JP2000051653A - 窒素酸化物の浄化方法及び浄化装置 - Google Patents

窒素酸化物の浄化方法及び浄化装置

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JP2000051653A
JP2000051653A JP10226102A JP22610298A JP2000051653A JP 2000051653 A JP2000051653 A JP 2000051653A JP 10226102 A JP10226102 A JP 10226102A JP 22610298 A JP22610298 A JP 22610298A JP 2000051653 A JP2000051653 A JP 2000051653A
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exhaust gas
nitrogen oxides
atmospheric pressure
pressure low
equilibrium plasma
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Toshiaki Yamamoto
俊昭 山本
Sadayoshi You
禎禄 楊
Akira Mizuno
彰 水野
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SANDENSHA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境中における窒素酸化物を効率よく、か
つ、低コストで除去し、反応生成物の発生を抑制するこ
の可能な、窒素酸化物の浄化方法及び浄化装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 排ガス中に含まれる窒素酸化物の浄化方
法及び浄化装置において、排ガスに、大気圧低温非平衡
プラズマを印加する工程を備え、前記低温プラズマ印加
によって、ガス中のNOが酸化されてNO2が最大値と
なる値を基準値として、前記低温プラズマの印加電圧を
設定し、ガス中に含まれるNOを効率的にNO2に酸化
させた後、排ガスに還元剤溶液を接触させる工程を備
え、前記低温プラズマ印加による乾式工程と、前記還元
剤溶液を用いた湿式工程の二段階の工程、或は、前記乾
式工程と湿式工程を組み合わせた半乾式の工程によっ
て、排ガス中の窒素酸化物を除去する窒素酸化物の浄化
方法及び浄化装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスの処理方法
及びその処理装置に関し、大気圧低温非平衡プラズマ
(以下、「低温プラズマ」という。)を用いた乾式処
理、還元剤溶液を用いた湿式処理の二段階処理により、
又は、前記乾式処理及び湿式処理を組み合わせた処理に
より、排ガス中の反応副生成物(N2O、HNO3、NO
3 -)を抑制させ、かつ、経済的に除去する窒素酸化物の
浄化方法及び浄化装置である。
【0002】
【従来の技術】一般に、発電所や、ディーゼルエンジン
等に代表されるエネルギーの供給及びこれらのエネルギ
ーの消費に伴って一酸化窒素(NO)や、二酸化窒素
(NO2)等の窒素酸化物が排出される。環境中に排出
された窒素酸化物は、光化学スモッグ等の原因となり、
大都市での環境問題の重要課題として、その対策が検討
されている。また、N2Oは、近年問題となっている地
球温暖化ガスの原因としても注目されている。
【0003】窒素酸化物を低減させる方法として、燃焼
方式、触媒方式、選択触媒還元方式(SCR)、アンモ
ニア噴射方式、また、近年においては、前記触媒方式
や、非熱プラズマ、電子ビーム等の技術を結合して、窒
素酸化物を低減させる方法や、その他前記方式とアンモ
ニア、過酸化水素及び塩化カルシウム等の化学物質や触
媒等を用いた方式との結合により、窒素酸化物を低減す
る方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の方
法においては、排ガス中の窒素酸化物を除去することが
可能であるが、窒素酸化物を除去するために、反応中に
生じるN2Oや、HNO3等の副生成物は、考慮されてい
ないという問題がある。
【0005】また、前記従来窒素酸化物を低減させる方
法においては、多大なコストがかかるという問題があっ
た。
【0006】図8は、従来の窒素酸化物浄化方法によ
り、NOx濃度が500ppm〜1000ppm程度の
環境中の窒素酸化物1トンを各浄化効率で除去するため
にかかったコストを示す。
【0007】図8に示すように、従来商業化されている
技術によって環境中の窒素酸化物を除去しようとするに
は、例えば、SCR(図8中、直線で示す。)を用いた
場合、80%〜85%の窒素酸化物浄化効率で、環境中
の窒素酸化物1トンを除去するために年間かかるコスト
は、約150万〜160万円(約12,000ドル)で
あり、高額のコストがかかっていることがわかる。
【0008】例えば、SCRを用いた場合、前記高額の
コストをかけても、環境中の窒素酸化物除去効率は、8
0%〜85%程度である。
【0009】また、低温プラズマ等を用いて環境中の窒
素酸化物を除去した場合、70eV〜780eVの多大
な電力が消費され、前記SCRと同様に高額のコストが
かかるという問題がある。
【0010】その他、低温プラズマを用いた従来方式に
おいては、環境中の窒素酸化物を分解除去するために、
反応過程において、一酸化二窒素(N2O)や、硝酸イ
オン(NO3 -)、及び、硝酸(HNO3)等の副生成物が
大量に生産されてしまい、これらの副生成物の除去がな
されていないという問題があった。これらの副生成物を
酸化・還元により浄化するためには、更なるコストの高
騰につながるという問題があった。
【0011】そこで、本発明は、低温プラズマによる乾
式の工程と強力な還元剤溶液を用いる湿式の工程を組み
合わせて、低コストで、環境中の窒素酸化物を効率的に
除去し、窒素酸化物除去工程において、生成される副生
成物の大幅な制限が可能となる窒素酸化物の浄化方法及
びその浄化装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載し
た発明は、排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する排
ガスの浄化方法において、前記排ガスの浄化方法は、排
ガスに大気圧低温非平衡プラズマを印加して窒素酸化物
を除去するものであって、前記大気圧低温非平衡プラズ
マ印加によってガス中のNOが酸化されてNO2が最大
値となる値を基準値として、前記大気圧低温非平衡プラ
ズマの印加電圧を設定する窒素酸化物の浄化方法であ
る。
【0013】排ガスに低温プラズマを印加すると、プラ
ズマの放電により、ガス中の、窒素N2や酸素O2が、電
離し、励起されて、活性窒素(N)や、活性酸素(O)
となる。また、水分存在下においては、水分子がOHラ
ジカルとなり、これらの、分子の励起により、NOxの
解離が始まる。
【0014】すなわち、NOxのうち、一部の一酸化窒
素NOは、活性窒素(N)により、温度に影響されるこ
となく、N2に還元される。しかし、このN2への還元
は、排ガス中に含まれるNOのごく一部であり、大部分
は活性酸素(O)によって酸化されて二酸化窒素NO2
へと酸化される。これらのことは、以下の式で表すこと
ができる。
【0015】(1) NO+(N) → N2+(O) (2) NO+(O)+M → NO2+M ここで、Mは、第三体物質を表しており、この第三体物
質Mは、反応で得られた過剰エネルギーを吸収し、反応
を効果的に進める物質であり、空気中では、窒素や酸素
を示している。
【0016】前記(2)式に示すように、排ガス中に含
まれるNOは、低温プラズマを印加することにより、そ
のほとんどすべてが、NO2に酸化される。NO2量が最
大値となるときの低温プラズマの印加電圧は、従来のプ
ラズマ法で用いられている印加電圧よりも、大幅に低い
値となる。
【0017】これよりも、高い電圧を印加すると、生成
されたNO2は、低温プラズマ印加によって生成される
活性窒素の影響により、更に、反応が進み、次式(3)
に表すように、N2Oに還元される。このN2Oは近年、
地球温暖化ガスとして注目されている。
【0018】 (3) NO2+(N) → N2O+(O) 更に、水分存在下において、NO2の一部は、前記第三
体物質M及びOHラジカルの影響により、次式(4)に
表すように、硝酸(HNO3)に酸化される。
【0019】 (4) NO2+(OH)+M → HNO3+M また、水分が存在しない場合は、NO2の一部は、空気
中の活性酸素(O)により、次式(5)に表すように、
硝酸イオン(NO3 -)となる。
【0020】(5) NO2+(O)+e → NO3 - また、同時に、NO2の一部は、空気中の活性酸素
(O)により、次式(6)に表すように、再び、NOに
還元される。
【0021】(6) NO2+(O) → NO+O2 このように、空気中に存在する活性酸素及び活性窒素に
よって、NOxの酸化・還元サイクルが影響を受けて、
NO及びNO2が酸化・還元されている。また、この窒
素酸化物の酸化・還元サイクル中に、前記副生成物(N
2O,HNO3,NO3 -等)が生成される。このため、窒
