JP2000046832A - クロマトグラフィ免疫分析装置 - Google Patents

クロマトグラフィ免疫分析装置

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JP2000046832A JP11222233A JP22223399A JP2000046832A JP 2000046832 A JP2000046832 A JP 2000046832A JP 11222233 A JP11222233 A JP 11222233A JP 22223399 A JP22223399 A JP 22223399A JP 2000046832 A JP2000046832 A JP 2000046832A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より使いやすく、より湿気及び酸素から隔離
され、従ってより長期間保存することが出来、そしてよ
り低いコストで製造することが出来るクロマトグラフィ
免疫分析装置を提供する。 【解決手段】 1以上のクロマトグラフィストリップを
平板からなる基板上に貼付し、それぞれのクロマトグラ
フィストリップはそれぞれのクロマトグラフィストリッ
プ周囲の基板部分とクロマトグラフィストリップ上に置
かれたシールフィルムとを密着することにより密封され
ていて、シールフィルム及び/又は基板は脱湿剤入りフ
ィルム及び/又は酸素吸収剤入りフィルムを有するもの
であるクロマトグラフィ免疫分析装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クロマトグラフ
ィストリップを用いるクロマトグラフィ免疫分析装置に
関し、詳しくは、1以上のクロマトグラフィストリップ
が基板上に載せられ、それぞれのクロマトグラフィスト
リップは全てのクロマトグラフィストリップを覆うシー
ルフィルムと基板とで密封されていて、シールフィルム
及び/又は基板は脱湿剤入りフィルム及び/又は酸素吸
収剤入りフィルムを有するものである、クロマトグラフ
ィ免疫分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クロマトグラフィストリップを用いるク
ロマトグラフィ免疫分析装置は、試料中の検出物質の有
無あるいは量を免疫学的に検出又は測定する装置であっ
て、少なくとも試料添加部位及び検出部位を有する。ク
ロマトグラフィストリップが更に標識部位を有している
ことがあり、このような装置は、例えば特開昭61−1
45459、特開平1−63865及び特表平1−50
3174に記載されているように、よく知られ、広く用
いられている。
【0003】クロマトグラフィストリップは、クロマト
グラフィストリップ中の抗体等の試薬が酸素や湿気等に
より変質したりストリップが手に触れられて汚染された
りすることを防ぐために、或いは折り曲げたりすること
による変形等を防ぐために、包装を含め適当な保護が必
要である。包装等の保護は、通常一又は複数のクロマト
グラフィストリップを基板に貼付し又は載せて保護ケー
スに入れた後袋に入れて密封されていた。あるいは、W
O94/24563にあるように、クロマトグラフィス
トリップをラミネートフィルムによりシールされてい
た。袋による包装では、クロマトグラフィストリップの
吸湿を最少にするために、クロマトグラフィストリップ
が脱湿剤と共に密封されている。
【0004】しかし、従来のクロマトグラフィ免疫分析
装置においては、1個のクロマトグラフィストリップを
密封する場合には、クロマトグラフィストリップ毎に保
護ケース、脱湿剤及び包袋が必要であり、包装に多くの
費用がかかる。複数のストリップが基板上に貼付されて
いる場合には、全てのクロマトグラフィストリップが1
つの袋に詰められ、必要量の脱湿剤が置かれて、水分を
実質的に透過しない包装材料で密封される。この方法で
は、包装材料及び脱湿剤に要する費用を節減できるが、
最初のクロマトグラフィストリップを用いるために袋を
開封すると、他のクロマトグラフィストリップは空気即
ち湿気及び酸素に曝されることになり、劣化のおそれが
あった。そのため、袋の開封後に、特別な保護、保管処
置が必要で、使用者の不注意などにより適切に保護、保
管されなかった場合には、保存したクロマトグラフィス
トリップは使用できなくなる。更に、WO94/245
63では、クロマトグラフィストリップを空気から遮断
することはなされていても、湿気及び酸素からクロマト
グラフィストリップを保護するためのそれ以上の処置は
なされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
記のような従来のクロマトグラフィ分析装置の形態及び
包装における様々な問題を解決しようとするものであ
り、より使いやすく、より湿気及び/又は酸素から隔離
され、従ってより長期間保存することができ、そしてよ
り低いコストで製造することができるクロマトグラフィ
免疫分析装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、1以上の
クロマトグラフィストリップが基板上に載せられ、それ
ぞれのクロマトグラフィストリップは全てのクロマトグ
ラフィストリップを覆うシールフィルムと基板とで密封
されていて、シールフィルム及び/又は基板は脱湿剤入
りフィルム及び/又は酸素吸収剤入りフィルムを有する
ものであるクロマトグラフィ免疫分析装置を得て、使い
やすく且つ湿気及び/又は酸素からより保護されていて
且つまた製造コストが低いクロマトグラフィ免疫分析装
置を得ることに成功した。
【0007】即ちこの発明のクロマトグラフィ免疫分析
装置は、要約すると以下の装置である。
【0008】(1)試料添加部位及び検出部位を少なく
