JP2000057532A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド

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JP2000057532A
JP2000057532A JP10228169A JP22816998A JP2000057532A JP 2000057532 A JP2000057532 A JP 2000057532A JP 10228169 A JP10228169 A JP 10228169A JP 22816998 A JP22816998 A JP 22816998A JP 2000057532 A JP2000057532 A JP 2000057532A
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Seiji Onoe
精二 尾上
Teruyuki Inaguma
輝往 稲熊
Hiroshi Kano
博司 鹿野
Yoshito Ikeda
義人 池田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、磁気ヘッドの摩耗を抑えることの
できる磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、
ヘリカルスキャン方式によって磁気記録媒体を摺動させ
て、当該磁気記録媒体からの信号を磁気抵抗効果素子を
用いて検出する磁気抵抗効果型磁気ヘッドであり、磁気
記録媒体の摺動面に保護膜が形成されていることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体とヘ
リカルスキャン方式によって摺動して情報の記録再生を
行う磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気テープを記録媒体として用い
る磁気記録再生装置としては、ビデオテープレコーダ、
オーディオテープレコーダ及びコンピュータ用データス
トレージシステム等が知られており、これらの磁気記録
媒体では記録密度を上げて大容量化と高データ転送レー
ト化を図ることが望まれている。
【0003】しかし、磁気記録システムにおいて磁気記
録媒体を高記録密度化すると、磁気記録媒体からの磁化
情報が微弱になり、電磁誘導を利用した従来のインダク
ティブ型磁気ヘッドでは、再生信号を十分に検出するこ
とが難しかった。
【0004】そこで、ハードディスク等においては、イ
ンダクティブ型磁気ヘッドよりも再生感度の高い、Ni
Fe合金等の軟磁性膜からなる磁気抵抗効果素子(以
下、MR素子と称する。)を用いた磁気抵抗効果型磁気
ヘッド(以下、MRヘッドと称する。)が信号の再生に
用いられるようになってきている。
【0005】そして、MRヘッドのなかでも、MR素子
をNiZnフェライトなどの軟磁性体からなる磁気シー
ルドではさみ、MR素子の端部を磁気記録媒体との対向
面に露出させた、いわゆるシールド型のMRヘッドが、
再生効率が最も高く、高記録密度化には最適である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回転ド
ラムに磁気ヘッドを搭載して、磁気ヘッドを回転させな
がら記録再生を行うヘリカルスキャンテープシステムに
上記MRヘッドを搭載した場合、MRヘッドのMR素子
を磁気テープに高速で摺動させるため、MR素子が摩耗
してしまうという問題が生じる。
【0007】高記録密度においては、磁気記録媒体の記
録トラックが狭くされており、それに対応して、磁気記
録媒体との対向面に露出しているMR素子の長さ(感磁
部長)も短くされている。また、高い再生効率を維持す
るために、MR素子の磁気記録媒体との対向面に垂直な
方向の長さ(デプス)も小さくなされている。このた
め、MR素子は非常に摩耗の影響を受けやすく、MRヘ
ッドの寿命が非常に短かった。
【0008】この摩耗の問題を回避するため、MR素子
の高さを大きくすると、再生効率が低下してしまう。ま
た、MRヘッドと磁気テープとが接触する面積を大きく
することにより、単位時間あたりのMRヘッドの摩耗量
を減らすことができるが、高速摺動による空気の薄いフ
ィルムのため十分にMRヘッドを磁気テープに接触させ
ることができず、再生効率が極端に低くなってしまう。
【0009】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、磁気ヘッドの摩耗を抑えること
のできる磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気抵抗効果型
