JP2000056837A - ステージ位置制御系のpid調整方法およびステージ速度制御系のpi調整方法ならびにステージ装置 - Google Patents

ステージ位置制御系のpid調整方法およびステージ速度制御系のpi調整方法ならびにステージ装置

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JP2000056837A
JP2000056837A JP23112898A JP23112898A JP2000056837A JP 2000056837 A JP2000056837 A JP 2000056837A JP 23112898 A JP23112898 A JP 23112898A JP 23112898 A JP23112898 A JP 23112898A JP 2000056837 A JP2000056837 A JP 2000056837A
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Shinji Wakui
伸二 涌井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 技能に依存することなく、PIDまたはPI
パラメータを良好に調整できるようにする。 【解決手段】 除振装置に搭載されたステージ位置制御
系またはステージ速度制御系において、ステージの質量
1、粘性摩擦係数b1、ばね定数k1、ステージを駆動
する電力増幅器の1次遅れ時定数Td、位置ゲインKp
電力増幅器のゲインKi、推力定数Kt、設計者が指定す
る速応性を規定する数値σ、望ましい応答としての参照
モデルの係数α0、α1、α2、α3、さらには除振台の質
量m2、粘性摩擦係数b2およびばね定数k2等を用い、
所定の式によってPIDまたはPIパラメータを算出し
て定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステージの精密位
置決めを行うステージ位置制御系のPID補償器の各係
数を定めるPID調整方法およびこの方法を用いて調整
されるステージ装置に関する。また、ステージの速度制
御系のPI補償器の各係数を、目標速度に対する応答を
指定するアルゴリズムに基づいて定めるPI調整方法お
よびこの方法を用いて調整されるステージ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子ビームを応用した電子顕微
鏡やステッパなどのLSI製造装置では、除振装置上に
XYステージを搭載する構成が採用されている。このよ
うな除振装置は、空気ばね、コイルばね、防振ゴムなど
の振動吸収手段により振動を減衰させる機能をもつ。し
かし、受動的除振装置においては、床から伝達する振動
はある程度減衰できても、それに搭載されるXYステー
ジ自身の高速移動によって生じる反力は除振装置を揺ら
せることになり、この振動はXYステージの高速高精度
位置決めを阻害する外乱になっている。能動的除振装置
を使用する場合でも、特別な制御方式を採用しない限
り、上述の事情は同様である。そこで、特開平5−18
9050には、ステージが高速駆動したときに除振台が
受ける反力を加速度センサで検出し、それをステージを
駆動するアンプにフィードバックすることによって位置
決め整定性を改善する技術が開示されている。この定盤
加速度フィードバックは、ステージの高速移動による反
力で揺れる定盤にXYステージを追従させることによっ
て、定盤とXYステージの間の相対距離を一定に保持し
て位置決め整定性を向上させる技術である。
【0003】しかしながら、定盤加速度フィードバック
のような局所的フィードバックを有効に機能させるため
には、XYステージに施すメインの閉ループ制御系が高
速かつ高精度の位置決めを行えるように調整されていな
ければならない。制御系の調整が不備であると、先に述
べた定盤加速度フィードバックのような付加的に付ける
機能も不完全になってしまうのである。
【0004】従来、ステージ位置制御系における補償器
としてはPID補償器が使用されることが多い。ここ
で、Pは比例、Iは積分、Dは微分動作を意味する。特
に、プラント制御においては、PID補償器が広範囲に
使われている。化学プラントなどにおける制御系性能は
製品の品質に直結するものであり、且つコストに及ぼす
影響が甚大であるため、制御系性能を少しでも向上させ
るためにPID調整則の開発に余念がないところであ
る。同補償器の調整則としては限界感度法、高橋法など
が知られている。
【0005】しかし、ステージ位置制御系のようなメカ
ニカルシステムにおけるPID補償器に対しては、上記
のような汎用的な調整則は知られていないし、限界感度
法などを単純に適用しても結果は不成功におわる。その
理由は、モデルとして1次遅れ+むだ時間系と近似でき
るプラント制御を対象にした調整則のためである。この
ような単純なモデルによってメカニカルシステムは表現
できないし、事前に予測することが困難な機構振動が不
可避的に存在するため、プラントを対象にした調整則の
適用ではうまくいかないのである。そこで、従来、ステ
ージ位置制御系におけるPID調整は発見的に行われて
いる。つまり、技能に依存する調整がなされている。し
たがって、ステージが本来有している位置決め性能を十
分引き出しているとは言いがたい状況である。
【0006】上述のように、除振装置の実現形態には空
気ばね、コイルばね、防振ゴムなどの振動吸収手段によ
り振動を減衰させる受動的除振装置と、振動検出手段の
出力信号に基づいて積極的にアクチュエータヘエネルギ
を注入する能動的除振装置とがあり、これらの除振装置
を備えることによって、精密なステージヘの振動伝播を
抑制して高精度の位置決めを保証しているが、ステージ
の高速・高精度位置決めにとっては、除振台の存在が少
なからず影響している。
【0007】従来、ステージのロングストロークの位置
決めでは、最初に、ほとんどの距離を速度制御系の構成
において高速に移動せしめ、目標位置近傍で位置制御系
に切り替えて最終的な目標位置まで定常偏差なく位置決
めさせている。速度制御系の調整は最終の位置決め精度
に無関係であるが、スループットを支配している。位置
決め時間短縮をはかるためには、如何に短時間で目標位
置近傍までステージを移動せしめ、続く目標位置への漸
近をはかるために位置制御系への切替えを円滑に実行で
きるかが問題である。ここで、速度制御系に於ける補償
器としては一般にPI補償器が用いられている。なお、
Pは比例、Iは積分、を意味する。ステージの高速位置
決めに際して、速度制御系から位置制御系へと切替えを
行う方式では、位置制御系のパラメータ調整が最終の位
