JP2000053986A - 大型ディーゼルエンジン用潤滑油組成物 - Google Patents

大型ディーゼルエンジン用潤滑油組成物

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JP2000053986A
JP2000053986A JP22150198A JP22150198A JP2000053986A JP 2000053986 A JP2000053986 A JP 2000053986A JP 22150198 A JP22150198 A JP 22150198A JP 22150198 A JP22150198 A JP 22150198A JP 2000053986 A JP2000053986 A JP 2000053986A
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lubricating oil
mass
oil
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average molecular
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JP22150198A
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Fumio Hagiwara
文男 萩原
Hisafumi Araki
寿文 荒木
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】潤滑油消費量が少ない大型ディーゼルエンジン
用の潤滑油組成物を提供する。 【構成】潤滑油基油に(1)分散型ポリメタクリレート
−αオレフィンコポリマーであって、数平均分子量が5
0,000〜300,000であり、αオレフィンがエ
チレン、プロピレン、ブチレンから選ばれる1種以上、
(2)ポリブテンであって、数平均分子量が10,00
0〜100,000、であるものを添加した潤滑油組成
物が、潤滑油消費量を大幅に低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型ディーゼルエ
ンジンの潤滑油に係わり、特には特定のポリマーを添加
することで油消費量を減少させた潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】大型ディーゼルエンジンの潤滑油供給方
法は、通常の自動車用等のエンジンと同様に、潤滑油ポ
ンプによりエンジン内部の各所に圧送される。そして、
それぞれの潤滑を行なった後、大部分がクランク室に戻
り、再び各所に圧送される。シリンダ内面に供給された
潤滑油も、大部分はピストンリングで掻き落され、クラ
ンク室に戻る。しかし、一部はピストン上部に掻き上げ
られ、燃焼室内の熱による蒸発や、ピストンの往復運動
の慣性力で飛散することにより消費される。一般に、大
型ディーゼルエンジンの潤滑油の消費量は大きな値であ
り、このため消費量を減少させるための試みが種々なさ
れてきている。
【0003】例えば、潤滑油に清浄剤を添加すること
で、カーボンやスラッジがピストンに付着することを防
止し、オイル上がりによる消費量の増加を防止すること
は、通常行われている。しかし、エンジン稼働初期段階
のレベル以下にすることは困難であった。
【0004】また、エンジンの構造を変えることで、潤
滑油の消費量を減少させる試みも報告されている。例え
ば、特開平9−137865号公報では、ピストン上部
に金属ブラシを設置する方法、或はシリンダ内面にラビ
リンスシールを設置する方法により、潤滑油消費量を減
らすことができるとしている。しかし、既設の設備で
は、エンジンの構造変更は困難である。このため、潤滑
油消費量の少ない潤滑油の開発が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大型
ディーゼルエンジン用の潤滑油であって、潤滑油消費量
を減らすことが可能な潤滑油組成物を提供することにあ
る。これが達成されれば、エンジン改造や、特殊な装置
の付加を必要とせずに、潤滑油の入れ替えだけで潤滑油
消費量を減少させることが可能となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、潤滑油消
費量の少ない潤滑油組成物について、鋭意検討を進め
た。その結果、潤滑油基油に分散型ポリメタクリレート
−αオレフィンコポリマー、ポリブテンから選ばれる1
種以上を添加することで、潤滑油の消費量が減少するこ
とを見出した。さらに検討を進めた結果、(1)分散型
ポリメタクリレート−αオレフィンコポリマーの数平均
分子量が50,000〜300,000であり、αオレ
フィンがエチレン、プロピレン、ブチレンから選ばれる
1種以上、(2)ポリブテンの数平均分子量が10,0
00〜100,000、であるものが格別の効果を奏す
ることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に使用する潤滑油組成物の
基油として、鉱油、合成油或は鉱油と合成油の混合物が
使用できる。鉱油として用いられるものは、パラフィン
系、ナフテン系、中間基系等の鉱油を蒸留分離し、水素
化精製或は溶剤精製処理を行なったニュートラル油、ブ
ライトストック等を挙げることができる。また、常圧蒸
留抽出油を溶剤脱ろう処理した油、それをさらに高圧下
にて水素精製し硫黄分などの不純物を除去した油なども
使用できる。また、合成油としては、ポリα−オレフィ
ン、α−オレフィンコポリマー、ポリイソブチレン、ア
ルキルベンゼン、ポリオールエステル、ポリオキシアル
キレングリコールエステル、ポリオキシアルキレングリ
コールエーテル、シリコン等を挙げることができる。こ
