JP2000043716A - 加圧流体を利用した乗物の搬送装置 - Google Patents

加圧流体を利用した乗物の搬送装置

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JP2000043716A
JP2000043716A JP10218746A JP21874698A JP2000043716A JP 2000043716 A JP2000043716 A JP 2000043716A JP 10218746 A JP10218746 A JP 10218746A JP 21874698 A JP21874698 A JP 21874698A JP 2000043716 A JP2000043716 A JP 2000043716A
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vehicle
propulsion pipe
traveling body
transport device
brake
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JP10218746A
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Kenichi Konno
建一 今野
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TOKYO DENKI KOMUSHO CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乗物を軽量化しかつ高速走行させても、乗物の
振動や騒音を抑制でき、加圧流体として無害の圧縮空気
等を用いることにより環境汚染を防止できる。 【解決手段】乗物11の搬送経路に沿って推進パイプ1
2が配置され、乗物が滑走可能な多数の滑走用ローラ1
3が推進パイプに沿って配設される。推進パイプの内部
にはインナ走行体14が乗物に係合して収容され、この
インナ走行体は推進パイプ内に加圧流体を給排すること
により乗物とともに走行する。また乗物は制動手段22
〜24により制動される。推進パイプにはこの推進パイ
プ全長にわたってスリットが形成され、インナ走行体は
連結プレート19によりスリットを通して乗物に連結さ
れる。更に推進パイプ内には推進パイプの全長にわたっ
てスリットを閉塞可能にシール線材が設けられ、インナ
走行体には連結プレートに対向するシール線材を推進パ
イプ内に引込む線材引込み部が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧流体を利用し
て人や荷物等の運搬用の乗物を搬送する装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、カメラの搬送経路に沿って
設けられたレールと、レール上を転動可能なローラを有
しかつ上部にカメラが取付けられた台車と、台車を圧縮
空気により移動させる搬送手段とを備えたカメラ搬送装
置(特開平10−157615号)を提案した。この搬
送装置では、搬送手段のパイプがレールに平行に設けら
れ、このパイプの全長にわたって下面に切れ目が形成さ
れる。またパイプ内の流体通路に送込まれる圧縮空気に
より内部移動体がパイプ内を移動可能に構成される。一
端が内部移動体に接続された連結プレートが切れ目を通
って外部に突出し、連結プレートの他端に台車が連結さ
れる。またパイプ内にパイプ全長に配置されたシール線
材が切れ目を閉塞し、内部移動体又は連結プレートに形
成された線材引込み部が連結プレートに対向するシール
線材をパイプ内方に引込むように構成される。更にレー
ルは略チャンネル状のブラケット上に配設され、このブ
ラケットの立上がり部にパイプが固着される。
【0003】このように構成されたカメラ搬送装置で
は、人間が立入不能で電動機を使えない場所であっても
カメラを能率良く、安全かつ確実に搬送して内部観察や
監視を行うことができる。また連結プレートが通過する
位置では線材引込み部によりシール線材がパイプ内方に
引込まれるので、シール線材が内部移動体の圧縮空気に
よる移動を妨げることはなく、高速で移動する被写体に
対してもカメラを能率良く、安全かつ確実に搬送して明
確かつ迫力のある撮影を行うことができるようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平10−157615号公報に示されたカメラ搬送装
置を乗物の搬送装置にそのまま転用しようとした場合、
この搬送装置では次の種々の問題点があった。第一にこ
の搬送装置では、回転体である複数のローラが台車に取
付けられ、これらのローラがレール上を転動することに
より、台車がレールに沿って走行するように構成されて
いるため、台車の重量を比較的大きくしないと、高速走
行時に台車に振動や騒音が発生するおそれがあった。ま
た第二に上記搬送装置では、流体通路のうち内部移動体
の前方に圧縮空気を供給することにより、台車を制動し
ているため、制動距離が比較的長くなる問題点があっ
た。また第三に上記搬送装置では、台車が高速でカーブ
を走行するときに、台車が遠心力により不安定になるお
それがあった。更に第四に上記搬送装置では、搬送経路
が長くなると、圧縮空気の消費量が極めて多くなる問題
点があった。
【0005】本発明の第一の目的は、乗物を軽量化しか
つ乗物が高速走行しても、乗物の振動や騒音を低く抑え
ることができ、また加圧流体として無害の圧縮空気等を
用いることにより環境汚染を防止でき、更に加圧流体の
圧力低下を防止して高圧の加圧流体をインナ走行体に作
用させることができる、加圧流体を利用した乗物の搬送
装置を提供することにある。本発明の第二の目的は、乗
物を所定の制動距離でかつ所定の場所に確実に停止で
き、また乗物のカーブ走行時の安定性を向上できる、加
圧流体を利用した乗物の搬送装置を提供することにあ
る。本発明の第三の目的は、搬送経路が長くなっても、
加圧流体の消費量を低減でき、また第三者の搬送経路内
への侵入を防止できる、加圧流体を利用した乗物の搬送
装置を提供することにある。本発明の第四の目的は、乗
物内で消費される電力を自家発電でき、また足りない電
力を外部から容易に受取ることができ、更に外部との通
信を容易にかつ確実に行うことができる、加圧流体を利
用した乗物の搬送装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、乗物11の搬送経路に沿って配置さ
れた推進パイプ12と、推進パイプ12に沿って配設さ
