JP2000044141A - エレベーターの案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便な構造で、低価格で、かつ、良好な乗り心
地のエレベーターの案内装置を提供するにある。 【解決手段】ローラ支持部材をかご枠に直接設置し、側
面転動ローラと正面転動ローラは、前記昇降体の振動を
吸収，減衰する特性を有したゴム等の弾性体で構成した
ため、レバーやロッド等の機械加工部品や、防振ばね等
の部品を使用せずに良好な乗り心地が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、かごあるいは釣り
合いおもりをガイドレールに沿って案内するエレベータ
ーの案内装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のエレベーターの案内装置は、例え
ば実開昭57−89560 号公報に記載されており、これを図
５及び図６に示している。その取付側背面部の一部を破
断して示すガイドレール１の正面に正面転動ローラ２
を、また、両側面を挟持するように側面転動ローラ３
ａ，３ｂを配置している。かご枠８に固定したベース５
にレバー１０の下部を可回転的に軸止し、この機械加工
構造のレバー１０の上部に転動可能に側面転動ローラ３
ａ，３ｂが取り付けられている。また、正面転動ローラ
２及び側面転動ローラ３ａ，３ｂはそれぞれ、ブラケッ
ト９に取り付けられた機械加工構造のロッド１１と防振
ばね１２によりガイドレール１に押し付けられている。
このロッド１１は、レバー１０に形成した穴１０ａを通
過した端をブラケット９に固定されている。

【０００３】通常、正面転動ローラ２と側面転動ローラ
３ａ，３ｂは、防振ばね１２によりガイドレール１に接
触させられているため、昇降体１７はガイドレール１に
沿って案内されることになる。ここで、例えば、ガイド
レール１は図示しない昇降路に沿って、上下方向に接続
して設置するため、ガイドレール１の継ぎ目に段差が生
じたり、ガイドレール１の曲がり等が発生した場合、こ
のガイドレール１の継ぎ目の段差や、曲がり等を正面転
動ローラ２や側面転動ローラ３ａ，３ｂが通過する際
に、ロッド１１とレバー１０の間に設置した防振ばね１
２の作用により振動を吸収し、かご室１４に振動が伝わ
ることを防止している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のエレベーターの案内装置においては、レバー１
０を貫通するロッド１１を使用していたため、これらレ
バー１０及びロッド１１を機械加工構造の部品としなけ
ればならず、高価なものとなっていた。また、防振ばね
１２を用いるため、部品点数が多く、構造が複雑なもの
となっていた。

【０００５】本発明の目的は、簡便な構造で、かつ、低
価格で、乗り心地の良いエレベーターの案内装置を提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、ガイドレールに沿って昇降するかご枠，か
ご室，かご室支持弾性体等から構成される昇降体を案内
する案内装置において、前記ガイドレールの対向する両
側面にそれぞれ接して転動する側面転動ローラと、前記
ガイドレールの正面に接して転動する正面転動ローラ
と、前記側面転動ローラの支持部材と前記正面転動ロー
ラの支持部材からなるローラ支持部材に前記側面転動ロ
ーラと前記正面転動ローラを備え、前記ローラ支持部材
を前記かご枠に直接設置し、前記側面転動ローラと前記
正面転動ローラは、前記昇降体の振動を吸収，減衰する
特性を有したゴム等の弾性体で構成したことを特徴とす
る。また、前記かご枠の平面部に水平に取り付けるロー
ラ支持部材を設け、前記ガイドレールの対向する両側面
にそれぞれ接して転動する側面転動ローラを支持固定す
る側面転動ローラ支持部材を前記かご枠の平面部に水平
に取り付けるローラ支持部材に対して垂直に設け、さら
に、前記ガイドレールの正面に接して転動する正面転動
ローラを支持固定する正面転動ローラ支持部材を前記ロ
ーラ支持部材に対して垂直にかつ、前記側面転動ローラ
支持部材に対して直角に形成し、さらに、前記かご枠の
平面部に水平に取り付けるローラ支持部材に、前記ガイ
ドレールの正面及び両側面を挟み込むように切り欠き部
を設け、外れ止めを形成したことを特徴とする。

