JP2000042046A - 電動車椅子 - Google Patents

電動車椅子

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JP2000042046A
JP2000042046A JP10213322A JP21332298A JP2000042046A JP 2000042046 A JP2000042046 A JP 2000042046A JP 10213322 A JP10213322 A JP 10213322A JP 21332298 A JP21332298 A JP 21332298A JP 2000042046 A JP2000042046 A JP 2000042046A
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斉 北野
Zenichi Shikada
善一 鹿田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】搭乗者の頭部又は好む位置を自転動作の回転中
心として入力器により設定可能にし、機械的な変更を必
要とせずに回転中心を変更できる電動車椅子を提供す
る。 【解決手段】車輪を電動機で駆動する電動車椅子におい
て、電動車椅子の自転動作の回転中心を設定する入力器
を有し、その入力器の設定値と操作ハンドルの指令値を
用いて車輪を駆動する電動機を制御する。設定された自
転動作の回転中心が電動車椅子の車体からはみ出す値を
とる場合は、回転中心を初期設定値とする。また、操作
ハンドルによる回転速度の指令値から電動車椅子の回転
速度指令を求めるときに使用される比例定数を、回転中
心の設定値に応じて変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搭乗者の操縦する
方向に移動するよう車輪を電動機にて駆動する電動車椅
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電動車椅子の自転動作は、電動機
で駆動される2輪の回転方向を逆方向とすることにより
行われていた。その場合の自転動作の回転中心は、搭乗
者の位置に関係なく、車椅子の構造で決まる一定の位置
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来例の場合、車椅子
の自転動作の回転中心は搭乗者の位置に関係なく一定で
あり、搭乗者の頭部が回転中心から離れる場合は、自転
動作で動きを感じてしまい、その場での回転として自覚
しにくいという問題があった。そこで本発明は、搭乗者
の頭部又は好む位置を自転動作の回転中心として入力器
により設定可能にし、機械的な変更を必要とせずに回転
中心を変更できる電動車椅子を提供しようとするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題を解決するために、車輪を電動機で駆動する電動車
椅子において、電動車椅子の自転動作の回転中心を設定
する入力器を有し、その入力器の設定値と操作ハンドル
の指令値を用いて車輪を駆動する電動機を制御すること
を特徴とするものである。ここで、設定された自転動作
の回転中心が電動車椅子の車体からはみ出す値をとる場
合には、回転中心を初期設定値に戻すことが好ましい。
また、操作ハンドルによる回転速度の指令値から電動車
椅子の回転速度指令を求めるときに使用される比例定数
は、回転中心の設定値に応じて変更することが好まし
い。
【0005】電動車椅子の自転動作の回転中心を設定す
る入力器としては、例えば、座面の位置を検出するセン
サを設けて、このセンサの出力信号から座面上の搭乗者
の中心位置を判断して回転中心の設定値として使用すれ
ば良い。この場合、座面を椅子の本体に固定するための
座面固定部材と、この座面固定部材の動きに連動して開
閉されるスイッチとを備え、座面固定部材により座面を
椅子の本体に固定したときに前記スイッチからの信号に
より回転中心の設定値を入力することが好ましい。
