JP2000053015A - 車両の操舵装置 - Google Patents

車両の操舵装置

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JP2000053015A JP23494398A JP23494398A JP2000053015A JP 2000053015 A JP2000053015 A JP 2000053015A JP 23494398 A JP23494398 A JP 23494398A JP 23494398 A JP23494398 A JP 23494398A JP 2000053015 A JP2000053015 A JP 2000053015A
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steering
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actuator
vehicle
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勝利 西崎
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雅也 瀬川
Takanobu Takamatsu
孝修 高松
Shiro Nakano
史郎 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】操作部材を車輪に機械的に連結せずに転舵する
場合に、制御システムの故障状態に応じて制御モードを
変更することで、制御システムを頑強にして車両挙動の
安定化に貢献できる車両の操舵装置を提供する。 【解決手段】操舵用駆動装置の操舵用アクチュエータ2
の動きを車輪4に、操作部材1を車輪4に機械的に連結
することなく、転舵角が変化するように伝達する。操舵
用駆動装置2、2′と、車両挙動の不安定化に影響する
変量の検出用センサ11、13、14、15、16と、検出変量に
応じた操舵用駆動装置の制御装置20a、20b、20c、20
dを有する制御システムの構成要素の中の少なくとも一
つが故障状態である時、何れが故障状態であるかに応じ
て、操舵用アクチュエータ2を検出変量に基づき車両挙
動の不安定化を防止するよう制御するモードと、操舵用
アクチュエータ2を操作入力値に応じて転舵角が変化す
るよう制御するモードを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリングホイ
ール等の操作部材の操作に応じて駆動される操舵用アク
チュエータの動きを車輪に、その操作部材を車輪に機械
的に連結することなく、転舵角が変化するように伝達可
能な車両の操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステアリングホイールを車輪に機械的に
連結せずに転舵するため、そのステアリングホイールの
操作角に応じて操舵用アクチュエータを制御する制御シ
ステムが開発されている。
【0003】その制御システムは、ステアリングホイー
ルの操作角を検出する操作角センサと、車輪の転舵角を
検出する転舵角センサと、それらセンサに接続される制
御装置を有する。その制御装置は、操作角と目標転舵角
との間の予め定められた関係を記憶し、その関係と検出
操作角に基づき目標転舵角を演算し、その目標転舵角と
検出転舵角との偏差をなくすように操舵用アクチュエー
タを制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記操舵装置では、カ
ーブ走行時における速度超過やドライバーの運転ミス等
により車両挙動が不安定になると、車両がスピンやドリ
フトを起こし、ドライバーの意図に沿って操舵すること
ができなくなる。
【0005】そこで、車両挙動の不安定化に影響する変
量をセンサにより検出し、その検出変量に基づいて操舵
用アクチュエータを車両挙動の不安定化を防止するよう
に制御するシステムが提案されている。
【0006】その制御システムはフェールセーフのため
に冗長システムとされ、構成要素の一部に故障が生じた
場合、車両挙動の不安定化を防止するための制御を解除
し、ステアリングホイールの操作角に応じて転舵角を変
化させるための制御に切り換えられる。
【0007】しかし、制御システムの構成要素の一部に
故障が生じた場合、故障内容の如何に拘らず常に車両挙
動の不安定化を防止できなくなるのでは、システムとし
て脆弱で実用に供することができない。
【0008】本発明は、上記問題を解決することのでき
る車両の操舵装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、操作部材の操
作に応じて駆動される操舵用アクチュエータを含む操舵
用駆動装置と、その操作部材の操作入力値を含む車両挙
動の不安定化に影響する変量を検出するセンサと、その
検出変量に応じて前記操舵用駆動装置を制御するステア
リング系制御装置とを有する制御システムを備え、その
操舵用アクチュエータの動きを車輪に、操作部材を車輪
に機械的に連結することなく、転舵角が変化するように
伝達可能な車両の操舵装置に適用される。本発明におい
ては、その制御システムの構成要素が正常状態か故障状
態かを判断する手段が設けられ、その制御システムは、
構成要素の中の何れが正常状態で何れが故障状態かに応
じて複数の制御モードの間でモード変更可能とされ、そ
の制御モードとして、その制御システムの構成要素の少
なくとも一つが故障状態である時に操舵用アクチュエー
タを検出変量に基づいて車両挙動の不安定化を防止する
ように制御する制御モードと、その制御システムの構成
要素の少なくとも一つが故障状態である時に操舵用アク
チュエータを操作入力値に応じて転舵角が変化するよう
に制御する制御モードとを有する。本発明の構成によれ
ば、制御システムの構成要素の少なくとも一つが故障状
態である時でも、車両挙動の不安定化を防止することが
可能になり、制御システムを頑強にできる。
【0010】そのステアリング系制御装置は、前記制御
システムの構成要素として第1制御部と第2制御部を有
し、その第1制御部は、その操舵用アクチュエータを車
両挙動の不安定化を防止するように制御する上で必要な
演算を検出変量に応じて実行可能とされ、その第2制御
部は、その第1制御部による演算結果に応じて操舵用ア
クチュエータを制御する上で必要な演算と、その操舵用
アクチュエータを操作入力値に応じて転舵角が変化する
ように制御する上で必要な演算を実行可能とされ、その
第1制御部と第2制御部が正常状態である場合、その操
舵用アクチュエータを検出変量に基づいて車両挙動の不
安定化を防止するように制御する制御モードとされ、そ
の第1制御部が故障状態であって第2制御部が正常状態
である場合、その操舵用アクチュエータを操作入力値に
応じて転舵角が変化するように制御する制御モードとさ
れるのが好ましい。この構成によれば、制御システムを
構成する第1制御部は、操舵用アクチュエータを車両挙
動の不安定化を防止するように制御する上で必要な演算
を検出変量に応じて実行可能であり、第2制御部は、そ
の第1制御部による演算結果に応じて操舵用アクチュエ
ータを制御する上で必要な演算と、その操舵用アクチュ
エータを操作入力値に応じて転舵角が変化するように制
御する上で必要な演算を実行可能である。よって、その
第1制御部と第2制御部が正常状態であれば、制御シス
テムの他の構成要素の故障が生じた場合でも、車両挙動
の不安定化を防止することが可能になる。また、その第