素酸化物の完全な除去には、限界があることがわかる。
副生成物のうち、HNO3及びNO3 -の除去は容易であ
るが、地球温暖化ガスとして、近年注目されているN2
Oガスの除去は困難であることが知られている。
【0022】低温プラズマ印加によって、NOはNO2
に酸化されるが、印加電圧の増加によって、更に、反応
が進むと、前記NO2が酸化・還元されて、前記副生成
物が生成される。
【0023】本発明は、低温プラズマ印加によって、前
記(2)式にしたがって排ガス中のNOがNO2に酸化
される場合に、NO2量が最も大きくなる印加電圧を基
準値として、プラズマ印加の電圧を設定することによ
り、NO2の反応を抑制して、NO2反応の促進による副
生成物の発生を低減し、窒素酸化物中に含まれるNOを
最大量近傍のNO2に酸化することが可能となる。
【0024】酸化されたNO2は、還元剤溶液を用い
て、排ガス中から比較的容易に除去されるため、排ガス
中の窒素酸化物から生成されるNO2量が最大値となる
電圧を基準値として印加電圧を設定し、従来のプラズマ
法による印加電圧よりも大幅な低電圧(又は、大幅な低
電力)で、NOをNO2に酸化できるので、エネルギー
消費を削減して、コスト低減を図ることができる。
【0025】また、NO2が最大値となる電圧を基準値
として、印加電圧を設定するため、生成される副生成物
の生成量を抑制することができ、除去の困難な副生成物
の発生を抑制して、効率的な窒素酸化物の浄化方法を提
供することが可能となる。
【0026】このように、NO2量が最大値となる電圧
を基準値として、前記低温プラズマ印加電圧を設定し、
ガス中に含まれるNOをNO2に酸化させた後、還元剤
でNO2を処理するので、プラズマ法のみを用いた場合
や、SCR等の従来方法よりも効率的にNOxを除去す
ることができる。
【0027】本願第2請求項に記載した発明は、排ガス
中に含まれる窒素酸化物を除去する排ガスの浄化方法に
おいて、前記排ガスの浄化方法は、排ガスに大気圧低温
非平衡プラズマを印加して窒素酸化物を除去するもので
あって、前記大気圧低温非平衡プラズマ印加によってガ
ス中のNOが酸化されてNO2を生成し、前記NOが所
定値以下となるとともに、酸化生成されるNO2が最大
値となる値を基準値として、生成される副生成物が所定
値以下となる任意の値を設定値として、前記大気圧低温
非平衡プラズマの印加電圧を設定する窒素酸化物の浄化
方法である。
【0028】このように、本発明は、ガス中のNOが所
定値以下となり、NOが酸化されて生成されるNO2
最大値となるとともに、NO2の反応が更に進んで、N
2の減少をきたすことにより、生成される副生成物の
量が所定値以下となる値を基準値として印加電圧を設定
し、前記所定値電圧を低温プラズマに印加することによ
り、生成された活性酸素等によって、排ガス中のNOが
酸化反応して、プラズマ印加工程後の処理が容易となる
NO2量を最大値近傍となるように生成することができ
る。
【0029】本発明の方法によれば、NO2の反応が更
に進んで生成される副生成物の量が所定値以下となる値
を基準値として設定するため、副生成物の発生を抑制し
て、後の工程でNO2を除去することが可能となる。
【0030】また、この方法では、NO2生成量が最大
値となる必要電圧を印加するため、従来のプラズマ法を
用いた場合よりも印加電圧を低い値に設定し、消費エネ
ルギーを削減して大幅なコストの低減を図ることができ
る。
【0031】本願第3請求項に記載した発明は、排ガス
中に含まれる窒素酸化物を除去する排ガスの浄化方法に
おいて、大気圧低温非平衡プラズマを排ガスに印加する
ことによってガス中のNOが酸化されてNO2が最大値
となる値を基準値として、印加電圧が設定された大気圧
低温非平衡プラズマを印加する工程と、前記大気圧低温
非平衡プラズマ印加した排ガスに還元剤溶液を反応させ
る工程とを備えた窒素酸化物の浄化方法である。
【0032】このように、排ガス中のNOが酸化されて
生成されるNO2が最大値となる印加電圧を基準値とし
て、低温プラズマに電圧を印加して、副生成物の生成を
抑制し、排ガス中に含まれるNOを効率的にNO2に酸
化させるとともに、低温プラズマ印加工程後の、最大量
のNO2が含まれるガスを、還元剤溶液と反応させるこ
とにより、排ガス中に含まれる窒素酸化物を効率的に除
去している。
【0033】本発明のように、低温プラズマ印加工程で
生成されるNO2が最大値となる値を基準値として印加
電圧の値を設定すると、従来のプラズマ方式で窒素酸化
物を浄化する場合よりも、低い電圧を設定値とすること
ができ、消費エネルギーを削減して、コストの低減を図
ることが可能となる。
【0034】また、本発明は、プラズマ印加による乾式
の工程のみならず、低温プラズマ印加後の排ガスを還元
剤溶液と反応させる湿式の工程(還元剤溶液を用いたケ
ミカルプロセス)を用いるため、最大量近傍のNO2
含まれている排ガス中からNO2を100%近く除去す
ることができ、従来の窒素酸化物浄化効率よりも高い効
率で窒素酸化物を除去することが可能となる。
【0035】本願第4請求項に記載した発明は、排ガス
中に含まれる窒素酸化物を除去する排ガスの浄化方法に
おいて、前記大気圧低温非平衡プラズマ印加によってガ
ス中のNOが酸化されてNO2を生成し、前記NOが所
定値以下となるとともに、酸化生成されるNO2が最大
値となる値を基準値として、生成される副生成物が所定
値以下となる任意の値を設定値として、印加電圧が設定
された大気圧低温非平衡プラズマを印加する工程と、前
記大気圧低温非平衡プラズマ印加した排ガスに還元剤溶
液を反応させる工程とを備えた窒素酸化物の浄化方法で
ある。
【0036】このように、排ガス中のNOを所定値以下
とし、酸化生成されたNO2量が最大値となる値を基準
値とし、反応中に生成される副生成物を所定値以下とす
る任意の値を印加電圧の設定値とすることにより、副生
成物の生成を所定値以下に抑制して、排ガス中に含まれ
るNOを低電圧で効率的にNO2に酸化し、その後、N
2最大限度含まれる排ガスと還元剤溶液を接触させる
ことにより、前記還元剤溶液の作用によって、排ガス中
に含まれる窒素酸化物を効率良く除去することが可能と
なる。
【0037】本願第5請求項に記載した発明は、排ガス
中に含まれる窒素酸化物を除去する排ガスの浄化方法に
おいて、大気圧低温非平衡プラズマを排ガスに印加する
ことによってガス中のNOが酸化されてNO2が最大値
となる値を基準値として、印加電圧が設定された大気圧
低温非平衡プラズマを印加する工程と、前記大気圧低温
非平衡プラズマ印加した排ガスに還元剤溶液を反応させ
る工程とを備え、前記大気圧低温非平衡プラズマ印加に
よる乾式工程と、前記還元剤溶液を用いた湿式工程の二
段階の工程によって、排ガス中の窒素酸化物を除去する
窒素酸化物の浄化方法である。
【0038】このように、排ガス中のNOが酸化されて
生成されるNO2が最大値となる印加電圧を基準値とし
て、低温プラズマに電圧を印加して、副生成物の生成を
抑制し、排ガス中に含まれるNOを効率的にNO2に酸
化させるとともに、低温プラズマ印加工程後の、最大量
のNO2が含まれるガスを、還元剤溶液と反応させる二
段階の工程を用いたことにより、排ガス中に含まれる窒
素酸化物を効率的に除去している。
【0039】本発明のように、低温プラズマ印加工程で
生成されるNO2が最大値となる値を基準値として印加
電圧の値を設定することにより、従来のプラズマ方式よ
りも、設定電圧を低くすることができ、消費するエネル
ギーを削減して、コストの低減を図ることが可能とな
る。
【0040】また、本発明は、低温プラズマ印加による
乾式の工程と、低温プラズマ印加後の排ガスを還元剤溶
液と反応させる湿式の工程の二段階の工程とすることに
より、NO2を100%近く除去することが可能とな
り、従来方式と比較して、高い効率で窒素酸化物を除去
することが可能となる。
【0041】本願第6請求項に記載した発明は、排ガス
中に含まれる窒素酸化物を除去する排ガスの浄化方法に
おいて、大気圧低温非平衡プラズマを排ガスに印加する
ことによってガス中のNOが酸化されてNO2を生成
し、前記NOが所定値以下となるとともに、酸化生成さ
れるNO2が最大値となる値を基準値として、NO2反応
によって生成される副生成物が設定値以下となる任意の
値を設定値として、印加電コスト低減を図ることが可能
となる。
【0042】電圧が設定された大気圧低温非平衡プラズ
マの印加する工程と、前記大気圧低温非平衡プラズマ印
加した排ガスに還元剤溶液を反応させる工程とを備え、
前記大気圧低温非平衡プラズマ印加による乾式工程と、
前記還元剤溶液を用いた湿式工程の二段階の工程によっ
て、排ガス中の窒素酸化物を除去する窒素酸化物の浄化
方法である。
【0043】このように、排ガス中のNOを所定値以下
とし、酸化生成されたNO2量が最大値となる値を基準
値とし、反応中に生成される副生成物を所定値以下とす
る任意の値を印加電圧の設定値とすることにより、副生
成物の生成を所定値以下に抑制して、排ガス中に含まれ
るNOを低電圧で効率的にNO2に酸化し、その後、N
2が最大限度含まれる排ガスと還元剤溶液を反応させ
る二段階の工程を用いることにより、前記還元剤溶液の
作用によって、排ガス中に含まれる窒素酸化物を効率良
く除去することが可能となる。
【0044】また、本発明の方法によれば、環境に影響