れ乗物11が滑走可能な多数の滑走用ローラ13と、推
進パイプ12の内部に乗物11に係合して収容され推進
パイプ12内に加圧流体を給排することにより乗物11
とともに走行可能なインナ走行体14と、乗物11を制
動する制動手段22〜24とを備えた加圧流体を利用し
た乗物の搬送装置である。この請求項1に記載された乗
物の搬送装置では、インナ走行体14が推進パイプ12
に供給された加圧流体の圧力にて走行することにより、
インナ走行体14に係合する乗物11が滑走用ローラ1
3上を滑走する。即ち、滑走用ローラ13が乗物側では
なく搬送経路側(固定側)に設けられているため、乗物
11を軽量化しかつ乗物が高速走行しても、乗物11の
振動や騒音を低く抑えることができる。また加圧流体と
して無害な圧縮空気を用いれば、環境を汚染することは
ない。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図4及び図5に示すように、推進パイ
プ12にこの推進パイプ全長にわたってスリット12b
が形成され、インナ走行体14をスリット12bを通し
て乗物11に連結する連結プレート19が設けられ、推
進パイプ12内に推進パイプの全長にわたってスリット
12bを閉塞可能なシール線材21が設けられ、連結プ
レート19に対向するシール線材21を推進パイプ12
内に引込む線材引込み部14cがインナ走行体14又は
連結プレート19に形成されたことを特徴とする。この
請求項2に記載された乗物の搬送装置では、乗物11が
連結プレート19を介してインナ走行体14に連結さ
れ、連結プレート19が通過する部分以外のスリット1
2bがシール線材21により閉塞されているので、加圧
流体は推進パイプ12内から殆ど漏れない。この結果、
加圧流体の圧力は殆ど低下しないので、高圧の加圧流体
をインナ走行体14に作用させることができる。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図15及び図16に示すように、推進
パイプ72が非磁性材により形成され、推進パイプ72
の外面に推進パイプ72を搬送経路に固設するための支
持部材73が突設され、内面にアウタ磁性体76aを有
するアウタ走行体76が推進パイプ72の支持部材73
を除いた部分に嵌入されかつ推進パイプ72の外面に沿
って移動可能に構成され、アウタ走行体76を乗物11
に連結する連結部材77が設けられ、推進パイプ72の
外面を転動可能なアウタローラ76bがアウタ走行体7
6に設けられ、インナ走行体74の外面にインナ磁性体
74cが設けられ、アウタ磁性体76a又はインナ磁性
体74cのいずれか一方又は双方を磁化してその磁気吸
引力によりアウタ走行体76とインナ走行体74とを磁
気的に連結するように構成されたことを特徴とする。こ
の請求項3に記載された乗物の搬送装置では、乗物11
がアウタ走行体76を介してインナ走行体74に磁気的
に連結されているので、推進パイプ72にスリットを形
成する必要がない。この結果、推進パイプ72から加圧
流体が全く漏れないので、加圧流体の圧力が全く低下せ
ず、請求項2に係る搬送装置より更に高圧の加圧流体を
インナ走行体74に作用させることができる。
【0009】請求項4に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図1に示すように、乗物11の下面に
帯板31が乗物11の搬送方向に延びて設けられ、帯板
31が滑走用ローラ13に接触するように構成されたこ
とを特徴とする。この請求項4に記載された乗物の搬送
装置では、平滑な帯板31が滑走用ローラ13上を滑走
するので、請求項1に係る搬送装置より更に乗物11の
振動及び騒音を低減できる。
【0010】請求項5に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図1及び図5に示すように、制動手段
が推進パイプ12内のうちインナ走行体14の進行方向
前面側に加圧流体を供給する手段であることを特徴とす
る。この請求項5に記載された乗物の搬送装置では、推
進パイプ12内のうちインナ走行体14の進行方向前面
側に加圧流体を供給すると、インナ走行体14の前後の
加圧流体の圧力差が小さくなってインナ走行体14の速
度が低下し、乗物11が制動される。
【0011】請求項6に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図1、図6及び図7に示すように、制
動手段22,23が推進パイプ12に沿って推進パイプ
の全長にわたって固設されたブレーキ板22a,23a
と、ブレーキ板22a,23aに対向して乗物11に設
けられブレーキ板22a,23aに圧接可能なブレーキ
シュー22b,23bとを有することを特徴とする。こ
の請求項6に記載された乗物の搬送装置では、ブレーキ
シュー22b,23bをブレーキ板22a,23aに圧
接すると、その摩擦力により乗物11の速度が次第に低
下する。
【0012】請求項7に係る発明は、請求項6に係る発
明であって、更に図1及び図7に示すように、ブレーキ
板23aが磁性材からなり、ブレーキシュー23bが通
電時に磁化してブレーキ板23aに吸着可能な電磁石に
より構成されたことを特徴とする。この請求項7に記載
された乗物の搬送装置では、ブレーキシュー23bに通
電すると、ブレーキシュー23bが極めて強力な電磁石
となってブレーキ板23aに吸着するので、ブレーキシ
ュー23bとブレーキ板23aとの摩擦力により乗物1
1の速度が次第に低下する。
【0013】請求項8に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図1、図2及び図8に示すように、推
進パイプ12を乗物11とともに推進パイプの全長にわ
たって覆う搬送経路カバー32と、このカバー32の両
内側面にそれぞれ設けられた一対のレール34,34
と、乗物11の両側面に設けられレール34を転動可能
なサイドローラ36とを有することを特徴とする。この
請求項8に記載された乗物の搬送装置では、推進パイプ
12及び乗物11が搬送経路カバー32により覆われて
いるため、第三者の搬送経路内への侵入を防止できる。
また乗物11がカーブする搬送経路を走行すると、遠心
力によりカーブ外方のサイドローラ36がレール34に
圧接されながらレール34表面を転動する。この結果、
乗物11のカーブ外方への傾きがレール34により抑え
られる、即ち乗物11のカーブ走行時の安定性を向上で
きる。
【0014】請求項9に係る発明は、請求項1又は8に
係る発明であって、更に図1及び図9に示すように、制