1制御部が故障状態であっても第2制御部が正常状態で
あれば、操舵用アクチュエータを操作入力値に応じて転
舵角が変化するように制御することが可能になる。
【0011】そのステアリング系制御装置は、前記制御
システムの構成要素として第3制御部を有し、その操舵
用駆動装置は、その操舵用アクチュエータと代替え使用
可能に配置された操舵用予備アクチュエータを有し、そ
の第1制御部は、その操舵用予備アクチュエータを車両
挙動の不安定化を防止するように制御する上で必要な演
算を検出変量に応じて実行可能とされ、その第3制御部
は、その第1制御部による演算結果に応じて操舵用予備
アクチュエータを制御する上で必要な演算と、その操舵
用予備アクチュエータを操作入力値に応じて転舵角が変
化するように制御する上で必要な演算を実行可能とさ
れ、第1制御部が正常状態であって、第2制御部と第3
制御部の中の少なくとも一方が正常状態である場合、そ
の操舵用アクチュエータまたは操舵用予備アクチュエー
タを検出変量に応じて車両挙動の不安定化を防止するよ
うに制御する制御モードとされ、第1制御部が故障状態
であって、第2制御部と第3制御部の中の少なくとも一
方が正常状態である場合、その操舵用アクチュエータま
たは操舵用予備アクチュエータを操作入力値に応じて転
舵角が変化するように制御する制御モードとされるのが
好ましい。これにより、その第1制御部が正常状態であ
れば、第2制御部と第3制御部の中の少なくとも一方が
正常状態であれば、車両挙動の不安定化を防止すること
が可能になる。
【0012】そのステアリング系制御装置は、前記制御
システムの構成要素として第4制御部を有し、その操作
部材に付与される操作反力を発生する反力アクチュエー
タを有し、その第4制御部は、その操作反力を発生する
ように反力アクチュエータを制御する上で必要な演算を
実行可能とされ、制御システムの構成要素の何れかが故
障状態である場合、操作反力が発生しないように反力ア
クチュエータの制御が行われない制御モードとされるの
が好ましい。これにより、制御システムの構成要素の何
れかが故障状態である場合、操作反力が発生しないの
で、ドライバーに故障発生を認識させることが可能にな
る。
【0013】その検出変量に応じて車両の制動力および
駆動力の中の少なくとも一方を、車両挙動の不安定化を
防止するように制御可能な走行系制御装置を備え、その
操舵用アクチュエータを車両挙動の不安定化を防止する
ように制御する制御モードにおいては、その走行系制御
装置により制動力および駆動力の中の少なくとも一方が
車両挙動の不安定化を防止するように制御され、その操
舵用アクチュエータを操作入力値に応じて転舵角が変化
するように制御する制御モードにおいては、車両挙動の
不安定化を防止するための走行系制御装置による制御は
解除されるのが好ましい。これにより、制御システムに
故障が生じても、検出変量に応じて操舵用アクチュエー
タを制御して車両挙動の不安定化を防止できる場合は、
同一の検出変量に応じて走行系制御装置によっても制動
力および駆動力の中の少なくとも一方の制御により車両
挙動が不安定になるのを防止できる。また、操舵用アク
チュエータを操作入力値に応じて転舵角が変化するよう
に制御する制御モードにおいては、同一の検出変量に応
じて車両挙動が不安定になるのを走行系制御装置による
制御により保障できないことから、車両挙動の不安定化
を防止するための走行系制御装置による制御は解除され
る。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に示す車両の操舵装置は、ス
テアリングホイール(操作部材)1の回転操作に応じて
駆動される操舵用アクチュエータ2を含む操舵用駆動装
置を備えている。その操舵用アクチュエータ2の動きを
前部左右車輪4に、ステアリングホイール1を車輪4に
機械的に連結することなく、ステアリングギヤ3を介し
て転舵角が変化するように伝達可能である。
【0015】そのアクチュエータ2は、例えば公知のブ
ラシレスモータ等の電動モータにより構成できる。その
ステアリングギヤ3は、そのアクチュエータ2の出力シ
ャフトの回転運動をステアリングロッド7の直線運動に
変換する運動変換機構を有する。そのステアリングロッ
ド7の動きは、タイロッド8とナックルアーム9を介し
て車輪4に伝達される。
【0016】このステアリングギヤ3は公知のものを用
いることができ、アクチュエータ2の動きを車輪4の転
舵角に変換できれば構成は限定されない。図示の例で
は、アクチュエータ2として用いられる電磁クラッチ付
き電動モータにより回転駆動されるギヤ3aと、このギ
ヤ3aに一体化されるボールナット3bと、このボール
ナット3bにボールを介して螺合するボールスクリュー
シャフト3cを有し、そのボールスクリューシャフト3
cがステアリングロッド7に一体化される。これによ
り、そのアクチュエータ2の回転運動がステアリングロ
ッド7の直線運動に変換され、車輪4に伝達される。そ
のアクチュエータ2の動きの車輪4への伝達は、アクチ
ュエータ2を駆動していない状態では上記クラッチによ
り切断される。これにより、そのアクチュエータ2の動
きの車輪4への伝達は解除可能とされている。なお、ア
クチュエータ2が駆動されていない状態では、車輪4が
セルフアライニングトルクにより直進操舵位置に復帰で
きるようにホイールアラインメントが設定されている。
【0017】上記操舵用駆動装置は、そのアクチュエー
タ2と代替え使用可能に配置された操舵用予備アクチュ
エータ2′を有する。その予備アクチュエータ2′の動
きを前部左右車輪4に、ステアリングホイール1を車輪
4に機械的に連結することなく、ステアリングギヤ3を
介して転舵角が変化するように伝達可能である。
【0018】その予備アクチュエータ2′は、例えば公
知のブラシレスモータ等の電動モータにより構成でき
る。そのステアリングギヤ3は、その予備アクチュエー
タ2′の出力シャフトの回転運動をステアリングロッド
7の直線運動に変換する予備運動変換機構を有する。こ
の予備運動変換機構は、予備アクチュエータ2′の動き
を車輪4の転舵角に変換できれば構成は限定されない。
図示の例では、予備アクチュエータ2′として用いられ
る電磁クラッチ付き電動モータにより回転駆動されるピ
ニオン3a′と、このピニオン3a′に噛み合うラック
3b′を有し、そのラック3b′がステアリングロッド
7に一体化される。これにより、その予備アクチュエー
タ2′の回転運動がステアリングロッド7の直線運動に
変換され、車輪4に伝達される。その予備アクチュエー
タ2′の動きの車輪4への伝達は、予備アクチュエータ
2′を駆動していない状態では上記クラッチにより切断
される。これにより、その予備アクチュエータ2′の動
きの車輪4への伝達は解除可能とされている。
【0019】そのステアリングホイール1は、車体側に
より回転可能に支持される回転シャフト10に連結され
ている。その回転シャフト10を介してステアリングホ
イール1に付与される操作反力を発生するため、その回
転シャフト10にトルクを付加する反力アクチュエータ
19が設けられている。その反力アクチュエータ19
は、その回転シャフト10と一体の出力シャフトを有す
るブラシレスモータ等の電動モータにより構成できる。
【0020】ステアリングホイール1を直進操舵位置に
復帰させる方向の弾力を付与する弾性部材30が設けら
れている。この弾性部材30は、例えば、回転シャフト
10に弾力を付与する渦巻きバネにより構成できる。上
記反力アクチュエータ19が回転シャフト10にトルク
