JP2000054895A - 多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP2000054895A
JP2000054895A JP22474998A JP22474998A JP2000054895A JP 2000054895 A JP2000054895 A JP 2000054895A JP 22474998 A JP22474998 A JP 22474998A JP 22474998 A JP22474998 A JP 22474998A JP 2000054895 A JP2000054895 A JP 2000054895A
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air
fuel ratio
fuel injection
fuel
injection amount
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Iku Otsuka
郁 大塚
Toshinari Nagai
俊成 永井
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Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴射弁の固体差に起因する排気エミッション
の悪化を抑制する。 【解決手段】 機関1の各気筒2へ向けて燃料を噴射す
る各噴射弁3、排気通路4に設けられた排気浄化触媒5
と空燃比センサ6、空燃比センサ6の出力に基づくとと
もに機関の運転状態に応じて燃料噴射量TAUを算出す
る燃料噴射量算出手段9、空燃比をリッチ側へまたはリ
ーン側へ戻すようにTAUを補正する空燃比補正係数F
AFの空燃比制御変数TDR(L)を設定する空燃比制
御変数設定手段10、空燃比制御変数TDR(L)を用
いて手段9により算出された燃料噴射量TAUを予め定
めた増減定数α,βで増減して各気筒2へ供給する燃料
噴射量増減手段11、を備える。上記構成により各気筒
へTAUを増減して供給し空燃比をリッチにして排気ガ
ス中の水素量を安定的に増加させ、空燃比センサ出力の
リッチずれを適合制御で補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多気筒内燃機関の燃
料噴射制御装置に関し、特に、噴射弁の固体差や空燃比
センサのガス当たりに起因する空燃比センサの検出誤差
による排気エミッションの悪化を抑制すべく機関の空燃
比を目標空燃比に一致させるように制御する多気筒内燃
機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】機関の排気系に酸素センサを配設し、こ
の酸素センサにより検出される排気ガスの空燃比に基づ
いて機関の空燃比を目標空燃比に一致させるように制御
する空燃比制御が公知である。このような酸素センサを
使用する空燃比制御において、機関の空燃比がリッチと
なると、燃焼室から水素が排出され、この水素量の増大
により酸素センサの出力値は実際の酸素濃度より低い酸
素濃度信号を出力するようになる。つまり、図13に示
すように、酸素センサの出力値は排気ガス中の水素量の
増大に伴い実際の空燃比よりリッチ側にずれる。それゆ
え、機関の空燃比が所望の空燃比よりリーンに制御され
ることになり、NOx が排出される。
【0003】この空燃比のリーンずれを防止するため、
特開平9−268934号公報に開示された内燃機関の
空燃比制御装置は、酸素センサを有する内燃機関の空燃
比制御において、排気ガス中の水素濃度を推定し、この
推定した水素濃度に応じて、空燃比をリッチ側に補正す
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−268934号公報に開示された内燃機関の空
燃比制御装置は、各気筒へ向けて燃料を噴射する各噴射
弁の固体差(バラツキ)に起因して各噴射弁から同一噴
射時間だけ燃料を噴射しても噴射される燃料噴射量にバ
ラツキが生じること、および排気通路に設けられた空燃
比センサのガス当たり、すなわち空燃比センサが特定気
筒から排出されるガスを多量に受けることに起因して空
燃比センサに検出誤差が生じること、を考慮していな
い。すなわち、上記装置は、噴射弁の固体差が大きかっ
たり、空燃比センサのガス当たりが強かったりしても、
排気ガス中の水素濃度に応じて空燃比を各気筒を一律に
補正して、各噴射弁を同一噴射時間だけ一律に開弁して
燃料を噴射するので、誤差がない気筒までも補正してし
まい、結果的に正常な気筒の空燃比が過補正されて、排
気エミッションの悪化を防止しきれないという問題があ
る。
【0005】それゆえ、本発明は上記問題を解決し、噴
射弁の固体差や空燃比センサのガス当たりに起因する空
燃比センサの検出誤差による排気エミッションの悪化を
抑制する多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の基本構成
図である。上記問題を解決する本発明による多気筒内燃
機関の燃料噴射制御装置は、多気筒内燃機関1の各気筒
2へ向けて燃料を噴射する各噴射弁3と、機関1の排気
通路4に設けられた排気浄化触媒5と、排気通路4に設
けられた空燃比センサ6と、空燃比センサ6の出力に基
