JP2000055524A

JP2000055524A - 電子冷蔵庫

Info

Publication number: JP2000055524A
Application number: JP10224253A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiro Nishikawa; 一浩西川
Original assignee: Zojirushi Corp
Current assignee: Zojirushi Corp
Priority date: 1998-08-07
Filing date: 1998-08-07
Publication date: 2000-02-25

Abstract

(57)【要約】【課題】消費電力を抑えても庫内を十分に冷却可能と
する。【解決手段】熱電素子１６を複数個直列接続し、全体
に印加する電圧値をＤＣ１２Ｖとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱電素子を備えた
電子冷蔵庫に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子冷温装置として、例えば、蓋
体内に熱電素子を備えた伝熱板を内蔵し、熱電素子に直
流電圧を印加することにより、一方の面から吸熱又は放
熱し、内部空間を冷却又は加温できるようにしたものが
ある（特開平７―１５９０２０号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記電
子冷温装置を冷蔵庫として使用する場合、熱電素子の内
部で発生するジュール熱により十分な吸熱量を得ること
ができず、成績係数（（吸熱量／投入電力）×１００）
は２０〜３０％となっている。この結果、庫内を十分に
冷却させるために、大きな電力が必要となり、近年のエ
コロジーの観点からも不適切である上、乾電池等の二次
電源を使用した携帯に適した構成とすることは不可能で
ある。

【０００４】そこで、本発明は、消費電力を抑えても庫
内を十分に冷却可能な電子冷蔵庫を提供することを課題
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段として、直流電圧を印加することによ
り、一方の面で吸熱し、他方の面で放熱する熱電素子を
備えた電子冷蔵庫において、前記熱電素子を複数個直列
接続し、全体に印加する電圧値をＤＣ１２Ｖとしたもの
である。

【０００６】この構成により、各熱電素子に印加される
電圧は、直列接続した熱電素子の数をＮとした場合、１
／Ｎとなり、その消費電力は１／Ｎ²となる。したがっ
て、全体として見れば、消費電力は１個の熱電素子にＤ
Ｃ１２Ｖを印加したときの１／Ｎとなる。一方、吸熱量
は、ペルチェ素子を通過する電流量に比例するため、熱
電素子を１個使用する場合と、Ｎ個使用する場合とで相
違しない。

【０００７】そして、熱電素子を複数個直列接続するこ
とにより、消費電力を抑制することができるので、前記
熱電素子への供給電源として装置本体又は蓋体に内蔵さ
れる二次電源を使用することが可能となる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に従って説明する。

【０００９】図１は、本発明に係る電子冷蔵庫の断面図
である。この電子冷蔵庫は、大略、装置本体１と蓋体２
とから構成されている。

【００１０】装置本体１は略箱体形状で、上方が開口
し、断熱構造を有している。また、装置本体１の両側面
には略コ字形の取っ手３が回動自在に取り付けられてい
る。

【００１１】蓋体２は装置本体１の上方開口部に着脱自
在に載置される略箱体形状で、その底部４は断熱構造と
なっている。蓋体２の両側面の対向位置には上下に延び
る複数のスリットを並設してなる吹出口５及び吸引口６
がそれぞれ形成されている。吸引口６には放熱ファン７
が取り付けられている。前記底部４の両端面には突起８
が形成され、前記取っ手３の回動位置を規制するように
なっている。

【００１２】前記底部４には、内部空間と蓋体２の上方
空間とを連通するように熱交換器１１が装着されてい
る。

【００１３】前記熱交換器１１は、吸熱フィン１２及び
放熱フィン１３と、両フィン１２，１３の間に配設され
る冷却ユニット１４とから構成されている。

【００１４】前記吸熱フィン１２及び放熱フィン１３は
共に、銅合金等の熱伝導性に優れた材料で形成されてい
る。吸熱フィン１２は前記底部４のガイド壁１０の内側
に配設され、各フィン部１２ａは下方に向かって突設さ
れている。放熱フィン１３は底部４の上面側に配設さ
れ、各フィン部１３ａは上方に向かって突設されてい
る。放熱フィン１３の各フィン部１３ａは前記吸引口か
ら吹出口５に向かって並設され、スムーズな空気流れを
形成可能となっている。

