JP2000052794A - 同期変速を行う複合原動機 - Google Patents

同期変速を行う複合原動機

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JP2000052794A
JP2000052794A JP10377772A JP37777298A JP2000052794A JP 2000052794 A JP2000052794 A JP 2000052794A JP 10377772 A JP10377772 A JP 10377772A JP 37777298 A JP37777298 A JP 37777298A JP 2000052794 A JP2000052794 A JP 2000052794A
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motor
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gear
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Motoyuki Hayashida
素行 林田
Mitsushi Hayashida
充司 林田
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MOTOR JIDOSHA KK
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
    • B60K6/20Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00 the prime-movers consisting of electric motors and internal combustion engines, e.g. HEVs
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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械式変速機を自動変速してなる複合原動
機 【解決手段】自動車用複合原動機を複数の原動機からな
る原動機群と、その出力軸に直結された歯車変速機によ
って構成する。原動機群に含まれる複数の原動機のう
ち、少なくとも一つは電動機であり、その電動機によっ
て原動機群の出力回転速度を制御する。これは原動機群
と駆動輪の間に設けられた、変速機の入力軸に直接連接
し、変速機入力回転速度を制御する。駆動輪の回転速度
を原動機側の都合によって任意には変えがたい基準速度
とし、変速機の入力側の回転速度を調節して変速対象の
歯車対を同期速度で駆動し、同期条件が成立したときに
歯車の噛み合わせを実行する。歯車の噛み合わせを解除
するときには同様な手段によって無負荷制御し、変速対
象歯面に対する無負荷状態が成立したときに歯車の噛み
合いを解除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも一台の
電動機と、主たる変速機として複数段の機械式歯車装置
を備え、両者の間にクラッチ等を備えず、電動機による
回転速度制御によって歯車の同期を実現して変速する複
合原動機技術に関する。
【0002】
【従来の技術】かねてより自動車用原動機として低公害
性と省資源を両立でき、実施可能な形態として内燃機関
と電動機の複合原動機(ハイブリッド原動機ともいう)
を提案してきたが、長年にわたる試作・実験データの蓄
積によってハイブリッド原動機も機械としての鉄則に支
配されて、実用世界では簡単なものほど総合的な能力の
高いことが分かってきている。
【0003】ハイブリッド原動機は電動機と内燃機関の
組合せのように種類の異なる異質な原動機を含むため、
とかく複雑な構成となりがちである。しかし、そのよう
な構成は本質的に高価格であったり、故障の種を抱え込
んでいたりする。それは実用フィールドから考えると問
題の多い原動機ともいえる。たとえば、最初に取り組ん
だ差動歯車を利用した形態のハイブリッド原動機では、
回転速度の調節は滑らかに可能であったものの、少なく
とも内燃機関1台と電動機と発電機を必要とし、そのう
ち回転力の発生に寄与できるのは内燃機関の出力から発
電機の出力を差し引いた差分と電動機出力の和であり、
装置が大げさな割には出力が小さく、またエネルギの流
れを観察すると、発電機の部分が直列経路(シリアルパ
スともいう)を形成するために高速・高負荷領域で熱効
率がかなり低下した。また、差動歯車を遊星歯車で構成
した例ではトラック用などを考慮した場合、強度的に耐
えられず、当社では問題点を克服できなかった。
【0004】次に取り組んだ内燃機関と電動機の間に機
械式無段変速機(CVTともいう)を設け、内燃機関を
ほぼ一定の速度で運転する方式のハイブリッド原動機
は、出力、省エネ効果、低公害性などの点で画期的な効
果を挙げたが、無段変速機が傾斜プーリーを含み、大き
なトルクには耐えられないことから、その利用範囲は小
型車に限られることが分かってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本件発明は従来の隘路
を打開するために考案・開発されたもので、 1.従前の構成要素を省略して信頼性を高め、コストを
削減すること 2.とりわけ遊星歯車や無段変速機など、虚弱な構成要
素を削除または依存度の低減を図ること 3.発生しうる最高出力を高め、原動機としての機能を
強化すること 4.高速領域における省エネ能力を高め、総合的エネル
ギ効率の向上を図ること 5.小型車のみならず大型車に至るまで適応領域の拡大
を図ること 6.低公害性は従来の複合原動機程度の水準を確保する
こと 7.低速トルクを無理なく増大し、駆動力を向上するこ
【0006】遊星歯車などの差動歯車を利用した複合原
動機(特開平9−310628)では最低限の構成要素
として補助原動機としての内燃機関と発電機、それに電
動機を必要とした。発電機は構造的には電動機と同一で
あり、制御によって発電機にも電動機にもなる。出願順
序は前後したものの、すでにこれに着眼して特開平5−
59973では内燃機関一台と電動機一台によって構成
される複合原動機技術を開示した。しかし、当時は電動
機の回転速度制御に不安があり、本件の実現には今日ま
での時間を必要とした。
【0007】補助原動機としての内燃機関と電動機の間
の速度調節の目的には遊星歯車を利用した差動歯車装置
や傾斜プーリを利用した無段変速機などが好適である
が、これらはいずれも虚弱な構造であったり、回転力の
伝達方式に問題があった。
【0008】遊星歯車の場合の主な問題点は、原動機に
相当する機材として少なくとも内燃機関、発電機、電動
機の3台を必要とすること、差動歯車の原理的な特性に
由来して、内燃機関の出力は発電機の反力分のみが電動
機を経由して駆動輪に伝達されるのみであり、発電を止
めると発電機が空転するために内燃機関の発生トルクを
駆動輪に伝える手段を失う。つまり、内燃機関の熱効率
が相当に高い領域でも内燃機関を運転する限り、発電を
止めることができず、この結果、高負荷領域においても
発電した電力を電動機に導き回転力に変換して使用せざ
るを得ない。エネルギはその形態を変更する度に熱力学
の第二法則によりエントロビの増加をもたらし、不可抗
力的に有効エネルギを減ずる。このために高速走行では
所期のエネルギ効率を得られないこと、遊星歯車が虚弱
でトラックなどのような大型車には適用困難であること
などであった。
【0009】傾斜プーリをもつ無段変速機による複合原
動機(特開平8−266012)では上記の欠点は克服
できたものの、無段変速機が構造的に虚弱な因子を含ん
でいることから小型車には好適であるがトラックなどへ
の適応は躊躇された。
【0010】従来の各複合原動機はいずれも低速トルク
に問題があり、これは要求される低速トルクを電動機の
発生トルクによって賄おうとしたことに起因する。内燃
機関との比較において電動機は低速トルクが強力である
という特徴があるものの、現在の高性能自動車のそれに
は及ばず、磁気飽和現象などとの妥協を図りながらかな
り無理な低速トルクの発生を余儀なくされていた。
【0011】この電動機の出力を変速機によって減速
し、低速トルクを増加することについては一般知識とし
て知られていたが、この構造を採用する場合は従来の構
造では電動機と変速機の間にクラッチを設け、これまで
の手動式変速機と同様な操作を必要とした。これでは自
動変速機をそなえる最近の自動車のようなイージードラ
イブを実現することができないと言う問題点があった。
【0012】さりとて、電動機の出力側に、いわゆるト
ルコンなどと呼ばれる流体式自動変速機を設けて試作実
験を実施した結果では、電動機の低速領域におけるトル
クが過大であり、効率的な動力の伝達を著しく妨げ、作
動油の過熱のために機構の耐久性に克服しがたい障害を
もたらす。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記を実現するために、
主たる変更点は次の通りである。 1.複数台の電動機、または電動機と発電機を使用して
いたが、原則としてこれを一台の電動機のみとし、電動
機と発電機を兼ねさせることにした 2.遊星歯車または無段変速機によって速度調節を実行
してきたが、これを主たる変速機は複数段の歯車によっ
て実行することにした 3.補助原動機としての内燃機関と電動機の合成出力回
転速度を電動機の速度制御によって精密化し、クラッチ
を設けず、歯車の同期によって自動変速を実現した 4.電動機と駆動軸の間に歯車によって構成される変速
機を設けた結果、低速トルクの不足を解消した 5.補助原動機を運転しているにもかかわらず発電を停