とも有するクロマトグラフィストリップの1以上が、1
枚の平板からなる基板上に、相互に間隔をおいて且つス
トリップ支持体を挟み又は挟まずして置かれていて、
(2)全てのクロマトグラフィストリップを覆う1枚の
シールフィルムが、上記クロマトグラフィストリップ上
に保護ラミネートを挟み又は挟まずして置かれていて、
(3)それぞれのクロマトグラフィストリップは、それ
ぞれのクロマトグラフィストリップ周囲の基板部分と上
記シールフィルムとが密着されることにより密封されて
いて、(4)シールフィルムと基板との上記密着は、シ
ールフィルムが基板から少なくとも試料添加部位におい
て容易に剥がすことができるものであり、(5)シール
フィルムと基板とは、(イ)シールフィルム及び基板の
何れか一方が脱湿剤入りフィルム及び酸素吸収剤入りフ
ィルムの何れか一方又は両方のフィルムを有するか、
(ロ)シールフィルムが脱湿剤入りフィルム及び酸素吸
収剤入りフィルムの何れか一方のフィルムを有し、基板
が他の一方のフィルムを有するか、(ハ)シールフィル
ムと基板との何れか一方が脱湿剤入りフィルム及び酸素
吸収剤入りフィルムの何れか一方のフィルムを有し、他
の一方が脱湿剤入りフィルム及び酸素吸収剤入りフィル
ムの両方のフィルムを有するか、又は(ニ)シールフィ
ルムと基板とが共に脱湿剤入りフィルム及び酸素吸収剤
入りフィルムの何れか一方又は両方のフィルムを有して
いて、且つ(6)シールフィルム及び/又は基板が脱湿
剤入りフィルムを有しているものであるときは、シール
フィルムと基板は、少なくともシールフィルムと基板と
で密着されていない部分において水を実質的に透過しな
いものであり、シールフィルム及び/又は基板が酸素吸
収剤入りフィルムを有しているものであるときは、シー
ルフィルムと基板は、少なくともシールフィルムと基板
とで密着されていない部分において酸素を実質的に透過
しないものである、クロマトグラフィ免疫分析装置。
【0009】
【発明の実施の形態】クロマトグラフィストリップは、
クロマトグラフィ担体上に試料添加部位、検出部位を少
なくとも有し、試料添加部位に添加された検出物を含む
可能性のある試料液がクロマトグラフィ担体中を毛細管
流により移動できるようにされていて、且つ免疫学的反
応により試料液中の検出物の有無或いは量に応じて又は
反比例して、予めクロマトグラフィストリップ上に設け
られた標識部位の標識物質或いは試料液と共にクロマト
グラフィストリップに添加された標識物質が、検出部位
に蓄積され、蓄積された標識物質の有無又は量を測定す
ることにより試料液中の検出物の有無又は量を知ること
ができるようにされているものである。このようなクロ
マトグラフィストリップとして種々のものが知られてい
るが、この発明では、後に説明のために例示したものを
含め、これら知られている何れのクロマトグラフィスト
リップも使用することができる。なお、ここでは、この
ようなクロマトグラフィストリップが免疫分析に使用で
きるようにされ、また保管、輸送等ができるようにされ
た製品をクロマトグラフィ免疫分析装置という。
【0010】クロマトグラフィストリップの典型的な例
を以下に説明する。試料添加部位は、標識部位がある場
合には標識部位と同じ場所か標識部位の上流(以下、試
料液が毛細管流により移動する方向を「下流」、その反
対方向を「上流」という)の何れかにあれば良いが、一
般に標識部位の上流が望ましい。試料添加部位内に検出
物を含む可能性がある試料液が添加されると、試料液は
検出物と共にクロマトグラフィ担体中を毛細管流により
下流方向に移動する。
【0011】検出物は、典型的には検出部位に固定され
ている捕捉物質と特異的に結合するものか又は捕捉物質
と特異的に結合するコンジュゲートと特異的に結合する
ものである。例えば、捕捉物質が抗原又はコンジュゲー
トが抗原を有するものであれば、検出物は抗体であり、
捕捉物質が抗体又はコンジュゲートが抗体を有するもの
であれば、検出物は抗原である。
【0012】試料添加部位が標識部位(標識部位がある
場合)の上流にある場合には、標識部位は試料添加部位
と接して配置されていても良いし、試料添加部位と離れ
て配置されていても良い。標識部位がある場合には標識
部位には、典型的には検出物と特異的に結合するかまた
は検出物と競合して捕捉物質と特異的に結合し且つ標識
された物質( 標識物質) が、配置されている。
【0013】標識部位がない場合には、標識物質は、多
くの場合、試料液と共に試料添加部位に添加されるが、
試料液の添加後に、クロマトグラフィストリップの結合
部位以前の何れかの場所に添加してもよく、標識物質の
添加方法は多くの変形がある。
【0014】標識は放射性同位物質であっても、酵素で
あっても或いは金コロイド等の着色物質であってもよ
い。これらのこともまたよく知られている。
【0015】標識物質は、試料液の毛細管流により移動
できるように配置されているので、試料液が試料添加部
位に添加されると標識物質は下流方向に移動する。
【0016】検出部位は、通常、標識部位と一定の間隔
を置いて標識部位の下流に配置されている。検出部位に
は、検出物質のみと或いはコンジュゲートのみと特異的
に結合するか、検出物と標識物質の何れにも特異的に結
合する捕捉物質がクロマトグラフィ担体に固定されてい
る。従って、試料液の毛細管流により移動してきた検出
物(標識物質が結合していることもある)が捕捉物質に
または捕捉物質に結合したコンジュゲートに結合する。
結合した検出物に(標識物質が結合していない場合に
は)更に標識物質が結合し、かくして標識物質が検出部
位に検出物の有無又は量に応じて集積される。或いは、
毛細管流により移動してきた標識物質と検出物が捕捉物
質または捕捉物質に結合しているコンジュゲートに競合
