JP2000046539A - 移動体の位置検出方法および位置検出装置 - Google Patents

移動体の位置検出方法および位置検出装置

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JP2000046539A
JP2000046539A JP10209865A JP20986598A JP2000046539A JP 2000046539 A JP2000046539 A JP 2000046539A JP 10209865 A JP10209865 A JP 10209865A JP 20986598 A JP20986598 A JP 20986598A JP 2000046539 A JP2000046539 A JP 2000046539A
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Kazuyuki Osawa
一行 大沢
Keijiro Oka
啓二郎 岡
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Original Assignee
Meiki Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂材料の成形機において、成形時に往復移
動せしめられる、型締装置における型または射出装置に
おけるスクリュといった移動体の位置を高精度に検出す
ることの出来る、移動体の位置検出技術を提供するこ
と。 【解決手段】 移動体が単位移動量だけ移動する毎に計
数信号を出力すると共に、移動体の移動方向に一定間隔
で設定された基準点を該移動体が通過する毎にゼロ信号
を出力するエンコ−ダと、隣接する各基準点の間にそれ
ぞれ設定された識別点を移動体が通過する毎に、各識別
点で互いに異なる識別信号を出力する絶対位置識別セン
サとを用いた。そして、移動体を任意の位置から何れか
一方に移動させて、計数信号,ゼロ信号および識別信号
を検出し、ゼロ信号が検出された基準点の絶対位置を識
別信号に基づいて算出すると共に、かかる基準点を基準
として計数信号を計数することにより、移動体の絶対位
置を算出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、樹脂材料の成形機において、成
形時に往復移動せしめられる移動体の位置検出方法およ
び位置検出装置に係り、特に、該移動体としての型締装
置における型または射出装置におけるスクリュの位置
を、高精度に検出することの出来る技術に関するもので
ある。
【0002】
【背景技術】一般に、樹脂材料の成形機は、固定金型が
取り付けられる固定盤と、可動金型が取り付けられる可
動盤とを備えた型締装置や、射出シリンダ内にスクリュ
を備えた射出装置等から構成されている。そして、それ
ら型締装置や射出装置において、可動盤に装着された可
動金型やスクリュといった移動体が往復移動せしめられ
ることによって、所定の金型の開閉および圧締、樹脂材
料の射出操作が行われるようになっている。
【0003】ところで、このような型締装置における可
動金型や射出装置におけるスクリュの往復移動に際して
は、成形品の品質の向上と安定化等のために、高精度な
移動位置の制御が必要とされる。具体的には、例えば、
型締装置にあっては、金型の開閉量に応じて可動盤の移
動速度を制御するために、可動金型の位置を検出する必
要があり、特に、近年では、成形材料や成形品の形状、
或いは成形段階等に応じて金型の圧締力を調節すること
によって、成形品の表面精度や品質の向上および安定化
を図るために、高精度な型位置の検出が要求されるよう
になってきている。
【0004】しかしながら、従来では、型位置の検出
が、ポテンショメータにて行なわれるようになっている
ために、安価ではあるが、測定精度が1mm程度しかな
く、充分な型位置の検出精度を得ることが出来なかっ
た。
【0005】また、アブソリュートタイプのエンコーダ
を使用することにより、高い位置検出精度を確保するよ
うにしたものも提案されてはいるが、アブソリュートタ
イプのエンコーダは、極めて高価であり、しかも外形が
大きく型締装置への装着が困難であるために、実用的で
はなかったのである。
【0006】なお、かかる型位置の検出に、安価なイン
クリメントタイプのロータリエンコーダを採用すること
も考えられるが、型締装置は、装着される型厚の大小等
によって、可動盤(可動金型)のストロークが制限され
るという特殊性を有しているために、通常の機械装置に
おけるロータリエンコーダを用いた位置検出と同様な方
法では、型位置を検出することが出来ない場合があり、
その実現は困難であった。
【0007】すなわち、ロータリエンコーダでは、被検
出物の絶対位置を検出することが出来ないために、先
ず、原点検出を行なって、該原点に対する相対位置を求
める必要があり、そのために、通常は、被検出物を、そ
のストローク中の予め設定された一つのポイントまで移
動させ、更にそのポイントから予め定めた方向に移動さ
せて、ロータリエンコーダからZ相が出力された位置を
基準位置(原点)とすることによって、その後の位置検
出が行なわれることとなる。
【0008】しかし、型締装置にあっては、装着される
型厚の大小や3枚プレート金型のように型開量を制限し
ている場合など、可動金型の移動ストロークが制限され
ることがあるために、可動金型を設定されたポイントま
で移動することが出来ず、原点検出が不可能となる場合
があり、それ故に、型位置の検出が出来なくなるという
大きな問題があったのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、樹脂材料の成形機において、成形時に往復
移動せしめられる、型締装置における型または射出装置
におけるスクリュといった移動体の位置を、それら移動
体のストロークが制限されるような場合にあっても、安
価な装置により、高精度に検出することの出来る、移動
体の位置検出方法並びに位置検出装置を、提供すること
にある。
【0010】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、樹脂材料の成形機において、成形時に