づいて機関1の空燃比を目標空燃比に一致させるよう
に、機関1の運転状態、例えばクランク角センサ7から
検出される回転数NEおよびエアフローメータ8から検
出される吸入空気量GAと回転数NEとから算出される
負荷GN(=GA/NE)に応じて燃料噴射量TAUを
算出する燃料噴射量算出手段9と、を備える多気筒内燃
機関の燃料噴射制御装置において、機関1の空燃比がリ
ッチからリーンへ変化したとき該空燃比をリッチ側へ戻
し、リーンからリッチへ変化したとき該空燃比をリーン
側へ戻すように燃料噴射量算出手段9により算出される
燃料噴射量TAUを補正する空燃比補正係数FAFの空
燃比制御変数、例えばTDR(L)を設定する空燃比制
御変数設定手段10と、空燃比制御変数設定手段10に
より設定された空燃比制御変数を用いて燃料噴射量算出
手段9により算出された燃料噴射量TAUを予め定めた
増減定数α,βで増減して各気筒2へ供給する燃料噴射
量増減手段11と、を備えたことを特徴とする。
【0007】上記構成により、排気空燃比に基づいて機
関の運転状態に応じて算出された燃料噴射量TAUに、
予め設定した増減定数α(>1),β(<1)を乗算し
て算出したTAU×α,TAU×βの燃料噴射量を、各
気筒へ噴射する。すなわち、各気筒へ燃料噴射量TAU
を増減して供給する。本発明は、上記のように各気筒へ
供給する燃料噴射量を増減することにより、噴射弁のバ
ラツキや特定気筒の空燃比センサへのガス当たりに起因
する空燃比センサの検出誤差による排気エミッションの
悪化を抑制するものである。この排気エミッションの悪
化の抑制が、本発明の上記構成により実現できる理由を
以下に説明する。
【0008】従来の制御では、標準に対してバラツキが
あればそのバラツキを標準に合わせるように補正する。
噴射弁のバラツキを例にとって説明すると、製造誤差や
経時変化により噴射弁にバラツキがあると、各噴射弁の
開弁時間が同じでも、各噴射弁から各気筒へ実際に供給
される燃料噴射量には差が生じる。それゆえ、通常の制
御を行うためには、この差を検出しこの差がなくなるよ
うに燃料噴射量を補正して各気筒へ供給する必要があ
る。しかしながら、各気筒の排気通路に個々の空燃比セ
ンサを設けない限り上記差を正確に検出することは困難
である。また、このような構成の実施はコストが高くな
るため困難である。
【0009】そこで、本願出願人は、各噴射弁による燃
料噴射量間のバラツキを推定し、その推定に基づき各噴
射弁の燃料噴射量を補正する多気筒内燃機関の燃料噴射
量制御装置を提案した(特願平10−52261参
照)。上記装置は、機関の空燃比を理論空燃比に制御す
るとき、各噴射弁による燃料噴射量間に大きなバラツキ
が生じると、リッチ気筒の影響を受け、排気ガス中に水
素の量が増加し、酸素センサの出力がリッチ側にずれる
現象を利用したものである。ここで、リッチ気筒とは、
機関の空燃比を理論空燃比にするように算出した燃料噴
射量より過多な燃料量が対応する噴射弁から供給される
気筒を言う。この現象を以下に説明する。
【0010】図2は実際の空燃比と水素の発生量との関
係を示す図である。機関から排出される排気ガス中に含
まれる水素の発生量は、図2に示すように、実際の空燃
比がリッチになるにしたがって、つまり燃料噴射量が増
量されるにしたがって高次関数的に増加することが知ら
れている。つまり、水素の発生量は、空燃比が理論空燃
比よりリッチ側にずれたときの増加量の方がリーン側に
ずれたときの減少量より大きい。このことに着目すれ
ば、各噴射弁による燃料噴射量間に大きなバラツキが生
じると、リッチ気筒の影響を受け、排気ガス中に水素の
量が増加し、酸素センサの出力がリッチ側にずれること
が判る。
【0011】上記装置は、機関の空燃比を理論空燃比に
するように算出した各気筒への燃料噴射量の合計を維持
しつつ、特定気筒の燃料噴射量を増量(減量)し、逆に
他の気筒の燃料噴射量を減量(増量)するように制御す
るものである。噴射弁間にバラツキがない場合に上記燃
料噴射量の増減制御を実行したときには、排気ガス中の
水素量が増加し、空燃比センサの出力はリッチ側にずれ
る。一方、噴射弁間にバラツキがある場合に上記燃料噴
射量の増減制御を実行し各気筒の燃料噴射量が均等化し
たときには、排気ガス中の水素量が減少し、空燃比セン
サの出力はリーン側にずれる。
【0012】従来の制御では、空燃比センサの出力がリ
ッチ側にずれたときは、空燃比をリーンにする燃料噴射
量の補正を行い、空燃比センサの出力がリーン側にずれ
たときは、空燃比をリッチにする燃料噴射量の補正を行
うので、燃料噴射量の増減制御を実行したとき、従来の
制御を行うだけでは、水素量の増加に伴う空燃比センサ
の出力の変化により誤補正され空燃比がリーン側にず
れ、NOx が排出されて排気エミッションが悪化する。
そこで、上記装置は、上記燃料噴射量の増減制御を実行
したときの空燃比センサの出力の変化から噴射弁のバラ
ツキの度合いを推定し、その推定に基づき各噴射弁の燃
料噴射量を補正することにより、空燃比のリーンずれを
防止している。
【0013】本発明は、上記装置のように噴射弁のバラ
ツキに起因する各噴射弁の燃料噴射量の差を補正するも
のではなく、噴射弁にバラツキがあることを認識した上
で、意図的に各気筒への燃料噴射量にバラツキをもた
せ、これにより排気ガス中に発生する水素量を安定的に
増加させ、空燃比センサの出力がリッチ側にずれるのを
