JP2000046867A - 導電性接触子のホルダ及びその製造方法 - Google Patents

導電性接触子のホルダ及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性針状体の突出量を高精度化し得ると共
にウェハに対する高温雰囲気下における多点同時測定時
の位置精度を向上する。 【解決手段】 ホルダを構成するプレート3を、第1の
シリコン層4と、シリコン酸化膜5と、第2のシリコン
層6とを積層した状態に形成し、第1のシリコン層4及
びシリコン酸化膜5に小径孔部7を、第2のシリコン層
6に大径孔部8を形成し、導電性針状体9の頭部9aを
小径孔部7により支持すると共に、導電性針状体9のフ
ランジ部9b及び圧縮コイルばね10を大径孔部8によ
り受容して、導電性接触子1を形成する。フランジ部が
シリコン酸化膜に衝当して突出量が規制されることか
ら、導電性針状体の突出量を高精度化し得る。特に、シ
リコンウェハと同一の材質であることから、ウェハの高
温雰囲気下でのテストにおける多点同時測定の場合の各
針状体間の位置がずれることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性針状体を圧
縮コイルばねにより弾発付勢して、プリント配線板や半
導体素子の検査やウェハテストを行うのに適する導電性
接触子のホルダ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の検査ポイントを有する基板
や多ピンの半導体素子に対して多点同時測定や検査を行
うべく、板状の支持体に複数の孔をホルダとして設け、
各孔内に導電性針状体と圧縮コイルばねとを受容した導
電性接触子構造が同一出願人により提案されている(例
えば特願平5−303480号参照)。それによれば、
各導電性針状体毎に多数のパイプ状ホルダを制作する必
要がないと共に、別部品のホルダを設ける必要がないこ
とから各導電性針状体間のピッチを極力狭めることがで
き、検査対象側の小ピッチ化に好適に対応し得るという
効果を奏する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来の導電性接触子構造におけるホルダにおい
て絶縁性から合成樹脂材を用いて、その合成樹脂材に対
してドリルなどの機械加工による孔明け加工を行った場
合に、その孔を大小径の孔にすると共にその小径孔によ
り導電性針状体の突出量を規制することができるが、上
記したような機械加工では、各孔の深さのばらつきが小
さくすることは極めて困難である。そのため、ウェハテ
ストに用いられるような極めて多数の接触子を配設した
ものにあっては、各針状体間に突出量の違いが生じ易
く、接触状態が不安定になるものが生じる虞があるとい
う問題がある。
【0004】また、近年、高温雰囲気下で使用可能な半
導体素子に対する要望が生じ、大面積(例えば直径20
0mm)のウェハテストにおいて高温雰囲気での実施が要
求されるようになってきた。したがって、ウェハテスト
に使用される多点同時測定可能な導電性接触子ユニット
にあっても、ウェハと同等の耐熱性及び熱膨張性が要求
される。しかしながら、ウェハの材料となるシリコンと
同程度の耐熱性及び小さな熱膨張率を有する材料の場合
には、加工性が極めて悪く、生産性が低いという問題が
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決し
て、導電性針状体の突出量を高精度化し得ると共にウェ
ハに対する高温雰囲気下における多点同時測定時の位置
精度を向上することを実現するために、本発明に於いて
は、被接触体に接触させる頭部と当該頭部に同軸的に設
けられかつ該頭部よりも拡径されたフランジ部とを有す
る導電性針状体を軸線方向に出没自在に支持すると共
に、前記頭部を突出させる方向に前記フランジ部を弾発
付勢する圧縮コイルばねを受容する導電性接触子のホル
ダであって、前記ホルダが、前記頭部を同軸的に往復動
自在に支持する小径孔部を形成された第1のシリコン層
と、前記フランジ部及び前記圧縮コイルばねを受容する
大径孔部を形成された第2のシリコン層と、前記両シリ
コン層間に設けられかつ前記小径孔部と同軸かつ同一径