れらの鉱油、合成油は単独で使用してもよいし、2種以
上を混合して使用してもよい。
【0008】これらは、内燃機関用の潤滑油基油として
用いられているものであれば特に制限はない。また、そ
れぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用す
ることができ、鉱油と合成油を組み合わせて使用しても
よい。
【0009】基油の粘度であるが、100℃における動
粘度が1〜20mm/s、より好ましくは2〜15m
/sのものが好適に使用できる。基油の粘度が20
mm /sを超えると燃費の低下を招くことがあり、逆
に1mm/sを切ると、潤滑性が低下しエンジン内の
摩耗部分の損傷を招くことがある。また、粘度が低い潤
滑油は、沸点が低い場合が多く、蒸発による潤滑油消費
量の増大を招くことがある。
【0010】基油の流動点であるが、自動車用ほどの低
温流動性は求められないものの、低い方がエンジンの保
守管理の点で好ましい。通常は−10℃以下、好ましく
は−15℃以下のものが好適に使用できる。
【0011】前述したように、本発明においては下記
(1)、(2)或は(1)と(2)の混合物を添加する
ことを特徴としている。 (1)分散型ポリメタクリレート−αオレフィンコポリ
マーであって、その数平均分子量が50,000〜30
0,000であり、αオレフィンが実質的にエチレン、
プロピレン、ブチレンから選ばれる2種以上 (2)ポリブテンであって、その数平均分子量が10,
000〜100,000
【0012】ここで、分散型のポリメタクリレートは公
知のものが使用でき、特に制限はない。このようなポリ
マーは、アルキルメタクリレートモノマーと、極性モノ
マーとの共重合で得ることができる。極性モノマーとし
ては、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−メチ
ル−5−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン、モ
ルホリノエチルメタクリレートから選ばれる1種以上が
好適に使用できる。アルキルメタクリレートモノマー
と、極性モノマーとのモル比であるが、分散効果が極大
となる80:20〜95:5の範囲のものが好ましい。
また、αオレフィンコポリマーは、実質的にエチレン、
プロピレン、ブチレンから選ばれる2種以上のものであ
り、これも公知のものが使用でき特に制限はない。入手
の容易さの点で、エチレン−プロピレンのランダム共重
合体であって、エチレン含有量が35〜65質量%のも
のを使用することが好ましい。
【0013】分散型ポリメタクリレートとαオレフィン
コポリマーは、混合して用いることが肝要である。分散
型ポリメタクリレートとαオレフィンコポリマーの混合
比は95:5〜70:30の範囲が好ましい。この範囲
を外れると、潤滑油消費量の低減効果が弱まる場合があ
る。
【0014】分散型ポリメタクリレート−αオレフィン
コポリマー混合物の数平均分子量は、50,000〜3
00,000、好ましくは100,000〜200,0
00の範囲で好適に使用できる。この範囲を外れると、
潤滑油消費量の低減効果が弱まる場合がある。主成分で
ある分散型ポリメタクリレートの数平均分子量は、1
0,000〜300,000の範囲に納まるものを使用
するのが好ましい。一方、αオレフィンコポリマーは、
入手が容易な数平均分子量が40,000〜150,0
00のものから適宜選択して使用すればよい。いずれに
しても、混合物の最終的な数平均分子量が50,000
〜300,000の範囲内であれば、問題無く使用でき
る。
【0015】一方、ポリブテンについても公知のものが
使用でき特に制限はないが、数平均分子量が10,00
0〜100,000、好ましくは20,000〜50,
000のものが好適に使用できる。数平均分子量がこの
範囲を外れると、潤滑油消費量の低減効果が弱まる場合
がある。
【0016】分散型ポリメタクリレート−αオレフィン
コポリマー、ポリブテンの添加量は、0.05〜2質量
%、好ましくは0.1〜1.0質量%の範囲であればよ
い。これが、0.05質量%を切ると、潤滑油消費量の
低減効果が弱まる場合がある。また、2質量%を超えて
添加しても良いが、添加による改善向上効果は弱まる。
【0017】本発明の組成物は、潤滑油基油に上記成分
を配合することによリ得られるが、この他に、潤滑油の
物性向上のため、金属塩サリシレート、金属塩フェネー
ト、金属塩スルホネート、コハク酸イミド等の清浄剤、
フェノール系、アミン系、リン系、硫黄系等の酸化防止
剤、粘度指数向上剤、金属不活性剤、摩耗防止剤、摩擦
調整剤、消泡剤、極圧剤などの添加剤を使用してもよ
い。これらの添加剤は、公知のものが使用でき、特に制
限はない。
【0018】金属塩サリシレート、金属塩フェネート及
び金属塩スルホネートであるが、金属としては、カルシ
ウム、マグネシウム、バリウムから選ばれる1種以上が
使用できる。しかし、カルシウム、マグネシウムから選
ばれる1種以上が、入手の容易さの点で好ましい。
【0019】金属塩サリシレート、金属塩フェネート及
び金属塩スルホネートから選ばれる1種以上の添加量で
あるが、潤滑油全量基準で、5〜25質量%、好ましく
は10〜20質量%である。5質量%を切ると、酸化に
よる酸性物質の中和能力が不足することがある。一方、
25質量%を超えると、潤滑性能が低下する場合があ
る。
【0020】本発明で用いるイミド化合物は、コハク酸
イミド及び/又はホウ素含有コハク酸イミドである。こ
れらは、アルケニル基を有するものが好適に使用でき
る。このアルケニルコハク酸イミドは、有機物の酸化に
より生成する不溶物、スラッジ等の分散のために用い
る。
【0021】コハク酸イミド及び/又はホウ素含有コハ
ク酸イミドの添加量は、潤滑油全量基準で0.3〜5.