して結合し、検出物の量に反比例して標識物質が集積さ
れる。
【0017】標識物質として、捕捉物質(又は捕捉物質
に結合したコンジュゲート)と検出物質の両方に結合す
るが両方に同時に結合することがないものもある、この
場合、検出物質は標識物質と先ず結合し、検出物質と結
合しなかった標識物質が捕捉物質と結合する。従って、
結合部位に蓄積された標識物質を測定することにより、
検出物の有無又は量を分析することができる。
【0018】検出部位の上流域には、更に種々の物質が
必要に応じて置かれる。例えばコンジュゲートが移動可
能なように置かれることがある。コンジュゲートは、検
出物と捕捉物質の双方に又は標識物質と捕捉物質の双方
に特異的に結合するものであり、検出物又は標識物質に
特異的に結合する物質と捕捉物質に特異的に結合する物
質の複合体である。捕捉物質に特異的に結合するものと
捕捉物質との組み合わせは、例えばビオチンとアビジン
(どちらが捕捉物質であってもよい)や抗体と抗原(検
出物と無関係の)等がある。
【0019】検出部位の下流にさらに1つ或いはそれ以
上の検出部位を設けることもある。また、検出部位の下
流には試料液が全て流出できるように更にクロマトグラ
フィ担体が延長され、または試料液の吸収材が置かれる
ことがある。
【0020】クロマトグラフィ担体は、試料添加部位、
標識部位及び検出部位の担体であり、またこれらを毛細
管流により試料液が移動できるように接続している担体
である。クロマトグラフィ担体としては多くのものが提
案されていて、その何れもこの発明のクロマトグラフィ
担体として使用できる。例えば、セルロース、ニトロセ
ルロース、セルロースアセテート等が最もよく用いられ
ている。
【0021】かくして、検出部位に蓄積された標識物質
の有無或いは量を目視等により測定することにより、試
料液中の検出物質の有無或いは量を知ることが出来る。
【0022】クロマトグラフィストリップは、必要によ
り、何れか一方の面が(以下この面をクロマトグラフィ
ストリップの裏面という)ストリップ支持体と接触する
ようにストリップ支持体に接着されることがある。スト
リップ支持体は、主に試料添加部位や標識部位等が動い
たりしないようにするためのものである。クロマトグラ
フィストリップをストリップ支持体に貼る場合、クロマ
トグラフィ担体中の試料液の毛細管流が乱されたり、或
いは検出物の検出感度を低下させるような方法であって
はならない。また、ストリップ支持体は、試料添加部位
の全部は覆わないようにされる場合がある。
【0023】また、クロマトグラフィストリップのスト
リップ支持体が貼付されている面の反対の面(以下この
面を又は基板が貼付されている面の反対側の面を、クロ
マトグラフィストリップの表面という)に、場合によっ
ては保護ラミネートが貼付されることがある。保護ラミ
ネートは主に、試料添加部位や標識部位の接着を確実に
したり、クロマトグラフィストリップが使用される際、
汚染されたり傷つけられたりすることを防ぐためのもの
である。保護ラミネートの少なくとも検出部位を覆う部
分は透明でなくてはならず、また試料添加部位内の試料
添加部分は覆われていてはならない。
【0024】貼付は、クロマトグラフィ担体中の試料液
の毛細管流が乱されたり、或いは検出物の検出感度を低
下させるような方法であってはならない。
【0025】ストリップ支持体及び保護ラミネートは、
ポリエチレンテレフタレート(以下PET)が最も多く
使われるが、ポリプロピレン(以下PP)或いはポリ塩
化ビニル等でもよい。
【0026】クロマトグラフィストリップとストリップ
支持体又は保護ラミネートとの接着、又は後に述べるス
トリップ支持体と基板との接着は、ゴム系、アクリル系
又はビニルエーテルポリマー系の接着剤が多く用いられ
ている。
【0027】クロマトグラフィストリップは、1以上
が、ストリップ支持体を挟み或いは挟まずしてストリッ
プ基板上に置かれる。ここでいう「置く」とは、単に置
く場合と、ストリップ支持体がある場合にはストリップ
支持体に貼付され、ストリップ支持体がない場合には基
板に貼付される場合とを言う。また、「貼付」とは、ク
ロマトグラフィストリップの全面を基板に貼付する場合
と、クロマトグラフィストリップの一部を基板に貼付す
る場合を含む。要するにクロマトグラフィストリップ
が、製造中又は使用中に、容易にストリップ支持体又は
基板から離れないようにすればよい。また、基板は、ク
ロマトグラフィストリップ又はストリップ支持体から容
易に剥がせるように糊付けする場合がある。
【0028】ストリップ支持体がない場合には、基板が
ストリップ支持体の機能を兼ね備えることもある。
【0029】クロマトグラフィストリップを基板上に複
数個置く場合には、各クロマトグラフィストリップの下
流端及び上流端を揃えて各クロマトグラフィストリップ
が平行になるようにするのが、製作上最も望ましい。ま
た、クロマトグラフィストリップは、相互に一定の間隔
をおいて基板上に置かれる。
【0030】基板は1枚の平板からなっていて、ストリ
ップ支持体がある場合にはストリップ支持体に貼付さ
れ、ストリップ支持体がない場合には、クロマトグラフ
ィストリップの何れか一方の面(裏面)に貼付される。
【0031】基板は、基板上に置かれたクロマトグラフ
ィストリップの周辺部、即ちクロマトグラフィストリッ
プが複数個基板上に置かれる場合のクロマトグラフィス
トリップとクロマトグラフィストリップとの間隔部分に
おいて、後述のシールフィルムに密着してクロマトグラ
フィストリップを密封する。
【0032】シールフィルムは、全てのクロマトグラフ
ィストリップを覆うことができる1枚のフィルムであ
り、保護ラミネートを挟み又は挟まずしてクロマトグラ
フィストリップ上に置かれる。
【0033】基板とシールフィルムとが熱シールにより