受けて、空燃比をリーンにする燃料噴射量の補正が行わ
れる所を、空燃比をリッチに適合させるよう制御するも
のである。この空燃比のリッチへの適合制御は、空燃比
補正係数FAFのパラメータとしての空燃比制御変数、
すなわち遅延時間TDR(L)、スキップ量SKR
(L)および積分量KIR(L)について、噴射弁のバ
ラツキが最も少ない組合わせの機関と最も多い組合わせ
の機関の何れをも満足させるデータを実験的に求め、例
えばB(バックアップ)RAMに予め書込むことによっ
て行う。空燃比補正係数FAFのパラメータ、すなわち
空燃比制御変数は、空燃比センサの出力がリッチ側にず
れているときに、排気空燃比のリッチ/リーンを誤判定
する期間が生じるので、TDR>TDL、SKR>SK
L、KIR>KIL、すなわちリーンをリッチに補正す
る補正量をリッチをリーンに補正する補正量より大とす
る非対象に設定するとよい。
【0014】本発明はまた、本発明による多気筒内燃機
関の燃料噴射制御装置において、前記増減定数の総和が
一定値である。このように燃料噴射することにより、平
均燃料噴射量は、空燃比センサの出力に基づいて機関の
空燃比を目標空燃比に一致させるように機関の運転状態
に応じて燃料噴射量算出手段により算出された燃料噴射
量TAUに等しくなり、排気エミッションの悪化は抑制
される。
【0015】本発明はまた、本発明による多気筒内燃機
関の燃料噴射制御装置において、前記増減定数が、前記
機関の運転状態に応じて選択される。増減定数を機関の
運転状態、例えば負荷状態や過渡状態に応じて、高負荷
時や加速時には大きな増減定数を選択して燃料噴射量を
大きく増減することにより排気エミッションが向上し、
軽負荷時や減速時には小さな増減定数を選択して燃料噴
射量を小さく増減することによりトルク変動が抑制され
てドライバビリティが良好となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明の実施の形態について詳細に説明する。図3は本発明
による多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置の一実施形態
を示す概略構成図である。図3において、機関本体1の
吸気通路21にはエアフローメータ8が設けられてい
る。エアフローメータ8は吸入空気量を計測し吸入空気
量に比例したアナログ電圧の出力信号を発生する。この
出力信号は電子制御ユニット(ECU)100のA/D
変換器101へ供給される。ディストリビュータ22に
はクランク角センサ7が設けられている。クランク角セ
ンサ7はクランク回転角に換算して720°毎に基準位
置検出用パルス信号を発生する第1クランク角センサ7
aと、クランク回転角に換算して例えば30°毎にクラ
ンク角検出用パルス信号を発生する第2クランク角セン
サ7bとを有する。これらのクランク角センサ7a、7
bのパルス信号は入出力インターフェース102へ供給
され、このうち第2クランク角センサ7bのパルス信号
はCPU103の割込端子にも供給される。
【0017】吸気通路21はサージタンク23を介して
吸気マニホルド24に接続され、吸気マニホルド24は
分岐して各気筒2の吸気ポートに接続される。吸気マニ
ホルド24には燃料噴射弁3が気筒毎に設けられてい
る。機関本体1のシリンダブロックのウォータジャケッ
ト25には、冷却水の温度を検出するための水温センサ
26が設けられている。水温センサ26は冷却水温TH
Wに応じたアナログ電圧信号を発生し、この信号もA/
D変換器101に供給される。
【0018】排気通路4は各気筒2の排気ポートに分岐
して接続された排気マニホルドを示す。この排気マニホ
ルドの集合部には上流側の第1酸素センサ6が設けら
れ、第1酸素センサ6は機関1の排気ガス中の酸素濃度
に応じたアナログ電圧信号を発生し、この信号もA/D
変換器101に供給される。第1酸素センサ6の出力は
理論空燃比を境にして急変し、空燃比がリッチのときは
0.9V程度の出力電圧を発生し、空燃比がリーンのと
きは0.1V程度の出力電圧を発生する。この出力電圧
から現在の空燃比がリッチかリーンかを判定できる。排
気マニホルドは共通の排気管27を介して三元触媒5を
内蔵した触媒コンバータ28に接続される。三元触媒5
は排気中の有害なHC、CO、NOx の3成分を同時に
浄化することができる。また、排気管27内の触媒コン
バータ28下流側には第2酸素センサ29が設けられ、
第2酸素センサ29は第1酸素センサ6と同様に機関1
の排気ガス中の酸素濃度に応じたアナログ電圧信号を発
生し、この信号もA/D変換器101に供給される。
【0019】電子制御ユニット100は、例えばA/D
変換器101、入出力インターフェース102、CPU
103、ROM104、RAM105、B(バックアッ
プ)RAM106を双方向バスを介して接続したマイク
ロプロセッサからなり、クロック発生器107等が設け
られている。また、燃料噴射弁3は、後述するルーチン
において算出された燃料噴射量(時間)TAUが増減さ
れたとき、増減後のTAUをカウンタ108にプリセッ
トするとともにフリップフロップ109をセットし、駆
動回路110が駆動され燃料噴射弁3を開弁する。カウ
ンタ108はTAU経過まで計数するとフリップフロッ
プ109をリセットし、駆動回路110の駆動が停止さ
れ燃料噴射弁3を閉弁する。
【0020】次に、本発明により意図的に各気筒への燃
