JP2000050406A - 移動体の集電システム及びそのシステムに用いられる給電線 - Google Patents

移動体の集電システム及びそのシステムに用いられる給電線

Info

Publication number
JP2000050406A
JP2000050406A JP10209718A JP20971898A JP2000050406A JP 2000050406 A JP2000050406 A JP 2000050406A JP 10209718 A JP10209718 A JP 10209718A JP 20971898 A JP20971898 A JP 20971898A JP 2000050406 A JP2000050406 A JP 2000050406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current collector
power supply
slit
supply line
moving body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10209718A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuji Katayama
哲治 片山
Yoshito Hori
義人 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP10209718A priority Critical patent/JP2000050406A/ja
Publication of JP2000050406A publication Critical patent/JP2000050406A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Current-Collector Devices For Electrically Propelled Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、給電線が分断して設置され、
移動体に設けられた集電子が給電線からはずれた後に、
次の給電線にスムーズに接続できるような集電システム
を提供することである。 【解決手段】移動体に設けられた集電子を当該移動体の
走行領域内に設置された給電線に接触させ、移動体が該
給電線から集電子を介して必要な電力を受けるようにし
た集電システムにおいて、給電線は、その長さ方向に延
びるスリットが形成されたパイプ状であって、移動体の
集電子が該スリットを介して接合する給電線本体と、当
該給電線本体の移動体の走行方向上流端に形成され、上
記集電子駆動機構にて当該給電線に向けて移動された集
電子を当該移動体の走行に伴って給電線本体のスリット
に導く案内部とを備えた構造となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両、車輛等の移
動体の集電システムに係り、詳しくは、分岐路等の前後
において断続的に設置された給電線と移動体の集電子と
の切り離し及び再接続をスムーズに行えるようにした移
動体の集電システムに関する。また、本発明は、そのよ
うな集電システムに用いられる給電線に関する。
【0002】
【従来の技術】懸垂式モノレール、軌道バス、地下鉄等
の交通機関に用いられる集電システムが、例えば、特開
昭56−154336にて提案されている。この集電シ
ステムでは、移動体(車両等)に設けられたパンタグラ
フ(集電子)が給電線(集電線)上を摺動し、該給電線
からパンタグラフを介して移動体に必要な電力が供給さ
れるようになっている。
【0003】ところで、レール等の軌道上を走行しない
車両(移動体)では、走行中に路上における横方向位置
が変動する。このような車両に集電システムを適用する
場合、車両の横方向位置が変動しても、車両側の集電子
と道路側に設置した給電線との接続が確実に維持される
ようにする必要がある。そこで、例えば、長さ方向に延
びるスリットを有したパイプ状の給電線を道路側に設置
し、車両側に設けた棒状パンタグラフ先端の集電子(集
電シュー)が給電線のスリットから内部に入り込んでパ
イプの内壁を摺動するような集電システムが考えられ
る。
【0004】このような集電システムによれば、車両側
の棒状パンタグラフ先端の集電子がパイプ状の給電線内
に入り込んでスリットによってガイドされるので、車両
側の集電子と道路側の給電線との接続が確実に維持され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、集電システ
ムにて電力の供給を外部から受ける車両の走行路に分岐
路が存在する場合、主となる走行路と分岐路の接合部分
では、給電線を分断して設置しなければならない。その