置決め精度を支配しているため、入念な調整が行われ
る。一方、位置制御系の検討・調整にかける時間に比較
して、速度制御系に対するそれは不十分である。なぜな
らば、精密なステージに期待しているものが最終の目標
位置への収束であって、速度制御系における動作は最終
の位置決めに対しては中間的でかつ過渡的なものとの認
識のためである。
【0008】しかしながら、生産性向上に対する要求に
応えるため、速度制御系の閉ループも最適に調整する必
要がでてきた。従来、発見的にPI補償器のパラメータ
調整を行っていたため速度制御系の最適な調整指針はも
ちろんない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、プラントのみな
らずメカニカルな制御対象に対しても一般的にPID補
償器が用いられている。この補償器の調整則として限界
感度法が有名なものとして知られている。しかしなが
ら、上述のように、これをはじめとして他の調整則はプ
ラントを対象に開発されたもので、メカニカルシステム
ヘそのまま適用することはできない。なぜならば、ほと
んどの調整則は、1次遅れ+無駄時間系の特性によって
近似できるプラントを対象にして開発されたものであ
り、メカニカルシステムはそのように単純な数学モデル
では表現できないからである。その上、機構系の機械共
振など、事前にモデル化できないダイナミクスが常に存
在し、これが位置決め特性の向上を阻害することになる
からである。したがって、メカニカルシステムにおける
PID補償器のパラメータ調整場面では、周知の方法の
単純な適用では所定の性能は達成できないため、試行錯
誤的かつ発見的にPID補償器のパラメータ調整が行わ
れている。しかしながら、技能に依存する発見的なPI
D補償器の調整は、ステージがもっている能力をどこま
で十分引き出しているのかにおいて疑問が残るし、なに
よりも位置決め性能のばらつきを発生せしめるなどの問
題がある。
【0010】また、上述のように、従来、ステージに対
する高速高精度位置決めにおいては、速度制御系の構成
で目標位置近傍まで高速に移動せしめてから、位置制御
系へと切り替えて最終の目標位置に漸近させているが、
短時間の位置決めを実現するためには、高速でステージ
を移動せしめ、かつ円滑に位置制御系へと切り替えて目
標位置に定常偏差なく収束させることが必要である。従
来、速度制御系における補償器としてはPI補償が用い
られているが、そのパラメータの調整は試行錯誤的に行
なわれている。したがって、ステージ本来の能力を最大
限に引き出した高速移動と円滑な位置制御系への切替え
とを安定して実現することができていない、という課題
が残されている。
【0011】本発明の目的は、上述従来技術の問題点に
鑑み、ステージ位置制御系のPID調整法において、技
能に依存しない調整則を与えることによって、極限の位
置決め性能を安定して取得できるようにすることにあ
る。また、ステージ速度制御系のPI調整法において、
ステージ本来の能力を最大限に引き出した高速移動と円
滑な位置制御系への切替えとを安定して実現できるよう
にすることにある。さらに、これらのPID調整方法や
PI調整方法により最適に調整されたステージ装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明のステージ位置制御系のPID調整方法では、床
振動の伝播を絶縁する除振装置と、前記除振装置に搭載
された位置決めステージと、前記ステージを位置決め制
御する位置制御手段とを備え、前記位置制御手段の補償
器が、FxをP動作ゲイン、FiをI動作ゲイン、Fv
D動作ゲインとすればFx+Fi/s+Fvの形のPID
補償器であるステージ位置制御系において、前記ステー
ジの質量、粘性摩擦係数、ばね定数、そして前記ステー
ジを駆動する電力増幅器の1次遅れ時定数をそれぞれm
1、b1、k1、Tdとし、さらにKを位置ゲイン、Ki
を前記電力増幅器のゲイン、Kを推力定数、σを設計
者が指定する速応性を規定する数値、α0、α1、α2
α3を望ましい応答としての参照モデルの係数とすれ
ば、Fi、Fx、Fv
【0013】
【数7】 で定めることを特徴とし、これにより、技能に依存しな
い、極限の位置決め性能を安定して取得できるようにし
ている。前記ステージ位置制御系は位置の目標入力端子
の前段に、前記電力増幅器の飽和を防止するための1次
遅れフィルタを備えるのが好ましく、その場合、設計者
が前記σを、外乱入力に対する応答の抑圧性に着目して
任意に小さく指定し、かつこれを小さく指定するほど前
記フィルタの遅れ時定数を大きく指定するのが好まし
い。これにより、電力増幅器の飽和を生じない範囲で、
外乱入力に対する応答の抑圧が図られる。
【0014】また、本発明の別のステージ位置制御系の
PID調整方法では、床振動の伝播を絶縁する除振装置
と、前記除振装置に搭載された位置決めステージと、前
記ステージを位置決め制御する位置制御手段とを備え、
前記位置制御手段の補償器が、FxをP動作ゲイン、Fi
をI動作ゲイン、FvをD動作ゲインとすればFx+Fi
/s+Fvの形のPID補償器であるステージ位置制御
系において、前記ステージの質量、粘性摩擦係数および
ばね定数、前記除振台の質量、粘性摩擦係数およびばね
定数、ならびに前記ステージを駆動する電力増幅器の1
次遅れ時定数をそれぞれm1、b1、k1、m2、b2
2、Tdとし、また、Kを位置ゲイン、Kiを前記電
力増幅器のゲイン、Kを推力定数、σを設計者が指定
する外乱応答の時間スケール、α0、α1、α2を望まし
い外乱応答としての参照モデルの係数とし、さらにFi
を設計者が指定するものとすれば、Fx、Fv
【0015】
【数8】 で定めることを特徴とし、これにより、外乱に対する応
答の振幅を任意に抑制しつつも、技能に依存しない、極
限の位置決め性能を安定して取得できるようにしてい
る。
【0016】また、本発明のステージ速度制御系のPI
調整方法では、床振動の伝播を絶縁する除振装置と、前
記除振装置に搭載された位置決めステージと、前記ステ
ージの速度を制御する速度制御手段とを備え、前記速度
制御手段の補償器が、FvをP動作ゲイン、FiをI動作
ゲインとすればFv+Fi/sの形のPI補償器であるス
テージ速度制御系において、前記ステージの粘性摩擦係
数をb1、前記ステージのばね定数をk1、前記ステージ
を駆動する電力増幅器のゲインをKi 、推力定数を
、ゲインをK、目標速度と実際の速度との誤差を
δ、応答の時間スケールをσ、望ましい応答のパラメー
タをα1とすれば、FiおよびFv
【0017】
【数9】 で定めることを特徴とし、これにより、ステージ本来の
能力を最大限に引き出した高速移動と円滑な位置制御系