磁気ヘッドは、ヘリカルスキャン方式によって磁気記録
媒体を摺動させて、当該磁気記録媒体からの信号を磁気
抵抗効果素子を用いて検出する磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドであり、磁気記録媒体の摺動面に保護膜が形成されて
いることを特徴とする。
【0011】上述したような本発明に係る磁気抵抗効果
型磁気ヘッドでは、磁気記録媒体の摺動面に保護膜が形
成されているので、磁気記録媒体との摺動による磁気抵
抗効果素子の摩耗が抑えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】本発明を適用したMRヘッド1の一例を図
1に示す。このMRヘッド1は、磁気記録媒体2から情
報信号を再生する磁気ヘッドであって、第1の基板3
と、第1の基板3上に形成された第1の絶縁膜4と、第
1の絶縁膜4上に形成されたMRヘッド素子5と、MR
ヘッド素子5上に形成された第2の絶縁膜6と、第2の
絶縁膜6上に接着された第2の基板7と、磁気記録媒体
2との摺動面1a上に形成された保護膜8とから構成さ
れる。
【0014】第1の基板3は、図1中矢印Aで示される
磁気記録媒体2との摺動方向前端側のガード材とMRヘ
ッド1の下層シールドとを兼ねるものである。また、第
2の基板7は、磁気記録媒体2との摺動方向後端側のガ
ード材とMRヘッド1の上層シールドとを兼ねるもので
ある。第1の基板3及び第2の基板7には、硬質の軟磁
性材料が使用される。
【0015】第1の絶縁膜4は、MRヘッド1の下層ギ
ャップとなり、また、第2の絶縁膜6は、MRヘッド1
の上層ギャップとなる。
【0016】MRヘッド素子5は、第1の絶縁膜4及び
第2の絶縁膜6を介して、第1の基板3及び第2の基板
7に挟持されている。
【0017】図1に示したMRヘッド1に用いられるM
Rヘッド素子5の一構成例を図2に示す。このMRヘッ
ド素子5は、長辺が磁気記録媒体2との摺動面1aと略
平行になるように配された平面略長方形形の磁気抵抗効
果素子9と、磁気抵抗効果素子9の長手方向の両端部に
配された永久磁石膜10a,10bと、永久磁石膜10
a,10bから導出された引き出し導体11a,11b
と、引き出し導体11aの一端部に配された外部端子1
2aと、引き出し導体11bの一端部に配された外部端
子12bとを備える。
【0018】MRヘッド素子5において、磁気抵抗効果
素子9は、磁気抵抗効果を有し、MRヘッド1の感磁部
となる磁気抵抗効果膜と、SALバイアス方式によって
バイアス磁界を上記磁気抵抗効果膜に印加するための軟
磁性膜(いわゆるSAL膜)とが積層されてなる。この
軟磁性膜は、磁気抵抗効果膜にバイアス磁界を与えて、
検出信号の直線性を高める働きをする。
【0019】上記磁気抵抗効果膜としては、公知の軟磁
性材料が使用可能である。具体的には、NiFe、Ni
FeCo、パーマロイ合金NiFe−X(XはTa、C
r、Nb、Rh、Zr、Mo、Al、Au、Pd、P
t、Si等がある。また、Xとしてこれらの元素が複数
種類含有されてもよい。)、CoZr系アモルファス等
が挙げられる。
【0020】永久磁石膜10a,10bは、図2に示す
ように、上記磁気抵抗効果素子9の長手方向の両端部に
設けられ、永久磁石膜10a,10bからの磁場の影響
により磁気抵抗効果膜を単磁区化し、磁気抵抗効果膜内
における磁壁の移動によるバルクハウゼンノイズの発生
を防止するものである。
【0021】これらの永久磁石膜10a,10bには例
えばCoNiPt、CoCrPt等、保磁力が1000
エルステッド以上である材料を用いることが好ましい。
【0022】ところで、上記永久磁石膜10a,10b
は導電性を有しているので、このMRヘッド1におい
て、センス電流は後述する引き出し導体11a,11b
から永久磁石膜10a,10bを介して磁気抵抗効果素
子9に供給される。そして、実際に磁気記録媒体2から
の磁界を検出する感磁部となる部分は、永久磁石膜10
a,10b間に設けられた磁気抵抗効果素子9である。
したがって、永久磁石膜10aと永久磁石膜10bとの
間隔がトラック幅となり、永久磁石膜10a,10bに
よってトラック幅が規制されることになる。
【0023】外部端子12a,12bは外部と電気的接
続をとるためのものであり、引き出し導体11a,11
bの長手方向の他端部に形成される。
【0024】そして、このMRヘッド1では、図1に示
すように、テープ摺動面1aに保護膜8が形成されてい
る。テープ摺動面1aに保護膜8を形成することで、M
Rヘッド1が磁気記録媒体2と高速で摺動して当該磁気
記録媒体2から情報を再生する際の、磁気抵抗効果素子
9の摩耗を防止することができる。
