JP2000055526A - 冷凍装置及び冷凍方法 - Google Patents

冷凍装置及び冷凍方法

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JP2000055526A
JP2000055526A JP10221335A JP22133598A JP2000055526A JP 2000055526 A JP2000055526 A JP 2000055526A JP 10221335 A JP10221335 A JP 10221335A JP 22133598 A JP22133598 A JP 22133598A JP 2000055526 A JP2000055526 A JP 2000055526A
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cooling liquid
freezing
frozen
liquid
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壽 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主に生鮮食品の冷凍に適し、冷凍過程での品
質低下が少なく、生産性に優れた冷凍装置及び冷凍方法
を提供することである。 【解決手段】 冷却用液体14が満たされた冷凍槽12
内に、被冷凍物16をコンベヤー18に乗せて投入・浸
漬・移動させて冷凍する冷凍装置10であって、冷却用
液体14の液面下、コンベヤー18の上方に位置して、
コンベヤー18の走行方向に沿って冷却用液体14の噴
出口26が設けられ、噴出口26が、その噴出方向をコ
ンベヤー18の両側端30、32の外側に向けて、少な
くとも2列に配設された冷凍装置10とすることであ
る。さらに、冷却用液体14の噴出量が、被冷凍物16
が投入されるコンベヤー18の上流側で多く、コンベヤ
ー18の下流側で少ないように噴出口26が配設された
冷凍装置10とすることである。また、網状又はメッシ
ュ状の蓋を備えた籠状のトレー42に被冷凍物16を入
れ、コンベヤー18に乗せて冷凍槽12内に投入、冷却
用液体14に浸漬して移動させる冷凍方法とすることで
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主に生鮮食品の冷凍
に適し、鮮度保持性、品質の均一性、生産性等々に優れ
た冷凍装置及び冷凍方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、野菜や果物や生
魚等を冷凍する場合は、冷却用液体が満たされた冷却槽
内に、被冷凍物を多段に収納して冷凍するバッチ式の装
置が多く用いられてきた。図9の模式図で説明すれば、
塩化カルシュウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、アル
コール水溶液等からなる冷却用液体54が満たされた冷
凍槽52内に、被冷凍物58が多段に収められた棚枠5
6が沈められる。冷却用液体54は、冷凍槽52の底部
に設けられた冷却用コイル60を介して冷却され、攪拌
機64によって攪拌・流動促進されることによって冷凍
槽52内の温度の均一化が図られている。
【0003】本従来例によれば、比較的小型で簡単な装
置で冷凍品を製造できるが、冷凍槽52内での冷却用液
体温度の均一性が悪いため冷凍速度に緩急の差が生じ、
製品の品質がばらつくという問題があった。また、バッ
チ式のため生産性が悪くコストの上昇を招くという問題
もあった。
【0004】また、図10に示されるような、コンベヤ
ー66を備えた冷凍装置50も用いられてきた。すなわ
ち、冷凍槽52に満たされた冷却用液体54の液面下を
コンベヤー66が走行するようにされており、被冷凍物
58は、投入口68から走行するコンベヤー66上に乗
せられて冷凍槽52に投入され、冷却用液体54に一定
時間浸漬された後、取り出し口70から取り出される。
エンドレスのコンベヤー66を連続的に動かして操業で
きるので、上述のバッチ式装置と較べれば大幅に生産性