密着させるときは、基板の内面(クロマトストリップが
ある側)とシールフィルムの内面(同じくクロマトスト
リップがある側)とは、互いに熱シールできるようなも
のでなければならない。このようなシールフィルムと基
板との組合せは、PEないしはPPを内面にもったフィ
ルムと内面にそれに対応するホットメルト剤をコーティ
ングしたフィルムとの組合せ、PEを内面にもったシー
ルフィルムとPPとポリエチレン(PE)のコポリマー
フィルムを内面にもったフィルムの組合せ等がある。
【0034】シールフィルムと基板とが糊付けされる場
合には、任意のシールフィルムとゴム系、アクリル系又
はビニルエーテルポリマー系の接着剤を内面にもった基
板の組合せ等がある。
【0035】シールフィルムと基板との密着は、基板と
シールフィルムとが使用時少なくとも試料添加部位にお
いて容易に剥がせるものでなければならない。基板とシ
ールフィルムとが容易に剥がせ且つ良好な密封性を保持
するためには、剥離強度が幅15mm当たり1.5ない
し2.0kg重であることが望ましい。
【0036】シールフィルムと基板とは、(イ)シール
フィルム及び基板の何れか一方が脱湿剤入りフィルム及
び酸素吸収剤入りフィルムの何れか一方又は両方のフィ
ルムを有するか、(ロ)シールフィルムが脱湿剤入りフ
ィルム及び酸素吸収剤入りフィルムの何れか一方のフィ
ルムを有し、基板が他の一方のフィルムを有するか、
(ハ)シールフィルムと基板との何れか一方が脱湿剤入
りフィルム及び酸素吸収剤入りフィルムの何れか一方の
フィルムを有し、他の一方が脱湿剤入りフィルム及び酸
素吸収剤入りフィルムの両方のフィルムを有するか、又
は(ニ)シールフィルムと基板とが共に脱湿剤入りフィ
ルム及び酸素吸収剤入りフィルムの何れか一方又は両方
のフィルムを有していて、且つシールフィルム及び/又
は基板が脱湿剤入りフィルムを有しているものであると
きは、シールフィルムと基板は、少なくともシールフィ
ルムと基板とで密着されていない部分において水を実質
的に透過しなく、シールフィルム及び/又は基板が酸素
吸収剤入りフィルムを有しているものであるときは、シ
ールフィルムと基板は、少なくともシールフィルムと基
板とで密着されていない部分において酸素を実質的に透
過しない。
【0037】シールフィルムが脱湿剤入りフィルムを有
しているときは、シールフィルムは水を透過しない層を
外側面に有している。また、シールフィルムが酸素吸収
剤入りフィルムを有しているときは、シールフィルムは
酸素を透過しない層を外側面に有している。基板につい
ても、脱湿剤入りフィルムを有しているときは、基板は
水を透過しない層を外側面に有していて、酸素吸収剤入
りフィルムを有しているときは、酸素を透過しない層を
外側面に有している。また、シールフィルムの最外面は
印刷ができるようにされることが多い。
【0038】シールフィルム及び/又は基板が、脱湿剤
入りフィルム及び酸素吸収剤入りフィルムを有していな
い場合には、シールフィルム及び/又は基板は、単層フ
ィルムである場合もあるし、酸素を透過しないフィル
ム、水を透過しないフィルム、熱シールに適したフィル
ム及び最外面のPETフィルム等が適宜組み合わされた
多層フィルムである場合もある。
【0039】基板とシールフィルムが共に酸素吸収剤入
りフィルムを有するものでないときは、基板とシールフ
ィルムは必ずしも酸素を透過しないものでなくともよ
く、また、基板とシールフィルムが共に脱湿剤入りフィ
ルムを有するものでないときは、基板とシールフィルム
は必ずしも水を透過しないものでなくともよい。即ち、
クロマトグラフィストリップが湿気により変質しない場
合には、脱湿剤入りフィルムを有するものを用いたり、
水を透過しないシールフィルム及び基板を用いる必要が
ないし、クロマトグラフィストリップが酸素により変質
しない場合には、酸素吸収剤入りフィルムを用いたり、
酸素を透過しないシールフィルム及び基板を用いる必要
がない。
【0040】脱湿剤入りフィルムは、乾燥剤として用い
られる塩化カルシウム、シリカゲル、モレキュラーシー
ブ、二酸化珪素、アルミナ、ゼオライト等を熱可塑性高
分子樹脂に適当量練り込んで作製することができる。脱
湿剤入りフィルムの例として、「モイスチャーガード」
(東洋製罐 (株) 製)、「ハイシート・ドライフィル
ム」(丸谷化工機 (株) 製)がある。
【0041】また、酸素吸収剤入りフィルムは、活性酸
化鉄、ピロガロール等の酸素吸収剤を熱可塑性高分子樹
脂に適当量練り込んで作製することができる。酸素吸収
剤入りフィルムの例として、「オキシガード」(東洋製
罐 (株) 製)がある。
【0042】シールフィルムは、脱湿剤と酸素吸収剤の
両方を有するフィルムであることもある。このようなシ
ールフィルムは、ここでは、脱湿剤入りフィルムといっ
てもよいし、酸素吸収剤入りフィルムといってもよい。
同様に基板も、脱湿剤と酸素吸収剤の両方を有するフィ
ルムであることもある。このような基板は、ここでは、
脱湿剤入りフィルムといってもよいし、酸素吸収剤入り
フィルムといってもよい。
【0043】基板の例として、水を実質的に透過しない
ものは、300μm以上のポリエチレン(以下PE)、
300μm以上のPP、内面側から300μm以上の
[PE又はPP]/約15μmのポリ塩化ビニリデン
(以下PVDC)の多層フィルム、内面側から約70μ
mの[PE又はPP]/約125μmのPET/約15
μm程度のPVDCの多層フィルム等がある。
【0044】水を実質的に透過せず脱湿剤入りフィルム
を含むものとしては、300μmの「モイスチャーガー
ド」、内側面から約110μmの「モイスチャーガー
ド」/約125μのPET/約15μmのPVDCの多
層フィルム等がある。
【0045】酸素を実質的に透過しないものとして、内