動手段24がサイドローラ36の回転軸36aにその軸
心に直交するように固着されたディスクブレーキ24a
と、乗物11から突設されディスクブレーキ24aに圧
接可能なブレーキシュー24bとを有することを特徴と
する。この請求項9に記載された乗物の搬送装置では、
ブレーキシュー24bをディスクブレーキ24aに圧接
すると、その摩擦力によりサイドローラ36の回転速度
が低下するので、このサイドローラ36とレール34と
の摩擦力が増大し、乗物11の速度が次第に低下する。
【0015】請求項10に係る発明は、請求項8に係る
発明であって、更に図1及び図8に示すように、サイド
ローラ36の回転軸36aに発電機39のロータ軸39
aが連結され、発電機39のステータが乗物11に搭載
されたバッテリ18に電気的に接続されたことを特徴と
する。この請求項10に記載された乗物の搬送装置で
は、サイドローラ36の回転により発電機39が作動
し、この発電機39が発生した電力がバッテリ18に蓄
えられる。この結果、バッテリ18に蓄えられた電力に
より乗物11内の電気機器を使用できる。
【0016】請求項11に係る発明は、請求項1又は8
に係る発明であって、更に図10に示すように、推進パ
イプ12又は搬送経路カバー32に沿って電力供給用電
線43が配索され、この電線43に摺動可能に接触する
パンタグラフ44が乗物11に設けられ、パンタグラフ
44が乗物11に搭載された電気機器に電気的に接続さ
れたことを特徴とする。この請求項11に記載された乗
物の搬送装置では、請求項10に記載された発電機39
による発電では十分な電力が得られないときに、外部か
ら電力をパンタグラフ44にて容易に受取ることができ
る。
【0017】請求項12に係る発明は、請求項1又は8
に係る発明であって、更に図1及び図11に示すよう
に、電波を均一に放射可能な移動体無線用の漏洩同軸ケ
ーブル47が推進パイプ12又は搬送経路カバー32に
沿って配索され、乗物11にケーブル47が放射した電
波を受信するアンテナ48が設けられたことを特徴とす
る。この請求項12に記載された乗物の搬送装置では、
乗物11内と外部との通信を極めて容易にかつ確実に行
うことができる。
【0018】請求項13に係る発明は、請求項1に係る
発明であって、更に図12〜図14に示すように、推進
パイプ12に加圧流体を供給する複数の供給パイプ51
の供給口51aが推進パイプ12に所定の間隔をあけて
設けられ、推進パイプ12内をインナ走行体14の走行
位置に合せて部分的に閉止可能な複数の閉塞バルブ52
が供給口51aと異なる位置に設けられたことを特徴と
する。この請求項13に記載された乗物の搬送装置で
は、インナ走行体14直後の推進パイプ12内を閉塞バ
ルブ52により閉じ、かつインナ走行体14直後の供給
パイプ51から推進パイプ12内に加圧流体を供給する
と、推進パイプ12内の圧力は速やかに上昇する。この
結果、搬送経路が長くなっても、推進パイプ12内に供
給される加圧流体の量は少なくて済むので、加圧流体の
消費量を低減できる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1に示すように、乗物11
の搬送装置10は乗物11の搬送経路に沿って配置され
た推進パイプ12と、推進パイプ12に沿って配設され
た多数の滑走用ローラ13と、推進パイプ12の内部に
乗物11に係合して収容されたインナ走行体14と、乗
物11を制動する第1〜第4制動手段22〜24とを備
える。乗物11はこの実施の形態では乗客11aを乗せ
て搬送する乗物11であり、軽量化及び製作コストの低
減を図るために繊維強化プラスチック(FRP)により
形成されることが好ましい。乗物11は底板11b、前
面板11c、後面板(図示せず)、一対の側板11d,
11e及び天板11fにより箱状に形成され、底板11
bより所定の距離だけ上方には床板11gが設けられる
(図1〜図3)。また床板11gの上面には乗客11a
が座る座席11hが設けられ、床板11gと底板11b
との間の空間には空調装置17及びバッテリ18が収容
される。バッテリ18は乗物11内の照明やその他の各
電気機器(図示せず)に電力を供給するために設けられ
る。なお、乗物11には乗客11a以外に原料、資材、
加工品、製品等の貨物を搭載してもよい。
【0020】推進パイプ12の内部には図4及び図5に
詳しく示すように、推進パイプ12全長にわたって流体
通路12aが形成され、推進パイプ12には流体通路1
2aから推進パイプ12外面に連通するスリット12b
が推進パイプ全長にわたって形成される。スリット12
bはこの実施の形態では推進パイプ12の上面に形成さ
れ、後述する連結プレート19が通過可能な小幅部12
cと、スリット12aを閉塞するシール線材21の略半
分を収容可能な略半円状の線材収容部12dとを有す
る。シール線材21は断面円形のゴム線からなり、流体
通路12a全長にわたって配置される。小幅部12cの
幅はシール線材21の外径より小さくかつ連結プレート
19の厚さより僅かに大きく形成され、線材収容部12
dの内径はシール線材21の外径と同一か或いはシール
線材21の外径より僅かに大きく形成される。
【0021】多数の滑走用ローラ13は多数のローラ保
持具25に回転可能にそれぞれ取付けられ、これらのロ
ーラ保持具25は支持プレート26上に2個ずつ立設さ
れる(図1〜図3)。上記ローラ13の外周面には乗物
11の振動及び騒音を防止するためにゴム又はウレタン
製の筒状部材(図示せず)が嵌着される。支持プレート
26は搬送経路に沿って所定の間隔をあけかつ搬送経路
に直交する方向に延びて配設される(図2及び図3)。
搬送装置10を平地に設置するときには、支持プレート
26の両端に高さ調整手段27,27をそれぞれ設け、
これらの高さ調整手段27にて支持プレート26の高さ
を調整することにより行われる(図2)。また搬送装置
10を川や谷等を跨いで架設するときには、支持プレー
ト26の両端を一対の角筒状の骨組み構造体28,28
の上面に載置し、これらの構造体28を橋脚(図示せ
ず)上に載置することにより行われる(図3)。図3の
符号12eは推進パイプ12同士を連結する連結管であ
る。また推進パイプ12は支持プレート26の中央上面
に設けられ、固定板29により支持プレート26に固定
される(図1〜図3)。
【0022】インナ走行体14は流体通路12aに挿入
され、連結プレート19によりスリット12bを通して
乗物11に連結される(図1、図4及び図5)。インナ
走行体14は上面に連結プレート19の下端が固着され
た基部14aと、この基部14aの両端に設けられた一