【0006】また、入力器の他の構成例として、搭乗者
を乗せた状態の電動車椅子の重心を測定する手段と、測
定された重心から搭乗者の重心を推定する手段とを備
え、推定された搭乗者の重心を回転中心の設定値として
も良い。この場合、搭乗者を乗せた状態の電動車椅子の
重心を測定する手段は、電動車椅子の複数の車輪のそれ
ぞれに作用する垂直抗力を測定する複数のセンサと、各
センサの出力信号を加減算することにより電動車椅子の
重心を算出する手段とから構成すれば良い。
【0007】また、入力器の別の構成例として、車椅子
の本体と座面の間に分散して配置された複数個の荷重セ
ンサと、この荷重センサにより測定された搭乗時の座面
の荷重分布から搭乗者の重心を計算する手段とを備え、
計算された搭乗者の重心を回転中心の設定値としても良
い。
【0008】さらに、車椅子は背もたれ部を傾動させる
リクライニング機構を有すると共に、リクライニングの
角度を測定する手段を備え、この角度の測定値に応じて
電動車椅子の回転中心の設定値を重心位置からオフセッ
トさせると良い。そのほか、操作ハンドルを入力器とし
て兼用しても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】(実施例1)請求項1に係る電動
車椅子の一実施例を図1に示す。図示された実施例の電
動車椅子は、車体の下面に4個の車輪1〜4を持つ。そ
の各車輪は、図2の実線に示すように、モータにより駆
動される方向に転がることができ、かつ、その直角方向
(破線で示す方向)に自由に転がることができるもので
ある。各車輪の回転速度を変化させることで、車椅子の
移動方向及び移動速度を変化させることができる。
【0010】図1に示す電動車椅子は、搭乗者が前後左
右及び回転方向の操縦を行うための操作ハンドル6(ジ
ョイスティック)を有し、この操作ハンドル6の操作を
検知することにより移動方向と移動速度の指令を受け取
る。また、自転動作の回転中心を設定する入力器として
座面位置検出センサ5を有しており、このセンサ5によ
り検出された座面位置から搭乗者の中心を判断し、回転
中心位置変更のためのデータを作成する。求められた移
動方向、速度、回転中心のデータから各モータへの指令
値を計算し、モータドライバーに指令値を出力し、電動
車椅子が駆動される。以上の動作を図1のブロック51
〜53、61〜64に示した。
【0011】本実施例におけるデータの流れを図3に示
す。電動車椅子の操作ハンドル(ジョイスティック)に
よる前後方向の速度指令Xref、左右方向の速度指令
Yref、回転速度指令Zrefと、回転中心のデータ
(xc,yc)から、車輪の駆動速度を計算するための
電動車椅子の前後方向の速度指令Xv、左右方向の速度
指令Yv、回転速度指令Zvは、次式で計算される。
【0012】Xv=kx×Xref一Zv×yc Yv=ky×Yref―Zv×xc Zv=kz×Zref kx,ky,kz: 定数 この速度指令Xv,Yv,Zvから、各車輪の速度(V
1,V2,V3,V4)を求めるには、図4に示すよう
に、2L: 車輪の対角線上の距離、ψ: リンク方向、
φ: 運動方向として、次式で計算する。
【0013】
【数1】
【0014】本実施例では、ψ=90度、φ=45度と
しているので、上式は次式のように簡略化して表せる。
【0015】
【数2】
【0016】このように、ジョイスティックによる指令
値(前後方向の速度指令Xref、左右方向の速度指令
Yref、回転速度指令Zref)と、入力器で設定さ
れた回転中心のデータ(xc,yc)とから、電動車椅
子の前後方向の速度指令Xv、左右方向の速度指令Y
v、回転速度指令Zv及び4個の車輪の速度(V1,V
2,V3,V4)を求めて、各車輪がその速度となるよ
うモータを制御するものである。
【0017】なお、本実施例では、回転中心のデータ
(xc,yc)を設定するための入力器として、座面位
置検出センサを例示したが、図3のブロック図に示すよ
うに、座面の位置を検出するセンサの値(xp,yp)