を付加していない時、その弾力によりステアリングホイ
ール1は直進操舵位置に復帰する。
【0021】ステアリングホイール1の操作入力値を含
む車両挙動の不安定化に影響する変量を検出するセンサ
として、角度センサ11、トルクセンサ12、速度セン
サ14、横加速度センサ15、ヨーレートセンサ16が
設けられている。
【0022】その角度センサ11は、ステアリングホイ
ール1の操作入力値として、その回転シャフト10の回
転角に対応する操作角δhを検出する。そのトルクセン
サ12は、そのステアリングホイール1の操作トルクT
として、その回転シャフト10により伝達されるトルク
を検出する。その横加速度センサ15は車両の横加速度
Gyを検出し、ヨーレートセンサ16は車両のヨーレー
トγを検出し、速度センサ14は車速vを検出する。
【0023】その操舵用のアクチュエータ2および予備
アクチュエータ2′の出力値を検出する出力値センサと
して、そのステアリングロッド7の作動量に対応する車
輪4の転舵角δを検出する転舵角センサ13が設けられ
ている。本実施形態では、その転舵角センサ13は、上
記ピニオン3a′の回転角の検出センサにより構成され
ている。
【0024】その車両挙動の不安定化に影響する変量を
検出するセンサによる検出変量に応じて上記操舵用駆動
装置を制御するため、第1〜第4制御部20a、20
b、20c、20dを有するステアリング系制御装置が
設けられている。その第1制御部20aに、角度センサ
11、転舵角センサ13、横加速度センサ15、ヨーレ
ートセンサ16、速度センサ14、第2制御部20b、
第3制御部20c、および第4制御部20dが接続され
ている。その第2制御部20bは、その第1制御部20
a、第3制御部20c、第4制御部20d、転舵角セン
サ13、およびアクチュエータ2に接続される。その第
3制御部20cは、その第1、第2制御部20a、20
b、第4制御部20d、転舵角センサ13、および予備
アクチュエータ2′に接続される。その第4制御部20
dは、その第1〜第3制御部20a、20b、20cと
トルクセンサ12と角度センサ11と反力アクチュエー
タ19に接続される。これにより、それら複数の第1〜
第4制御部20a、20b、20c、20dは互いに接
続されている。なお、その横加速度Gyとヨーレートγ
に相関する変量として、操作角δhと車速v以外に、例
えば車輪速を検出するセンサを第1制御部20aに接続
してもよい。
【0025】その第1〜第4制御部20a、20b、2
0c、20dが全て正常で故障がない場合、第1、第2
制御部20a、20bによりアクチュエータ2が制御さ
れ、第1、第4制御部20a、20dにより反力アクチ
ュエータ19が制御される。この場合、各制御部20
a、20b、20c、20dの制御モードは後述のよう
に第1制御モードとされる。図2は、この第1制御モー
ドにおける車速が零でない場合の制御ブロック線図を示
す。このブロック線図において、第1、第2、第4制御
部20a、20b、20dに対応する箇所は2点鎖線で
囲まれる。
【0026】その図2において、Gyは横加速度の検出
値、Gy* は横加速度の目標値、γはヨーレートの検出
値、δは転舵角の検出値、δG * は横加速度に基づく転
舵角の目標値、δγ* はヨーレートに基づく転舵角の目
標値、δ* は転舵角の目標値、δhは操作角の検出値、
vは車速の検出値、Tは操作トルクの検出値、T* は操
作トルクの目標値、i* はアクチュエータ2および予備
アクチュエータ2′の駆動電流の目標値、ih* は反力
アクチュエータ19の駆動電流の目標値を示す。
【0027】K1は検出操作角δhに対する目標横加速
度Gy* のゲインであり、Gy* =K1・δhの関係よ
り目標横加速度Gy* が求められる。このゲインK1
は、最適な制御を行えるように調整される。発生可能な
横加速度は車速が小さくなると小さくなる。例えば図3
に示すように、目標横加速度Gy* の最大値Gymax *
は、一定車速va(例えば40km/時)未満までは車
速vに応じて増加し、一定車速va以上では一定とされ
る。よって、そのゲインK1は車速vの関数とされ、そ
の目標横加速度Gy* は車速vに応じて定められる。そ
の目標横加速度Gy* は第1制御部20aにより演算さ
れる。すなわち、第1制御部20aにより、操作角δh
と車速vと目標横加速度Gy* との間の予め定められた
関係が記憶されると共に、その関係と検出操作角δhと
検出車速vとに基づき目標横加速度Gy* が演算され
る。
【0028】K2は検出操作角δhに対する目標操作ト
ルクT* のゲインであり、T* =K2・δhの関係より
目標操作トルクT* が求められる。このゲインK2は最
適な制御を行えるように調整される。その目標操作トル
クT* は第1制御部20aにより演算される。すなわ
ち、第1制御部20aにより、操作角δhと目標操作ト
ルクT* との間の予め定められた関係が記憶されると共
に、その関係と検出操作角δhに基づき目標操作トルク
* が演算される。なお、検出操作角δhに代えて検出
操作トルクTを用い、T* =K2・Tの関係より目標操
作トルクT* を求めるようにしてもよく、この場合、目
標操作トルクT* を演算できるように、トルクセンサ1
2による検出操舵トルクTを第1制御部20aに送るよ
うにする。
【0029】G1は、目標横加速度Gy* から検出横加
速度Gyを差し引いた偏差に対する横加速度に基づく目
標転舵角δG * の伝達関数である。すなわち、δG *
G1・(Gy* −Gy)の関係より横加速度に基づく目
標転舵角δG * が求められる。この伝達関数G1は、例
えばPI制御を行う場合、ゲインをKa、ラプラス演算
子をs、時定数をTaとして、G1=Ka〔1+1/
(Ta・s)〕になる。そのゲインKa及び時定数Ta
は最適な制御を行えるように調整される。その横加速度
に基づく目標転舵角δG * は第1制御部20aにより演
算される。すなわち、第1制御部20aによって、目標
横加速度Gy* から検出横加速度Gyを差し引いた偏差
と横加速度Gyに基づく目標転舵角δG * との間の予め
定められた関係が記憶されると共に、その関係と目標横
加速度Gy* と検出横加速度Gyに基づき横加速度に基
づく目標転舵角δG * が演算される。
【0030】G2は、目標横加速度Gy* から検出ヨー
レートγと検出車速vの積γ・vを差し引いた偏差に対
するヨーレートに基づく目標転舵角δγ* の伝達関数で
ある。ここで、図4において矢印40で示す方向に車速
vで旋回する車両100に、矢印41で示す方向に作用
する目標横加速度Gy* と矢印42で示す方向に作用す
る目標ヨーレートγ* との関係は、Gy* =γ* ・vで
ある。よって、目標横加速度Gy* が車速vに応じて定
められることで、γ* =Gy* /vから目標ヨーレート
γ* も車速vに応じて定められる。これにより、δγ*
=G2・v・(γ* −γ)の関係より、その目標ヨーレ
ートγ* と検出ヨーレートγの偏差を打ち消すようにヨ
ーレートに基づく目標転舵角δγ* が求められる。この
伝達関数G2は、例えばPI制御を行う場合、ゲインを
Kb、ラプラス演算子をs、時定数をTbとして、G2
=Kb〔1+1/(Tb・s)〕になる。そのゲインK
bおよび時定数Tbは最適な制御を行えるように調整さ
れる。そのヨーレートに基づく目標転舵角δγ* は第1
制御部20aにより演算される。すなわち、第1制御部
20aによって、目標横加速度Gy* からヨーレートγ
と車速vの積を差し引いた偏差とヨーレートに基づく目
標転舵角δγ* との間の予め定められた関係が記憶され
