合を形成し強固な
密着性を発現するが、逆に熱等により酸化を促進する性
質もあり、酸化層の増大による密着性の低下が生じる。
しかし、本発明ではここにメルカプトベンゾオキサゾー
ル化合物(−SH:1個のみ)を組み合わせて添加する
ことにより、酸化抑制効果が生じることから、初期の密
着性が良く、しかも加熱劣化後も密着性を悪化させるこ
とがないと考えられる。すなわち本発明は(1)アルコ
ール成分の少なくとも一部にトリスヒドロキシエチルイ
ソシアヌレートを用いたポリエステル絶縁樹脂又はポリ
エステルイミド絶縁樹脂100重量部に対して、アミノ
基及び/又はメルカプト基を少なくとも2個有する化合
物(A)0.01〜0.5重量部および2−メルカプト
ベンゾオキサゾール化合物(B)0.05〜2.5重量
部を配合した樹脂組成物の塗料を、導体上に塗布、焼き
付けして絶縁皮膜を形成してなることを特徴とする絶縁
電線を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁電線に用いる樹脂組
成物において、絶縁樹脂はアルコール成分の少なくとも
一部にトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート(以
下、THEICと記す)を用いたポリエステル樹脂(例
えば、塗料としてIsonel200(商品名、米国イ
ンターナショナル社製))又はポリエステルイミド樹脂
(例えば塗料としてIsomid40ST(商品名、米
国スケネクタディインターナショナル社製))である。
【0007】以下、この絶縁樹脂について説明する。T
HEICを用いたポリエステル樹脂は酸成分とTHEI
Cを含む2価あるいは3価のアルコール成分反応させる
ことにより得られる。用いる酸成分としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、その誘導体であるテレフタ
ル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル等が用いられる。
アルコール成分としては、THEICを必須成分として
含み、その他に例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の
2価あるいは3価のアルコールが用いられる。
【0008】THEICを用いたポリエステル樹脂を製
造するに際し、反応の条件は、エステル交換反応等の反
応が生じる条件であれば良く特に制限されない。通常は
例えばテトラブチルチタネート、酢酸鉛、ジブチル錫ジ
ラウレート等のエステル化触媒の存在下に70〜250
℃で行われる。ポリエステルイミド樹脂は酸成分、イミ
ド酸形成成分またはイミド酸およびアルコール成分を有
機溶剤の存在下に常法により反応させることにより得ら
れる。用いる酸成分としては、例えばテレフタル酸、イ
ソフタル酸、その誘導体であるテレフタル酸ジメチル、
イソフタル酸ジメチル等が用いられる。イミド酸形成成
分は2個の隣接カルボキシル基を有する三塩基無水物と
ジアミンからなり次式のように反応してイミド酸を形成
する。イミド酸形成成分のかわりに下記のように反応さ
せたイミド酸も使用可能である。
【0009】
【化1】
【0010】(式中R1 は有機基、R2 は芳香族基を意
味する。)
【0011】前記式から明らかなようにジアミン1モル
に対して多価カルボン酸無水物約2モル、好ましくは正
確に2モルが用いられる。多価カルボン酸無水物として
は例えば無水トリメリット酸、ブタントリカルボン酸無
水物等が用いられ、無水トリメリット酸が好ましい。ジ
アミンとしては、例えばエチレンジアミン、4,4’−
ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルホン、パラフェニレンジアミン、メタ
フェニレンジアミン等が用いられ、4,4’−ジアミノ
フェニルメタンまたは4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテルが好ましい。
【0012】アルコール成分としては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、THEIC等の2価あるいは3価
のアルコールが用いられる。耐熱性および耐摩耗性の点
から全アルコール成分のうち30当量%以上は3価以上
のアルコールを用いることが好ましい。また耐クレージ
ング性の点からはグリセリンが、耐熱性および耐冷媒性
の点からはTHEICが好ましい。酸成分、イミド酸形
成成分およびアルコール成分との反応量比はアルコール
過剰とするのが好ましい。
【0013】有機溶剤としては、N−メチルピロリド
ン、ジメチルアセトアミドジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、N−メチルカプロラクタム、キシレ
ン、フェノール、クレゾール、キシレノールなどを単独
でまたは混合して使用することができるが、フェノー
ル、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系溶剤
が好ましい。ポリエステルイミド樹脂を製造するに際
し、反応の条件は、実質的にイミド化反応、エステル化
反応、エステル交換反応等の反応が生じる条件であれば
良く特に制限されない。通常は例えばテトラブチルチタ
ネート、酢酸鉛、ジブチル錫ジラウレート等のエステル
化触媒の存在下に120〜200℃で3〜10時間行わ
れる。
【0014】次に、絶縁樹脂に添加される、アミノ基及
び/またはメルカプト基を少なくとも2個有する化合物
(A)は、複素環化合物又は芳香族化合物であることが
好ましく、窒素原子、硫黄原子または酸素原子から選ば
れる原子を少なくとも1〜3個ヘテロ原子として有する
複素環化合物が特に好ましい。このような化合物の具体
例としては、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール
−2−チオール(ATDAT)、チオシアヌル酸(TM
T)、メラミンが挙げられる。この化合物(A)の添加
量は、絶縁樹脂100重量部に対して、好ましくは0.
