JP2000041298A - 圧電セラミックス超音波発生振動子及び超音波発生装置 - Google Patents
圧電セラミックス超音波発生振動子及び超音波発生装置Info
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- JP2000041298A JP2000041298A JP10222329A JP22232998A JP2000041298A JP 2000041298 A JP2000041298 A JP 2000041298A JP 10222329 A JP10222329 A JP 10222329A JP 22232998 A JP22232998 A JP 22232998A JP 2000041298 A JP2000041298 A JP 2000041298A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 強力な超音波連続波の安定的放射が可能な圧
電セラミックス超音波発生振動子及び超音波発生装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 圧電セラミックス振動子1の音波放射側
電極面上に耐熱性樹脂層3が積層された圧電セラミック
ス超音波発生振動子において、前記耐熱性樹脂層3が、
膜厚2乃至30μmのポリイミド樹脂被膜層であること
を特徴とする。
電セラミックス超音波発生振動子及び超音波発生装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 圧電セラミックス振動子1の音波放射側
電極面上に耐熱性樹脂層3が積層された圧電セラミック
ス超音波発生振動子において、前記耐熱性樹脂層3が、
膜厚2乃至30μmのポリイミド樹脂被膜層であること
を特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電セラミックス
超音波発生振動子及び超音波発生装置に関し、より詳細
には、人体内の患部等に超音波を照射して治療または診
断を行う医療用超音波発生装置に用いられる、例えば、
癌、悪性腫瘍の温熱治療等、患部に強力な超音波連続波
を照射し、その照射局部に発生する熱によりガン細胞等
を死滅させる治療装置に用いられる、圧電セラミックス
超音波発生振動子及び超音波発生装置に関する。
超音波発生振動子及び超音波発生装置に関し、より詳細
には、人体内の患部等に超音波を照射して治療または診
断を行う医療用超音波発生装置に用いられる、例えば、
癌、悪性腫瘍の温熱治療等、患部に強力な超音波連続波
を照射し、その照射局部に発生する熱によりガン細胞等
を死滅させる治療装置に用いられる、圧電セラミックス
超音波発生振動子及び超音波発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波発生装置は、種々の分野で広く使
用されているが、医療分野においても、例えば、患者の
体内に存在する結石を超音波衝撃波により破砕する結石
破砕治療、悪性腫瘍部分へ超音波の連続波を照射して発
熱により患部を局部的に高温にし、悪性腫瘍細胞を死滅
させる温熱治療等に超音波発生装置が用いられている。
現在、医療用超音波発生装置での超音波発生手段として
は圧電セラッミック振動子を用いる圧電方式、2電極間
の放電現象を利用する放電方式、電磁誘導による斥力を
利用する電磁誘導方式等がある。近年においては、安定
した出力が得られ、しかも消耗部品が少なく、小型化が
可能な圧電セラミックス超音波発生振動子を用いる超音
波発生装置が実用的には最も普及している。
用されているが、医療分野においても、例えば、患者の
体内に存在する結石を超音波衝撃波により破砕する結石
破砕治療、悪性腫瘍部分へ超音波の連続波を照射して発
熱により患部を局部的に高温にし、悪性腫瘍細胞を死滅
させる温熱治療等に超音波発生装置が用いられている。
現在、医療用超音波発生装置での超音波発生手段として
は圧電セラッミック振動子を用いる圧電方式、2電極間
の放電現象を利用する放電方式、電磁誘導による斥力を
利用する電磁誘導方式等がある。近年においては、安定
した出力が得られ、しかも消耗部品が少なく、小型化が
可能な圧電セラミックス超音波発生振動子を用いる超音
波発生装置が実用的には最も普及している。
【0003】また、超音波照射の態様も治療の種類、目
的により異なり、例えば前記結石破砕治療においては、
超音波の振動衝撃作用を利用して結石を破壊するもので