【0025】保護膜8の材料としては、高硬度の非磁性
材料が用いられる。また、保護膜8には、磁気記録媒体
2との摩擦が小さくなるような材料を用いることが好ま
しい。さらに、保護膜8には、熱拡散性に優れた材料を
用いることが好ましい。保護膜8に熱拡散性に優れた材
料を用いることで、磁気記録媒体2との摺動により発生
する熱を拡散させ、熱による磁気抵抗効果膜の抵抗変化
によるノイズ、いわゆるサーマルアスペリティを減少さ
せて、安定な再生を行うことができる。このような保護
膜8の材料として具体的には、例えばダイヤモンドライ
クカーボン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭
化ホウ素等が挙げられる。
【0026】また、この保護膜8の厚みは、2nm以
上、50nm以下であることが好ましい。保護膜8の厚
みが2nmよりも薄いと、MRヘッド1のテープ摺動面
1aを保護して、磁気抵抗効果素子9の摩耗を防止する
効果が十分でない。また、保護膜8の厚みが50nmよ
りも厚いと、MRヘッド1のテープ摺動面1aを保護し
て磁気抵抗効果素子の摩耗を防止する効果は高まるが、
スペーシング損失が大きくなり、MRヘッド1の再生効
率や分解能が低下してしまう。従って、保護膜8の厚み
を2nm以上、50nm以下とすることで、スペーシン
グ損失を増大させることなく、MRヘッド1のテープ摺
動面1aを保護して、磁気抵抗効果素子9の摩耗を防止
することができる。
【0027】さらに、この保護膜8の下地に、酸化ケイ
素や酸化チタン等からなる下地膜を配することが好まし
い。保護膜8に下地膜を配することで、保護膜8のテー
プ摺動面1aへの付着力が向上し、MRヘッド1のテー
プ摺動面1aを保護する効果が高くなる。
【0028】このようなMRヘッド1を用いて磁気記録
媒体2から記録信号を読み出す際には、引き出し導体1
1a,11bの一端部に形成された外部端子12a,1
2bから引き出し導体11a,11bを介して第1の磁
気抵抗効果素子9にセンス電流を供給し、摺動面1aに
沿って磁気抵抗効果素子9にセンス電流を流す。そして
このセンス電流により、磁気記録媒体2からの磁界によ
って生じる磁気抵抗効果膜の抵抗変化を検出し、これに
よって磁気記録媒体2からの記録信号を再生する。この
とき、摺動面1a上に保護膜8が形成されているので、
磁気抵抗効果素子9の摩耗が防止されて、MRヘッド1
は安定に動作することができる。
【0029】つぎに、以上のようなMRヘッド1の製造
方法について説明する。なお、以下の説明で用いる図面
は、特徴を分かりやすく図示するために、図や図と同様
に、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、
各部材の寸法の比率が実際と同じであるとは限らない。
【0030】また、以下の説明では、MRヘッド1を構
成する各部材、並びにその材料、大きさ及び膜厚等につ
いて、具体的な例を挙げるが、本発明は、以下の例に限
定されるものではない。例えば、以下の説明では、ハー
ドディスク装置等で実用化されているものと同様な構造
を有する、いわゆるシールド型のSAL(Soft Adjacen
t Layer)バイアス方式の磁気抵抗効果型MRヘッド素
子を用いた例を挙げるが、本発明に係るMRヘッド1で
は、シールド型のSALバイアス方式の磁気抵抗効果型
MRヘッド素子以外のMRヘッド素子も使用可能である
ことは言うまでもない。
【0031】MRヘッド1を作製する際は、先ず、例え
ば直径3インチの円盤状の第1の基板3を用意し、この
第1の基板3の表面に対して鏡面加工を施す。この第1
の基板3上には、以下に説明するように、MRヘッド素
子5が多数形成される。そして、MRヘッド素子5が形
成された第1の基板3を切り分けることにより、最終的
に多数のMRヘッド1が得られる。この第1の基板3
は、リーディング側のガード材と、MRヘッド素子5の
下層シールドとを兼ねるものであり、その材料には、高
硬度の軟磁性材料を用いる。具体的には、例えば、Ni
−ZnフェライトやMn−Znフェライトが好適であ
る。
【0032】次に、図3及び図4に示すように、第1の
基板3の上に、MRヘッド素子5の下層ギャップとなる
第1の絶縁膜4を、スパッタリング等により成膜する。
ここで、第1の絶縁膜4の材料には、絶縁特性や耐磨耗
性等の観点から、Al23が好適である。なお、この第
1の絶縁膜4の膜厚は、記録信号の周波数等に応じて適
切な値に設定すればよく、具体的には、例えば190n
m程度とする。
【0033】次に、図5及び図6に示すように、第1の
絶縁膜4の上に、SALバイアス方式の磁気抵抗効果素
子9を構成する薄膜(以下、磁気抵抗効果素子用薄膜9
aと称する。)を成膜する。