0質量%、好ましくは0.5〜3.0質量%である。
0.3質量%を切ると、分散効果が低下することがあり
好ましくない。また、5.0質量%を超えると、耐摩耗
性の低下を招くため好ましくない。
【0022】アミン系酸化防止剤としては、例えばp,
p’−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル−
N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、ポリ
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、
6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒ
ドロキノリン、チオジフェニルアミン、4−アミノ−p
−ジフェニルアミン、等を挙げることができ、これらの
1種或いは2種以上が使用できる。
【0023】フェノール系酸化防止剤としては、2,6
−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メ
トキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチル
フェノール、2,4−ジエチル−6−t−ブチルフェノ
ール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,
6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミ
ノメチル)フェノール、n−オクタデシル−β−(4’
−ヒドロキシ3’,5−ジ―t−ブチルフェニル)プロ
ピオネート、2,4−(n−オクチルチオ)−6−(4
−ヒドロキシ3’,5’−ジ−t−ブチルアニリノ)−
1,3,5−トリアジン、スチレン化フェノール、スチ
レン化クレゾール、トコフェノール、2−t−ブチル−
6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロ
キシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−
6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,
2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロ
ヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、
2,2’−エチリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチル
フェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン
ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、トリエチレングリコール−ビス−3−(−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオネート、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒ
ドラジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナミド、
2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−
[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、ビス[2−t−ブチル−4−メ
チル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロ
キシベンジル)フェニル]テレフタレート、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−4
−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5
−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−
ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メ
チレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタン、カルシウム
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモ
ノエチルホスフォネート)、没食子酸プロピル、没食子
酸オクチル、没食子酸ラウリル、2,4,6−トリ−t
−ブチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、1,1,
3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−
ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−
{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエ
チル]−2,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]
ウンデカン等を挙げることができ、これらの1種或いは
2種以上が使用できる。
【0024】これらのなかでも、入手の容易さ、潤滑油