のある除去の困難な副生成物の発生を抑制し、低コスト
で、且つ、効率的に排ガス中の窒素酸化物を除去するこ
とができる。
【0045】本願第7請求項に記載した発明は、排ガス
中に含まれる窒素酸化物を除去する排ガスの浄化方法に
おいて、大気圧低温非平衡プラズマを排ガスに印加する
ことによってガス中のNOが酸化されてNO2が最大値
となる値を基準値として、印加電圧が設定された大気圧
低温非平衡プラズマを印加する工程と、前記大気圧低温
非平衡プラズマ印加した排ガスに還元剤溶液を反応させ
る工程とを備え、前記大気圧低温非平衡プラズマ印加工
程と、前記還元剤溶液を用いた工程が組み合わされた半
乾式の一段階の工程によって、排ガス中の窒素酸化物を
除去する窒素酸化物の浄化方法である。
【0046】このように、排ガス中の窒素酸化物を最大
限度NO2に酸化する電圧を基準値として、低温プラズ
マに印加する電圧を設定し、前記低温プラズマ印加後の
排ガスを還元剤溶液と接触させることにより、排ガス中
の窒素酸化物を除去することが可能となる。
【0047】前記低温プラズマ印加する工程に、還元剤
溶液と接触させる工程を組み合わせて半乾式の一段階の
工程とすることにより、工程数を低減して、効率的に排
ガス中の窒素酸化物を除去し、大幅なコスト低減を図る
ことが可能となる。
【0048】本願第8請求項に記載した発明は、排ガス
中に含まれる窒素酸化物を除去する排ガスの浄化方法に
おいて、大気圧低温非平衡プラズマを排ガスに印加する
ことによってガス中のNOが酸化されてNO2を生成
し、前記NOが所定値以下となるとともに、酸化生成さ
れるNO2が最大値となる値を基準値として、NO2反応
によって生成される副生成物が所定値以下となる任意の
値を設定値として、印加電圧が設定された大気圧低温非
平衡プラズマの印加する工程と、前記大気圧低温非平衡
プラズマ印加した排ガスに還元剤溶液を反応させる工程
とを備え、前記大気圧低温非平衡プラズマ印加工程と、
前記還元剤溶液を用いた工程が組み合わされた半乾式の
一段階の工程によって、排ガス中の窒素酸化物を除去す
る窒素酸化物の浄化方法である。
【0049】このように、所定値の電圧を設定して、低
温プラズマを印加することにより、排ガス中の窒素酸化
物NOは、全てNO2に酸化される。また、NO2の反応
がさらに促進されて発生するN2O等の副生成物の生成
を抑制することができる。そして、酸化されたNO2
還元剤溶液を接触させることにより、排ガス中に含まれ
る窒素酸化物を容易に除去することが可能となる。排ガ
ス中のNOが所定値以下となり、また、低温プラズマ印
加によって生成されるNO2の値が最大値となるととも
に、反応中に生じる副生成物が所定値以下となる電圧を
低温プラズマの印加電圧として設定すると、従来のプラ
ズマ法で用いられていた電圧よりも低い電圧を印加する
こととなり、消費電圧を削減して、コスト低減を図るこ
とができる。
【0050】本願第9請求項に記載された発明は、排ガ
ス中に含まれる窒素酸化物を除去する窒素酸化物の浄化
方法において、排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを
印加する工程と、前記大気圧抵抗非平衡プラズマを印加
した排ガスに還元剤溶液を反応させる工程とを備え、前
記大気圧低温非平衡プラズマ印加による乾式工程と、前
記還元剤溶液を用いた湿式工程を備えた窒素酸化物の浄
化方法である。
【0051】このように、低温プラズマ印加によって、
排ガス中に含まれる窒素酸化物を、酸化し、前記排ガス
に還元剤溶液を反応させることにより、排ガス中の窒素
酸化物を排ガスから容易に除去することが可能となる。
このため、従来法よりも、低電圧でプラズマ印加するこ
とが可能となり、高電圧の印加が必要であった従来法よ
りも、消費エネルギーを削減し、コスト低減を図ること
ができる。また、副生成物の発生を制限して、従来方法
よりも高い効率で、排ガス中から窒素酸化物を除去する
ことが可能となる。
【0052】本願第10請求項に記載した発明は、排ガ
ス中に含まれる窒素酸化物を除去する窒素酸化物の浄化
方法において、排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを
印加する工程と、前記大気圧低温非平衡プラズマを印加
した排ガスに還元剤溶液を反応させる工程とを備え、前
記大気圧低温非平衡プラズマ印加による乾式工程と、前
記還元剤溶液を用いた湿式工程の二段階の工程によっ
て、排ガス中の窒素酸化物を除去する窒素酸化物の浄化
方法である。
【0053】このように、排ガス中に含まれる窒素酸化
物を、低温プラズマ印加により酸化し、その後の工程
で、排ガスと還元剤溶液を接触させることにより、排ガ
ス中の窒素酸化物を排ガスから容易に除去することが可
能となる。このため、従来法よりも、プラズマ印加のた
めの電圧を低電圧とすることができ、消費エネルギーを
削減して、コスト低減を図ることができる。また、副生
成物の発生を制限して、従来の方法よりも、高い効率
で、排ガス中から窒素酸化物を除去することが可能とな
る。
【0054】本願第11請求項に記載した発明は、排ガ
ス中に含まれる窒素酸化物を除去する窒素酸化物の浄化
方法において、排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを
印加する工程とともに、前記大気圧低温非平衡プラズマ
印加した排ガスに還元剤溶液を反応させる工程とを備
え、前記大気圧低温非平衡プラズマ印加工程と、前記還
元剤溶液を用いた工程が組み合わされた半乾式の一段階
の工程によって、排ガス中の窒素酸化物を除去する窒素
酸化物の浄化方法である。
【0055】このように、排ガス中に含まれる窒素酸化
物を、低温プラズマ印加により酸化し、排ガスと還元剤
溶液を接触させることにより、排ガス中の窒素酸化物を
排ガスから容易に除去することが可能となる。このた
め、従来法よりも、プラズマ印加のための電圧を低電圧
とすることができ、消費エネルギーを削減して、コスト
低減を図ることができる。また、副生成物の発生を制限
して、従来の方法よりも、高い効率で、排ガス中から窒
素酸化物を除去することが可能となる。
【0056】また、低温プラズマ印加工程に、排ガスと
還元剤溶液を反応させる工程を組み合わせた半乾式の一
段階の工程とすることにより、窒素酸化物の除去工程を
減らし、処理数低減による処理工程の簡易化と、コスト
低減を図ることが可能となる。
【0057】本願第12請求項に記載した発明は、前記
第1請求項乃至第11請求項いずれか記載の窒素酸化物
の浄化方法において、前記大気圧低温非平衡プラズマを
用いる工程は、パルス放電方式、強誘電体ペレット充填
放電方式、無声放電(バリア放電),沿面放電,又は、
これらの結合による方式を用いた窒素酸化物の浄化方法
である。
【0058】このように低温プラズマ印加方法として、
パルス放電方式、強誘電体ペレット充填放電方式、無声
放電(バリア放電)、沿面放電、又は、これらの結合に
よる方式を用いることができ、従来のように真空条件の
整備等の複雑な工程を必要とせずに、比較的簡易な工程
で、大気圧で低温プラズマを発生させることが可能とな
る。
【0059】本願第13請求項に記載した発明は、前記
請求項1乃至請求項12いずれか記載の発明において、
前記還元剤は、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)及び硫
化ナトリウム(Na2S)を用いた窒素酸化物の浄化方
法である。
【0060】このように、プラズマ印加後の排ガスに、
Na2SO3溶液又はNa2S溶液のように強力な還元作
用を示す還元剤溶液と接触させることにより、プラズマ
印加されて、酸化された窒素酸化物NO2が容易に反応
し、排ガス中の窒素酸化物を効率よく除去できる。な
お、還元剤は、前記Na2SO3又はNa2Sに限らず、
他の還元剤を使用することも可能である。
【0061】本願第14請求項に記載した発明は、排ガ
ス中に含まれる窒素酸化物を除去する窒素酸化物の浄化
装置であって、排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを
印加するリアクタと、前記排ガスに、還元剤溶液を用い
てスクラバを備え、前記大気圧低温非平衡プラズマ印加
する乾式処理と、前記還元剤溶液を用いて湿式処理の二
段階の処理部を用いて、排ガス中の窒素酸化物を除去す
る窒素酸化物の浄化装置である。
【0062】このように、本発明の窒素酸化物浄化装置
は、排ガスに低温プラズマを印加するリアクタと、リア
クタ通過後の排ガスと還元剤溶液を接触させるスクラバ
を備えることにより、リアクタ内部で低温プラズマを印
加して、排ガス中の窒素酸化物を酸化し、酸化されたN
2をスクラバ内で還元剤溶液と反応させて、効率よく
排ガス中から窒素酸化物を除去する。
【0063】従来のプラズマ法のみを用いた場合は、印
加電圧等のエネルギー消費量が多くなり、窒素酸化物除
去にかかるコストが高騰し、窒素酸化物除去はコスト高
となっていたが、プラズマリアクタ、スクラバの二段階
の装置を用いることにより、低コストで、効率的に排ガ
ス中の窒素酸化物を除去することができる。また、従来
の一段階の方式による窒素酸化物除去で問題となってい
た副生成物の発生も制限することができる。
【0064】本願第15請求項に記載した発明は、排ガ