への切替えとを、技能に依存することなく、安定して実
現できるようにしている。
【0018】また、本発明の別のステージ速度制御系の
PI調整方法では、床振動の伝播を絶縁する除振装置
と、前記除振装置に搭載された位置決めステージと、前
記ステージの速度を制御する速度制御手段とを備え、前
記速度制御手段の補償器が、FvをP動作ゲイン、Fi
I動作ゲインとすればFv+Fi/sの形のPI補償器で
あるステージ速度制御系において、前記ステージの質量
をm1、前記ステージの粘性摩擦係数をb1、前記ステー
ジを駆動する電力増幅器のゲインをKi 、推力定数をK
、ゲインをK、応答の時間スケールをσ、望ましい
応答のパラメータをα1、α2とすれば、FiおよびFv
【0019】
【数10】 で定めることを特徴とし、これによっても、ステージ本
来の能力を最大限に引き出した高速移動と円滑な位置制
御系への切替えとを、技能に依存することなく、安定し
て実現できるようにしている。
【0020】また、本発明のさらに別のステージ位置制
御系のPID調整方法では、床振動の伝播を絶縁する除
振装置と、前記除振装置に搭載された位置決めステージ
と、前記ステージを位置決め制御する位置制御手段とを
備え、前記位置制御手段の補償器が、FxをP動作ゲイ
ン、FiをI動作ゲイン、FvをD動作ゲインとすればF
x+Fi/s+Fvの形のPID補償器であるステージ位
置制御系において、前記ステージの質量、粘性摩擦係
数、ばね定数、そして前記ステージを駆動する電力増幅
器の1次遅れ時定数をそれぞれm1、b1、k1、Td
し、さらにKを位置ゲイン、Kiを前記電力増幅器の
ゲイン、Kを推力定数、σを速応性を規定する時間ス
ケール、α0、α1、α2、α3を望ましい応答としての参
照モデルの係数とすれば、σに関する3次方程式
【0021】
【数11】 を求解し、解の中で最小実根のσを選び、前記最小実根
のσを使ってFi、Fx、Fv
【0022】
【数12】 で定めることを特徴とし、これによって、技能にまった
く依存することなく、極限の位置決め性能を安定して取
得できるようにしている。
【0023】また、本発明のステージ装置は、床振動の
伝播を絶縁する除振装置と、前記除振装置に搭載された
位置決めステージと、前記ステージを位置決め制御する
位置制御手段とを備え、前記位置制御手段の補償器が、
xをP動作ゲイン、FiをI動作ゲイン、FvをD動作
ゲインとすればFx+Fi/s+Fvの形のPID補償器
であるステージ位置制御系を有するステージ装置であっ
て、Fi、Fx、Fvを上述のいずれかのPID調整方法
によって定めたことを特徴とする。
【0024】また、本発明の別のステージ装置は、床振
動の伝播を絶縁する除振装置と、前記除振装置に搭載さ
れた位置決めステージと、前記ステージの速度を制御す
る速度制御手段とを備え、前記速度制御手段の補償器
が、FvをP動作ゲイン、FiをI動作ゲインとすればF
v+Fi/sの形のPI補償器であるステージ速度制御系
を有するステージ装置であって、FvおよびFiを上述の
いずれかのPI調整方法によって定めたことを特徴とす
る。
【0025】
【実施例】(実施例1)本発明のステージ位置制御系の
パラメータ調整則を示すために順を追って説明していこ
う。いま、除振装置に搭載されたステージの力学モデル
は図2となる。同図において、1はステージ、2は除振
台である。さらに、m1はステージの質量[kg]、m2
は除振台の質量[kg]、b1はステージの粘性摩擦係
数[Ns/m]、b2は除振台の粘性摩擦係数[Ns/
m]、k1はステージのばね定数[N/m]、k2は除振
台のばね定数[N/m]、x1はステージの変位
[m]、x2は除振台の変位[m]、fは駆動力
[N]、fextは外乱[N]を表す。これらの記号を使
った運動方程式は次式である。
【0026】
【数13】 位置制御系の構成は、図2の力学モデルを使って図3の
ように表現できる。ここで、破線で囲む3は運動方程式
(1)式の力学モデル、4は位置検出変換手段、5はP
ID補償器、6は電力増幅器、7は推力定数、8は定盤
加速度フィードバック回路である。さらに、Kは位置
ゲイン[V/m]、FxはP動作ゲイン[V/V]、Fi
はI動作ゲイン[V/Vsec]、FvはD動作ゲイン
[Vsec/V]、Kiは電力増幅器のゲイン[A/
V]、Tdは電力増幅器の1次遅れ時定数[sec]、
は推力定数[N/A]、Aは定盤加速度フィードバ
ックのゲイン[V/m/sec2]、Taは定盤加速度
フィードバックの1次遅れ時定数[sec]である。
【0027】ステージ位置制御のための位置計測手段が
除振台に設置されているため、位置制御のためのフィー
ドバック信号は(x1−x2)となることに注意して、目
標入力x0から(x1−x2)までの応答は次式で示され
る。
【0028】
【数14】 ここで、(2)式の分母多項式を分子多項式で割って次
式の形を作りだす。
【0029】
【数15】 簡単な計算より、上式のα0からα3までの係数は下記の
ように表現できる。
【0030】
【数16】 したがって、PID補償器の各係数であるFx、Fi、F
vは次式のように決定すればよいことになる。
【0031】
【数17】 ただし、(α0 ,α1 ,α2 ,α3)は望ましい応答と
しての参照モデルの係数であり、一例としてα0=1.
0、α1=1.0、α2=0.5、α3=0.15と選ぶ
ことができる。σは設計者が指定するパラメータであ
り、位置決めの速さを決める。すなわちσは時間スケー
ルであり、もちろん、σを小さく指定するほど高速の位
置決めが実現できる。なお、(6b)と(6c)式の右
辺を負にする設定はありえない。当然のことであるが、
x>0、Fv>0とせねばならない。結局、本実施例の
ステージ位置制御系のPID調整則は、図1に示すフロ
ーとなる。同図のステップ1では、ステージの物理パラ
メータとなるステージの質量m1、粘性摩擦係数b1、ば
ね定数k1を適切な方法によって数値データとして取得
する。さらに、ステージを駆動するアクチュエータの推
力定数Kと、アクチュエータを駆動する電力増幅器の
ゲインKiとその1次遅れ時定数Tdを計算もしくは実測
によって数値データとして取得する。位置ゲインK
は、ステージに対する位置計測手段と増幅とを含めた変
換定数のことであり、これがレーザ干渉計であるとき、
その数値は使用する型式から明らかである。
【0032】次に、ステップ2では、実現したい位置決
め時間のスケールを指定する。具体的には、ステージの
位置決めを概ね100[msec]程度で応答させた
い、という仕様をσの値で指定する。α0からα3は望ま
しい応答を決めるためのパラメータであり、予め決めら
れている。例えば(α0 ,α1 ,α2 ,α3)=(1.
