JP2000042622A - 内部欠陥発生を防止した金属材料の引抜き加工方法 - Google Patents

内部欠陥発生を防止した金属材料の引抜き加工方法

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JP2000042622A
JP2000042622A JP10208204A JP20820498A JP2000042622A JP 2000042622 A JP2000042622 A JP 2000042622A JP 10208204 A JP10208204 A JP 10208204A JP 20820498 A JP20820498 A JP 20820498A JP 2000042622 A JP2000042622 A JP 2000042622A
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Japan
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metal material
processed
metallic material
deformation resistance
ratio
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JP10208204A
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English (en)
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Fuyuki Segawa
冬樹 瀬川
忠継 ▲吉▼田
Tadatsugu Yoshida
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Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属材料の引抜き加工時のシェブロンクラッ
クの発生を防止し、健全な製品を確実に得ること。 【解決手段】(1)中心部と母材の変形抵抗の比が1.
2以下である被加工金属材料を素材として引抜き加工を
行うことを特徴とする金属材料の引抜き加工方法。
(2)被加工金属材料の加工中の中心軸上の軸方向応力
を負にして引抜き加工を行うことを特徴とする金属材料
の引抜き加工方法。(3)中心部と母材の変形抵抗の比
が1.3以下である被加工金属材料を素材とし、該被加
工金属材料の加工中の中心軸上の軸方向応力を負にして
引抜き加工を行うことを特徴とする金属材料の引抜き加
工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材などの金属材
料を塑性加工により成形する際に引抜き変形する部分で
発生するシェブロンクラックの発生を防止して健全な製
品を得る引抜き加工方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、機械部品の大量生産にともない、切
削加工から冷間鍛造加工への移行が進んでいる。冷間で
引抜き加工を行う際に、図1に示すようなシェブロンク
ラックと称せられる内部欠陥が生じることがある。
【0003】このシェブロンクラックは、中心軸方向に
発生する引張り応力によって起こるものであるが、シェ
ブロンクラックの発生を抑えるには高い静水圧をもたら
す条件の下で加工を行う必要がある。また、加工条件の
ほかに材料の性質として延性が必要とされ、これに対す
る研究も進んでいる。一般にいわれる加工要因として
は、 1、ダイス角度(アプローチ角)が大きい。 2、ダイス曲率半径が小さい。 3、リダクション(減面率)が小さい。 4、潤滑状態がよくない。 などがあり、材料要因としては、 1、炭素偏析が多い。 2、粗パーライトが多い。 3、介在物が大きい。 4、延性が少ない。 5、表面の脱炭状態が悪い。 などがある。
【0004】これらの種々の要因に対してさまざまな対
策が取られているが、従来の技術は例えば特開昭55−
62143号[S55.5.10]では、素材中心部か
ら直径の10分の1内領域の炭素偏析やパーライト結晶
粒径をある範囲内に指定しているが、これは組織につい
て対応しているに過ぎない。また、加工要因については
なんら触れるところがない。しかし実際には、加工要因
と材料要因は複雑に絡み合ってシェブロンクラック発生
にいたっているため、シェブロンクラックの発生を防止
することは困難な技術である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の加工要因と材料要因が複雑に絡み合って発生している
シェブロンクラックの発生を防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は有限要素解析
などを利用し研究を重ねた結果、上記の課題に対する解
決方法を提案するものであり、その要旨は以下の通りで
ある。
【0007】1.中心部と母材の変形抵抗の比が1.2
以下である被加工金属材料を素材として引抜き加工を行
うことを特徴とする金属材料の引抜き加工方法。
【0008】2.被加工金属材料に焼鈍処理を行い、中
心部と母材の変形抵抗の比を1.2以下にした後に引抜
き加工することを特徴とする金属材料の引抜き加工方
法。
【0009】3.被加工金属材料の加工中の中心軸上の
軸方向応力を負にして引抜き加工を行うことを特徴とす
る金属材料の引抜き加工方法。
【0010】4.中心部と母材の変形抵抗の比が1.3
以下である被加工金属材料を素材とし、該被加工金属材
料の加工中の中心軸上の軸方向応力を負にして引抜き加
工を行うことを特徴とする金属材料の引抜き加工方法。
【0011】5.ダイス形状を調整することにより、被
加工金属材料の加工中の中心軸上の軸方向応力を負にし
て引抜き加工を行うことを特徴とする上記3または4項
に記載の金属材料の引抜き加工方法。
【0012】本発明者は、研究の結果、金属材料内部の
破断に加工中の引張り応力の影響が大であることおよび
