JP2000041679A - 骨密度の予測方法 - Google Patents
骨密度の予測方法Info
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- JP2000041679A JP2000041679A JP10216741A JP21674198A JP2000041679A JP 2000041679 A JP2000041679 A JP 2000041679A JP 10216741 A JP10216741 A JP 10216741A JP 21674198 A JP21674198 A JP 21674198A JP 2000041679 A JP2000041679 A JP 2000041679A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ヒトにおける遺伝子の変異を測定し、その結果
から骨密度を予測し、容易に骨疾患、例えば骨粗鬆症罹
患リスクを予測する遺伝子診断法を提供する。 【解決手段】メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素をコー
ドするDNAの第677番目の遺伝子を含む領域におい
て、制限酵素HinfIで切断される遺伝子Vおよび同
部において切断されない遺伝子Aを検出し、これらの遺
伝子の組み合わせで決定される遺伝子多型AA、AVま
たはVVの中から、該遺伝子多型VVを低骨密度と判定
する骨密度の予測方法、予測される骨密度から骨疾患の
罹患リスクを予測する方法ならびに骨密度予測用遺伝子
多型検出試薬キット。
から骨密度を予測し、容易に骨疾患、例えば骨粗鬆症罹
患リスクを予測する遺伝子診断法を提供する。 【解決手段】メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素をコー
ドするDNAの第677番目の遺伝子を含む領域におい
て、制限酵素HinfIで切断される遺伝子Vおよび同
部において切断されない遺伝子Aを検出し、これらの遺
伝子の組み合わせで決定される遺伝子多型AA、AVま
たはVVの中から、該遺伝子多型VVを低骨密度と判定
する骨密度の予測方法、予測される骨密度から骨疾患の
罹患リスクを予測する方法ならびに骨密度予測用遺伝子
多型検出試薬キット。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメチレンテトラヒド
ロ葉酸還元酵素の遺伝子多型を検出することにより、骨
密度を予測する方法、その結果から骨疾患を予測する方
法ならびに骨密度予測用遺伝子多型検出試薬キットに関
する。
ロ葉酸還元酵素の遺伝子多型を検出することにより、骨
密度を予測する方法、その結果から骨疾患を予測する方
法ならびに骨密度予測用遺伝子多型検出試薬キットに関
する。
【0002】
【従来の技術】骨質が萎縮し、もろく折れ易くなる骨粗
鬆症は、高齢者、閉経後の女性あるいはステロイド過剰
投与後の患者らに起ることがよく知られている。高齢
者、特に女性の高齢者における骨粗鬆症の発症は近年、
特に問題となり、高齢者の骨密度に関して大きな関心が
寄せられている。また、骨粗鬆症の治療方法、治療薬の
研究も大いに行われているが、その原因の研究および遺
伝的要因の検討も広く進められている。
鬆症は、高齢者、閉経後の女性あるいはステロイド過剰
投与後の患者らに起ることがよく知られている。高齢
者、特に女性の高齢者における骨粗鬆症の発症は近年、
特に問題となり、高齢者の骨密度に関して大きな関心が
寄せられている。また、骨粗鬆症の治療方法、治療薬の
研究も大いに行われているが、その原因の研究および遺
伝的要因の検討も広く進められている。
【0003】骨に関する要因としては、ビタミンD受容
体(Vitamin-D Receptor:VDR)、エストロゲン受容体
(Estrogen receptor:ER)、アポリポ蛋白E(Apolipop
roteinE:ApoE )、副甲状腺ホルモン(PTH:Parathyroid
hormone)などをコードする遺伝子が挙げられる。
体(Vitamin-D Receptor:VDR)、エストロゲン受容体
(Estrogen receptor:ER)、アポリポ蛋白E(Apolipop
roteinE:ApoE )、副甲状腺ホルモン(PTH:Parathyroid
hormone)などをコードする遺伝子が挙げられる。
【0004】白人人種(Caucassuan)に関して、ビタミン
D受容体遺伝子の制限酵素BsmIによる多型と骨密度
の関係を調べ、2本の対立遺伝子がともに制限酵素Bs
mIの切断を受けないBB型が低骨密度と関係があるこ
とが示されている(N.A.Moriosn ら、Nature,vol.367
,1994,2130-2134 )。また、同じ白色人種において