ると共に、その関係と目標横加速度Gy* と検出ヨーレ
ートγと検出車速vに基づきヨーレートに基づく目標転
舵角δγ* が演算される。
【0031】その第1制御部20aは、その横加速度に
基づく目標転舵角δG * とヨーレートに基づく目標転舵
角δγ* の和に対応する目標転舵角δ* を演算する。そ
の目標転舵角δ* はアクチュエータ2および予備アクチ
ュエータ2′の目標出力値に対応する。これにより、第
1制御部20aは、操舵用のアクチュエータ2および予
備アクチュエータ2′を車両挙動の不安定化を防止する
ように制御する上で必要な演算を検出変量に応じて実行
する。
【0032】G3は、目標転舵角δ* から検出転舵角δ
を差し引いた偏差に対するアクチュエータ2あるいは予
備アクチュエータ2′の目標駆動電流i* の伝達関数で
あり、i* =G3・(δ* −δ)の関係より目標駆動電
流i* が求められる。その伝達関数G3は、例えばPI
制御を行う場合、ゲインをKc、ラプラス演算子をs、
時定数をTcとして、G3=Kc〔1+1/(Tc・
s)〕になる。そのゲインKcおよび時定数Tcは最適
な制御を行えるように調整される。
【0033】G4は、目標操作トルクT* から検出操作
トルクTを差し引いた偏差に対する反力アクチュエータ
19の目標駆動電流ih* の伝達関数である。すなわ
ち、ih* =G4・(T* −T)の関係より反力アクチ
ュエータ19の目標駆動電流ih* が求められる。この
伝達関数G4は、例えばPI制御を行う場合、ゲインを
Kd、ラプラス演算子をs、時定数をTdとして、G4
=Kd〔1+1/(Td・s)〕になる。そのゲインK
dおよび時定数Tdは最適な制御を行えるように調整さ
れる。その目標駆動電流ih* は第4制御部20dによ
り演算される。すなわち、第4制御部20dにより、目
標操作トルクT* から検出操作トルクTを差し引いた偏
差と目標駆動電流ih* との間の予め定められた関係が
記憶されると共に、その関係と目標操作トルクT* と検
出操作トルクTに基づき目標駆動電流ih* が演算され
る。この演算のため、第1制御部20aから目標操作ト
ルクT* の演算結果が第4制御部20dに送られる。こ
れにより、第4制御部20dは操作反力を発生するよう
に反力アクチュエータ19を制御する上で必要な演算を
実行する。
【0034】図5は、全制御部20a、20b、20
c、20dが正常状態で、車速が零の場合における制御
装置の制御ブロック線図を示す。この場合、車両の横加
速度とヨーレートは生じないので、K3を検出操作角δ
hに対する目標転舵角δ* のゲインとして、δ* =K3
・δhの関係より目標転舵角δ* が求められる。このゲ
インK3は、最適な制御を行えるように調整される。他
は走行中の場合と同様である。その目標転舵角δ* は第
1制御部20aにより演算される。すなわち、第1制御
部20aにより、検出操作角δhと目標転舵角δ* との
間の予め定められた関係が記憶されると共に、その関係
と検出操作角δhに基づき目標転舵角δ* が演算され
る。これにより、第1制御部20aはアクチュエータ2
および予備アクチュエータ2′を操作入力値に応じて転
舵角が変化するように制御する上で必要な演算を実行す
る。
【0035】図6のフローチャートを参照して第1〜第
4制御部20a、20b、20c、20d全てが正常で
故障がない場合(後述の第1制御モード)における制御
手順を説明する。
【0036】まず、センサによる車速v、横加速度G
y、ヨーレートγの検出データが第1制御部20aに読
み込まれ、操作角δhの検出データが第1、第4制御部
20a、20dに読み込まれ、転舵角δの検出データが
第1〜第3制御部20a、20b、20cに読み込ま
れ、操作トルクTの検出データが第4制御部20dに読
み込まれる(ステップ1)。次に、検出操作角δhに応
じて求められる目標操作トルクT* から検出操作トルク
Tを差し引いた偏差が零になるように、反力アクチュエ
ータ19の目標駆動電流ih* が、第4制御部20dに
より求められる(ステップ2)。その目標駆動電流ih
* が印加されることで反力アクチュエータ19が駆動さ
れる。
【0037】次に、第1制御部20aにより車速vが零
か否かが判断される(ステップ3)。車速が零でない場
合、第1制御部20aにより、検出操作角δhと車速v
から目標横加速度Gy* が求められ、その目標横加速度
Gy* から検出横加速度Gyを差し引いた偏差が零にな
るように横加速度に基づく目標転舵角δG * が求めら
れ、その目標横加速度Gy* に対応する目標ヨーレート
γ* と検出車速vの積から検出ヨーレートγと検出車速
vの積を差し引いた偏差が零になるように、すなわち、
目標ヨーレートγ* から検出ヨーレートγを差し引いた
偏差が零になるようにヨーレートに基づく目標転舵角δ
γ* が求められ、その横加速度に基づく目標転舵角δG
* とヨーレートに基づく目標転舵角δγ* の和により目
標転舵角δ* が求められる(ステップ4)。車速が零で
ある場合、第1制御部20aにより、検出操作角δhか
ら目標転舵角δ* が求められる(ステップ5)。
【0038】次に、第2制御部20bにより、目標転舵
角δ* から検出転舵角δを差し引いた偏差が零になるよ
うに、操舵用アクチュエータ2の目標駆動電流i* が求
められる(ステップ6)。その目標駆動電流i* が印加
されることで操舵用アクチュエータ2が駆動される。次
に、第1制御部20aは制御を終了するか否かを判断し
(ステップ7)、終了しない場合はステップ1に戻る。
その終了判断は、例えば車両の始動用キースイッチがオ
ンか否かにより判断できる。
【0039】これにより、ステアリングホイール1とス
テアリングギヤ3を機械的に連結することなく操舵を行
う車両において、操作角δhと車速vに対する目標横加
速度Gy* の関係と、操作角δhと車速vに対する目標
ヨーレートγ* の関係は予め定められる。これによっ
て、操作角δhと車速vを検出することで、目標横加速
度Gy* と目標ヨーレートγ* を定めることができる。
その目標横加速度Gy*から実際の横加速度Gyを差し
引いた偏差と目標ヨーレートγ* から実際のヨーレート
γを差し引いた偏差を打ち消すように操舵用アクチュエ
ータ2を制御することで、車両が運動限界近傍に達する
前に車両挙動の安定化を図ることができる。
【0040】また、その目標横加速度Gy* から検出ヨ
ーレートγと検出車速vの積を差し引いた偏差に基づ
き、ヨーレートに基づく目標転舵角δγ* が求められ
る。車両における横加速度はヨーレートと車速の積に対
応することから、その目標横加速度Gy* から検出ヨー
レートγと検出車速vの積を差し引いた偏差は、目標ヨ
ーレートγ* から検出ヨーレートγを差し引いた偏差と
検出車速vとの積に対応する。これにより、その目標横
加速度Gy* から検出横加速度Gyを差し引いた偏差を
打ち消すように横加速度に基づく目標転舵角δG * を求
め、その目標横加速度Gy* から検出ヨーレートγと検
出車速vの積を差し引いた偏差、すなわち、目標ヨーレ
ートγ* から検出ヨーレートγを差し引いた偏差を打ち
消すようにヨーレートに基づく目標転舵角δγ* を求
め、両目標転舵角δG * 、δγ* の和から検出転舵角δ
を差し引いた偏差を打ち消すように操舵用アクチュエー
タ2の制御量を求め、確実に車両挙動の安定化を図るこ
とができる。
【0041】上記操舵用駆動装置と、センサと、ステア
リング系制御装置とを有する制御システムが正常状態か
故障状態かを判断するため、上記各制御部20a、20
b、20c、20dそれぞれが故障状態か否かを判断す