から搭乗者の頭の位置を設定した値(xo,yo)を補
正して回転中心を判断した値(xc,yc)を求めるこ
とが好ましい。求められたデータ(xc,yc)は、設
定値として記憶しておけば、搭乗者が車椅子を利用する
たびに設定し直す必要はない。
【0018】また、図5及び図6に示すように、設定し
た回転中心のデータ(xc,yc)を初期設定値に戻す
クリアスイッチを設ければ、搭乗者が替わった場合な
ど、前の利用者の設定値(xc1,yc1)からではな
く、基準位置(xc0,xc0)から設定を開始でき
る。これにより、設定のリトライを容易にすることがで
きる。
【0019】車輪は実施例では4個であるが、これに限
定されるものではなく、3個以上であれば同じ原理で本
発明を実施できる。
【0020】(実施例2)図7は請求項2の発明の説明
図である。請求項2の発明によれば、回転中心の設定値
が電動車椅子の車体からはみ出す値をとる場合は、回転
中心は初期設定値とするものである。図7において、R
0は回転中心の初期設定値であり、R1〜R4は回転中
心の再設定値である。また、X1,Y1は車体の大きさ
を車体の中心からの距離で表している。R1(xc1,
yc1)の場合には、|xc1|≦X1,|yc1|≦
Y1であるので、 Xv=kx×Xref−Zv×yc1 Yv=ky×Yref−Zv×xc1 Zv=kz×Zref kx,ky,kz: 定数 とする。一方、R2(xc2,yc2)の場合、|xc
2|≦X1,|yc2|>Y1であり、R3(xc3,
yc3)の場合、|xc3|>X1,|yc3|≦Y1
であり、R4(xc4,yc4)の場合、|xc4|>
X1,|yc4|>Y1であるから、 Xv=kx×Xref−Zv×yc0 Yv=ky×Yref−Zv×xc0 Zv=kz×Zref kx,ky,kz: 定数 とする。すなわち、自転動作で回転中心がR2,R3,
R4のように車体(車椅子の設置面積)からはみ出すと
回転半径が大きくなり、自転動作の感覚と合わなくなる
ため、車体からはみ出す設定をしてもその設定を受け付
けなくする。これにより、回転中心が車体からはみ出る
ことを防ぎ、自転指令の回転半径が大きくなることを防
ぐことができる。
【0021】(実施例3)図8は請求項3の発明の説明
図である。請求項3の発明によれば、操作ハンドルによ
る回転速度の指令値Zrefから電動車椅子の回転速度
指令Zvを求めるときに使用される比例定数kzを、回
転中心の設定値(xc1,yc1)に応じて変更するこ
とを特徴とするものである。これにより、回転中心が車
体から離れているときに、自転の回転速度が増加するこ
とを防ぐことができる。
【0022】すなわち、回転中心が車体の中心から離れ
ると、車体の速度指令Xv、Yvが増加するため、車椅
子の速度が大きくなる。そこで、回転中心の設定値(x
c1,yc1)により回転速度Zvのゲインkzを変更
して、回転中心の設定値が大きくなっても車椅子の速度
が大きくならないようにする。
【0023】本実施例では、回転中心が車体内にあると
きは、ゲインkzは一定とし、車体外にあるときは、回
転中心の車体中心からの距離に反比例させる。図8にお
いて、R0(xc0,yc0)は回転中心の初期設定値
であり、車体の中心と一致している。R1(xc1,y
c1)は回転中心の再設定値であり、図示された例では
車体内にあるので、
【数3】 となる。また、回転中心の再設定値R1(xc1,yc
1)が車体の外にある場合には、
【数4】 となる。
【0024】(実施例4)図9は請求項4の発明の説明
図である。本実施例の車椅子は、座面8を搭乗者に合わ
せるため前後にスライドさせて調整する機構を有する。
この座面スライド機構に位置検出センサ5を付加するこ
とにより、座面調整することで自動的に回転中心を搭乗
者に合わせることができる。座面位置検出センサは座面
に固定され、座面を位置調整するためにスライドさせる
と座面と一緒に移動する。この移動した位置Prをセン
サで読み取り、次式にて回転中心の設定値(xc,y
c)を求める。