あるため、この装置の振動子には超音波パルス波を発生
するものが用いられ、パルス波照射が行われる。一方、
温熱治療においては、超音波による患部の局所発熱昇温
作用を利用するものであるため、連続波が照射される。
従って、温熱治療用超音波発生装置に用いる振動子には
強力な連続波の安定的発生が必要とされる。
的により異なり、例えば前記結石破砕治療においては、
超音波の振動衝撃作用を利用して結石を破壊するもので
あるため、この装置の振動子には超音波パルス波を発生
するものが用いられ、パルス波照射が行われる。一方、
温熱治療においては、超音波による患部の局所発熱昇温
作用を利用するものであるため、連続波が照射される。
従って、温熱治療用超音波発生装置に用いる振動子には
強力な連続波の安定的発生が必要とされる。
【0004】例えば、人体内の腫瘍部分等の患部に超音
波連続波を照射し、温熱治療する場合、図4に例示する
基本構成で使用される。即ち、圧電セラミックス超音波
発生振動子は、その主構成要部として超音波発生源であ
る圧電セラミックス振動子10を有し、この圧電セラミ
ックス振動子10には、通常その両面に一対の金属製電
極層11a,11b(一般にAgペースト等を焼き付け
た薄膜)が形成され、それらの各々には高周波電流源
(図示せず)に通ずるリード線12a,12bが接続さ
れている。
波連続波を照射し、温熱治療する場合、図4に例示する
基本構成で使用される。即ち、圧電セラミックス超音波
発生振動子は、その主構成要部として超音波発生源であ
る圧電セラミックス振動子10を有し、この圧電セラミ
ックス振動子10には、通常その両面に一対の金属製電
極層11a,11b(一般にAgペースト等を焼き付け
た薄膜)が形成され、それらの各々には高周波電流源
(図示せず)に通ずるリード線12a,12bが接続さ
れている。
【0005】また、圧電セラミックス振動子10の放射
面側は、肉薄のゴム袋13内に充填された人体14の音
響インピーダンスとほぼ同一の音響インピーダンスを有
する液体15、例えば水に接触して配置されている。こ
のゴム袋13を人体14の表面に圧接し、振動子の放射
面から発せられる超音波の焦点が人体14の患部16に
一致するようにセットした状態で、圧電セラミックス振
動子10の共振周波数(または反共振周波数)に一致し
た駆動電流を高周波電流源から数秒乃至数十秒程度供給
して超音波連続波を放射する。患部16は照射された超
音波連続波のエネルギーにより瞬時に80乃至100℃
程度に加熱され患部が温熱により治療される。
面側は、肉薄のゴム袋13内に充填された人体14の音
響インピーダンスとほぼ同一の音響インピーダンスを有
する液体15、例えば水に接触して配置されている。こ
のゴム袋13を人体14の表面に圧接し、振動子の放射
面から発せられる超音波の焦点が人体14の患部16に
一致するようにセットした状態で、圧電セラミックス振
動子10の共振周波数(または反共振周波数)に一致し
た駆動電流を高周波電流源から数秒乃至数十秒程度供給
して超音波連続波を放射する。患部16は照射された超
音波連続波のエネルギーにより瞬時に80乃至100℃
程度に加熱され患部が温熱により治療される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに振動素子である圧電セラミックス振動子と人体との
間には、超音波の伝達媒体物質として人体とほぼ同一の
音響インピーダンスを持つ水等の液体がゴム袋などに封
入され、超音波の焦点が患部に一致するように配置され
ている。また、この水(液体)は、超音波の伝達のみな
らず、圧電セラミックス振動子の発熱による昇温を冷却
して抑制するという役割も果たしている。圧電セラミッ
クス振動子は、高温になると圧電特性が低下し、これに
より超音波出力が低下するので、振動子の温度上昇をで
きるだけ回避し、該温度を一定限度内に維持することは
強力な超音波連続波を安定的に放射する上で重要であ
る。
うに振動素子である圧電セラミックス振動子と人体との
間には、超音波の伝達媒体物質として人体とほぼ同一の
音響インピーダンスを持つ水等の液体がゴム袋などに封
入され、超音波の焦点が患部に一致するように配置され
ている。また、この水(液体)は、超音波の伝達のみな
らず、圧電セラミックス振動子の発熱による昇温を冷却
して抑制するという役割も果たしている。圧電セラミッ
クス振動子は、高温になると圧電特性が低下し、これに
より超音波出力が低下するので、振動子の温度上昇をで
きるだけ回避し、該温度を一定限度内に維持することは