面側から150μm以上の[PE又はPP]/約15μ
mのポリビニルアルコールの鹸化物/150μm以上の
[PE又はPP]の多層フィルムなどがある。以上は、
透明なものである。
【0046】水及び酸素を実質的に透過しないもので透
明なものの例として、内面側から150μm以上の[P
E又はPP]/約30μmのPVDC/50μm以上の
[PE又はPP]の多層フィルム等がある。水及び酸素
を実質的に透過しないもので、不透明なものの例とし
て、内面側から200μm以上の[PE又はPP]/約
7μmのアルミニウム箔(以下Al)/約12μmのP
ETの多層フィルム、内面側から70μmの[PE又は
PP]/約125μmのPET/約7μmのAl/12
μmのPETの多層フィルム、内面側から約70μmの
[PE又はPP]/約125μmのポリスチレン/約7
μmのAl/約12μmのPETの多層フィルム等があ
る。
【0047】水及び酸素を実質的に透過せず脱湿剤及び
/又は酸素吸収剤入りフィルムを含むものとして、上に
挙げた水及び酸素を実質的に透過しない多層フィルムの
内側のフィルムを110ないし250μmの「モイスチ
ャーガード」及び/又は110ないし250μmの「オ
キシガード」に置き換えることにより得られる。
【0048】基板表面特に内側面には必要に応じてゴム
系、アクリル系或いはビニルエーテルポリマー系等の糊
が塗布されていてもよい。この場合、使用時までは剥離
紙または剥離フィルムが糊が塗布された面に積層され
る。剥離紙または剥離フィルムは、紙、PET、PP等
何でも良い。
【0049】シールフィルムの例として、水を実質的に
透過しないものとして、内面から約70μmの[PE又
はPP]/約12μmのPET、酸素を実質的に透過し
ないものとして、内面から約70μmの[PE又はP
P]/約15μm程度のポリビニルアルコールの鹸化物
/約12μmのPP/約12μmのPET、水および酸
素を実質的に透過しないものとして、内面から約70μ
mの[PE又はPP]/約30μm程度のPVDC/約
12μmのPET等がある。以上は全て透明である。
【0050】水を実質的に透過せず脱湿剤入りフィルム
を有するものとしては、内面から110μmの「モイス
チャーガード」/約12μmのPET(透明)、約11
0μmの「モイスチャーガード」/約7μmのAl/約
12μmのPET(不透明)等がある。酸素を実質的に
透過せず酸素吸収剤入りフィルムを有するものとして、
内面から110μmの「オキシガード」/7μmのAl
/12μmのPET(不透明)、水および酸素を実質的
に透過せず脱湿剤入りフィルム及び酸素吸収剤入りフィ
ルムを有するものとして、内面から110μmの「モイ
スチャーガード」/110μmの「オキシガード」/7
μmのAl/12μmのPET(不透明)が例として挙
げられる。
【0051】多層フィルムは、その構成フィルムを適当
な接着剤で貼り合わせたり、或いはその構成フィルムの
一部を共押し出しして積層し、その後に必要ならば残り
の構成材料を接着剤で貼り合わせたりして製造するする
ことができる。
【0052】クロマトグラフィ免疫分析装置は、先ず前
述のようなクロマトグラフィストリップを調製し、必要
によりストリップ支持体及び/又は保護ラミネートを前
述のように用いて、或いはストリップ支持体に試料添加
部位等を貼り合わせつつクロマトグラフィストリップを
調製して、前述の基板とシールフィルムとを密着させて
クロマトグラフィストリップを密封することにより製造
できる。
【0053】この発明のクロマトグラフィ免疫分析装置
は次のように使用される。必要により使用するクロマト
グラフィストリップのみを基板と共に切り離し、少なく
とも試料添加部分を覆う部分のシールフィルムを剥がし
て、露出した試料添加部位に試料液を添加する。シール
フィルムは、シールフィルムの形状によってはクロマト
グラフィストリップを覆う全部を剥がさなければならな
い場合もある。クロマトグラフィストリップが複数基板
に載せられているときは、クロマトグラフィストリップ
を予め切り離して使用しなかったときは、使用後切り離
すのが通常である。更に、基板もストリップ支持体から
分離して使用することもある。
【0054】更に図面を用いて説明する。図1はこの発
明のクロマトグラフィ免疫分析装置の1例を示す模式図
である。aは平面図、bは断面図、cは他の断面図であ
る。図2はクロマトグラフィストリップの1例を示す模
式図である。図3はこの発明のクロマトグラフィ免疫分
析装置の1例を示す模式図である。1はクロマトグラフ
ィストリップを、2は基板を、3はシールフィルムを、
4はクロマトグラフィ担体を、5は試料添加部位を、6
は標識部位を、7は検出部位を、8はストリップ支持体
を、9は保護ラミネートを、10はミシン目を、11
(斜線部分)は基板とシールフィルムの密着部分を、そ
れぞれ示す。
【0055】クロマトグラフィストリップ1は、基板2
の上に置かれ、シールフィルム3を基板2のクロマトグ
ラフィストリップ周辺部分11と密着せしめることによ
り、クロマトグラフィストリップ1を脱湿剤入りフィル
ム及び/又は酸素吸収剤入りフィルムと共に密封し、空
気から遮断される(図1)。
【0056】図3のように、櫛形の基板を用いれば、各
クロマトグラフィストリップの試料添部位が完全に分離
されているため、試料を添加するときに試料液が誤って
隣のクロマトグラフィストリップに流れてしまうといっ
た危険がない。
【0057】クロマトグラフィストリップ1は、クロマ
トグラフィ担体4に試料添加部位5、標識部位6及び検
出部位7を配置したものである(図2)。クロマトグラ
フィストリップは、必要により、ストリップ支持体8及
び保護ラミネート9により、支持又は保護されている。
【0058】ミシン目10は、複数のクロマトグラフィ