もアメリカ人はこの結果が再現されないことが報告され
ている(F.G.Hustmyer ら、J.Clin.Invest., Vol.94, 19
95, 2130-2134)。
D受容体遺伝子の制限酵素BsmIによる多型と骨密度
の関係を調べ、2本の対立遺伝子がともに制限酵素Bs
mIの切断を受けないBB型が低骨密度と関係があるこ
とが示されている(N.A.Moriosn ら、Nature,vol.367
,1994,2130-2134 )。また、同じ白色人種において
もアメリカ人はこの結果が再現されないことが報告され
ている(F.G.Hustmyer ら、J.Clin.Invest., Vol.94, 19
95, 2130-2134)。
【0005】また、エストロゲンレセプター遺伝子の多
型性と骨密度の関係を調べ、2本鎖DNAが、制限酵素
PvuIIで切断されない遺伝子型Pおよび制限酵素X
baIで切断されない遺伝子型XであるPPxx型は低
骨密度であると報告されている(特開平 8-214899 号公
報) 。さらに、アポリポ蛋白Eの多型と骨密度に基づく
骨疾患とを関連付けることも知られている(特開平 9-2
99337 号公報) 。
型性と骨密度の関係を調べ、2本鎖DNAが、制限酵素
PvuIIで切断されない遺伝子型Pおよび制限酵素X
baIで切断されない遺伝子型XであるPPxx型は低
骨密度であると報告されている(特開平 8-214899 号公
報) 。さらに、アポリポ蛋白Eの多型と骨密度に基づく
骨疾患とを関連付けることも知られている(特開平 9-2
99337 号公報) 。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はヒトにおける
遺伝子の変異を測定し、その結果から新規に骨密度を予
測し、容易に骨疾患、例えば骨粗鬆症罹患リスクを予測
する遺伝子診断法を提供する。
遺伝子の変異を測定し、その結果から新規に骨密度を予
測し、容易に骨疾患、例えば骨粗鬆症罹患リスクを予測
する遺伝子診断法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来から、メチレンテト
ラヒドロ葉酸還元酵素(以下、MTHFRと略記する)
は血中ホモシステン値を制御する酵素であり、その欠損
症がシスタチオニンβ合成酵素の欠損症とともに、ホモ
シスチン尿症の原因として知られている(Muddら、Ame
r.J.Hum.Genet, 1985,37,1-31) 。また、該酵素には、
該酵素をコードするDNAの第677番目のシトシン
(C)がチミン(T)に部位特異的に変異して、アラニ
ン(Ala)からバリン(Val)へのアミノ酸置換を
生じる遺伝子多型が存在することが知られている。該遺
伝子の完全変異が、重症骨粗鬆症を伴うホモシステイン
尿症の原因となることも知られている。この遺伝子多型
は酵素活性の低下を介して、血中のホモシステイン値の
上昇をきたすことが明らかにされ、環動脈疾患、脊椎2
分症の遺伝子的危険因子として検討されているが、骨粗
鬆症の病態との関連については、未だ検討されていな
い。
ラヒドロ葉酸還元酵素(以下、MTHFRと略記する)
は血中ホモシステン値を制御する酵素であり、その欠損
症がシスタチオニンβ合成酵素の欠損症とともに、ホモ
シスチン尿症の原因として知られている(Muddら、Ame
r.J.Hum.Genet, 1985,37,1-31) 。また、該酵素には、
該酵素をコードするDNAの第677番目のシトシン
(C)がチミン(T)に部位特異的に変異して、アラニ
ン(Ala)からバリン(Val)へのアミノ酸置換を
生じる遺伝子多型が存在することが知られている。該遺
伝子の完全変異が、重症骨粗鬆症を伴うホモシステイン
尿症の原因となることも知られている。この遺伝子多型
は酵素活性の低下を介して、血中のホモシステイン値の
上昇をきたすことが明らかにされ、環動脈疾患、脊椎2
分症の遺伝子的危険因子として検討されているが、骨粗
鬆症の病態との関連については、未だ検討されていな
い。
【0008】本発明者らは、MTHFR遺伝子多型が、
閉経後の女性の骨密度、骨疾患罹患リスクに何らかの関
係があるとの予測のもとに研究を進めた結果、骨密度に
直接に関係していることを見出し、本発明に到達した。
閉経後の女性の骨密度、骨疾患罹患リスクに何らかの関
係があるとの予測のもとに研究を進めた結果、骨密度に
直接に関係していることを見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明はメチレンテトラヒドロ
葉酸還元酵素をコードする遺伝子多型を検出し、該遺伝
子多型と骨密度とを結びつけることを特徴とする骨密度
の予測方法である。
葉酸還元酵素をコードする遺伝子多型を検出し、該遺伝
子多型と骨密度とを結びつけることを特徴とする骨密度