【0025】xc=Pr−Po+α yc=0 Pr: 座面位置検出センサの初期値 Po: 座面移動時の座面位置検出センサの出力値 ここでαは、座面位置検出センサの取り付けられた位置
から、搭乗者の頭部までの距離として設定されたもので
あり、これにより車椅子は搭乗者の頭を回転中心として
自転動作を行う。
【0026】座面の位置検出センサは、図10(a),
(b)に示すように、180度毎に半径の異なる円盤5
4と、その円盤54の半径の違いを読み取る2個のフォ
トセンサ(フォトインタラプタ)で構成されている。2
個のフォトセンサA,Bは、円盤54の円周上に90度
の間隔で配置されている。この位置検出センサは、円盤
54の半径の違いを検出し、図11に示すように、円盤
54が1回転することでHighレベル、Lowレベル
の1周期の信号を出力する。また、90度の間隔がある
ため、2個のフォトセンサA,Bのセンサ信号は位相が
90度ずれている。
【0027】この位置検出センサは座面に固定されてお
り、スライドレール50とスライドローラー57によ
り、本体に対して座面と共にスライド自在となってい
る。座面を本体に対してスライドさせると、位置検出セ
ンサも座面と共に移動し、そのとき、円盤54のシャフ
ト55に取り付けられたローラー56が本体側面に沿っ
て回転し、それにより円盤54も回転する。これによ
り、座面の移動量に応じたセンサ信号(パルス信号)が
出力され、このパルス信号をカウントすることで、座面
の位置を検出することができる。
【0028】(実施例5)請求項5の発明は、図12〜
図14に示すように、座面を本体に固定するための座面
固定レバー81を設け、座面の固定操作と連動してクリ
アスイッチ82を自動的にON/OFFさせて、回転中
心の設定値(xc,yc)を自動的に再設定可能とした
ものである。
【0029】図12及び図13は座面を本体に固定する
ための座面固定レバー81の上面図と下面図であり、座
面固定レバー81を図13に示す位置に開くと、コイル
ばね83に付勢されて固定治具85はガイド84に沿っ
て固定レール86から離れる方向に移動し、固定レール
86と固定治具85は噛み合いが解除される。また、座
面レバー81を図12の固定側に操作すると、固定治具
85は固定レール86と噛み合って座面と本体が固定さ
れる。
【0030】図14は回転中心を設定する処理の流れを
示している。座面固定レバーを解除にすると、スイッチ
が自動的にONされる。搭乗者が座面を移動させて、座
面固定レバーを固定にすると、スイッチが自動的にOF
Fされて、位置センサのデータに基づいて、回転中心の
設定値(xc,yc)を再設定する、という処理の流れ
となる。このように、本実施例によれば、搭乗者は座面
の位置を調整するだけで自転時の回転中心を自動的に再
設定することができる。
【0031】(実施例6)図15は請求項6の発明の説
明図である。請求項6の発明によれば、搭乗者を乗せた
状態の電動車椅子の重心を測定し、その重心から搭乗者
の重心を推定して、推定した搭乗者の重心を回転中心と
するものである。具体的な実施例としては、図16に示
すように、電動車椅子のシャーシの端点にサスぺンショ
ンを介して車輪を配置し、各々のサスぺンションの変位
量を読み取ることで重心位置を算出する。図中、L0は
搭乗者を乗せないとき、L1は搭乗者を乗せたときのサ
スペンションの長さを示しており、サスペンションの変
位量はδ=L0−L1となる。各車輪に取付けられたサ
スぺンションの変位量δi(i=1,2,3,4)を求
めることにより、搭乗者を乗せた状態での電動車椅子の
重心を測定することができる。この測定された重心位置
から搭乗者の重心位置へオフセットさせることで電動車
椅子の回転中心の位置を算出することにより、図17に
示すように、搭乗者の重心を回転中心とした回転操作が
可能となる。
【0032】(実施例7)図18は請求項7の発明の説
明図である。請求項7の発明は、搭乗者を乗せた状態の
電動車椅子の重心を測定する手段を具体化したものであ
り、電動車椅子の複数の車輪のそれぞれに作用する垂直
抗力を測定する複数のセンサの出力信号を単純に加減算