るシステムが、それら第1〜第4制御部20a、20
b、20c、20d自身により構成されている。その制
御システムは、制御部20a、20b、20c、20d
の中の何れが正常状態で何れが故障状態かに応じて複数
の制御モードの間でモード変更可能とされている。
【0042】本実施形態では、図7のフローチャートに
示すように、先ず、各制御部20a、20b、20c、
20dそれぞれが、自身を含めた制御部20a、20
b、20c、20dの中の何れかが故障状態か否かを判
断する(ステップ1)。その判断は、各制御部20a、
20b、20c、20dが同一の演算を行い、その演算
結果を互いに比較し、少なくとも2者間で演算結果が一
致する場合は正常であると判断し、その正常な演算結果
と一致しない演算結果の場合は故障状態であると判断す
る。制御部20a、20b、20c、20dの中の何れ
も故障状態でない場合はステップ1を繰り返す。制御部
20a、20b、20c、20dの中の何れかが故障状
態である場合、その故障状態の制御部が自身か否かを判
断する(ステップ2)。自身が故障状態である場合、自
身による制御を停止する(ステップ3)。この制御の停
止は、例えば自身への電力供給を切断することで行った
り、また、故障状態である制御部へ正常状態の制御部か
ら電力供給の切断信号を出力することで行ってもよい。
なお、制御部20a、20b、20c、20dの中の一
つでも制御を停止する場合、アラーム信号を発信し、ブ
ザーやランプ等によりドライバーに警告を発するように
する。自身が故障状態でない場合、制御モード変更を行
い(ステップ4)、ステップ1に戻る。すなわち、それ
ら複数の制御部20a、20b、20c、20dの中の
何れが正常状態で何れが故障状態であるかに応じて複数
の制御モードが設定される。本実施形態では、以下の表
1に示すように、その制御モードとして第1〜第9制御
モードが設定されている。その表1において、○は正常
状態であることを示し、×は故障状態であることを示
す。
【0043】
【表1】
【0044】その第1制御モードでは、全ての制御部2
0a、20b、20c、20dが正常で、図8の(1)
に示すように、全ての制御部20a、20b、20c、
20dの間で互いに信号の授受が可能であることから、
上述の制御が行われる。その第2制御モードでは、第1
制御部20aが故障状態で第2〜第4制御部20b、2
0c、20dが正常であることから、図8の(2)に示
すように、第2〜第4制御部20b、20c、20dの
間でのみ互いに信号の授受が可能である。その第3制御
モードでは、第1制御部20aと第3制御部20cが故
障状態で第2、第4制御部20b、20dが正常である
ことから、図8の(3)に示すように、第2、第4制御
部20b、20dの間でのみ互いに信号の授受が可能で
ある。その第4制御モードでは、第1制御部20aと第
2制御部20bが故障状態で第3、第4制御部20c、
20dが正常であることから、図8の(4)に示すよう
に、第3、第4制御部20b、20dの間でのみ互いに
信号の授受が可能である。その第5制御モードでは、第
4制御部20dが故障状態で第1〜第3制御部20a、
20b、20cが正常であることから、図8の(5)に
示すように、第1〜第3制御部20a、20b、20c
の間でのみ互いに信号の授受が可能である。その第6制
御モードでは、第3、第4制御部20c、20dが故障
状態で、第1、第2制御部20a、20bが正常である
ことから、図8の(6)に示すように、第1、第2制御
部20a、20bの間でのみ互いに信号の授受が可能で
ある。その第7制御モードでは、第2、第4制御部20
b、20dが故障状態で、第1、第3制御部20a、2
0cが正常であることから、図8の(7)に示すよう
に、第1、第3制御部20a、20cの間でのみ互いに
信号の授受が可能である。その第8制御モードでは、第
3制御部20cが故障状態で第1、第2、第4制御部2
0a、20b、20dが正常であることから、図8の
(8)に示すように、第1、第2、第4制御部20a、
20b、20dの間でのみ互いに信号の授受が可能であ
る。その第9制御モードでは、第2制御部20bが故障
状態で第1、第3、第4制御部20a、20c、20d
が正常であることから、図8の(9)に示すように、第
1、第3、第4制御部20a、20c、20dの間での
み互いに信号の授受が可能である。
【0045】なお、全制御部20a、20b、20c、
20dの中の一台のみが正常である場合も考えられる
が、本実施形態では、複数の制御部20a、20b、2
0c、20dによる同一演算の演算結果が少なくとも2
者間で一致するか否かにより正常状態か故障状態かを判
断している。よって、一台のみが正常である場合も全て
故障状態であると見做し、全制御部20a、20b、2
0c、20dによる制御を停止する。また、全制御部2
0a、20b、20c、20dの中の第2制御部20b
と第3制御部20cのみが正常である場合も考えられる
が、第3制御部20cは第2制御部20bの予備制御部
として機能することから、第2制御部20bと第3制御
部20cは択一的に使用される。よって、第2制御部2
0bと第3制御部20cのみが正常である場合は、全制
御部20a、20b、20c、20dが故障状態である
と見做し、全制御部20a、20b、20c、20dに
よる制御を停止する。
【0046】本実施形態では、第1制御部20aが正常
状態であって、第2制御部20bと第3制御部20cの
中の少なくとも一方が正常状態である場合、アクチュエ
ータ2または予備アクチュエータ2′を検出変量に応じ
て車両挙動の不安定化を防止するように制御する制御モ
ードとされる。また、第1制御部20aが故障状態であ
って、第2制御部20bと第3制御部20cの中の少な
くとも一方が正常状態である場合、アクチュエータ2ま
たは予備アクチュエータ2′を操作入力値に応じて転舵
角が変化するように制御する制御モードとされる。ま
た、第1〜第4制御部20a、20b、20c、20d
の何れかが故障状態である場合、操作反力が発生しない
ように反力アクチュエータ19の制御が行われない制御
モードとされる。
【0047】図9は、その第2〜第4制御モードにおけ
る制御ブロック線図を示す。その第2〜第4制御モード
においては第1制御部20aは故障状態であるため、車
両挙動の安定化のための制御は行われない。また、その
第2〜第4制御モードにおいては第4制御部20dは正
常であるため反力アクチュエータ19の制御は可能であ
るが、ドライバーに制御系が故障状態であることを認識
させるため、ドライバーに操作反力を与えないように反
力アクチュエータ19の制御を行わない。よって、第2
〜第4制御モードにおいては、ステアリングホイール1
の操作角に応じて転舵角δが変化するようにアクチュエ
ータ2が制御される。
【0048】その図9において、検出操作角δhに対す
る目標転舵角δ* の上記ゲインK3と検出操作角δhか
ら、目標転舵角δ* がδ* =K3・δhの関係より求め
られる。その目標転舵角δ* は、第2、第3制御モード
においては第2制御部20bにより演算され、第4制御
モードにおいては第3制御部20cにより演算される。
すなわち、第2、第3制御部20b、20cにおいて、
検出操作角δhと目標転舵角δ* との間の予め定められ
た関係が記憶され、その関係と検出操作角δhに基づ
き、第2、第3制御モードにおいては第2制御部20b
により、第4制御モードにおいては第3制御部20cに
より、目標転舵角δ* が演算される。その検出操作角δ
hを検出する角度センサ11は第1制御部20aと第4