往復移動せしめられる移動体としての型締装置における
型または射出装置におけるスクリュの位置を検出するに
際して、前記移動体が単位移動量だけ移動する毎に計数
信号を出力すると共に、該移動体の移動方向に一定間隔
で設定された基準点を該移動体が通過する毎にゼロ信号
を出力するエンコ−ダと、隣接する前記各基準点の間に
それぞれ設定された識別点を前記移動体が通過する毎
に、各識別点で互いに異なる識別信号を出力する絶対位
置識別センサとを用い、かかる移動体を任意の位置から
何れか一方に移動させて、前記計数信号と前記ゼロ信号
および前記識別信号を検出し、該ゼロ信号が検出された
基準点の絶対位置を該識別信号に基づいて求めると共
に、該ゼロ信号が検出された基準点を基準として該計数
信号を計数することにより、該移動体の絶対位置を求め
る移動体の位置検出方法を、その要旨とするものであ
る。なお、エンコ−ダとしては、ロ−タリ型,リニア型
の何れも採用可能であり、また、計数信号およびゼロ信
号を電気信号として出力可能な公知のエンコ−ダ、例え
ば、光学式、静電容量式、電磁式の何れも採用され得る
が、有利には、構造が簡単で安価なインクリメントタイ
プで、特に光学式のエンコ−ダが採用される。
【0011】かくの如き本発明方法に従えば、高精度に
相対位置を検出出来るエンコ−ダと、絶対位置を識別出
来る絶対位置識別センサとを併せて用いると共に、絶対
位置識別センサから識別点毎に出力される識別信号に基
づいて、エンコ−ダから出力されるゼロ信号に対応する
基準点の絶対位置が求められることにより、該基準点の
絶対位置を高精度に求めることが出来るのである。そし
て、基準点を基準としてエンコ−ダから出力される計数
信号に基づいて、移動体の絶対位置が求められることか
ら、最終的に移動体の絶対位置も精度良く求めることが
可能となるのである。
【0012】また、本発明方法においては、移動体が、
移動路上の不特定位置にあっても、該不特定位置から何
れか一方向に移動させるだけで、基準点(原点)の絶対
位置を検出することが出来るのであり、また、基準点の
絶対位置検出には、基準点と各基準点間に設定された識
別点を検出出来る範囲内で、移動体を移動せしめれば充
分であることから、基準点の絶対位置検出に必要な移動
体の移動量を、略基準点間隔に等しい量、若しくはそれ
より僅かに大きい量に抑えることが出来るのである。従
って、ロ−タリエンコ−ダのみを用いた位置検出のよう
に、原点出しのために、移動体を予め固定的に設定され
た一つのポイントまで移動させる必要もないのであり、
以て、移動体の移動ストロークが制限される場合でも、
原点検出が不可能となるといった問題が、効果的に解消
され得るのである。
【0013】さらに、本発明方法においては、高価なア
ブソリュ−トタイプのエンコ−ダを用いることなく、安
価なインクリメントタイプのエンコ−ダ等によって、移
動体の絶対位置を高精度に求めることが出来るのであ
り、以て、設備費等が有利に削減され、可及的に製造コ
ストを下げることが可能となるのである。
【0014】また、本発明方法においては、任意の位置
からの移動体の移動に際して、ゼロ信号と識別信号の何
れが先に検出されたかを判断し、該ゼロ信号が先に検出
された場合には、該ゼロ信号が検出された基準点から計
数信号を計数し、かかる得られた計数値に対して、次に
検出された識別信号に基づいて、予め設定された原点と
該基準点の差を加減演算することによって、該移動体の
絶対位置を求める一方、該識別信号が先に検出された場
合には、該識別信号に基づいて、次にゼロ信号が検出さ
れた基準点と予め設定された原点との差を求め、かかる
得られた差を、該ゼロ信号が検出された基準点から計数
信号を計数して得られた計数値に加減演算することによ
って、該移動体の絶対位置を求める方法が、有利に採用
され得る。
【0015】このような本発明方法に従えば、ゼロ信号
と識別信号の何れが先に検出された場合にあっても、必
要以上の移動体の移動が効果的に防止されるのであり、
以て、原点出し(基準点の絶対位置検出)、ひいては移
動体の絶対位置の検出に必要とされる移動体の移動量
を、より小さく抑えることが出来る。
【0016】また、本発明にあっては、樹脂材料の成形
機に用いられて、成形時に往復移動せしめられる移動体
としての型締め装置における型または射出装置における
スクリュの位置を検出する移動体の位置検出装置であっ
て、a)前記移動体が単位移動量だけ移動する毎に計数
信号を出力する計数信号出力機構と、該移動体の移動方
向に一定間隔で設定された基準点を該移動体が通過する
毎にゼロ信号を出力するゼロ信号出力機構とを、備えた
エンコ−ダと、b)該エンコ−ダの前記ゼロ信号出力機
構における前記各基準点の間にそれぞれ設定された識別
点を前記移動体が通過する毎に、各識別点で互いに異な
る識別信号を出力する絶対位置識別センサと、c)前記
移動体の移動方向を識別し、前記エンコ−ダの前記計数
信号出力機構による計数信号を、該移動体の移動方向に
応じて計数する可逆計数手段と、d)前記移動体が任意
の位置から何れか一方に移動せしめられた際に、前記絶
対位置識別センサによる識別信号に基づいて、前記ゼロ
信号出力機構によるゼロ信号が検出された基準点と予め
設定された原点との差を求めると共に、前記可逆計数手
段によって前記ゼロ信号出力機構によるゼロ信号が検出
された基準点を基準として得られた計数値に基づいて前
記移動体の移動量を求め、該移動体の移動量に対して、
該基準点と該原点との差を加減演算することにより、該
移動体の絶対位置を求める演算手段とを、有することを
特徴とする移動体の位置検出装置も、その要旨とするも
のである。
【0017】このような本発明に従う構造とされた移動
体の位置検出装置においては、エンコ−ダにより相対位
置が高精度に検出され、絶対位置識別センサにより絶対
位置が識別されることから、エンコ−ダのゼロ信号出力
機構から出力されるゼロ信号に対応する基準点と予め設
定される原点の差は、絶対位置識別センサから出力され
る識別信号に基づいて、演算手段により高い精度を有し