場合、移動体側に設けた集電子は、分岐路の手前で給電
線から離れた後に、分岐路の直後において次の給電線に
再び接触させられなければならない。
【0006】上述したような従来の集電システムは、主
となる走行路と分岐路との接合部分等で給電線が分断し
て設置される場合に、移動体の集電子と給電線との間の
分離、接続について特に考慮したものとなっていない。
そこで、本発明の第一の課題は、給電線が分断して設置
され、移動体に設けられた集電子が給電線からはずれた
後に、次の給電線にスムーズに接続できるような集電シ
ステムを提供することである。
【0007】また、本発明の第二の課題は、そのような
システムに用いられる給電線を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記本発明の第一の課題
を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるよう
に、移動体に設けられた集電子を当該移動体の走行領域
内に設置された給電線に接触させ、移動体が該給電線か
ら集電子を介して必要な電力を受けるようにした集電シ
ステムにおいて、移動体は、給電線の当該移動体の走行
方向下流端から集電子が離れる際に当該集電子を移動体
側に移動させ、給電線の当該移動体の走行方向上流端に
て当該集電子を給電線に接続させるために、集電子を給
電線に向けて移動させる集電子駆動機構を備えると共
に、給電線は、その長さ方向に延びるスリットが形成さ
れたパイプ状であって、移動体の集電子が該スリットを
介して接合する給電線本体と、当該給電線本体の移動体
の走行方向上流端に形成され、上記集電子駆動機構にて
当該給電線に向けて移動された集電子を当該移動体の走
行に伴って給電線本体のスリットに導く案内部とを備え
るように構成される。
【0009】このような集電システムでは、主となる走
行路と分岐路との接合部分で給電線が分断されている場
合、当該接合部分の手前に設置された給電線の移動体の
走行方向下流端において移動体の集電子が給電線から分
離させられた後、次の給電線の移動体の走行方向上流端
において当該給電線に向けて移動された集電子が案内部
によって給電線本体のスリットに導かれる。そして、集
電子がスリットを介して給電線本体と接合されると、移
動体は、その状態で必要な電力を給電線本体から集電子
を介して受ける。
【0010】上記給電線は、移動体の走行領域内、例え
ば、道路上、走行路の上方、走行路に沿って設けられた
側壁等に設置することができる。上記案内部は、例え
ば、請求項2に記載されるように、給電線本体に形成さ
れたスリットに接続される該スリットの幅より広い幅の
案内溝を有し、該案内溝にセットされた集電子が移動体
の移動に伴って案内溝にて給電線本体のスリットに導か
れるようにした構成することができる。
【0011】案内部をこのように構成することによっ
て、移動体の走行位置の変動にて集電子と給電線との相
対的位置が多少ずれても、そのずれ量がスリット幅より
大きい案内溝の幅以内であれば、その案内溝にセットさ
れた集電子は、確実にその案内溝に続く給電線本体のス
リットに導かれる。よりスムーズに集電子を給電線本体
のスリットに導くことができるという観点から、請求項
3に記載されるように、上記案内溝の幅は、当該案内溝
とスリットとの接合部で当該スリットの幅と等しくな
り、該スリットから遠ざかるに従って広くなるようにす
ることができる。
【0012】案内溝をこのように構成することによっ
て、当該案内溝にセットされた集電子は、移動体の走行
に伴ってスリットに向かって次第に幅が狭くなる当該案
内溝に案内されてスムーズに給電線本体のスリットに導
かれる。また、給電線が、第一の電極線(例えば、正の
電極線)と第二の電極線(例えば、負の電極線)とから
構成され、移動体側の集電子が各電極線に接触されるべ
き第一の電極子及び第二の電極子とから構成される場
合、移動体の走行に伴って、第一の電極線及び第二の電
極線からいったん分離された第一及び第二の電極子が、
次の給電線における第一の電極線及び第二の電極線に確
実に接続できるようにするという観点から、本発明は、
請求項4に記載されるように、上記給電線は、第一の電
極線と第二の電極線とから構成されると共に、車両の集
電子は、第一の電極線に接触させるべき第一の電極子
と、第二の電極線に接触させるべき第二の電極子とから
構成され、第一の電極線の移動体の走行方向上流端が第
二の電極線の移動体の走行方向上流端より当該移動体の
走行方向上流側に位置するように構成することができ
る。
【0013】このような集電システムでは、移動体側の
第一の電極子及び第二の電極子が道路側の第一の電極線
及び第二の電極線から分離された後、走行する移動体
は、最初に第一の電極線の端部に接近する。その状態
で、集電子駆動機構によってまず第一の電極子が第一の