対の受圧部14b,14bとを有する(図4及び図
5)。基部14aは炭素鋼、ステンレス鋼等の金属材料
又はウレタンにより形成されるが、連結プレート19に
連結するため金属材料により形成されることが好まし
い。また一対の受圧部14b,14bはウレタン、合成
ゴム又は天然ゴム等により形成される。受圧部14bは
具体的には基部14aの両端に受圧部14bより一回り
小さい芯金(図示せず)を金属材料にて一体的に形成
し、これらの芯金の外面にウレタンを貼着することによ
り形成されることが好ましい。
【0023】一対の受圧部14b,14bの外径は流体
通路12aの内径と同一か或いは流体通路12aの内径
より僅かに大きく形成され、受圧部14bの外周面が流
体通路12aの内周面に密着するように構成される(図
5)。これにより受圧部14bの両側の加圧流体の流通
が阻止され、流体通路12a内に一端側から送込まれる
加圧流体にてインナ走行体14が走行できるようになっ
ている。また基部14aの外径は流体通路12aより小
さく形成され、基部14aの外周面が流体通路12aの
内周面に接触しないように構成される(図4及び図
5)。これによりインナ走行体14の摺動抵抗が低減さ
れる。流体通路12aに送込まれる加圧流体はこの実施
の形態では圧縮空気である。なお、加圧流体として窒素
ガス等の気体や、水、油等の液体を用いてもよい。
【0024】連結プレート19の上端は乗物11の下面
中央にブラケット30a、連結ボルト30b及びナット
30cを介して固着される(図4及び図5)。またイン
ナ走行体14の基部14aには線材引込み部14cが形
成される。この線材引込み部14cは基部14aに形成
された挿通孔であり、線材引込み部14cにシール線材
21を挿通することにより、連結プレート19に対向す
るシール線材21が流体通路12a内方に引込まれるよ
うに構成される。インナ走行体14の一対の受圧部14
b,14bには線材収容部12dに対向してガイド溝1
4dがそれぞれ形成される(図5)。ガイド溝14dは
流体通路12a内方に引込まれたシール線材21を再び
線材収容部12dに収容してスリット12bをシール線
材21にて閉塞するために設けられる。なお、線材引込
み部14cはインナ走行体14ではなく、連結プレート
19に形成してもよい。この場合、連結プレート19の
下端を厚くする必要がある。
【0025】乗物11の下面には一対の帯板31,31
が乗物11の搬送方向に延びて設けられ、これらの帯板
31が滑走用ローラ13に接触してローラ13が回転す
ることにより、乗物11がローラ13上を滑走可能に構
成される(図1〜図3、図6及び図7)。帯板31は鋼
材等の金属材料により形成されることが好ましい。第1
制動手段は推進パイプ12の流体通路12aのうちイン
ナ走行体14の進行方向前面側に圧縮空気を供給する手
段である。即ち、流体通路12aのうちインナ走行体1
4の進行方向前面側に圧縮空気を供給して、インナ走行
体14の前後の圧力差を次第に小さくすることにより、
インナ走行体14の走行速度を次第に低下させて乗物1
1を制動するように構成される。
【0026】また第2制動手段22は推進パイプ12に
沿って推進パイプの全長にわたって固設されたブレーキ
板22aと、ブレーキ板22aに対向して乗物11に設
けられブレーキ板22aに圧接可能なブレーキシュー2
2bとを有する(図1及び図6)。ブレーキ板22aは
推進パイプ12と平行にローラ保持具25の側面に固着
され、ブレーキシュー22bは乗物11の底面にロッド
保持具22c、ロッド22d及びシュー保持具22eを
介して取付けられる。ロッド保持具22cは乗物11の
下面に固着され、この保持具22cにはソレノイド22
fを挿着可能な挿通孔22gが形成される。ソレノイド
22fは非磁性材からなる筒体22hにコイル22iを
密に巻回することにより形成され、ロッド22dはソレ
ノイド22fに摺動可能に挿通される。シュー保持具2
2eの上端はロッド22dの先端に固着され、シュー保
持具22eの下部にはブレーキ板22aに対向してブレ
ーキシュー22bが固着される。図6の符号22jはブ
レーキシュー22bをブレーキ板22aから引き離す方
向に付勢するばねである。ソレノイド22fのコイル2
2iに通電すると、ロッド22dの内部に磁束が発生
し、ロッドがブレーキシュー22bとともに実線矢印で
示す方向に移動するように構成される。
【0027】第3制動手段23はブレーキ板23aとブ
レーキシュー23bとを有する(図1及び図7)。ブレ
ーキ板23aは磁性材からなり、推進パイプ12と平行
にローラ保持具25の側面に固着される。ブレーキシュ
ー23bは乗物11の底面にロッド保持具23c及びロ
ッド23dを介して取付けられる。ロッド保持具23c
は非磁性材により形成され、乗物11の下面に固着され
る。またロッド保持具23cにはロッド23dを摺動可
能に挿通する挿通孔23fが形成される。ロッド23d
はブレーキシュー23bと一体的に磁性材により形成さ
れたロッド本体23gと、このロッド本体23gに密に
巻回されたコイル23hと、コイル23hを被覆するよ
うにロッド本体23gに嵌入されかつ挿通孔23gに摺
動可能に挿通された筒体23iからなる。図7の符号2
3jはブレーキシュー23bをブレーキ板23aから引
き離す方向に付勢するばねである。コイル23hに通電
すると、ロッド本体23gの内部に磁束が発生し、ブレ
ーキシュー23bが磁化されて強力な磁石になりブレー
キ板23aに吸着するように構成される。
【0028】一方、推進パイプ12は乗物11とともに
搬送経路カバー32により推進パイプ12の全長にわた
って覆われる(図1〜図3)。このカバー32は一対の
側壁32a,32bと、これらの側壁32a,32bの
上縁を連結する湾曲した透明の天井32cとを有する。
多数の支持プレート26の両端近傍には一対のチャンネ
ル部材33,33が搬送経路に沿ってそれぞれ架設さ
れ、これらのチャンネル部材33の外側面には一対の側
壁32a,32b下縁が取付けられる。また一対の側壁
32a,32bの両内側面には一対のレール34,34
が搬送経路に沿ってそれぞれ設けられ、乗物11の両側
面には上記レール34表面を転動可能な複数のサイドロ
ーラ36が設けられる(図1、図8及び図9)。サイド
ローラ36は図8及び図9に詳しく示すように、回転軸
36aとこの回転軸の外周面に嵌着されたゴム部36b
からなり、軸受37及びブラケット38を介して乗物1
1の側面に回転可能に取付けられる。サイドローラ36
はカーブする搬送経路の走行時に遠心力により乗物11
がカーブ外方に傾くのを防止する、即ちカーブ走行時の
安定性を向上するために設けられる。