て決定されるのである。更に、可逆計数手段によって、
かかる基準点を基準として計数された計数信号の計数値
が得られ、演算手段により、該計数値に対して、前記基
準点と原点の差が加減演算せしめられることから、最終
的に移動体の絶対位置も精度良く求められ得るのであ
る。
【0018】また、本発明に従う構造を有する移動体の
位置検出装置は、基準点(原点)検出の際に、移動体が
任意の場所にあっても、小さな移動量をもって、しかも
何れの移動方向にも移動体を移動させることが可能とな
るのであり、以て、移動体の移動ストロークが制限され
る場合でも、原点検出が不可能となるといった問題が、
有利に回避されるのである。
【0019】さらに、本発明装置においては、安価なイ
ンクリメントタイプのエンコ−ダ等を用いても、移動体
の絶対位置を充分に精度良く求めることが出来るのであ
る。
【0020】また、本発明装置においては、絶対位置識
別センサが、移動体および該移動体の移動路上の何れか
一方に設置された被検出体と、それら移動体および移動
路上の何れか他方に装着されて該被検出体を検出する検
出体によって構成されており、且つ該被検出体が、各基
準点の間に、それぞれ、互いに異なる数で設置されてい
ることにより、かかる被検出体の検出数に基づいて、各
識別点で異なる識別信号を与えるような構造が有利に採
用され得る。このような構成を採用することにより、各
基準点間に、一つおよび複数の被検出体を、その数が互
いに異なるようにして設けると共に、かかる被検出体を
検出する検出体を少なくとも一つ設けるだけといった簡
単な構造をもって、各識別点で異なる識別信号を与える
ことが可能となるのである。
【0021】また更に、本発明装置においては、絶対位
置識別センサにおける被検出体の検出体による検出間隔
が、移動体の移動路上において一定とされていると共
に、該移動体が任意の位置から何れか一方に移動せしめ
られた際、該被検出体の検出に基づいて与えられる、か
かる絶対位置識別センサによる識別信号が、設定された
検出間隔以下の移動量で出力された場合に、該識別信号
をキャンセルする信号選択手段を備えているような構成
が、有利に採用され得るのである。このような構成を採
用すれば、次にゼロ信号検出されるまでの過程で検出さ
れた識別信号がクリアされ、ゼロ信号が検出された後の
過程で検出された識別信号だけが、採用されることとな
る。従って、特に、被検出体が複数設置された部位にお
ける、その複数の被検出体の配設位置、またはそれら被
検出体間位置から、検出体による被検出体の検出が開始
される際に、本来の被検出体数とは異なる検出数、即
ち、誤った識別信号が出力されるといった、絶対位置識
別センサにおける誤検出、ひいては、その誤検出によっ
て惹起される誤った位置の算出を、容易に且つ有利に防
止することが出来るのである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の一実施形態について、図面を
参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0023】先ず、図1には、本発明が適用され得る型
締装置の概略構成図が示されている。そこにおいて、1
0は、固定金型12が装着された固定盤であり、図示し
ないベースによって固定的に支持されている。また、1
4は、移動体としての可動金型16が装着された可動盤
であり、四本のタイバー18にて案内されることによ
り、移動可能に配設されている。そして、図示しない駆
動装置により、かかる可動盤14(可動金型16)が、
固定盤10(固定金型12)に対して、接近/離隔方向
に往復移動せしめられ、金型12,16の開閉および圧
締が行なわれるようになっている。
【0024】また、かかる型締装置における可動盤14
には、移動方向に延び出し、該可動盤14と一体的に移
動せしめられるラック20が、取り付けられており、こ
のラック20の歯形刻設面に対して、ピニオン22が噛
合されている。一方、インクリメントタイプの光学式ロ
ータリエンコーダ24が、ピニオン22に対して、直接
に若しくは減速ギア等を介して間接に取り付けられると
共に、型締装置における図示しないベ−スに固定されて
いる。そして、ピニオン22の回転に伴って、ロータリ
エンコーダ24の回動軸が回転駆動されるようになって
いる。要するに、型締装置において、可動金型16、可
動盤14およびラック20の一体移動に伴って、ピニオ
ン22が回転し、以て、ロータリエンコーダ24が回転
作動せしめられるように、構成されているのである。
【0025】なお、ロ−タリエンコ−ダ24は、良く知
られているように、回動軸に同軸的に固設された、スリ
ット付きの円板状の回転板が単位回転量だけ回転する毎
に、A相,および1/4周期位相のずれたB相からなる
二相の計数信号を出力すると共に、一回転する毎にゼロ
信号としてのZ相を出力するような構造を有している。
【0026】ここにおいて、かかるロータリエンコーダ
24が、例えば、ピニオン22に同軸的に一体回転可能
に取り付けられて、ピニオン22の回転に伴って回転駆
動せしめられることにより、可動金型16の移動量、即
ちロータリエンコーダ24の回転板の回転量に応じて、
計数信号が出力されるようになっているのであり、可動
金型16の単位移動量に対して精度良く対応し、該単位
移動量毎に計数信号が出力されるようになっているので
ある。
【0027】また、本実施形態では、検出信号の説明図
である図2に示されているように、ロ−タリエンコ−ダ
24のZ相出力時に対応する可動金型16の各移動位置
に、複数の基準点:Zが設定されているのであって、各
基準点:Zの設定間隔距離(基準点間距離:L)は、ロ
−タリエンコ−ダ24の回転板を一回転するのに必要と
される可動金型16の移動量と同じとされているのであ
る。従って、基準点:Zは、充分に高い精度をもって一
定間隔毎に設定されているのであり、可動金型16が基
準点:Zを通過する毎にZ相が出力されるようになって
いる。更に、固定盤10における固定金型12の装着面
位置が、仮原点:O’とされており、該仮原点:O’に
対して各基準点:Zは、固定的に設定されているのであ
る。具体的には、可動金型16が型締めされた状態から