電極線に向けて移動されて第一の電極線の案内部にセッ
トされると、移動体の走行に伴って、当該第一の電極子
が案内部によって第一の電極線の給電線本体のスリット
に導かれる。その後、移動体が第二の電極線に接近する
と、集電子駆動機構によって第二の電極子が第二の電極
線に向けて移動される。そして、第二の電極子が第二の
電極線の案内部にセットされると、移動体の走行に伴っ
て、当該第二の電極子が案内部によって第二の電極線の
給電線本体のスリットに導かれる。
【0014】このように第一の電極線の移動体の走行方
向上流端を第二の電極線の移動体の走行方向上流端より
当該移動体の走行方向上流側にずらすことにより、第一
の電極子を第一の電極線の端部に接続させる時点で、移
動体の走行位置の変動にて当該第一の電極子が誤って第
二の電極線に接続されることが防止される。また、第二
の電極子を第二の電極線の端部に接続させる時点で既に
第一の電極子は第一の電極線に接続されているので、第
二の電極子が誤って第一の電極線に接続されることが防
止される。
【0015】上述した本発明の第二の課題を解決するた
め、本発明は、請求項5に記載されるように、移動体に
設けられた集電子を当該移動体の走行領域内に設置され
た給電線に接触させ、移動体が該給電線から該集電線を
介して必要な電力を受けるようにした集電システムに用
いられる給電線であって、長さ方向に延びるスリットが
形成されたパイプ状の給電線本体と、当該給電線本体の
一端に形成され、移動体から突出された終電子を当該移
動体の走行に伴って給電体本体のスリットに導く案内部
とを備えるように構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。集電システムは、例えば、図1
に示すように周回する走行路を走行する移動体に適用さ
れる。この走行路は、給電線が設置された主走行路10
0(太線で示す)、給電線が設置されていないカーブ路
150及び主走行路100から分岐する分岐路200に
て構成されている。分岐路200には給電線は設置され
ていない。このような周回する走行路を電動機を動力源
とした車両(例えば、バス)が矢印Dの方向に走行す
る。また、この周回の走行路に沿って、車両が停止すべ
き4つの駅(駅1、駅2、駅3、駅4)が設けられてい
る。
【0017】主走行路100の路上には、給電線が設け
られている。この給電線は、図2に示すように、正
(+)の電極線101aと負(−)の電極線101bに
て構成され、それぞれが並行となるように設置されてい
る。また、図2は、主走行路100と分岐路200との
接続部(例えば、図1におけるAの部分)における給電
線の状態を示しており、この接続部において、正の電極
線101a及び負の電極線101b(給電線)は分断さ
れている。
【0018】各電極線101a、101bの車両の走行
方向D下流端の当該走行方向Dの位置は揃っているが、
正の電極線101aの当該走行方向D上流端は、負の電
極線101bの当該走行方向D上流端より所定の距離δ
だけ当該走行方向D上流側に位置するようになってい
る。主走行路100と分岐路200の他の接続部及び主
走行路100とカーブ路150との接続部においても、
各電極線101a、101b(給電線)は、図2に示す
配置と同様の配置となっている。
【0019】各電極線101a、101bは、例えば、
図3及び図4に示すような構造となっている。以下、正
の電極線と負の電極線を特に区別しない場合は、各電極
線を参照番号101にて示す。なお、図4は、図3の方
向Aから見た図である。図3及び図4において、この電
極線101は、長さ方向に延びるスリット102aが形
成されたパイプ状(この例では、略円筒状)の電極線本
体102と、電極線本体102の端部に形成された案内
部103とから構成されている。案内部103は、コー
ン形状をしており、上方に開口する案内溝103aを有
している。この案内溝103aは、一端が電極線本体1
02のスリット102aにつながっており、当該案内部
103のコーン形状と同様に他端にゆくほど(スリット
102a から遠ざかるほど)広がった形状となってい
る。
【0020】上記のような周回走行路を走行する車両側
には、上記各電極線101から電力の供給を受けるため
に集電子が設けられている。この集電子は、例えば、図
5、図6に示すように車両に取り付けられている。図
5、図6において、車両10の後輪50a、50bの後
部下面に正の電極線101aに接触すべき集電子20a
及び負の電極線101bに接触すべき集電子20bが設
けられている。この各集電子20a、20bの取り付け
構造は、次のようになっている。
【0021】車両10のメインフレーム12に取り付け
プレート14が固定され、更に、集電子20a、20b
のそれぞれを支持する支持ブロック15がこの取り付け