ストリップが基板に置かれているとき使用するクロマト
グラフィストリップのみをクロマトグラフィ免疫分析装
置から切り離しやすくするためのものであり、必要によ
り適宜設けられる。ミシン目10は、クロマトグラフィ
ストリップ1個が切り離せるようにしてもよいし、数個
一緒に切り離せるようにしてもよい。
【0059】
【実施例】実施例1 表1に示すシールフィルムと基板の組み合わせを調製し
た。多層フィルムは、それぞれ単層フィルムを接着剤で
貼り合わせて調製した。
【0060】
【表1】 MG:110μm「モイスチャーガード」(東洋製罐
(株) 製) OG:110μm「オキシガード」(東洋製罐 (株)
製) AI:7μmAl PET12:12μmPET PET125:125μmPET PP70:70μmPP PP300:300μmPP PVDC:12μmPVDC 脱湿性能試験1:試料1、2、3、4及び7のシールフ
ィルム、試料3及び5の基板及び市販の袋詰め粒状シリ
カゲルのそれぞれ表2に示す量を、室温(23℃、湿度
40%)に又は温度40℃の恒温槽内に置き、3日間保
存した。次いで、再度重量を測定して、最初の重量から
の増加分を水分吸収量とした。結果を表2に示す。
【0061】この結果から脱湿剤入りフィルムを有する
フィルムは、高い脱湿性を有することがわかる。
【0062】
【表2】 脱湿性能試験2:試料1、2、3、4及び6のシールフ
ィルム、試料3及び5の基板のそれぞれの三方を熱シー
ルして袋を作製した(内表面積600cm)。袋の中
に米国ヒューミダイアル・カンパニー製湿度表示紙を入
れ、更にもう1方を熱シールして密封した。また、試料
7のシールフィルムを使用して同じように袋を作製し
(内表面積600cm)、その中に前記した湿度表示
紙と2gの袋詰め粒状シリカゲルを入れ、更にもう1方
を熱シールして密封した。更に、対照として、試料7の
シールフィルムを使用して袋を作製し(内表面積600
cm )、その中に前記した湿度表示紙を入れ、更にも
う1方を熱シールして密封した。これらの袋を室温で3
日置き、開封直後の湿度表示紙の表示を読みとった。
【0063】湿度表示は、対照の袋は45%であり、そ
れ以外の全ての袋は15%以下であった。なお、この湿
度表示紙の最低表示湿度は15%である。
【0064】酸素吸収性能試験:試料4及び5のシール
フィルムの4方を熱シールして内表面積600cm
袋を作製した。これらの袋の表面に1×1cmの天然ゴ
ム片を接着剤で貼り付けた。天然ゴム片を通して注射筒
で袋内の空気を全て抜いた後、正確に20mLの空気を
注入した。これらの袋を室温で3日間置き、更に天然ゴ
ム片を通して袋内の気体をサンプリングし、モレキュラ
ーシーブを充填したカラムを付けたガスクロマトグラフ
ィーで、酸素濃度を測定した。
【0065】結果は、いずれの袋からも酸素は検出され
なかった。なお、この測定系での酸素濃度の検出限界は
0.01%である。この結果から、酸素吸収剤入りフィ
ルムを有する多層フィルムは、酸素吸収能を有すること
がわかる。
【0066】以上の結果から、実施例2に記載の方法に
より、試料1、2、3、4、5又は6を用いて製造され
たクロマトグラフィ免疫分析装置は、湿気を防ぐ高い性
能を有することが予想される。また、試料4又は5を用
いて製造されたクロマトグラフィ免疫分析装置は、更に
高い抗酸化性能を有することが予想される。
【0067】実施例2 装置の製造:セレニウムコロイドで標識した抗ヒトヘモ
グロビン抗体からなる標識物質を次のように調製した。
91mMのL−アスコルビン酸ナトリウムと32mM酸
化セレニウムとを、約4℃で15分、次いで約42℃で
約70時間撹拌して、セレニウムコロイドを調製した。
得られたセレニウムコロイドを550nmの吸光度が1
5になるように10mMビストリス緩衝液(pH7.
0)で希釈した。この希釈液にマウスモノクローナル抗
ヒトヘモグロビン抗体(0.02%)を添加し、これを
室温で1時間撹拌した。得られたセレニウムコロイドで
標識した抗ヒトヘモグロビン抗体を10mMトリス塩酸
緩衝液(pH7.2)で洗浄して標識物質とした。
【0068】標識部位を次のように調製した。標識物質
を1%カゼインを含有した10mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.2)に入れ、波長550nmの吸光度が1.
0になるようにして標識物質懸濁液を得た。この懸濁液
中にガラス繊維膜(米国LYDALL社製、Lypor
e9524)を浸し懸濁液を充分しみ込ませた後、ガラ
ス繊維膜を乾燥し、標識部位とした。
【0069】検出部位を次のように調製した。上記抗ヒ
トヘモグロビン抗体とはヒトヘモグロビンへの結合部位
が異なるマウスモノクローナル抗ヒトヘモグロビン抗体
を、2mg/mLになるように、150mM塩化ナトリ
ウムを含有した30mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
4)中に混合した。一方、クロマトグラフィ担体とし
て、0.4×4.5cmの長方形の細孔5μmのニトロ
セルロース膜(米国Schleicher & Sch
uell社製)を、厚さ100μmの0.4×6.0c
mの長方形のストリップ支持体(リンテック社製、PE
PET100 PE LR007A)に、長い辺を縦
としたときに上端が揃うように貼付した。ストリップ支
持体に貼付したニトロセルロース膜の下端から約1cm
のところに線状に抗体(抗ヒトヘモグロビン抗体)を混
合した溶液を滴下した後、十分乾燥させ、抗ヒトヘモグ
ロビン抗体を固定した。
【0070】クロマトグラフィストリップを次のように
調製した。抗ヒトヘモグロビン抗体を固定したニトロセ
ルロースの下側のストリップ支持体上に、0.4×0.