01〜0.5重量部、より好ましくは0.05〜0.3
重量部である。添加量が少なすぎると、その添加による
絶縁皮膜の金属に対する密着性向上の効果が不十分とな
り、逆に多すぎる場合には、これを塗布、焼き付けた導
体の表面が変質し、変色が発生する。
【0015】本発明の絶縁樹脂組成物には、上記添加剤
と共に2−メルカプトベンゾオキサゾール(MBO)化
合物(B)を使用する。この化合物(B)の添加量は絶
縁樹脂100重量部に対して、0.05〜2.5重量部
であるのが好ましく、0.1〜1.0重量部とするのが
より好ましい。この添加量が少なすぎても、また、多す
ぎても、加熱後の密着性の向上効果は得られない。
【0016】本発明の絶縁電線は、上記の絶縁樹脂組成
物の塗料を導体上に塗布、焼き付けして絶縁皮膜を形成
して製造される。この絶縁樹脂塗料の調製とその塗布、
焼付けして皮膜を形成して製造される。この絶縁樹脂塗
料の調製とその塗布、焼き付けは通常の方法によって行
うことができる。このときの焼き付けは通常400〜5
50℃、数回塗布焼き付けて行われる。
【0017】本発明の絶縁電線において、導体としては
通常、銅またはその合金からなるものを用いる。また、
この発明の絶縁電線の構成として該絶縁樹脂塗料を塗布
焼き付けた後に、必要に応じて別の絶縁樹脂塗料を塗布
焼き付けても良く、また絶縁皮膜の膜厚についても特に
限定されない。全膜厚で、10〜40μmとするのが好
ましい。さらに、本発明の絶縁電線においては、絶縁皮
膜の外表面に公知の潤滑化処理により潤滑性を付与して
も良い。このような潤滑性を付与する潤滑化処理の方法
としては、絶縁電線表面にワックス、油、界面活性剤、
固体潤滑剤などを塗布すること、減摩剤を塗布焼付けし
て使用すること、或いは、絶縁皮膜を多層構成とし最外
層を形成する絶縁塗料(樹脂組成物)自体にポリエチレ
ン微粉末、フッ素樹脂微粉末等を添加し潤滑化を図るこ
と等をあげることができる。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。 実施例1 THEICを用いたポリエステル系塗料であるIson
el200(商品名、米国スケネクタディインターナシ
ョナル社製)にATDAT(A)とMBO(B)とを添
加し十分に撹拌混合させて絶縁塗料を製造した。なお、
ATDATの添加量は、THEICを用いたポリエステ
ル系塗料の樹脂100重量部に対して0.1重量部、M
BOの添加量は1.0重量部とした。上記絶縁塗料を導
体径1.0mmの銅線上に塗布焼き付けした。焼き付け
温度は500℃とし、厚み32μmの絶縁皮膜を有する
絶縁電線を製造した。この絶縁電線の耐加工性と絶縁皮
膜の密着性について下記の評価試験を行った。その結果
を後記の表1に示した。
【0019】実施例2 THEICを用いたポリエステル系塗料であるIson
el200(商品名、米国スケネクタディインターナシ
ョナル社製)にATDAT(A)とMBO(B)とを添
加し十分に撹拌混合させて絶縁塗料を製造した。なお、
ATDATの添加量は、THEICを用いたポリエステ
ル系塗料の樹脂100重量部に対して0.1重量部、M
BOの添加量は1.0重量部とした。上記絶縁塗料を用
い実施例1と同様にして絶縁電線を製造した。この絶縁
電線の耐加工性と絶縁皮膜の密着性について下記の評価
試験を行った。その結果を後記の表1に示した。
【0020】実施例3 THEICを用いたポリエステル系塗料であるIson
el200(商品名、米国スケネクタディインターナシ
ョナル社製)にATDAT(A)とMBO(B)とを添
加し十分に撹拌混合させて絶縁塗料を製造した。なお、
ATDATの添加量は、THEICを用いたポリエステ
ル系塗料の樹脂100重量部に対して0.1重量部、M
BOの添加量は0.5重量部とした。上記絶縁塗料を用
い実施例1と同様にして絶縁電線を製造した。この絶縁
電線の耐加工性と絶縁皮膜の密着性について下記の評価
試験を行った。その結果を後記の表1に示した。
【0021】実施例4 THEICを用いたポリエステル系塗料であるIson
el200(商品名、米国スケネクタディインターナシ
ョナル社製)にTMT(A)とMBO(B)とを添加し
十分に撹拌混合させて絶縁塗料を製造した。なお、TM
Tの添加量は、THEICを用いたポリエステル系塗料
の樹脂100重量部に対して0.05重量部、MBOの
添加量は1.0重量部とした。上記絶縁塗料を用い実施
例1と同様にして絶縁電線を製造した。この絶縁電線の