への使用実績の点で、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、さらに高温での熱酸化安定性を要求される場
合には、分子量が大きく昇華しにくい2,2’−メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチル
−4−エチルフェノール)、4,4’−メチレンビス
(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0025】これらの酸化防止剤の配合量であるが、潤
滑油全量基準で、0.5〜2質量%である。0.5質量
%を切ると、酸化防止効果が不足する場合があり、2質
量%を超えると、酸化分解物によるスラッジ発生が問題
になる場合がある。
【0026】摩耗防止剤としては、ジチオりん酸モリブ
デン化合物(MoDTP),ジチオカルバミン酸モリブ
デン化合物(MoDTC)などの有機モリブデン化合
物、ZnDTP、ZnDTCなどの有機亜鉛化合物、ア
ルキルメルカプチルボレートなどの有機ホウ素化合物、
グラファイト、二硫化モリブデン、硫化アンチモン、ホ
ウ酸カリウム、ポリテトラフルオロエチレンなどの固体
潤滑剤などを挙げることができる。摩耗防止剤の添加量
は、潤滑油全量基準で0.1〜2質量%、好ましくは
0.2〜1質量%である。0.1質量%を切ると、摩耗
防止効果が弱まる場合がある。また、2質量%を超えた
場合は、摩耗防止効果の改善が見られなくなる。
【0027】消泡剤としては、ジメチルポリシロキサ
ン、フェニルメチルシロキサンなどを挙げることがで
き、通常、組成物全量に基づき3〜100ppmの割合
で使用される。
【0028】金属不活性剤としては、たとえばベンゾト
リアゾール、トリルトリアゾール、炭素数2〜10の炭
化水素基を有するベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイ
ミダゾール、炭素数2〜20炭化水素基を有するイミダ
ゾール誘導体、炭素数2〜20炭化水素基を有するチア
ゾール誘導体、2−メルカプトベンゾチアゾール、アル
ケニルコハク酸エステル等を挙げることができ、これら
の1種或いは2種以上を用いることができる。
【0029】摩擦調整剤としては、オレイン酸、ステア
リン酸などの脂肪酸、これらのグリセリンエステル、ラ
ウリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコ
ール等のアルコール、アルキルりん酸エステル、アルキ
ル亜りん酸エステルなどを挙げることができる。また、
極圧剤としては、硫化油脂、ジフェニルスルフィド、メ
チルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレンなどを
挙げることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれらの実施例のみに限定されるものではない。潤滑
油組成物の性能評価は以下に示す試験方法で求めた。こ
の結果に基づいて、実機における確認試験を行なった。
【0031】[試験方法] (1)ストレイミスト発生速度の測定 ミスト発生装置としてアレマイト社オイルミストユニッ
トを使用し、ミスト発生圧力2.06×10Pa(ゲ
ージ圧力で約1.1kgf/cm)、ミスト排出側圧
力1.03×10Pa(ゲージ圧力で約0.05kg
f/cm)、油温37.8℃、ミスト凝縮ノズルφ
1.7×5個のものを2個、ミスト発生器内空気温度6
0℃の条件でミストを発生させた。試験時間は、8時間
とした。ノズルの先端から6.35mmの位置にバット
を置き、ミストを捕集して重量を測定した。また、ミス
ト排出配管内で凝縮する潤滑油の重量も測定した。スト
レイミスト発生速度は、オイルミストユニット内の潤滑
油減少量から、バットに捕集された潤滑油量及び配管内
で凝縮した潤滑油量を引き、試験時間で割って算出し
た。
【0032】(2)オイルはねかけ量の測定 FTM 791Bに基づくパネルコーカー試験装置を使
用し、アルミパネル板に代えて濾紙をセットし、15秒
間に付着する潤滑油量を測定した。潤滑油の温度は80
℃とした。
【0033】(3)実機に於ける潤滑油消費速度の測定 シリンダ径300mm、ストローク380mm、シリン
ダ数18、定格出力5,000kWのエンジンを使用
し、回転数750rpm、エンジン出力5,000kW
の条件で3,000時間の運転を行い潤滑油消費速度を
調べた。
【0034】(実施例1)基油として、鉱油A(100
℃における動粘度が11.0mm/s、粘度指数が1
06)が87質量%、鉱油B(100℃における動粘度
が33.9mm/s、粘度指数97)が13質量%の
混合物を使用した。これに、塩基価226mgKOH/
gのカルシウムサリシレートを潤滑油全量基準で4.4
質量%、塩基価61mgKOH/gのカルシウムサリシ
レートを潤滑油全量基準で3.0質量%、塩基価240
mgKOH/gのカルシウムフェネートを潤滑油全量基
準で1.3質量%、塩基価20mgKOH/gのカルシ
ウムスルホネートを潤滑油全量基準で1.6質量%、コ
ハク酸イミドを潤滑油全量基準で0.7質量%、4,
4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)を潤滑油全量基準で0.9質量%、分散型ポリメタ
クリレート40重量部とエチレンプロピレン共重合体5
重量部の混合物を潤滑油全量基準で0.45質量%添加
し、大型ディーゼルエンジン用潤滑油を作成した。分散