の連通孔を形成されたシリコン酸化膜とを有し、前記突
出方向に対して前記フランジ部が前記シリコン酸化膜に
衝当することにより前記頭部の突出量が規制されるもの
とした。あるいは、被接触体に接触させる頭部と当該頭
部に同軸的に設けられかつ該頭部よりも拡径されたフラ
ンジ部とを有する導電性針状体を軸線方向に出没自在に
支持すると共に、前記頭部を突出させる方向に前記フラ
ンジ部を弾発付勢する圧縮コイルばねを受容する導電性
接触子のホルダの製造方法であって、第1のシリコン層
と、第2のシリコン層と、前記両シリコン層の間に設け
られるシリコン酸化膜との積層構造で形成されるシリコ
ンウェハを用いて、前記第1のシリコン層に前記頭部を
同軸的に往復動自在に支持する小径孔部を形成すると共
に前記第2のシリコン層に前記フランジ部及び前記圧縮
コイルばねを受容する大径孔部を形成する過程と、前記
シリコン酸化膜層に前記小径孔部と同軸かつ同一径の連
通孔を形成する過程とを有するものとした。
【0006】このようにして、シリコン酸化膜を極めて
高精度(μ単位)に形成することができ、そのシリコン
酸化膜を導電性針状体の突出量を規制するストッパとす
ることにより、導電性針状体の突出量を高精度に規制す
ることができる。また、シリコンウェハの検査にあって
は、ホルダが被測定体と同一の材質であることから、高
温雰囲気下でのテストにおいても熱膨張率が同一である
ことから、多点同時測定における各針状体間の位置がず
れることがない。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された具体
例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。
【0008】図1は、本発明が適用された導電性接触子
1の模式的縦断面図である。なお、通常は複数の被接触
箇所を設けられている検査対象に対して多点同時検査を
行うために、図に示されるような導電性接触子1を並列
に複数配設して用いる。
【0009】本導電性接触子1にあっては、図における
下側にバーンインボードなどからなる基板2が設けられ
ており、基板2の上面側には、その上面と同一面を形成
する配線パターン2aが一体的に設けられている。上記
基板2の図における上面には、本発明が適用されたホル
ダとしてのプレート3が載置状態に一体化されている。
なお、プレート3と基板2とは図示されないねじなどの
結合手段により互いに結合されて使用されるものであっ
て良い。
【0010】本プレート3は、第1のシリコン層4と、
シリコン酸化膜5と、第2のシリコン層6とを積層した
ように形成されている。第1のシリコン層4及びシリコ
ン酸化膜5には両者を厚さ方向に貫通する小径孔部7が
形成され、第2のシリコン層6には、小径孔部7と同軸
的にかつ厚さ方向に貫通して上記配線パターン2aに臨
むようにされた大径孔部8が形成されている。
【0011】上記小径孔部7により、導電性針状体9の
頭部9aが同軸的にかつ軸線方向に往復動自在に支持さ
れており、大径孔部8により、導電性針状体9の上記頭
部9aよりも拡径されたフランジ部9bが同軸的に受容
されている。また、大径孔部8内には、その内径よりも
若干小径の圧縮コイルばね10が、フランジ部9bと配
線パターン2aとの間にて所定量圧縮された状態で概ね
同軸的に受容されており、導電性針状体9が、その頭部
9aを外方に突出させる方向に付勢されている。なお、
導電性針状体9には、上記フランジ部9bから同軸的に
圧縮コイルばね10内に延出するようにされたボス部9
cとボス部9cよりも小径の軸部9dとが形成されてい
る。
【0012】このようにして組み付けられた導電性接触
子1を接触させて半導体素子などの検査を行うことがで
きるが、そのような被接触体としての被検査体11を検
査する際には、導電性針状体9の頭部9aを被検査体1
1の端子11aに接触させて、基板2(配線パターン2
a)との間で電気信号の授受を行う。
【0013】本発明による導電性接触子1にあっては、
図1に示されるように、圧縮コイルばね10が圧縮変形
により湾曲するため、圧縮コイルばね10の内周部の一
部が軸部9dに接触する。また、圧縮コイルばね10に
あっては、図1の待機状態(組み付け状態)で軸部9d