4cmの正方形に切断した上記標識部位を、ニトロセル
ロースとわずかに接するように貼付した。標識部位下端
のストリップ支持体上に試料添加部位として、0.4×
1.3cmの不織布(米国デュポン社製ソンタラ880
1)をニトロセルロースとわずかに接するように貼付し
た。更に、0.4×5.1cmの長方形の保護フィルム
(リンテック社製、PET25 PE LR007A)
を長い辺を縦としたときに上縁がニトロセルロース膜の
上端に揃うように貼付し、これをクロマトグラフィスト
リップとした。
【0071】クロマトグラフィストリップを基板に次の
ように貼付した。試料1及び試料7の基板上に10個の
クロマトグラフィストリップをクロマトグラフィストリ
ップのストリップ支持体の裏面(内側とは反対の面)
に、その上端を揃えて1.8cm間隔で平行に貼付し
た。
【0072】シールフィルムを基板に次のようにして熱
シールによる密着せしめた。クロマトグラフィストリッ
プ貼付済み試料1の基板を2つに分け、その1方に、試
料1のシールフィルムを、クロマトグラフィストリップ
の周囲0.25cmの範囲を熱シールしないように、熱
シールした。熱シール条件は、シール温度120℃、シ
ール時間1.5秒、シール圧力3.0kg/cmで行
った。更にこれを二つに分け、一方は抜き型を使用して
図1のように打ち抜いた。これを装置Aとする。残り一
方は、別の抜き型を使用してクロマトグラフィストリッ
プ1枚のものを得て装置Bとした。
【0073】対照として、クロマトグラフィストリップ
貼付済み試料1の基板の残りの半分を5枚まとめて、市
販の袋詰め粒状シリカゲル5gとともに、試料7の三方
を熱シールした袋(大きさ25×15cm)に入れて、
熱シールした。これを装置Cとした。
【0074】更に対照として、クロマトグラフィストリ
ップ貼付済み試料6の基板に、試料7のシールフィルム
を上記と同様にして熱シールし、これを装置Dとした。
【0075】過酷条件による保存:装置A、B、C及び
Dは、調製後、25℃、相対湿度60%に1日置き、次
いで40℃、相対湿度70%に28日置いた。過酷条件
保存後の装置A、B、C及びDは、25℃に2時間放置
後、装置A、B及びDについてはそのまま、装置Cにつ
いては開封し、装置が外気に触れるような状態で、25
℃相対湿度60%の環境下で24時間、48時間及び9
6時間置いた。
【0076】ヒトヘモグロビン(米国シグマ社製)を
0、5、10、25、50、100、200又は50
0、ng/mL含み、0.1%牛血清アルブミン(生化
学工業)、0.9%塩化ナトリウム、0.1%アジ化ナ
トリウムを含有する0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH
7.6)をサンプル液とした。装置A、B、C及びD
の、過酷条件による保存前のもの、過酷条件による保存
終了直後のもの、及び過酷条件保存後24、48及び9
6時間置かれたもののクロマトグラフィストリップ試料
添加部分に、このサンプル液を25μLずつ添加した。
サンプル液添加7分後にセレニウムコロイド由来の“赤
さ”を肉眼で読みとることにより判定を行った。“赤
さ”が肉眼で観察できる最低ヘモグロビン濃度をもって
感度とした。結果を表3に示す。
【0077】
【表3】 表3から明らかなように、過酷条件保存直後の装置A、
B及びCのクロマトグラフィストリップは、過酷条件保
存前のクロマトグラフィストリップと同等の感度を示
し、過酷条件保存中の安定性は良好であった。しかし、
過酷条件保存後24、48、96時間と経つと、装置A
及びBは感度の変化はなかったが、装置Cは徐々に感度
が下がった。これは、開封後の装置Cは安定性が不良で
あることを示している。脱湿剤入りフィルム及び乾燥剤
を有しない装置Dは過酷試験により感度が著しく低下し
た。
【0078】この実験からわかるように、従来の製品で
は、一部のクロマトグラフィストリップを使用した後に
は室温で保存することができず、冷所に保存する必要が
あった。冷所に保存後、アッセイするときには室温に戻
す必要があるため、緊急検査に対応しにくかった。装置
Aでは、室温で保存することが可能であるため緊急検査
に対応しやすくなった。また、シールフィルムを剥がす
までクロマトグラフィストリップの安定性が保証される
ため、安心して使用することができた。装置Aは、使用
時にシールフィルムが剥がし易くなっているため、殆ど
手間がかからなかった。
【0079】また、製造コストについて、従来の製品で
は、製造後の装置を脱湿剤等と共に水等を実質的に透過
しない袋に入れ、密封するという包装が必要であり、そ
のための人件費が必要であったが、装置Aの場合にはこ
のような作業を行う必要がなくそのための人件費が不要
になり、基板、シールフィルムのコストが若干上がった
のを上回るコスト削減をすることができた。
【0080】
【発明の効果】1以上のクロマトグラフィストリップを
平板からなる基板上に貼付し、それぞれのクロマトグラ
フィストリップはそれぞれのクロマトグラフィストリッ
プ周囲の基板部分と上記クロマトグラフィストリップ上
に置かれたシールフィルムとを密着することにより密封
されていて、シールフィルム及び/又は基板は脱湿剤入
りフィルム及び/又は酸素吸収剤入りフィルムを有する
ものであるクロマトグラフィ免疫分析装置を得て、使い
やすく、且つ湿気及び/又は酸素から保護されていて、
且つまた製造コストが低いクロマトグラフィ免疫分析装
置を得ることに成功した。即ち、シールフィルム及び基
板によりクロマトグラフィストリップは湿気及び/又は
酸素から隔離され、従ってより長期間クロマトグラフィ
ストリップを保存することができる。また、クロマトグ
ラフィストリップが複数個基板に貼付されているような