することにより電動車椅子の重心を求めることを特徴と
するものである。電動車椅子の各車輪1〜4に作用する
垂直抗力をそれぞれFi(i=1、2、3、4)とし、
Fx,Fyをそれぞれ以下のように定義する。
【0033】Fx=F1−F2−F3+F4 Fy=F1+F2−F3−F4 X軸およびY軸まわりのモーメントのつり合いから電動
車椅子の重心位置(Xg,Yg)は次式で与えられる。 Xg=(L/mg)Fx・cosφ Yg=(L/mg)Fy・sinφ 上式において、Lは対角線上の車輪間距離の半分、φは
X軸と対角線のなす角度、mgは搭乗者を乗せた車体の
重量である。
【0034】(実施例8)図19は請求項8の発明の説
明図である。請求項8の発明によれば、車椅子の本体と
座部8の間に荷重分布センサ9を配置し、このセンサに
より測定された搭乗時の座面の荷重分布から搭乗者の重
心を計算し、計算された搭乗者の重心を回転中心の設定
値とすることを特徴とするものである。車椅子の座面下
部に設けられた荷重分布を測定するための機構の詳細を
図20及び図21に示す。この実施例では、車椅子の座
部はスプリング91〜94を介して車椅子の本体上面に
4隅で上下動自在に支持されており、搭乗者の重さによ
り座部が沈み込んだ量を変位センサS1〜S4で検出可
能としている。スプリングのばね係数をkとし、変位セ
ンサで検出された変位量をρとすると、荷重値はF=k
×ρとして計算される。図22に示すように、4箇所の
荷重測定点(X1,Y1),(X2,Y2),(X3,
Y3),(X4,X4)で得られた荷重測定値をそれぞ
れS1,S2,S3,S4とすると、基準点から見た重
心位置(X,Y)はモーメントの和として次式により計
算される。
【0035】 X=X1・S1+X2・S2+X3・S3+X4・S4 Y=Y1・S1+Y2・S2+Y3・S3+Y4・S4 図23は本実施例の処理を実現するための構成を示すブ
ロック図である。圧力センサからは上述の荷重測定値S
1,S2,S3,S4が制御部に入力される。制御部の
重心位置(回転中心)計算部では、上式により重心位置
(X,Y)を計算する。車椅子の方向操作ハンドル(ジ
ョイスティック)からは前後左右又は回転方向の速度指
令値が制御部に入力されている。制御部では、操作ハン
ドルから入力された指令値と、圧力センサから入力され
た荷重測定値から計算された重心位置とに基づいて、各
駆動部の速度指令値を計算し、各駆動部への供給電力を
計算し、各車輪の駆動部に対して電源から供給される電
力を制御するものである。
【0036】(実施例9)図24は請求項9の発明の説
明図である。請求項9の発明によれば、車椅子は背もた
れ部を傾動させるリクライニング機構を有すると共に、
リクライニングの角度を測定する手段を備え、この角度
の測定値に応じて電動車椅子の回転中心の設定値を重心
位置からオフセットさせるものである。実施例では、背
もたれの長さをL、リクライニングの角度をφとすると
き、電動車椅子の重心位置からδ=L・cosφだけオ
フセットさせた位置を回転中心としている。リクライニ
ングの角度を測定するには、図示されたように座部と背
もたれ部の接合部にポテンショメータPを配置し、この
ポテンショメータPの出力からリクライニングの角度φ
が検出可能な構造とする。ポテンショメータの検出角度
φと出力電圧Vの関係を図25の特性図に例示する。
【0037】(実施例10)図26は請求項10の発明
の説明図である。本実施例では、前後方向、左右方向、
回転方向の3方向の操作ハンドルを設け、回転指令の有
無により前後または左右方向の操作ハンドルの役割を切
り替えて、回転指令が無い場合には通常の並進移動を行
うための操作ハンドルとして使用し、回転指令が有る場
合には回転中心の設定値を変更するための入力器として
兼用したものである。すなわち、図26に示すように、
回転方向ハンドルから制御部には回転指令が入力されて
おり、その回転指令の有無を制御部で判定し、回転指令
が無いと判断された場合には、前後・左右方向の操作ハ