型ポリメタクリレート−エチレンプロピレン共重合体混
合物の数平均分子量は150,000であった。この潤
滑油のストレイミスト発生速度は、4.3g/hであ
り、オイルはねかけ量は、0.12gであった。
【0035】(実施例2)実施例1の分散型ポリメタク
リレート−エチレンプロピレン共重合体混合物に代え
て、数平均分子量30,000のポリブテンを潤滑油全
量基準で0.2質量%添加した以外は、実施例1と同様
にして大型ディーゼルエンジン用潤滑油を作成した。こ
の潤滑油のストレイミスト発生速度は、5.7g/hで
あり、オイルはねかけ量は、0.13gであった。
【0036】(実施例3〜5)実施例1の分散型ポリメ
タクリレート−エチレンプロピレン共重合体混合物の添
加量を0.1質量%(実施例3)、0.2質量%(実施
例4)、0.3質量%(実施例5)に代えた以外は、実
施例1と同様にして大型ディーゼルエンジン用潤滑油を
作成した。この潤滑油のストレイミスト発生速度は、
5.1g/h(実施例3)、4.5g/h(実施例
4)、4.1g/h(実施例5)であった。
【0037】(比較例1)実施例1の分散型ポリメタク
リレート−エチレンプロピレン共重合体混合物を除いた
以外は、実施例1と同様にして大型ディーゼルエンジン
用潤滑油を作成した。この潤滑油のストレイミスト発生
速度は、13.4g/hであり、オイルはねかけ量は、
0.18gであった。
【0038】(比較例2)実施例1の分散型ポリメタク
リレート−エチレンプロピレン共重合体に代えて、数平
均分子量3,500のエチレンプロピレン共重合体を潤
滑油全量基準で1.0質量%添加した以外は、実施例1
と同様にして大型ディーゼルエンジン用潤滑油を作成し
た。この潤滑油のストレイミスト発生速度は、6.7g
/hであり、オイルはねかけ量は、0.16gであっ
た。
【0039】(比較例3)実施例1の分散型ポリメタク
リレート−エチレンプロピレン共重合体に代えて、数平
均分子量200,000の非分散型ポリメタクリレート
を潤滑油全量基準で0.55質量%添加した以外は、実
施例1と同様にして大型ディーゼルエンジン用潤滑油を
作成した。この潤滑油のストレイミスト発生速度は、
8.2g/hであり、オイルはねかけ量は、0.17g
であった。
【0040】
【表1】
【0041】(実施例6)基油として、鉱油A(100
℃における動粘度が11.0mm/s、粘度指数が1
06)が80質量%、鉱油B(100℃における動粘度
が33.9mm/s、粘度指数97)が20質量%の
混合物を使用した。これに、塩基価168mgKOH/
gのカルシウムサリシレートを潤滑油全量基準で18質
量%、塩基価20mgKOH/gのカルシウムスルホネ
ートを潤滑油全量基準で1.6質量%、コハク酸イミド
を潤滑油全量基準で0.7質量%、ジアルキルジチオリ
ン酸亜鉛コを潤滑油全量基準で0.3質量%、4,4’
−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)
を潤滑油全量基準で0.9質量%、分散型ポリメタクリ
レート40重量部とエチレンプロピレン共重合体5重量
部の混合物を潤滑油全量基準で0.1質量%添加し、大
型ディーゼルエンジン用潤滑油を作成した。分散型ポリ
メタクリレート−エチレンプロピレン共重合体混合物の
数平均分子量は150,000であった。この潤滑油を
用いて、実機に於ける潤滑油消費速度の測定を行なっ
た。潤滑油の消費速度は、8.7L/hであった。
【0042】(比較例4)実施例6の分散型ポリメタク
リレート−エチレンプロピレン共重合体を除いた以外
は、実施例6と同様にして大型ディーゼルエンジン用潤
滑油を作成した。この潤滑油を用いて、実機に於ける潤
滑油消費速度の測定を行なった結果、潤滑油の消費速度
は、9.5L/hであった。
【0043】
【発明の効果】本発明による大型ディーゼルエンジン用
潤滑油組成物を用いれば、潤滑油消費量を大幅に低減で
きる。これにより、大型ディーゼルエンジンを使用する
船舶、自家発電設備などの維持管理コストを大きく低減
可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基
    油に、分散型ポリメタクリレート−αオレフィンコポリ
    マー、ポリブテンから選ばれる1種以上を添加してなる
    大型ディーゼルエンジン用潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 前記分散型ポリメタクリレート−αオレ
    フィンコポリマーの数平均分子量が50,000〜30
    0,000であり、αオレフィンがエチレン、プロピレ
    ン、ブチレンから選ばれる1種以上である請求項1に記
    載の大型ディーゼルエンジン用潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリブテンの数平均分子量が10,
    000〜100,000である請求項1、2いずれか一
    つの請求項に記載の大型ディーゼルエンジン用潤滑油組
    成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075053A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Cosmo Sekiyu Lubricants Kk クロスヘッド型ディーゼルエンジン用シリンダ油組成物
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