0,1.0,0.5,0.15)である。
【0033】ステップ3では、ステップ1と2で求めた
数値を(6a)から(6c)式に代入して、PID補償
器のパラメータであるFi、Fx、Fvを算出する。
【0034】ステップ4では、ステップ3で求めた
i、Fx、Fvを電気ハードもしくはソフトで実装して
実際にステージの位置決めを行う。必要に応じて(6
a)から(6c)式に基づいて算出したパラメータから
の微調整をすることはもちろん妨げられない。
【0035】最後に、本実施例のPID補償器の調整則
に基づく位置決め波形を示しておこう。図4に設計者が
指定するσを変えたときのステップ応答波形を示す。図
示のように、σを小さくするにしたがって、位置決め時
間の短縮が図れていることが分かる。しかも、オーバシ
ュートなしの応答が得られている。一方、比較のため
に、従来の発見的に調整された位置決め収束波形の一例
を図5に示しておこう。同図の位置決め収束波形は、整
定時間はそこそこ短いものの振動的であって、精密な位
置決め機構としてのステージに負担を与える位置決めに
なっていることが分かる。
【0036】(実施例2)上述実施例の定式化によるP
IDパラメータ調整を行うと、時間スケールのσを小さ
く指定すればいくらでも位置決め時間を短縮することが
できる。しかし、現実には制約がある。この制約とは、
ステージを駆動する電力増幅器の駆動能力に原因するも
のである。σを小さく指定するほどPIDパラメータ
(Fi ,Fx,Fv)の値が大きくなっていくことに起因
している。特に、大なるFvは電力増幅器6に対する入
力信号の増大を招く。
【0037】一方、σを小さく指定するほど、外乱f
extの入力に対する応答も抑制できることが分かった。
extの入力に対する応答を抑制することは重要であ
る。ステージが加減速運転を繰り返す場合、常にfext
が入力し続けていることになり、この応答を抑制するこ
とが位置決め時間の短縮と位置精度とを確保することに
おいて多大の貢献をするからである。外乱に対する応答
を抑制するためにはσを小さくしたい。しかし、位置の
目標入力に対して電力増幅器の飽和を招いてしまう、と
いう弊害がでてくる。本実施例では、この問題を解決し
ている。
【0038】具体的に説明する。まず、(6a)から
(6c)式に基づいてPIDパラメータFi、Fx、Fv
を定めたときのステップ状の目標入力およびステップ状
の外乱入力に対する応答を示しておく。図7は設計者が
指定するσを変えたときのステップ状の目標入力に対す
る応答波形と、ステップ状の外乱入力に対する応答とを
示す。図中、のところでステップ状の目標入力xo
あり、のところで外乱fextの入力が行われている。
図示のように、σを小さくするにしたがって、位置決め
時間の短縮が図れている。それと、外乱入力に対する応
答の振幅も抑制されていることが分かる。
【0039】しかし、σを小さくするにしたがって電力
増幅器6への入力が大きくなってしまう。最終的には、
電力増幅器の入力制限に引っ掛かるので、この制約によ
って実際には無闇にσを小さく指定することはできな
い。しかし、目標入力に対する応答時間よりも、むしろ
外乱入力に対する応答の抑圧を重視せねばならないこと
がある。このような状況は架空のものではない。除振台
に搭載されたステージが、急激な加減速の位置決めを間
欠的に繰り返して行う場合、加減速に起因した除振台の
振動が発生し、この振動が収束しないうちに次の位置決
め駆動がなされる。このような場合、外乱入力に対する
応答の抑圧性を高めておかないと、所定のトレランス内
に位置決め波形を収束させることができなくなる。した
がって、ステージを間欠的に位置決めする使い方がなさ
れるときには、目標入力に対する応答性を確保すること
は勿論のこと、外乱入力に対する抑圧性を十分確保して
おかねばならない。
【0040】そこで、本実施例では、σを外乱入力に対
する応答の抑圧性に着眼して指定する。このとき、もし
電力増幅器6に入力制限がなければ位置決め時間も短い
が、現実には電力増幅器6の飽和を招いてしまう。そこ
で、目標入力信号を前置フィルタを通して位置の目標入
力端子に印加する。すなわち、目標入力信号がステップ
状のとき、この信号は前置フィルタによって緩和されて
ステージ位置制御系に印加されることになるので、電力
増幅器6への入力も緩和されて飽和を招くことはなくな
る。勿論、前置フィルタの遅れ時定数の設定に依存して
位置決め時間は延びるが、目標入力端子に前置フィルタ
を挿入しているので外乱入力に対する抑圧性を崩すもの
ではない。
【0041】上述の技術内容を含む本実施例のステージ
位置制御系の構成は図6で示される。図3のステージ位
置制御系の構成に対して、xoを印加している目標入力
端子に新たに前置フィルタ9を挿入したものとなってい
る。PID補償器5のパラメータは(6a)から(6
c)式に従って定める。そのときの指標、すなわちσは
外乱fextに対する応答振幅の抑圧に着目して指定す
る。例えば、外乱fextが印加された直後の最大振幅を
所定量以下にするようにσの値を指定することができ
る。このとき、σを小さく指定して外乱に対する応答を
抑制するほどステップ状の目標入力xoに対しては電力
増幅器6の飽和を招き易くなる。そこで、前置フィルタ
9を介してステップ状の目標入力信号xooを印加する。
【0042】最後に、位置決めおよび外乱応答波形を示
しておこう。図8において、Aで指し示す波形は電力増
幅器6に入力制限がなく、しかも前置フィルタ9も接続
されていないときの位置決めおよび外乱応答である。実
際には、σを小さく指定し過ぎているので電力増幅器6
の入力制限にかかってしまい、目標入力に対するAのよ
うな位置決めはできない。そこで、図6に示すようにス
テップ状の目標入力信号xooを前置フィルタ9で緩和し
た信号を目標入力xoとする。このときの位置決めおよ
び外乱応答波形はBである。ここでは、前置フィルタ9
を時定数Tcの1次遅れ特性としている。そのため、位
置決め時間は延びるが、電力増幅器6への入力は緩和さ
れることになる。一方、外乱入力に対しては電力増幅器
6が飽和することはない。前置フィルタ9の有無に拘わ
らず応答波形は不変である。
【0043】(実施例3)本実施例では、ステージ位置
制御系の外乱応答指定形のPID調整則を示す。すなわ
ち、実施例1における(2)式に代えて、外乱fext
ら(x1−x2)までの応答に着目する。この応答の伝達
関数は、次式である。
【0044】
【数18】 上式において、定盤加速度フィードバックのゲインAの
最適値は特開平5−189050で示されるように、次
式で表現することができる。
【0045】
【数19】 すなわち、可動質量のm1に相当する加速度をフィード
バックすることによって、fextから(x1−x2)への
伝達をほぼゼロにしている。つまり、分子多項式を零に
する操作が行われている。(3a)式から分かるよう
に、分母多項式にもAは含まれるが、安定性への寄与は
僅少であることが分かっている。したがって、外乱応答
指定形のPID制御則を導くに当たっては、Aを含む定