ス中に含まれる窒素酸化物を除去する窒素酸化物の浄化
装置であって、排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを
印加するリアクタと、前記リアクタ内部に、大気圧低温
非平衡プラズマが印加された排ガスと還元剤溶液を接触
させる手段を備え、前記非熱プラズマ印加による処理
に、前記還元剤溶液を用いた処理を組み合わせて、一段
で処理を行う窒素酸化物の浄化装置である。
【0065】このように、リアクタに、プラズマ印加後
の排ガスと、還元剤溶液を接触させる手段が備えられて
いると、排ガスに低温プラズマ印加する工程と還元剤溶
液を反応させる工程の二段階の処理を一つの装置内で行
うことができ、装置の低コスト化及び作業スペースを削
減することが可能となる。
【0066】本願第16請求項に記載した発明は、前記
請求項14又は15記載の発明において、前記リアクタ
において、大気圧低温非平衡プラズマを発生させる手段
は、パルス放電方式,強誘電体ペレット充填放電方式、
無声放電(バリア放電),沿面放電,又は、これらの結
合による方式を用いた手段によって行う窒素酸化物の浄
化装置である。
【0067】このように、リアクタ内部にプラズマを発
生させる手段として、パルス放電方式等の多種の方式を
用いることができ、また、これらの方式を用いることに
より、真空条件が必要となる複雑な条件を整える必要な
く、比較的簡易な構造の装置を用いてプラズマ印加が可
能となる。
【0068】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体例を図面に基
づいて説明する。
【0069】まず、図1は、本発明の具体例に係り、リ
アクタ構成を示す図である。また、図2は、本例に係る
排ガスの浄化装置の概略構成図を示す。これらの図に基
づいて、排ガスの浄化装置について説明する。
【0070】図1に示すように、本例のリアクタ3は、
容器内部に吸着材として、所定のペレット材を充填した
バリアタイプのパックドベッドリアクタであり、中央部
に直径1.6mmのワイヤ状の放電線を備えている。
この放電線に所定値に設定された電圧及び周波数のAC
電流を印加することにより、常温常圧下で低温プラズマ
を発生させる装置である。
【0071】図1に示すように、リアクタ3は、密閉容
器であるリアクタ本体31に所定のペレット材32が収
納されており、リアクタ本体31の内部中央に配設され
たワイヤー状の中央電極38及びリアクタ外周に設けら
れたメッシュスクリーン状の外部電極39から構成され
るプラズマ電極を設けている。
【0072】このリアクタ本体31は、パイレックス製
の素材を用いて、直径20mm程度、長さ30cm程度
の直管状に形成されており、上下の開口部は、シリコン
製の素材を用いたブッシュ35,36によって閉塞され
ている。
【0073】また、このリアクタ本体31の上側及び下
側の側方には、それぞれ、配管接続部33,34が設け
られており、上下側の接続部33,34は、実験装置の
ガス配管にそれぞれ接続されている。
【0074】前記誘電体ペレットは、リアクタ本体の上
下に設けられた接続孔間に位置するように充填されてい
る。すなわち、リアクタ本体の下側接続孔の上方に、絶
縁体のテフロン等の素材を用いて、多孔を設けた円板3
7が配置されており、この円板37でペレット材32
を、リアクタ本体31内に保持するとともに、ガスが円
板37を通過できるように構成されている。
【0075】プラズマ電極を構成するリアクタ本体31
内に配置された中央電極38と、リアクタ本体の外周に
設けられた外部電極39は、それぞれ電源部に電気的に
接続されている。
【0076】すなわち、前記中央電極38には、ステン
レス・スチールワイヤーが用いられており、この中央電
極38の下側は、リアクタ本体内に設けられた円板37
の中心に接続され、その上端は、リアクタ本体の上側開
口を閉塞するブッシュ35の中央を貫通して、電源部に
電気的に接続されている。
【0077】また、外部電極39は、銅製のメッシュス
クリーン状に形成されて、リアクタ本体31の外周を覆
うように構成され、中央電極38と同様に電気的に電源
部5に接続されている。
【0078】従って、電源部5から中央電極38に、例
えば、60HzのAC電源(30kV、10mA)で電
流を印加すると、中央電極38と外部電極39の間に位
置する誘電率の比較的低い吸着材の間に常温常圧下にお
いて、非熱プラズマ(電離気体)を発生させることがで
きる。
【0079】尚、プラズマ電極に印加するAC電流は、
前述した60Hzに限らず、条件に応じて、1Hz〜1
00MHzで設定してもよい。
【0080】例えば、中央電極38及び外部電極39間
に電圧を印加することにより、ペレット間近傍は高電界
となり、排ガスのガス分子や気体分子は、加速された電
子からエネルギーを与えられて電離され、反応性の高い
ラジカルとなって、ラジカル反応・イオン反応により、
解離・分解し、連鎖的に前記(1)式乃至(6)式のよ
うに反応して分解反応が進んでいくものと考えられる。
【0081】次に、前述したリアクタ3を用いた実験装
置1について説明する。
【0082】図2に示すように、この実験装置1は、所
定成分の試料ガスを発生するガス発生供給部2と、前述
した吸着材32を備えたリアクタ3と、このリアクタ3
に流入・排出されるガスの成分や、濃度を測定する測定
部4と、このリアクタ3のプラズマ電極に電力を供給す
る電源部5とから構成されている。
【0083】このガス発生供給部2は、電導モータによ
って駆動されるコンプレッサ21と、このコンプレッサ
21が生成したエア圧力を安定化する所定容量のエアタ
ンク22と、エア流量を一定に調節する自動調整弁23
と、エア中に含まれる水分を除去するエア乾燥機24に
至る配管経路及び試料ガス発生器25をバイパスした配
管経路上にもうけられて、試料ガスの濃度や、全体の流
量を調節する2つの制御弁26,27とから構成されて
いる。また、制御弁26は、NOタンク28から所定濃
度のNOを供給する制御弁ともなっている。
【0084】この実験装置1において、前記試料ガス発
生器25は、所定容量の容器に、所要成分の試料を溶解
させた溶液を充填し、この溶液内にエア供給口が位置す
るように配設するとともに、同溶液面の上にエア排出口
が位置するように構成されている。従って、溶液中をエ
アが通過することにより、この通過エア中に試料成分が
十分に含まれる。
【0085】また、試料ガス発生器25に接続されたガ
ス供給配管には、流量制御弁26が設けられるととも
に、試料ガス発生器25をバイパスする配管経路上に
も、同様に流量制御弁27が設けられている。従って、
流量制御弁26,27の絞り開度を調節することによ
り、試料ガス発生器25が生成したガスと通流するエア
との比率を変更でき、リアクタ3に供給する試料ガスの
流量や成分濃度を、任意に設定することができる。
【0086】また、リアクタ3から送出されるガス配管
には、このガス配管を通流する排ガスと還元剤溶液を接
触させるスクラバ6が配設されている。
【0087】このスクラバ6内部で、低温プラズマ印加
により酸化・還元された排ガス中に還元剤溶液を均質に
噴霧する。
【0088】また、リアクタ3流入前の試料ガス若しく
はリアクタ3通過後の試料ガス、又は、スクラバ6流入
前の試料ガス若しくはスクラバ6通過後の試料ガス、を
採取する配管が設置され、リアクタ3通過前後、リアク
タ3通過後であって、スクラバ6通過前後の各状態の試
料ガスを採取できるような配管構成となっている。
【0089】これらの配管には、試料ガス中の窒素酸化
物を測定する化学発光式窒素酸化物測定計41(Model
200AH Advanced Pollution Instrumentation)が備えら
れリアクタ3通過前後の排ガス中の窒素酸化物、及び、
スクラバ6通過前後の排ガス中の窒素酸化物の測定を行
っている。
【0090】また、化学発光式窒素酸化物測定計41
は、図示を省略した記録器に接続され、実験時の時間経
過に伴う変化を記録できるようにしている。
【0091】また、前記電源部5は、外部電源51と、
外部電源51からの電力を任意の電圧・電流に変換する
変圧器52を通じて、供給電流及び電圧を測定して監視
する電流及び電圧計53とから構成されている。
【0092】次に、前記実験装置1を用いて行った第1
の実験結果について図面に基づき説明する。
【0093】図3に、リアクタ3内部に充填する各ペレ
ット材32の電流、電圧特性を示す。
【0094】本例に用いたペレット材32は、ガラス製
ペレット及びチタン酸バリウムを用いたペレットの2種
である。
【0095】GPRは、直径6mm程度のリアクタ内部
に、誘電率の比較的低い(ε=4)ガラス製のペレット
を充填したリアクタであり、また、FPRは、直径6m
m程度のリアクタ内部に、誘電率の比較的高い(ε>
5,000)チタン酸バリウム(BaTiO3)製のペ
レットを充填したリアクタである。
【0096】本例のバリアタイプのリアクタ3は、60
HzのAC電源(30kV、10mA)を用いたリアク
タであり、常温常圧下でプラズマを発生することができ
る。なお、低温プラズマの発生が可能であれば、形式或
は電源装置は、本例のリアクタ等の形状に限定する必要
はない。
【0097】図3に示すように、GPRのスパーク電圧
は、25kVであり、FPRのスパーク電圧は、22.