耐加工性と絶縁皮膜の密着性について下記の評価試験を
行った。その結果を後記の表1に示した。
【0022】実施例5 THEICを用いたポリエステル系塗料であるIson
el200(商品名、米国スケネクタディインターナシ
ョナル社製)にTMT(A)とMBO(B)とを添加し
十分に撹拌混合させて絶縁塗料を製造した。なお、TM
Tの添加量は、THEICを用いたポリエステル系塗料
の樹脂100重量部に対して0.1重量部、MBOの添
加量は1.0重量部とした。上記絶縁塗料を用い実施例
1と同様にして絶縁電線を製造した。この絶縁電線の耐
加工性と絶縁皮膜の密着性について下記の評価試験を行
った。その結果を後記の表1に示した。
【0023】実施例6 ポリエステルイミド系塗料であるIsomid40ST
(商品名、米国スケネクタディインターナショナル社
製)にATDAT(A)とMBO(B)とを添加し十分
に撹拌混合させて絶縁塗料を製造した。なお、ATDA
T(A)の添加量は、THEICを用いたポリエステル
系塗料の樹脂100重量部に対して0.1重量部、MB
Oの添加量は1.0重量部とした。上記絶縁塗料を用い
実施例1と同様にして絶縁電線を製造した。この絶縁電
線の耐加工性と絶縁皮膜の密着性について下記の評価試
験を行った。その結果を後記の表1に示した。
【0024】実施例7 ポリエステルイミド系塗料であるIsomid40ST
(商品名、米国スケネクタディインターナショナル社
製)にTMT(A)とMBO(B)とを添加し十分に撹
拌混合させて絶縁塗料を製造した。なお、TMTの添加
量は、THEICを用いたポリエステル系塗料の樹脂1
00重量部に対して0.1重量部、MBOの添加量は
1.0重量部とした。上記絶縁塗料を用い実施例1と同
様にして絶縁電線を製造した。この絶縁電線の耐加工性
と絶縁皮膜の密着性について下記の評価試験を行った。
その結果を後記の表1に示した。
【0025】比較例1 Isonel200(商品名、米国スケネクタディイン
ターナショナル社製)をそのまま使用し、この絶縁塗料
を用い実施例1と同様にして絶縁電線を製造した。この
絶縁電線の耐加工性と絶縁皮膜の密着性について下記の
評価試験を行った。その結果を後記の表1に示した。 比較例2 Isomid40ST(商品名、米国スケネクタディイ
ンターナショナル社製)をそのまま使用し、この絶縁塗
料を用い実施例1と同様にして絶縁電線を製造した。こ
の絶縁電線の耐加工性と絶縁皮膜の密着性について下記
の評価試験を行った。その結果を後記の表1に示した。
【0026】比較例3 Isonel200(商品名、米国スケネクタディイン
ターナショナル社製)にTMT(A)を添加し十分に撹
拌混合させて絶縁塗料を製造した。なおTMTの添加量
は、THEICを用いたポリエステル系塗料の樹脂10
0重量部に対して0.1重量部とした。上記絶縁塗料を
用い実施例1と同様にして絶縁電線を製造した。この絶
縁電線の耐加工性と絶縁皮膜の密着性について下記の評
価試験を行った。その結果を後記の表1に示した。
【0027】比較例4 Isonel200(商品名、米国スケネクタディイン
ターナショナル社製)にMBO(B)を添加し十分に撹
拌混合させて絶縁塗料を製造した。なお、添加量は、T
HEICを用いたポリエステル系塗料の樹脂100重量
部に対して3.0重量部とした。上記絶縁塗料を用い実
施例1と同様にして絶縁電線を製造した。この絶縁電線
の耐加工性と絶縁皮膜の密着性について下記の評価試験
を行った。その結果を後記の表1に示した。
【0028】比較例5 Isonel200(商品名、米国スケネクタディイン
ターナショナル社製)にMBO(B)を添加し十分に撹
拌混合させて絶縁塗料を製造した。なお、添加量は、T
HEICを用いたポリエステル系塗料の樹脂100重量
部に対して1.0重量部とした。上記絶縁塗料を用い実
施例1と同様にして絶縁電線を製造した。この絶縁電線
の耐加工性と絶縁皮膜の密着性について下記の評価試験
を行った。その結果を後記の表1に示した。
【0029】比較例6 Isomid40ST(商品名、米国スケネクタディイ
ンターナショナル社製)にTMT(A)を添加し十分に
撹拌混合させて絶縁塗料を製造した。なお、添加量は、
ポリエステルイミド系塗料の樹脂100重量部に対して
0.1重量部とした。上記絶縁塗料を用い実施例1と同
様にして絶縁電線を製造した。この絶縁電線の耐加工性
と絶縁皮膜の密着性について下記の評価試験を行った。
その結果を後記の表1に示した。