止できる構造とし、高速高負荷運転中はシリアルパスを
回避し、高速高負荷運転時のエネルギの流れを改善し、
熱効率を高めた 6.電源が確保されている間、電動機は原動機として作
動でき、搭載されるすべての原動機またはこれと同等の
機構が出力の発生に参加、大出力に寄与する
【0014】以下に請求項毎の詳細を述べる。請求項1
については、図1に示すように少なくとも1台の電動機
を含む原動機群、たとえば内燃機関と電動機、の出力軸
に、クラッチなどを介することなく主変速機を結合して
構成されている。そして、主変速機の出力軸に車軸など
を介して駆動輪が接続されている。
【0015】原動機と駆動軸の間に変速機が設けられて
いる、という構造は至極当り前のレイアウトであるが、
原動機群と変速機の間にクラッチに相当する機構を含ま
ないことがこの発明の要諦である。原動機群の一部には
少なくとも1台の電動機を含むので、主変速機の出力軸
の回転速度、つまり自動車の走行速度、を検出して、そ
の回転速度に適合するように原動機群の出力回転速度を
調節すればクラッチを省略した状態でも自由自在に変速
が可能であることに基づいている。この原理については
すでに先願(特願平10−9694他)でも明らかにし
ているが、請求項1では原動機側を一個の原動機として
ではなく、原動機群、つまり複数の原動機集合体として
把握し、その集合体の出力回転速度をおもに電動機を制
御することによって、主変速機の歯車を同期速度で駆動
することで変速動作を可能としている。
【0016】なお、後述するように必要に応じて電動機
と補助原動機の間にはクラッチを設ける場合もあるが、
これは補助原動機を必要に応じて運転または停止するた
めに電動機と補助原動機の間の回転力の伝達を任意に断
続するためのものであり、主変速機の変速を補助するも
のではない。
【0017】先願でも述べたように、クラッチを省略し
て機械式の変速機を自由自在に変速するためには変速対
象の歯車の同期速度制御に高い精度を要求される。この
目的のためには制御コンピュータと電動機の組合せはた
いへん好都合であり、例えば内燃機関と電動機を直結し
た場合、その出力回転速度は内燃機関の出力トルクを電
動機によって吸収できる範囲であればスロットルバルブ
など、内燃機関の出力を調節する装置の現在位置に関係
なく、電動機の回転速度によって規制される。とりわけ
電動機として同期電動機を採用した場合にはきわめて高
精度の回転速度制御が可能となる。このような実験結果
に基づいて、おもに電動機の回転速度を制御することに
よって原動機群の出力回転速度を制御し、クラッチを省
略して主変速機の変速動作を実行するものである。
【0018】主変速機の歯車選択はシフトレバーを設け
て手動式にも、歯車選択機構を設けて自動式にも構成す
ることができる。従来のマニュアルトランスミッション
の運転感覚を尊重したい場合やコストダウンを図りたい
ときには手動式が適しているが、現在のオートマチック
トランスミッションを備えた自動車と対抗する場合は自
動式がふさわしい。
【0019】電動機を含む原動機群と駆動輪の間に主変
速機を設けることによって、低速領域では変速比に応じ
て出力トルクを増加できるのでスタートダッシュが苦し
いという電気自動車特有の問題も解消し、主変速機が滑
らかに、とりわけ歯車選択機構が備えられたものでは自
動的に変速される結果、現在主流の流体を利用した自動
変速機と同様に滑らかな走行感覚を得ることが可能とな
る。さらに、変速機構の内では歯車による方法が最も効
率的であるばかりか、低コストで大容量の装置を実現で
き、主たる変速機構を歯車によって構成したハイブリッ
ド原動機は小型車はもちろん、大型トラックやバスを含
めた一般的な原動機として活用可能となる。
【0020】また、図1は請求項2に言うところの、原
動機群は少なくとも1台の電動機と補助原動機と、補助
原動機と電動機の間で回転力の伝達調整を司る駆動力伝
達装置と、を含み、電動機の回転軸をもって原動機群の
出力軸とし、原動機群の出力軸を主変速機の入力軸に直
結した複合原動機を図示している。
【0021】この請求項2では原動機の配列を問題とし
ている。ハイブリッド原動機の動力出力部に、同期制御
を実行することによって変速する歯車によって構成され
た主変速機を備える。原動機群の発生する回転力は、電
動機の回転軸またはこれと等価な回転軸から主変速機に
つたえられる。原動機群は少なくとも1台の電動機と内
燃機関などの補助原動機と、電動機と補助原動機の間の
回転力の伝達調節を司る駆動力伝達装置とを含んでい
る。
【0022】つまり、内燃機関などの補助原動機は必要
に応じて運転されるのに対して、電動機は自動車の運転
中常に運転され、歯車によって構成された主変速機を変
速対象歯車対の同期制御によって変速するために、主変
速機と密着した位置に配置することが必要となる。
【0023】これに対して、補助原動機は自動車が走行
中であっても必要の無いときには停止状態を維持するた
めに電動機の運転からは切り離せる構造を必要とする。
つまり、駆動力伝達装置の配置されるべき位置は電動機
と補助原動機の間であることになる。
【0024】駆動力伝達装置の内容としてクラッチを含
むハイブリッド原動機の原理については先願(特開平5
−59973、特開平7−277014他)で、機械式
変速機を含むものは(特開平7−277014,特開平
10−35301,特願平10−9694)で、機械式
無段変速機を含むものは(特開平8−266012他)
で、流体式変速機を含むものは(特開平7−27701
4他)で、それぞれ明らかにしたが、本件ではそれらの
出力軸にクラッチを介することなく、機械式の主変速機
を直結した構成のハイブリッド原動機を提案している。
これらの複合原動機は、その出力軸を直接的に駆動輪
に連結したり、変速機を図示したもの(特開平5−59
973)でもその変速機構に言及していないが、この請
求項に述べた構成によって初めて原動機群の出力回転速
度を電動機の回転制御によって制御することが可能とな
り、主変速機の変速操作の補助を目的とするクラッチな
どを設けることなく、簡易な構造で堅牢な歯車によって
構成された主変速機の自在な変速制御を可能とする基本
構成を提供している。
【0025】次に、図2には請求項3における、少なく
とも電動機の回転速度制御装置と、主変速機の歯車選択
装置を備え、主変速機の出力軸回転速度と選択すべき一
対の歯車の歯数によって決まる原動機群の出力軸回転速
度に、おもに電動機の回転速度を制御することによって
合致させ、選択すべき歯車が同期した時に歯車選択装置
によって噛み合わせて変速する複合原動機の構造を開示
した。
【0026】原動機群の構成要素として、その内少なく
とも一個は電動機であること、その電動機に直結された
状態で歯車によって構成された主変速機を必要とするこ
とを前項で述べたが、請求項3では電動機に対しては回
転速度制御装置が設けられ、主変速機には歯車選択装置
が設けられていることを明らかにしている。
【0027】歯車によって構成された主変速機の変速動
作には、通常その前後いずれかにクラッチが設けられ、
回転力の伝達を遮断して、少なくともいずれか一方の歯
車が自由に転動できる状態とし、シンクロナイザーコー
ンなどの作用により噛み合わせようとする歯車対を同期
速度で駆動し、噛み合わせを実行するが、本件では原動
機群の出力回転速度を制御して、噛み合わせようとする
一対の歯車を同期速度で駆動することで、クラッチなど
を設けることなく、滑らかな自動変速を実現するもので
ある。
【0028】自動車技術の開発に長く関与してきた我々
は、ともすれば固定観念に捕らわれがちであり、変速動
作を実行する場合にはクラッチによって動力を遮断する
ことが当然のように考えられてきた。しかし、ハイブリ
ッド原動機の開発に長く従事し、電動機の速度制御が内
燃機関のそれに比較して驚くべき高精度で簡単に実現で
きることなどを体験すると、クラッチの故障した自動車
を平気で運転するテストドライバのことを思い出さずに
はいられない。制御コンピュータを利用すればテストド
ライバ以上の運転テクニックを容易に発揮できる。請求
項11で述べた走行速度などを検出する回転速度センサ
ーと、それに加えて、ここで明らかにした電動機の回転
制御によって原動機群の出力回転速度を制御し、目的と
する歯車が同期した時に噛み合わせを実行する歯車選択
装置を必要とする。
【0029】図3は、請求項4に言うところの、原動機
群の出力軸、主変速機の入力軸、出力軸またはこれと等
価な回転軸に回転トルクセンサーを設け、おもに電動機
の回転トルクを調節して原動機群の出力回転力を消却
し、原動機群の出力回転力が大略なくなったときに歯車
選択装置によって歯車の噛み合いを解除する複合原動機
の構造を示している。
【0030】前項では主変速機の歯車を噛み合わせる場
合の制御方法について述べたが、請求項4では回転トル
クセンサーを設けて、電動機の回転制御によって原動機
群の合成出力を大略消却し、歯車にかかる回転力をほぼ
無負荷状態にしてから歯車選択装置を駆動して歯車の噛
み合わせを解除する技術について明示している。
【0031】クラッチを装備する普通の型式の機械式変
速機では噛み合い状態の歯車にかかる負荷を無くするこ
とはいともたやすいことであるが、クラッチを設けない
変速装置においては歯車を噛み合わせる操作よりも難易
度の高い処置である。この場合、歯車が噛み合っている
限り回転速度の面では常に同期速度で運転されているわ
けであり、速度を検出して負荷トルクを推定することは
できない。つまり、歯車がかみ合っている状態では、当
然同期速度で運転されているから、この状態は大きなト
ルクを伝えているということも有り得る。そのような状
態のもとで歯車の噛み合いを解除しようとすれば、歯車
を摺動させるために大きな駆動力を必要とするばかり