強力な超音波連続波を安定的に放射する上で重要であ
る。
【0007】ところが、超音波連続波が水などの液体中
を伝播すると所謂キャビテーションが発生する。このキ
ャビテーション現象は超音波が水等の液体中を伝播する
ことによって水中に存在する細かい気泡等がぶつかり合
ったり、気泡が一度つぶされて弾けたりすることにより
生ずる衝撃現象である。パルス波の場合は瞬時であるた
めキャビテーションは問題となるほどの影響を及ぼさな
いが、連続波ではこのキャビテーションの発生が以下に
述べるような問題を引き起こす。即ち、圧電セラミック
スに電極を付与しただけの状態の振動子を使用した場
合、振動子と接触する水の中に含まれる気泡により、こ
のキャビテーションが発生し、この衝撃により電極を構
成する金属電極膜層が摩耗、剥離するという不都合が生
ずる。
を伝播すると所謂キャビテーションが発生する。このキ
ャビテーション現象は超音波が水等の液体中を伝播する
ことによって水中に存在する細かい気泡等がぶつかり合
ったり、気泡が一度つぶされて弾けたりすることにより
生ずる衝撃現象である。パルス波の場合は瞬時であるた
めキャビテーションは問題となるほどの影響を及ぼさな
いが、連続波ではこのキャビテーションの発生が以下に
述べるような問題を引き起こす。即ち、圧電セラミック
スに電極を付与しただけの状態の振動子を使用した場
合、振動子と接触する水の中に含まれる気泡により、こ
のキャビテーションが発生し、この衝撃により電極を構
成する金属電極膜層が摩耗、剥離するという不都合が生
ずる。
【0008】このような電極膜層の摩耗や剥離を回避す
るため、該電極層の表面に、例えば、テフロン樹脂、フ
ィラー入りエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂層、あるいは石
英薄板、その他の無機質耐摩耗性物質よりなる絶縁性の
整合層を積層し、上記不都合を回避する試みも既に提案
されている。
るため、該電極層の表面に、例えば、テフロン樹脂、フ
ィラー入りエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂層、あるいは石
英薄板、その他の無機質耐摩耗性物質よりなる絶縁性の
整合層を積層し、上記不都合を回避する試みも既に提案
されている。
【0009】例えば、特開平8−140972号公報に
は、圧電セラミックス振動子の超音波放射面側に石英板
を整合層として接着樹脂により接合した圧電セラミック
ス超音波発生振動子が提案されている。
は、圧電セラミックス振動子の超音波放射面側に石英板
を整合層として接着樹脂により接合した圧電セラミック
ス超音波発生振動子が提案されている。
【0010】上記各発明の振動子の場合、確かに電極は
整合層により摩耗、剥離から守られる。しかし、整合層
を接着樹脂を介して設けたことによって、セラミックス
振動子が接着剤層と整合層との2重の層を介して間接的
に水と接するため、水への熱伝導が阻害されセラミック
ス振動子の放熱が不十分となって昇温し、これによりセ
ラミックス振動子自身が持つ諸特性の温度依存性により
超音波出力が低下し、安定的使用が困難になるという不
都合を生じる。また、整合層として樹脂層を用いた場合
は、使用する樹脂によっては、使用中の圧電セラミック
ス振動子の発熱により樹脂が軟化し超音波出力が低下す
る。
整合層により摩耗、剥離から守られる。しかし、整合層
を接着樹脂を介して設けたことによって、セラミックス
振動子が接着剤層と整合層との2重の層を介して間接的
に水と接するため、水への熱伝導が阻害されセラミック
ス振動子の放熱が不十分となって昇温し、これによりセ
ラミックス振動子自身が持つ諸特性の温度依存性により
超音波出力が低下し、安定的使用が困難になるという不
都合を生じる。また、整合層として樹脂層を用いた場合
は、使用する樹脂によっては、使用中の圧電セラミック
ス振動子の発熱により樹脂が軟化し超音波出力が低下す
る。
【0011】更に、上記石英板層、樹脂層等の整合層に
替えて、キャビテーションにより浸食されない金属の薄
板を接着することにより上記キャビテーションによる電
極の摩耗等を防ぐことも考えられる。しかし、この場合
は冷却効果に問題はないものの、鉄、鋼、銅等の金属の
場合、長時間使用すると錆、緑青等を発生するため適さ
ない。また、錆の発生のないステンレス鋼等を含めこれ
らの金属類は、セラミックス振動子が平板型の場合はと
もかく、凹面形状等の場合は、該凹面形状の振動子表面
に正確に密着するように形状加工することが非常に困難