ンドルを電動車椅子が並進移動を行うための入力用とし
て使用し、前後、左右方向の速度指令値に基づいて並進
移動のための各駆動部への供給電流を計算する。一方、
回転指令が有ると判断された場合には、前後・左右方向
の操作ハンドルを回転中心位置の指令値を入力するため
の入力器として使用し、回転速度の指令値と回転中心位
置の指令値に基づいて、回転駆動を行うための各駆動部
への供給電流を計算する。計算された各駆動部への供給
電力の指令値に基づいて、各車輪の駆動部に対して電源
から供給される電力を制御するものである。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、自転動作の回
転中心を機構の変化を必要とせずに変更することがで
き、搭乗者毎に個別対応できるという効果がある。請求
項2の発明によれば、回転中心が車体からはみ出ること
を防ぎ、自転指令の回転半径が大きくなることを防ぐこ
とができる効果がある。
【0039】請求項3の発明によれば、回転中心が車体
から離れることにより、自転の回転速度が増加すること
を防ぐことができる効果がある。請求項4の発明によれ
ば、椅子の座面を搭乗者に合わせることにより、自転時
の回転中心が自動的に決まるため、搭乗者にとっては設
定の必要がなく簡単に使えて、かつ、搭乗者に適応する
という効果がある。
【0040】請求項5の発明によれば、搭乗者が座面の
位置を調整するだけで自転時の回転中心を自動的に再設
定することができるという効果がある。請求項6の発明
によれば、搭乗者の体型・姿勢に応じて回転中心が変化
するため、回転操作が容易となる効果がある。請求項7
の発明によれば、計算の簡略化により応答性が向上する
効果があり、また、複数のセンサを用いていることによ
り重心の位置精度が向上する効果がある。
【0041】請求項8の発明によれば、搭乗時の座面の
荷重分布の測定値から搭乗者の重心を計算するので、操
作レバー、ボタン等による煩雑な操作をすることなく、
回転中心の設定値の入力が可能となる効果がある。請求
項9の発明によれば、リクライニングの角度を測定する
だけで搭乗者の重心位置を推定できるため、安価な構成
で回転中心の位置を算出できる効果がある。請求項10
の発明によれば、回転途中における回転中心の修正が容
易に可能となるので、操作性が向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る電動車椅子の一実施例を示す説
明図である。
【図2】図1の車椅子の車体下面に配置された車輪の回
転方向を示す説明図である。
【図3】図1の実施例により処理されるデータの内容を
示す説明図である。
【図4】図1の実施例の原理説明図である。
【図5】請求項1に係る電動車椅子の別の実施例を示す
説明図である。
【図6】図5の実施例の動作説明のためのフローチャー
トである。
【図7】請求項2の発明の説明図である。
【図8】請求項3の発明の説明図である。
【図9】請求項4に係る電動車椅子の一実施例を示す説
明図である。
【図10】図9の実施例に用いる座面の位置検出センサ
の構成を示しており、(a)は要部平面図、(b)は要
部側面図である。
【図11】図10に示す座面の位置検出センサの動作波
形図である。
【図12】請求項5に係る発明の一実施例の要部構成を
示す上面図である。
【図13】請求項5に係る発明の一実施例の要部構成を
示す下面図である。
【図14】請求項5の発明の動作説明のためのフローチ
ャートである。
【図15】請求項6の発明を説明するための斜視図であ
る。
【図16】請求項6の発明の要部の動作を説明するため
の斜視図である。
【図17】請求項6に係る電動車椅子の自転動作を説明
するための斜視図である。
【図18】請求項7の発明の説明図である。
【図19】請求項8の発明を説明するための斜視図であ
る。
【図20】請求項8に用いる荷重センサの具体例を示す
平面図である。
【図21】図20のA−A線についての断面図である。
【図22】請求項8の発明による重心計算の原理を説明
するための説明図である。