プレート14に固定されている。各集電子20a、20
bは、前述した正の電極線101aと負の電極線101
bと略同じ間隔を持って配置されている。各集電子20
a、20bは、例えば、図7及び図8に示すように構成
されている。なお、以下、集電子20a、20bを特に
区別しない場合には、各集電子を参照番号20にて示
す。
【0022】図7及び図8において、この集電子20
は、ポール21 の先端に摺動ボール21aが取り付けら
れた構造となっている。そして、ポール21の基端が支
持プレート26に設けられたユニバーサルジョイント2
5にて回動自在に支持されている。更に、ポール21の
中点より基端より所定位置には、引っかけピンユニット
23が設けられると共に、支持プレート26にも、引っ
かけピンユニット24が設けられている。各引っかけピ
ンユニット23、24にコイルスプリング22a、22
bの端部が引っかけられており、このコイルスプリング
22a、22bにてポール21が、常時支持プレート2
6の面から離れるように付勢されている。
【0023】上記支持プレート26は、前述した車両側
の支持ブロック15に固定される(図5参照)。そし
て、コイルスプリング22a、22bの付勢によって、
ポール21は、図5の二点鎖線で示すように、ユニバー
サルジョイント25を支点に路面側に垂れ下がった状態
となる。また、支持ブロック15には、エアーシリンダ
16が固定してあり、その作動シャフトが集電子20の
ポール21と接続されている。エアーシリンダ16が動
作すると、作動シャフトが引き込まれ、路面に垂れ下が
ったポール21がコイルスプリング22a、22bの引
っ張り力に抗して、ユニバーサルジョイント25を支点
として車両10側に回動するようになっている。その結
果、ポール21は、車両10のボディー内に収納され
る。
【0024】主走行路100の詳細な構造は、例えば、
図9に示すようになっている。図9において、主走行路
100の路面Rの中央部に溝が形成され、その溝の中央
部にブロック120が設置されている。その結果、主走
行路100の路面Rの中央部に左側溝Ru1及び右側溝
Ru2が形成される。左側溝Ru1内には、支持ブロッ
ク111aが設置され、その支持ブロック111a上に
碍子110aを介して前述した構造の正の電極線101
aが敷設されている。また、右側溝Ru2内には、支持
ブロック111bが設置され、その支持ブロック111
b上に碍子110bを介して前述した構造の負の電極線
101bが敷設されている。
【0025】そして、車両10の後部車輪50a、50
bの後部から垂れ下がった集電子20aのポール21が
正の電極線101aのスリット102に摺嵌して、先端
の摺動ボール21aが正の電極線101aの内壁を摺動
するようになっている。また、同様に車両10の後部車
輪50a、50bの後部から垂れ下がった集電子20b
のポール21先端の摺動ボール21 aが負の電極線10
1bの内壁を摺動するようになっている。
【0026】このように、主走行路100側に設置した
各電極線101a、101bと、車両10側の集電子2
0a、20bのポール21先端に設けられた摺動ボール
21aとが接合することにより、走行中の車両10に対
して各電極線101a、101bから集電子20a、2
0bを介して確実に電力が供給される。また、各集電子
20a、20bのポール21基端がユニバーサルジョイ
ント25にて支持されるので、ポール21の先端の摺動
ボール21aが各電極線101a、101bに摺嵌して
スリット102aから抜け出ない構造であっても、車両
10の横方向の位置変動に伴うポール21に余分な応力
が加わらない。
【0027】上記車両10に搭載される電力供給システ
ムは、例えば、図10に示すように構成されている。図
10において、路上に敷設された給電線100(正の電
極線101a、負の電極線101b)に接合された集電
子20からの電力が集電機30にて所定の電気的特性に
調整される。そして、集電機30から出力される電力が
スイッチ31を介してインバーターユニット32に供給
されている。インバーターユニット32は入力電圧を所
定の電圧に変換して第一のバッテリ40に供給する。こ
の第一のバッテリ40の電圧は、車両10の動力源とな
るモータ35の電気的特性に基づいて定められる。この
第一のバッテリ40からインバーターユニット32を介
してモータ35に電力が供給されると共に、モータ35
の回生制動時にモータ35で発生した電力がインバータ
ーユニット32を介して第一のバッテリ40に戻され
る。
【0028】第一のバッテリ40の出力電圧はDC−D
C変換器41にも供給されている。このDC−DC変換
器41は、供給れた電圧を所定の電圧(例えば、12ボ
ルト)に変換する。そして、このDC−DC変換器41
からの出力電圧が第二のバッテリ42に供給される。こ
の第二のバッテリ42からの電力は、車両10に搭載さ