【0029】第4制動手段24は上記サイドローラ36
の回転軸36aと乗物11の外側面との間に設けられる
(図1及び図9)。この第4制動手段24は図9に詳し
く示すように、回転軸36aにその軸心に直交するよう
に固着されたディスクブレーキ24aと、ディスクブレ
ーキ24aに圧接可能な一対のブレーキシュー24b,
24bとを有する。これらのブレーキシュー24b,2
4bは一対のシャフト24d,24dの先端に固着さ
れ、これらのシャフト24d,24dはディスクブレー
キ24aを挟むように乗物11から突設されたシュー保
持具24cに摺動可能に取付けられる。またシュー保持
具24cにはソレノイド(図示せず)が内蔵され、ソレ
ノイドに通電すると一対のブレーキシュー24b,24
bがディスクブレーキ24aの両面に圧接されるように
構成される。なお、上記第2及び第3制動手段22,2
3のブレーキ板22a,23aを上記レール34と兼用
し、このレール34に圧接可能なブレーキシュー22
b,23bを乗物11の外側面に取付けてもよい。この
場合、推進パイプ12と平行にローラ保持具25の側面
に固着されるブレーキ板22a,23aが不要になるの
で、搬送装置10の製作工数を低減できる。
【0030】また上記サイドローラ36には発電機39
が連結され、この発電機39はサイドローラ36近傍の
乗物11の側面に取付けられる(図1及び図8)。図8
に詳しく示すように、サイドローラ36の回転軸36a
には駆動ギヤ41が固着され、発電機39のロータ軸3
9aには駆動ギヤ41に噛合する従動ギヤ42が固着さ
れ、更に発電機39のステータ(図示せず)は乗物11
に搭載されたバッテリ18に電気的に接続される。一
方、上記発電機39のみではバッテリ18を十分に充電
できない場合、或いは大電力を必要とする空調装置17
を作動させる場合には、搬送経路カバー32に沿って配
索された電力供給用電線43からパンタグラフ44を介
して電力を受取り、バッテリ18又は直接空調装置17
に電力を供給することができる(図1及び図10)。上
記電線43はカバー32の内側面に碍子46a及び第1
ステー46bを介して配索される。パンタグラフ44は
乗物11の外側面に第2ステー46cを介して取付けら
れた外筒44aと、外筒44aに摺動可能に挿入された
内筒44bと、内筒44bの先端に固着され電線43に
摺動可能に接触する集電部44cと、外筒44a及び内
筒44b内に収容され集電部44cを電線43に圧接す
るばね44dとを有する(図10)。なお、上記電線4
3を推進パイプ12に沿って配索してもよい。
【0031】また搬送経路カバー32に沿って移動体無
線用の漏洩同軸ケーブル47が配索され、乗物11には
このケーブル47が放射した電波を受信するアンテナ4
8が設けられる(図1及び図11)。上記ケーブル47
は内部導体47aと、内部導体47aを被覆する絶縁パ
イプ47b(ポリエチレン)と、絶縁パイプ47bに嵌
入された外部導体47cと、外部導体47cを被覆する
導体用被覆部材47dとを有する(図11)。このケー
ブル47は支持線47e(亜鉛めっき鋼撚り線)により
支持され、この支持線47eは導体用被覆部材47dと
一体的に形成された支持線用被覆部材47fにより被覆
される。支持線用被覆部材47fを支持線47eととも
に搬送経路カバー32の内側面から突設されたケーブル
保持具49にて把持することにより、ケーブル47がカ
バー32に沿って配索される。このケーブル47を用い
ると、トンネル等の電波不感地帯においても外部の通信
システムにアクセスでき、ケーブル47に沿って電波を
均一に放射するため、電界変動の少ない高品質の通信が
可能となる。なお、上記漏洩同軸ケーブル47を推進パ
イプ12に沿って配索してもよい。
【0032】更に推進パイプ12には流体通路12aに
圧縮空気を供給する複数の供給パイプ51の供給口51
aが所定の間隔をあけて設けられ、これらの供給口51
aとは異なる位置には所定の間隔をあけて流体通路12
aを閉止可能な複数の閉塞バルブ52が設けられる(図
12〜図14)。供給パイプ51には3方2位置切換え
の電磁弁51bが設けられ、この電磁弁51bをオンす
ると圧縮空気が供給パイプ51を介して流体通路12a
に供給され、オフすると流体通路12a内の圧縮空気が
電磁弁51bから大気中に排出されるように構成される
(図14)。
【0033】閉塞バルブ52は図12及び図13に詳し
く示すように、角柱状のバルブ本体52aと、推進パイ
プ12に接続されバルブ本体52aを摺動可能に収容す
るケース52bと、バルブ本体52aを流体通路12a
から離す方向に付勢するばね52cとを有する。バルブ
本体52aの先端は流体通路12aの内周面に相応する
ように半円柱状に形成され、バルブ本体52aの先端に
はシール線材21を収容可能な線材収容溝52dが形成
される。ケース52bには管路53が接続され、この管
路53には3方2位置切換えの電磁弁53aが設けられ
る(図12〜図14)。この電磁弁53aをオンすると
圧縮空気がケース52bに供給されてバルブ本体52a
が流体通路12aを閉止する方向に移動し、オフすると
ケース52b内の圧縮空気が電磁弁53aから大気中に
排出されてバルブ本体52aがばね52cの弾性力及び
自重により流体通路12aを開放する方向に移動するよ
うに構成される。なお、推進パイプ12のうちバルブ本
体52aの先端に対向する位置に圧縮空気を噴射可能な
ノズル(図示せず)を形成し、電磁弁53aをオフした
ときに上記ノズルから圧縮空気を噴射すれば、流体通路
12aを開放する方向にバルブ本体52aを更に確実に
移動させることができる。
【0034】このように構成された乗物の搬送装置の動
作を説明する。乗物11の搬送装置10を搬送経路に沿
って設置するときには、予め工場で20m程度の長さの
搬送装置10を1ユニットとして組立て、各ユニットを
現場にて連結する。これにより搬送装置10を効率的に
製造かつ設置できるので、製造費用及び設置費用を低減
できる。搬送装置10の設置が完了すると、先ずガイド
溝14dが形成されていないことを除いてインナ走行体
14と同一形状の線材配索用走行体(図示せず)を流体
通路12aに挿入し、この走行体にシール線材21の一
端を取付けた後、流体通路12aに圧縮空気を送込む。
このとき圧縮空気はスリット12bから多少漏れるけれ
ども、線材配索用走行体は圧縮空気の圧力により推進パ
イプ12の流体通路12aを走行し、推進パイプ12の
他端に達する。
【0035】次に上記線材配索用走行体を流体通路12
aから取出した後、予め乗物11に連結プレート19を
介して連結されたインナ走行体14を流体通路12aに
