JP2000053572A - ORL1(opioid orphan)受容体拮抗薬 - Google Patents

ORL1(opioid orphan)受容体拮抗薬

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JP2000053572A
JP2000053572A JP10226850A JP22685098A JP2000053572A JP 2000053572 A JP2000053572 A JP 2000053572A JP 10226850 A JP10226850 A JP 10226850A JP 22685098 A JP22685098 A JP 22685098A JP 2000053572 A JP2000053572 A JP 2000053572A
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hydrogen
alkyl
carbons
hydroxy
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Hiroshi Nagase
長瀬  博
Takashi Endo
孝 遠藤
Kuniaki Kawamura
邦昭 川村
Shinichi Yamane
深一 山根
Tomohiko Suzuki
知比古 鈴木
Kimimichi Sato
公道 佐藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】下記一般式(I) 【化1】 で表される化合物を有効成分とするORL1受容体拮抗
薬。 【効果】本発明の化合物は、ORL1受容体のリガンド
であるnociceptinの作用に拮抗する非ペプチ
ド性ORL1受容体拮抗薬であり、ORL1受容体の生
理作用やその作用機序の解明に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ORL1受容体に
対する拮抗薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ORL1受容体は、オピオイド受容体の
cDNAクローニングの過程で従来のオピオイドμ、
δ、κ受容体に高いアミノ酸配列相同性を有する受容体
として、1994年にMollereau等(Moll
ereau Cetal,F.E.B.S.Lett.,
343,42−46(1994))によって発見され
た。また1995年になり、2つのグループから相次い
でORL1受容体に対する内因性リガンドとして、内因
性オピオイドκ受容体作動性リガンドであるdynor
phineAに類似した、アミノ酸残基17個からなるn
ociceptin(Mollereau等、Natu
re,377,532−535(1995))およびo
rphanine FQ(Rainscheid等、S
cience,270,792−794(1995))
が単離構造決定された。
【0003】その後、ORL1受容体の薬理学的機能お
よびその内因性リガンドであるnociceptinの
薬理学的作用の研究が行われている。例えば、ORL1
受容体に対する内因性リガンドであるnocicept
inをマウスの脳室内に投与することにより、hot−
plate試験およびtail−flick試験におい
て痛覚過敏現象が現れることが知られている(Grae
meHenderson等、Trends in Ph
armacological Science,18
(8),293−300(1997)Aug.)。ま
た、ラットの中核側坐核または視床下部腹側正中に対し
てnociceptinを投与することにより、ラット
の食喰行動を促進することも知られている(Strat
ford T.R等、Neuroreport,8
(2),423-6(1997),jan 20)。また、
ラットの静脈内にnociceptinを投与すること
により、心拍数、血圧および全身末梢抵抗が低下するこ
とも知られている(Sandro等、Eur.J.Ph
armacol.,333,177−179(199
7)およびH.C.Campion等、Peptide
s,18,No.5,729−732(1997))。
また、モルモットから取り出した気管に対してnoci
ceptinを作用させることにより、電気刺激によっ
て誘発される副交感神経からのアセチルコリンの遊離を
抑制することが知られている(Patel H.J等、
BritishJournal of Pharmac
ology,120(5),735−736(1997)
Mar)。このようにORL1受容体およびその内因性
リガンドであるnociceptinには、特異な生理
活性があることが報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにORL1受
容体には様々な生理活性があることが明らかになりつつ
あり、本受容体生理機構の解明およびその性質を利用し
た新規な薬剤の開発が望まれている。しかしながら、果
たしてどのような作用機序で上記のような生理活性が発
現するかについてはほとんど解明されていないのが現状
である。