であり、その実用化には問題があった。
替えて、キャビテーションにより浸食されない金属の薄
板を接着することにより上記キャビテーションによる電
極の摩耗等を防ぐことも考えられる。しかし、この場合
は冷却効果に問題はないものの、鉄、鋼、銅等の金属の
場合、長時間使用すると錆、緑青等を発生するため適さ
ない。また、錆の発生のないステンレス鋼等を含めこれ
らの金属類は、セラミックス振動子が平板型の場合はと
もかく、凹面形状等の場合は、該凹面形状の振動子表面
に正確に密着するように形状加工することが非常に困難
であり、その実用化には問題があった。
【0012】このような事情から、水等の液体による冷
却効果が充分に発揮されて圧電セラミックス振動子の高
温化が抑制され、しかもキャビテーションにより生ずる
上記弊害が回避されて強力な超音波連続波を安定して発
生できる圧電セラミックス超音波発生振動子の出現が強
く望まれていた。
却効果が充分に発揮されて圧電セラミックス振動子の高
温化が抑制され、しかもキャビテーションにより生ずる
上記弊害が回避されて強力な超音波連続波を安定して発
生できる圧電セラミックス超音波発生振動子の出現が強
く望まれていた。
【0013】本発明は上記技術的課題を解決するために
なされたものであり、強力な超音波連続波の安定的放射
が可能な圧電セラミックス超音波発生振動子及び超音波
発生装置を提供することを目的とするものである。
なされたものであり、強力な超音波連続波の安定的放射
が可能な圧電セラミックス超音波発生振動子及び超音波
発生装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、圧電セ
ラミックス振動子の音波放射側電極面上に耐熱性樹脂層
が積層された圧電セラミックス超音波発生振動子におい
て、前記耐熱性樹脂層が、膜厚2乃至30μmのポリイ
ミド樹脂被膜層であることを特徴とする圧電セラミック
ス超音波発生振動子が提供される。本発明の圧電セラミ
ックス超音波発生振動子は、圧電セラミックス振動子の
音波放射側電極面上に耐熱性樹脂層が積層された音波発
振振動子から成る点において、従来の樹脂整合層を設け
た振動子から成る振動子と軌を一にするものではある
が、該樹脂層が、例えばポリイミド前駆体あるいは有機
溶剤可溶性ポリイミド樹脂が溶解した有機溶剤溶液を塗
布後、加熱硬化する等して得られた、特定の厚さを有す
るポリイミド被膜層である点が顕著な構成上の特徴であ
る。
ラミックス振動子の音波放射側電極面上に耐熱性樹脂層
が積層された圧電セラミックス超音波発生振動子におい
て、前記耐熱性樹脂層が、膜厚2乃至30μmのポリイ
ミド樹脂被膜層であることを特徴とする圧電セラミック
ス超音波発生振動子が提供される。本発明の圧電セラミ
ックス超音波発生振動子は、圧電セラミックス振動子の
音波放射側電極面上に耐熱性樹脂層が積層された音波発
振振動子から成る点において、従来の樹脂整合層を設け
た振動子から成る振動子と軌を一にするものではある
が、該樹脂層が、例えばポリイミド前駆体あるいは有機
溶剤可溶性ポリイミド樹脂が溶解した有機溶剤溶液を塗
布後、加熱硬化する等して得られた、特定の厚さを有す
るポリイミド被膜層である点が顕著な構成上の特徴であ
る。
【0015】この特定の被膜で音波放射面を被覆した本
発明の圧電セラミックス超音波発生振動子は、従来の樹
脂整合層を有する振動子に比較して、顕著に熱伝達性に
優れ、圧電セラミックス振動子が発生する熱を、該被膜
に接触する水等の液体側に伝達放熱することができる。
そのため、水等の伝達媒体液による冷却効果が十分に発
揮され、該圧電セラミックス振動子の温度上昇を、その
超音波出力性能が低下する温度限界以内に充分に抑制す
ることができ、高い超音波出力を発現できる。しかも、
電極層との密着性が良好で、接着強度が高く、且つキャ
ビテーション摩耗耐性にも優れているだけでなく、また
ポリイミド樹脂の有する特徴である高耐熱性、即ち軟化
温度が高い、高電気絶縁性という特性をそのまま保持す
る。
発明の圧電セラミックス超音波発生振動子は、従来の樹
脂整合層を有する振動子に比較して、顕著に熱伝達性に
優れ、圧電セラミックス振動子が発生する熱を、該被膜
に接触する水等の液体側に伝達放熱することができる。
そのため、水等の伝達媒体液による冷却効果が十分に発
揮され、該圧電セラミックス振動子の温度上昇を、その
超音波出力性能が低下する温度限界以内に充分に抑制す
ることができ、高い超音波出力を発現できる。しかも、
電極層との密着性が良好で、接着強度が高く、且つキャ