か、歯車の末端部を損傷することが多く、実用的ではな
い。ここは原動機群の合成出力をほとんどなくすように
制御し、噛み合いを解除しようとする歯車には回転トル
クはかからないように調整する必要がある。
【0032】その目的で請求項4では回転トルクセンサ
ーが設けられ、原動機群の内おもに電動機の回転トルク
を制御することにより、合成出力が消却されるように調
節する。つまり、補助原動機である内燃機関などが力行
している状態では電動機を発電機として作動させ、内燃
機閏の出力を電力として回収することによって、回転力
としての出力を消却する。逆に内燃機関がエンジンブレ
ーキ状態の時は電動機を原動機として駆動し、エンジン
が発生するブレーキトルクを消却する。補助原動機が運
転されていないか、接続されていない状態では電動機を
自由転動状態に制御する。これらの制御は回転トルクセ
ンサーの信号を参照して実行される。
【0033】前項と同様に歯車のかみ合いを解除するた
めの処置として必要な無負荷運転を、請求項5では図4
のように構成して実現する。原動機群の横成要素各個の
特性値を記憶素子に保存し、それぞれの原動機に出力を
推定し得るセンサーを設け、その信号値と記憶素子の特
性値を比較して発生トルクを推定する演算・判別装置を
備え、原動機群の出力回転力が大略なくなったときに歯
車選択装置によって歯車の噛み合いを解除する複合原動
機を図示している。
【0034】前項ではトルクセンサーを設けて原動機群
の発生トルクを監視し、歯車の噛み合わせを解除すると
きには歯車にかかる回転負荷を消却して実行する技術を
明示したが、それは原理的には正しく、妥当な方法では
あるが、現実にはトルクセンサーを設けることは方式の
如何を問わず、取り付けるスペースの問題、コストの問
題、耐久性の問題、精度の問題など困難をともないがち
である。他方、機構の耐久力を確保するに必要な、歯車
にかかる回転負荷の消却程度は厳密な零を要求されるわ
けではなく、耐久テストの成果によれば多少の回転力が
歯面にかかっていても許容可能な範囲のあることが分か
ってきた。
【0035】このことから、請求項5ではトルクセンサ
ーを設けることなく、原動機群を構成するそれぞれの要
素となる原動機に関して、その出力を代表する特性値を
記憶素子に記録し、それぞれの原動機に出力を推定し得
るセンサーを設け、センサーからの信号値と記憶素子に
ある特性値を比較判別することが出来る演算・判別装置
によって、原動機群の合成出力が大略消却したことを検
知し、歯車の噛み合いを解除する。
【0036】たとえば、内燃機関の場合には回転速度と
スロットルバルブの開度、または燃料噴射量調節レバー
位置、と出力トルクの関係、電動機の場合は回転速度と
入出力電圧と電流の関係、などを実験結果に基づいてR
OMなどの記憶素子に記録する。他方、内燃機関には回
転速度センサーとスロットルバルブ開度などのセンサー
を設け、電動機には回転速度センサーとそれに与える電
力の電圧と電流センサーを設ける。電流センサーには充
電方向または放電方向を示すフラグを付与できる機能を
備える。それぞれのセンサーによって得られる信号値か
ら原動機の発生するトルクを計算し、その総和が近似的
に零になったときに歯車の噛み合いを解除するように歯
車選択装置を駆動する。
【0037】このようにすれば他の目的によって複合原
動機の制御装置に不可欠の記憶素子や演算・判別器、回
転速度センサー、電流、電圧センサー、燃料噴射調節レ
バー位置センサーなどによって、補助原動機の出力を推
定し、それをうち消すように電動機の出力を制御すれ
ば、原動機群の合成出力を消却する事ができ、かみ合い
を解除したい歯車対の歯面における回転応力を解消する
ことができ、支障無く歯車のかみ合いを解除できる。
【0038】請求項6を実現する具体的な構造を図5に
示した。補助原動機と電動機の間で回転力の伝達調整を
司る駆動力伝達装置は、クラッチ、複数段の機械式変速
機、無段変速機、流体式変速機、遊星歯車などを利用し
た差動変速機の内のいずれか、またはこれらを組み合わ
せて構成される複合原動機を開示した。
【0039】これらは従前の出願にそれぞれ個別の原理
的な特徴を述べているが、それらにおける複合原動機を
本件では原動機群として把握し、その原動機群のうち少
なくとも一台は電動機である事を要件とし、その電動機
の回転速度を制御することによって原動機群としての合
計出力軸における回転速度を規制し、原動機群と駆動輪
の間に設けられた歯車を使用した主変速機を同期制御に
よって自動的に変速するという構成の中では、駆動力伝
達装置の構造は以下のように特別な意味を持つことにな
る。
【0040】原動機群を構成する補助原動機と電動機、
及び両者の間にあって回転力の伝達調整を司る駆動力伝
達装置の機能はそれぞれ次のように定まっている。補助
原動機として、たとえば内燃機関は常時運転されるわけ
ではなく、蓄電池が消耗した場合とか、電動機のみの出
力では登りきれない登坂路の走破、または高速走行など
の場合に、必要に応じて運転され、電動機の補完作用を
為す。電動機は自動車の走行中は常に運転され、自身の
回転速度を規制することにより単独で運転される場合
も、補助原動機と合体して運転される場合も、原動機群
としての出力回転速度を調節している。補助原動機と電
動機の間にあって、両者の回転力の伝達調整を司る駆動
力伝達装置は補助原動機が運転される条件では補助原動
機と電動機の回転力を相互に伝達し得るように機能し、
補助原動機が運転されない条件では両者の機械的な連動
関係を遮断する機能を持つ。
【0041】基本的には駆動力伝達装置の機能は上記の
ようであるが、必要に応じて以下のように構成される。
最も単純な形態としてはクラッチを含むのみという構成
がある。これは特開平5−59973において開示した
複合原動機そのものであり、本件の原動機群にあたる部
分に先願そのものを採用した例である。この場合、補助
原動機の回転速度と電動機の回転速度は、その間に変速
機構を持たないために常に同じであるが、補助原動機の
運転を必要とする運転状態というのは概ね中高速運転の
場合が多いために、単純な機構ながら意外にも内燃機関
の特性と好都合な適合を示す。
【0042】前記の先願では本件と同様に、補助原動機
+クラッチ+電動機+トランスミッション+駆動軸およ
び制御装置などの付属装置を含む構成例を開示している
が、電動機によって同期速度制御を行い、自動的に歯車
のかみ合わせを切り替えながら、自動変速走行を行うま
での技術開発に成功していなかった。そこで改めて本件
において同期制御による自動変速走行技術を明示するも
のである。
【0043】複数段の機械式変速機を備える駆動力伝達
装置は、その原理に関しては特願平10−9694に開
示した通りであり、補助原動機と電動機の間の段階的な
速度調節を可能とする。また、歯車の噛み合わせをしな
い、中立位置にとどめれば補助原動機と電動機の機械的
連動関係を断ち切ることもできる。この場合の歯車の変
速動作は電動機の回転速度を基準として、それに補助原
動機の回転速度を合わせることによって変速対象の歯車
を同期速度に制御し、同期した時に歯車の噛み合わせを
実行するという、本件の請求項3に示した主変速機の制
御と同様な方法を採用している。
【0044】機械式無段変速機を備える駆動力伝達装置
は、内燃機関と電動機の間に無段変速機を備えるハイブ
リッド原動機として特開平8−266012他に開示し
たハイブリッド原動機そのものを本件の原動機群として
採用した例である。先願の実施結果は原動機としての合
計合成最大出力、低公害性、省エネ効果などの点では抜
群の効果を上げることが出来たが、電動機と駆動輪の間
に変速装置を持たなかったために電動機のみによる走り
始めの段階での低速トルク不足の兆候があった。いわゆ
るスタートダッシュが弱い、という問題である。また、
同じ原因によって電動機の回転速度は常に車速に比例
し、したがって電動機に必要な回転速度レンジが広く、
補助原動機である内燃機関を定点運転するためには無段
変速機の限界的な変速比を頻繁に使用せざるを得ないと
いう実態があった。
【0045】本件の原動機群として先願の無段変速機を
利用したハイブリッド原動機を採用すれば、その原動機
の出力を更に変速・調節して駆動輪に伝えることがで
き、低速時の回転トルクを巨大化することができるとと
もに、電動機の使用回転域がその分狭まることになり、
都合のよい領域のみを使用して走行できる。電動機の回
転速度との速度比を調節しながら一定トルクを出力し、
一定速度で運転される、いわゆる定点運転状態の内燃機
関にたいする速度調節も電動機の回転レンジが狭いため
に容易になる。傾斜プーリを使用するという点で大型車
には不向きであるという性格は残るが、先願の出力軸に
主変速機を設けたことで低速トルクの単純明快な増幅作
用を実現できたために適応範囲を拡張することが可能と
なった。
【0046】流体式変速機を備える駆動力伝達装置は特
開平7−277014他、などに開示したが、これを本
件の原動機群として採用すれば、低速特性の改善や制御
性の改善など、利得が大きい。先願では電動機と駆動輪
の間は直結であり、本件のような主変速機などを備えて
いない。そのような構成では電動機の回転速度レンジは
車速と比例し、停止状態から最高速度までを使用するこ
とになる。しかし、本件のように電動機と駆動輪間に主
変速機を設け、電動機の回転速度を制御することによっ
て原動機群としての出力回転速度を制御し、これによっ
て主変速機を同期制御し、自動的に変速するので、電動
機の常用回転速度レンジは限られることになり、補助原
動機としての内燃機関回転速度との乖離が少なくなる。
このことは補助原動機と電動機の間の駆動力伝達装置と
して流体式変速機を採用できる環境を整えたことに相当
する。すなわち流体式変速機の変更可能な変速比は小さ