が向上する。また、個々の被冷凍物は、投入口68から
取り出し口70に至る同一の冷却過程を経ることになる
ので、冷凍製品の品質均一性もかなり改良される。
【0005】しかしながら、冷凍槽52の下部に備えら
れた冷却用コイル60によって冷却される低温の冷却用
液体54は、その密度の差異に基づき、冷凍槽52の下
部に留まりやすく、冷却用液体54の温度は上下方向に
温度差ができてしまう。冷凍槽52の下部に備えられた
攪拌機64を動かしても、冷凍槽52内全体にわたり冷
却用液体54の温度を均一にするのは非常に困難であっ
た。その結果、被冷凍物近辺の冷却用液体54の温度が
比較的高くなって冷却が緩慢となり、冷凍製品の品質低
下を招くという問題があった。また、冷却用液体54は
常に静止しているのではなく、動いたり揺らいだりして
いるので、これらの動きに伴い被冷凍物近辺の温度が不
規則に変化する。その結果、個々の被冷凍物毎に冷却履
歴が異なることになり、冷凍製品の品質がばらつくとい
う問題があった。
【0006】これに対し、図11に例示されるような冷
凍装置として、被冷凍物の冷却を促進し冷却用液体54
温度の均一性を改良することが提案されている(特開昭
63−197863)。すなわち、ポンプ74を介して
冷却用液体54を還流する仕組みとし、冷凍槽52の下
部に設けた吸入口72から吸い上げ、コンベヤー66の
上方に設けた噴出口76から被冷凍物58に向けて冷却
用液体54を噴出する装置である。コンベヤー66の上
方には、被冷凍物58を挟んで固定するための、もう一
枚のコンベヤー67が設けられている。本装置によれ
ば、比較的温度の低い冷却用液体54を、冷凍槽52の
底部から吸い上げ冷凍槽52の上部から噴出・供給する
ので、冷凍槽52内全体にわたり、冷却用液体54の温
度均一性がかなり改良される。また、冷却用液体54が
被冷凍物58に向けて直接噴出されるので冷却速度が速
くなり、冷凍過程における品質低下を低減できる。
【0007】しかしながら、本冷凍装置においても改善
すべき問題点がなお残っている。一つは、噴出された冷
却用液体54が当たる被冷凍物58の上面と、その裏側
の下面との冷却速度が極端に異なることに基づき、冷凍
製品の品質が上下で異なりやすいことである。噴出され
た冷却用液体54は被冷凍物58の上面に突き当たり失
速してしまうので、被冷凍物58の下面からの冷却には
ほとんど影響しない。したがって、上面からの冷却は促
進されるが下面からの冷却は遅いままであり、個々の冷
凍製品の内部で上下方向の品質がばらついてしまう。
【0008】二つ目は、冷凍槽52内の冷却用液体54
の流動状態に関する。上述したように、本冷凍装置にお
いては、冷凍槽52の底部から比較的温度の低い冷却用
液体54を吸い上げ、冷凍槽52の上部から噴出・供給
するので、コンベヤー66の長手方向に沿った冷却用液
体54の流動が促され、冷凍槽52内全体にわたる温度
均一性が改良される効果がある。しかしながら、コンベ
ヤー66の幅方向への流れはほとんどなくあまり改善さ
れてない。噴出された冷却用液体54は被冷凍物58の
上面に突き当たり失速してしまい、被冷凍物58の下方
の冷却用液体54の流動状態にはほとんど影響しないか
らである。したがって、冷却用液体54の上下方向の温
度差を解消するには、コンベヤー66の幅方向への流れ
を促進する工夫がさらに必要とされる。
【0009】三つ目は、コンベヤーを用いる連続式の冷
凍装置に必然的に伴う問題である。すなわち、被冷凍物
58が投入される投入口68近辺では、比較的高い温度
の被冷凍物58を冷却するのに伴い、冷却用液体54自
体の温度が上昇してしまい、冷却速度が鈍ってしまう。
その結果、冷凍に長時間を要して被冷凍物に大きな氷晶
が生じ、冷凍製品の品質低下を招くことがある。
【0010】四つ目は、ダブルコンベヤー方式に関し、
2つのコンベヤー66、67間の微小な速度差や蛇行状
態に影響されて被冷凍物にずり応力が加わり、被冷凍物
58が変形したりコンベヤー間からはみ出したりするト
ラブルが発生しやすいことである。冷却用液体中に浸漬
された被冷凍物58には浮力が発生して不安定な状態に