【0005】一般的にこのような新規受容体の作用機序
について調べる場合においては、その受容体に親和性を
有する拮抗薬が重要であり、特に全身投与が可能な非ペ
プチド性の拮抗薬が望ましい。しかし、ORL1受容体
の拮抗薬として有用な化合物は未だ見出されていない。
本発明は非ペプチド性のORL1受容体拮抗薬を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、一般式(I)に示
す物質がORL1受容体に対して親和性を示すと同時に
nociceptinに対して拮抗作用を示すことを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は一般式(I)
【化4】 [式中、は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数
1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキル
アルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4か
ら7のアルケニル、またはアリルを表し、R2は水素、
ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ま
たは炭素数1から5のアルコキシを表し、R3は水素、
ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ま
たは炭素数1から5のアルコキシを表し、Aは−XC
(=Y)−(ここで、XはNR4、S、またはOを表
し、YはOを表し、R4は水素または炭素数1から5の
アルキルを表す)、−XC(=Y)Z−、−X−、また
は−XSO2−(ここで、XはNR4、SまたはOを表
し、YはOまたはSを表し、ZはNR4またはOを表
し、R4は水素または炭素数1から5のアルキルを表
す)を表し、Bは原子価結合、炭素数1から14の直鎖
もしくは分岐アルキレン、2重結合および/または3重
結合を1から3個含む炭素数2から14の直鎖もしくは
分岐の非環状不飽和炭化水素、またはチオエーテル結
合、エーテル結合および/もしくはアミノ結合を1から
5個含む炭素数1から14の直鎖もしくは分岐の飽和ま
たは不飽和炭化水素(ただしヘテロ原子は直接Aに結合
することはない)を表し、R5は水素または下記の基本
骨格:
【化5】 を持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素
数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイ
ルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ア
ミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオ
ロメチル、トリフルオロメトキシ、およびメチレンジオ
キシからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の置換
基により置換されていてもよい)を表し、R6は水素、
7は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルコキ
シ、または炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ある
いはR6とR7は一緒になって−O−を表し、R8は水
素、炭素数1から5のアルキルを表す。]で表される化
合物を有効成分とするORL1受容体拮抗薬である。
【0008】
【発明の実施の形態】上記のように、本発明は一般式
(I)で表されるORL1受容体に親和性を示す拮抗薬
である。
【0009】本ORL1受容体拮抗薬の一般式(I)に
示す化合物中、R1は炭素数1から5のアルキル、炭素
数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数4から7
のアルケニル、またはアリルが好ましい。中でも好まし
くは、メチル、シクロプロピルメチル、またはアリルで
ある。
【0010】R2としては、水素、ヒドロキシ、アセト
キシ、またはメトキシが好ましい。
【0011】R3としては、水素、ヒドロキシ、アセト
キシ、またはメトキシが好ましく、特にヒドロキシ、ア
セトキシ、またはメトキシが好ましい。
【0012】Aとしては、具体的には−NR4C(=
O)−、−NR4C(=S)−、−NR4C(=O)O
−、−NR4C(=O)NR4−、−NR4C(=S)N
4−、−NR4C(=O)S−、−OC(=O)−、−
OC(=O)O−、−SC(=O)−、−NR4−、−
O−、−NR4SO2−、−OSO2−などが挙げられ
る。中でも−NR4C(=O)−または−NR4C(=
O)O−が好ましく、より好ましくは−NR4C(=
O)−である。R4としては、炭素1から5の直鎖もし
くは分枝アルキル、中でもメチル、エチル、プロピル、
ブチル、またはイソブチルが好ましい。
【0013】Bとしては、−(CH2)n−(n=0〜
10)、−CH=CH−(CH2)n−(n=0〜
4)、−C≡C−(CH2)n−(n=0〜4)、−C