れた種々の電気機器(車載機器)に用いられる。
【0029】コントローラ51は、上記スイッチ31の
オン、オフ制御及び前述した集電子20(図5参照)を
車両10から出し入れ駆動するためのシリンダ16の駆
動制御を行う。周回する走行路(図1参照)には、車両
10の走行すべき軌跡に沿って磁気的なマーカーが所定
の間隔で設置されている(図示せず)。この磁気的なマ
ーカーは、その磁界パターンにて位置等の情報を出力す
る。車両10には、この磁気的なマーカー(出力情報)
を検出するためのマーカーセンサ32が搭載されると共
に、車輪の回転数に対応した車輪速パルスを出力する車
輪速センサ53が搭載されている。コントローラ51
は、マーカーセンサ52及び車輪速センサ53からの検
出信号に基づいて車両10の走行位置を演算し、その演
算結果に基づいてスイッチ31のオン、オフ制御及びシ
リンダ16の駆動制御を行う。
【0030】コントローラ51は、例えば、図11に示
す手順に従ってスイッチ31のオン、オフ制御及びシリ
ンダ16の駆動制御を行う。ここでの処理は、例えば、
車両10が図1に示す駅1から駅2に至るまでの間に実
行される。駅1において、シリンダ16は駆動状態にあ
り、集電子20が車両10から突出して主走行路100
に設置された給電線101(正の電極線101a、負の
電極線101b)に接合した状態となっている。このよ
うに給電を受けている状態において、車両10がモータ
35の駆動により駅1を出発すると(S1)、コントロ
ーラ51は、マーカーセンサ52からの車両10の走行
位置を表す情報及び車輪速センサ53からの走行距離に
関する情報(車輪の回転数)に基づいて車両10の現在
の走行位置を演算する。そして、その演算された走行位
置が主走行路100と分岐路200との分岐点(分岐
部)の所定距離手前の位置であるか否かが判定される
(S2)。車両10が当該分岐点の所定処理手前の位置
に達したと判定すると、コントロールユニット51は、
スイッチ31をオフさせる(S3)。その結果、集電子
20による給電線101からの集電(第二のバッテリ4
0への電力供給)が中止される。
【0031】その後、コントローラ51は、シリンダ1
6の駆動を解除する。この状態で、車両10が走行を継
続して、各集電子20が各電極線101a、101bの
当該車両10の走行方向D下流端の位置P1に達すると
(図2参照)、各集電子20のポール21が各電極線1
01a、101bのスリット102aから更に案内部1
03の案内溝103aに脱出する。すると、各集電子2
0のポール21の各電極線101a、101bによる拘
束が解除され、コイルスプリング22a,22bの引っ
張り力にてポール21が回動して車両10のボディー内
に収容される。
【0032】この状態で、車両10が走行している間、
コントローラ51は、車両10が当該分岐点を通過する
か否かを判定する(S5)。具体的には、車両10の後
部位置が正の電極線101aの車両10の走行方向D上
流端の位置P2(図2参照)に達したか否かが判定され
る。その過程で、車両10の後部位置が当該位置P2に
達したと判定すると、コントローラ51は、まず、正の
電極線101aに対応した集電子20aに取り付けられ
たシリンダ16の駆動制御を行う(S6)。その結果、
集電子20aだけが車両10の下方に突出し、集電子2
0aのポール21先端の摺動ボール21aが正の電極線
101aの案内部103の案内溝103a(図3、図4
参照)内にセットされる。そして、車両10の走行に伴
って、摺動ボール21aが次第に狭くなる案内溝103
aにガイドされて、電極線本体102のスリット102
aに向かって移動する。その後、この摺動ボール21a
が電極線本体102の端部に達し、更に、ポール21が
案内溝103aに続くスリット102aに入り込んで、
その先端の摺動ボール103aが電極線本体102の内
面に摺動するようになる。
【0033】正の電極線101aに対応した集電子20
aが車両10の下面から突出する際正の電極線101a
の脇には、負の電極線101bが存在しない(図2参
照)。従って、本来正の電極線101aに接合すべき集
電子20aが車両10の横方向位置の変動によって誤っ
て負の電極線101bに接合することが防止される。ま
た、正の電極線101aの端部にコーン形状の案内部1
03が形成されているので、多少車両10の横方向位置
が変動しても、この案内部103が確実に集電子20a
をトラップすることができ、更に、案内溝103aによ
って集電子20aの先端部(摺動ボール21a)を確実
に電極線本体102のスリット102aに導くことが可
能となる。
【0034】車両10が更に走行し、その過程で、当該
車両10の後部位置が負の電極線101bの車両10の
走行方向D上流端の位置P3(図2参照)に達したか否
かが判定される。そして、車両10の後部位置が当該位