あるため、なんらかの固定手段が必要とされるが、上述
したようなトラブルが発生しない固定方法の開発が待た
れている。
【0011】そこで本発明者は、上述した従来技術の問
題点に鑑み、冷凍槽内冷却用液体の温度の均一性を向上
し冷却速度を高めることにより、冷凍製品の品質向上と
品質安定化が可能となる冷凍装置及び冷凍方法につい
て、鋭意研究を重ねた結果本発明に至ったのである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る冷凍装置の
要旨とするところは、冷却用液体が満たされた冷凍槽内
に、被冷凍物をコンベヤーに乗せ投入・浸漬・移動させ
て冷凍する冷凍装置であって、冷却用液体の液面下、コ
ンベヤーの上方に位置して、コンベヤーの走行方向に沿
って冷却用液体の噴出口が設けられ、噴出口が、その噴
出方向をコンベヤーの両側端の外側に向けて、少なくと
も2列に配設されたことにある。
【0013】さらに、かかる冷凍装置において、冷凍物
が投入されるコンベヤー上流側での冷却用液体の噴出量
が、コンベヤー下流側での冷却用液体の噴出量より多く
なるようにして噴出口が配設されたことにある。
【0014】また、本発明に係る冷凍方法の要旨とする
ところは、冷却用液体が満たされた冷凍槽内に、トレー
に入れた被冷凍物をコンベヤーに乗せ投入・浸漬・移動
させて冷凍する冷凍方法であって、トレーが、網状又は
メッシュ状の蓋を備えた籠状であることにある。
【0015】また、本発明に係る冷凍方法の要旨とする
ところは、被冷凍物を密閉袋状容器内に減圧又は真空下
に装填した後、冷凍槽内に満たされた冷却用液体内に強
制的に浸漬させつつ連続的に移動させて凍結させること
にある。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る冷凍装置及び
冷凍方法の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明す
る。
【0017】図1及び図2に例示される冷凍装置10で
は、冷却用液体14が満たされた縦長の冷凍槽12内を
エンドレスの金網等からなるコンベヤー18が走行する
ようにされている。コンベヤー18の両側端は、モータ
ーによって駆動されるチェーンと連結されている。冷凍
槽12内に斜め下方に向けて導かれたコンベヤー18
は、冷却用液体14に潜ってから方向を転じてほぼ水平
に走行し、再び斜め上方に転じて冷却用液体14から抜
け出し、冷凍槽12の外へと移動する。
【0018】冷凍槽12内の冷却用液体14は、コンベ
ヤー18の下流側、冷凍槽12の底部に設けられた吸入
口24からポンプ22によって冷凍槽12外に吸い出さ
れ、コンベヤー18の上方、冷却用液体14の液面下に
設けられた噴出口26から噴出されることにより還流さ
せられる。噴出口26は、コンベヤー18の走行方向と
平行に設けられた噴出管28に、その長手方向に沿って
列状に配設されており、図2に示されるように左右対称
に2列とされている。各噴出口26からは、コンベヤー
18の両側端30、32の外側34、36に向け、水平
面に対しθ1の角度で冷却用液体14が噴出される。
【0019】本冷凍装置10による冷凍方法の一例で
は、図1に示されるように、コンベヤー18の上流側
の、冷凍槽12外に設けられた投入口38から、被冷凍
物16を収納したトレー42が、一定速度で走行するコ
ンベヤー18上に投入される。コンベヤー18に乗って
移動するトレー42は、冷却用液体14内に所定の時間
浸漬され、コンベヤー18の下流側の、冷凍槽12外に
設けられた取り出し口40から取り出される。被冷凍物
16は、特に包装等されない裸の状態でもよいし真空パ
ック等に包装されていてもよい。包装されていれば、冷
却速度が幾分遅くなる反面、被冷凍物16の表面が過度
に冷却されて、いわゆる焼けと呼ばれる冷凍物の損傷等
の発生を防止できるメリットがある。
【0020】本発明の冷凍装置10によれば、噴出口2
6から噴出された冷却用液体14が、コンベヤー18の
両側端30、32の外側34、36に位置する冷凍槽1