料噴射量にバラツキをもたせた噴射制御の方が、従来技
術のように各気筒へ一定の燃料噴射量を一律に噴射する
噴射制御より、水素の発生量の差が小さくなる理由を、
4気筒機関の例に基づき以下に説明する。図4は本発明
の噴射制御が従来技術の噴射制御より水素の発生量の差
が小さくなる理由を説明する図であり、図5は燃料噴射
量と水素の発生量との関係を示す図である。
【0021】4気筒機関において、4気筒に対応する4
つの噴射弁による同一開弁時間の燃料噴射に対し、各気
筒へ供給される燃料噴射量にバラツキの全くない機関を
Aタイプとし、4つの噴射弁による同一開弁時間の燃料
噴射にも関わらず、各気筒へ供給される燃料噴射量が#
1、#4気筒へは5%増量され、#2、#3気筒へは5
%減量されて各気筒へ供給される燃料噴射量にバラツキ
のある機関をBタイプとする。
【0022】このような機関Aタイプ、機関Bタイプに
対し、所定の運転条件下でそれぞれ算出された燃料噴射
量を各気筒へ供給したとき、従来技術による噴射制御で
は、エンジン2回転の間に、Aタイプにおいては図4の
(1)に示すように、各気筒において算出燃料噴射量と
供給燃料噴射量との差(以下、燃料噴射量差と記す)が
なく、燃料噴射量差0%の噴射が8回実行され、Bタイ
プにおいては図4の(2)に示すように、燃料噴射量差
+5%の噴射が4回と燃料噴射量差−5%の噴射が4回
実行されたことになる。
【0023】これに対し、本発明の噴射制御では、算出
燃料噴射量に増減定数を乗算して燃料供給するので、エ
ンジン2回転の間に、Aタイプにおいては図4の(3)
に示すように、燃料噴射量差+5%の噴射が4回と燃料
噴射量差−5%の噴射が4回実行され、Bタイプにおい
ては図4の(4)に示すように、燃料噴射量差+10%
の噴射が2回と燃料噴射量差−10%の噴射が2回と燃
料噴射量差0%の噴射が4回実行されたことになる。
【0024】燃料噴射量と水素量との関係は、図5に示
すように、燃料噴射量が−10%〜0%、+5%、+1
0%の順に、水素量は0、10、30であるので、水素
量は、本発明の噴射制御では、Aタイプで4×10=4
0、Bタイプで2×30=60となり、従来技術による
噴射制御では、Aタイプで0×0=0、Bタイプで4×
10=40となる。したがって、AタイプとBタイプの
水素量の差は、本発明の噴射制御の20(=60−4
0)の方が従来技術の噴射制御の40より小であり、そ
れゆえ空燃比センサの出力値の差が小さいことが判る。
【0025】ところで、従来技術による空燃比制御で
は、排気浄化性能の低い小容量の触媒を使用すると、排
気空燃比は三元触媒によるHC、COの酸化と、NOx
の還元とを両立するよう規制された理論空燃比近傍の狭
い空燃比領域(ウィンドウ)を外れてしまう。そこで、
上述したように、噴射弁のバラツキが最も少ない組合わ
せの機関と最も多い組合わせの機関における排気ガス中
に発生する水素量の差が、本発明の噴射制御の方が従来
技術の噴射制御の方より小さくなることに着目すれば、
本発明による燃料噴射制御を実行し、上記2つの組合わ
せの機関におけるそれぞれの水素の発生量の差を小さく
し、したがってNOx の発生量の差を小さくし、適合制
御を行うことにより、小容量の触媒でも排気空燃比をウ
ィンドウ内に収めることが可能なことが判る。すなわ
ち、本発明は小容量の触媒の使用を可能にすることによ
り、例えば触媒に使用される貴金属の使用量を節約でき
るなど省資源化に寄与できるという利点を有する。
【0026】このように、本発明により、意図的に各気
筒への燃料噴射量にバラツキをもたせると、噴射弁のバ
ラツキが最も少ない組合わせの機関と最も多い組合わせ
の機関のそれぞれにおいて、排気ガス中に発生する水素
量は増加し、空燃比センサの出力は共にリッチ側にずれ
るが、これらの出力値の差、換言すれば水素の発生量の
差は、意図的に各気筒への燃料噴射量にバラツキをもた
せない場合と比して小さくなるので、前述した適合制御
のためのパラメータ(空燃比制御変数)はこのことも考
慮して決定する必要がある。
【0027】次に、本発明の制御についてフローチャー
トを参照しつつ以下に説明する。図6は燃料噴射量演算
ルーチンのフローチャートである。本ルーチンは所定の
クランク角(例えば360°CA)毎に実行される。先
ず、ステップ601では、機関の吸入空気量Qと回転数
NEを読込み、機関1回転当たりの吸入空気量Q/NE
を機関の負荷として算出する。ステップ602では、基
本燃料噴射量TAUPを次式から算出する。
【0028】 TAUP=k1 ・Q/NE ここで、TAUPは燃焼室に供給する混合気を理論空燃
比とするために必要とされる燃料噴射時間であり、k1
は定数である。ステップ603では、実際の燃料噴射時
間TAUを次式から算出する。 TAU=TAUP・FAF・k2 +k3 ここで、FAFは後述する空燃比補正係数であり、
2 、k3 はそれぞれ機関運転状態に応じて決定される
定数である。ステップ604では、ステップ603で算
出された燃料噴射量TAUをRAM105に記憶する。
【0029】図7および図8は上流側酸素センサ出力に
基づく第1空燃比フィードバック制御ルーチンの一例を
示すフローチャートである。本ルーチンは例えば4ms
毎に実行される。本ルーチンでは、上流側酸素センサ6
の出力VOMを比較電圧VR1(理論空燃比相当電圧で約