いが補助原動機と電動機の回転速度の乖離が小さくなる
ために、その小さい調節機能でも実用に供しうることに
なる。
【0047】特開平9−310628において開示した
差動歯車を使用して構成した複合原動機を本件の原動機
群として採用すれば低速トルクの不足問題を解消でき
る。
【0048】また、クラッチと機械式変速機の組合せな
ど、実施した実績はないものの場合によっては組み合わ
せることによって効果をもたらす可能性が推定できる構
成も考えられる。
【0049】つぎに請求項7に関する実施構造を図6に
示す。つまり、前各項の複合原動機において、駆動力伝
達装置の一部にクラッチまたはこれと同等の機能を含む
無段変速機または流体式変速機を備える場合において、
補助原動機の始動を必要とするとき、電動機の回転力を
クラッチ等を経由して補助原動機につたえ、補助原動機
を始動することを特徴とする複合原動機である。
【0050】ハイブリッド原動機においては、補助原動
機として内燃機関などが採用されるが、このものは停止
状態から運転状態に移行する際に始動操作を実施する必
要がある。この始動操作は補助原動機が常時運転される
わけではないために、必要に応じて随時なされるという
特徴がある。他方、補助原動機と駆動力伝達装置を介し
て強力な走行用電動機とも接続されているという構造と
なっている。
【0051】内燃機関を始動する際の技法として、未燃
焼炭化水素などの排出を抑制し、公害防止に資するため
に「初発完爆」方式の始動法が適当であることを特開平
9−164851などで開示したが、この方法の要諦は
始動時の高速クランキングである。つまり、普通のサイ
ズの始動電動機などでは不可能な、一発目の噴射によっ
て正常な燃焼をもたらす程度にクランキング速度を高め
ておいて燃料噴射を開始する技術であり、エンジン始動
時の未燃焼炭化水素の発生を極限的に抑制できることが
示されている。前各項に開示した複合原動機の内、補助
原動機の発生動力が電動機側に伝達されねばならないこ
とは当然であるが、駆動力伝達装置の回転力伝達機能が
双方向的であり、さらに、その伝達を任意に断続できる
構造の場合は、電動機の回転力を必要に応じて補助原動
機側に伝達する。この機能を利用して、走行用動力を賄
うために通常の始動電動機と比較してけた違いに巨大な
電動機の回転力を補助原動機の始動用に流用することが
行われる。本件方式の複合原動機においても駆動力伝達
装置としてクラッチを含む場合などでは、いわゆる押し
がけ式の方法によって高速クランキングを実現させ、初
発完爆を実現できる。
【0052】流体式変速機などでは、いわゆるロックア
ップ機構を備え、回転力の伝達が双方向的に可能なもの
もあるが、そのような機構を含まない単なる流体式変速
機などでは補助原動機から電動機に向かう回転力の伝達
を可能にした場合、逆に電動機から補助原動機に回転力
を伝え得なくなり、この請求項にいう電動機を始動電動
機として利用することはできなくなる。
【0053】上記の要件、つまり、駆動力伝達装置の回
転力伝達方向が双方向に可能であることと、その断続が
任意に可能であることの二点を満たさない場合は、請求
項8に述べるように、補助原動機に始動装置を備えるこ
とが複合原動機として成立する必須の要件となる。駆動
力伝達装置として複数段の機械式変速装置またはクラッ
チ機能を持たない無段変速機、出力軸側から入力軸に回
転力をつたえ得ない流体式変速機、のいずれかのみを備
える場合において、補助原動機に始動電動機を備える複
合原動機を図7に示す。
【0054】駆動力伝達装置として回転力の伝達機構が
双方向的に可能なもので、その断続制御機能を持つもの
は請求項7において開示したように、走行用の電動機を
始動用として利用することが出来、始動用電動機を備え
ることは任意に選択できるが、回転力の伝達能力が一方
向的であったり、任意の断続機能を持たない場合は補助
原動機に始動電動機を備えることが必要となる。この始
動電動機に発電機能をもたせたり、走行用駆動力の一部
として利用したり、補助原動機の回転制御機能をもたせ
る場合もある。(特開平10−35301他)ただし、
請求項9において開示する補助原動機の始動技法を採用
すれば始動電動機を省略できる場合も有り得る。
【0055】上記の構成において、始動電動機を設けた
場合、補助原動機を始動することができ、その回転速度
を調節して、駆動力伝達装置を介して電動機の回転力に
重畳、合成し、複合原動機の出力として取り出すことが
出来る。
【0056】駆動力伝達装置として機械式変速装置のみ
を備える場合は、回転トルクの伝達は双方向に可能であ
るが、任意の断続は不可能であり、通常は前項のように
補助原動機に始動装置を必要とする。
【0057】しかし、駆動力伝達装置として複数段の機
械式変速装置を備える場合、電動機の出力軸側の主変速
機を中立位置にし、自動車を惰行させ、または停車し、
電動機を停止し、補助原動機に接続する機械式変速機の
適当な歯車を噛み合わせ、電動機の回転力によって補助
原動機を始動し、始動後は通常の運転状態に復帰するこ
とによって補助原動機の始動電動機を省略した複合原動
機を実現でき、これを図8に開示した。
【0058】駆動力伝達装置としてクラッチを装備しな
い複数段の機械式変速機を採用した場合、請求項8に言
うとおり回転力の任意な断続制御装置を持たないため
に、一般的には補助原動機に始動電動機を必要とする
が、制御方法によっては走行用の電動機を始動目的で利
用できることが分かった。
【0059】この技法は自動車が短時間内であれば駆動
力を遮断しても、その慣性によって惰行するという特性
を利用したもので、加速中や登坂中および高速走行中を
除いて実施可能である。複合原動機が大きな回転力を発
生している運転状態では、駆動力を遮断することはショ
ックをともない危険でもあるが、通常の高速道路を走行
中以下の速度で概略定常走行しているとき、および信号
待ちなどで停車しているときにはこの技法を最も適用し
やすい。減速中も惰行という点では可能であるが、電動
機と駆動輪の連結を遮断した場合に突然回生制動が停止
されるために、いわゆるエンジンブレーキ状態が急に消
滅することによって運転者にはブレーキが利かなくなっ
たという印象を与え、不安感を訴える場合がある。
【0060】この技法によって補助原動機を始動しよう
とするとき、複合原動機の出力部を構成する主変速機を
中立状態にする。補助原動機は停止しているために自動
車は停車しているか、走行しているとすれば電動機のみ
の動力によって走行している。そこで電動機が回転して
いれば停止させる。次に駆動力伝達装置を構成する機械
式変速機の適当な歯車を噛み合い状態にして、電動機を
補助原動機の始動方向に回転させる。初発完爆に必要な
回転速度に達したならば燃料の供給を開始するという手
順で始動する。
【0061】始動が完了して、そのまま補助原動機を利
用する場合は電動機を回転制御して主変速機の適当な歯
車を噛み合わせ、通常の運転に復帰する。補助原動機が
暖機などの必要性から直ちに駆動力の発生には参加でき
ない場合は駆動力伝達装置の機械式変速機を中立位置に
シフトした後に、出力側の主変速機の適当な歯車を噛み
合わせ、通常の運転に復帰する。
【0062】電動機の回転制御は内燃機関のそれに比較
してけた違いの正確さで、瞬時に実行できる。たしかに
自動車の駆動用動力を発生できる規模の電動機は小型と
は言えないかも知れないが、電気機関車や電車に使用さ
れている電動機と比較すればローターの慣性モーメント
も小さく、電動機単体の場合は停止状態から最高回転速
度の90%まで加速するために1秒を要しないのが一般
的である。この特性に着目して、通常走行中から停止、
補助原動機の始動、通常走行に復帰するという制御モー
ドを実現したものである。
【0063】図8には請求項10に言うところの、駆動
力伝達装置の状態を変更する場合において、その変更内
容がクラッチの遮断、歯車の噛み合わせ解除、の場合に
は、電動機の回転速度を基準として補助原動機の回転速
度を調節し、無負荷状態に移行した後に目的の変更を実
行し、その変更内容が歯車の噛み合わせまたはクラッチ
の接続、の場合には、電動機の回転速度を基準として歯
車の歯数によって割り出される同期速度に補助原動機の
回転速度を調節し、調節が完了したとき、または同期速
度になった時を検知して歯車の噛み合わせを実行するこ
とを特徴とする複合原動機を図示した。
【0064】ここでは補助原動機の制御の要諦を開示し
ている。補助原動機と電動機の間には駆動力伝達装置が
介在するが、これに含まれるクラッチや歯車、その他の
変速機構などの、回転力の接続状態を変更する際、電動
機の回転速度に合わせるように補助原動機の回転速度を
合わせたり、回転力を発生しない無負荷運転状態とすれ
ば、クラッチの滑りによる発熱や摩滅を防止できるとと
もに、歯車の損傷を軽減することが出来る。
【0065】たとえば、現在クラッチは遮断状態にあ
り、これからクラッチを接続状態にしたい場合にはクラ
ッチディスクの回転速度をプレッシャプレートの回転速
度と一致させればよい。クラッチディスクの回転速度は
電動機の回転速度に由来するもので自動車の走行速度と
密接に関連しているために安易には変更し難い。プレッ
シャプレートの回転速度は補助原動機の回転速度に由来
するもので、これを調節することによって両者の回転速
度を概略一致させ、摩擦面を圧着すればクラッチの接続
状態は完成する。歯車の噛み合わせを実行するときの要
領もこれと同様である。
【0066】現在クラッチは接続状態にあり、これから
遮断状態に移行したい場合には補助原動機の出力を落と
し、電動機の回転速度に相当する程度の無負荷運転状態
にする。無負荷状態に制御する方法としては請求項5で
も開示したようにトルクセンサーを設けてフィードバッ
ク制御を行う方法や補助原動機の特性値を記憶素子に記