式化は好ましくない。そこで、(7)式においてA=0
とおいた伝達関数において、分母多項式を分子多項式で
割って次式の形にする。
【0046】
【数20】 ここで、
【0047】
【数21】 である。
【0048】ここで、設計者は、まずFi(>0)を指
定する。この指定によって外乱fext印加時のピーク量
を所望の値以下に抑制する。次にγ1とγ2は望ましい外
乱応答を得るための参照モデルの係数(α0 ,σα1
σ2α2)から決められ、この係数になるようにFxとFv
を求める。ただし、α0は自動的に1である。ここで、
σは外乱応答の時間スケールであり、(α0 ,α1 ,α
2)として例えば(1,1,0.5)と選ぶことができ
る。もちろん、Fx>0,Fv>0となるようにする。
【0049】
【数22】 結局、本実施例に係るステージ位置制御系の外乱応答指
定形PID調整則は図9に示すフローとなる。同図のス
テップ1では、ステージの物理パラメータとなるステー
ジ質量m1、ステージの粘性摩擦係数b1、ステージのば
ね定数k1、除振台の質量m2、除振台の粘性摩擦係数b
2、除振台のばね定数k2を適切な方法によって数値デー
タとして取得する。さらに、ステージを駆動するアクチ
ュエータの推力定数Kと、アクチュエータを駆動する
電力増幅器のゲインKiとその1次遅れ時定数Tdを計算
もしくは実測によって数値データとして取得する。位置
ゲインKとは、ステージに対する位置計測手段と増幅
とを含めた変換定数のことであり、これがレーザ干渉計
であるときその数値は使用する型式から明らかである。
【0050】次に、ステップ2では、Fiを設計者が指
定する。また、実現したい外乱応答の時間スケールを指
定する。具体的には、外乱印加時のステージの位置決め
を概ね100[msec]程度で応答させたい、という
仕様をσの値で指定する。α0からα2は望ましい応答を
決めるためのパラメータである。例えば、(α0
α1 ,α2)=(1,1,0.5)と選ぶことができ
る。
【0051】ステップ3では、ステップ1と2で求めた
数値を(10a)と(10b)式に代入して、PID補
償器のパラメータであるFx、Fvを算出する。
【0052】ステップ4では、ステップ2で指定したF
iとステップ3で求めたFx、Fvを電気ハードもしくは
ソフトで実装して実際にステージの位置決めを行う。必
要に応じて(10a)と(10b)式に基づいて算出し
たパラメータからの微調整をすることはもちろん妨げら
れない。
【0053】最後に、本実施例の外乱応答指定形PID
調整則に基づく目標値応答および外乱応答を示してお
く。設計者が指定するFiを1、2、4と変化させた場
合であって、σ=0.1とし、同時に参照モデルとして
の係数を(α0 ,α1 ,α2)=(1,1,0.5)と
したときの目標値応答および外乱応答を図10に示す。
【0054】図示のように、Fiを大きく指定するにし
たがって外乱印加点Bの応答振幅が抑制されている。そ
して、Fiを大きく指定するにしたがって目標値入力に
対する収束性も改善されていることが分かる。目標値入
力に対する応答にはオーバシュートが発生しているが、
それでも従来の発見的なPID調整による位置決め収束
波形に比較すれば、バタツキのない収束波形であり、位
置決め機構に負担を与えない優しい位置決め波形になっ
ている。
【0055】(実施例4)図13は本発明の第4の実施
例に係るステージ速度制御系の構成を示すブロック図で
あり、図2の力学モデルを用いて表現したものである。
ここで、破線で囲む3は上述の運動方程式(1)式の力
学モデル、14はゲイン手段、15はPI補償器、6は
電力増幅器、7は推力定数、8は定盤加速度フィードバ
ック回路、10は位置計測値を微分して速度となすため
の微分器である。さらに、Kはゲイン[V/m/se
c]、FvはP動作ゲイン[V/V]、FiはI動作ゲイ
ン[V/Vsec]、Kiは電力増幅器のゲイン[A/
V]、Tdは電力増幅器の1次遅れ時定数[sec]、
は推力定数[N/A]、Aは定盤加速度フィードバ
ックのゲイン[V/m/sec2]、Taは定盤加速度フ
ィードバックの1次遅れ時定数[sec]である。
【0056】ステージの速度および位置制御のための位
置計測手段が除振台2に設置されているため、位置制御
のためのフィードバック信号は(x1−x2)であり、こ
れを1階微分した(v1−v2)が速度制御系におけるフ
ィードバック信号となることに注意して、目標速度v0
から(v1−v2)までの応答は次式である。ただし、簡
単のために、電力増幅器の1次遅れ時定数Tdは小さい
として無視し、定盤加速度フィードバック回路8を未投
入とした。
【0057】
【数23】 ここで、(11) 式の分母多項式を分子多項式で割って
次式の形に変形する。
【0058】
【数24】 ここで、σは目標速度に対する速度制御系の応答の時間
スケールを、(α0,α1,α2)は望ましい応答を有す
る参照モデルの係数を表す。
【0059】以下、Fv、Fiの定め方を2種類与える。
そのうちの1つは次の通りである。まず、k1が有限な
値をもつことにより、(13)式の直流域の伝達関数が
1(0[dB])ではないことに注意する。つまり、厳
密には、実際の速度は目標速度よりも必ず低い。しか
し、通常、(13)式右辺第1項は1(0[dB])に
ほとんど近く、Fiを十分大きくするにしたがって1に
漸近して目標速度と実際の速度は一致する。ここでは、
定常状態における目標速度に対する実際の速度とのずれ
を許容以下となす観点からFiを指定する。すなわち、
δを誤差(例えば、5%=0.05)とおいて次式を満
たすようにFiを定める。
【0060】
【数25】 次に、時間スケールσを指定し、s1項の係数を参照モ
デルのそれに一致させるよう次式に基づいてFvを定め
る。
【0061】
【数26】 v、Fiの値を定める2つ目の方法は次の通りである。
ここでは、k1=0の近似を導入する。ステージの案内
が例えば非接触の静圧軸受であっても位置決め平衡位置
の微小領域ではばねの存在が認められる場合もあるが、
ステージが高速移動の状態では、ばねの存在は無視でき
る。このとき、時間スケールσを指定することによって
以下の式よりFvとFiを定めることができる。
【0062】
【数27】 結局、本実施例に係るステージ速度制御系のPI調整則
は図11に示すフローとなる。同図のステップ1では、
ステージの物理パラメータであるステージの粘性摩擦係
数b1、ステージのばね定数k1を適切な方法によって数
値データとして取得する。さらに、ステージを駆動する
アクチュエータの推力定数Kと、アクチュエータを駆
動する電力増幅器のゲインKiを計算もしくは実測によ
って数値データとして取得する。ゲインKとは、ステ
ージに対する位置計測手段と増幅とを含めた変換定数の
ことであり、これがレーザ干渉計であるときその数値は
使用する型式から明らかである。
【0063】次に、ステップ2では、目標速度に対する
定常状態における実際の速度の誤差をδ、応答の時間ス
ケールをσとおいて、これらを設計者が指定する。α0