置P2に達したと判定されると、コントローラ51は、
負の電極線101bに対応した集電子20bに取り付け
られたシリンダ16の駆動制御を行う(S7)。その結
果、集電子20bが車両10の下方から突出し、上述し
たのと同様に、この集電子20bが案内部103の案内
溝103aにガイドされつつ負の電極線101bの電極
線本体102と接合される。
【0035】負の電極線101bに接合させるために集
電子20bを車両10の下方から突出させる際には、正
の電極線101aと集電子20aは既に接続されてい
る。従って、集電子20bを車両10の下方に突出させ
た状態で当該車両10の横方向位置が多少変動しても、
集電子20bが誤って正の電極線101aと接合される
ことはない。
【0036】上記のようにして、正、負の電極線101
a、101bに接合すべき集電子20a、20bの上げ
下ろしを行って、主走行路100と分岐路200との分
岐点を車両10が通過すると、コントローラ51は、上
記と同様の手順に従った処理を実行する。即ち、主走行
路100と分岐路200との分岐点の手前所定距離の位
置に達したか否かの判定を行い(S8)、達したと判定
されたときに、両方の集電子20a、20bを持ち上げ
る(シリンダー16をオフさせる)(S9)。そして、
分岐点を通過したと判定されると(S10)、まず、正
の電極線101aに対応した集電子20aだけを車両1
0の下方に突出させ(シリンダー16作動)(S1
1)、集電子20aと正の電極線101aとの接合をま
ず行う。その後、負の電極線101bに対応した集電子
20bを車両10の下方から突出させ(シリンダー16
作動)(S12) 、集電20bと負の電極線101bと
の接合を行う。
【0037】その後、モータ35を動力源とする車両1
0は走行を続け、駅2に到達したと判定されたときに、
車両10が停止される(S13)。なお、上記処理は、
駅1と駅2との間で実行されるものであったが、駅2と
駅3との間及び駅4と駅1との間において、給電線が分
断して設置される場合にも、集電子の上げ下ろしに関す
る同様の処理が実行される。
【0038】また、各電極線101a、101bの車両
10の走行方向下流端部(図2における位置P1)は、
特に案内部を形成しなくてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上、説明してきたように、請求項1乃
至4記載の発明によれば、移動体の走行に伴って当該移
動体に設けられた集電子が案内部によって給電線本体の
スリットに導かれる。従って、給電線が分断して設置さ
れ、移動体に設けられた集電子が給電線からはずれた場
合、その集電子を次の給電線にスムーズに接続できるよ
うになる。
【0040】また、請求項5乃至7記載の発明によれ
ば、上記集電システムに用いられる給電線を提供するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一態様に係る集電システムが提
供される走行路の例を示す図である。
【図2】図1に示す走行路のA部分の詳細な構成を示す
図である。
【図3】図1に示す主走行路に設置される電極線の構造
を示す平面である。
【図4】図3に示す電極線をAの方向から見た電極線の
側面図である。
【図5】車両後端に設けられた集電子の例を示す図であ
る。
【図6】集電子の車両内の取付け位置を示す図である。
【図7】集電子の構造を示す平面図である。
【図8】集電子の構造を示す正面図である。
【図9】主走行路の構造及び主走行路上に設けた各電極
線と車両に設けた集電子との接合構造を示す図である。
【図10】車両に搭載される電力供給システムの例を示
すブロック図である。
【図11】図10に示す電力供給システムのコントロー
ラでの処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 車両 12 メインフレーム 14 取付けプレート 16 シリンダー 20(20a、20b) 集電子 21 ポール 21a 摺動ボール 22(22a、22b) コイルスプリング 30 集電機 31 スイッチ 32 インバーターユニット 35 モータ 40 第一のバッテリ 42 第二のバッテリ 51 コントローラ 52 マーカーセンサ 53 車輪速センサ 100 主走行路 101 給電線 101a 正の電極線 101b 負の電極線 102 電極線本体 102a スリット 103 案内部 103a 案内溝 150 カーブ路 200 分岐路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動体に設けられた集電子を当該移動体の
    走行領域内に設置された給電線に接触させ、移動体が該
    給電線から集電子を介して必要な電力を受けるようにし
    た集電システムにおいて、 移動体は、給電線の当該移動体の走行方向下流端から集