2の内壁に衝突し、コンベヤー18の両側端30、32
を迂回してコンベヤー18の下方に流れ込み、図2に矢
印で示されるように、冷凍槽12の底部に溜まった比較
的低温の冷却用液体14を上方に浮き上がらせるような
対流を引き起こす。その結果、冷凍槽12内温度の均一
性が大幅に向上する。また、噴出口26から噴出した冷
却用液体14の流れは、トレー42上面周辺にも緩やか
な流れを生じさせ被冷凍物16の冷却を促進することに
なるが、冷却用液体14の噴出流が被冷凍物16に直接
当たることはないので、いわゆる焼けと呼ばれるような
表面の損傷や、上面と下面との冷却速度の差異に基づく
品質のばらつき等が生じない効果がある。
【0021】本発明に用いられる冷却用液体14の種類
は特に限定されないが、通常ブラインとして用いられる
塩化カルシュウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、アル
コール水溶液等が好ましい。エタノール等のアルコール
水溶液は揮発しやすいため、洗浄工程を省ける場合があ
って特に好ましい冷却用液体である。冷却用液体14
は、被冷凍物16の種類や大きさに合わせて最も適した
温度に設定されるが、通常−20℃から−30℃位に調
節されて使用される。
【0022】冷凍槽12の材質は、対低温特性に優れた
アルミニウムやステンレス鋼等の金属、強化プラスチッ
ク等のプラスチック等々が好ましい。保温材としては、
ロックウール、アスベスト、グラスウール、発泡ポリウ
レタン、発泡塩化ビニル等々を50mm以上の厚さで用
いるのが好ましいが、これらの例に限定されるものでは
ない。
【0023】コンベヤー18には、対低温特性に優れた
ステンレス鋼等の金属網を用いるのが好ましい。エンド
レスのコンベヤー18は、その全周にわたり、両側端が
チェーンに連結されており、モーターで駆動されるチェ
ーンに案内されて冷凍槽12に導かれ、冷却用液体14
内を潜って走行できるようにされている。コンベヤー1
8上には案内ロール等が設けられていないので、投入口
38から投入されたトレー42は、何の障害物にも邪魔
されずに、取り出し口40へとスムーズに移動できる。
【0024】冷却用液体14は、ポンプ22によって冷
凍槽12の底部に設けられた吸入口24から吸入され、
噴出管28に設けられた噴出口26から噴出されて、冷
凍槽12に還流する。図1において、吸入口24はコン
ベヤー18の下流側、冷凍槽12の底部に設けられてい
るが、吸入口24が設けられる位置や数は、本例に限定
されるものではない。例えば、コンベヤー18の下流側
と上流側の底部に2個設けられたり、冷凍槽12の底部
にコンベヤー18の走行方向に沿って多数個設けられた
りしてもよい。冷凍槽12の底部には比較的低温の冷却
用液体14が溜まっているので、そこから吸入されて噴
出される冷却用液体14の温度は低く、冷却が有効に促
進される効果がある。しかしながら、好ましくは、ポン
プ22を介して還流するシステムに冷凍機を組み込み、
低温に常にコントロールされた冷却用液体14を噴出で
きる装置とすることである。
【0025】図2に示されるように、冷凍槽12の中央
部に設けられた1本の噴出管28には、左右対称に、少
なくとも2列の噴出口26が配設される。各噴出口26
から噴出される冷却用液体14の方向は、コンベヤー1
8の両側端30、32の外側34、36に向けられ、水
平面に対しθ1の角度とされている。θ1は、少なくと
も10°とされるのが好ましく、特に好ましくは15°
以上とされる。10°以下であれば、コンベヤー18の
両側端30、32を迂回する流れとならず、冷凍槽12
の下方に溜まる比較的低温の冷却用液体14に対流を惹
起させることができないので好ましくない。また、噴出
口26からの噴出流の強さや幅は、上述した、冷凍槽1
2の下方に溜まる比較的低温の冷却用液体14に上向き
の対流を生じさせることができればよく、冷凍装置10
の形状、コンベヤー18の走行位置等々を考慮して適切
に設定される。
【0026】噴出口26は、図3(a)に示されるよう
に、噴出管28に左右対称に各1列、計2列に設けられ