とα1は望ましい応答を決めるためのパラメータであ
る。α0は自動的に1であるが、例えば(α0 ,α1)=
(1,1)と選ぶ。
【0064】ステップ3では、(15)式の不等式を満
たすようにFiを決めて、このFiの値を(16)式に代
入することによってFvを決定する。
【0065】ステップ4では、ステップ3で決定したF
i、Fvを電気ハードもしくはソフトで実装して実際にス
テージの速度制御を行なう。必要に応じて(15)と
(16)式に基づいて算出したパラメータからの微調整
をすることはもちろん妨げられない。
【0066】本実施例に係るもう1つのステージ速度制
御系のPI調整則は図12に示すフローとなる。同図の
ステップ1では、ステージの物理パラメータであるステ
ージの質量m1、ステージの粘性摩擦係数b1を適切な方
法によって数値データとして取得する。さらに、ステー
ジを駆動するアクチュエータの推力定数Kiと、アクチ
ュエータを駆動する電力増幅器のゲインKiを計算もし
くは実測によって数値データとして取得する。ゲインK
とは、ステージに対する位置計測手段と増幅とを含め
た変換定数のことであり、これがレーザ干渉計であると
きその数値は使用する型式から明らかである。
【0067】次に、ステップ2では、目標速度に対する
実際の速度応答の時間スケールσを指定する。(α0
α1 ,α2)は望ましい応答を決めるためのパラメータ
である。α0は自動的に1であるが、例えば(α0 ,α
1 ,α2)=(1,1,0.5)と選ぶ。
【0068】ステップ3では、(17a)と(17b)
式に基づいてFiとFvを導出する。ステップ4では、ス
テップ3で決定したFi,Fvを電気ハードもしくはソフ
トで実装して実際にステージの速度制御を行なう。必要
に応じて(17a)と(17b)式に基づいて算出した
パラメータからの微調整をすることはもちろん妨げられ
ない。
【0069】最後に、本実施例の効果を示す数値実験結
果を図14に示す。同図は(17a)と(17b)式に
基づいてPIパラメータを設計したときの応答であり、
図中のAの波形は図13の目標速度v0として印加した
台形状の速度プロファイルであり、Bは実際の速度(v
1−v2)の応答である。台形状の速度プロファイルに対
して振動的な応答を呈することなく追従していることが
分かる。従来の発見的なPI調整を行うと、台形状の速
度プロファイルの頂点で、すなわち加速度が突変すると
ころで実際の速度を振動的にしてしまうことが多いが、
本実施例のステージ速度制御系のPI調整則によればそ
のような事態を招くことはない。
【0070】(実施例5)実施例1や2では、位置決め
の速さを決める時間スケールσをフリーパラメータとし
て設計者に開放しており、σを小さく指定するほど高速
の位置決めが実現できる。しかし、人手を介することな
くPIDパラメータを決定するという完全自動化の実現
には、σをフリーパラメータとしてではなく、合理的基
準に基づいて定められるものとしなければならない。そ
こで、本実施例においては、σを以下に示すアルゴリズ
ムにしたがって自動的に算出し、その値を上述の(6
a)〜(6c)式に代入することによってPIDパラメ
ータを決定する。
【0071】さて、σを決定するアルゴリズムである
が、上述の(4)式においてs4項も(5a)〜(5
d)式と同様に算出して、係数がα4σ4に等しいという
拘束条件を新たに付ける。煩雑な計算過程は省略して結
果だけを示すと、σは次式の3次方程式を求解すること
によって求められる。
【0072】
【数28】 もちろん、σは正であり、且つ実根でなければならない
ので、上式の3次方程式を解いてその中から正の最小実
根のσを選ぶ。ただし、(α0 ,α1 ,α2 ,α3 ,α
4)は望ましい応答としての参照モデルの係数であり、
一例としてα0=1.0、α1=1.0、α2=0.5、
α3=0.15、α4=0.03と選ぶことができる。
【0073】(18)式を満たす最小実根のσが算出さ
れると、これを(6a)式に代入してFiが、(6b)
式に代入してFxが、(6c)式に代入してFvが自動的
に決定される。上記のPID調整則を整理すると図15
を得る。同図のステップ1では、ステージの物理パラメ
ータであるステージの質量m1、ステージの粘性摩擦係
数b1、ステージのばね定数k1を適切な方法によって数
値データとして把握する。さらに、ステージを駆動する
アクチュエータ(例えば、リニアモータ)の推力定数K
、アクチュエータを励磁する電力増幅器のゲイン
i、電力増幅器の1次遅れ特性としての時定数Td、ス
テージ位置制御系の位置ゲインKを実測ないしは計算
によって数値データとして把握しておく。
【0074】ステップ2では、望ましい応答としての参
照モデルの係数(α0 ,α1 ,α2,α3 ,α4)を指定
する。例えば、(1,1,0.5,0.15,0,0
3)と選ぶ。そして、ステップ1で求めたm1 ,k1
1 ,Tdを(18)式で表現するσに関する3次方程
式に代入してσの解を求める。この中で正で且つ最小実
根のσを選択する。
【0075】ステップ3では、ステップ2で算出した最
小実根のσを(6a)〜(6c)式に代入して、PID
パラメータのFi 、Fx 、Fvを算出する。
【0076】ステップ4では、ステップ3で算出したP
IDパラメータを電気ハードもしくはソフトとして実装
して、ステージを実際に位置決めする。もちろん、必要
に応じて、(6a)〜(6c)式に基づいて算出したF
i 、Fx 、Fvから微調整を施した値を実装してステー
ジ位置制御系を構成することは妨げられない。
【0077】なお、図15のPID調整則のフローに基
づくと、Fx 、Fvが過大となって、電力増幅器6の入
力飽和を招くことがある。所謂、セット・ポイント・キ
ックである。このような場合に対処するために、図3の
PID補償器5の伝達関数は
【0078】
【数29】 であったが、これに代えて
【0079】
【数30】 のように疑似微分にしてもよい。また、図6に示すよう
に目標入力x0の入力の前段に、例えば時定数Tcを有す
る1次遅れフィルタとしての前置フィルタ9を挿入する
ことによってセット・ポイント・キックの発生を抑圧な
いしは軽減してもよい。
【0080】最後に、本実施例のPID調整則に基づく
位置決めおよび外乱応答波形を示しておこう。まず、比
較のための波形として、σをフリーパラメータとして設
計者がこれを指定していたときの応答は図7に示したと
おりである。図示のように、σを小さくするに従って目
標入力(印加点)に対する位置決めが速くなり、しか
も外乱印加(印加点)に対する応答の抑圧性も向上し
ている。このような収束波形を観察しながら、σの指定
を繰り返して望ましい応答を得ていくことになる。一
方、本実施例に係るステージ位置制御系のPID調整則
では、(18)式に基づいて自動的にσが決定される。
図7の応答波形を得た物理パラメータと同じものを(1
8)式に代入して次式を得る。
【0081】
【数31】 求根の結果、σの値は、
【0082】
【数32】 である。もちろん、この中で採用するσは0.0012