制御部20dに接続され、第2〜第4制御モードにおい
ては第1制御部20aによる制御は停止されているの
で、その操作角δhの検出信号は第4制御部20dから
第2制御部20bあるいは第3制御部20cに送られ
る。その目標転舵角δ* から検出転舵角δを差し引いた
偏差に対する目標駆動電流i* の上記伝達関数G3と、
その演算された目標転舵角δ* と検出転舵角δから、目
標駆動電流i* がi* =G3・(δ* −δ)の関係から
求められる。その目標駆動電流i* は、第2、第3制御
モードにおいては第2制御部20bにより演算され、第
4制御モードにおいては第3制御部20cにより演算さ
れる。すなわち、第2、第3制御部20b、20cにお
いて、目標転舵角δ* から検出転舵角δを差し引いた偏
差と目標駆動電流i* との間の予め定められた関係が記
憶され、その関係と目標転舵角δ* と検出転舵角δか
ら、第2、第3制御モードにおいては第2制御部20b
により、第4制御モードにおいては第3制御部20cに
より、目標駆動電流i* が演算される。その目標駆動電
流i* に応じて、第2、第3制御モードにおいてはアク
チュエータ2が駆動され、第4制御モードにおいては予
備アクチュエータ2′が駆動される。すなわち、第2制
御部20bは、アクチュエータ2を操作入力値に応じて
転舵角が変化するように制御する上で必要な演算を実行
し、第3制御部20cは、予備アクチュエータ2′を操
作入力値に応じて転舵角が変化するように制御する上で
必要な演算を実行する。これにより、第2〜第4制御モ
ードにおいては、全ての制御部20a、20b、20
c、20dが正常な場合における図6に示した制御手順
の中で、ステップ1、ステップ5、ステップ6、ステッ
プ7が順次実行される。
【0049】図10は、その第5〜第9制御モードにお
ける車速が零でない場合の制御ブロック線図を示し、図
11は、その第5〜第9制御モードにおける車速が零の
場合の制御ブロック線図を示す。その第5〜第7制御モ
ードにおいては第4制御部20dは故障状態であるた
め、反力アクチュエータ19の制御は行われず、ドライ
バーに操作反力は与えられない。また、その第8、第9
制御モードにおいては第1、第4制御部20a、20d
は正常であるため反力アクチュエータ19の制御は可能
であるが、ドライバーに制御系が故障状態であることを
認識させるため、ドライバーに与える操作反力が発生し
ないように反力アクチュエータ19の制御を行わない。
よって、この第5〜第9制御モードにおいては、アクチ
ュエータ2が検出変量に基づいて車両挙動の不安定化を
防止するように制御される。
【0050】その第5、第6制御モードの第1制御モー
ドとの相違は、反力アクチュエータ19の制御が行われ
ない点にあり、他は同様とされる。その第7制御モード
の第1制御モードとの相違は、反力アクチュエータ19
の制御が行われず、第1制御モードにおいて第2制御部
20bによりなされる演算が第3制御部20cによりな
され、第1制御モードにおいてアクチュエータ2が制御
されるのに代えて予備アクチュエータ2′が制御される
点にあり、他は同様とされる。その第8制御モードの第
1制御モードとの相違は、反力アクチュエータ19の制
御が行われない点にあり、他は同様とされる。その第9
制御モードの第1制御モードとの相違は、反力アクチュ
エータ19の制御が行われず、第1制御モードにおいて
第2制御部20bによりなされる演算が第3制御部20
cによりなされ、第1制御モードにおいてアクチュエー
タ2が制御されるのに代えて予備アクチュエータ2′が
制御される点にあり、他は同様とされる。すなわち、第
5〜第9制御モードにおいては、全ての制御部20a、
20b、20c、20dが正常な場合における図6に示
した制御手順の中で、ステップ1、ステップ3、ステッ
プ4、ステップ5、ステップ6、ステップ7が順次実行
される。
【0051】上記構成によれば、制御システムの構成要
素の少なくとも一つが故障状態である時でも、車両挙動
の不安定化を防止することが可能になり、頑強な制御シ
ステムを得ることができる。また、制御システムの構成
要素として、アクチュエータ2あるいは予備アクチュエ
ータ2′を車両挙動の不安定化を防止するように制御す
る上で必要な演算を検出変量に応じて実行可能な第1制
御部20aと、その第1制御部20aによる演算結果に
応じてアクチュエータ2あるいは予備アクチュエータ
2′を制御する上で必要な演算と、そのアクチュエータ
2あるいは予備アクチュエータ2′を操作入力値に応じ
て転舵角が変化するように制御する上で必要な演算を実
行可能な第2制御部20bあるいは第3制御部20cの
中の少なくとも一方が正常状態であれば、車両挙動の不
安定化を防止することが可能になる。すなわち、制御シ
ステムの一部が故障しても、車両挙動の安定化を図るこ
とができる。また、その第1制御部20aが故障状態で
あっても第2制御部20bおよび第3制御部20cの中
の少なくとも一方が正常状態であれば、アクチュエータ
2または予備アクチュエータ2′を操作入力値に応じて
転舵角が変化するように制御できる。さらに、制御シス
テムの構成要素の何れかが故障状態である場合、操作反
力が発生しないので、ドライバーに故障発生を認識させ
ることが可能になる。
【0052】図12〜図15は上記実施形態の変形例を
示す。なお、上記実施形態との相違点を説明し、同様部
分は同一符号で示して説明は省略する。
【0053】この変形例においては、図12に示すよう
に、車両の前後左右車輪4を制動するための制動システ
ムが操舵装置に接続される。すなわち、ブレーキペダル
51の踏力に応じた制動圧をマスターシリンダ52によ
り発生させる。その制動圧は、制動圧制御ユニット53
により増幅されると共に各車輪4のブレーキ装置54に
分配され、各ブレーキ装置54が各車輪4に制動力を作
用させる。その制動圧制御ユニット53は、コンピュー
ターにより構成される走行系制御装置60に接続され
る。この走行系制御装置60に、第1制御部20aと、
各車輪4それぞれの制動力を個別に検出する制動力セン
サ61と、各車輪4それぞれの回転速度を個別に検出す
る車輪速センサ62が接続される。この走行系制御装置
60は、その車輪速センサ62により検知される各車輪
4の回転速度と制動力検知センサ61によるフィードバ
ック値に応じて、制動圧を増幅すると共に分配すること
ができるように制動圧制御ユニット53を制御する。こ
れにより、各車輪の制動力を個別に制御することが可能
とされている。なお、制動圧制御ユニット53は、ブレ
ーキペダル51の操作がなされていない場合でも、内蔵
するポンプにより制動圧を発生することが可能とされて
いる。
【0054】ステアリング系の制御部20a、20b、
20c、20dの全部または一部により操舵用アクチュ
エータ2あるいは予備アクチュエータ2′を車両挙動の
不安定化を防止するように制御する制御モードにおいて
は、その走行系制御装置60により制動力が車両挙動の
不安定化を防止するように制御される。
【0055】すなわち、その走行系制御装置60は、第
1制御部20aと同様に、検出横加速度Gy、検出ヨー
レートγ、検出車速v、目標横加速度Gy* 、横加速度
に基づく転舵角目標値δG * 、ヨーレートに基づく転舵
角目標値δγ* から目標転舵角δ* を演算する。図13
は、全制御部20a、20b、20c、20dが正常状
態である場合のブロック線図を示し、その走行系制御装
置60に検出横加速度Gy、検出ヨーレートγ、検出車
速vが入力され、また、第1制御部20aから目標横加