の予測方法である。
【0010】また、本発明は上記方法により予測された
骨密度から、骨疾患の罹患リスクを予測することを特徴
とする骨疾患の予測方法である。
骨密度から、骨疾患の罹患リスクを予測することを特徴
とする骨疾患の予測方法である。
【0011】さらに、本発明はメチレンテトラヒドロ葉
酸還元酵素をコードするDNAの塩基配列から選択され
た少なくとも15塩基配列を有するオリゴヌクレオチド
であって、該酵素をコードするDNAの第677番目の
遺伝子を含む領域を挟む塩基配列を有する少なくとも2
種以上のプライマー、耐熱性DNAポリメラーゼ、dN
TPおよび反応緩衝液、および制限酵素HinfI溶液
を含む骨密度予測用遺伝子多型検出試薬キットである。
酸還元酵素をコードするDNAの塩基配列から選択され
た少なくとも15塩基配列を有するオリゴヌクレオチド
であって、該酵素をコードするDNAの第677番目の
遺伝子を含む領域を挟む塩基配列を有する少なくとも2
種以上のプライマー、耐熱性DNAポリメラーゼ、dN
TPおよび反応緩衝液、および制限酵素HinfI溶液
を含む骨密度予測用遺伝子多型検出試薬キットである。
【0012】
【発明の実施の態様】MTHFRは、血中ホモシステイ
ン値を制御する重要な酵素であり、その欠損はシスタチ
オニンβ合成酵素の欠損症とともにホモシスチン尿性の
原因として知られている。そのアミノ酸配列および塩基
配列は、Frosstら、Nat.Genet, 1995,10,111-113に記載
されている。
ン値を制御する重要な酵素であり、その欠損はシスタチ
オニンβ合成酵素の欠損症とともにホモシスチン尿性の
原因として知られている。そのアミノ酸配列および塩基
配列は、Frosstら、Nat.Genet, 1995,10,111-113に記載
されている。
【0013】MTHFR遺伝子型は、MTHFRをコー
ドするDNAの第677番目の遺伝子がシトシン(C)
かチミン(T)であるかによって決定され、また、該遺
伝子を含む領域が、制限酵素HinfIで切断されるか
否かによっても決定される。該部において制限酵素Hi
nfIで切断される型がVであり、同部において切断さ
れない型がAである。MTHFR遺伝子多型とは、遺伝
子Vおよび遺伝子Aとの組み合わせで決定され、遺伝子
多型AA、AVまたはVVがある。
ドするDNAの第677番目の遺伝子がシトシン(C)
かチミン(T)であるかによって決定され、また、該遺
伝子を含む領域が、制限酵素HinfIで切断されるか
否かによっても決定される。該部において制限酵素Hi
nfIで切断される型がVであり、同部において切断さ
れない型がAである。MTHFR遺伝子多型とは、遺伝
子Vおよび遺伝子Aとの組み合わせで決定され、遺伝子
多型AA、AVまたはVVがある。
【0014】該遺伝子多型の決定をおこなう生体試料
は、その採取源は特に限定されないが、通常、ヒト血球
成分が好ましく、例えば末梢血白血球が例示される。
は、その採取源は特に限定されないが、通常、ヒト血球
成分が好ましく、例えば末梢血白血球が例示される。
【0015】本発明では、まず生体試料からゲノムDN
Aを抽出する。抽出方法としては、標準的な操作に従
う。例えば、全血をマイクロ遠心管に入れ、1×SSC
(NaCl17.5g、クエン酸ナトリウム 88.2gを含む10N NaO
Hで、pH7.0 に調整した20×SSC を20倍希釈したもの)
を加え、該溶液を混合する。遠心分離後、上清を除く。
さらに1×SSCを加えて攪拌、遠心分離および上清の
除去を数回繰り返して、DNAを抽出する。
Aを抽出する。抽出方法としては、標準的な操作に従
う。例えば、全血をマイクロ遠心管に入れ、1×SSC
(NaCl17.5g、クエン酸ナトリウム 88.2gを含む10N NaO
Hで、pH7.0 に調整した20×SSC を20倍希釈したもの)
を加え、該溶液を混合する。遠心分離後、上清を除く。
さらに1×SSCを加えて攪拌、遠心分離および上清の
除去を数回繰り返して、DNAを抽出する。
【0016】次いで、抽出したDNAの増幅を行う。増
幅方法としては、種々の核酸増幅法が適用され得るが、
例えば、よく知られているPCRにより増幅を行う。M
THFRをコードするゲノムDNAは、第1染色体上に
存在することが知られており、プライマーは、該遺伝子
多型を有する領域を含む増幅領域の端部に特異的なプラ
イマーとして、該ゲノムDNAの塩基配列から設計する
ことができる。
幅方法としては、種々の核酸増幅法が適用され得るが、
例えば、よく知られているPCRにより増幅を行う。M
THFRをコードするゲノムDNAは、第1染色体上に
存在することが知られており、プライマーは、該遺伝子
多型を有する領域を含む増幅領域の端部に特異的なプラ
イマーとして、該ゲノムDNAの塩基配列から設計する
ことができる。