5kVであった。なお、リアクタ3の消費電力は、壁プ
ラグ電力の約27%であった。
【0098】次に、前記実験装置1を用いて実際に実験
を行った結果について説明する。
【0099】<実験1>まず、ベースラインデータを得
るために、乾燥空気中の窒素酸化物(NO,NO2)の
濃度を測定した。
【0100】図4は、リアクタ3にガラス製のペレット
を充填したGPRを用いて、乾燥空気流量を変化させ、
この流量変化に対するリアクタ3通過後の乾燥空気中の
NO濃度及びNO2濃度を測定した結果を示す図であ
る。
【0101】本例においては、乾燥空気流量を、2.0
L/min、4.0L/min、8.0L/minと変
化させてNO濃度及びNO2濃度を測定した。前記各流
量における乾燥空気の滞留時間は、流量2.0L/mi
nの場合に2.6秒、流量4.0L/minの場合に
1.3秒、流量8.0L/minの場合に0.7秒であ
った。なお、前記滞留時間は、空隙率を考慮していない
数値である。
【0102】図4に示すように、乾燥空気中のNO2
度は、リアクタ3内部の滞留時間が長く、また、リアク
タ3に印加する電圧が上昇するほどリアクタ3通過後の
乾燥空気中のNO2濃度が高くなることが確認できる。
【0103】一方、NO濃度は、滞留時間の変化に拘ら
ず、また、印加電圧を上昇させてもリアクタ3通過後の
濃度が全て0ppmであった。
【0104】このことから、NOはリアクタ3内部で、
滞留時間かかわらず、低電圧すなわち小電力で、全て酸
化されていることが確認できる。
【0105】<実験2>次に、第2の実験例として、リ
アクタ3として、チタン酸バリウム製のペレットを充填
したFPRを用いて、内部に所定の試料ガスを通流さ
せ、リアクタ3通過後の試料ガス中のNO濃度、NO2
濃度、及び、前記NO濃度及びNO2濃度の和であるN
Ox濃度を測定した結果を示す。本実験において、試料
ガスとして、5%濃度の窒素ガスを、乾燥空気と混合し
て所定濃度としたものを用いた。また、本実験例の試料
ガス流量は、2.0L/min(リアクタ3内滞留時間
2.6秒)に調整されている。
【0106】図5は、印加電圧を変化させた場合に、F
PRを通過した試料ガス中のNO,NO2及びNOxの濃
度変化を示す図である。
【0107】図5に示すように、印加電圧が0kVのと
き、NOの初期濃度は、125ppmであり、NO2
初期濃度は、35ppm、前記初期のNO濃度及び初期
のNO2濃度の和であるNOxは、160ppmである。
【0108】印加電圧を上昇させて印加電圧が4.5k
Vのとき、NO濃度は、初期濃度125ppMから90
ppm程度に減少し、一方、NO2濃度は、35ppm
から75ppm程度に増加する。ここで、NO濃度及び
NO2濃度の和であるNOx濃度は、160ppmのまま
変化していない。従って、FPRに4.5kVの電圧が
印加されると、NOは、N2Oや、HNO3等の副生成物
を発生することなく、前記(2)式に表される酸化反応
により、全てNO2に酸化されていることが確認でき
る。従って、プラズマ内部では、試料ガス中のNOは、
前記(1)式のような還元作用が起こりにくく、前記
(2)式で表される酸化反応により、全てNO2に酸化
されていることが確認できる。
【0109】次に、FPRに印加する電圧を上昇させて
6.7kVにすると、NO濃度は、初期濃度125pp
mから0ppmとなる。一方、印加電圧6.7kVのと
きのNO2濃度は、初期濃度35ppmから140pp
mに増加する。
【0110】また、前記NO濃度及びNO2濃度の全体
の和であるNOx濃度は、初期濃度160ppmから1
40ppmとなり、前記初期濃度と比較して20ppm
相当の二酸化窒素NO2が、前記(3)式、(4)式及
び(5)式に表される反応によって、他の窒素酸化物、
2O、HNO3(或は、NO3 -)に酸化・還元されてい
ることが推測できる。
【0111】更に、FPRに印加する電圧を7.0kV
以上に上昇させると、NO濃度は、0ppmを維持し、
NO2濃度及びNOx濃度は減少する。NOxは初期濃度
160ppmから120ppm程度にまで減少している
ことが確認できる。
【0112】ここで、初期濃度と比較して40ppm程
度のNOx濃度の減少していることから、一部のNO2
前記(3)式に示すようにN2Oに還元され、他のNO2
が、前記(4)式及び(5)式に示すように、HNO3
(或は、NO3 -)に酸化されていることが推測できる。
また、他の一部のNO2は、(6)式に示されるよう
に、NOに還元され、更に、還元されたNOは、(2)
式で示すように、再び、NO2に酸化され、連鎖的に酸
化・還元反応が繰り返されているものと考えられる。
【0113】従って、排ガス中の窒素酸化物を除去する
ためには、反応中に生じる副生成物が最小値近辺となる
ような条件を選ぶことが重要になってくる。
【0114】ここで、近年において、排ガスにプラズマ
を印加し、排ガス中に含まれる窒素酸化物を反応させる
と、この反応によって生じる副生成物うち、90%以上
がHNO3であり、残りの少量がN2Oであるという報告
がなされている(Fourth International Conference on
Advanced Oxidation Technologies for Water and Air
Remediation Sept. 1997,p57、及び1997 IEEE-IAS mee
ting,New Orleans Oct.5-9,1997,pp1937-1941)。
【0115】副生成物として生成されるHNO3は反応
性に富むため、処理が容易であり、浄化処理プロセスの
簡易化の実現が推測される。
【0116】<実験3>次に、第3の実験例として、リ
アクタ3としてガラス製のペレットを充填したGPRを
用いて、リアクタ3内部に所定の試料ガスを通流させ、
リアクタ3通過後の試料ガス中のNO濃度、NO2
度、及び、前記NO濃度及びNO2濃度の和であるNOx
濃度を測定した結果を示す。
【0117】本実験において、前記第2の実験と同様
に、試料ガスとして、5%濃度の窒素ガスを、乾燥空気
と混合して所定濃度としたものを用いた。また、本実験
例の試料ガス流量は、4.0L/min(リアクタ3内
滞留時間1.3秒)に調整されている。図6は、実験3
の結果を示す図である。
【0118】図6に示すように、電圧を印加していない
リアクタ(印加電圧0kV)通過後の試料ガス中のNO
初期濃度は、70ppmであり、NO2初期濃度は、5
ppmであり、前記NO初期濃度及びNO2初期濃度の
和であるNOx初期濃度は、75ppmである。
【0119】電圧を印加していないリアクタ3通過後の
試料ガスが、スクラバ6を通過して還元剤溶液と反応す
ると、NOx濃度は68ppmに減少する。
【0120】NOは、還元剤溶液、本実験の場合は、亜
硫酸ナトリウム溶液(Na2SO3溶液)とは、全く反応
しない。一方、試料ガス中のNO2は、Na2SO3溶液
と反応し、還元剤溶液であるNa2SO3溶液をNa2
4溶液に酸化する。ここで、酸化されたNa2SO4
水に溶解し、無害である。
【0121】すなわち、リアクタ通過後の試料ガスを強
力な還元剤溶液(Na2SO3溶液、Na2S溶液等)と
反応させることにより、試料ガス中のNO2が反応し
て、試料ガス中からNO2が除去される。
【0122】従って、前述のように、印加電圧0kVの
リアクタ3及びスクラバ6を通過した試料ガス中のNO
x濃度が減少しているのは、NOが空気により自然酸化
されてNO2となり、前記還元剤溶液と反応してNO2
除去されているためと推測できる。
【0123】次に、リアクタ3に印加する印加電圧を
6.7kVに上昇させ、NO濃度を測定すると、初期濃
度70ppmから55ppmに減少し、一方、NO2
度は、初期濃度5ppmから20ppmに増加する。N
Ox濃度は、75ppm程度である。ここで、NOx濃度
が、初期濃度から変化していないため、初期濃度と比較
して減少したNOは、全てNO2に酸化されていること
が推測できる。
【0124】リアクタ3通過後、前記濃度の試料ガスが
スクラバ6を通過すると、リアクタ通過後75ppmで
あったNOx濃度は、55ppmに減少する。従って、
スクラバ内で試料ガスが還元剤溶液が反応すると、還元
剤溶液であるNa2SO3溶液の強力な還元作用により、
排ガス中から約20ppm程度の窒素酸化物が除去され
ることが確認できる。
【0125】次に、リアクタ3に、GPRの最大加電圧
である25kVの半分の電圧である13.5kVを印加
する。このとき、NO濃度は、初期濃度55ppmから
3ppm以下に減少する。一方、NO2濃度は、初期濃
度5ppmから38ppmに増加する。NOx濃度は、
38ppm程度となる。更に、前記試料ガスをスクラバ
内部を通過させ、還元剤溶液と接触させると、NOx濃
度が2ppmまで減少する。すなわち、試料ガスを還元
剤溶液と反応させると、窒素酸化物が試料ガス中から除
去され、Na2SO3が酸化されて、水に溶解されやすく
無害化されたNa2SO4のみが測定されることとなる。
【0126】本実験においては、NOxは、初期濃度7
5ppmから、電圧13.5kV加圧時に濃度38pp
mまで減少するため、37ppm程度のNO2が副生成
物として酸化・還元されていることとなる。また、この
副生成物のうちほとんどが、前記文献の記載から、処理
の簡単なHNO3となっていることが推測される。
【0127】従って、低温プラズマ印加によって生成さ
れるNO2量が最大値となる印加電圧を基準値としてリ
アクタ3に電圧を印加すれば、副生成物の生成量を最低