2−O−、−CH2−S−、−CH=CH−CH=CH
−(CH2 )n−(n=0〜4)が好ましく、特に−
(CH2)n −(n=1〜3)、−CH=CH−(CH
2)n−(n=0〜4)、−C≡C−(CH2)n−(n
=0〜4)、−CH2−O−、−CH2−S−が好適な例
として挙げられる。中でも炭素数1から3の直鎖アルキ
レン、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2O−、ま
たは−CH2S−が好ましく、より好ましくは−CH=
CH−または−C≡C−である。
【0014】R5としては、水素または下記の基本骨
格:
【化6】 を持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素
数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイ
ルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、アミノ、ニ
トロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチ
ル、トリフルオロメトキシ、およびメチレンジオキシか
らなる群から選ばれる少なくとも一種以上の置換基によ
り置換されていてもよい)が好ましい。
【0015】より具体的な例としてはフェニル、4−メ
チルフェニル、3−メチルフェニル、2−メチルフェニ
ル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメルルフェ
ニル、4−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、
2−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、
4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、
3,4−ジヒドロキシフェニル、4−フルオロフェニ
ル、3−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、
3,4−ジフルオロフェニル、パ−フルオロフェニル、
4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、2−クロロ
フェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,4−ジクロ
ロフェニル、2,4,5−トリクロロフェニル、2,
4,6−トリクロロフェニル、4−ブロモフェニル、3
−ブロモフェニル、2−ブロモフェニル、4−ニトロフ
ェニル、3−ニトロフェニル、2−ニトロフェニル、4
−アミノフェニル、3−アミノフェニル、2−アミノフ
ェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフ
ルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニ
ル、4−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフル
オロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェ
ニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、3−フラニ
ル、2−フラニル、3−チエニル、2−チエニル、シク
ロペンチル、シクロヘキシルが好ましい。
【0016】R6は水素が好ましく、R7は水素、ヒドロ
キシ、炭素数1から5のアルコキシ、または炭素数1か
ら5のアルカノイルオキシが好ましい。また、R6とR7
が一緒になって−O−であるものも好ましい。
【0017】R8は水素、炭素数1から5のアルキルが
好ましい。
【0018】これら一般式(I)に示すORL1受容体
拮抗薬は、特許第2525552に示される方法に従っ
て製造することができる。
【0019】上記ORL1受容体拮抗薬に対する薬理学
的に好ましい酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機
酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、グル
タル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデ
ル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩等の有
機カルボン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン
酸塩、ベンセンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸
塩、カンファ−スルホン酸塩等の有機スルホン酸塩等が
あげられ、中でも塩酸塩、マレイン酸、臭化水素酸塩、
リン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩等が好まれる