【0017】本発明において使用するプライマーとして
は、MTHFRをコードするDNAの塩基配列から選択
された少なくとも15塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドであって、該酵素をコードするDNAの第677番
目の遺伝子を含む領域を挟む塩基配列を有する。本発明
においては、例えば、下記塩基配列を有するオリゴヌク
レオチドを使用する。 5'-TGAAGGAGAAGGTGTCTGCGGGA-3' 5'-AGGACGGTGCGGTGAGAGTG-3'
は、MTHFRをコードするDNAの塩基配列から選択
された少なくとも15塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドであって、該酵素をコードするDNAの第677番
目の遺伝子を含む領域を挟む塩基配列を有する。本発明
においては、例えば、下記塩基配列を有するオリゴヌク
レオチドを使用する。 5'-TGAAGGAGAAGGTGTCTGCGGGA-3' 5'-AGGACGGTGCGGTGAGAGTG-3'
【0018】次いで、本発明では増幅したDNA断片か
ら制限酵素HinfIによる切断を行う。具体例とし
て、増幅したDNA断片に反応液(500mM Tris-HCl pH
7.5, 100mM MgCl2, 10mM ジチオスレイトール、100mM N
aCl) および10U/mlの制限酵素HinfI溶液を加えて
混合し、37℃、約1時間保温する。
ら制限酵素HinfIによる切断を行う。具体例とし
て、増幅したDNA断片に反応液(500mM Tris-HCl pH
7.5, 100mM MgCl2, 10mM ジチオスレイトール、100mM N
aCl) および10U/mlの制限酵素HinfI溶液を加えて
混合し、37℃、約1時間保温する。
【0019】さらに、切断されたDNA断片および切断
されないDNA断片を電気泳動させる。電気泳動は常法
に従う。
されないDNA断片を電気泳動させる。電気泳動は常法
に従う。
【0020】本発明の具体例では上記プライマーを用い
て増幅した、長さ198bpのDNA断片を制限酵素H
infIで処理し、電気泳動した場合、切断されずに、
198bpのバンドが検出されるのがA型であり、17
5bpと23bpに切断されるのがV型である。198
bpのバンドのみが検出されるものはAA型と決定し、
198、175、23bpの3本のバンドが検出される
ものはAV型と決定し、175、23bpの2本のバン
ドが検出されるものはVV型と決定する。
て増幅した、長さ198bpのDNA断片を制限酵素H
infIで処理し、電気泳動した場合、切断されずに、
198bpのバンドが検出されるのがA型であり、17
5bpと23bpに切断されるのがV型である。198
bpのバンドのみが検出されるものはAA型と決定し、
198、175、23bpの3本のバンドが検出される
ものはAV型と決定し、175、23bpの2本のバン
ドが検出されるものはVV型と決定する。
【0021】本発明では、遺伝子多型VVを低骨密度と
予測する。また、遺伝子多型AVおよびAAは骨密度が
正常または高いと予測する。
予測する。また、遺伝子多型AVおよびAAは骨密度が
正常または高いと予測する。
【0022】本発明において比較対照とする骨密度の測
定方法は、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA法)
を用い、全身骨と骨粗鬆症の症状の一番現れやすい腰椎
(L2ー4)について測定する。DEXAに用いる装置
としては、例えばDPX−L(Lunar Rad. Co., USA)を
用いて行うことができる。
定方法は、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA法)
を用い、全身骨と骨粗鬆症の症状の一番現れやすい腰椎
(L2ー4)について測定する。DEXAに用いる装置
としては、例えばDPX−L(Lunar Rad. Co., USA)を
用いて行うことができる。
【0023】本発明における骨密度の予測方法とは、M
THFR遺伝子多型を検出した結果から、遺伝子多型が
VVである検体を低密度であると予測し、他の多型であ
る検体を低密度ではないと予測することである。
THFR遺伝子多型を検出した結果から、遺伝子多型が
VVである検体を低密度であると予測し、他の多型であ
る検体を低密度ではないと予測することである。
【0024】本発明の骨疾患の予測方法は、上記骨密度
の予測結果から、骨疾患、例えば骨粗鬆症を予測する方
法である。
の予測結果から、骨疾患、例えば骨粗鬆症を予測する方
法である。
【0025】本発明の骨密度予測用遺伝子多型検出試薬
キットは、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素をコード