限度に押さえて窒素酸化物を除去することが可能となる
ことが推測できる。
【0128】また、生成されるNO2量が最大値となる
印加電圧は、更に反応を進ませてNO2量を低減させる
従来のプラズマ法よりも、低電圧であり、生成されるN
2量が最大値となる印加電圧を基準値として、リアク
タ3に印加する電圧を設定することにより、エネルギー
コストが低減され、窒素酸化物除去のためのコスト低減
を図ることが可能となる。
【0129】<実験4>次に、第4の実験例として、リ
アクタ3としてチタン酸バリウム製のペレットを充填し
たFPRを用いて、リアクタ3内部に所定の試料ガスを
通流させ、リアクタ3通過後の試料ガス中のNO濃度、
NO2濃度、及び、前記NO濃度とNO2濃度の和である
NOx濃度を測定した結果を示す。
【0130】本実験において、前記第3の実験と同様
に、試料ガスとして、5%濃度の窒素ガスを、乾燥空気
と混合して所定濃度としたものを用いた。また、本実験
例の試料ガス流量は、4.0L/min(リアクタ3内
滞留時間1.3秒)に調整されている。図7は、実験4
の結果を示す図である。
【0131】図7に示すように、電圧を印加していない
リアクタ(印加電圧0kV)通過後の試料ガス中のNO
の初期濃度は、130ppmであり、NO2の初期濃度
は、22ppmであり、前記NOの初期濃度及びNO2
の初期濃度の和であるNOxの初期濃度は、152pp
mである。
【0132】電圧を印加していないリアクタ3通過後の
試料ガスがスクラバ6を通過すると、前記濃度の試料ガ
スが還元剤溶液と反応し、NOx濃度は130ppm程
度に減少する。
【0133】従って、22ppm程度のNO2が還元剤
溶液との反応によって除去されていることが確認でき
る。
【0134】次に、リアクタ3に印加する印加電圧を
6.7kVに上昇させ、窒素酸化物の濃度を測定する
と、NOは、初期濃度130ppmから30ppmに減
少し、一方、NO2は、初期濃度22ppmから125
ppmに増加しており、NOx濃度は変化していない。
このため、NOの減少分だけNO2が増加していること
を確認することができる。6.7kVの電圧が印加され
たFPRを通過した試料ガスが、スクラバ6を通過して
還元剤溶液と反応すると、NOx濃度は、NO濃度と一
致する約30ppmの値を示すため、還元剤溶液との反
応によって、NO2のほぼ全てが除去されていることが
確認できる。
【0135】次に、リアクタに印加する電圧を9.0k
Vに上昇させると、NO濃度は、0ppmとなり、NO
2濃度は、130ppmとなる。また、NOx濃度は、N
O濃度が0ppmであるため、NO2濃度と同一の13
0ppmとなる。
【0136】従って、9.0kVの電圧が印加されて、
低温プラズマが発生するFPR内部を試料ガスが通過す
ると、プラズマリアクタ内部の試料ガス中に含まれてい
たNOは、前記(1)式のような還元作用は起こりにく
く、前記(2)式で表される酸化反応により全てNO2
に酸化されていることが確認できる。
【0137】更に、FPR通過後の試料ガスをスクラバ
6内を通過させて還元剤溶液と反応させ、その後のNO
x濃度を測定すると、NOx濃度は、0ppmとなる。
【0138】従って、FPR通過後の試料ガスが、還元
剤溶液と反応することにより、試料ガス中のNO2が全
て除去されていることが確認できる。
【0139】また、NOxの初期濃度と、9.0kVの
電圧が印加されたFPR通過後のNOx濃度と比較する
と、NOx濃度が、25ppm程度減少していることか
ら、約25ppm程度の副生成物が生成されていること
が確認できる。
【0140】これらの結果から、排ガスを所定電圧の印
加によって低温プラズマが発生されるFPR内部を通過
させると、低温プラズマにより発生する活性酸素及び活
性窒素等の影響により、排ガス中に含まれる全てのNO
が、前記(2)式にしたがってNO2に酸化され、この
NO2を含む排ガスを還元剤溶液と反応させると、排ガ
ス中のNO2が全て除去されることがわかる。
【0141】このように、排ガス中に含まれるNOは、
低温プラズマが発生されるリアクタ内部を通過させるこ
とにより、NO2に酸化され、更に、その排ガスを還元
剤溶液と反応させることにより、酸化生成されたNO2
のほぼ100%が排ガス中から除去されることが確認で
きる。
【0142】また、NOの酸化に伴って生成される副生
成物のほぼ90%が、処理しやすいHNO3に酸化され
るため、本実験例の窒素酸化物の浄化方法によれば、除
去されにくいN2Oは、2.5ppm程度の低濃度であ
ることが確認できる。
【0143】従って、窒素酸化物中のNOが最大限NO
2に酸化される電圧を基準値としてリアクタに電圧を印
加すると、排ガス中の窒素酸化物が酸化されて生成され
るNO2の量は最大値となり、一方、NO2の反応が更に
進んで副生成物が生成される量が最小値となるとなるこ
とがわかる。
【0144】従って、リアクタ3に印加する電圧を、リ
アクタ3を通過する排ガス中のNO2量が最大値となる
値を基準値として、設定することにより、副生成物を最
小限に押さえて、その後の除去反応がしやすいように効
率良く酸化することが可能となる。また、酸化生成され
るNO2量が最大値となる値を基準値として、印加電圧
を設定すると、従来のプラズマ法で排ガス中の窒素酸化
物を除去する場合よりも、低電圧の印加電圧ですみ、エ
ネルギーコストを低減することができる。
【0145】また、図6に示す第3の実験例及び図7に
示す第4の実験例の双方の結果を比較してみると、図7
に示すチタン酸バリウム製のペレットを充填したFPR
の方が、図6に示すガラス製のペレットを充填したGP
Rよりも低電圧(低電力)で、NOxを除去できること
が確認できる。更に、反応後のNOxの減少量から、F
PRの方が、GPRよりも副生成物の生成量が低いこと
が確認できる。
【0146】第4の実験例においては、酸化生成される
NO2量が最大値となる値は、9.0kVであり、この
値の電圧を基準値として、例えば、8.5kV〜9.0
kVの印加電圧で、リアクタを稼動する場合、電力消費
量は、30J/L(或は、8.3kW/Nm3/hr、
14W/cfm)である。
【0147】従って、本発明のリアクタ3を用いた装置
で、排ガス1トン中のNOを酸化させるために必要な電
力コストは、1,290ドル(アメリカ合衆国における
電気料に基づいて計算した。0.05ドル/kW・h
r)となる。
【0148】この値は、以前報告された他の形状のリア
クタを用いた場合の1トンのNOを処理するための電力
コスト(10ー20eV/mol)よりもやや高めであ
るが、値的にはほぼ一致する。
【0149】また、排ガス1トンを処理するために必要
な還元剤(Na2SO3)のコストは、440ドル/トン
である(Na2SO3の価格は、1トン当たり、0.44
ドル/kgとして計算した。)。
【0150】従って、プラズマ印加による乾式の方法
と、還元剤溶液と反応させる湿式の方式(ケミカルプロ
セス)を用いて、1トンの窒素酸化物を除去するために
必要なトータルコストは、1,730ドル/トンとな
る。
【0151】図8は、NOx濃度500ppm〜1,0
00ppmである排ガス1トンから窒素酸化物を除去す
るために、従来における各処理方法がかかったコストを
示す図である。
【0152】例えば、図8に示すように、従来のプラズ
マ方法で前記濃度の排ガス中の窒素酸化物を、除去効率
80%程度で除去する場合にかかる年間コストは、約1
2,000ドル/トンである。これは、図8中直線で示
す、従来において一般的に用いられているSCRと同等
の値か、更に高い値を示している。
【0153】また、図8中、黒丸印は、本発明の方法に
より、窒素酸化物除去にかかる年間コストを示してい
る。
【0154】従って、従来法の窒素酸化物除去効率95
%の場合にかかる年間コスト40,000ドル/トン
と、本発明の方法の窒素酸化物除去効率100%の場合
にかかる年間コスト1,730ドル/トンを比較してみ
ると、本発明の方法にかかるコストは、従来方法にかか
るコストの1/20以下に低減されていることがわか
る。
【0155】このように、本発明によれば、排ガス中の
窒素酸化物を、ほぼ100%近い高い効率で除去するこ
とができる。また、生成される副生成物も、濃度的に問
題とならないレベルまで低減することができ、生成され
た副生成物も大部分が、無害化されて除去される。
【0156】また、コスト的にも、従来方法と比較して
エネルギー消費を削減して、約1/20までコストを低
減することができる。
【0157】なお、本実験例においては、低温プラズマ
を印加するリアクタと、排ガスと還元剤を接触させるス
クラバを別装置として設置し、プラズマ印加による乾式
の処理と、還元剤を用いた湿式の処理(ケミカルプロセ
ス)の2段階の処理を行ったが、本実験例に限らず、例
えば、リアクタ内部に、還元剤と接触する手段を備える
ことにより、一段階の処理部内で、窒素酸化物除去処理
を行うことが可能となり、窒素酸化物除去の効率化、シ
ステムの簡略化、及び、配置スペースの低減化等の効果
を得ることが可能である。
【0158】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、排ガス
中に含まれる窒素酸化物を除去する排ガスの浄化方法に
おいて、前記排ガスの浄化方法は、排ガスに大気圧低温
非平衡プラズマを印加して窒素酸化物を除去するもので
あって、前記大気圧低温非平衡プラズマ印加によってガ
ス中のNOが酸化されてNO2が最大値となる値を基準