速度Gy* 、横加速度に基づく転舵角目標値δG * 、ヨ
ーレートに基づく転舵角目標値δγ* が入力される。な
お、走行系制御装置60において、目標横加速度G
* 、横加速度に基づく転舵角目標値δG * 、ヨーレー
トに基づく転舵角目標値δγ* を演算するようにしても
よい。
【0056】この変形例では、目標横加速度Gy* から
検出横加速度Gyを差し引いた偏差と、目標ヨーレート
γ* から検出ヨーレートγを差し引いた偏差を打ち消す
ために、上記実施形態のようにステアリング系の制御部
20a、20b、20cにより操舵用アクチュエータ2
あるいは予備アクチュエータ2′を制御するだけでな
く、走行系制御装置60により制動圧制御ユニット53
を制御する。すなわち、走行系制御装置60は、車両挙
動の不安定化に影響する変量を検出するセンサの検出変
量に応じて、車両の制動力を車両挙動の不安定化を防止
するように制動圧制御ユニット53を介して制御する。
この際、ステアリング系の制御部20a、20b、20
cによる操舵用アクチュエータ2あるいは予備アクチュ
エータ2′の制御の重みαと走行系制御装置60による
制御の重みβの割合は予め定められる。
【0057】図14は、全制御部20a、20b、20
c、20dが正常で、制動力が車両挙動の不安定化を防
止するように制御される場合の変形例のフローチャート
を示す。上記実施形態との相違は、ステップ4において
求めた目標転舵角δ* に、そのステアリング系の制御部
20a、20b、20cによる制御の予め設定した重み
割合α/(α+β)を掛けた値を新たな目標転舵角δ*
とし(ステップ4a′)、その新たな目標転舵角δ*
基づきステップ6においてアクチュエータ2の駆動電流
の目標値を演算する。その重み割合α/(α+β)は、
例えば0.5に設定される。この重み割合α/(α+
β)の設定値は変更可能であってもよく、凍結路面や雪
道を走行する場合は通常路面を走行する場合よりも小さ
く設定するのが好ましい。
【0058】一方、走行系制御装置60においては、そ
のステップ4において求めた目標転舵角δ* に、その走
行系制御装置60による制御の重み割合β/(α+β)
を掛けた値を新たな目標転舵角δ* とし、その新たな目
標転舵角δ* と検出転舵角δの偏差をなくすように制動
圧制御ユニット53を制御する。例えば、各車輪4の制
動力の変化による転舵角δの変化を、この転舵角δの変
化に影響を及ぼす車速v、車輪速、転舵角δ、横加速度
Gy、ヨーレートγ毎に実験により予め求めてテーブル
として記憶し、そのテーブルとセンサにより検出した車
速v、車輪速、転舵角δ、横加速度Gy、ヨーレートγ
に基づき制動圧制御ユニット53を制御する。第1制御
モード以外の第5〜第9制御モードにおいても同様とさ
れる。
【0059】この変形例によれば、路面凍結等による走
行路と車両との間の摩擦抵抗の低下等により、操舵によ
り発生可能な横加速度Gyやヨーレートγの最大値が減
少しても、制動力の制御を操舵制御と干渉することなく
行うことで、車両挙動が不安定になるのを防止できる。
また、操舵制御のみであれば、車輪4が実際に転舵する
まで車両挙動の安定化を図ることができないため、車輪
4のタイヤの弾性による制御遅れがあるのに対して、制
動力の制御によれば車輪4のタイヤの弾性による制御遅
れはないので、迅速に車両挙動を安定化できる。例えば
図15に示すように、操舵時において車両100の挙動
が安定している場合は破線で示す経路を進行するのに対
して、車両挙動が不安定になって矢印Aで示すモーメン
トにより2点鎖線で示すようにオーバーステア状態から
スピンするおそれがある場合、外輪の制動力を内輪の制
動力よりも大きくすることで矢印Bで示すモーメントを
作用させて車両挙動を安定化させることができる。ま
た、車両挙動が不安定になって矢印Bで示すモーメント
により1点鎖線で示すようにアンダーステア状態からド
リフトするおそれがある場合、内輪の制動力を外輪の制
動力よりも大きくすることで矢印Aで示すモーメントを
作用させて車両挙動を安定化させることができる。
【0060】上記変形例においては、ステアリング系制
御装置の制御部20a、20b、20c、20dによる
制御モードが第2〜第4制御モードになった場合、すな
わち、操舵用のアクチュエータ2または予備アクチュエ
ータ2′を操作入力値に応じて転舵角が変化するように
制御する制御モードにおいては、走行系制御装置60に
よる制御モードも変更され、走行系制御装置60による
車両挙動の不安定化を防止するための制動力の制御は解
除される。この場合、走行系制御装置60による制動圧
制御ユニット53の制御は、ステアリング系の制御部2
0a、20b、20c、20dとは独立した公知の制
御、例えば各車輪4の制動力を均等にしたり、アンチロ
ック機能を奏する制御が行われる。
【0061】上記変形例によれば、制御システムに故障
が生じても、検出変量に応じてアクチュエータ2または
予備アクチュエータ2′を制御して車両挙動の不安定化
を防止できる場合は、同一の検出変量に応じて走行系制
御装置60によっても制動力の制御により車両挙動が不
安定になるのを防止できる。また、検出変量に応じてア
クチュエータ2あるいは予備アクチュエータ2′を操作
入力値に応じて転舵角が変化するように制御する制御モ
ードにおいては、同一の検出変量に応じて車両挙動が不
安定になるのを走行系制御装置60による制御により保
障できないことから、車両挙動の不安定化を防止するた
めの走行系制御装置60による制動力の制御は解除され
る。他は上記実施形態と同様とされる。
【0062】なお、上記変形例において、制動力に代え
て各車輪4の駆動力を制御するようにしてもよい。すな
わち、走行系制御装置により車両のエンジンスロットル
の開度を調節して駆動力を増加することで、図15にお
いて内輪の制動力を外輪の制動力よりも大きくした場合
と同様にモーメントを作用させて車両挙動を安定化させ
ることができ、また、駆動力の減少により、外輪の制動
力を内輪の制動力よりも大きくした場合と同様にモーメ
ントを作用させて車両挙動を安定化させることができ
る。また、各車輪4の制動力と駆動力の双方を制御する
ようにしてもよい。
【0063】本発明は上記実施形態や変形例に限定され
ない。例えば、検出操作角δhに代えて検出操作トルク
Tが操作入力値に対応するものとしてもよく、この場
合、Gy* =K1・Tの関係より目標横加速度Gy*
求めるようにすればよい。また、操作部材は回転操作さ
れるステアリングホイールに限定されず、例えば、操作
入力値が操作トルクに対応する場合、回転しないように
車体に取り付けられるハンドルを用いることができる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、操作部材を車輪に機械
的に連結せずに転舵する場合に、制御システムの故障状
態に応じて制御モードを変更することで、制御システム
を頑強にして車両挙動の安定化に貢献でき、さらに制御
システムの故障をドライバーに認識させることができる
車両の操舵装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の操舵装置の構成説明図
【図2】本発明の実施形態の操舵装置の第1モードにお
ける車両走行時の制御ブロック線図
【図3】本発明の実施形態の操舵装置における車速と目
標横加速度の最大値との関係を示す図
【図4】本発明の実施形態の操舵装置の作用説明図
【図5】本発明の実施形態の操舵装置の第1モードにお
ける車両停車時の制御ブロック線図
【図6】本発明の実施形態の操舵装置の制御手順を示す
フローチャート