【0034】具体的には、磁気抵抗効果素子用薄膜9a
は、例えば、Ta(5nm)/NiFeNb(43n
m)/Ta(5nm)/NiFe(40nm)/Ta
(1nm)を、この順にスパッタリングにより順次成膜
して形成する。この場合は、NiFeが、磁気抵抗効果
を有する磁気抵抗効果膜であり、MRヘッド素子5の感
磁部となる。また、NiFeNbが、磁気抵抗効果膜に
対してバイアス磁界を印加するための軟磁性膜(いわゆ
るSAL膜)となる。なお、磁気抵抗効果素子9の材料
や膜厚は、上記の例に限るものではなく、システムの要
求等に応じて適切なものを用いるようにすればよい。
【0035】次に、磁気抵抗効果素子9の動作の安定化
を図るために、図7乃至図9に示すように、各MRヘッ
ド素子毎に2つの矩形状の永久磁石膜10a,10b
を、フォトリソグラフィ技術を用いて、磁気抵抗効果素
子用薄膜9aに埋め込む。なお、図8及び図9、並びに
後掲する図乃至図は、1つのMRヘッド素子5に対応す
る部分、すなわち図7中の円Aの部分を拡大して示して
いる。
【0036】この永久磁石膜10a,10bは、例え
ば、長軸方向の長さt1を約50μm、短軸方向の長さ
2を約10μmとして、2つの永久磁石膜10a,1
0bの間隔t3を約5μmとする。これら2つの永久磁
石膜10a,10bの間隔t5が、最終的には、MRヘ
ッド素子5のトラック幅になる。すなわち、本例では、
MRヘッド素子5のトラック幅が約5μmとなる。ただ
し、トラック幅は、上記の例に限るものではなく、シス
テムの要求等に応じて、適切な値に設定するようにすれ
ばよい。
【0037】このような永久磁石膜10a,10bを埋
め込む際は、例えば、先ず、フォトレジストにより、各
MRヘッド素子毎に2つの長方形の開口部を有するマス
クを形成する。次に、エッチングを施して、開口部に露
呈していた磁気抵抗効果素子用薄膜9aを除去する。な
お、ここでのエッチングは、ドライ方式でもウエット方
式でも構わないが、加工のしやすさ等を考慮すると、イ
オンエッチングが好適である。次に、永久磁石膜をスパ
ッタリング等により成膜する。なお、永久磁石膜の材料
としては、保磁力が1000[Oe]以上ある材料が好ま
しく、例えば、CoNiPtやCoCrPt等が好適で
ある。その後、マスクとなっていたフォトレジストを、
当該フォトレジスト上に成膜された永久磁石膜とともに
除去する。これにより、図7乃至図9に示したように、
所定パターンの永久磁石膜10a,10bが磁気抵抗効
果素子用薄膜9aに埋め込まれた状態となる。
【0038】次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、
図10及び図11に示すように、最終的に磁気抵抗効果
素子9として動作する部分(以下、磁気抵抗効果素子と
称する。)を残して、磁気抵抗効果素子用薄膜9aをエ
ッチングする。なお、このとき、当該磁気抵抗効果素子
9にセンス電流を供給するための引き出し導体11a,
11bとなる部分も残しておく。
【0039】具体的には、例えば、先ず、フォトレジス
トにより、各MRヘッド素子毎に、磁気抵抗効果素子9
と、磁気抵抗効果素子9にセンス電流を供給するための
引き出し導体11a,11bとなる部分とにフォトレジ
ストが残存したマスクを形成する。次に、エッチングを
施して、マスクから露呈していた磁気抵抗効果素子用薄
膜9aを除去する。なお、ここでのエッチングは、ドラ
イ方式でもウエット方式でも構わないが、加工のしやす
さ等を考慮すると、イオンエッチングが好適である。そ
の後、マスクとなっていたフォトレジストを除去するこ
とにより、磁気抵抗効果素子用薄膜9aのうち、磁気抵
抗効果素子9と、当該磁気抵抗効果素子9にセンス電流
を供給するための引き出し導体11a,11bとなる部
分とが残された状態となる。
【0040】なお、磁気抵抗効果素子の幅t4は、例え
ば約4μmとする。この幅t4は、最終的には、磁気抵
抗効果素子9のテープ摺動面1a側の端部から他端まで
の長さ、すなわちデプス長dに相当する。したがって、
本例では、磁気抵抗効果素子9のデプス長dは約4μm
となる。ただし、デプス長dは、上記の例に限るもので
はなく、システムの要求等に応じて、適切な値に設定す
るようにすればよい。また、引き出し導体11a,11
bとなる部分については、例えば、それぞれの長さt5
を約2mmとし、それぞれの幅t6を約80μmとし、
それらの間隔t7を約40μmとする。
【0041】次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、
図10及び図11に示すように、磁気抵抗効果素子9に
センス電流を供給するための引き出し導体11a,11