る例に限らない。同図(b)に示されるように、左右対
称に各2列、計4列に設けられてもよい。また、もっと
列数を増やしてもよい。列数を増やせば、各噴出口26
からの噴出流が合流して、全体の流れの幅を拡げること
になり、コンベヤー18上方の冷却用液体14を攪乱す
る作用が大きくなり、被冷凍物16の上面からの冷却を
速める効果がある。左右対称的な列状に配設される噴出
口26は、図4(a)に示されるように、互いに位相を
合わせて、同間隔で配設されてもよいし、同図(b)に
示されるように、位相を1/2Pずらして交互に配設さ
れてもよい。
【0027】図5に示されるように、導入管27を分岐
して2本の噴出管28に連結することもできる。各噴出
管28には少なくとも1列に配設された噴出口26が設
けられ、図6に示されるように、各噴出口26からコン
ベヤー18の両側端30、32の外側34、36に向け
て、θ2の角度で冷却用液体14が噴出される。本例の
噴出口26の配置によれば、θ2が、図2に示されるθ
1より大きくなるため、コンベヤー18の下方の冷却用
液体14をより強く動かして対流を惹起できる効果があ
る。
【0028】本発明の別の実施態様では、被冷凍物16
が投入されるコンベヤー18上流側の、冷却用液体14
の噴出量が、コンベヤー18下流側の冷却用液体14噴
出量より多くなるように噴出口26が配設される。例え
ば図7(a)に示されるように、コンベヤー18上流側
の噴出口26の配設ピッチP1を、コンベヤー18下流
側の配設ピッチP2より短くすれば、コンベヤー18上
流側の総噴出量は、コンベヤー18下流側の総噴出量よ
り多くなる。あるいは、同一ピッチPであっても、同図
(b)に示されるように、コンベヤー18上流側の噴出
口26の口径φ1を、コンベヤー18下流側の噴出口2
6の口径φ2より大きくすることによっても、コンベヤ
ー18上流側の総噴出量を多くできる。
【0029】本実施態様によれば、被冷凍物16が投入
されるコンベヤー18上流側の、冷却用液体14の噴出
量が多くされるので、初期の冷却速度を特に加速するこ
とができる。その結果、大きな氷晶の成長が抑制され、
冷凍物の品質低下が阻止される効果がある。−5°近辺
の凍結点迄を優先的に急速冷却することによって、トー
タルの冷凍コストも低減される。
【0030】図8は、本発明に係わる冷凍方法に用いら
れるトレー42の一例を示している。直方体籠状のトレ
ー本体46及び蓋部材48は、金網やパンチングメタル
やエキスパンドメタル、あるいは、プラスチック製の網
状又はメッシュ状材料からなり、どの面も通水性とされ
ているので、冷却用液体14は四方から自由に進入・通
過でき、トレー42内に収容された被冷凍物16を速や
かに冷却できる構造となっている。蓋部材48は開閉自
在とされていて、被冷凍物16をトレー本体46に入れ
てから閉じてロックすることにより、冷却用液体14に
浸漬されて被冷凍物16が浮上するのを防ぐ機能を担っ
ている。
【0031】本例のトレーに被冷凍物を入れ、冷却用液
体が満たされた冷凍槽内に、コンベヤーに乗せて投入・
浸漬・移動させて冷凍する本発明の方法によれば、被冷
凍物の浮上を抑え、コンベヤーから外れたりすることな
くて安定に冷却用液体14内を移動させることができ
る。また、冷却用液体14がトレー42内を自由に出入
りできるので、被冷凍物16を急速に冷却できる。
【0032】その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範
囲内で、冷凍槽やコンベヤーや噴出管やトレーの材質や
構造や形状、噴出口の形状や配設方法、冷却用液体の種
類、冷却用液体の還流方法や噴出方法等につき、当業者
の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様
で実施し得るものである。
【0033】本発明の実施例を以下に詳しく説明する。
【0034】実施例1 図1及び図2に示されるのと同様の冷凍装置10を製作
した。但し、冷却コイル21の代わりに、ポンプ22と
導入管27の間に冷凍機(図1中省略)を備えている。
ステンレス鋼からなる冷凍槽12の長さは6m、幅は1