【図7】本発明の実施形態の操舵装置の制御モードを判
断する手順を示すフローチャート
【図8】本発明の実施形態の操舵装置の制御モードの説
明図
【図9】本発明の実施形態の操舵装置の第2〜第4モー
ドにおける制御ブロック線図
【図10】本発明の実施形態の操舵装置の第5〜第9モ
ードにおける車両走行時の制御ブロック線図
【図11】本発明の実施形態の操舵装置の第5〜第9モ
ードにおける車両停車時の制御ブロック線図
【図12】本発明の実施形態の変形例の操舵装置の構成
説明図
【図13】本発明の実施形態の変形例の操舵装置の制御
ブロック線図
【図14】本発明の実施形態の変形例の操舵装置の制御
手順を示すフローチャート
【図15】本発明の実施形態の変形例の操舵装置の作用
説明図
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 操舵用アクチュエータ 2′ 操舵用予備アクチュエータ 3 ステアリングギヤ 4 車輪 11 角度センサ 12 トルクセンサ 13 転舵角センサ 14 速度センサ 15 横加速度センサ 16 ヨーレートセンサ 19 反力アクチュエータ 20a 第1制御部 20b 第2制御部 20c 第3制御部 20d 第4制御部 60 走行系制御装置 100 車両
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 孝修 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 (72)発明者 中野 史郎 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC01 CC35 DA03 DA04 DA15 DA23 DA24 DA29 DA33 DC01 DC02 DC08 DC33 DC34 DC40 DD02 DD06 DD07 EA01 EB04 EB11 EC23 EC29 FF01 FF05 GG01 3D033 CA02 CA11 CA12 CA13 CA14 CA16 CA17 CA18 CA21 CA27 CA31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作部材の操作に応じて駆動される操舵
    用アクチュエータを含む操舵用駆動装置と、その操作部
    材の操作入力値を含む車両挙動の不安定化に影響する変
    量を検出するセンサと、その検出変量に応じて前記操舵
    用駆動装置を制御するステアリング系制御装置とを有す
    る制御システムを備え、 その操舵用アクチュエータの動きを車輪に、操作部材を
    車輪に機械的に連結することなく、転舵角が変化するよ
    うに伝達可能な車両の操舵装置において、 その制御システムの構成要素が正常状態か故障状態かを
    判断する手段が設けられ、 その制御システムは、構成要素の中の何れが正常状態で
    何れが故障状態かに応じて複数の制御モードの間でモー
    ド変更可能とされ、 その制御モードとして、その制御システムの構成要素の
    少なくとも一つが故障状態である時に操舵用アクチュエ
    ータを検出変量に基づいて車両挙動の不安定化を防止す
    るように制御する制御モードと、その制御システムの構
    成要素の少なくとも一つが故障状態である時に操舵用ア
    クチュエータを操作入力値に応じて転舵角が変化するよ
    うに制御する制御モードとを有することを特徴とする車
    両の操舵装置。
  2. 【請求項2】 そのステアリング系制御装置は、前記制
    御システムの構成要素として第1制御部と第2制御部を
    有し、 その第1制御部は、その操舵用アクチュエータを車両挙
    動の不安定化を防止するように制御する上で必要な演算
    を検出変量に応じて実行可能とされ、 その第2制御部は、その第1制御部による演算結果に応
    じて操舵用アクチュエータを制御する上で必要な演算
    と、その操舵用アクチュエータを操作入力値に応じて転
    舵角が変化するように制御する上で必要な演算を実行可
    能とされ、 その第1制御部と第2制御部が正常状態である場合、そ
    の操舵用アクチュエータを検出変量に基づいて車両挙動
    の不安定化を防止するように制御する制御モードとさ
    れ、 その第1制御部が故障状態であって第2制御部が正常状
    態である場合、その操舵用アクチュエータを操作入力値
    に応じて転舵角が変化するように制御する制御モードと
    されることを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵装
    置。
  3. 【請求項3】 そのステアリング系制御装置は、前記制
    御システムの構成要素として第3制御部を有し、 その操舵用駆動装置は、その操舵用アクチュエータと代
    替え使用可能に配置された操舵用予備アクチュエータを
    有し、 その第1制御部は、その操舵用予備アクチュエータを車
    両挙動の不安定化を防止するように制御する上で必要な
    演算を検出変量に応じて実行可能とされ、 その第3制御部は、その第1制御部による演算結果に応
    じて操舵用予備アクチュエータを制御する上で必要な演
    算と、その操舵用予備アクチュエータを操作入力値に応
    じて転舵角が変化するように制御する上で必要な演算を
    実行可能とされ、 第1制御部が正常状態であって、第2制御部と第3制御
    部の中の少なくとも一方が正常状態である場合、その操
    舵用アクチュエータまたは操舵用予備アクチュエータを
    検出変量に応じて車両挙動の不安定化を防止するように
    制御する制御モードとされ、 第1制御部が故障状態であって、第2制御部と第3制御
    部の中の少なくとも一方が正常状態である場合、その操
    舵用アクチュエータまたは操舵用予備アクチュエータを
    操作入力値に応じて転舵角が変化するように制御する制
    御モードとされる請求項2に記載の車両の操舵装置。
  4. 【請求項4】 そのステアリング系制御装置は、前記制
    御システムの構成要素として第4制御部を有し、 その操作部材に付与される操作反力を発生する反力アク
    チュエータを有し、 その第4制御部は、その操作反力を発生するように反力
    アクチュエータを制御する上で必要な演算を実行可能と
    され、 制御システムの構成要素の何れかが故障状態である場
    合、操作反力が発生しないように反力アクチュエータの
    制御が行われない制御モードとされる請求項1〜3の中
    の何れかに記載の車両の操舵装置。
  5. 【請求項5】 その検出変量に応じて車両の制動力およ
    び駆動力の中の少なくとも一方を、車両挙動の不安定化
    を防止するように制御可能な走行系制御装置を備え、 その操舵用アクチュエータを車両挙動の不安定化を防止
    するように制御する制御モードにおいては、その走行系
    制御装置により制動力および駆動力の中の少なくとも一
    方が車両挙動の不安定化を防止するように制御され、 その操舵用アクチュエータを操作入力値に応じて転舵角
    が変化するように制御する制御モードにおいては、車両
    挙動の不安定化を防止するための走行系制御装置による
    制御は解除される請求項1〜4の中の何れかに記載の車
    両の操舵装置。
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