が、もちろんこれらに限られるものではない。
【0020】上記一般式(I)で表される化合物は、実
施例に示すようにORL1受容体に結合し、ORL1受
容体のリガンドであるnociceptinの作用に拮
抗することから、ORL1受容体拮抗薬として有用であ
る。これらORL1受容体拮抗薬は、ORL1受容体の
生理作用やその作用機序の解明のためのin vivo
もしくはin vitroの実験、または細胞レベルで
の実験に用いることができる。また、ORL1受容体を
介して起こると考えられる各種病変の治療および予防薬
の研究に有用である。例えばORL1受容体拮抗薬は、
痛覚閾値の低下した状態の改善などに適応可能であると
考えられている。
【0021】本発明のORL1受容体拮抗薬およびその
薬理学的に好ましい酸付加塩を臨床に用いる場合には、
担体、賦形剤などと混合した医薬組成物として、経口ま
たは非経口的に投与することができる。投与剤型として
は、注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロッ
プ剤、座剤、軟膏剤、ローション剤等を挙げることがで
きる。その使用量は症状、年齢、体重、投与方法等に応
じて適宜選択されるが、成人に対して、注射剤の場合、
有効成分量として1日0.0001mg〜1gであり、
経口剤の場合、0.005mg〜3gであり、それぞれ
1回または数回に分けて投与することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき、より具体的
に説明する。
【0023】実施例1.[3H]nociceptin
を用いたORL1受容体拮抗実験 まず、CHO細胞を10%(v/v)牛胎児血清(FC
S)(Biological Industrie
s),100U/mlペニシリンG,100μg/ml
ストレプトマイシン(GBCO BRL)含有最少必須
培地α(α−MEM)で5%CO2存在下37℃で培養
した。
【0024】また、ヒトオピオイドorphan受容体
(ORL1)のcDNAクローニングのために、 ヒト
orphan受容体の配列をGENEBankで調べ合
成DNAオリゴマーを設計・作製した。このDNA合成
オリゴマーをプライマーとし、ヒト脳cDNA(amy
gdala)(CLONTECH lab.Inc)を
鋳型としてポリメラーゼ チェイン リアクション(PC
R)をおこなった。増幅したDNA断片をTA clo
ningkit(Invitrogen Co.Lt
d)中のpCR3ベクターにライゲーションした。ライ
ゲーションはT4リガーゼを用い、16℃、一晩行っ
た。その反応液の一部をTOP10F’(コンピテント
セル)のトランスフォーメーションに用いた。トランス
フォーメーション後の大腸菌をアンピシリン添加LBプ
レートにまき、37度で一晩インキュベーションし、シ
ングルコロニーを形成させた。形成したコロニー・大腸
菌クローンを少量のTerrific Brothで培
養し、アルカリSDS法によりプラスミドを抽出した。
プラスミドに増幅DNAが挿入されていることを制限酵
素で切断・確認した後、PCR増幅DNAの配列をジデ
オキシ・サンガー法により決定した。解析したDNA塩
基配列は既知の配列とアミノ酸レベルで一致した。この
ORL1のcDNAが挿入されたpCR3ベクターをO
RL1/pCR3とした。
【0025】次に、トランスフェクション用のプラスミ
ドを得るため、ORL1/pCR3プラスミド保持TO
P10F’を100mlのLB培地で一晩撹拌培養し
た。QIAfilter(QIAgen)を用いプラス
ミドを抽出した。トランスフェクション前日、CHO細
胞を2×105個/培地2ml/dishとなるように
35mm dishに播種し通常の培養液で培養した。
約20時間後、培養液を除去し、生理的リン酸緩衝液
(−)(PBS(−))(日水製薬(株))2mlで細
胞を2度洗浄し、FCS非添加α−MEM(100U/
mlペニシリンG,1100μg/mlストレプトマイ
シン)2mlを添加した。また、TransITTM
Polyamine Transfection Rea
gent(Panvera Co.)とORL1/pC
R3プラスミドを混合しTrans ITTM reag
ent/DNA complexを形成させた。Tra
ns ITTM reagent/DNA comple
xを先のFCS未添加α−MEM中の細胞に添加し、5
%CO2存在下37℃で4時間培養した後、通常の培養
液に置換して更に培養を続けた。3日後、細胞を継代
し、G418選択培地(400μg/mlG418,
10%(v/v)FCS, 100U/mlペニシリン
G, 100μg/ml ストレプトマイシン含有α−M
EM培地)中で培養した。以後3日毎に培地を新鮮なG
418選択培地に入れ換えて2回生存・増殖したORL
1受容体遺伝子導入細胞クローンを数十クローン得た。
【0026】このようにして得られたクローンについ
て、ホルスコリンにより誘導されるcAMP量の上昇を
ORL1受容体作動薬Nociceptin/Orph
aninFQが抑制するかどうかを調べ、抑制率の高か
ったクローン細胞を更に2回、クローン化と反応性の検