録して、スロットルバルブ開度など、補助原動機からも
たらされる信号値と記憶素子の値を比較検討判別して無
負荷状態に制御することもできる。実験結果によると演
算・判別機能を持つCPUなどを利用すればトルクセン
サーを設けることなく、記憶値と信号値を用いて必要な
精度で無負荷運転が可能であることが分かっている。歯
車の噛み合わせを解除する際の技法もこれと同様であ
る。
【0067】補助原動機として内燃機関を採用した場合
はクラッチを設けないまま歯車の噛み合わせを問題なく
実行できるほどには、その目転速度を制御しにくい。し
かし、現実には目的の同期速度を含む速度領域で回転速
度が変動していれば同期速度をキャッチして、その瞬間
に歯車の噛み合わせを完了することが出来る。これは歯
車選択装置の動作を正確にすばやく制御できるためであ
る。
【0068】たとえば、時計の秒針と長針は60倍の速
度比を持っている。この両者は約1分間に一回の割合で
重なるが、その重なった瞬間に時計を停止することが出
来れば秒針と長針を重ねて止めることが出来る。このよ
うに歯車の回転速度は同期していなくても同期する瞬間
が存在すれば、そこをキャッチして歯車の噛み合わせを
実行できる。
【0069】以上の各図および各項に随時示したが、機
械式歯車を同期制御によって自動変速する場合、その速
度制御が成否を決める要因であることは言うまでもな
い。しかし、いかなるコンピュータといえども正確な回
転速度の把握なしに速度制御できるものではない。請求
項11では補助原動機と電動機と駆動輪に連なる駆動軸
回転速度の把握が必須であることを述べている。
【0070】ただし、それぞれの機構によっては元々そ
の回転速度を検知しうる機能を備えたものがあり、その
ようなものを採用した場合はこれらの必須手段をそれの
機能によって代替することができる。たとえば、電動機
として同期電動機を採用した場合には、その回転速度は
電動機に与える交流周期、またはパルスによって決ま
り、それからの異動は「脱調」という異常現象の発生を
招き、事実上運転不可能である。つまり、制御コンピュ
ータからの指示通りにしか回転できないと言うことであ
り、最初から制御コンピュータにはその回転速度が把握
されている。
【0071】また、特別のセンサーを取り付けない場合
でもスピードメーター用のセンサー信号、火花点火式エ
ンジンの点火パルスなどは使い方を工夫すれば駆動軸回
転速度センサーまたは補助原動機回転速度センサーに代
わるものとして利用できる場合がある。
【0072】次に請求項12に関する実施構造を図9に
示す。同期速度で歯車を駆動し、同期した瞬間に歯車選
択装置によって噛み合わせを実行すると言うが、寒冷地
の早朝などには潤滑油の粘度も大きく、所期の時間内に
歯車の噛み合わせを完結できない場合も存在する。これ
に対しては特願平10−1968などでも開示したよう
に「遅れ時間」を予測して、適正なリードタイムを設定
して駆動信号を発行するが、それでも理想的なタイミン
グを確保するのは簡単なことではない。
【0073】たとえ完全な同期速度に制御できても、歯
車相互の山と谷がうまく合うことは偶然を祈るしかなか
ろう。このような歯車では歯の端部を面取りし、山と谷
が相互に入り込みやすくするのは公知のこととして、円
滑に噛み合いを完結するには少なくとも一方の歯車が他
方の歯車位置に沿うように、微少の回転変位を可能とす
る必要がある。
【0074】請求項12に開示した方法は、上記のよう
な考えに基づき、噛み合わせ可能な同期速度域を拡張す
る手段を提供するもので、噛み合わせ実行予定の歯車対
に連なる部位に、回転方向にたわみを許容する継ぎ手、
またはこれと同等の作用をなす手段を設ける。噛み合わ
せの最初の段階で、歯車の歯先同士が接触したところ
で、自然にその歯先の当たりを緩和する方向に継ぎ手が
撓み、歯車の噛み合わせを助ける。なお、製造管理精度
が高く、歯車のバックラッシュ管理、駆動軸の撓み管理
他によって特に撓み継ぎ手を設けることなく、同等な効
果をもたらす方法もこれに含まれる。
【0075】
【発明の実施の形態】以下、本件発明の実施形態を図1
〜図9に基づいて説明する。
【0076】図1には請求項1及び2に関するハイブリ
ッド技術が図示してある。実線で囲まれた範囲に属する
のが100.原動機群であり、最小限の要件として11
0.電動機、120.補助原動機、130.駆動力伝達
装置である131.クラッチを含んでいる。100.原
動機群の出力軸に直結された200.主変速機があり、
主変速機の出力軸付近に300.回転速度センサーが設
置されている。
【0077】110.電動機の回転速度を検出するため
の140.電動機回転速度センサーや、150.補助原
動機回転速度センサーも必要に応じて設けられる。採用
する電動機が同期電動機であったり、補助原動機が火花
点火式ガソリンエンジンの場合など、他の手段によって
その回転速度が検知できる場合にはそれぞれの回転速度
センサーは省略される場合がある。300.回転速度セ
ンサーはスピードメーターに連結される車速センサーで
代用できる場合は省略可能である。
【0078】300.回転速度センサーによって現在の
走行速度を検知し、200.主変速機の駆動歯車と被駆
動歯車の歯数をもとに計算される同期速度で100.原
動機群を運転すれば、たとえ駆動歯車と被駆動歯車が高
速回転中であっても、相互に同期状態にある歯車の噛み
合わせは停止している歯車を噛み合わせるのと同様に音
もなく、たやすい。基本技術について明らかにした特願
平10−1968および特願平10−9694でも述べ
たが、電動機として同期電動機を採用した場合には、あ
まりにも完璧な同期状態を得ることが出来るために、歯
車の山と山がぶつかりあったまま経過し、かえって噛み
合いが完了しない場合がある。このようなときには完全
な同期状態ではなく、わずかに、ゆっくりとした相対速
度で同期ずれを起こす方が円滑な噛み合いを実現できる
場合もある。
【0079】請求項1に述べた本件の基本構造は以上の
ようであり、以下を実現するためのプラットフォーム的
なベース構造を提供してしいる。
【0080】また、図11は実線で示す100.原動機
群には110.電動機と120.補助原動機とそれらの
間で回転力の伝達調整を司る、同図中では131.クラ
ッチと記入の130.駆動力伝達装置を含み、電動機の
回転軸を以て原動機群の出力軸とし、その出力軸を歯車
によって構成した、機械式200.主変速機の入力軸に
直結している。
【0081】原動機群には少なくとも1台の110.電
動機を含んでいるので、補助原動機と電動機のバランス
が適切であれば、この電動機の回転速度を適切に制御す
ることによって、電動機以外の補助原動機も含めて原動
機群の出力回転速度を正確に制御することが出来る。た
だし、補助原動機と電動機の出力バランスの問題につい
ては特開平7−315058において開示したのでここ
では言及しない。110.電動機は自動車の走行中常に
運転されるが、120.補助原動機は必要に応じて運転
されるという要件を満たすために200.主変速機に近
接して110.電動機が配置され、電動機の回転軸は1
30.駆動力伝達装置の出力軸および200.主変速機
の入力軸と直結している。これに対して120.補助原
動機の出力軸は130.駆動力伝達装置の入力軸から1
10.電動機軸に伝えられ、駆動力伝達装置の状態によ
っては回転力の断続、回転速度の調節が行われる。請求
項2で述べた原動機の配列状態が上記のように実現して
いる。
【0082】図2には駆動力伝達装置として131.ク
ラッチを採用した場合に、図1に加えて110.動機の
111.回転速度制御装置と200.主変速機の21
0.主歯車選択装置と400.統合制御装置が示されて
いる。これらは請求項3で言うところの各装置であり、
111.回転速度制御装置は電動機の回転速度制御装置
に、210.主歯車選択装置は主変速機の歯車選択装置
に相当し、200.主変速機の出力側の回転速度が30
0.回転速度センサーによって検出され、噛み合わせ対
象の歯車の歯数から割り出した同期速度になるように1
11.回転速度制御装置によって110.電動機の回転
速度を制御し、120.補助原動機が運転されている場
合はそれを含めた100.原動機群の出力速度を制御す
るものである。
【0083】また、図3の500.回転トルクセンサー
は請求項4の構造を実現したもので、160.原動機群
出力軸か、220.主変速機入力軸か、230.主変速
機出力軸のいずれかに回転トルクセンサーを設けること
を要件としている内の230.主変速機の出力軸に設け
た例を示している。400.統合制御装置は500.回
転トルクセンサーからの信号を監視し、必要な場合は1
11.回転速度制御装置を介して110.電動機の回転
速度を制御し、結果として原動機群の出力回転力が消却
するという、目的の制御が達成できた段階で210.主
歯車選択装置を介して歯車の噛み合いを解除する。この
ようにして請求項4の機能を実現している。
【0084】図4は請求項5の機能を実現するための構
造を示したもので、200.主変速機の歯車の噛み合い
を解除するためには100.原動機群の出力軸における
回転力を消却する必要があるが、回転トルクセンサーを
設けることなく、原動機各個の特性を記憶素子に保存す
ることによって、発生または吸収するトルクを類推計算
し、無負荷運転を実現するものである。
【0085】122.燃料制御レバー位置センサーから
の信号を400.統合制御装置に取り込み、700.記
憶素子に保存されている、予め実験結果によって求めた
720.補助原動機の特性値と照合判定し、120.補
助原動機の出力トルクなどを計算する。他方、610.
電流センサーと620.電圧センサーからは110.電
動機に供給される電力量が検知される。400.統合制
御装置は700.記憶素子上に保存されている710.