【０００７】上述したように本発明によるエレベーター
の案内装置は、ガイドレールに沿って昇降するかご枠，
かご室，かご室支持弾性体等から構成される昇降体を案
内する案内装置において、前記ガイドレールの対向する
両側面にそれぞれ接して転動する側面転動ローラと、前
記ガイドレールの正面に接して転動する正面転動ローラ
と、前記側面転動ローラの支持部材と前記正面転動ロー
ラの支持部材からなるローラ支持部材に前記側面転動ロ
ーラと前記正面転動ローラを備え、前記ローラ支持部材
を前記かご枠に直接設置し、前記側面転動ローラと前記
正面転動ローラは、前記昇降体の振動を吸収，減衰する
特性を有したゴム等の弾性体で構成したため、レバーや
ロッド等の機械加工部品や、防振ばね等の部品を使用せ
ずに良好な乗り心地が得られる。

【０００８】また、前記かご枠の平面部に水平に取り付
けるローラ支持部材を設け、前記ガイドレールの対向す
る両側面にそれぞれ接して転動する側面転動ローラを支
持固定する側面転動ローラ支持部材を前記かご枠の平面
部に水平に取り付けるローラ支持部材に対して垂直に設
け、さらに、前記ガイドレールの正面に接して転動する
正面転動ローラを支持固定する正面転動ローラ支持部材
を前記ローラ支持部材に対して垂直にかつ、前記側面転
動ローラ支持部材に対して直角に形成し、さらに、前記
かご枠の平面部に水平に取り付けるローラ支持部材に、
前記ガイドレールの正面及び両側面を挟み込むように切
り欠き部を設け、外れ止めを形成したことにより、レバ
ーやロッド等の機械加工部品が必要なく、簡便な構造で
かつ、低価格で、乗り心地の良いエレベーターの案内装
置とすることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。

【００１０】図１は本発明の一実施の形態によるエレベ
ーターの案内装置を取り付けた昇降体の正面図である。

【００１１】かご枠８とかご室１４及び防振材１３から
昇降体１７を構成しており、かご枠８の上部２カ所と下
部２カ所に、ガイドレール１と係合回転しながら昇降体
１７を円滑に昇降させるための案内装置１５が取り付け
られている。また、昇降体１７のかご枠８には、ばね１
８を介して主ロープ１６が連結され、この主ロープ１６
の他端には図示しない釣り合いおもりが連結されてい
る。

【００１２】次に、拡大上面図である図２と拡大正面図
である図３を用いて案内装置１５を説明する。

【００１３】ガイドレール１の正面側に正面転動ローラ
２を、また、側面に側面転動ローラ３ａ，３ｂを挟み込
むように配置する。この時、側面転動ローラ３ａ，３ｂ
は、かご枠８の平面部に水平に取り付けるローラ支持部
材４に対して垂直に設けられた側面転動ローラ支持部材
６に軸１９及び固定ナット２０を用いて可回転的に軸止
されている。前記側面転動ローラ支持部材６の中央部分
には、正面転動ローラ２の幅よりも広い切り欠き部６ａ
があり、正面転動ローラ２の接触面よりも後退してい
る。

【００１４】また、正面転動ローラ２は、ローラ支持部
材４に対して垂直にかつ、側面転動ローラ支持部材６に
対して直角に設けられた正面転動ローラ支持部材７に軸
１９及び固定ナット２０を用いて可回転的に軸止されて
いる。また、ローラ支持部材４には、ガイドローラ１の
正面及び両側面を挟み込むように切り欠き部２１が設け
られている。さらに、ローラ支持部材４は、固定ボルト
２２によりかご枠８に固定されている。ここで、正面転
動ローラ２、側面転動ローラ３ａ，３ｂを構成するゴム
等の弾性体２３は、前記昇降体１７の振動を吸収，減衰
する特性を備えている。

【００１５】次に、案内装置１５の動作について説明す
る。

【００１６】通常、図示しない巻上機が動作したとき、
巻上機と主ロープ１６の間に摩擦力が発生するのに伴
い、昇降体１７が昇降する。この時、昇降体１７の上下
部の４カ所に案内装置１５が取り付けられているため、
ガイドレール１の正面に正面転動ローラ２が、また、対
向する両側面に側面転動ローラ３ａ，３ｂがそれぞれ転
動しながら昇降体１７はガイドレール１に沿って案内さ
れる。

【００１７】ここで、本発明による案内装置１５では、
各転動ローラを構成するゴム等の弾性体２３は、前記昇
降体１７の振動を吸収，減衰する特性を備えているた
め、各転動ローラがガイドレール１の継ぎ目部の段差を
通過する際に発生する振動を吸収，減衰し、良好な乗り
心地が得られる。