【図23】請求項8の発明を実現するための構成を示す
ブロック図である。
【図24】請求項9の発明を説明するための斜視図であ
る。
【図25】請求項9の一実施例に用いるポテンショメー
タの特性図である。
【図26】請求項10の発明を実現するための構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1,…,4 車輪 5 座面位置検出センサ 6 操作ハンドル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を電動機で駆動する電動車椅子に
    おいて、電動車椅子の自転動作の回転中心を設定する入
    力器を有し、その入力器の設定値と操作ハンドルの指令
    値を用いて車輪を駆動する電動機を制御することを特徴
    とする電動車椅子。
  2. 【請求項2】 設定された自転動作の回転中心が電動
    車椅子の車体からはみ出す値をとる場合は、回転中心を
    初期設定値とすることを特徴とする請求項1記載の電動
    車椅子。
  3. 【請求項3】 操作ハンドルによる回転速度の指令値
    から電動車椅子の回転速度指令を求めるときに使用され
    る比例定数を、回転中心の設定値に応じて変更すること
    を特徴とする請求項1記載の電動車椅子。
  4. 【請求項4】 椅子の座面を椅子の本体に対して少な
    くとも水平面内で可動とし、電動車椅子の自転動作の回
    転中心を設定する入力器として、座面の位置を検出する
    センサを設けて、このセンサの出力信号から座面上の搭
    乗者の中心位置を判断して回転中心の設定値として使用
    することを特徴とする請求項1記載の電動車椅子。
  5. 【請求項5】 座面を椅子の本体に固定するための座
    面固定部材と、この座面固定部材の動きに連動して開閉
    されるスイッチとを備え、座面固定部材により座面を椅
    子の本体に固定したときに前記スイッチからの信号によ
    り回転中心の設定値を入力することを特徴とする請求項
    4記載の電動車椅子。
  6. 【請求項6】 電動車椅子の自転動作の回転中心を設
    定する入力器として、搭乗者を乗せた状態の電動車椅子
    の重心を測定する手段と、測定された重心から搭乗者の
    重心を推定する手段とを備え、推定された搭乗者の重心
    を回転中心の設定値とすることを特徴とする請求項1記
    載の電動車椅子。
  7. 【請求項7】 搭乗者を乗せた状態の電動車椅子の重
    心を測定する手段は、電動車椅子の複数の車輪のそれぞ
    れに作用する垂直抗力を測定する複数のセンサと、各セ
    ンサの出力信号を加減算することにより電動車椅子の重
    心を算出する手段とから構成されることを特徴とする請
    求項6記載の電動車椅子。
  8. 【請求項8】 電動車椅子の自転動作の回転中心を設
    定する入力器として、車椅子の本体と座面の間に分散し
    て配置された複数個の荷重センサと、この荷重センサに
    より測定された搭乗時の座面の荷重分布から搭乗者の重
    心を計算する手段とを備え、計算された搭乗者の重心を
    回転中心の設定値とすることを特徴とする請求項1記載
    の電動車椅子。
  9. 【請求項9】 車椅子は背もたれ部を傾動させるリク
    ライニング機構を有すると共に、リクライニングの角度
    を測定する手段を備え、この角度の測定値に応じて電動
    車椅子の回転中心の設定値を重心位置からオフセットさ
    せることを特徴とする請求項4又は6又は8に記載の電
    動車椅子。
  10. 【請求項10】 前後方向、左右方向、回転方向の3
    方向の操作ハンドルを設け、回転指令時に前後または左
    右方向の操作ハンドルで回転中心を変更可能としたこと
    を特徴とする請求項1記載の電動車椅子。
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