    電子が離れる際に当該集電子を移動体側に移動させ、給
    電線の当該移動体の走行方向上流端にて当該集電子を給
    電線に接続させるために、集電子を給電線に向けて移動
    させる集電子駆動機構を備えると共に、 給電線は、その長さ方向に延びるスリットが形成された
    パイプ状であって、移動体の集電子が該スリットを介し
    て接合する給電線本体と、当該給電線本体の移動体の走
    行方向上流端に形成され、上記集電子駆動機構にて当該
    給電線に向けて移動された集電子を当該移動体の走行に
    伴って給電線本体のスリットに導く案内部とを備えた構
    造となる集電システム。
  2. 【請求項2】請求項1記載の集電システムにおいて、 上記案内部は、給電線本体に形成されたスリットに接続
    される該スリットの幅より広い幅の案内溝を有し、該案
    内溝にセットされた集電子が移動体の移動に伴って案内
    溝にて給電線本体のスリットに導かれるようにした集電
    システム。
  3. 【請求項3】請求項2記載の集電システムにおいて、 上記案内溝の幅は、当該案内溝とスリットとの接合部で
    当該スリットの幅と等しくなり、該スリットから遠ざか
    るに従って広くなるようにした集電システム。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3いずれか記載の集電システ
    ムにおいて、 上記給電線は、第一の電極線と第二の電極線とから構成
    されると共に、車両の集電子は、第一の電極線に接触さ
    せるべき第一の電極子と、第二の電極線に接触させるべ
    き第二の電極子とから構成され、 第一の電極線の移動体の走行方向上流端が第二の電極線
    の移動体の走行方向上流端より当該移動体の走行方向上
    流側に位置するよう配置した集電システム。
  5. 【請求項5】移動体に設けられた集電子を当該移動体の
    走行領域内に設置された給電線に接触させ、移動体が該
    給電線から集電子を介して必要な電力を受けるようにし
    た集電システムに用いられる当該給電線であって、 長さ方向に延びるスリットが形成されたパイプ状の給電
    体本体と、 当該給電線本体の移動体の走行方向上流端に形成され、
    移動体から突出された集電子を当該移動体の移動に伴っ
    て給電線本体のスリットに導く案内部とを備えた給電
    線。
  6. 【請求項6】請求項5記載の給電線において、 上記案内部は、給電線本体に形成されたスリットに接続
    される該スリットの幅より広い幅の案内溝を有し、該案
    内溝にセットされた集電子が移動体の移動に伴って案内
    溝にて給電線本体のスリットに導かれるようにした給電
    線。
  7. 【請求項7】請求項6記載の給電線において、 上記案内溝の幅は、当該案内溝とスリットとの接合分で
    当該スリットの幅と等しくなり、該スリットから遠ざか
    るに従って広くなるようにした給電線。
JP10209718A 1998-07-24 1998-07-24 移動体の集電システム及びそのシステムに用いられる給電線 Pending JP2000050406A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10209718A JP2000050406A (ja) 1998-07-24 1998-07-24 移動体の集電システム及びそのシステムに用いられる給電線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10209718A JP2000050406A (ja) 1998-07-24 1998-07-24 移動体の集電システム及びそのシステムに用いられる給電線

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000050406A true JP2000050406A (ja) 2000-02-18

Family

ID=16577505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10209718A Pending JP2000050406A (ja) 1998-07-24 1998-07-24 移動体の集電システム及びそのシステムに用いられる給電線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000050406A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100440266C (zh) * 2006-11-21 2008-12-03 烟台东方电子信息产业股份有限公司 城轨供电馈线电流电压量的采集和传输方法