bとなる部分を、より電気抵抗の小さい導電膜に置き換
えて、磁気抵抗効果素子9にセンス電流を供給するため
の引き出し導体11a,11bを形成する。
【0042】具体的には、先ず、フォトレジストによ
り、引き出し導体11a,11bとなる部分に開口部を
有するマスクを形成する。次に、エッチングを施して、
開口部に露呈している部分、すなわち引き出し導体11
a,11bとなる部分に残されていた磁気抵抗効果素子
用薄膜9aを除去する。次に、フォトレジストのマスク
をそのまま残した状態で、その上に導電膜を成膜する。
ここで、導電膜は、例えば、Ti(15nm)/Cu
(70nm)/Ti(15nm)をこの順にスパッタリ
ングにより順次成膜して形成する。その後、マスクとな
っていたフォトレジストを、当該フォトレジスト上に成
膜された導電膜とともに除去する。これにより、図10
及び図11に示したように、導電膜からなる引き出し導
体11a,11bが形成された状態となる。
【0043】次に、図12及び図13に示すように、M
Rヘッド素子5の上層ギャップとなる第2の絶縁膜6
を、スパッタリング等により成膜する。ここで、第2の
絶縁膜6の材料には、絶縁特性や耐磨耗性等の観点か
ら、Al23が好適である。また、この第2の絶縁膜6
の膜厚は、記録信号の周波数等に応じて適切な値に設定
すればよく、具体的には、例えば180nm程度とす
る。
【0044】次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、
図14及び図15に示すように、外部回路と接続するた
めの外部端子12a,12bを、上記引き出し導体11
a,11bの端部上に形成する。
【0045】具体的には、例えば、先ず、フォトレジス
トにより、外部端子12a,12bとなる部分に開口部
を有するマスクを形成する。次に、エッチングを施し
て、開口部に露呈している部分、すなわち外部端子12
a,12bとなる部分の第2の絶縁膜6を除去し、上記
引き出し導体11a,11bの端部を露出させる。次
に、フォトレジストのマスクをそのまま残した状態で、
その上に導電膜を成膜する。ここで、導電膜は、例え
ば、硫酸銅溶液を用いた電解メッキにより、Cuを6μ
m程度の膜厚となるように形成する。なお、この導電膜
の形成方法は、他の膜に影響を与えないものであれば、
電解メッキ以外の方法でもよい。その後、マスクとなっ
ていたフォトレジストを、当該フォトレジスト上に成膜
された導電膜とともに除去する。これにより、図14及
び図15に示したように、外部端子12a,12bが形
成された状態となる。
【0046】以上の工程で、第1の基板3上にMRヘッ
ド素子5を形成する薄膜工程が完了し、図16に示すよ
うに、第1の基板3上に多数のMRヘッド素子5が形成
された状態となる。
【0047】次に、第1の基板3を横方向にMRヘッド
素子毎に切断し、図17及び図18に示すように、第1
の基板3上に複数のMRヘッド素子5が横一列に並んだ
状態とする。以下、このように第1の基板3上に複数の
MRヘッド素子5が横一列に並んだものをMRヘッド素
子列と称する。
【0048】そして、図19に示すように、MRヘッド
素子列に切り出された第1の第1の基板3上に、例えば
厚さt8が約0.7mmの第2の基板7を貼り付ける。
この第2の基板7は摺動方向後端側のガード材とMRヘ
ッド1の上層シールドとを兼ねるものとなる。第2の基
板7の貼り付けには、例えば樹脂等の接着剤が用いられ
る。このとき、この第2の基板7の長さt9を第1の第
1の基板3の長さt10よりも短くして、MRヘッド素子
5の外部端子12a,12bを露出させて外部端子12
a,12bへの接続が行われるようにする。また、この
第2の基板7には硬質の軟磁性材料が使用される。第2
の基板7に使用される硬質の軟磁性材料として具体的に
はNi−Znフェライト等がある。
【0049】次に、図20に示すように、MRヘッド素
子列に対して円筒研磨を施して、テープ摺動面1aを形
成する。具体的には、磁気抵抗効果素子9の前端がテー
プ摺動面1aに露呈するとともに、当該磁気抵抗効果素
子9のデプス長dが所定の長さとなるまで、MRヘッド
素子列に対して円筒研磨を施す。これにより、図に示す
ように、テープ摺動面1aが円弧状の曲面とされる。な
お、この円筒研磨によって形成されるテープ摺動面1a
のR形状は、テープテンション等に応じた適切な形状と
すればよく、特に限定されるものではない。
【0050】次に、図21に示すように、テープ摺動面
1a上に保護膜8を形成する。テープ摺動面1aに保護
膜8を形成することで、MRヘッド1のテープ摺動面1
aを保護して磁気抵抗効果素子9の摩耗を防止する。こ
のような保護膜8は、高硬度の非磁性材料をCVD(Ch