挿入し、連結プレート19をスリット12bに挿入し、
同時に乗物11を滑走用ローラ13上に載せる。このと
き流体通路12aに挿通されたシール線材21を受圧部
14bのガイド溝14dに収容しかつ基部14aの線材
引込み部14cに挿通する。この状態で流体通路12a
に圧縮空気を送込むと、インナ走行体14が流体通路1
2aを一端から他端に向って走行し、シール線材21は
ガイド溝14dにより案内されてスリット12bの線材
収容部12dに収容される。この結果、スリット12b
はシール線材21により閉塞され、流体通路12aの気
密が保たれる。このように比較的簡単な作業でシール線
材21によりスリット12bを閉塞でき、かつ乗物11
を搬送装置10に組付けることができる。
【0036】乗物11を走行させるときには、推進パイ
プ12のうちインナ走行体14の進行方向背面側に圧縮
空気を供給し、インナ走行体14の進行方向前面側の圧
縮空気を排出する。これによりインナ走行体14が流体
通路12aを走行し始め、このインナ走行体14に連結
プレート19により連結された乗物11が滑走用ローラ
13上を滑走し始める。特に図14に示すように、イン
ナ走行体14直後の流体通路12aを閉塞バルブ52に
より閉じ、かつインナ走行体14直後の供給パイプ51
の電磁弁51bをオンすれば、インナ走行体14直後の
流体通路12aの圧力は速やかに上昇するため、流体通
路12aに供給される圧縮空気の量は少なくて済み、圧
縮空気の消費量を低減できる。また無害な圧縮空気を推
進力として利用しているので、環境を汚染することはな
く、推進パイプ12及び乗物11が搬送経路カバー32
により覆われているので、第三者の搬送経路内への無断
立ち入りを防止できる。また乗物11をFRPにより形
成して軽量化を図り、かつ乗物11が高速(約200k
m/時走行)で走行しても、滑走用ローラ13が乗物側
ではなく搬送経路側(固定側)に設けられているため、
乗物11の振動や騒音を低く抑えることができる。また
圧縮空気が流体通路12aから殆ど漏れないため、圧縮
空気の圧力が殆ど低下せず、高圧の圧縮空気をインナ走
行体14に作用させることができる。更に乗物11及び
搬送装置10が極めて簡単な構造であるため、乗物11
及び搬送装置10のメンテナンスが極めて容易である。
【0037】走行中の乗物11を停止させるときには、
第1制動手段を作動させる、即ち流体通路12aのうち
のインナ走行体14の進行方向背面側への圧縮空気の供
給を停止し、インナ走行体14の進行方向前面側に圧縮
空気を供給する。同時に第2〜第4制動手段22〜24
のコイル22i,23hに通電してブレーキシュー22
b,23b,24bをブレーキ板22a,23a及びデ
ィスクブレーキ24aにそれぞれ圧接する。これにより
乗物11の速度が次第に低下し、所定の制動距離及び所
定の場所で乗物を停止できる。このように4重の第1〜
第4制動手段22〜24を用いて乗物11を制動するの
で、乗客11a及び貨物の安全性を確保できる。なお、
第1制動手段を用いずに第2〜第4制動手段22〜24
のみで乗物11を制動してもよい。この場合、流体通路
12aのうちインナ走行体14の進行方向前面側に圧縮
空気を供給しなくて済み、このため乗物11の再発進時
に上記圧縮空気を排出せずに済むので、圧縮空気の消費
量を低減できる。更に搬送経路に沿って乗物11の位置
を検出するセンサを設け、推進パイプ12の各部の圧力
を検出するセンサを設け、各閉塞バルブ52及び各電磁
弁51b,53aの開閉を検出するセンサを設ければ、
運転者が乗物11に乗り込まなくても、乗物11を自動
制御して走行できる。
【0038】図15〜図17は本発明の第2の実施の形
態を示す。図15〜図17において図4、図5及び図1
3と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、
推進パイプ72が非磁性材により形成され、推進パイプ
72の外面に推進パイプ72を搬送経路に固設するため
の支持部材73が突設され、更に内面に一対のアウタ磁
性体76a,76aを有するアウタ走行体76が推進パ
イプ72の支持部材73を除いた部分に嵌入されかつ推
進パイプ72の外面に沿って移動可能に構成される(図
15及び図17)。推進パイプ72には第1の実施の形
態のようなスリットは形成されず、またシール線材も用
いられない。支持部材73は支持プレート26の中央に
立設され、この支持プレート26の上端に推進パイプ7
2が固着される。またアウタ走行体76の上面は連結部
材77を介して乗物11の下面に連結され、アウタ走行
体76にはインナ走行体74を中心として所定の角度毎
(この例では90度毎)に複数のアウタローラ76aが
回転可能に取付けられる(図15)。これらのアウタロ
ーラ76aは推進パイプ72の外面を転動可能に構成さ
れる。
【0039】図15の符号76c,76cはアウタ走行
体76の下端から下方に突設された一対のガイドローラ
であり、これらのガイドローラ76cは支持部材73の
両側面をそれぞれ転動可能に構成される。更に推進パイ
プ72に挿入されたインナ走行体74の基部74a外面
には一対のアウタ磁性体76a,76aに対向して一対
のインナ磁性体74c,74cがそれぞれ設けられる
(図15及び図16)。インナ磁性体74cとしては永
久磁石を用いることが好ましく、アウタ磁性体76aと
しては永久磁石又は電磁石を用いることが好ましい。ま
たインナ走行体74の基部74aには第1の実施の形態
のような線材引込み部は形成されず、一対の受圧部74
b,74bには第1の実施の形態のようなガイド溝は形
成されない。更に閉塞バルブ82のバルブ本体82aの
先端には線材収容溝は形成されない(図17)。
【0040】このように構成された乗物の搬送装置で
は、推進パイプ72にスリットがなくかつシール線材が
不要になるため、圧縮空気の流体通路12aからの漏れ
が全くなくなり、圧縮空気の消費量を第1の実施の形態
より更に低減できる。またアウタ磁性体76a又はイン
ナ磁性体74cのいずれか一方又は双方を磁化してその
磁気吸引力によりアウタ走行体76とインナ走行体74
とを磁気的に連結するので、インナ走行体74が推進パ
イプ72の流体通路12aを走行すると、乗物10が滑
走用ローラ(図示せず)上を滑走する。上記以外の動作
は第1の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明
を省略する。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、乗
物の搬送経路に沿って推進パイプを配置し、乗物が滑走