討を繰り返し、最終的にcAMP産生抑制作用の強かっ
た細胞を選定した。
【0027】次に、ヒトORL1受容体発現細胞を用い
た被験化合物の受容体結合試験の試験法および試験結果
を示す。
【0028】(1)細胞培養 ヒトORL1受容体発現細胞(ORL1/CHO)は1
0%(v/v)FCS,100U/mlペニシリンG,
100μg/mlストレプトマイシン含有α−MEM培
地(DNA,RNA(+))で5%CO2存在下37℃
で培養した。なおFCSは56℃で30分間非働化処理
した後使用した。
【0029】(2)結合実験用ヒトORL1受容体発現
細胞粗膜画分の調製 ORL1/CHOを大量に培養し、細胞がほぼコンフレ
ントになった時点で細胞をセルスクレーパーを用いて回
収した。PBS(−)に懸濁後、冷却遠心(3000r
pm)で回収した細胞を一旦凍結保存した。15mM
Hepes−buffered saline(pH
7.4)(含 140mM NaCl,4.7mM KC
l,2.2mM CaCl2,1.2mM MgCl2
1.2mMKH2PO4,11mM Glucose)
中、細胞をポッタ−型ホモジナイザ−を用いホモジナイ
ズした。2℃,16000xgで20分間遠心し、得ら
れた沈渣を同緩衝液で同ホモジナイザ−を用いて懸濁
し、上記遠心分離操作を更に2回繰り返した。得られた
沈渣を適当量の同緩衝液で懸濁し、−80℃で保存し
た。なお標本の蛋白量は牛血製アルブミンを標準物質と
して、Protein Assay Reagents
(Bio−Rad社)を用いて算出した。
【0030】(3)受容体−リガンド結合試験 結合実験は15mM Hepes−buffered
saline(pH7.4)(含 140mM NaC
l,4.7mM KCl,2.2mM CaCl2
1.2mM MgCl2,1.2mMKH2PO4,11
mM Glucose)中で行った。結合置換試験は各
化合物または陽性対照としてOrphanin FQ/
Nociceptinを10μM、1nM[3H]no
ciceptin(Tyr14)(DuPont NE
N/第一科学薬品)、膜量約10μgprotein/
assay tubeにて行った。また反応温度は25
℃、反応時間は1時間で行った。非特異的結合はOrp
hanin FQ/nociceptin 10μM存
在下で求めた。また反応液が0.5ml/tubeとな
るように同上緩衝液で調整した。反応終了時にブランデ
ルセルハーベスターを用い反応液を吸引ろ過し、ろ過後
フィルターを氷冷した50mM トリス塩酸緩衝液(p
H7.4)で3回洗浄した。フィルタ−はWhatma
nnのガラス繊維濾紙を、あらかじめ0.3%(v/
v)ポリエチレンアミンに浸して使用した。濾過洗浄後
のフィルターとシンチレ−タ−5ml(シンチゾールE
X−H,同人化学)をバイアルに入れ、12時間以上抽
出した後、結合したトリチウム体による放射活性をシン
チレーションカウンターにて測定した。その結果、図1
に示すように、(−)−17-(シクロプロピルメチ
ル)−3,14−β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキ
シ−6β−[N−メチル−トランス−3−(3−フリ
ル)アクリルアミド]モルヒナン塩酸塩(化合物1と呼
称)、および(−)−17-(シクロプロピルメチル)
−3,14−β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−
6β−[N−メチル−3−(4−トリフルオロメチルフ
ェニル)プロピオルアミド]モルヒナンマレイン酸塩
(化合物2と呼称)を被験物質として用いた場合、それ
ぞれ66%および60%のnociceptinに対す
る結合阻害作用が観察された。
【0031】実施例2.forskolin誘発、cA
MP蓄積を指標としたORL1受容体拮抗試験 チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO cell)を
10%ウシ胎児血清、50U/mlペニシリン、50μ
l/ml硫酸ストレプトマイシンを含むF12培地に
て、37℃、5%CO2下培養した。また、ヒト前骨髄
性白血病細胞HL−60より抽出したtotalDNA
を鋳型として、RT-PCR法によりhuman noc
iceptin受容体(NociR)cDNAを得た。
このようにして得られたcDNAを発現ベクターpcD
NA3(Invitrogen,Carlsbad,C
A,USA)にサブクローニングし、リポフェクチン法
によりCHO細胞にトランスフェクトした。これを50
0μl/mlのG418(GIBCO BRL,Gai
thersburg,NY,USA)存在下で培養し、
生存するクローンをforskolinにより誘発され
るcAMP蓄積に対するnociceptinの抑制効
果を指標としてスクリーニングし、human Noc
iRを安定的に発現する細胞株(CHO/NociR)
を樹立した。
【0032】このようにして得られたCHO/Noci
Rを24wellプレートに1×105個/wellの
細胞密度で播種し12時間培養した後、HEPES−b
uffer saline(140mM NaCl,4.