【００１８】次に、本発明の案内装置によるエレベータ
ー速度とかご内振動の関係を図４に示す。横軸にエレベ
ーター速度，縦軸にかご内振動を示す。図中、ａが従来
の防振ばね無しの案内装置によるエレベーター速度とか
ご内振動関係を示し、ｂが従来の防振ばね有りの案内装
置によるエレベーター速度とかご内振動関係を示し、ｃ
が本発明の案内装置によるエレベーター速度とかご内振
動の関係を示す。ここで、ａの従来の防振ばね無しの案
内装置によるエレベーター速度とかご内振動の関係を見
ると、エレベーター速度が上昇すると、かご内振動も上
昇する。また、どのエレベーター速度の範囲においても
かご内振動の基準値ｄを越えてしまい、良好な乗り心地
が得られない。これは、防振ばねがなく、転動ローラを
構成するゴム等の弾性体も、防振ばねと同様の適切な物
性となっていないためである。

【００１９】また、ｂの従来の防振ばね有りの案内装置
によるエレベーター速度とかご内振動の関係を見ると、
エレベーター速度が上昇すると、かご内振動も上昇す
る。また、どのエレベーター速度の範囲においてもかご
内振動の基準値ｄを満足し、良好な乗り心地が得られ
る。これは、各転動ローラがガイドレール１の継ぎ目の
段差を通過する際に発生する振動を防振ばね１２により
減衰するため良好な乗り心地が得られるものである。

【００２０】次に、ｃの本発明の案内装置によるエレベ
ーター速度とかご内振動の関係を見ると、前記と同様
に、エレベーター速度が上昇すると、かご内振動も上昇
する。また、一般的なエレベーターの速度範囲ｅにおい
ては、かご内振動の基準値ｄを満足し、良好な乗り心地
が得られる。これは、各転動ローラを構成するゴム等の
弾性体２３は、前記昇降体１７の振動を吸収，減衰する
特性を備えているため、各転動ローラがガイドレール１
の継ぎ目部の段差を通過する際に発生する振動を吸収，
減衰し、良好な乗り心地が得られる。

【００２１】このように本発明によるエレベーターの案
内装置は、前記ガイドレール１の対向する両側面にそれ
ぞれ接して転動する側面転動ローラ３ａ，３ｂと、前記
ガイドレール１の正面に接して転動する正面転動ローラ
２と、前記側面転動ローラ支持部材６と前記正面転動ロ
ーラ支持部材７からなるローラ支持部材４に前記側面転
動ローラ３ａ，３ｂと前記正面転動ローラ２を備え、前
記ローラ支持部材４を前記かご枠８に直接設置し、前記
側面転動ローラ３ａ，３ｂと前記正面転動ローラ２は、
前記昇降体１７の振動を吸収，減衰する特性を有したゴ
ム等の弾性体で構成したため、レバー１０やロッド１１
等の機械加工部品や、防振ばね１２等の部品を使用せず
に良好な乗り心地が得られる。

【００２２】また、前記かご枠８の平面部に水平に取り
付けるローラ支持部材４を設け、前記ガイドレール１の
対向する両側面にそれぞれ接して転動する側面転動ロー
ラ３ａ，３ｂを支持固定する側面転動ローラ支持部材６
を前記かご枠８の平面部に水平に取り付けるローラ支持
部材４に対して垂直に設け、さらに、前記ガイドレール
１の正面に接して転動する正面転動ローラ２を支持固定
する正面転動ローラ支持部材７を前記ローラ支持部材４
に対して垂直にかつ、前記側面転動ローラ支持部材６に
対して直角に形成し、さらに、前記かご枠８の平面部に
水平に取り付けるローラ支持部材４に、前記ガイドレー
ル１の正面及び両側面を挟み込むように切り欠き部２１
を設け、外れ止めを形成したことにより、レバー１０や
ロッド１１等の機械加工部品が必要なく、簡便な構造で
かつ、低価格で、乗り心地の良いエレベーターの案内装
置とすることができる。

【００２３】尚、上述の実施の形態では、かご枠８に取
り付けた案内装置２１について説明したが、釣り合いお
もりなどの昇降体の案内装置としても使用することがで
きる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によるエレベ
ーターの案内装置は、前記ガイドレール１の対向する両
側面にそれぞれ接して転動する側面転動ローラ３ａ，３
ｂと、前記ガイドレール１の正面に接して転動する正面
転動ローラ２と、前記側面転動ローラ支持部材６と前記
正面転動ローラ支持部材７からなるローラ支持部材４に
前記側面転動ローラ３ａ，３ｂと前記正面転動ローラ２
を備え、前記ローラ支持部材４を前記かご枠８に直接設
置し、前記側面転動ローラ３ａ，３ｂと前記正面転動ロ
ーラ２は、前記昇降体１７の振動を吸収，減衰する特性
を有したゴム等の弾性体で構成したため、レバー１０や
ロッド１１等の機械加工部品や、防振ばね１２等の部品
を使用せずに良好な乗り心地が得られる。