値として、前記大気圧低温非平衡プラズマの印加電圧を
設定する窒素酸化物の浄化方法である。
【0159】このように、低温プラズマ印加によって、
排ガス中のNOがNO2に酸化される場合に、NO2量が
最も大きくなる印加電圧を基準値として、低温プラズマ
に電圧を設定することにより、前記NO2の反応が更に
進んで生成される副生成物の発生を抑制し、排ガス中に
含まれるNOを最大限NO2に酸化することが可能とな
る。酸化されたNO2は、Na2SO3やNa2S等の還元
剤を用いて排ガス中から比較的容易に除去することがで
きる。
【0160】前記基準値となるNO2量が最大値となる
電圧は、低電圧であるため、エネルギー消費を低減し、
コスト低減を実効することができる。また、除去処理の
困難な副生成物の発生も抑制することができる。
【0161】また、本発明は、排ガス中に含まれる窒素
酸化物を除去する排ガスの浄化方法において、大気圧低
温非平衡プラズマを排ガスに印加することによってガス
中のNOが酸化されてNO2が最大値となる値を基準値
として、印加電圧が設定された大気圧低温非平衡プラズ
マを印加する工程と、前記大気圧低温非平衡プラズマ印
加した排ガスに還元剤溶液を反応させる工程とを備えた
窒素酸化物の浄化方法である。
【0162】このように、低温プラズマ印加による乾式
の工程と、低温プラズマ印加後の排ガスを還元剤溶液と
反応させる湿式の工程(還元剤溶液を用いたケミカルプ
ロセス)を用いることにより、排ガス中の窒素酸化物を
従来よりも高い効率で除去することが可能となる。
【0163】また、低温プラズマ印加による乾式工程
と、還元剤溶液を反応させる湿式工程を組み合わせて用
いた場合においても、排ガス中の窒素酸化物を従来より
も高い効率で除去することが可能となる。
【0164】また、本発明は、排ガス中に含まれる窒素
酸化物を効率的に除去する窒素酸化物の浄化装置とし
て、排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを印加するプ
ラズマリアクタと、前記排ガスと還元剤溶液を接触させ
るスクラバを備え、前記大気圧低温非平衡プラズマ印加
する乾式処理と、前記還元剤溶液を用いて湿式処理の二
段階の処理部により、排ガス中の窒素酸化物を除去する
窒素酸化物の浄化装置である。
【0165】このように、排ガスに低温プラズマを印加
するリアクタと、リアクタ通過後の排ガスと還元剤溶液
を接触させるスクラバを備えることにより、リアクタ内
部で低温プラズマを印加することにより、排ガス中の窒
素酸化物を酸化し、酸化されたNO2をスクラバ内で還
元剤溶液と接触させることにより、効率よく排ガス中か
ら窒素酸化物を除去する。
【0166】従って、本発明は、リアクタ、スクラバの
二段階の装置を備えることにより、低コストで、効率的
に排ガス中の窒素酸化物を除去することができる。ま
た、プラズマ方式のみでは問題となっていた副生成物の
発生を制限して、効率的に窒素酸化物を除去することが
できる。
【0167】また、本発明は、リアクタに、低温プラズ
マを印加する手段と、還元剤溶液を接触させる手段を備
え、前記低温プラズマによる乾式処理と、前記還元剤を
用いた湿式の処理を二段階の処理部で行う窒素酸化物の
浄化装置である。従って、プラズマ内部では、試料ガス
中のNOは、前記(1)式のような還元作用が起こりに
くく、前記(2)式で表される酸化反応により、全てN
2に酸化されていることが確認できる。
【0168】このように、リアクタに、低温プラズマを
印加する手段と、還元剤溶液を接触させる手段を備えて
いると、低温プラズマ印加と還元剤溶液接触の二つの処
理を一つの装置内で行うことができ、窒素酸化物除去の
効率化、システムの簡略化、及び、配置スペースの低減
化等の効果を得ることが可能である。
【0169】このように、本発明によれば、従来よりも
低電圧で効率よく、環境中の窒素酸化物を除去すること
ができ、従来コストの約1/20に相当する大幅なコス
ト低減を図ることが可能となり、また、副反応生成物の
発生を押えて、従来よりも高い効率で、環境中の窒素酸
化物の除去が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例に係り、本実験に用いた充填バ
リア放電式のリアクタの概略構成を説明する縦断面図で
ある。
【図2】本発明の具体例に係り、図1に示すリアクタ及
びスクラバを備えた実験装置の全体構成を示す概略構成
図である。
【図3】本発明の具体例に係り、図1に示すマリアクタ
に各ペレット材を充填し、各ペレット材充填時のリアク
タの印加電圧と電流の関係を示す図である。
【図4】本発明の第1の実験例に係り、直径6mmのガ
ラス製のペレットをリアクタに充填したGPRを用い
て、乾燥空気を各通流速度でリアクタに通流し、各通流
速度の電圧変化と試料ガス中のNO、NO2濃度の変化
を示す図である。
【図5】本発明の第2の実験例に係り、直径4mmのチ
タン酸バリウム製のペレットをリアクタに充填したFP
Rを用いて、試料ガスを4.0L/分の流量で、リアク
タに通流し、リアクタに印加する電圧と、リアクタ通流
後の試料ガス中のNO濃度,NO2濃度及び前記NO及
びNO2濃度の和を示すNOx濃度の変化を示す図であ
る。
【図6】本発明の第3の実験例に係り、直径6mmのガ
ラス製のペレットをリアクタに充填したGPRを用い
て、試料ガスを4.0L/分の流量で、リアクタに通流
し、リアクタに印加する電圧と、リアクタ通流後の試料
ガス中のNO濃度,NO2濃度、及び、スクラバ通過後
の印加電圧と試料ガス中のNOx濃度の変化を示す図で
ある。
【図7】本発明の第4の実験例に係り、直径4mmのチ
タン酸バリウム製のペレットをリアクタに充填したFP
Rを用いて、試料ガスを4.0L/分の流量で、リアク
タに通流し、リアクタに印加する電圧と、リアクタ通流
後の試料ガス中のNO濃度,NO2濃度、及び、スクラバ
通過後の印加電圧と試料ガス中のNOx濃度の変化を示
す図である。
【図8】従来の方法及び本発明の方法における各窒素酸
化物除去効率に対して、環境中の窒素酸化物1トンを除
去するために年間にかかった費用を示す図である。
【符号の説明】
1 実験装置 2 ガス生成供給部 3 リアクタ 4 測定部 5 電源部 6 スクラバ 21 コンプレッサ 22 エアタンク 23 自動制御弁 24 エア乾燥器 25 試料ガス発生器 26 流量制御弁 27 流量制御弁 31 リアクタ本体 32 ペレット材 33 接続部 34 接続部 35 ブッシュ 36 ブッシュ 37 円板 38 中央電極 39 外部電極 41 化学発光式窒素酸化物測定計 51 外部電極 52 変圧器 53 電流及び電圧計
フロントページの続き (71)出願人 598107839 水野 彰 愛知県春日井市藤山台1丁目4番1号103 −503 (72)発明者 山本 俊昭 大阪府堺市大野芝町23丁目府大宅舎4− 106 (72)発明者 楊 禎禄 東京都港区浜松町2丁目7番15号 株式会 社三電舎内 (72)発明者 水野 彰 愛知県春日井市藤山台1丁目4番1号103 −503 Fターム(参考) 4D002 AA12 AC01 AC10 BA02 BA05 BA06 BA07 BA13 CA06 CA07 DA02 DA13 DA15 EA02 GA02 GA03 GB01 GB02 GB03 GB04 GB20 HA03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去す
    る排ガスの浄化方法において、 前記排ガスの浄化方法は、排ガスに大気圧低温非平衡プ
    ラズマを印加して窒素酸化物を除去するものであって、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加によってガス中のN
    Oが酸化されてNO2が最大値となる値を基準値とし
    て、前記大気圧低温非平衡プラズマの印加電圧を設定す
    るようにしたことを特徴とする窒素酸化物の浄化方法。
  2. 【請求項2】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去す
    る排ガスの浄化方法において、 前記排ガスの浄化方法は、排ガスに大気圧低温非平衡プ
    ラズマを印加して窒素酸化物を除去するものであって、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加によってガス中のN
    Oが酸化されてNO2を生成し、前記NOが所定値以下
    となるとともに、酸化生成されるNO2が最大値となる
    値を基準値として、生成される副生成物が所定値以下と
    なる任意の値を設定値として、前記大気圧低温非平衡プ
    ラズマの印加電圧を設定することを特徴とする窒素酸化
    物の浄化方法。
  3. 【請求項3】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去す
    る排ガスの浄化方法において、 大気圧低温非平衡プラズマを排ガスに印加することによ
    ってガス中のNOが酸化されてNO2が最大値となる値
    を基準値として、印加電圧が設定された大気圧低温非平
    衡プラズマを印加する工程と、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加した排ガスに還元剤
    溶液を反応させる工程とを備えたことを特徴とする窒素
    酸化物の浄化方法。