電動機特性値と比較判別し、111.回転速度制御装置
を経由して110.電動機を120.補助原動機の発生
または吸収動力を、吸収または発生することによって消
却するように作動する。このような動作によって原動機
群の出力トルクは消却され、見かけ上200.主変速機
の入力軸に追随する無負荷運転状態となる。このとき噛
み合っていた歯車を無理なく円滑に中立状態に移行で
き、請求項5に言うところの機能が実現する。
【0086】図5は130.駆動力伝達装置の内容が、
この複合原動機を搭載する自動車の要求によって13
1.クラッチ、132.機械式歯車変速機、133.機
械式無段変速機、134.流体式変速機、135.差動
式変速機のいずれかであること、さらに137.上記い
ずれかの組み合わせであることを開示している。これら
は内容によっていくらかの特徴を示し、搭載する自動車
によって適性が異なる。
【0087】たとえば、131.クラッチである場合に
は簡易であり、現行の自動車用内燃機関には大概クラッ
チが付属的に装備されているために、簡単に複合原動機
化することが可能となる。機能的にも補助原動機と電動
機の間の回転速度調節はできないが、回転力の断続は見
事に実行でき、その操作速度を調節することによって断
続時のショックも小さい。
【0088】自動車の機種によっては補助原動機と電動
機間の回転速度調節ができないと言う欠点もさほどの障
害とはならないことがある。本件出願のように、電動機
と駆動輪の間に堅牢な主変速機を設けた構成では、低速
トルクの不足という問題は解消されるために内燃機関の
出力を低速トルクの不足の補充に充てる必要が無くな
る。つまり、市街地走行などのように低速・低負荷運転
中は補助原動機である内燃機関の運転を停止する場合が
多くなり、この傾向は将来的にはさらに加速する必要が
あろうと思われるので、結果として内燃機関の運転はあ
る程度の速度で巡航する場合に行われる頻度が増加する
ものと推定できる。そのような運転状態では電動機はす
でにそれ相当の回転速度で運転されていることは必然で
あり、内燃機関と電動機の間の速度調節は必要度が少な
いと言える。
【0089】次に、駆動力伝達装置の内容が132.機
械式歯車変速機である場合は、電動機の回転速度を基準
として、変速または噛み合い解除対象歯車対の変速比を
もとに求められる同期速度に、補助原動機の回転速度を
合わせるように制御し、同期条件が成立した瞬間をとら
えて、または歯車にかかる回転負荷が大略消却できたこ
とを判別して、歯車の噛み合いまたは噛み合いの解除を
実行する。
【0090】このような構成では補助原動機と電動機の
間の回転速度を調節できるので、臨機応変に最適の回転
レンジを選んでそれぞれの原動機を運転できるという利
点が発生する。たとえば、登坂路における牽引自動車の
ように、低速で特別大きな牽引力を必要とする機種で
は、電動機の発生可能なトルクが高速では小さく、低速
領域で大きいという特性を備えているのにたいして、内
燃機関では一般的に中速領域で最大トルクを発生できる
場合が多いことから、この大きなトルクを発生できる領
域をともに使用すれば、複合原動機として巨大なトルク
を発生することができる。適当な速度比率を選択するこ
とによって要求に応じた、最適の回転速度を利用する可
能性を開くことができる。
【0091】駆動力伝達装置の内容が133.機械式無
段変速機か134.流体式変速機の場合には補助原動機
である内燃機関を一定の速度で、さらに一定の出力で運
転しやすく、省エネおよび低公害化に寄与できる。これ
らの制御方法の詳細については複数の先願においてたび
たび開示したのでここでは省略する。
【0092】駆動力伝達装置の内容が、135.差動式
変速機である場合は、補助原動機の出力から発電機の発
電分を差し引いた差分に電動機の出力が重畳されて駆動
軸に伝えられるが、回転力の点では、差動式変速機であ
るが故の原理のために補助原動機の出力は減じられるば
かりか、発電機の反力相当分が駆動軸に伝えられるのみ
であり、元来出力面で矛盾を抱えている。反面、速度調
節の連続性やなめらかさの点では抜群の特性を備え、本
件の原動機群としてそれを採用すれば出力トルクの任意
な増幅を図ることが可能となるので、本来の欠陥を補う
ことができる。
【0093】駆動力伝達装置の内容が137.上記いず
れかの組み合わせである場合は、例えば先に述べた大型
牽引車に搭載される大型複合原動機などのように歯車が
きわめて大きく、これの噛み合わせおよび噛み合わせの
解除に大きな摺動力と多少の時間を必要とする機種など
に適用される。そのような機種では内燃機関の回転速度
を電動機のそれに同期するように調節して、同期した瞬
間を検知して歯車の噛み合いを完結したり、噛み合いを
解除することは事実上困難となり、さらに長期、長距離
の品質保証が必要になるために、機械式歯車変速機の他
にクラッチを必要とする。
【0094】図6は請求項7に述べる、駆動力伝達装置
として131.クラッチを採用した場合の補助原動機始
動方法を開示している。まず、自動車が停止していると
きに補助原動機を始動する場合は、200.主変速機を
中立状態にして、110.電動機を補助原動機の始動方
向に運転し、131.クラッチを接続する。またはクラ
ッチを接続して電動機を運転しても良い。120.補助
原動機の回転速度が適当な速度まで上昇したところで始
動できる。この際、従前のように最初から燃料供給や点
火機能を作動させても良いが、110.電動機の出力が
従前の始動電動機のそれと比較して巨大であるので、先
願で述べた初発完爆方式の始動法を採用することも可能
となる。
【0095】ある程度の速度で自動車が走行中である場
合は、140.電動機回転速度センサーまたはそれに代
わる手段によって電動機の回転速度を検知し、補助原動
機を始動可能な状況か否かを判定する。あまりにも低速
であったり、高速に過ぎたり、相順切り替えによって後
退しているとき、つまり電動機が逆転しているとき、そ
の他、610.電流センサー、620.電圧センサー、
300.回転速度センサーなどからの信号データを40
0.統合制御装置によって演算、判断した結果が始動を
不都合とする条件では始動を延期する。条件が適合すれ
ば400.統合制御装置は139.クラッチアクチュエ
ータにコマンドを送信し、131.クラッチを徐々に接
続し、120.補助原動機に回転を与え、これを始動す
る。
【0096】次に図7は、駆動力伝達装置が補助原動機
と電動機の間の回転力伝達機能として双方向性をもたな
い、または任意の断続機能を持たない場合には補助原動
機の始動装置を必要とすることを述べた請求項8の実施
形態を示している。
【0097】例えば130.駆動力伝達装置の内容は1
34.流体式変速機であり、補助原動機から電動機の方
向には回転力を伝え得るが、電動機によって補助原動機
を回転させることはできないものである。ただし、特開
平7−285350,特開平7−277014他におい
て開示したように、流体式変速機であってもロックアッ
プクラッチを備え、回転力の双方向伝達機能と任意の断
続機能を持つものはここにいう流体変速機にはあたらな
い。
【0098】110.電動機を回転させても134.流
体式変速機は120.補助原動機の方向には回転力を伝
え得ないために、そのままでは始動不可能となり、補助
原動機を駆動力の一部として利用できない。そこで、1
20.補助原動機は123.始動電動機と常時、または
必要に応じて連結される構造である。このようにすれ
ば、120.補助原動機は必要に応じて400.統合制
御装置から発行されたコマンドにより123.始動電動
機制御装置が124.始動電動機に送電し、120.補
助原動機を駆動することによって始動する。
【0099】この構造の長所は、前項で問題となった補
助原動機始動の可否を判別する条件が少ないこと、すな
わち、110.電動機以下の自動車が現在おかれている
状態をあまり考慮することなく、必要があれば、いわば
独立的に補助原動機を始動できることである。
【0100】また、特開平9−164851他に開示し
たように、装備する124.始動電動機が相当の規模を
もち、常時補助原動機と合体、連結されている場合に
は、この始動電動機をも走行用駆動力の発生に寄与させ
ることによって原動機としての機能を向上できる。
【0101】図8には請求項9と請求項10に係わる内
容を開示してある。一般に130.駆動力伝達装置とし
て132.機械式歯車変速機を採用したときは、回転力
の伝達機能は双方向性があるものの、任意の断続機能が
ないために124.始動電動機を必要とすることを前項
で述べたが、次のように制御することによって始動電動
機を省略した構成も可能となる。
【0102】まず、自動車が停止している場合は、20
0.主変速機の240.ドライブギアと250.カウン
タギアの噛み合いを解除して中立位置とし、110.電
動機の回転が停止していることを確認し、400.統合
制御装置は138.副歯車選択装置に対し、適当な歯車
の噛み合いを求めるコマンドを発行する。噛み合いが完
了したならば110.電動機を120.補助原動機の始
動方向に駆動し、始動する。始動後もなお停車を継続す
る場合は補助原動機と電動機を連結して、電動機を発電
機に切り替え、それがもたらす電力によって蓄電池を充
電しても良い。始動後自動車を発車させる場合には、1
32.機械式歯車変速機を中立状態にし、110.電動
機を停止し、200.主変速機の適当な歯車をかみ合わ
せて110.電動機を目的の回転方向に運転する。
【0103】自動車が走行中に補助原動機の始動を必要
とする状況になった場合は、200.主変速機のいずれ
かの歯車は噛み合い状態にあり、電動機の回転力を駆動
輪に伝達中であるが、このときまず、噛み合い状態にあ
る歯車を中立位置にできるか否かの判別を必要とする。
400.統合制御装置は、本図には図示しない610.