であり、複素根は破棄される。この値を(6a)〜(6
c)式に代入してPID補償器のパラメータが決定され
る。このPID補償器を使ったときの時間応答波形は図
16で示される。図7では、σの指定を反復することに
よって徐々に位置決めを速応化していったが、図16で
は自動的にσが決定できており、この値を用いてかつ
(6a)〜(6c)式に基づいて算出されたPIDパラ
メータを実装して得られる位置決めは、目標入力に対す
る収束性および外乱印加に対する抑圧性ともに満足すべ
き応答となっている。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、各PIDパラメー
タFi、Fx、Fvを所定の式に基づいて算出する本発明
のPID調整方法およびこれを用いたステージ装置によ
れば、良好な位置決めを、技能に依存することなく安定
して実現することができる。しかも、オーバシュートな
しの位置決め収束波形が得られる。したがって、ステー
ジの位置決め機構に負担を与えないという意味で優しい
位置決めが実現できる。以って、位置決め機構を経時的
に劣化させることがない、という効果がある。また、従
来の発見的なPID調整を行うと、微分ゲインFvが大
きくなりがちであり、Fvが大きいと、ステップ状の目
標入力に対するステージのドライバヘの入力の波高値が
大きくなって、ドライバを飽和させやすいが、本発明に
よれば、Fvを過大にすることなく短時間の位置決めが
実現できる。また、設計者が指定する位置決めの時間ス
ケールを短くするほど、外乱に対する応答も抑制でき
る、という効果がある。また、この時間スケールを小さ
くしていくほど位置決め時間の短縮と外乱抑制が図れる
が、位置決めにおいては電力増幅器の飽和を招いてしま
うため、電力増幅器の飽和を招かない程度の時間スケー
ルを指定しなければならないが、目標入力端子の前段
に、電力増幅器の飽和を防止するためのローパスフィル
タなどのフィルタを設けるようにしたため、電力増幅器
の飽和を招くことなく、外乱応答を所望のレベルに抑制
することができる。
【0084】また、I動作ゲインFiを設計者が指定
し、他のパラメータFx、Fvを所定の式に基づいて算出
する外乱応答指定形のPID調整方法およびこれを用い
たステージ装置によれば、良好な位置決めを、技能に依
存することなく安定して実現することができるととも
に、その際、外乱印加に対する応答を指定することがで
き、しかもこの応答をより抑制するPIDパラメータの
設定は、目標値入力に対する応答時間の短縮を図る設定
でもあるという望ましい性質を有している。
【0085】また、本発明のステージ速度制御系のPI
調整方法およびこれを用いたステージ装置によれば、円
滑なステージの移動を、技能に依存することなく安定し
て実現することができる。したがって、位置制御に切り
替える際もステージを不用意に揺動させることなく、目
標位置への素早い収束が実現できる。
【0086】また、速応性を規定する時間スケールσを
も所定の式に基づいて算出する本発明のステージ位置制
御系のPID調整方法およびこれを用いたステージ装置
によれば、PIDパラメータの決定に際してフリーパラ
メータを一切有していないため、技能にまったく依存し
ない、完全に自動的なPID調整を行うことができる。
また、位置決め特性として、振動的な応答を招くことは
なく、しかもオーバシュート量は軽微である。したがっ
て、ステージの位置決め機構に負担を与えないという意
味で優しい位置決めが実現できる。以って、位置決め機
構を経時的に劣化させることがない、という効果があ
る。
【0087】したがって、いずれの本発明によっても、
ステージの位置決め整定時間の短縮と高精度位置決めが
実現でき、生産性に寄与するところ大という効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係るステージ位置制
御系のPID調整則のフローを示す図である。
【図2】 ステージ装置の力学モデルを示す図である。
【図3】 本発明の第1の実施例に係るステージ位置制
御系のブロック図である。
【図4】 本発明の第1の実施例による位置決め収束波
形を示す図である。
【図5】 従来技術に係る位置決め収束波形を示す図で
ある。
【図6】 本発明の第2の実施例に係るステージ位置制
御系のブロック図である。
【図7】 図1のPID調整則におけるσの変化に対す
る目標入力および外乱入力に対する応答波形を示す図で
ある。
【図8】 本発明の第2の実施例の効果を示す、目標入
力および外乱入力に対する応答波形を示す図である。
【図9】 本発明の第3の実施例に係るステージ位置制
御系の外乱応答指定形PID調整則のフローを示す図で
ある。
【図10】 図9のPID調整則による位置決め波形お
よび外乱抑圧波形を示す図である。
【図11】 本発明の第4の実施例に係るステージ速度
制御系のPI調整則のフローを示す図である。
【図12】 本発明の第4の実施例に係る他のステージ
速度制御系のPI調整則のフローを示す図である。
【図13】 本発明の第4の実施例に係るステージ速度
制御系のブロック図である。
【図14】 図12のPI調整則による速度波形を示す
図である。
【図15】 本発明の第5の実施例に係るステージ位置
制御系のPID調整則のフローを示す図である。
【図16】 本発明の第5の実施例の効果を示す、目標
入力および外乱入力に対する応答波形を示す図である。
【符号の説明】
1:ステージ、2:除振台、3:力学モデル、4:位置
検出変換手段、5:PID補償器、6:電力増幅器、
7:推力定数、8:定盤加速度フィードバック回路、
9:前置フィルタ、10:微分器、14:ゲイン手段、
15:PI補償器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05D 3/12 305 G05D 3/12 305L 306 306Z G12B 5/00 G12B 5/00 T Fターム(参考) 2F078 CA08 CB02 CB03 CC01 CC15 3C001 KA01 TA01 TA05 TB01 TB05 TC05 5H004 GA03 GA05 GA07 GA09 GB20 HA07 HA08 HB07 HB08 HB09 JA03 JA04 JA22 JB08 JB15 KA54 KA69 KA78 KB02 KB04 KB06 KB16 KB22 KB39 KC33 KC34 LA02 LA06 LA13 LA20 MA12 5H303 AA20 BB02 BB07 BB12 CC02 CC05 EE07 FF03 JJ01 JJ04 KK01 KK02 KK03 KK04 KK11 KK14 KK17 KK20 KK35 MM05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床振動の伝播を絶縁する除振装置と、前
    記除振装置に搭載された位置決めステージと、前記ステ
    ージを位置決め制御する位置制御手段とを備え、前記位
    置制御手段の補償器が、FxをP動作ゲイン、FiをI動