と接触する部分から配線パターン2aに当接するコイル
端に至るまでを密着巻きされている。
【0014】したがって、電気信号は、導電性針状体9
の軸部9dから圧縮コイルばね10の密着巻き部10a
を軸線方向に流れ、配線パターン2aに達する。また、
圧縮コイルばね10の密着巻き部10aでは、電流はコ
イル状に流れずに、軸線方向に流れ得ることから、高周
波の場合に特に低インダクタンス化及び低抵抗化を向上
し得る。
【0015】なお、図に示されるように平坦面形状の端
子11aの場合には、導電性針状体9の頭部9aの突出
端を先鋭に形成して、皮膜などを突き破って確実に接触
させるようにすると良いが、被検査体の端子が半田ボー
ルのような場合には、導電性針状体9の頭部9aの突出
端形状を平坦に形成すると良い。
【0016】次に、本発明に基づくプレート3の形成方
法の一例について図2を参照して以下に示す。本プレー
ト3は、図2(a)に示されるように第1のシリコン層
4とシリコン酸化膜5と第2のシリコン層6とを積層状
態にして形成される。第1のシリコン層4と第2のシリ
コン層6とは、所望の板厚に高精度に仕上げられてお
り、両者間に設けられるシリコン酸化膜5は、例えば1
μm程度の膜厚であっても良く、かつ高精度に形成され
ている。特に、第1のシリコン層4とシリコン酸化膜5
とは、導電性接触子の突出量を高精度に均一化するため
に、μm単位の精度で形成されている。
【0017】まず、図2(b)に示されるように、第1
のシリコン層4と第2のシリコン層6との各表面(図に
おける上下面)に、小径孔部7用開口を有するパターン
マスクM1と大径孔部8用開口を有するパターンマスク
M2とをそれぞれ貼り付け、図の矢印a・bに示される
ように上下方向からそれぞれプラズマエッチングにより
小径孔部7及び大径孔部8を形成する。この時のプラズ
マ出力はシリコン酸化膜5を加工できない程度にする。
【0018】そして、図2(c)に示されるように、シ
リコン酸化膜5に対して、上記図2(b)におけるプラ
ズマエッチングの孔明け加工とは異なる条件(例えば異
雰囲気)により、シリコン酸化膜5の小径孔部7と大径
孔部8とを連通する連通孔12となる部分を除去する。
なお、連通孔12の孔径は、小径孔部7と同一にする。
そして、両孔部7・8と連通孔12とにより形成された
貫通孔の内周面に絶縁膜を生成する。
【0019】このようにすることにより、導電性針状体
9の大径孔部8に受容されるフランジ部9bが圧縮コイ
ルばね10により弾発付勢されてシリコン酸化膜5に衝
当し、その状態で導電性針状体9の頭部9aの突出量が
規制される。その突出量を規制するためのストッパとし
て、本発明によればシリコン酸化膜5を適用することか
ら、そのシリコン酸化膜5を上記したように形成するこ
とによりその深さ方向の精度をμ単位とすることがで
き、それにより、頭部9aの突出量を極めて高精度に規
制することができる。
【0020】本発明による導電性接触子1は、多数の端
子に対して同時に接触させて検査などを行うのに適する
ものである。したがって、図1には単体のみが示されて
いるが、比較的広い面積のものとして例えばシリコンウ
ェハ(例えば直径200mm)の全面に対する多点同時検
査を行うためには、プレート3も同程度の広大な面積に
て形成することになり、そのような大径のプレート3
に、図1に示される導電性接触子1を互いに並列に複数
配設して検査ユニットを構成することになる。
【0021】そのような広大な面積を有する装置にて多
点同時に接触させた場合でも、本発明によれば上記した
ように各導電性針状体の突出量を高精度に均一化するこ
とができるため、突出量のばらつきによる接触不良を生
じることがない。
【0022】さらに、シリコンウェハ検査におけるウェ
ハレベルバーンイン(WLBI)テストなど高温雰囲気
下で検査などを行う場合には、プレート3の熱膨張によ
る影響が大きいと、複数の導電性接触子1の離れたもの
同士にあっては、一方を被検査体の対応する端子に合わ
せても、他方が対応する端子に合わなくなってしまう。
それに対して、本発明によればシリコンウェハと同一の
材質のシリコン層によりプレート3を形成しており、熱
膨張率の違いがなく、上記したような位置ずれが生じる
ことがない。
【0023】また、例えば8インチサイズのウェハにお