電流センサーおよび620.電圧センサー、300.回
転速度センサーなどからの信号値を総合的に判別して、
歯車の噛み合い解除可能な条件になるまで待ち、条件が
成立したならば、現在の300.車速や110.電動機
の回転速度を記憶装置に取り込む。210.主歯車選択
装置によって200.主変速機を中立状態にし、次に1
11.回転速度制御装置によって電動機の回転を停止す
る。主変速機の歯車の噛み合いを解除できない条件とは
例えば、加速中であり、駆動力を失うことによって安全
性の保持が困難になったり、ショックによりそれが不適
当な場合などである。電動機を停止するのは補助原動機
が停止しているために、電動機を停止することによって
駆動力伝達装置の適当な歯車をかみ合わせることができ
るように準備するためである。
【0104】132.機械式歯車変速機の適当な歯車を
噛み合わせ、110.電動機を補助原動機の始動方向に
運転し、始動する。補助原動機が始動でき、すぐにも電
動機の出力に重畳できる場合で、従前の運転状態から判
別して132.機械式歯車変速機の噛み合い状態がこの
ままでよい場合は、200.主変速機の噛み合い状態を
始動直前の状態に復帰させる。
【0105】補助原動機の暖機を必要とする場合や始動
時に採用した132.機械式歯車変速機の選択歯車が不
適当な場合は、これを中立位置に戻し、200.主変速
機の歯車を始動直前の状態に復帰させる。補助原動機の
動力を利用可能になった場合は、121.燃料制御レバ
ーなどによって補助原動機の回転速度を110.電動機
の回転速度を基準に調節し、目的とする歯車対の同期条
件が成立したときに138.副歯車選択装置によって歯
車の噛み合わせを実行する。
【0106】以上のように制御すれば、130.駆動力
伝達装置が任意の回転力断続機能を持たない機械式歯車
変速機であっても、請求項9で述べたように始動電動機
を省略して、複合原動機を構成することができる。
【0107】次に、前項と同様に図8によって請求項1
0の趣旨内容を説明する。この項では補助原動機の運転
方法の要諦を述べている。130.駆動力伝達装置にお
いて駆動力伝達状況を変更する場合、それがクラッチの
遮断または歯車の噛み合わせを解除するときには11
0.電動機の回転速度を基準とし、クラッチ部分または
当該歯車部分においてほとんど回転力が存在しないよう
に、つまり、電動機に連なる側に追随して回転するよう
に、120.補助原動機を運転する。補助原動機として
内燃機関を用いれば、たとえばスロットルバルブの開度
と無負荷運転時の回転速度の関係は実験的に把握され、
暖機状態によって多少の差異はあるものの、それを調整
すれば目的の回転速度で無負荷運転することが可能であ
る。しかる後にクラッチを遮断したり、歯車の噛み合わ
せを解除する動作を行えばこれらの機構に損傷をもたら
すことが無くなる。
【0108】140.電動機回転速度センサーによっ
て、またはこれに代わる方法によって電動機の回転速度
を検知し、120.補助原動機を121.燃料制御レバ
ーなどによって無負荷運転し、つづいて138.副歯車
選択装置またはこの図に図示しない139.クラッチア
クチュエータによって、歯車の噛み合わせを解除した
り、クラッチによって回転力を遮断する。
【0109】駆動力伝達状況の変更内容が歯車の噛み合
わせまたはクラッチの接続の場合には、140.電動機
回転速度センサーまたはこれに代わる手段によって電動
機の回転速度を検知し、電動機の速度を基準にクラッチ
または当該歯車の部位において電動機に連なる側の回転
速度に同期するように120.補助原動機を121.燃
料制御レバーなどによって運転する。この場合、クラッ
チの接続の場合はある程度ラフな制御でも可能である
が、歯車をかみ合わせることができるほどには正確な回
転速度の制御が困難であるため、同期速度に近づけるだ
けではなく、同期速度と交差するように、且つ、同期速
度の付近ではできる限り緩やかな変化で、補助原動機を
運転する。むしろ、138.副歯車選択装置の高速機能
を利用して、たまたま同期速度になったときに132.
機械式変速機の歯車の噛み合わせを実行する。
【0110】このように120.補助原動機を運転し、
138.副歯車選択装置または139.クラッチアクチ
ュエータによって歯車の選択またはクラッチの接続を行
えば、歯車を損傷したり、クラッチディスクを消耗する
ことが無く、耐久性を確保することができる。
【0111】以上の各図、各項において説明したが、代
表例として図2によって請求項11について説明する。
まず、本件の複合原動機は、自動車走行速度を原動機側
の都合によって変更しがたい速度と位置づけ、これを代
表する200.主変速機の出力軸に連なる位置に設けら
れた300.回転速度センサーからの信号値を基準とし
て、200.主変速機の入力軸側、すなわちこれと直接
的に連なる100.原動機群の出力回転速度を調節し
て、機械式歯車変速機の噛み合いを自動的に変更するも
のである。
【0112】原動機群の出力回転速度は140.電動機
回転速度センサーによって検知され、前記300.回転
速度センサーからの信号値と変速のために同期を必要と
する歯車対の変速比から、400.統合制御装置によっ
て計算された、要求される回転速度との偏差を見いだ
し、偏差を解消するように111.回転速度制御装置に
よって110.電動機の回転速度を調節する。200.
主変速機の当該歯車対において同期条件が成立したとき
に210.主歯車選択装置によって変速動作を実行す
る。
【0113】次に、110.電動機と120.補助原動
機の間に設けられた130.駆動力伝達装置の状態を変
更するとき、例えばクラッチを接続するとき、110.
電動機の回転速度は常に走行用として稼働していること
から補助原動機の都合によって変更しがたいものと位置
づけ、電動機の回転速度を基準とし、それに補助原動機
の回転速度を沿わせて、クラッチを接続すればよい。そ
のための補助原動機の回転速度を検知する手段として1
50.補助原動機回転速度センサーを必要とする。ただ
し、クラッチの接続のように、接続対象回転速度の間に
相当の乖離があっても可能な場合は、150.補助原動
機回転速度センサーは精度の劣る手段または記憶素子上
に保持された実験データによる推測による制御法でも置
き換えることができる。
【0114】請求項12に関する作動説明図を図9に示
す。100.原動機群の回転力は240.ドライブギア
に伝えられ、280.シフトレバーが左方にスライド
し、240.ドライブギアと260.ドリブンギアの凹
凸部が勘合しているときには、回転力はそのまま等速で
290.フレキシブルカップリングに伝えられ、23
0.主変速機出力軸に伝えられる。280.シフトレバ
ーが図示の位置では回転力を伝えない中立位置となって
いる。
【0115】280.シフトレバーが右方に動き、26
0.ドリブンギアと270.カウンタギアが勘合すると
き、最初に歯先同士が接触した段階で、そのまま噛み合
いを進めることができればそのまま進めるが、ストレス
を発生した場合は290.フレキシブルカップリングが
そのストレスを解消する方向に撓んで、歯車の噛み合わ
せを助長する。290.フレキシブルカップリングは微
少な撓みは許容するものの、大きい変位は回転トルクの
伝達をもって解消するので、歯車の噛み合わせを完了す
れば以後は回転力の伝達装置として作動する。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
かかる複合原動機によれば、複合原動機の構成原動機の
少なくとも一台は電動機であり、これによって原動機群
の出力回転速度を制御することが可能となり、原動機群
と主変速機の間にはクラッチを設けることなく、主変速
機の変速を実行することができ、さらに主歯車選択装置
を設ければ、簡潔な構造で、堅牢な歯車式変速機の自動
変速を可能とする基盤技術を提供できる。
【0117】請求項2の発明にかかる複合原動機によれ
ば、内燃機関などによって構成される補助原動機に駆動
力伝達装置が連結され、それに電動機が連結され、続い
て電動機に主変速機が連結され、主変速機の出力軸が駆
動軸を経由して駆動輪に連結される。このように原動機
群の出力部分に電動機を配置したので、電動機と主変速
機の間にクラッチなどを設けなくても、原動機群の出力
回転速度を最終的には電動機によって制御でき、その結
果、主変速機を同期制御によって自動変速できる。故
に、簡潔な機構で大容量の回転力を処理でき、低速トル
クの確保とコストダウンが同時に可能となる基本配列を
提供する。
【0118】請求項3の発明にかかる複合原動機によれ
ば、電動機の回転速度制御装置と主変速機の歯車選択装
置を備えているので、電動機と主変速機の間に、クラッ
チなどの動力断続装置を設けることなく、主変速機を自
動変速制御することができる。電動機と駆動輪の間に主
変速機を設けて、それを自動変速できるので、信頼性の
確保された、大量生産可能な、安価な手段により、低速
トルクの問題を解消でき、さらになめらかな自動運転の
乗り心地を確保できる。
【0119】請求項4の発明にかかる複合原動機によれ
ば、変速動作を実行する際に、歯面にかかる回転力を消
却できるので、軽快に、障害無く、歯車の切り替え動作
を実行でき、複合原動機としての信頼性を増す。
【0120】請求項5の発明にかかる複合原動機によれ
ば、記憶素子に保持するデータによって無負荷運転が可
能となるので、トルクセンサーなどを省略しても、歯車
切替時に歯車にかかる回転力を消却でき、軽快に、障害
無く、歯車の切替を実行でき、複合原動機としての信頼
性を増す。
【0121】請求項6の発明にかかる複合原動機によれ
ば、補助原動機と電動機の間に設ける駆動力伝達装置の
内容として、クラッチ、複数段の機械式変速機、無段変
速機、流体式変速機、差動式変速機のうちのいずれか、
またはこれらの組み合わせが可能となり、搭載自動車の
要求に応じて適正な複合原動機を提供できる。
【0122】請求項7の発明にかかる複合原動機によれ
ば、補助原動機と電動機の間に、回転力の伝達機能が双
方向性を持ち、任意の断続機能を持つクラッチなどであ
るため、電動機側から補助原動機を回転させることがで
き、いわゆる押しがけ式に補助原動機を始動できる。こ