型開き方向(図1,2中、左方向)に移動した際に初め
て出力される、一つ目のZ相に対応する基準点:Z1
が、基準点間距離:Lよりも小さな値とされるチュ−ニ
ング固定距離:Xと、型締装置において可動金型16の
型厚として採用可能な最小型厚:Msとを併せた距離
(X+Msで示される距離)だけ、仮原点:O’から型
開き方向に離間した位置に設けられている。ここにおい
て、チュ−ニング固定距離:Xは、基準点間距離:Lの
略1/2であることが望ましい。なお、かかる基準点間
距離:Lの値は、ラック20,ピニオン22のモジュー
ルによって、任意に設定することが可能であり、例え
ば、一般的な型締装置では、100mm程度に設定される
こととなる。
【0028】一方、かかるラック20の側面一方側(図
1において、下側)には、該側面外方に向かって突出す
る、被検出体としての突条カム26が所定の個数と間隔
をもって設けられていると共に、可動金型16の移動路
上、本実施形態においては、ラック20の突条カム26
が設けられた側面外方に、被検出体を検出する、検出体
としての近接スイッチ28が一つ設けられている。
【0029】かかる近接スイッチ28は、ラック20の
突条カム26が設けられた側面外方において、突条カム
26と所定距離離間して対向位置し、且つ可動金型16
の移動方向にロ−タリエンコ−ダ24と離間位置するよ
うにして、型締装置における図示しないベ−スに対して
固定的に取り付けられている。そして、この近接スイッ
チ28により、可動金型16の移動に伴って、ラック2
0と共に移動する突条カム26が、検出されるようにな
っているのである。なお、近接スイッチ28は、特に限
定されるものでなく、高周波型や静電容量型等の近接ス
イッチが有利に採用される。
【0030】また、突条カム26は、検出信号の説明図
である図2、および装置構造のモデル図である図3に示
されるように、可動金型16の移動方向における幅寸法
が固定値:nとなるように形成されている。また、型締
めされた状態から型開き方向への移動の際に、近接スイ
ッチ28により初めて検出される一つ目の突条カム26
(T1)は、ラック20の側面上の配設点:r1に、一
つ配設されており、該T1の検出位置(識別点:R1)
が、基準点間距離:Lと最小型厚:Msとを併せた距離
(L+Msで示される距離)だけ、仮原点:O’から型
開き方向に離間した位置となるようにされている。更
に、かかる識別点:R1から基準点間距離:Lだけ離間
する毎に、識別点Rが設定されており、突条カム26が
該各識別点:Rにおいて検出され得るように、配設点:
rが設定され、該配設点:r毎に、複数の突条カム26
が配設されている。そこにおいて、該複数の突条カム2
6は、配設点:rがr1から可動金型16側(図1,3
中、右側)に向かって、突条カム26の個数が二つ,三
つと等差級数的に一つずつ増加するように、ラック20
の側面上に配設されている。また、各配設点:rにおけ
る複数の突条カム26は、一定のピッチ:nをもって配
設されているのであり、それ故に、一定の検出間隔:2
nをもって、近接スイッチ28によって検出されるよう
になっているのである。
【0031】さらにまた、チュ−ニング固定距離:X
が、基準点間距離:Lよりも小さくされていることによ
り、前記基準点:Z1は、前記識別点:R1よりも仮原
点:O’側に位置していると共に、各基準点:Zと各識
別点:Rの配設間隔が、基準点間距離:Lとされている
ことから、各基準点:Z間に、各識別点:Rが位置せし
められるようになっているのである。なお、識別点:R
の位置精度は、基準点:Zに求められる位置精度と同程
度であることが好ましいが、基準点:Zに求められる位
置精度に比して、多少低く設定されても良い。
【0032】要するに、かくの如き突条カム26と近接
スイッチ28により、絶対位置識別センサ30が構成さ
れているのである。ここにおいて、突条カム26が、各
配設点:r毎にその数を異ならせて配されていることに
よって、近接スイッチ28により検出された突条カム2
6の検出数に対応して、各識別点:R毎に異なる数のパ
ルス状の識別信号が、近接スイッチ28から出力される
ようになっているのである。
【0033】そして、かくの如きロータリエンコーダ2
4および近接スイッチ28の出力信号が、それぞれ、図
4にブロック図が示されている如き、位置検出装置にお
ける位置検出回路に対して、入力されることとなる。
【0034】具体的には、かかる位置検出回路におい
て、ロータリエンコーダ24の出力回路より出力された
計数信号が、A相およびB相それぞれ別々に、波形整形
部34にて波形処理される。そして、波形処理されたA
相およびB相は、波形整形部34に接続された、可逆計
数手段としての可逆カウンタ36に入力された後、該可
逆カウンタ36によって、A相およびB相の位相関係か
ら、ロータリエンコーダ24の回転板の回転方向、即
ち、可動金型16の移動方向が識別され、移動方向に応
じて符号が決定される。また、可逆カウンタ36は、パ
ルスカウンタを有しており、計数信号がパルス信号化さ
れた後、該パルス信号が計数され、その計数値に移動方
向に応じた符号が付されて出力されるようになってい
る。なお、本実施形態において、計数値の符号は、型開
き方向を正として、定められている。
【0035】また、かかるロータリエンコーダ24にお
けるZ相の出力回路は、Z相検出部38に接続されてい
る。そして、このZ相検出部38において、ロータリエ
ンコーダ24からのZ相出力の有無が検出され、Z相が
検出された場合には、Z相検出信号が出力されるように
なっている。
【0036】そして、これら可逆カウンタ36,Z相検
出部38および近接スイッチ28の出力回路は、それぞ
れ、CPU40のバスラインに接続されている。それに
よって、CPU40,ROM42,RAM44から成る
演算手段としての演算処理部46において、可逆カウン
タ36から出力される計数値、Z相検出部38から出力
されるZ相検出信号と、近接スイッチ28の出力回路か
ら出力される識別信号に基づいて、基準点:Zおよび可
動金型16の絶対位置が、算出され得るようになってい
るのである。