WO2018086689A1 (en) * 2016-11-10 2018-05-17 Volvo Truck Corporation A current collector device for a vehicle
US11541768B2 (en) * 2017-02-15 2023-01-03 Volvo Truck Corporation Arrangement and method for active alignment control of a contact element

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100440266C (zh) * 2006-11-21 2008-12-03 烟台东方电子信息产业股份有限公司 城轨供电馈线电流电压量的采集和传输方法
WO2018086689A1 (en) * 2016-11-10 2018-05-17 Volvo Truck Corporation A current collector device for a vehicle
CN109937154A (zh) * 2016-11-10 2019-06-25 沃尔沃卡车集团 用于车辆的集电器装置
JP2019537917A (ja) * 2016-11-10 2019-12-26 ボルボトラックコーポレーション 車両用集電装置
US11712969B2 (en) 2016-11-10 2023-08-01 Volvo Truck Corporation Current collector device for a vehicle
US11541768B2 (en) * 2017-02-15 2023-01-03 Volvo Truck Corporation Arrangement and method for active alignment control of a contact element

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0130945B1 (ko) 승객신속운송시스템의 주행제어장치
US11712969B2 (en) Current collector device for a vehicle
EP3124317B1 (en) External power supply apparatus and vehicle power supply method
AU2002356691B2 (en) Rail-mounted transport system
US20110153184A1 (en) Transportation system using electric automobile
EP3256341B1 (en) Contacting device and rapid charging system
CN102822000B (zh) 用于一个或多个电力驱动车辆的系统(探测器装置)
JP2000013924A (ja) 連結型 電気自動車
CN105398352A (zh) 陆路运输车辆及其控制方法、地面设备及运输系统
CN105244933A (zh) 带有电驱动器的能够外部充电的车辆和用于车辆的充电站
WO2011123053A1 (en) A system adapted for one or more electrically propellable vehicles (arrangement for metal detection)
JP2000050406A (ja) 移動体の集電システム及びそのシステムに用いられる給電線
KR102403321B1 (ko) 무가선트램 배터리 충전 시스템 및 제어 방법
JP2819657B2 (ja) 無人車におけるトロリ式充電装置
CN1150933A (zh) 充电电池无轨电车系统
JP2007068242A (ja) 低床lrvの車上集電装置
JP2020091719A (ja) 車載装置、駐車制御方法、コンピュータプログラム、及び誘導無線ケーブル
KR101039766B1 (ko) 궤도차량용 유도급전시스템
US20220332200A1 (en) Charging station for charging an electrical energy accumulator of a road vehicle
JPH0731003A (ja) 移動体の集電装置
JP2001197603A (ja) 非接触給電システム及びそのシステムに用いられる車両
JP3122808U (ja) 鉄道模型車両走行用直流電源電圧自動調整装置
JP2001157312A (ja) リニアモータ駆動搬送車
JP7066071B2 (ja) 列車制御システム
CN2264380Y (zh) 一种自动导向搬运车的导向装置