7mM KCl,2.2mMCaCl2,1.2mM M
gCl2,1.2mM KH2PO4,11mM gluc
oseおよび15mM HEPES,pH 7.4)で一
回洗浄後、cAMP分解酵素抑制剤である3−isob
utyl−1−methylxanthine(IBM
X)1mMを含む0.45mlのHEPES-buff
er saline中で37℃、10分間プレインキュ
ベートした。ここに、種々の濃度の化合物1とnoci
ceptinを同時に処置することより、nocice
ptinの細胞内cAMP蓄積抑制作用に対する拮抗作
用を指標として検討した。
【0033】forskolinにより誘発されるcA
MP蓄積に対して、nociceptinによる抑制分
をaとし、さらに化合物1の添加よるnocicept
inの抑制効果に対する変化分をbとして、化合物1に
よる拮抗率を(b/a)×100(%)により算出した
ところ、図2に示すように、本発明の化合物1は、10
-5Mの濃度で有意なnociceptinに対する拮抗
作用が観察された。
【0034】
【発明の効果】本発明のORL1受容体拮抗薬は、OR
L1受容体を介した各種生理作用機序の解明に有用であ
り、さらにORL1受容体を介して起こると考えられる
各種病変の治療および予防薬の研究に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】nociceptinとORL1受容体の結合
に対する、化合物1および2の阻害作用を示す。
【図2】nociceptinの細胞内cAMP蓄積抑
制作用に対する化合物1の拮抗作用を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 深一 神奈川県鎌倉市手広1111番地 東レ株式会 社基礎研究所内 (72)発明者 鈴木 知比古 神奈川県鎌倉市手広1111番地 東レ株式会 社基礎研究所内 (72)発明者 佐藤 公道 京都府京都市左京区下鴨夜光町23−3 Fターム(参考) 4C034 CP05 CP13 CP17 CP22 CP23 CP24 CP31 4C063 AA01 BB08 BB09 CC15 CC75 CC76 CC80 CC82 CC92 CC94 CC96 DD12 DD14 DD15 EE01 4C086 AA01 AA02 BC30 CB09 GA02 GA04 GA07 GA08 MA01 MA04 NA14 ZA08 ZC42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 [式中、は二重結合又は単結合を表し、R1は炭素数
    1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキル
    アルキル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数4か
    ら7のアルケニル、またはアリルを表し、R2は水素、
    ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ま
    たは炭素数1から5のアルコキシを表し、R3は水素、
    ヒドロキシ、炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ま
    たは炭素数1から5のアルコキシを表し、Aは−XC
    (=Y)−(ここで、XはNR4、S、またはOを表
    し、YはOを表し、R4は水素または炭素数1から5の
    アルキルを表す)、−XC(=Y)Z−、−X−、また
    は−XSO2−(ここで、XはNR4、SまたはOを表
    し、YはOまたはSを表し、ZはNR4またはOを表
    し、R4は水素または炭素数1から5のアルキルを表
    す)を表し、Bは原子価結合、炭素数1から14の直鎖
    もしくは分岐アルキレン、2重結合および/または3重
    結合を1から3個含む炭素数2から14の直鎖もしくは
    分岐の非環状不飽和炭化水素、またはチオエーテル結
    合、エーテル結合および/もしくはアミノ結合を1から
    5個含む炭素数1から14の直鎖もしくは分岐の飽和ま
    たは不飽和炭化水素(ただしヘテロ原子は直接Aに結合
    することはない)を表し、R5は水素または下記の基本
    骨格: 【化2】 を持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素
    数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイ
    ルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ア
    ミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオ
    ロメチル、トリフルオロメトキシ、およびメチレンジオ
    キシからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の置換
    基により置換されていてもよい)を表し、R6は水素、
    7は水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルコキ
    シ、または炭素数1から5のアルカノイルオキシ、ある
    いはR6とR7は一緒になって−O−を表し、R8は水
    素、炭素数1から5のアルキルを表す。]で表される化
    合物を有効成分とするORL1受容体拮抗薬。
  2. 【請求項2】一般式(I)において、R1がメチル、シ
    クロプロピルメチル、またはアリルであり、R2、R3
    各々独立して水素、ヒドロキシ、アセトキシ、またはメ
    トキシであり、Aが−NR4C(=O)−または−NR4
    C(=O)O−(ここでR4は水素または炭素数1から
    5のアルキルを表す)であり、Bが炭素数1から3の直
    鎖アルキレン、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2
    −O−、または−CH2−S−であり、R5が請求項1の
    定義に同じであり、R6とR7が一緒になって−O−であ
    り、R8が水素である請求項1記載のORL1受容体拮
    抗薬。
  3. 【請求項3】一般式(I)においてR5が下記の基本骨
    格: 【化3】 を持つ有機基(ただし炭素数1から5のアルキル、炭素
    数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のアルカノイ
    ルオキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、ア
    ミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオ
    ロメチル、トリフルオロメトキシ、およびメチレンジオ
    キシからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の置換
    基により置換されていてもよい)である請求項2記載の
    ORL1受容体拮抗薬。
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