010mm、深さは650mmであり、厚さ10mmの
グラスウールからなる保温材で、コンベヤー18の出入
り部分を除いた全体を覆っている。コンベヤー18は幅
930mmのステンレス鋼(SUS304)の金網から
なり、その両側端は、モーターによって駆動されるチェ
ーンに連結されていて、冷凍槽12の底面上150mm
の高さで水平に走行するようにされている。冷却用液体
14は50%のエタノール水溶液であり、その固冷化温
度は35℃であった。噴出管28及び噴出口26は、図
2、図3(a)、図4(b)に示されるのと同様に設け
られ、噴出管28は85mmφの鋼管、噴出口26は直
径10mmφの円孔で、左右対称に2列に配設され、1
列当たり20個が150mmピッチで設けられている。
また、噴出される冷却用液体14の方向は水平面に対し
17°下方とされている。冷却用液体14の還流システ
ムは、コンベヤー18の下流側の、冷凍槽12底部に設
けられた吸入口24、ポンプ22、冷凍機、導入管2
7、噴出管28、噴出口26で構成されていて、冷凍機
で一定温度にコントロールされた冷却用液体14を噴出
口26に供給する仕組みとされている。
【0035】冷凍槽12に、−25℃の冷却用液体14
を深さ500mmまで充たし、真空パックされた生茶葉
が収容されたトレー42を、投入口38でコンベヤー1
8に乗せて移動させ、冷却用液体14に浸漬して冷凍さ
せ、取り出し口40から取り出した。用いたトレー42
の本体46及蓋部材48は、プラスチックで被覆された
直径2mmの鋼線を格子状に組み上げて形成し、その大
きさは、400mm×850mmで深さは50mmであ
った。コンベヤー18の移動速度は0.3m/分、40
個の噴出口26から噴出される冷却用液体14の温度は
−25℃、全噴出量は150リットル/分であった。本
冷凍方法によって、香気、色沢、滋味に優れた冷凍茶葉
を得ることができた。
【0036】実施例2 コンベヤー18の上流側に配設された各列10個の噴出
口26を100mmピッチとし、コンベヤー18下流側
に配設された各列10個の噴出口26を200mmピッ
チで設けた他の条件は実施例1と同じにして冷凍装置1
0を製作した。本冷凍装置10によれば、初期の冷却が
加速されて氷晶の成長が抑制され、冷凍品の品質が改善
される効果が確認された。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る冷凍装置によれば、被冷凍
物を乗せたコンベヤーを冷却用液体内に走行させて連続
的に冷凍するので、生産性の向上、コストの低減、被冷
凍物の性状に応じたきめの細かい条件設定が可能なる。
また、個々の被冷凍物が同一の冷却過程を経るので品質
が安定する効果がある。
【0038】また、本発明に係る冷凍装置によれば、噴
出口から噴出された冷却用液体が、コンベヤーの両側端
の外側に位置する冷凍槽の内壁に衝突し、コンベヤーの
両側端を迂回して下方に流れ、冷凍槽の底部に溜まった
比較的低温の冷却用液体を上方に浮き上がらせるような
対流を起こし、冷凍槽内の温度の均一性が向上する。ま
た、噴出口から噴出した冷却用液体の流れは、被冷凍物
上面周辺の流れを惹起して冷却を促進するが、噴出流が
被冷凍物に直接当たることはないので、いわゆる焼けと
呼ばれるような被冷凍物の損傷や、上面と下面との冷却
速度の差異に基づく品質のばらつき等を生じさせずに冷
却を促進する効果がある。
【0039】さらに、冷却用液体の還流システムに冷凍
機を組み込めば、常に一定温度の冷却用液体を噴出でき
るので、冷却速度を高め冷凍品の品質を向上させること
ができる。
【0040】さらに、コンベヤー上流側の冷却用液体の
噴出量を下流側より多くすれば、冷凍の初期に被冷凍物
を急速に冷却することができるので、大きな氷晶の成長
が抑制され、冷凍物の品質低下を阻止できる。
【0041】また、本発明に係る冷凍方法によれば、全
面が通水性のトレーに被冷凍物を入れ、冷却用液体が満
たされた冷凍槽内に、コンベヤーに乗せて投入・浸漬・
移動させるので、被冷凍物の浮上が抑えられ、コンベヤ
ーから外れたりすることなくて安定に冷却用液体内を移