0.45V)と比較し、触媒コンバータ上流側での排気
空燃比が理論空燃比よりリッチ(VOM>VR1)のとき
には空燃比補正係数FAFを減少させ、リーン(VOM
<VR1)のときにはFAFを増加させる制御を行う。こ
の制御によりエアフローメータ8や燃料噴射弁3等の燃
料供給系の機器に多少の誤差が生じた場合でも機関空燃
比は正確に理論空燃比近傍に修正される。
【0030】先ず、ステップ701では、フィードバッ
ク制御条件が成立しているか否かを判定し、フィードバ
ック制御条件が成立しているときのみステップ702に
進み、成立していないときはステップ725に進み、フ
ィードバック実行中を示すフラグXMFBを0にリセッ
トして本ルーチンを終了する。フィードバック制御条件
は、例えば酸素センサが活性化していること、機関の暖
機が完了していること、フューエルカットから復帰後所
定時間が経過していること等である。
【0031】ステップ702からステップ715では、
空燃比の判定を行う。ステップ709と715とに示す
フラグF1は、機関空燃比がリッチ(F1=1)かリー
ン(F1=0)かを示す空燃比フラグである。F1=0
からF1=1(リーンからリッチ)への切換えは、上流
側酸素センサ6が所定時間(TDR)以上継続してリッ
チ信号(VOM>VR1)を出力したときに(ステップ7
03、710から715)、またF1=1からF1=0
(リッチからリーン)への切換えは、上流側酸素センサ
6が所定時間(−TDR)以上継続してリーン信号(V
OM≦VR1)を出力したときに(ステップ703から7
09)行われる。CDLYは空燃比フラグ切換えタイミ
ングを判定するためのカウンタである。
【0032】図8のステップ716から723では、上
記により設定された空燃比フラグF1の値に応じて、F
AFの増減を行う。すなわち、今回ルーチン実行時のF
1の値と前回ルーチン実行時のF1の値を比較して、F
1の値が変化したか、すなわち空燃比がリッチからリー
ンまたはリーンからリッチに反転したかを判断する(ス
テップ716)。そして、現在のF1の値がF1=0
(リーン)の場合には、先ずF1=1からF1=0(リ
ッチからリーン)に変化(反転)した直後に比較的大き
な値RSRだけFAFをスキップ的に増大させ(ステッ
プ717、718)、その後はF1=0である間はルー
チン実行毎に比較的小さな値KIRづつ徐々にFAFを
増大させる(ステップ720、721)。同様に、現在
のF1の値がF1=1(リッチ)の場合には、先ずF1
=0からF1=1(リーンからリッチ)に変化(反転)
した直後に比較的大きな値RSLだけFAFをスキップ
的に減少させ(ステップ717、719)、その後はF
1=1である間はルーチン実行毎に比較的小さな値KI
Lづつ徐々にFAFを減少させる(ステップ720、7
22)。また、上記により算出したFAFの値を最大
値、例えば1.2と最小値、例えば0.8で定まる範囲
を越えないようにガードした後(ステップ723)、フ
ラグXMFBの値を1にセットして(ステップ72
4)、本ルーチンを終了する。
【0033】図9は下流側酸素センサ出力に基づく第2
空燃比フィードバック制御ルーチンの一例を示すフロー
チャートである。本ルーチンは第1空燃比フィードバッ
ク制御より長い所定時間、例えば500ms毎に実行さ
れる。本ルーチンは、下流側酸素センサ29の出力VO
Sを比較電圧VR2(理論空燃比相当電圧で約0.45ボ
ルト)と比較し、触媒コンバータ下流側での排気空燃比
が理論空燃比よりリッチ(VOS>VR2)のときには第
1の空燃比フィードバック制御で用いる補正量RSR
(図8のステップ718)を減少させとともにRSL
(図8のステップ719)を増大させる。また、触媒コ
ンバータ下流側での排気空燃比が理論空燃比よりリーン
(VOS≦VR2)のときには補正量RSR(図8のステ
ップ718)を増大させとともにRSL(図8のステッ
プ719)を減少させる操作を行う。これにより、触媒
コンバータ下流側で排気空燃比がリッチの場合には第1
空燃比フィードバック制御ではFAFの値は全般的に小
さく設定されるようになり、逆に下流側で排気空燃比が
リーンの場合には第1空燃比フィードバック制御ではF
AFの値は全般的に大きく設定されるようになる。この
ため、上流側酸素センサ6が劣化したり特定気筒の排気
の影響を強く受けたために上流側酸素センサ6の出力が
実際の排気空燃比から外れたような場合でも、FAFの
値は下流側酸素センサ29の出力に基づいて補正される
ので、機関空燃比は正確に理論空燃比に維持される。
【0034】先ず、ステップ901では、図7のステッ
プ701と同様にフィードバック制御条件が成立してい
るか否かを判定する。ステップ902では、第1空燃比
フィードバック制御が実行中か否かが判定され、実行中
(フラグXMFB=1)と判定されたときのみステップ
904でフラグXSFBの値を1にセットした後ステッ
プ905以下の処理を実行する。ステップ902で第1
空燃比フィードバック制御が実行中でない(フラグXM
FB=0)と判定されたときは、ステップ903でフラ
グXSFBの値を0にリセットし、本ルーチンを終了す
る。
【0035】ステップ905から914では、下流側酸
素センサ29で検出した排気空燃比がリッチかリーンか
により補正量RSR、RSLの値を増減する操作を行
う。すなわち、ステップ905では、下流側酸素センサ
29の出力VOSをAD変換して読込み、ステップ90