可能な多数の滑走用ローラを推進パイプに沿って配設
し、推進パイプの内部にインナ走行体を乗物に係合して
収容し、推進パイプ内に加圧流体を給排することにより
インナ走行体が乗物とともに走行し、更に制動手段が乗
物を制動するように構成したので、インナ走行体が推進
パイプ内に供給された加圧流体の圧力により走行する
と、インナ走行体に係合する乗物が滑走用ローラ上を滑
走する。このとき滑走用ローラが乗物側ではなく搬送経
路側(固定側)に設けられているので、乗物を軽量化し
かつ乗物が高速走行しても、乗物の振動や騒音を低く抑
えることができる。また加圧流体として無害な圧縮空気
を用いれば、環境を汚染することはない。
【0042】また推進パイプにこの推進パイプ全長にわ
たってスリットを形成し、このスリットを通る連結プレ
ートによりインナ走行体を乗物に連結し、推進パイプ内
にスリットを閉塞可能にシール線材に設け、更に連結プ
レートに対向するシール線材を推進パイプ内に引込む線
材引込み部をインナ走行体又は連結プレートに形成すれ
ば、連結プレートが通過する部分以外のスリットがシー
ル線材により閉塞されているので、加圧流体が推進パイ
プ内から殆ど漏れない。この結果、加圧流体の圧力は殆
ど低下しないので、高圧の加圧流体をインナ走行体に作
用させることができる。
【0043】また非磁性材製の推進パイプの外面に支持
部材を突設し、内面にアウタ磁性体を有するアウタ走行
体を推進パイプの支持部材を除いた部分に嵌入し、アウ
タ走行体を連結部材により乗物に連結し、推進パイプの
外面を転動可能なアウタローラをアウタ走行体に設け、
インナ走行体の外面にインナ磁性体を設ければ、アウタ
磁性体又はインナ磁性体を磁化してその磁気吸引力によ
りアウタ走行体とインナ走行体とが磁気的に連結される
ので、推進パイプにスリットを形成する必要がない。こ
の結果、推進パイプから加圧流体が全く漏れないので、
加圧流体の圧力が全く低下せず、上記シール線材及びス
リットを用いた搬送装置より更に高圧の加圧流体をイン
ナ走行体に作用させることができる。
【0044】また乗物の下面に帯板を乗物の搬送方向に
延びて設け、帯板が滑走用ローラに接触するように構成
すれば、平滑な帯板が滑走用ローラ上を滑走するので、
乗物の振動及び騒音を更に低減できる。また推進パイプ
内のうちインナ走行体の進行方向前面側に加圧流体を供
給すれば、インナ走行体の両端の加圧流体の圧力差が小
さくなって乗物を停止させることができる。
【0045】また推進パイプに固設されたブレーキ板に
対向するようにブレーキシューを乗物に設け、このブレ
ーキシューをブレーキ板に圧接したり、通電時に磁化し
て吸着可能な電磁石により構成されるブレーキシューを
磁性材からなるブレーキ板に圧接したり、或いはサイド
ローラの回転軸に固着されたディスクブレーキに乗物か
ら突設されたブレーキシューを圧接したりすれば、ブレ
ーキシューとブレーキ板又はディスクブレーキとの摩擦
力により乗物を確実に停止できる。また搬送経路カバー
が推進パイプを乗物とともに推進パイプの全長にわたっ
て覆い、このカバーの両内側面に一対のレールを設け、
更に乗物の両側面に設けられたサイドローラがレールを
転動するように構成すれば、第三者の搬送経路内への侵
入を防止できるとともに、乗物のカーブ走行時の安定性
を向上できる。
【0046】またサイドローラの回転軸に発電機のロー
タ軸を連結し、発電機のステータを乗物に搭載されたバ
ッテリに電気的に接続すれば、サイドローラの回転によ
り発電機が作動し、この発電機が発生した電力がバッテ
リに蓄えられる。この結果、バッテリに蓄えられた電力
により乗物内の電気機器を使用できる。また推進パイプ
又は搬送経路カバーに沿って電力供給用電線を配索し、
電線に摺動可能に接触するパンタグラフを乗物に設け、
このパンタグラフを乗物に搭載された電気機器に電気的
に接続すれば、上記発電機による発電では十分な電力が
得られないときに、外部から電力を容易に受取ることが
できる。
【0047】また電波を均一に放射可能な移動体無線用
の漏洩同軸ケーブルを推進パイプ又は搬送経路カバーに
沿って配索し、乗物にケーブルが放射した電波を受信す
るアンテナを設ければ、乗物内と外部との通信を極めて
容易にかつ確実に行うことができる。更に推進パイプに
加圧流体を供給する複数の供給パイプの供給口を推進パ
イプに所定の間隔をあけて設け、推進パイプ内をインナ
走行体の走行位置に合せて部分的に閉止可能な複数の閉
塞バルブを供給口と異なる位置に設ければ、インナ走行
体直後の閉塞バルブを閉じ、かつインナ走行体直後の供
給パイプから推進パイプ内に加圧流体を供給することに
より、推進パイプ内の圧力は速やかに上昇する。この結
果、搬送経路が長くなっても、推進パイプ内に供給され
る加圧流体の量は少なくて済むので、加圧流体の消費量
を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の加圧流体を利用した乗物
の搬送装置を示す図2のA−A線断面図。
【図2】平地に設置される搬送装置を示す要部斜視図。
【図3】谷や川等に架設される搬送装置を示す要部斜視
図。
【図4】図1のB部拡大断面図。
【図5】図4のC−C線断面図。
【図6】図1のD部拡大断面図。
【図7】図1のE部拡大断面図。
【図8】図1のF部拡大断面図。
【図9】図1のG部拡大断面図。
【図10】図1のH部拡大断面図。
【図11】図1のI部拡大断面図。
【図12】図13のJ−J線断面図。
【図13】図12のK−K線断面図。
【図14】閉塞バルブの動作を示す構成図。
【図15】本発明の第2実施形態を示す図4に対応する
断面図。
【図16】図15のL−L線断面図
【図17】閉塞バルブを示す図13に対応する断面図。
【符号の説明】
10 搬送装置 11 乗物 12,72 推進パイプ 12b スリット 13 滑走用ローラ 14,74 インナ走行体 14c 線材引込み部 18 バッテリ 19 連結プレート 21 シール線材 22〜24 制動手段 22a〜24a ブレーキ板 22b〜24b ブレーキシュー 31 帯板 32 搬送経路カバー 34 レール 36 サイドローラ 39 発電機 39a ロータ軸 43 電力供給用電線 44 パンタグラフ 47 漏洩同軸ケーブル 48 アンテナ 51 供給パイプ 51a 供給口 52 閉塞バルブ 73 支持部材 74c インナ磁性体 76 アウタ走行体 76a アウタ磁性体 76b アウタローラ 77 連結部材

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗物(11)の搬送経路に沿って配置された