emical Vapor Deposition)やPVD(Physical Vapor
Deposition)により成膜して形成される。保護膜8の材
料として具体的には、例えばダイヤモンドライクカーボ
ン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素
等が挙げられる。このとき、保護膜8の下地となる下地
膜を配することが好ましい。下地膜を配することで、保
護膜8のテープ摺動面1aへの付着力が向上する。この
下地膜には、例えば酸化ケイ素や酸化チタン等が挙げら
れる。また、この保護膜8を、複数の薄膜が積層された
構造としてもよい。
【0051】また、この保護膜8の厚みは、2nm以
上、50nm以下とすることが好ましい。保護膜8の厚
みを2nm以上、50nm以下とすることで、スペーシ
ング損失を増大させることなく、MRヘッド1のテープ
摺動面1aを保護して、磁気抵抗効果素子9の摩耗を防
止することができる。実際には、MRヘッド1と磁気記
録媒体2との摺動テストを行い、保護膜8の適切な厚み
を決定する。
【0052】次に、図22に示すように、MRヘッド素
子列を個々に分割するため、MRヘッド素子列をMRヘ
ッド素子毎に切断する。この切断方向を、図22に示す
ようにMRヘッド1部が形成された面に対して垂直では
なく、所定の角度θを付けて切断する。この切断する角
度は使用するシステムに応じて変化させればよい。
【0053】以上の工程を経ることにより、図1に示し
たようなMRヘッド1が完成する。
【0054】このMRヘッド1を、例えばヘリカルスキ
ャンテープシステムにおいて使用する際は、図23に示
すように、MRヘッド1をチップベース20に張り付け
るとともに、上述したように形成した外部端子12a,
12bと、チップベース20に設けられた端子21a,
21bとを電気的に接続する。そして、MRヘッド1
は、このようにチップベース20に取り付けられた上
で、図24に示すように、回転ドラム22に取り付けら
れる。
【0055】例えばヘリカルスキャニング方式等、テー
プ状の磁気記録媒体と高速で摺動して情報の記録再生を
行うシステムでは、磁気抵抗効果素子の摩耗が大きい。
そして、上述したようなMRヘッド1は、上述したよう
なシステムに用いる場合に、摺動面1aに保護膜8が形
成されているので磁気抵抗効果素子の摩耗を防止するこ
とができるため特に有効である。しかし、このMRヘッ
ド1は、ディスク状の磁気記録媒体に対して情報の記録
再生を行うシステムに用いることも可能である。
【0056】なお、上述した実施の形態では、異方性磁
気抵抗効果を有する軟磁性材料を膜にした磁気抵抗効果
素子を用いたMRヘッドを例に挙げて説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、複数の薄膜が積層
された多層構造をとることにより巨大磁気抵抗効果を有
する巨大磁気抵抗効果素子を用いたMRヘッドについて
も適用可能である。
【0057】
【発明の効果】本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドで
は、磁気記録媒体摺動面上に保護膜が形成されているの
で、磁気抵抗効果型磁気ヘッドと磁気記録媒体とが高速
で摺動しても、摺動面を保護してMR素子の摩耗を防止
することができる。従って、本発明では、長時間使用し
ても、MR素子が摩耗せず、長寿命のMRヘッドを実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMRヘッドの一構成例を示す断面
図である。
【図2】図1のMRヘッド素子の一構成例を示す平面図
である。
【図3】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、第
1の基板上に第1の絶縁膜を形成した状態を示す平面図
である。
【図4】図3中、X1−X2線における断面図である。
【図5】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、M
R素子部用薄膜を形成した状態を示す平面図である。
【図6】図5中、X3−X4線における断面図である。
【図7】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、M
R素子部用薄膜上にレジストパターンが形成された状態
を示す平面図である。
【図8】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、永
久磁石膜が形成された状態を示す平面図である。
【図9】図8中、X5−X6線における断面図である。