れによって補助原動機の始動装置を省略する事ができ、
コストダウンと信頼性の向上を図れるともに、始動時の
クランキング速度を高めることが可能となり、初発完爆
方式の始動が可能となる。これによって補助原動機の始
動時に通常発生する多量の未燃焼炭化水素を極限まで低
減できる。
【0123】請求項8の発明にかかる複合原動機によれ
ば、補助原動機に始動電動機が連結しているので、駆動
力伝達装置が双方向性をもたないか、任意の断続ができ
ない場合でも、補助原動機を始動でき、複合原動機とし
て機能することができる。さらに、始動電動機を発電機
として利用したり、電動機として利用することにより、
複合原動機の発電機、または動力発生源の一つとして活
用できる。
【0124】請求項9の発明にかかる複合原動機では、
駆動力伝達装置として機械式変速機をもつが、任意の回
転力断続装置をもたない場合に、走行用の電動機によっ
て補助原動機を始動できるので、始動電動機を省略でき
る。
【0125】請求項10の発明にかかる複合原動機で
は、駆動力伝達装置の歯車を切り替える際、またはクラ
ッチを断続する際に補助原動機を電動機に沿わせるよう
に運転するので、歯車やクラッチディスクの損傷を最小
限にとどめることが可能となり、複合原動機の耐久性を
確保できる。
【0126】請求項11の発明にかかる複合原動機で
は、駆動軸、電動機および補助原動機の回転速度を把握
でき、所期の同期制御および無負荷制御によって自動変
速しつつ運転される複合原動機を実現できる。
【0127】請求項12の発明にかかる複合原動機で
は、主変速機の入力軸または出力軸に連なる部位、また
は主変速機の内部に回転方向に撓む回転継ぎ手を設けた
ので、歯車を同期制御して円滑に変速する事が可能とな
った。
【0128】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1と請求項2に係る実施構成図
【図2】本発明の請求項3に係る実施構成図
【図3】本発明の請求項4に係る実施形態図
【図4】本発明の請求項5に係る実施構成図
【図5】本発明の請求項6に係る実施構成図
【図6】本発明の請求項7に係る実施構成図
【図7】本発明の請求項8に係る実施構成図
【図8】本発明の請求項9と請求項10に係る実施構成
【図9】本発明の請求項12に係る実施構成図
【0129】
【符号の説明】
100.原動機群 110.電動機 111.回転速度制御装置 120.補助原動機 121.燃料制御レバー 122.燃料制御レバー位置センサー 123始動電動機制御装置 124.始動電動機 130.駆動力伝達装置 131.クラッチ 132.機械式歯車変速機 133.無段変速機 134.流体式変速機 135.差動式変速機 137.上記いずれかの組み合わせ 138.副歯車選択装置 139.クラッチアクチュエータ 140.電動機回転速度センサー 150.補助原動機回転速度センサー 160.原動機群出力軸 200.主変速機 210.主歯車選択装置 220.主変速機入力軸 230.主変速機出力軸 240.ドライブギア 250.カウンタギア 260.ドリブンギア 270.カウンタギア 280.シフトレバー 290.フレキシブルカップリング 300.回転速度センサー 400.統合制御装置 500.回転トルクセンサー 600.電源装置 610.電流センサー 620.電圧センサー 630.始動電流センサー 700.記憶素子 710.電動機特性値記憶域 720.補助原動機特性値記憶域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/02 H02K 7/10 A F16H 61/02 B60K 9/00 Z H02K 7/10 // F16H 59:42

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1台の電動機を含む原動機群の
    出力軸に、入力軸を直結して設けられる複数段の変速歯
    車対を含む主変速機を設け、主変速機の出力軸回転速度
    を基準とし、原動機群の出力軸回転速度、すなわち主変
    速機の入力軸回転速度、を調節して、変速対象歯車対の
    同期速度制御および無負荷制御によって手動変速または
    自動変速することを特徴とする複合原動機
  2. 【請求項2】原動機群は少なくとも1台の電動機と補助
    原動機と、補助原動機と電動機の間で回転力の伝達調整
    を司る駆動力伝達装置と、を含み、電動機の回転軸をも
    って原動機群の出力軸とし、原動機群の出力軸を主変速
    機の入力軸に直結したことを特徴とする請求項1に記載
    の複合原動機
  3. 【請求項3】請求項1と2において、少なくとも電動機
    の回転速度制御装置と、主変速機の歯車選択装置を備
    え、主変速機の出力軸回転速度と選択すべき一対の歯車
    の歯数によって決まる、歯車対の同期に必要な原動機群
    の出力軸回転速度に、おもに電動機の回転速度を制御す
    ることによって合致させ、選択すべき歯車が同期した時
    に歯車選択装置によって噛み合わせて変速することを特
    徴とする複合原動機
  4. 【請求項4】請求項1と請求項2と請求項3において、
    噛み合い状態にある歯車を中立位置に移行する際に、そ
    の噛み合い解除対象歯車に連接する回転軸、たとえば原
    動機群の出力軸、主変速機の入力軸、出力軸またはこれ
    と等価な回転軸に回転トルクセンサーを設け、おもに電
    動機を調節して原動機群の出力回転力を消却し、原動機
    群の出力回転力が大略消却できたときに歯車選択装置に
    よって歯車の噛み合いを解除することを特徴とする複合
    原動機
  5. 【請求項5】請求項1と請求項2と請求項3において、
    原動機群の構成要素各個の特性値を記憶素子に保存し、
    それぞれの原動機に出力を推定し得るセンサーを設け、
    その信号値と記憶素子の特性値を比較して発生トルクを
    推定する演算・判別装置を備え、原動機群の出力回転力
    が大略消却できたときに歯車選択装置によって歯車の噛
    み合いを解除することを特徴とする複合原動機
  6. 【請求項6】前各項において、補助原動機と電動機の間
    で回転力の伝達調整を司る駆動力伝達装置は、クラッ
    チ、複数段の機械式変速機、無段変速機、流体式変速
    機、遊星歯車または傘歯歯車によって構成される差動変
    速機、の内のいずれか、またはこれらを組み合わせて構
    成されることを特徴とする複合原動機
  7. 【請求項7】前各項の複合原動機において、駆動力伝達
    装置の一部にクラッチまたはこれと同等の機能を含む無
    段変速機またはロックアップ機構付流体式変速機を備
    え、回転力の伝達が双方向に可能であり、回転力の断続
    が任意に可能な場合において、補助原動機の始動を必要
    とするとき、電動機の回転力をクラッチ等を経由して補
    助原動機につたえ、補助原動機を始動することを特徴と
    する複合原動機
  8. 【請求項8】前各項において、補助原動機に始動時のみ
    連接する始動電動機または常時連接して始動時には始動
    電動機として機能し、始動後は発電機および原動機とし
    て機能する電動機を備えることを特徴とする複合原動機
  9. 【請求項9】請求項6において、駆動力伝達装置として
    複数段の機械式変速装置を備える場合、電動機の出力軸
    側の主変速機を中立位置にし、自動車を惰行させ、また
    は停車し、電動機を停止し、補助原動機に接続する機械
    式変速機の適当な歯車を噛み合わせ、電動機の回転力に
    よって補助原動機を始動し、始動後は通常の運転状態に
    復帰することを特徴とする複合原動機
  10. 【請求項10】前各項における、駆動力伝達装置の状態
    を変更する場合において、その変更内容がクラッチの遮
    断、歯車の噛み合わせ解除、の場合には、電動機の回転
    速度を基準として補助原動機を調節し、無負荷状態に移
    行した後に目的の変更を実行し、その変更内容が歯車の
    噛み合わせおよびクラッチの接続、の場合には、電動機
    の回転速度を基準として歯車の歯数によって割り出され
    る同期速度に補助原動機の回転速度を調節し、調節が完
    了したとき、または同期速度になったことを検知して歯
    車の噛み合わせを実行することを特徴とする複合原動機
  11. 【請求項11】前各項において、補助原動機回転速度セ
    ンサー、電動機回転速度センサー、駆動軸回転速度セン
    サーまたはこれらに代わるそれぞれの回転速度検知手段
    を備えたことを特徴とする複合原動機
  12. 【請求項12】前各項において、主変速機の入力軸また
    は出力軸に連なる部位、または主変速機の内部に、回転
    方向にたわみを許容する構造の回転継ぎ手を設けたこと
    を特徴とする複合原動機
JP10377772A 1998-08-11 1998-08-11 同期変速を行う複合原動機 Pending JP2000052794A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR200452581Y1 (ko) 2009-05-07 2011-03-07 (주)케이엠모터스 운전연습 및 운전면허시험용 전기 자동차의 모터 부품 취부용 구조체
US20220118968A1 (en) * 2020-10-21 2022-04-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle control device
JP2023533209A (ja) * 2020-06-25 2023-08-02 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 車両を運転するための方法、演算装置、コンピュータプログラム、および、機械読み取り可能な記憶媒体

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