  4. 【請求項4】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去す
    る排ガスの浄化方法において、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加によってガス中のN
    Oが酸化されてNOを生成し、前記NOが所定値以下
    となるとともに、酸化生成されるNOが最大値となる
    値を基準値として、生成される副生成物が所定値以下と
    なる任意の値を設定値として、印加電圧が設定された大
    気圧低温非平衡プラズマを印加する工程と、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加した排ガスに還元剤
    溶液を反応させる工程とを備えたことを特徴とする窒素
    酸化物の浄化方法。
  5. 【請求項5】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去す
    る排ガスの浄化方法において、 大気圧低温非平衡プラズマを排ガスに印加することによ
    ってガス中のNOが酸化されてNO2が最大値となる値
    を基準値として、印加電圧が設定された大気圧低温非平
    衡プラズマを印加する工程と、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加した排ガスに還元剤
    溶液を反応させる工程とを備え、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加による乾式工程と、
    前記還元剤溶液を用いた湿式工程の二段階の工程によっ
    て、排ガス中の窒素酸化物を除去することを特徴とする
    窒素酸化物の浄化方法。
  6. 【請求項6】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去す
    る排ガスの浄化方法において、 大気圧低温非平衡プラズマを排ガスに印加することによ
    ってガス中のNOが酸化されてNO2を生成し、前記N
    Oが所定値以下となるとともに、酸化生成されるNO2
    が最大値となる値を基準値として、NO2反応によって
    生成される副生物が設定値以下となる任意の値を設定値
    として、印加電圧が設定された大気圧低温非平衡プラズ
    マの印加する工程と、前記大気圧低温非平衡プラズマ印
    加した排ガスに還元剤溶液を反応させる工程とを備え、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加による乾式工程と、
    前記還元剤溶液を用いた湿式工程の二段階の工程によっ
    て、排ガス中の窒素酸化物を除去することを特徴とする
    窒素酸化物の浄化方法。
  7. 【請求項7】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去す
    る排ガスの浄化方法において、 大気圧低温非平衡プラズマを排ガスに印加することによ
    ってガス中のNOが酸化されてNO2が最大値となる値
    を基準値として、印加電圧が設定された大気圧低温非平
    衡プラズマを印加する工程と、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加した排ガスに還元剤
    溶液を反応させる工程とを備え、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加工程と、前記還元剤
    溶液を用いた工程が組み合わされた半乾式の一段階の工
    程によって、排ガス中の窒素酸化物を除去することを特
    徴とする窒素酸化物の浄化方法。
  8. 【請求項8】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去す
    る排ガスの浄化方法において、 大気圧低温非平衡プラズマを排ガスに印加することによ
    ってガス中のNOが酸化されてNO2を生成し、前記N
    Oが所定値以下となるとともに、酸化生成されるNO2
    が最大値となる値を基準値として、NO2反応によって
    生成される副生成物が所定値以下となる任意の値を設定
    値として、印加電圧が設定された大気圧低温非平衡プラ
    ズマの印加する工程と、前記大気圧低温非平衡プラズマ
    印加した排ガスに還元剤溶液を反応させる工程とを備
    え、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加工程と、前記還元剤
    溶液を用いた工程が組み合わされた半乾式の一段階の工
    程によって、排ガス中の窒素酸化物を除去することを特
    徴とする窒素酸化物の浄化方法。
  9. 【請求項9】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去す
    る窒素酸化物の浄化方法において、 排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを印加する工程
    と、 前記大気圧低温非平衡プラズマを印加した排ガスに還元
    剤溶液を反応させる工程とを備え、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加による乾式工程と、
    前記還元剤溶液を用いた湿式工程を備えたことを特徴と
    する窒素酸化物の浄化方法。
  10. 【請求項10】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去
    する窒素酸化物の浄化方法において、 排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを印加する工程
    と、 前記大気圧低温非平衡プラズマを印加した排ガスに還元
    剤溶液を反応させる工程とを備え、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加による乾式工程と、
    前記還元剤溶液を用いた湿式工程の二段階の工程によっ
    て、排ガス中の窒素酸化物を除去することを特徴とする
    窒素酸化物の浄化方法。
  11. 【請求項11】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去
    する窒素酸化物の浄化方法において、 排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを印加する工程と
    ともに、前記大気圧低温非平衡プラズマ印加した排ガス
    に還元剤溶液を反応させる工程とを備え、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加工程と、前記還元剤
    溶液を用いた工程が組み合わされた半乾式の一段階の工
    程によって、排ガス中の窒素酸化物を除去することを特
    徴とする窒素酸化物の浄化方法。
  12. 【請求項12】 前記大気圧低温非平衡プラズマを用い
    る工程は、パルス放電方式、強誘電体ペレット充填放電
    方式、無声放電(バリア放電),沿面放電,又は、これ
    らの結合による方式を用いたことを特徴とする請求項1
    乃至請求項11いずれか記載の窒素酸化物の浄化方法。
  13. 【請求項13】 前記還元剤は、亜硫酸ナトリウム(N
    2SO3)及び硫化ナトリウム(Na2S)を用いたこ
    とを特徴とする前記請求項1乃至請求項12いずれか記
    載の窒素酸化物の浄化方法。
  14. 【請求項14】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去
    する窒素酸化物の浄化装置であって、 排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを印加するリアク
    タと、 前記排ガスに、還元剤溶液を用いてスクラバを備え、 前記大気圧低温非平衡プラズマ印加する乾式処理と、前
    記還元剤溶液を用いて湿式処理の二段階の処理部を用い
    て、排ガス中の窒素酸化物を除去することを特徴とする
    窒素酸化物の浄化装置。
  15. 【請求項15】 排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去
    する窒素酸化物の浄化装置であって、 排ガスに、大気圧低温非平衡プラズマを印加するリアク
    タと、 前記リアクタ内部に、大気圧低温非平衡プラズマが印加
    された排ガスと還元剤溶液を接触させる手段を備え、 前記非熱プラズマ印加による処理に、前記還元剤溶液を
    用いた処理を組み合わせて、一段で処理を行うことを特
    徴とする窒素酸化物の浄化装置。
  16. 【請求項16】 前記リアクタにおいて、大気圧低温非
    平衡プラズマを発生させる手段は、パルス放電方式,強
    誘電体ペレット充填放電方式、無声放電(バリア放
    電),沿面放電,又は、これらの結合による方式を用い
    た手段によって行うことを特徴とする請求項14又は1
    5記載の窒素酸化物の浄化装置。
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