引張り応力に直接対応する因子として、変形抵抗がある
ことを知見し、本発明を完成したものである。
【0013】本願請求項1に記載の発明は、炭素偏析な
どの材料の組織ではなく材料の性質である変形抵抗に着
目し、中心部と母材の変形抵抗の比を制限することで健
全な製品を得る。
【0014】ここで中心部の変形抵抗とは、直径をDと
した場合、被加工材の中心部幅D/10における変形抵
抗のピーク値のことを指す。母材の変形抵抗は、D/4
位置で代表される変形抵抗を指す。図2にシェブロンク
ラックが発生する素材の中心付近の変形抵抗分布の一例
を、図3にシェブロンクラックの発生しない素材のもの
を同様に示す。
【0015】本願請求項2に記載の発明は、請求項1の
条件を満足させるために焼鈍などの処理を行った後に引
抜き加工を行うことで健全な製品を得る。
【0016】本願請求項3に記載の発明は、有限要素法
などの解析を行い、被加工金属材料の加工中の中心軸上
の軸方向応力を負になるようにして健全な製品を得る。
【0017】本願請求項4に記載の発明は、請求項3を
満足する場合、中心部と母材の変形抵抗の比が1.3で
ある被加工金属材料として引抜き加工を行うことで健全
な製品を得る。
【0018】本願請求項5に記載の発明は、請求項3の
条件を満足するためにダイス形状を調整し、請求項1の
条件を満足する素材を引抜き加工することで健全な製品
を得る。
【0019】以上のような本願請求項1乃至5に記載の
発明によれば、いずれもシェブロンクラックの発生のな
い健全な製品を得ることができるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】実施例としては、引抜き加工を行
う材料に対して、変形抵抗の比の条件を付加して製造す
ることが考えられる。インゴット材の場合は、トップ部
の中心偏析が顕著であるためこのような材料は使用しな
いか、もしくはトップ部の材料に対しては焼鈍を行った
ものを使用すれば良い。
【0021】また、ダイスの形状は上記加工要因を調整
する。具体的には、有限要素解析を用いて内部の応力状
態を計算し、中心軸上の軸方向応力が負の値(圧縮方
向)になるように、 ・ダイス曲率半径を大きくとる、 ・ダイス角度を小さくする、 などの作業を行えば良い。
【0022】
【実施例】表1から3に本発明実施例および比較例をそ
の試験結果と共に示す。被加工金属材料の原材は連鋳か
ら直径167mmに分塊圧延された後、超音波検査を経
て直径40mmに圧延されたSNCM420Hで、中心
偏析により中心部と母材の変形抵抗の比が1.5であっ
た。この材料を多段前方押出しを行ったところ、シェブ
ロンクラックが発生した。この材料に対し種々の熱処理
を行うことで変形抵抗の比を小さくし、また有限要素解
析から得られる中心軸上の軸方向応力が負になるように
ダイスのコーナー部の曲率半径を大きくとるなど引抜き
の加工条件を変更して、それぞれ引抜き加工を行った。
【0023】引抜き加工における試験は、φ40の試験
片に引抜き加工を施し、超音波探傷および試験片切断後
の目視にて評価を行った。その評価は下記のとおりとし
た。 ○:健全な製品、△:微小な亀裂発生、×:引抜き加工
時に破断 表1に変形抵抗の比を変化させたものを記載する。これ
より、焼きなましにより変形抵抗の比を1.2以下に押
さえることでシェブロンクラックの発生を抑制できるこ
とが分かる。
【0024】表2にダイスのコーナー部曲率半径を変化
させたものを記載する。これより、ダイス形状を調整
し、中心軸上の軸方向応力を負にすることでシェブロン
クラックの発生を抑制できることが分かる。
【0025】表3にそれぞれを組み合わせたものを記載
する。これより、変形抵抗の比を1.2以上である場合
においても1.3以下であれば、ダイス形状を調整し、
中心部の軸方向応力を負にすることでシェブロンクラッ
クの発生を抑制できることが分かる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、金属材料の引抜き加工
時のシェブロンクラックの発生を防止することができ、
健全な製品を確実に得ることができる。以上のとおり、
本発明は業界のニーズに答えた有用な発明であり、その
効果は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】シェブロンクラックの形態を示す図
【図2】シェブロンクラックが発生した被加工金属材料
の変形抵抗分布の一例を示す図
【図3】シェブロンクラックの発生しない被加工金属材
料の変形抵抗分布の一例を示す図

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部と母材の変形抵抗の比が1.2以
    下である被加工金属材料を素材として引抜き加工を行う
    ことを特徴とする金属材料の引抜き加工方法
  2. 【請求項2】 被加工金属材料に焼鈍処理を行い、中心
    部と母材の変形抵抗の比を1.2以下にした後に引抜き
    加工することを特徴とする金属材料の引抜き加工方法
  3. 【請求項3】 被加工金属材料の加工中の中心軸上の軸
    方向応力を負にして引抜き加工を行うことを特徴とする
    金属材料の引抜き加工方法
  4. 【請求項4】 中心部と母材の変形抵抗の比が1.3以
    下である被加工金属材料を素材とし、該被加工金属材料
    の加工中の中心軸上の軸方向応力を負にして引抜き加工
    を行うことを特徴とする金属材料の引抜き加工方法
  5. 【請求項5】 ダイス形状を調整することにより、被加
    工金属材料の加工中の中心軸上の軸方向応力を負にして
    引抜き加工を行うことを特徴とする請求項3または4に
    記載の金属材料の引抜き加工方法
JP10208204A 1998-07-23 1998-07-23 内部欠陥発生を防止した金属材料の引抜き加工方法 Pending JP2000042622A (ja)

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