いて多数(例えば22400箇所)の測定点を有するも
のの場合には、プレート3に同数の多数の孔明け加工を
行う必要があるが、上記したようにプラズマエッチング
加工することにより、量産にも対応できる。また、孔明
け加工時にシリコン酸化膜5がストッパになり、孔ピッ
チ・孔径・孔深さをμ単位で形成することができる。
【0024】
【発明の効果】このように本発明によれば、導電性針状
体の突出量を規制するストッパとしてホルダの孔径の違
いによる段部をシリコン酸化膜によるものとしたことか
ら、導電性針状体の突出量を高精度に規制することがで
きる。また、シリコンウェハの検査にあっては、ホルダ
が被測定体と同一の材質であることから、高温雰囲気下
でのテストにおいても熱膨張率が同一であることから、
多点同時測定における各針状体間の位置がずれることが
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された導電性接触子の模式的縦断
面図。
【図2】(a)はシリコン酸化膜を形成する過程を示す
模式的要部破断側面図であり、(b)は大小径の孔部を
形成する過程を示す模式的要部破断側面図であり、
(c)はホルダとして形成された状態を示す模式的要部
破断側面図である。
【符号の説明】
1 導電性接触子 2 基板、2a 配線パターン 3 プレート 4 第1のシリコン層 5 シリコン酸化膜 6 第2のシリコン層 7 小径孔部 8 大径孔部 9 導電性針状体、9a 頭部、9b フランジ部、9
c ボス部、9d 軸部 10 圧縮コイルばね、10a 密着巻き部 11 被検査体、11a 端子 12 連通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G003 AA10 AC01 AC03 AE03 AG04 AG12 AH05 2G011 AA15 AB01 AB04 AB05 AB06 AB07 AC14 AC32 AE03 AF07 2G014 AB51 AC06 AC10 4M106 AA01 AA02 BA14 CA56 DJ33

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被接触体に接触させる頭部と当該頭部に
    同軸的に設けられかつ該頭部よりも拡径されたフランジ
    部とを有する導電性針状体を軸線方向に出没自在に支持
    すると共に、前記頭部を突出させる方向に前記フランジ
    部を弾発付勢する圧縮コイルばねを受容する導電性接触
    子のホルダであって、 前記ホルダが、前記頭部を同軸的に往復動自在に支持す
    る小径孔部を形成された第1のシリコン層と、前記フラ
    ンジ部及び前記圧縮コイルばねを受容する大径孔部を形
    成された第2のシリコン層と、前記両シリコン層間に設
    けられかつ前記小径孔部と同軸かつ同一径の連通孔を形
    成されたシリコン酸化膜とを有し、 前記突出方向に対して前記フランジ部が前記シリコン酸
    化膜に衝当することにより前記頭部の突出量が規制され
    ることを特徴とする導電性接触子のホルダ。
  2. 【請求項2】 被接触体に接触させる頭部と当該頭部に
    同軸的に設けられかつ該頭部よりも拡径されたフランジ
    部とを有する導電性針状体を軸線方向に出没自在に支持
    すると共に、前記頭部を突出させる方向に前記フランジ
    部を弾発付勢する圧縮コイルばねを受容する導電性接触
    子のホルダの製造方法であって、 第1のシリコン層と、第2のシリコン層と、前記両シリ
    コン層の間に設けられるシリコン酸化膜との積層構造で
    形成されるシリコンウェハを用いて、 前記第1のシリコン層に前記頭部を同軸的に往復動自在
    に支持する小径孔部を形成すると共に前記第2のシリコ
    ン層に前記フランジ部及び前記圧縮コイルばねを受容す
    る大径孔部を形成する過程と、 前記シリコン酸化膜層に前記小径孔部と同軸かつ同一径
    の連通孔を形成する過程とを有することを特徴とする導
    電性接触子のホルダの製造方法。
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