    推進パイプ(12,72)と、 前記推進パイプ(12,72)に沿って配設され前記乗物(11)
    が滑走可能な多数の滑走用ローラ(13)と、 前記推進パイプ(12,72)の内部に前記乗物(11)に係合し
    て収容され前記推進パイプ(12,72)内に加圧流体を給排
    することにより前記乗物(11)とともに走行可能なインナ
    走行体(14,74)と、 前記乗物(11)を制動する制動手段(22〜24)とを備えた加
    圧流体を利用した乗物の搬送装置。
  2. 【請求項2】 推進パイプ(12)にこの推進パイプ全長に
    わたってスリット(12b)が形成され、 インナ走行体(14)を前記スリット(12b)を通して前記乗
    物(11)に連結する連結プレート(19)が設けられ、 前記推進パイプ(12)内に前記推進パイプの全長にわたっ
    て前記スリット(12b)を閉塞可能なシール線材(21)が設
    けられ、 前記連結プレート(19)に対向する前記シール線材(21)を
    前記推進パイプ(12)内に引込む線材引込み部(14c)が前
    記インナ走行体(14)又は前記連結プレート(19)に形成さ
    れた請求項1記載の乗物の搬送装置。
  3. 【請求項3】 推進パイプ(72)が非磁性材により形成さ
    れ、 前記推進パイプ(72)の外面に前記推進パイプ(72)を前記
    搬送経路に固設するための支持部材(73)が突設され、 内面にアウタ磁性体(76a)を有するアウタ走行体(76)が
    前記推進パイプ(72)の前記支持部材(73)を除いた部分に
    嵌入されかつ前記推進パイプ(72)の外面に沿って移動可
    能に構成され、 前記アウタ走行体(76)を乗物(11)に連結する連結部材(7
    7)が設けられ、 前記推進パイプ(72)の外面を転動可能なアウタローラ(7
    6b)が前記アウタ走行体(76)に設けられ、 前記インナ走行体(74)の外面にインナ磁性体(74c)が設
    けられ、 前記アウタ磁性体(76a)又は前記インナ磁性体(74c)のい
    ずれか一方又は双方を磁化してその磁気吸引力により前
    記アウタ走行体(76)と前記インナ走行体(74)とを磁気的
    に連結するように構成された請求項1記載の乗物の搬送
    装置。
  4. 【請求項4】 乗物(11)の下面に帯板(31)が前記乗物(1
    1)の搬送方向に延びて設けられ、前記帯板(31)が滑走用
    ローラ(13)に接触するように構成された請求項1記載の
    乗物の搬送装置。
  5. 【請求項5】 制動手段が推進パイプ(12)内のうちイン
    ナ走行体(14)の進行方向前面側に加圧流体を供給する手
    段である請求項1記載の乗物の搬送装置。
  6. 【請求項6】 制動手段(22,23)が推進パイプ(12)に沿
    って前記推進パイプの全長にわたって固設されたブレー
    キ板(22a,23a)と、前記ブレーキ板(22a,23a)に対向して
    前記乗物(11)に設けられ前記ブレーキ板(22a,23a)に圧
    接可能なブレーキシュー(22b,23b)とを有する請求項1
    記載の乗物の搬送装置。
  7. 【請求項7】 ブレーキ板(23a)が磁性材からなり、ブ
    レーキシュー(23b)が通電時に磁化して前記ブレーキ板
    (23a)に吸着可能な電磁石により構成された請求項6記
    載の乗物の搬送装置。
  8. 【請求項8】 推進パイプ(12)を乗物(11)とともに前記
    推進パイプの全長にわたって覆う搬送経路カバー(32)
    と、 前記カバー(32)の両内側面にそれぞれ設けられた一対の
    レール(34,34)と、 前記乗物(11)の両側面に設けられ前記レール(34)を転動
    可能なサイドローラ(36)とを有する請求項1記載の乗物
    の搬送装置。
  9. 【請求項9】 制動手段(24)がサイドローラ(36)の回転
    軸(36a)にその軸心に直交するように固着されたディス
    クブレーキ(24a)と、乗物(11)から突設され前記ディス
    クブレーキ(24a)に圧接可能なブレーキシュー(24b)とを
    有する請求項1又は8記載の乗物の搬送装置。
  10. 【請求項10】 サイドローラ(36)の回転軸(36a)に発
    電機(39)のロータ軸(39a)が連結され、前記発電機(39)
    のステータが乗物(11)に搭載されたバッテリ(18)に電気
    的に接続された請求項8記載の乗物の搬送装置。
  11. 【請求項11】 推進パイプ(12)又は搬送経路カバー(3
    2)に沿って電力供給用電線(43)が配索され、前記電線(4
    3)に摺動可能に接触するパンタグラフ(44)が乗物(11)に
    設けられ、前記パンタグラフ(44)が前記乗物(11)に搭載
    された電気機器に電気的に接続された請求項1又は8記
    載の乗物の搬送装置。
  12. 【請求項12】 電波を均一に放射可能な移動体無線用
    の漏洩同軸ケーブル(47)が推進パイプ(12)又は搬送経路
    カバー(32)に沿って配索され、乗物(11)に前記ケーブル
    (47)が放射した電波を受信するアンテナ(48)が設けられ
    た請求項1又は8記載の乗物の搬送装置。
  13. 【請求項13】 推進パイプ(12)に加圧流体を供給する
    複数の供給パイプ(51)の供給口(51a)が前記推進パイプ
    (12)に所定の間隔をあけて設けられ、前記推進パイプ(1
    2)内をインナ走行体(14)の走行位置に合せて部分的に閉
    止可能な複数の閉塞バルブ(52)が前記供給口(51a)と異
    なる位置に設けられた請求項1記載の乗物の搬送装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006526541A (ja) * 2003-06-05 2006-11-24 フライト レール コーポレーション 改良型高架鉄道輸送システム
JP2008201268A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Senyo Kogyo Kk 軌道車両の制動エネルギ回収装置および輸送システム
WO2019179193A1 (zh) * 2018-03-17 2019-09-26 刘凤鸣 一种以管道为轨道的快速交通运输装置

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