動させることができる。また、冷却用液体がトレー内を
自由に出入りできるので被冷凍物を急速に冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷凍装置の一例を模式的に示す側
方断面図である。
【図2】本発明に係り、図1に示される冷凍装置の正面
断面図である。
【図3】本発明に係り、噴出口の配置例を示す縦断面図
であり、同図(a)は噴出管に左右対称に2列に配設さ
れた例、同図(b)は噴出管に左右対称に4列に配設さ
れた例を示す。
【図4】本発明に係り、図3(a)のA−A切断線に対
応する横断面図であり、同図(a)は各列の噴出口が互
いに平行に配設された例、同図(b)は各列の噴出口が
互いに交互にずれて配設された例を示す。
【図5】本発明に係り、噴出管の他の一例を示す上面図
である。
【図6】本発明に係り、図5に示される噴出管が用いら
れた冷凍装置を模式的に示す正面断面図である。
【図7】本発明に係り、噴出口の配設例を模式的に示す
横断面図であり、同図(a)は、噴出管の長手方向に沿
って配設ピッチを変えた例、同図(b)は噴出管の長手
方向に沿って孔径を変えた例を示す。
【図8】本発明の冷凍方法に係り、トレーの一例を示す
斜視図である。
【図9】従来例に係わる冷凍装置の一例を模式的に示す
縦断面図である。
【図10】従来例に係わる冷凍装置の他の一例を模式的
に示す縦断面図である。
【図11】従来例に係わる冷凍装置の他の一例を模式的
に示す縦断面図である。
【符号の説明】
10、50:冷凍装置 12、52:冷凍槽 14、54:冷却用液体 16、58:被冷凍物 18、66、67:コンベヤー 21、60:冷却用コイル 22、74:ポンプ 24、72:吸入口 26、76:噴出口 27:導入管 28:噴出管 30、32:コンベヤーの側端 34、36:コンベヤーの側端の外側 38、68:投入口 40、70:取り出し口 42:トレー本体 48:蓋部材 56:棚枠 62:クーラー 64:攪拌機

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却用液体が満たされた冷凍槽内に、被
    冷凍物をコンベヤーに乗せ投入・浸漬・移動させて冷凍
    する冷凍装置であって、該冷却用液体の液面下、該コン
    ベヤーの上方に位置して、該コンベヤーの走行方向に沿
    って該冷却用液体の噴出口が設けられ、該噴出口が、そ
    の噴出方向を該コンベヤーの両側端の外側に向けて、少
    なくとも2列に配設されたことを特徴とする冷凍装置。
  2. 【請求項2】 前記被冷凍物が投入される前記コンベヤ
    ー上流側での冷却用液体噴出量が、コンベヤー下流側で
    の冷却用液体噴出量より多くなるようにして前記噴出口
    が配設されたことを特徴とする前記請求項1に記載する
    冷凍装置。
  3. 【請求項3】 冷却用液体が満たされた冷凍槽内に、被
    冷凍物を入れたトレーをコンベヤーに乗せ投入・浸漬・
    移動させて冷凍する方法であって、該トレーが、網状又
    はメッシュ状の蓋を備えた籠状であることを特徴とする
    冷凍方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018021680A (ja) * 2016-07-31 2018-02-08 エーシー・フードテック株式会社 連続冷凍処理式の冷凍装置
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WO2019104782A1 (zh) * 2017-11-30 2019-06-06 上海海洋大学 一种冲击式速冻机射流喷嘴结构
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JP2020148406A (ja) * 2019-03-14 2020-09-17 株式会社光商事 液体急速凍結・冷凍保存設備

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