    作ゲイン、FvをD動作ゲインとすればFx+Fi/s+
    vの形のPID補償器であるステージ位置制御系にお
    いて、前記ステージの質量、粘性摩擦係数、ばね定数、
    そして前記ステージを駆動する電力増幅器の1次遅れ時
    定数をそれぞれm1、b1、k1、Tdとし、さらにKp
    位置ゲイン、Kiを前記電力増幅器のゲイン、Ktを推力
    定数、σを設計者が指定する速応性を規定する数値、α
    0、α1、α2、α3を望ましい応答としての参照モデルの
    係数とすれば、Fi 、Fx 、Fvを 【数1】 で定めることを特徴とするステージ位置制御系のPID
    調整方法。
  2. 【請求項2】 前記ステージ位置制御系は位置の目標入
    力端子の前段に、前記電力増幅器の飽和を防止するため
    の1次遅れフィルタを備えており、設計者が前記σを、
    外乱入力に対する応答の抑圧性に着目して任意に小さく
    指定し、かつこれを小さく指定するほど前記フィルタの
    遅れ時定数を大きく指定することを特徴とする請求項1
    に記載のステージ位置制御系のPID調整方法。
  3. 【請求項3】 床振動の伝播を絶縁する除振装置と、前
    記除振装置に搭載された位置決めステージと、前記ステ
    ージを位置決め制御する位置制御手段とを備え、前記位
    置制御手段の補償器が、FxをP動作ゲイン、FiをI動
    作ゲイン、FvをD動作ゲインとすればFx+Fi/s+
    vの形のPID補償器であるステージ位置制御系にお
    いて、前記ステージの質量、粘性摩擦係数およびばね定
    数、前記除振台の質量、粘性摩擦係数およびばね定数、
    ならびに前記ステージを駆動する電力増幅器の1次遅れ
    時定数をそれぞれm1、b1、k1、m2、b2、k2、Td
    とし、また、Kを位置ゲイン、Kiを前記電力増幅器
    のゲイン、Kを推力定数、σを設計者が指定する外乱
    応答の時間スケール、α0、α1、α2を望ましい外乱応
    答としての参照モデルの係数とし、さらにFiを設計者
    が指定するものとすれば、Fx、Fvを 【数2】 で定めることを特徴とするステージ位置制御系のPID
    調整方法。
  4. 【請求項4】 床振動の伝播を絶縁する除振装置と、前
    記除振装置に搭載された位置決めステージと、前記ステ
    ージの速度を制御する速度制御手段とを備え、前記速度
    制御手段の補償器が、FvをP動作ゲイン、FiをI動作
    ゲインとすればFv+Fi/sの形のPI補償器であるス
    テージ速度制御系において、前記ステージの粘性摩擦係
    数をb1、前記ステージのばね定数をk1、前記ステージ
    を駆動する電力増幅器のゲインをKi 、推力定数を
    、ゲインをK、目標速度と実際の速度との誤差を
    δ、応答の時間スケールをσ、望ましい応答のパラメー
    タをα1とすれば、FiおよびFvを 【数3】 で定めることを特徴とするステージ速度制御系のPI調
    整方法。
  5. 【請求項5】 床振動の伝播を絶縁する除振装置と、前
    記除振装置に搭載された位置決めステージと、前記ステ
    ージの速度を制御する速度制御手段とを備え、前記速度
    制御手段の補償器が、FvをP動作ゲイン、FiをI動作
    ゲインとすればFv+Fi/sの形のPI補償器であるス
    テージ速度制御系において、前記ステージの質量を
    1、前記ステージの粘性摩擦係数をb1、前記ステージ
    を駆動する電力増幅器のゲインをKi 、推力定数を
    、ゲインをK、応答の時間スケールをσ、望まし
    い応答のパラメータをα1、α2とすれば、FiおよびFv
    を 【数4】 で定めることを特徴とするステージ速度制御系のPI調
    整方法。
  6. 【請求項6】 床振動の伝播を絶縁する除振装置と、前
    記除振装置に搭載された位置決めステージと、前記ステ
    ージを位置決め制御する位置制御手段とを備え、前記位
    置制御手段の補償器が、FxをP動作ゲイン、FiをI動
    作ゲイン、FvをD動作ゲインとすればFx+Fi/s+
    vの形のPID補償器であるステージ位置制御系にお
    いて、前記ステージの質量、粘性摩擦係数、ばね定数、
    そして前記ステージを駆動する電力増幅器の1次遅れ時
    定数をそれぞれm1、b1、k1、Tdとし、さらにK
    位置ゲイン、Kiを前記電力増幅器のゲイン、Kを推
    力定数、σを速応性を規定する時間スケール、α0
    α1、α2、α3を望ましい応答としての参照モデルの係
    数とすれば、σに関する3次方程式 【数5】 を求解し、解の中で最小実根のσを選び、前記最小実根
    のσを使ってFi、Fx、Fvを 【数6】 で定めることを特徴とするステージ位置制御系のPID
    調整方法。
  7. 【請求項7】 床振動の伝播を絶縁する除振装置と、前
    記除振装置に搭載された位置決めステージと、前記ステ
    ージを位置決め制御する位置制御手段とを備え、前記位
    置制御手段の補償器が、FxをP動作ゲイン、FiをI動
    作ゲイン、FvをD動作ゲインとすればFx+Fi/s+
    vの形のPID補償器であるステージ位置制御系を有
    するステージ装置であって、Fi、Fx、Fvを請求項
    1、2または6のPID調整方法によって定めたことを
    特徴とするステージ装置。
  8. 【請求項8】 前記ステージ位置制御系の位置の目標入
    力端子の前段に、前記ステージを駆動する電力増幅器の
    飽和を防止するためのフィルタを備えたことを特徴とす
    る請求項7に記載のステージ装置。
  9. 【請求項9】 床振動の伝播を絶縁する除振装置と、前
    記除振装置に搭載された位置決めステージと、前記ステ
    ージを位置決め制御する位置制御手段とを備え、前記位
    置制御手段の補償器が、FxをP動作ゲイン、FiをI動
    作ゲイン、F vをD動作ゲインとすればFx+Fi/s+
    vの形のPID補償器であるステージ位置制御系を有
    するステージ装置であって、Fi、Fx、Fvを請求項3
    のPID調整方法によって定めたことを特徴とするステ
    ージ装置。
  10. 【請求項10】 床振動の伝播を絶縁する除振装置と、
    前記除振装置に搭載された位置決めステージと、前記ス
    テージの速度を制御する速度制御手段とを備え、前記速
    度制御手段の補償器が、FvをP動作ゲイン、FiをI動
    作ゲインとすればFv+Fi/sの形のPI補償器である
    ステージ速度制御系を有するステージ装置であって、F
    vおよびFiを請求項4または5のPI調整方法によって
    定めたことを特徴とするステージ装置。
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