するDNAの塩基配列から選択された少なくとも15塩
基配列を有するオリゴヌクレオチドであって、該酵素を
コードするDNAの第677番目の遺伝子を含む領域を
挟む塩基配列を有する少なくとも2種以上のプライマ
ー、耐熱性DNAポリメラーゼ、dNTPおよび反応緩
衝液、および制限酵素HInfI溶液を含む。
キットは、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素をコード
するDNAの塩基配列から選択された少なくとも15塩
基配列を有するオリゴヌクレオチドであって、該酵素を
コードするDNAの第677番目の遺伝子を含む領域を
挟む塩基配列を有する少なくとも2種以上のプライマ
ー、耐熱性DNAポリメラーゼ、dNTPおよび反応緩
衝液、および制限酵素HInfI溶液を含む。
【0026】以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説
明する。実施例1 無作為に選んだ閉経後の307人の日本人女性に対し
て、下記操作を行った。 (1)骨塩量(BMD)の測定:全身骨および腰椎骨の
骨塩量(BMD)を高速スキャンモードを使用する二重
エネルギーX線吸光光度分析法によって測定した。
明する。実施例1 無作為に選んだ閉経後の307人の日本人女性に対し
て、下記操作を行った。 (1)骨塩量(BMD)の測定:全身骨および腰椎骨の
骨塩量(BMD)を高速スキャンモードを使用する二重
エネルギーX線吸光光度分析法によって測定した。
【0027】(2)MTHFR遺伝子の増幅;ヒト全血
を常法に従い精製し、GeneAmpPCRキット(Pe
rkin Elmer Cetus)を用いて、PCRを行った。使用し
たプライマーは、下記の通りである。 5'-TGAAGGAGAAGGTGTCTGCGGGA-3' 5'-AGGACGGTGCGGTGAGAGTG-3'
を常法に従い精製し、GeneAmpPCRキット(Pe
rkin Elmer Cetus)を用いて、PCRを行った。使用し
たプライマーは、下記の通りである。 5'-TGAAGGAGAAGGTGTCTGCGGGA-3' 5'-AGGACGGTGCGGTGAGAGTG-3'
【0028】PCR反応液は、下記組成を有する。 耐熱性DNAポリメラーゼ 5U/100μl 2種のプライマー 各60mM dNTP 200μM Tris−HCl(pH8.3) 10mM
【0029】PCRの条件は、95℃−60秒、62℃
−90秒、72℃−60秒を35回繰り返す。198b
pのMTHFR変異箇所を含んだ遺伝子断片が増幅され
る。
−90秒、72℃−60秒を35回繰り返す。198b
pのMTHFR変異箇所を含んだ遺伝子断片が増幅され
る。
【0030】(3)MTHFR遺伝子多型の検出;増幅
した遺伝子断片を制限酵素HinfIによる制限酵素処
理を行った。具体的には、8mlの増幅したDNA断片
溶液に、1mlの反応液(500mM Tris-HClpH7.5, 100mM
MgCl2, 10mM ジチオスレイトール、100mM NaCl) およ
び1mlの制限酵素溶液(10U/ml Hinf I 溶液)を加え
て、37℃で一晩反応させた。
した遺伝子断片を制限酵素HinfIによる制限酵素処
理を行った。具体的には、8mlの増幅したDNA断片
溶液に、1mlの反応液(500mM Tris-HClpH7.5, 100mM
MgCl2, 10mM ジチオスレイトール、100mM NaCl) およ
び1mlの制限酵素溶液(10U/ml Hinf I 溶液)を加え
て、37℃で一晩反応させた。
【0031】次いで、9.6%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動にかけ、エチジウム・ブロマイドによる染色を
行った。
電気泳動にかけ、エチジウム・ブロマイドによる染色を
行った。
【0032】切断されずに、198bpのバンドが検出
されるのがA型であり、175bpと23bpに切断さ
れるのがV型である。198bpのバンドのみが検出さ
れるものはAA型と決定し、198、175、23bp
の3本のバンドが検出されるものはAV型と決定し、1
75、23bpの2本のバンドが検出されるものはVV
型と決定した。
されるのがA型であり、175bpと23bpに切断さ
れるのがV型である。198bpのバンドのみが検出さ
れるものはAA型と決定し、198、175、23bp
の3本のバンドが検出されるものはAV型と決定し、1
75、23bpの2本のバンドが検出されるものはVV
型と決定した。
【0033】(4)統計分析;各遺伝子多型における骨
塩量(BMD)における相違は、分散分析(ANOV
A)を用いて、テストした。各遺伝子型とその骨密度間
の相違関係を評価するためにフィッシャーの保護最小有