6ではVOSがリーン空燃比相当値(VOS≦VR2)か
否かを判定し、VOSの値がリーン空燃比相当値であっ
た場合には、ステップ907でRSRの値を一定量ΔR
Sだけ増大させ、増大後のRSRが所定の最大値MA
X、例えば0.09を越えないようにガードする(ステ
ップ908、909)。また、ステップ906でVOS
の値がリッチ空燃比相当値(VOS>VR2)であった場
合には、ステップ910でRSRの値を一定量ΔRSだ
け減少させ、減少後のRSRが所定の最小値MIN、例
えば0.01より小さくならないようにガードする(ス
テップ911、912)。
【0036】また、上記により算出されたRSRの値を
用いてステップ913では第1空燃比フィードバック制
御ルーチンで用いるRSL(図8のステップ719)の
値を、RSL=0.1−RSRとして算出する。すなわ
ち、RSRとRSLとの和は常に一定値、本実施形態で
は0.1に保持されており、RSRが増大するとRSL
が減少し、RSRが減少するとRSLが増大するように
なっている。このように、下流側酸素センサ29で検出
した排気空燃比がリッチのときは、RSRの減少とRS
Lの増大が同時に行われ、一方排気空燃比がリーンのと
きは、RSRの増大とRSLの減少が同時に行われる。
【0037】図10は図7から図9のフローチャートを
補足説明するタイムチャートである。図10のタイムチ
ャートにおいて、(A)は第1空燃比フィードバック制
御を実行した場合の上流側酸素センサ6で検出した空燃
比(A/F)、(B)はカウンタCDLYの計数値、
(C)はリッチ/リーンを判定する空燃比フラグF1、
(D)は空燃比補正係数FAF、の変化をそれぞれ示
す。
【0038】図10の(A)に示すように、A/Fがリ
ーンからリッチに変化したときでも空燃比フラグF1
(図10の(C))の値は直ちに0から1には変化せ
ず、カウンタCDLYの値が0からTDRに増大するま
での時間(図10の(C)のT1)の間は、0のまま保
持され、T1 経過後に0から1に変化する。また、A/
Fがリッチからリーンに変化したときもF1の値はカウ
ンタCDLYの値が0からTDL(TDLは負の値)に
減少するまでの時間(図10の(C)のT2 )の間は、
1のまま保持され、T2 経過後に1から0に変化する。
このため、図10の(A)にNで示したように外乱等に
より上流側酸素センサ6の出力が短い周期で変化したよ
うな場合でもフラグF1の値は追従して変化しないため
空燃比制御は安定する。
【0039】第1空燃比フィードバック制御の結果、空
燃比補正係数FAFの値は、図10の(D)に示すよう
に、周期的に増減を繰り返し、機関空燃比はリッチ空燃
比とリーン空燃比とに交互に変動する。また図6で説明
したように、FAFの値が増大すると燃料噴射量TAU
は増大し、FAFの値が減少すると燃料噴射量TAUは
減少する。
【0040】また、図10の(D)から判るように、第
2空燃比フィードバック制御(図9)によりRSRが増
大しRSLが減少すると、機関空燃比のリッチ空燃比側
への振れ幅が大きくなり空燃比が全体的にリッチ空燃比
側に移行する。また、逆にRSRが減少しRSLが増大
すると、機関空燃比のリーン空燃比側への振れ幅が大き
くなり空燃比が全体的にリーン空燃比側に移行する。し
たがって、第2空燃比フィードバック制御によりRS
R、RSLの値が増減されると、機関空燃比はリッチ側
またはリーン側に変化する。
【0041】なお、本実施形態では第2空燃比フィード
バック制御に基づいて第1空燃比フィードバック制御に
おける補正量(空燃比制御変数)RSR、RSLを設定
する場合について説明したが、第1空燃比フィードバッ
ク制御における他の補正量、例えばKIR、KILまた
はTDR、TDLを、第2空燃比フィードバック制御に
基づいて設定することによっても同様に機関空燃比を変
化させることができる。あるいは、上流側酸素センサの
比較電圧VR1(図7のステップ703)の値を第2空燃
比フィードバック制御に基づいて設定することによって
も同様に機関空燃比を変化させることが可能である。
【0042】上述したように、第2空燃比フィードバッ
ク制御に基づいて第1空燃比フィードバック制御におけ
る補正量(空燃比制御変数)を設定することにより、予
めRAMに格納したこれら空燃比制御変数は、時間経過
により最適な値になり、排気エミッションを良好にす
る。図11は燃料噴射量の増減ルーチンの第1実施形態
を示すフローチャートである。本ルーチンは燃料噴射時
期毎、すなわち4気筒機関では180°CA毎に、6気
筒機関では90°CA毎に実行される。
【0043】ステップ1101では、気筒判定、すなわ
ちクランク角センサ7の出力に基づき今回噴射する気筒
を判定し、図6のステップ604で記憶した燃料噴射量
TAUを読込む。ステップ1102では、フューエルカ
ットを実行するか否かをスロットル弁全閉の減速時であ
るか否かにより判定し、その判定結果がYESのときは
ステップ1103に進み、フューエルカットを実行し、
その判定結果がNOのときはステップ1104に進む。
【0044】ステップ1104、1107、1108お
よび1109は乱数計算を示す。この乱数計算は、4気
筒機関への適用例を示し、乱数カウンタcrndを0か
ら4まで計数しては0にリセットし、これを繰り返すこ
とにより、各気筒#1、#3、#4、#2の順に、今回