【0030】(絶縁電線の評価試験方法)絶縁電線の評
価試験を次のように行いその評価結果を表1に示した。 *1 一方向摩耗試験 JIS C 3003により行った。値が高いほど加工
性が良好であることを示す。良否の基準は次の通りであ
る。 1600 1800 2000 通常レベル× 少し良いレベル△ 良好なレベル○ (バラツキを考慮すると×レベル) *2 密着性試験 ピール捻回剥離=IEC規格により行った。(標間距離
150mm)値が高いほど密着性が良好であることを示
す。加熱条件は150℃24時間とし、加熱前後の密着
性の違いも比較した。良否の基準は次の通りである。 初期 70 75 80 通常レベル× 少し良いレベル△ 良好なレベル○ (バラツキを考慮する と△レベル) 熱劣化後 20〜30 70 1)著しい低下× 通常レベル○ 1)使用時の電磁振動による皮膜破壊発生の可能性あり。 *3 冷媒後密着性 冷媒浸漬=冷媒R−22を使用し、温度150℃、圧力
45kgf/cm2下で1000時間浸漬した。 伸長後鞘状剥離=サンプルを標間距離250mmでNE
MA規格により急激に伸長切断後の導体と皮膜の浮き状
態を観察した。皮膜の浮きが大きいものはNGとした。
【0031】
【表1】
【0032】上記表1の結果から明らかなように比較例
1および比較例2は添加剤の添加がなく、絶縁電線の初
期の加工性(密着性)は良くない。ただし加熱後の加工
性(密着性)の低下はない。比較例3および比較例6は
添加剤(A)の添加のみであるため、絶縁電線の初期の
加工性(密着性)は良いが、加熱後の加工性(密着性)
の低下が著しい。比較例4および比較例5はMBO
(B)のみの添加であるため期待した初期の加工性(密
着性)が得られない。比較例4および比較例5の対比か
らMBO(B)のみでは、添加量を増しても、絶縁電線
の特性は良くならないことが分かる。これに対し実施例
1〜7の絶縁電線は初期の加工性(密着性)と加熱後の
加工性(密着性)の両者に優れている。
【0033】
【発明の効果】本発明の絶縁電線は導体と皮膜の密着性
をバランス良く向上させたものであり厳しい条件の加工
工程で損傷を受けず、かつ、加熱下あるいは冷媒中のよ
うな使用環境でも損傷を受けにくく、電気機器等の信頼
性を向上させることができる。本発明の絶縁樹脂組成物
は、このような絶縁電線の製造に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08G 63/685 C08G 63/685 Fターム(参考) 4J029 AA01 AB07 AC02 AE01 BH01 CB05A CB06A DA17 HA01 JC283 JC333 4J038 DD171 DJ041 GA08 GA09 GA13 JB37 NA21 PC02 5G305 AA02 AA11 AB15 AB24 AB31 AB34 BA09 CA11 CA22 CB16 CB25 DA22

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール成分の少なくとも一部にトリ
    スヒドロキシエチルイソシアヌレートを用いたポリエス
    テル絶縁樹脂又はポリエステルイミド絶縁樹脂100重
    量部に対して、アミノ基及び/又はメルカプト基を少な
    くとも2個有する化合物(A)0.01〜0.5重量部
    および2−メルカプトベンゾオキサゾール化合物(B)
    0.05〜2.5重量部を配合した樹脂組成物の塗料
    を、導体上に塗布、焼き付けして絶縁皮膜を形成してな
    ることを特徴とする絶縁電線。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007234432A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Furukawa Electric Co Ltd:The 絶縁電線とそれを用いた回転電機

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JP2007234432A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Furukawa Electric Co Ltd:The 絶縁電線とそれを用いた回転電機

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