【0037】また、本実施形態にあっては、演算処理部
46は、近接スイッチ28から出力される識別信号を、
所定の条件に従ってキャンセルせしめる信号選択手段も
備えている。なお、かかる信号選択手段は、突条カム2
6の検出に基づいて与えられる識別信号が、突条カム2
6の検出開始位置から、突条カム26の配設間隔:2n
以下の移動量で出力された場合に、RAM44に記憶さ
れた識別信号が、キャンセル(クリア)されるように設
定されている。即ち、かかる信号選択手段は、ROM4
2に記憶されたプログラムによって、構成されている。
【0038】より具体的には、かかる可動金型16の型
開き時における型位置検出の流れ図が、図5に示されて
いる。
【0039】すなわち、可動金型16の型開き方向への
移動による型位置検出を行なうに際して、型位置検出ス
タートの指令が入力されると、先ず、ステップS1にお
いて、型閉じ作動が開始されて、可動金型16が、固定
金型12に対して、基準点間距離:Lだけ接近方向に移
動せしめられる。なお、この型閉じ作動は、一つの成形
品の成形が、通常型開きされた状態で終了されることに
起因して行われるものであり、必須の工程ではなく、移
動量および移動方向も適宜に設定されるものである。
【0040】そして、続くステップS2において、可動
金型16の型開き作動が開始されて、可動金型16が、
固定金型12に対して隔離方向に移動せしめられる。な
お、この型開き作動と同時に、突条カム26およびZ相
の検出が開始される。
【0041】さらに、引き続くステップS3において、
型開き作動が開始されてから、検出間隔:2nだけ可動
金型16が移動する間に、突条カム26が検出されたか
否かの判断が、近接スイッチ28より出力される識別信
号の有無に従って為される。
【0042】そして、ステップS3において、可動金型
16が検出間隔:2nだけ移動する間に突条カム26が
検出されなかったと判断されると、型開き作動が継続さ
れて、続くステップS4において、Z相検出信号,識別
信号の出力状況に基づいて、ロータリエンコーダ24の
Z相が検出される前に、突条カム26が検出されたか否
かの判断が為される。
【0043】一方、ステップS3において、可動金型1
6が検出間隔:2nだけ移動する間に突条カム26が検
出されたと判断されると、ステップS5において、Z相
の検出が行なわれる。なお、この場合には、突条カム2
6の検出数に対応した数の識別信号が、近接スイッチ2
8より出力されて演算処理部46に読み込まれ、該識別
信号の信号数はRAM44に一時的に記憶される。そし
て、RAM44に記憶された識別信号は、突条カム26
の検出終了後に信号選択手段によってクリアされる。
【0044】また、ステップS4において、Z相が検出
される前に突状カム26が検出されなかったと判断され
た場合、要するに、突条カム26が検出される前にZ相
が検出されたと判断された場合にも、ステップS5にお
いて、Z相の検出が行なわれる。
【0045】そして、続くステップS6において、Z相
が検出された基準点:Zから、ロータリエンコーダ24
より出力される計数信号(A,B相)の可逆カウンタ3
6による計数と、得られた計数値の読み込みが開始され
る。なお、読み込まれた計数値は、RAM44に記憶さ
れるのであるが、読み込みが開始される以前に、RAM
44に記憶されていた計数値は、読み込みが開始される
直前にリセットされる。また、計数値の読み込みが開始
された後においては、RAM44における計数値の記憶
値は、計数値の読み込みが行なわれる度に、更新される
ようになっている。
【0046】また、続くステップS7において、突条カ
ム26が検出される。そこでは、突条カム26の検出数
に対応した数の識別信号が、近接スイッチ28より出力
されて演算処理部46に読み込まれ、該識別信号の信号
数がRAM44に記憶される。また、可動金型16が検
出間隔:2nだけ移動する間に、突条カム26が検出さ
れている間は、可動金型16の移動が継続されて計数値
および識別信号の読み込みがなされる一方、可動金型1
6が検出間隔:2nだけ移動する間に、突条カム26が
検出されない場合には、突条カム26の検出が終了せし
められて、型開き作動が停止される。
【0047】さらに、型開き作動が停止された後、ステ
ップS8において、Z相が検出された基準点:Zの絶対
位置が、RAM44に記憶された識別信号の信号数か
ら、演算処理部46にて算出される。また、かかる基準
点:Zから計数された計数信号の計数値に基づいて、型
停止位置における可動金型16の絶対位置が算出され
る。そして、算出された基準点:Zおよび可動金型16
の絶対位置は、RAM44に記憶されると共に、可動金
型16の絶対位置が、図示しないディスプレイ等の表示
部において表示されるのである。
【0048】具体的には、図2に示される如く、 基準点間距離をL、チュ−ニング固定距離をX、最小
型厚をMsとし、 実際に使用される可動金型16の型厚をMとし、 検出される突条カム26の検出数、即ち、近接スイッ
チ28から出力される識別信号の信号数をCとし、 型締状態下における、可動金型16の可動盤14への
装着面位置、即ち、仮原点O’から型厚Mだけ離間した
位置を原点:O(使用される可動金型16毎に固定位置
とされる)とし、 可動金型16を型開き方向に移動せしめた際に初めて
出力される、一つ目のZ相に対応する基準点:Z1と、
原点:Oとの離間距離をΔLとすると、Z相が検出され
た基準点:Zと原点:Oの差、即ち、基準点:Zの絶対
位置:Lzを、下式によって求めることが出来るのであ
る。
【0049】Lz = ΔL + (C−1)・L 但し、 ΔL = X + Ms − M
【0050】さらに、 Z相が検出された基準点:Zから型開き作動停止まで
に計数された、計数信号の計数値をVとし、 ロータリエンコーダ24におけるA,B相の計数信号
間隔に対応する可動金型16の単位移動量をdとし、 Z相が検出された基準点:Zから可動金型16の停止
位置までの、可動金型16の移動量をLaとすると、型
停止位置における可動金型16の絶対位置:Li(例え
ば、図2において、Li1で示される位置)を、下式に
よって求めることが出来るのである。