エンジンサイクルではTAU×α、TAU×β、TAU
×α、TAU×βの燃料噴射量を、次回エンジンサイク
ルではTAU×β、TAU×α、TAU×β、TAU×
αの燃料噴射量をというようにエンジンサイクル毎に各
燃料噴射弁3から噴射する燃料噴射量をランダムに可変
するために行う。ステップ1104では、乱数カウンタ
crndを2で割ったときに余りが0か否か、すなわち
crndが偶数か否かを決定し、偶数と判定されたとき
は、ステップ1105に進み、燃料噴射量TAUを増加
し(TAU×α)、奇数と判定されたときは、ステップ
1106に進み、減少する(TAU×β)。例えば、α
=1.04、β=0.96を設定する。
【0045】またステップ1105、1106では、算
出した燃料噴射量TAU×α、TAU×βをカウンタ1
08にセットし、TAU×α、TAU×βに応じた燃料
量を燃料噴射弁3から噴射する。乱数計算において、1
エンジンサイクル中の燃料噴射量が全て増量されたり
(TAU×α)、全て減量されたり(TAU×β)する
場合が生じても、複数エンジンサイクルの間に増減量が
相殺されるように乱数計算が行われれば、平均燃料噴射
量は空燃比センサの出力に基づいて機関の空燃比を目標
空燃比に一致させるように機関の運転状態に応じて算出
された燃料噴射量TAUに等しくなり、排気エミッショ
ンの悪化を抑制できる。したがって、n個の増減定数
α、β、…からなる母集団において、α、β、…の乱数
選択は、確率統計的に、α+β+…/n=1を満たすよ
うに行う。
【0046】図12は燃料噴射量の増減ルーチンの第2
実施形態を示すフローチャートである。本ルーチンは燃
料噴射時期毎、すなわち4気筒機関では180°CA毎
に、6気筒機関では90°CA毎に実行される。ステッ
プ1201では、気筒判定、すなわちクランク角センサ
7の出力に基づき今回噴射する気筒を判定し、図6のス
テップ604で記憶した燃料噴射量TAUを読込む。ス
テップ1202では、フューエルカットを実行するか否
かをスロットル弁全閉の減速時であるか否かにより判定
し、その判定結果がYESのときはステップ1203に
進み、フューエルカットを実行し、その判定結果がNO
のときはステップ1204に進む。
【0047】ステップ1204では、ガス当たりが強い
気筒か否かを判定し、その判定結果がYESのときはス
テップ1205に進み、その判定結果がNOのときはス
テップ1206に進む。ガス当たりが強い気筒が何番目
の気筒かは機関のハードウェアで決定され実験的に求め
ておき、ステップ1204では、今回処理周期の気筒が
そのガス当たりが強い気筒か否かで判定する。
【0048】ガス当たりが強い気筒か否かに応じ、ガス
当たりの強い気筒に対しては燃料噴射量TAUを大きく
増減し、ガス当たりの弱い気筒に対しては燃料噴射量T
AUを小さく増減することにより、機関のトルク変動を
抑制する。また、他の実施形態として、ステップ120
4において、ガス当たりが強い気筒の判定の代わりに、
機関の運転状態、例えば負荷状態が高負荷時か軽中負荷
時かを判定し、その判定結果が高負荷のときはステップ
1205に進み、その判定結果が軽中負荷のときはステ
ップ1206に進むようにフローを構成したり、機関の
運転状態が過渡加速時かあるいは過渡減速時または定常
状態かを判定し、その判定結果が過渡加速時のときはス
テップ1205に進み、その判定結果が過渡減速時また
は定常状態のときはステップ1206に進むようフロー
を構成してもよい。
【0049】上記の場合、機関の運転状態に応じ、高負
荷時や加速時には、比較的大きい値の増減定数α,βを
選択して燃料噴射量TAUを大きく増減して排気エミッ
ションを向上させ、軽中負荷時や減速時または定常状態
時には、比較的小さい値の増減定数γ,λを選択して燃
料噴射量TAUを小さく増減してトルク変動を抑制して
ドライバビリティを良好にする。これらの処理は以下に
記すステップ1205から1212の実行により行われ
る。
【0050】ステップ1205、1206、1207、
1210および1213は乱数計算を示す。この乱数計
算は、図11のステップ1104、1107、1108
および1109と同様に行ってもよいし、あるいは他の
如何なる方法で行ってもよいが、エンジンサイクル毎に
各燃料噴射弁3から噴射する燃料噴射量をランダムに可
変するものでなければならない。
【0051】ステップ1205で乱数計算した後、ステ
ップ1207では、erndが偶数か否かを判定し、e
rndが偶数と判定されたときはステップ1208に進
み、燃料噴射量TAUを増加し(TAU×α)、ern
dが奇数と判定されたときは、ステップ1209に進
み、燃料噴射量TAUを減少する(TAU×β)。ここ
で、α、βはガス当たりが強い気筒の燃料噴射量の増減
を大きくするように設定された、燃料噴射量TAUを比
較的大きく増減する増減定数である。
【0052】ステップ1206で乱数計算した後、ステ
ップ1210では、erndが偶数か否かを判定し、e
rndが偶数と判定されたときはステップ1211に進
み、燃料噴射量TAUを増加し(TAU×γ)、ern
dが奇数と判定されたときは、ステップ1212に進
み、燃料噴射量TAUを減少する(TAU×λ)。ここ
で、γ、λはガス当たりが弱い気筒の燃料噴射量の増減
を小さくするように設定された、燃料噴射量TAUを比
較的小さく増減する増減定数である。例えば、α=1.