意差(PLSD)を使用した。0.05より小さいP値
は統計学的に有意義であると考えられる。上記操作に従
って検出したMTHFR遺伝子多型別の全身骨および腰
椎のBMDの測定結果を表1に示す。数値は平均値±標
準偏差によって示されている。
塩量(BMD)における相違は、分散分析(ANOV
A)を用いて、テストした。各遺伝子型とその骨密度間
の相違関係を評価するためにフィッシャーの保護最小有
意差(PLSD)を使用した。0.05より小さいP値
は統計学的に有意義であると考えられる。上記操作に従
って検出したMTHFR遺伝子多型別の全身骨および腰
椎のBMDの測定結果を表1に示す。数値は平均値±標
準偏差によって示されている。
【0034】(5)他の測定項目;上記操作に従い検出
したMTHFR遺伝子多型別の測定対象者の年齢、閉経
後の年数、初潮時の年齢、および血清または尿中の骨代
謝マーカーの測定結果を表2に示す。数値は平均値±標
準偏差によって示されている。
したMTHFR遺伝子多型別の測定対象者の年齢、閉経
後の年数、初潮時の年齢、および血清または尿中の骨代
謝マーカーの測定結果を表2に示す。数値は平均値±標
準偏差によって示されている。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1に示されるように、VV遺伝子型(n
=57)はAA遺伝子型(n=95)に対して、腰椎B
MDは、p=0.016、全身骨BMDは、p=0.0
22と明らかに低値を示し、遺伝子多型VVが低骨密度
であると予測される。
=57)はAA遺伝子型(n=95)に対して、腰椎B
MDは、p=0.016、全身骨BMDは、p=0.0
22と明らかに低値を示し、遺伝子多型VVが低骨密度
であると予測される。
【0038】
【発明の効果】本発明では、MTHFRの遺伝子多型と
骨密度が直接に関係していることから、ヒト検体中のM
THFR遺伝子の多型を検出し、その結果から骨密度を
予測することが可能である。また、骨密度に基づく骨疾
患、例えば骨粗鬆症の罹患リスクを予測も可能となる。
骨密度が直接に関係していることから、ヒト検体中のM
THFR遺伝子の多型を検出し、その結果から骨密度を
予測することが可能である。また、骨密度に基づく骨疾
患、例えば骨粗鬆症の罹患リスクを予測も可能となる。
【0039】
配列番号:1 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TGAAGGAGAA GGTGTCTGCG GGA 23
【0040】配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 AGGACGGTGC GGTGAGAGTG 2
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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 聡 10010 ノース トレイ パイン ロード、 ラ ホーヤ、カリフォルニア州 92037 アメリカ合衆国 (72)発明者 森田 啓行 東京都文京区湯島1−10−5 (72)発明者 栗原 裕基 東京都中野区江原町1−16−2 (72)発明者 矢崎 義雄 東京都文京区小日向3−12−4 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 CA01 CA20 HA09 HA11 4B063 QQ02 QQ08 QQ42 QQ44 QQ89 QR08 QR14 QR32 QR40 QR62 QS16 QS25 QX01 QX07
Claims (8)
- 【請求項1】 メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素の遺
伝子多型を検出し、該遺伝子多型と骨密度とを結びつけ
ることを特徴とする骨密度の予測方法。 - 【請求項2】 メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素の遺
伝子多型が、該酵素をコードするゲノムDNAの変異部
において、制限酵素HinfIで切断される遺伝子Vお
よび同部において切断されない遺伝子Aとの組み合わせ
で決定される遺伝子多型AA、AVまたはVVである請
求項1記載の骨密度の予測方法。 - 【請求項3】 遺伝子多型VVを低骨密度と判定する請
求項1記載の骨密度の予測方法。 - 【請求項4】 測定対象が日本人である請求項1〜3の
いずれか1項記載の骨密度の予測方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4記載の方法により予測され
た骨密度から、骨疾患の罹患リスクを予測することを特
徴とする骨疾患の予測方法。 - 【請求項6】 骨疾患が骨粗鬆症である請求項5記載の