【００２５】また、前記かご枠８の平面部に水平に取り
付けるローラ支持部材４を設け、前記ガイドレール１の
対向する両側面にそれぞれ接して転動する側面転動ロー
ラ３ａ，３ｂを支持固定する側面転動ローラ支持部材６
を前記かご枠８の平面部に水平に取り付けるローラ支持
部材４に対して垂直に設け、さらに、前記ガイドレール
１の正面に接して転動する正面転動ローラ２を支持固定
する正面転動ローラ支持部材７を前記ローラ支持部材４
に対して垂直にかつ、前記側面転動ローラ支持部材６に
対して直角に形成し、さらに、前記かご枠８の平面部に
水平に取り付けるローラ支持部材４に、前記ガイドレー
ル１の正面及び両側面を挟み込むように切り欠き部２１
を設け、外れ止めを形成したことにより、レバー１０や
ロッド１１等の機械加工部品が必要なく、簡便な構造で
かつ、低価格で、乗り心地の良いエレベーターの案内装
置とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるエレベーターの案内装置を取り付
けた昇降体の正面図である。

【図２】本発明の一実施の形態によるエレベーターの案
内装置の拡大上面図である。

【図３】図２に示したエレベーターの案内装置の拡大正
面図である。

【図４】本発明の案内装置によるエレベーター速度とか
ご内振動の関係を示す特性図である。

【図５】従来のエレベーターの案内装置を示す断面図で
ある。

【図６】従来のエレベーターの案内装置の一部を示す断
面図である。

【符号の説明】

１…ガイドレール、２…正面転動ローラ、３ａ，３ｂ…
側面転動ローラ、４…ローラ支持部材、６…側面転動ロ
ーラ支持部材、７…正面転動ローラ支持部材、１５…案
内装置、２３…各転動ローラを構成するゴム等の弾性
体、ａ…従来の防振ばね無しの案内装置によるエレベー
ター速度とかご内振動の関係、ｂ…従来の防振ばね有り
の案内装置によるエレベーター速度とかご内振動の関
係、ｃ…本発明の案内装置によるエレベーター速度とか
ご内振動の関係。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 武喜 東京都千代田区神田錦町一丁目６番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 西川 志津雄 東京都千代田区神田錦町一丁目６番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 小野寺 実 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 平野 薫 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 高星 武夫 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 Ｆターム(参考） 3F305 BD22 CA02 CA08

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ガイドレールに沿って昇降するかご枠，か
   ご室，かご室支持弾性体等から構成される昇降体を案内
   する案内装置において、前記ガイドレールの対向する両
   側面にそれぞれ接して転動する側面転動ローラと、前記
   ガイドレールの正面に接して転動する正面転動ローラ
   と、前記側面転動ローラの支持部材と前記正面転動ロー
   ラの支持部材からなるローラ支持部材に前記側面転動ロ
   ーラと前記正面転動ローラを備え、前記ローラ支持部材
   を前記かご枠に直接設置したことを特徴とするエレベー
   ターの案内装置。
2. 【請求項２】請求項１記載のものにおいて、前記側面転
   動ローラと前記正面転動ローラは、前記昇降体の振動を
   吸収，減衰する特性を有したゴム等の弾性体で構成した
   ことを特徴とするエレベーターの案内装置。
3. 【請求項３】請求項１記載のものにおいて、前記かご枠
   の平面部に水平に取り付けるローラ支持部材を設け、前
   記ガイドレールの対向する両側面にそれぞれ接して転動
   する側面転動ローラを支持固定する側面転動ローラ支持
   部材を、前記かご枠の平面部に水平に取り付けるローラ
   支持部材に対して垂直に設け、さらに、前記ガイドレー
   ルの正面に接して転動する正面転動ローラを支持固定す
   る正面転動ローラ支持部材を、前記ローラ支持部材に対
   して垂直にかつ、前記側面転動ローラ支持部材に対して
   直角に形成したことを特徴とするエレベーターの案内装
   置。
4. 【請求項４】請求項２記載のものにおいて、前記かご枠
   の平面部に水平に取り付けるローラ支持部材に、前記ガ
   イドレールの正面及び両側面を挟み込むように切り欠き
   部を設け、外れ止めを形成したことを特徴とするエレベ
   ーターの案内装置。