【0051】Li = Lz + La 但し、 La = V・d
【0052】一方、ステップS4において、Z相が検出
される前に突条カム26が検出されたと判断された場合
には、続くステップS9において、突条カム26の検出
数に対応した数の識別信号が近接スイッチ28より出力
されて演算処理部46に読み込まれ、出力された識別信
号の信号数がRAM44に記憶される。なお、可動金型
16が検出間隔:2nだけ移動する間に、突条カム26
が検出されている間は、識別信号の読み込みがなされる
一方、可動金型16が検出間隔:2nだけ移動する間
に、突条カム26が検出されない場合には、突条カム2
6の検出が終了せしめられる。
【0053】そして、続くステップS10において、Z
相が検出され、引き続いてステップS11において、R
AM44に記憶されていた計数値がリセットされて、Z
相が検出された基準点:Zから、ロータリエンコーダ2
4より出力される計数信号の可逆カウンタ36による計
数と、得られた計数値の読み込みが開始され、読み込ま
れた計数値は、RAM44に記憶される。
【0054】そうして、ステップS12において、Z相
の検出後に、可動金型16の型開き作動が停止された
後、続くステップS8において、RAM44に記憶され
た、近接スイッチ28から出力される識別信号の信号数
から、Z相が検出された基準点:Zの絶対位置が、演算
処理部46にて算出される。また、かかる基準点:Zか
ら計数された計数信号の計数値に基づいて、型停止位置
における可動金型16の絶対位置が算出される。そし
て、算出された基準点:Zおよび可動金型16の絶対位
置は、RAM44に記憶されると共に、可動金型16の
絶対位置が図示しない表示部に表示されるのである。
【0055】具体的には、図2に示される如く、Z相が
検出された基準点:Zと原点:Oの差、即ち、基準点:
Zの絶対位置:Lzを、前記〜に従い、下式によっ
て求めることが出来る。
【0056】Lz = ΔL + C・L 但し、 ΔL = X + Ms − M
【0057】また、型停止位置における可動金型16の
絶対位置:Li(例えば、図2において、Li2で示さ
れる位置)を、前記〜に従い、下式によって求める
ことが出来るのである。
【0058】Li = Lz + La 但し、 La = V・d
【0059】要するに、かくの如くして、Z相が検出さ
れた基準点:Zと原点:Oの差を求めることにより、か
かる基準点:Zの絶対位置:Lzを求めることが出来る
のである。また更に、該基準点:Zから型開き作動停止
までに計数された、計数信号の計数値に基づいて得られ
る、可動金型16の移動量:Laに対して、基準点:Z
と原点:Oの差を加算することによって、可動金型16
の絶対位置を求めることが出来るのである。
【0060】その後、外部より、型位置検出の中止信号
が入力されることにより、型位置検出作動が停止せしめ
られて、終了するのである。
【0061】従って、このような手法によれば、可動金
型16が移動路上の不特定位置から型位置検出をスター
トさせ、かかる可動金型16を、Z相出力および突条カ
ム26の両方が検出されるまで、何れか一方向(本実施
形態では型開き方向)に移動させることによって、可動
金型16の原点:Oに対する絶対位置を検出することが
出来るのである。
【0062】そこにおいて、本実施形態では、絶対位置
検出に必要な移動量が最大になるのは、ステップS3に
おいて、可動金型16が検出間隔:2nだけ移動する間
に突条カム26が検出されたと判断され、且つステップ
S7にて検出される突条カム26の個数が、配設されて
いる突条カム26の個数の最大値である場合となる。そ
れ故、突条カム26の配設間隔距離に、ステップS7に
おける、かかる突条カム26の検出開始から可動金型1
6の型開き停止までに移動する量を併せた量、即ち、配
設されている突条カム26の個数の最大値をCmとした
時の、L + n・(2・Cm − 1) + 2nで
示される量以上、可動金型16を何れか一方に移動する
ことが出来れば、絶対位置検出は可能となるのである。
また、換言すれば、この量が絶対位置検出に必要な移動
量の最大値となるのであり、それ故に、絶対位置検出の
ために、可動金型16を固定的に設定された一つのポイ
ントまで大きく移動させるような必要もないのである。
【0063】さらに、本実施形態では、Z相または突条
カム26のどちらが先に検出されたかによって、絶対位
置の具体的な算出方法を選択していることから、例え
ば、基準点:Zの付近から、該基準点:Zから離れる方
向に型開き作動が開始された場合に、可動金型16を略
Lの移動量で移動させてZ相を検出し、更にそこから基
準点:Rまで移動させて、突条カム26を検出するとい
った必要以上の移動を行なうことが回避され得るであ
り、以て、絶対位置検出に必要な可動金型16の移動量
を、より一層効果的に小さくすることが出来るのであ
る。
【0064】また、このような手法によれば、ロータリ
エンコーダ24における計数信号間隔に対応する、可動
金型16の単位移動量を最小単位とすると共に、ロータ
リエンコーダ24におけるゼロ信号としてのZ相を基準
として、型位置を検出することが出来ることから、極め
て高い測定精度を、容易に得ることが出来るのであり、
一般のロ−タリエンコ−ダを採用して、0.1mm以下の
測定精度を得ることも可能となるのである。
【0065】しかも、かかる手法においては、絶対位置
測定のために、アブソリュートタイプのエンコーダ等の
高価な装置を用いる必要がないことから、安価に実施す
ることが出来るのである。加えて、識別点:Rの位置精
度は、基準点:Zに求められる位置精度に比して、多少
低く設定されても良いのであり、換言すれば、識別点:
Rに配設された突条カム26を検出する近接スイッチ2
8には、高い位置検出性能が要求されないことから、安
価なものを使用することが出来るという利点もある。
【0066】さらに、本実施形態においては、突条カム
26の検出間隔が一定(2n)とされ、突条カム26の
検出に基づいて与えられる識別信号が、突条カム26の
検出開始位置から、該検出間隔:2n以下の移動量で出
力された場合には、信号選択手段により、該識別信号の