骨疾患の予測方法。 - 【請求項7】 メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素をコ
ードするDNAの塩基配列から選択された少なくとも1
5塩基配列を有するオリゴヌクレオチドであって、該酵
素をコードするDNAの第677番目の遺伝子を含む領
域を挟む塩基配列を有する少なくとも2種以上のプライ
マー、耐熱性DNAポリメラーゼ、dNTPおよび反応
緩衝液、および制限酵素HinfI溶液を含む骨密度予
測用遺伝子多型検出試薬キット。 - 【請求項8】 プライマーが、下記塩基配列を有するオ
リゴヌクレオチドである請求項7記載の骨密度予測用遺
伝子多型検出試薬キット。 5'-TGAAGGAGAAGGTGTCTGCGGGA-3' 5’−AGGACGGTGCGGTGAGAGTG−
3’
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10216741A JP2000041679A (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 骨密度の予測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10216741A JP2000041679A (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 骨密度の予測方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000041679A true JP2000041679A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16693214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10216741A Pending JP2000041679A (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 骨密度の予測方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000041679A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002022863A1 (fr) * | 2000-09-14 | 2002-03-21 | Applied Cell Biotechnologies, Inc. | Procede permettant de diagnostiquer l'osteoporose et/ou d'estimer le risque d'une fracture due a l'osteoporose |
EP1286667A2 (en) * | 2000-06-02 | 2003-03-05 | MERCK PATENT GmbH | Composition for the treatment and/or the prevention of osteoporosis and/or inflammatory joint diseases |
-
1998
- 1998-07-31 JP JP10216741A patent/JP2000041679A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1286667A2 (en) * | 2000-06-02 | 2003-03-05 | MERCK PATENT GmbH | Composition for the treatment and/or the prevention of osteoporosis and/or inflammatory joint diseases |
EP1286667B1 (en) * | 2000-06-02 | 2006-06-14 | MERCK PATENT GmbH | Composition for the treatment and/or the prevention of osteoporosis and/or inflammatory joint diseases |
WO2002022863A1 (fr) * | 2000-09-14 | 2002-03-21 | Applied Cell Biotechnologies, Inc. | Procede permettant de diagnostiquer l'osteoporose et/ou d'estimer le risque d'une fracture due a l'osteoporose |
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