【００１５】前記冷却ユニット１４は、アルミニウムか
らなる金属ブロック１５と、熱電素子であるペルチェ素
子１６とから構成される。金属ブロック１５は吸熱フィ
ン１２に面接触し、ペルチェ素子１６は放熱フィン１３
に面接触している。前記ペルチェ素子１６は平板状に形
成されたＤＣ１２Ｖ仕様のもので、１０個直列接続され
ている。これら直列接続されたペルチェ素子１６の両端
には、制御装置１７を介して電源（家庭用交流電源１
８、乾電池１９又は車両用直流電源２０）からそれぞれ
１２Ｖの直流電圧を供給されるようになっている。制御
装置１７は、庫内に設けた温度センサ２１での検出信号
に基づいて前記ペルチェ素子１６への供給電力のオン・
オフや放熱ファン７の駆動制御を行うようになってい
る。

【００１６】前記構成の電子冷蔵庫では、図示しないス
イッチをオンすることにより、前記いずれかの電源から
直列接続したペルチェ素子１６の両端にＤＣ１２Ｖの電
圧が印加される。これにより、各ペルチェ素子１６には
１．２Ｖ（１２Ｖ×１／１０）の電圧Ｖがそれぞれ印加
され、その消費電力Ｗは１．４４／Ｒ（Ｗ）となり、全
体で１４．４／Ｒ（Ｗ）となる。これに対し、ＤＣ１２
Ｖ仕様のペルチェ素子１６を１個だけ使用した場合、そ
の消費電力Ｗは１４４／Ｒ（Ｗ）となる。つまり、本実
施形態では、従来のようにペルチェ素子１６を１個だけ
使用する場合に比べて消費電力を１／１０とすることが
できる。また、前記ペルチェ素子１６での吸熱量は、そ
の電流値に比例するので、本実施形態での吸熱量は従来
例とほぼ同等となる。つまり、本実施形態では従来と同
様な吸熱量を確保しつつ、消費電力を１／１０とするこ
とが可能である。

【００１７】なお、前記実施形態では、ペルチェ素子１
６を１０個直列接続するようにしたが、その数を増やせ
ば増やす程、消費電力を抑制することが可能となる。

【００１８】また、直列接続するペルチェ素子１６の数
を変更することによる電力抑制度合いに応じて、適宜、
家庭用交流電源１８、乾電池１９、車両用直流電源２０
等を選択して使用することが可能となり、電源選択の自
由度を高めることができる。

【００１９】また、前記実施形態では、ペルチェ素子１
６を蓋体２に設けるようにしたが、装置本体１側に設け
るようにしてもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る電子冷蔵庫によれば、熱電素子を複数個直列接続
し、全体に印加する電圧値をＤＣ１２Ｖとしたので、熱
電素子を１個だけ使用する場合と同様な冷却能力を維持
しつつ、熱電素子の数をＮ個とした場合、消費電力を１
／Ｎまで抑制することができる。これにより、成績係数
を向上でき、エコロジーの点から見ても好ましい構成と
することができる。しかも、乾電池等の二次電源を使用
することができ、携帯性に優れた構成とすることが可能
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電子冷温装置の一例を示す断面
図である。

【図２】図１の電力供給状態を示すブロック図であ
る。

【符号の説明】

１６ペルチェ素子１７制御装置１８家庭用交流電源１９乾電池２０車両用直流電源

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】直流電圧を印加することにより、一方の
面で吸熱し、他方の面で放熱する熱電素子を備えた電子
冷蔵庫において、前記熱電素子を複数個直列接続し、全体に印加する電圧
値をＤＣ１２Ｖとしたことを特徴とする電子冷蔵庫。
【請求項２】前記熱電素子への供給電源として内蔵可
能な二次電源を使用したことを特徴とする請求項１に記
載の電子冷蔵庫。