【図10】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
更に磁気抵抗効果素子及び引き出し導体が形成された状
態を示す平面図である。
【図11】図10中、X7−X8線における断面図であ
る。
【図12】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
MRヘッド素子上に第2の絶縁膜が形成された状態を示
す平面図である。
【図13】図12中、X9−X10線における断面図であ
る。
【図14】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
外部端子が形成された状態を示す平面図である。
【図15】図14中、X11−X12線における断面図であ
る。
【図16】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
第1の基板上に多数のMRヘッド素子が形成された状態
を示す平面図である。
【図17】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
第1の基板が切り分けられて、第1の基板上に複数の磁
気ヘッド素子が横一列に並んだ磁気ヘッド素子列の平面
図である。
【図18】図17中、X13−X14線における断面図であ
る。
【図19】 MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
MRヘッド素子列に切り分けられた第1の基板上に第2
の基板を貼り付けた状態を示す斜視図である。
【図20】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
磁気ヘッド素子列に対して円筒研磨を施してテープ摺動
面を形成した状態を示す斜視図である。
【図21】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
テープ摺動面上に保護膜を形成した状態を示す斜視図で
ある。
【図22】MRヘッドの製造方法を説明する図であり、
磁気ヘッド素子列を磁気ヘッド毎に切り分ける様子を示
した平面図である。
【図23】MRヘッドが、チップベース上に貼り付けら
れた状態を示す平面図である。
【図24】MRヘッドが回転ドラム上に搭載された様子
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 MRヘッド、 3 第1の基板、 4 第1の絶縁
膜、 5 MRヘッド素子、 6 第2の絶縁膜、 7
第2の基板、 8 保護膜、 9 MR素子部、 1
0a,10b 永久磁石膜、 11a,11b 引き出
し導体、 12a,12b 外部端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿野 博司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 池田 義人 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D034 BA02 BA21 CA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体をヘリカルスキャン方式に
    よって摺動させて、当該磁気記録媒体からの信号を磁気
    抵抗効果素子を用いて検出する磁気抵抗効果型磁気ヘッ
    ドにおいて、 磁気記録媒体の摺動面に、保護膜が形成されていること
    を特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記保護膜は、ダイヤモンドライクカー
    ボン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ
    素、酸化ケイ素、酸化チタンのいずれかを少なくとも含
    有することを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型
    磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記保護膜は、複数の薄膜が積層されて
    なることを特徴とする請求項2記載の磁気抵抗効果型磁
    気ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記保護膜の厚みが、2nm以上、50
    nm以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気抵
    抗効果型磁気ヘッド。
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