08、β=0.92、γ=1.02、λ=0.98を設
定する。
【0053】またステップ1208、1209、121
1および1212では、算出した燃料噴射量TAU×
α、TAU×β、TAU×γおよびTAU×λをカウン
タ108にセットし、TAU×α、TAU×β、TAU
×γおよびTAU×λに応じた燃料量を燃料噴射弁3か
ら噴射する。また、各増減定数、第1実施形態ではαと
βの総和を、第2実施形態ではα、β、γおよびλの総
和を一定値にすることにより、平均燃料噴射量は、酸素
センサの出力に基づいて、機関の運転状態に応じて算出
された燃料噴射量TAUに略等しくなり、排気エミッシ
ョンを良好にする。
【0054】上述した本発明の実施形態では、触媒上流
側酸素センサと触媒下流側酸素センサとを備え、第1空
燃比フィードバック制御と第2空燃比フィードバック制
御とを実行する例を用いて本発明を説明したが、本発明
はこれに限定されるものでなく、触媒上流側酸素センサ
のみを備え、第1空燃比フィードバック制御のみ実行し
ても実施可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による多気
筒内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、噴射弁の固体
差や空燃比センサのガス当たりに起因する空燃比センサ
の検出誤差による排気エミッションの悪化を抑制するこ
とができる。また、本発明によれば、触媒を小さくする
ことができる。
【0056】また、本発明によれば、機関の運転状態に
応じて増減定数を選択することにより、例えば負荷状態
や過渡状態に応じて、高負荷時や加速時には大きな増減
定数を選択し燃料噴射量を大きく増減することにより排
気エミッションを向上させ、軽負荷時や減速時には小さ
な増減定数を選択し燃料噴射量を小さく増減することに
よりトルク変動を抑制してドライバビリティを良好にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図である。
【図2】実際の空燃比と水素の発生量との関係を示す図
である。
【図3】本発明による多気筒内燃機関の燃料噴射制御装
置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図4】本発明の噴射制御が従来技術の噴射制御より空
燃比センサの出力値の差が小さくなる理由を説明する図
である。
【図5】燃料噴射量と水素の発生量との関係を示す図で
ある。
【図6】燃料噴射量演算ルーチンのフローチャートであ
る。
【図7】上流側酸素センサ出力に基づく第1空燃比フィ
ードバック制御ルーチンの一例を示す前半フローチャー
トである。
【図8】上流側酸素センサ出力に基づく第1空燃比フィ
ードバック制御ルーチンの一例を示す後半フローチャー
トである。
【図9】下流側酸素センサ出力に基づく第2空燃比フィ
ードバック制御ルーチンの一例を示すフローチャートで
ある。
【図10】図7から図9のフローチャートを補足説明す
るタイムチャートである。
【図11】燃料噴射量の増減ルーチンの第1実施形態を
示すフローチャートである。
【図12】燃料噴射量の増減ルーチンの第2実施形態を
示すフローチャートである。
【図13】排気ガス中のH2 成分の影響によるO2 セン
サの出力特性の変化を説明する図である。
【符号の説明】 1…機関 2…気筒 3…燃料噴射弁 4…排気通路 5…三元触媒 6…酸素センサ 7…クランク角センサ 8…エアフローメータ 9…燃料噴射量算出手段 10…空燃比制御変数設定手段 11…燃料噴射量増減手段 100…電子制御ユニット(ECU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/36 F02D 41/36 B Fターム(参考) 3G301 HA01 HA06 JA03 JA16 JA17 JA25 JB01 KA08 KA09 KA12 KA16 KA21 LB02 MA01 MA12 MA24 NA01 NA03 NA04 NA06 NA09 NB02 NB06 ND01 ND05 ND07 NE01 NE03 NE06 NE08 NE13 NE15 NE16 NE17 NE19 NE22 NE23 PA01Z PA18Z PD00A PD00Z PD09A PD09Z PE01Z PE03Z PE05Z PE08Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多気筒内燃機関の各気筒へ向けて燃料を
    噴射する各噴射弁と、該機関の排気通路に設けられた排
    気浄化触媒と、該排気通路に設けられた空燃比センサ
    と、該空燃比センサの出力に基づいて前記機関の空燃比
    を目標空燃比に一致させるように該機関の運転状態に応
    じて燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、を備
    える多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、 前記機関の空燃比がリッチからリーンへ変化したとき該
    空燃比をリッチ側へ戻しリーンからリッチへ変化したと
    き該空燃比をリーン側へ戻すように、前記燃料噴射量算
    出手段により算出される前記燃料噴射量を補正する空燃
    比補正係数の空燃比制御変数を設定する空燃比制御変数
    設定手段と、 前記空燃比制御変数設定手段により設定された前記空燃
    比制御変数を用いて前記燃料噴射量算出手段により算出
    された前記燃料噴射量を予め定めた増減定数で増減して
    前記各気筒へ供給する燃料噴射量増減手段と、を備えた
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 前記増減定数の総和が一定値である請求
    項1に記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 前記増減定数が、前記機関の運転状態に
    応じて選択される請求項1に記載の多気筒内燃機関の燃
    料噴射制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012184666A (ja) * 2011-03-03 2012-09-27 Toyota Motor Corp 多気筒内燃機関の制御装置
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CN114439633A (zh) * 2020-11-06 2022-05-06 赛格威科技有限公司 车辆发动机的控制方法、装置、设备及存储介质

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