形の装置の場合にも、従来のこのような形の装置と異な
り、1つのクロマトグラフィストリップを使用しても未
使用のクロマトグラフィストリップが空気に曝されるこ
とはない。また、使用前又は使用後のクロマトグラフィ
ストリップのみを、他のクロマトグラフィストリップを
空気に曝すことなく基板と共に切り離すことができる。
更に本発明のクロマトグラフィ免疫分析装置は従来必要
であった包装作業を行う必要がないので、より少ない製
造コストにて生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクロマトグラフィ免疫分析装置の1例
を示す模式図である。aは平面図であり、bは側面、c
は立面図である。
【図2】クロマトグラフィストリップの1例を示す模式
図である。
【図3】本発明のクロマトグラフィ免疫分析装置の1例
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 クロマトグラフィストリップ 2 基板 3 シールフィルム 4 クロマトグラフィ担体 5 試料添加部位 6 標識部位 7 検出部位 8 ストリップ支持体 9 保護ラミネート 10 ミシン目 11 基板とシールフィルムの密着部分

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロマトグラフィ免疫分析装置であっ
    て、(1)1枚の平板からなる基板、試料添加部位およ
    び検出部位を少なくとも有する複数のクロマトグラフィ
    ストリップ、ならびに1枚のシールフィルムを有し、
    (2)すべてのクロマトグラフィストリップは、相互に
    一定の間隔をおいて基板上にストリップ支持体を挟みま
    たは挟まずして置かれ、基板に向いている面の反対側す
    なわち上部が保護ラミネートを挟みまたは挟まずしてシ
    ールフィルムにより覆われていて、(3)基板とシール
    フィルムとは相互に直接接触している部分において密着
    されていて、密着は少なくとも試料添加部位周辺におい
    て容易に剥がすことができるようなものであり、(4)
    シールフィルムおよび基板の少なくとも一方は、クロマ
    トグラフィストリップ側の面すなわち内側面の少なくと
    も密着されていない部分に脱湿剤入りフィルムおよび/
    または酸素吸収剤入りフィルムを有し、外側面に、脱湿
    剤入りフィルムを有するときは水を実質的に透過しない
    フィルムを有し、酸素吸収剤入りフィルムを有するとき
    は酸素を実質的に透過しないフィルムを有し、脱湿剤入
    りフィルムは水を透過するフィルムからなり、酸素吸収
    剤入りフィルムは酸素を透過するフィルムからなり、し
    たがってシールフィルムおよび基板は、脱湿剤入りフィ
    ルムおよび/または酸素吸収剤入りフィルムを有すると
    きは、少なくともその一部において多層フィルムであ
    り、かつ(5)シールフィルムおよび基板の一方のみが
    脱湿剤入りフィルムを有するときは、他方の脱湿剤入り
    フィルムを有しないシールフィルムまたは基板は水を実
    質的に透過しない単層または多層フィルムであり、シー
    ルフィルムおよび基板の一方のみが酸素吸収剤入りフィ
    ルムを有するときは、他方の酸素吸収剤入りフィルムを
    有しないシールフィルムまたは基板は酸素を実質的に透
    過しない単層または多層フィルムである、上記装置。
  2. 【請求項2】 クロマトグラフィストリップが標識部位
    を更に有する請求項1に記載のクロマトグラフィ免疫分
    析装置。
  3. 【請求項3】 シールフィルムが、金属フィルムを有す
    る多層フィルムである請求項1または2に記載のクロマ
    トグラフィ免疫分析装置。
  4. 【請求項4】 基板が、金属フィルムを有する多層フィ
    ルムである請求項1ないし3のいずれか一項に記載のク
    ロマトグラフィ免疫分析装置。
  5. 【請求項5】 金属フィルムがアルミニウム箔である請
    求項3または4に記載のクロマトグラフィ免疫分析装
    置。
  6. 【請求項6】 基板に載せられているクロマトグラフィ
    ストリップが5ないし12個である請求項1ないし5の
    いずれか一項に記載のクロマトグラフィ免疫分析装置。
  7. 【請求項7】 シールフィルムと基板との密着が熱シー
    ルによるものである請求項1ないし6のいずれか一項に
    記載のクロマトグラフィ免疫分析装置。
  8. 【請求項8】 脱湿剤がゼオライトである請求項1ない
    し7のいずれか一項に記載のクロマトグラフィ免疫分析
    装置。
  9. 【請求項9】 脱湿剤入りフィルムおよび/または酸素
    吸収剤入りフィルムを有する上記多層フィルムが、内側
    面より、脱湿剤入りフィルムおよび/または酸素吸収剤
    入りフィルム、アルミニウム箔、およびポリエチレンテ
    レフタレートフィルムを有する請求項1ないし8のいず
    れか一項に記載のクロマトグラフィ免疫分析装置。
  10. 【請求項10】基板が櫛形である請求項1ないし9のい
    ずれか一項に記載のクロマトグラフィ免疫分析装置。
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WO2005010525A1 (ja) * 2003-07-25 2005-02-03 Toyo Kohan Co., Ltd. 真空パック固体支持体アレイ及びその製造方法
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