記憶がキャンセル(クリア)された後に、Z相が検出さ
れ、更に、正しい数の検出数をもって突条カム26が検
出されて、それに応じて識別信号が出力されるようにな
っていることから、突条カム26が複数設置された配設
点:rにおける、その複数の突条カム26の配設位置、
またはそれら突条カム26の配設間位置から突条カム2
6の検出が開始される場合に、実際の突条カム26の配
設数とは異なる数の識別信号が出力されて、該識別信号
の信号数に基づいて誤った位置が算出されるといったよ
うなことが、極めて容易に且つ有利に防止乃至は回避さ
れるのである。
【0067】また、本実施形態では、突条カム26の検
出に際して、可動金型16が検出間隔:2nだけ移動す
る間に、突条カム26が検出されている間は、識別信号
の読み込みがなされる一方、可動金型16が検出間隔:
2nだけ移動する間に、突条カム26が検出されない場
合には、突条カム26の検出が終了せしめられるように
なっていることから、検出されるべき突条カム26の全
てが検出されないことにより、誤った数の識別信号が出
力されて、以て算出される位置に誤差が生じるといった
ようなことが、容易に且つ有利に防止乃至は回避される
のである。
【0068】また、本実施形態にあっては、原点:O
が、型締状態下における可動金型16の可動盤14への
装着面位置に設定されていることから、任意の型厚の可
動金型16に対しても、可動金型16の型締状態位置か
らの移動位置を直接算出することが出来るのであり、例
えば、算出された可動金型16の絶対位置に基づいて、
可動金型16の移動位置の制御を行なうような場合に
は、かかる制御における演算処理をより簡略化すること
が出来るのである。
【0069】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、か
かる実施形態の具体的な記載によって、何等限定して解
釈されるものではない。
【0070】例えば、前記実施形態では、樹脂材料の成
形機における型締装置に、本発明が適用された例につい
て示したが、本発明は、射出シリンダ内にスクリュを備
えた射出装置における、該スクリュの前進/後退作動に
も適用することが可能である。なお、この場合にあって
は、例えば、シリンダとスクリュの何れか一方に、ラッ
ク20が取り付けられると共に、シリンダとスクリュの
何れか他方にロ−タリエンコ−ダ24が取り付けられる
ことによって、ゼロ信号と計数信号を出力するエンコ−
ダが有利に構成される。
【0071】また、前記実施形態においては、型開き作
動による型位置検出方法が示されていたが、逆に、型閉
じ作動によっても同様に、可動金型16の絶対位置を高
精度に検出することが出来る。
【0072】さらにまた、前記実施形態では、ロ−タリ
エンコ−ダ24を用いると共に、該ロ−タリエンコ−ダ
24のZ相を利用して、ゼロ信号を取り出していたが、
例えば、ロ−タリエンコ−ダの代わりにリニアエンコ−
ダを用いて、該リニアエンコ−ダ上に、一定間隔毎にス
リットを設けることにより、ゼロ信号が出力されるよう
に構成しても良い。
【0073】また、絶対位置識別センサ30の構成は、
何等限定されるものでなく、例えば、検出体として、リ
ミットスイッチ等の接触型のセンサを採用したり、ま
た、フォトダイオ−ド,フォトトランジスタ等を利用し
た光センサを採用することも可能である。なお、検出体
として光センサを採用した場合には、被検出体としてス
リットを採用し、信号の強弱に基づいて識別信号を出力
するようにした構成や、被検出体自体を光源によって形
成し、前記実施形態の如く、その数を異ならせること
で、識別点:R毎に異なった識別信号を出力する構成も
採用され得る。更にまた、光センサとして、ミラ−反射
型の光スイッチを採用し、かかる光スイッチによって、
突条カム26を検出するようにしても良い。
【0074】また更に、前記実施形態において、可逆計
数手段としての可逆カウンタ36は、ロ−タリエンコ−
ダ24のA相,B相の位相関係に基づいて、符号を決定
するように構成されていたが、例えば、可動盤14やラ
ック20の駆動信号を利用して、符号を決定するような
構成も採用され得る。
【0075】また、信号選択手段は、前記実施形態で
は、ROM42に記憶されたプログラムによって構成さ
れていたが、例えば、近接スイッチ28の出力回路に接
続された電気回路(ハ−ド)等によって、構成しても良
い。
【0076】さらに、突条カム26の検出において、突
条カム26の検出終了を判断するために設定される可動
金型16の移動量は、検出間隔(前記実施形態では2
n)以上の値であれば良い。
【0077】また、前記実施形態にあっては、原点:O
は、型締状態下における可動金型16の可動盤14への
装着面位置に設定されていたが、移動体(可動金型1
6)の移動路上であれば、任意の位置に設定され得る。
【0078】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【0079】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従えば、エンコーダを用いた安価な装置により、エン
コ−ダから出力される計数信号,ゼロ信号、および絶対
位置識別センサから出力される識別信号に基づいて、移
動体の絶対位置を検出することが出来るのである。しか
も、エンコーダにおける計数信号の信号間隔に対応する
移動体の移動量を最小単位として、移動体の絶対位置を
検出することが出来ることから、高い測定精度を確保す
ることが可能となるのである。更に、移動体の移動路上
の不特定位置から、小さい移動量をもって、絶対位置を
検出することが出来ることから、移動体の移動ストロ−
クが制限されるために、原点検出が不可能となるといっ
たことも、有利に解消されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される型締装置を示す概略構成図
である。
【図2】本発明に従う位置検出装置を用いて型位置を検
出する際の、検出信号の関係等を説明するモデル図であ
る。
【図3】本発明に従う位置検出装置における突条カムの
配設状態を概略的に示す、モデル構造図である。
【図4】本発明に従う位置検出装置における位置検出回
路の一実施形態を示すブロック図である。
【図5】図4に示された位置検出回路において、可動金
型の絶対位置を算出する作動を説明するための流れ図で
ある。
【符号の簡単な説明】
14 可動盤 16 可動金型 20 ラック 22 ピニオン 24 ロータリエンコーダ 26 突条カム 28 近接スイッチ 30 絶対位置識別センサ 36 可逆カウンタ 46 演算処理部
フロントページの続き Fターム(参考) 2F069 AA02 BB01 GG06 GG07 JJ13 2F077 CC09 NN02 QQ03 RR23 RR28 RR29 TT72 4F206 AP062 AP064 AQ01 JA07 JP13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料の成形機において、成形時に往
    復移動せしめられる移動体としての型締装置における型
    または射出装置におけるスクリュの位置を検出するに際
    して、 前記移動体が単位移動量だけ移動する毎に計数信号を出
    力すると共に、該移動体の移動方向に一定間隔で設定さ
    れた基準点を該移動体が通過する毎にゼロ信号を出力す
    るエンコ−ダと、隣接する前記各基準点の間にそれぞれ
    設定された識別点を前記移動体が通過する毎に、各識別
    点で互いに異なる識別信号を出力する絶対位置識別セン
    サとを用い、かかる移動体を任意の位置から何れか一方
    に移動させて、前記計数信号と前記ゼロ信号および前記
    識別信号を検出し、該ゼロ信号が検出された基準点の絶
    対位置を該識別信号に基づいて求めると共に、該ゼロ信
    号が検出された基準点を基準として該計数信号を計数す
    ることにより、該移動体の絶対位置を求めることを特徴
    とする移動体の位置検出方法。
  2. 【請求項2】 前記任意の位置からの前記移動体の移動
    に際して、前記ゼロ信号と前記識別信号の何れが先に検
    出されたかを判断し、該ゼロ信号が先に検出された場合
    には、該ゼロ信号が検出された基準点から前記計数信号
    を計数し、かかる得られた計数値に対して、次に検出さ
    れた識別信号に基づいて、予め設定された原点と該基準
    点の差を加減演算することによって、該移動体の絶対位
    置を求める一方、該識別信号が先に検出された場合に
    は、該識別信号に基づいて、次にゼロ信号が検出された
    基準点と予め設定された原点との差を求め、かかる得ら
    れた差を、該ゼロ信号が検出された基準点から前記計数
    信号を計数して得られた計数値に加減演算することによ
    って、該移動体の絶対位置を求める請求項1に記載の移
    動体の位置検出方法。
  3. 【請求項3】 樹脂材料の成形機に用いられて、成形時
    に往復移動せしめられる移動体としての型締め装置にお
    ける型または射出装置におけるスクリュの位置を検出す
    る移動体の位置検出装置であって、 前記移動体が単位移動量だけ移動する毎に計数信号を出
    力する計数信号出力機構と、該移動体の移動方向に一定
    間隔で設定された基準点を該移動体が通過する毎にゼロ
    信号を出力するゼロ信号出力機構とを、備えたエンコ−
    ダと、 該エンコ−ダの前記ゼロ信号出力機構における前記各基
    準点の間にそれぞれ設定された識別点を前記移動体が通
    過する毎に、各識別点で互いに異なる識別信号を出力す
    る絶対位置識別センサと、 前記移動体の移動方向を識別し、前記エンコ−ダの前記
    計数信号出力機構による計数信号を、該移動体の移動方
    向に応じて計数する可逆計数手段と、 前記移動体が任意の位置から何れか一方に移動せしめら
    れた際に、前記絶対位置識別センサによる識別信号に基
    づいて、前記ゼロ信号出力機構によるゼロ信号が検出さ
    れた基準点と予め設定された原点との差を求めると共
    に、前記可逆計数手段によって前記ゼロ信号出力機構に
    よるゼロ信号が検出された基準点を基準として得られた
    計数値に基づいて前記移動体の移動量を求め、該移動体
    の移動量に対して、該基準点と該原点との差を加減演算
    することにより、該移動体の絶対位置を求める演算手段
    とを、有することを特徴とする移動体の位置検出装置。
  4. 【請求項4】 前記絶対位置識別センサが、前記移動体
    および該移動体の移動路上の何れか一方に設置された被
    検出体と、それら移動体および移動路上の何れか他方に
    装着されて該被検出体を検出する検出体によって構成さ
    れており、且つ該被検出体が、前記各基準点の間に、そ
    れぞれ、互いに異なる数で設置されていることにより、
    かかる被検出体の検出数に基づいて、前記各識別点で異
    なる識別信号を与える請求項3に記載の移動体の位置検
    出装置。
  5. 【請求項5】 前記絶対位置識別センサにおける前記被
    検出体の前記検出体による検出間隔が、前記移動体の移
    動路上において一定とされていると共に、該移動体が任
    意の位置から何れか一方に移動せしめられた際、該被検
    出体の検出に基づいて与えられる、かかる絶対位置識別
    センサによる識別信号が、設定された検出間隔以下の移
    動量で出力された場合に、該識別信号をキャンセルする
    信号選択手段を備えている請求項4に記載の移動体の位
    置検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102927948A (zh) * 2012-09-29 2013-02-13 西北工业大学 管缆大行程可逆精确自动检测方法及装置
CN108759876A (zh) * 2018-03-16 2018-11-06 江苏和正特种装备有限公司 高精度磁编码器的原点位置设置方法

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