ビテーション摩耗耐性にも優れているだけでなく、また
ポリイミド樹脂の有する特徴である高耐熱性、即ち軟化
温度が高い、高電気絶縁性という特性をそのまま保持す
る。
【0016】特に、前記耐熱性樹脂層が積層される圧電
セラミックス振動子の音波放射側電極面の表面粗さが、
Raで0.1乃至3μmである場合には、電極層との密
着性を高く、接着強度を高くすることができる。
セラミックス振動子の音波放射側電極面の表面粗さが、
Raで0.1乃至3μmである場合には、電極層との密
着性を高く、接着強度を高くすることができる。
【0017】後述の実施例及び比較例に示されているよ
うにポリイミド樹脂フィルムを電極層面上に接着した樹
脂層付き振動子から成る圧電セラミックス超音波発生振
動子と、本発明にかかるポリイミド樹脂被膜付き振動子
から成る圧電セラミックス超音波発生振動子とでは、層
厚さが35μm程度で同一厚さの場合、後者の方が振動
子温度を6℃以上低温に保つことができると共に、高い
超音波出力を発現することができる。
うにポリイミド樹脂フィルムを電極層面上に接着した樹
脂層付き振動子から成る圧電セラミックス超音波発生振
動子と、本発明にかかるポリイミド樹脂被膜付き振動子
から成る圧電セラミックス超音波発生振動子とでは、層
厚さが35μm程度で同一厚さの場合、後者の方が振動
子温度を6℃以上低温に保つことができると共に、高い
超音波出力を発現することができる。
【0018】本発明にかかる圧電セラミックス超音波発
生振動子が、このように優れた熱伝達性、超音波出力の
諸特性を示す理由については、未だ、必ずしも解明され
たわけではないが、ポリイミド樹脂被膜が、Ag等の電
極構成金属と完全に密着していることに、その原因の一
つがあるものと考えられる。例えば、ポリイミド樹脂フ
ィルム等を貼り付けた場合には、接着剤を用いるため接
着の際に、接着剤と電極面やフィルムとの間に空気等が
入り込むことがある。また、使用中に圧電セラミックス
振動子が発熱することにより、接着剤が軟化し、フィル
ムの一部分が剥離してしまったり、また圧電セラミック
ス振動子の音波放射面が曲率を有する面である場合等は
膜の貼付け時に往々にして皺等が生じ密着が不十分とな
る。
生振動子が、このように優れた熱伝達性、超音波出力の
諸特性を示す理由については、未だ、必ずしも解明され
たわけではないが、ポリイミド樹脂被膜が、Ag等の電
極構成金属と完全に密着していることに、その原因の一
つがあるものと考えられる。例えば、ポリイミド樹脂フ
ィルム等を貼り付けた場合には、接着剤を用いるため接
着の際に、接着剤と電極面やフィルムとの間に空気等が
入り込むことがある。また、使用中に圧電セラミックス
振動子が発熱することにより、接着剤が軟化し、フィル
ムの一部分が剥離してしまったり、また圧電セラミック
ス振動子の音波放射面が曲率を有する面である場合等は
膜の貼付け時に往々にして皺等が生じ密着が不十分とな
る。
【0019】これに対し、本発明にかかる圧電セラミッ
クス超音波発生振動子のように、前記溶液塗布の場合
は、塗布の際、溶液組成物の有機溶剤成分が電極金属の
表面に空隙を残すことなく隈無く浸透して広がり、該表
面上に付着している油脂成分、微粒子等の微量夾雑物を
溶解あるいは懸濁させて除去する。そのため、ポリアミ
ック酸あるいはポリイミド成分が金属表面の微細凹凸部
分にまで充分に浸透接触してほぼ完全な密着状態を達成
できる。したがって、これを加熱硬化あるいは乾燥させ
て得られた被膜は、被膜と金属の接合界面に空隙等が殆
ど存在せず、接着剤の介在もないため界面間での熱伝達
がスムーズに達成される。また、このような方法によれ
ば、圧電セラミックス素子の超音波放射面が平板である
場合は勿論、たとえ、該面が放物線形状の凹面形状(以
下、パラボラ凹面と称する)等の湾曲した凹面形状の場
合でもその面に正確に密着させて形成することができ
る。更に、ポリイミド樹脂被膜は電気絶縁性を有するた
め水と直接接触しても人体との絶縁を確保でき、また、
分極処理前に圧電セラミックス側面にも同時にポリイミ
ド被膜を形成すれば、分極電界による電極周縁部間の放
電不良を低減できる。
クス超音波発生振動子のように、前記溶液塗布の場合
は、塗布の際、溶液組成物の有機溶剤成分が電極金属の
表面に空隙を残すことなく隈無く浸透して広がり、該表
面上に付着している油脂成分、微粒子等の微量夾雑物を
溶解あるいは懸濁させて除去する。そのため、ポリアミ
ック酸あるいはポリイミド成分が金属表面の微細凹凸部
分にまで充分に浸透接触してほぼ完全な密着状態を達成
できる。したがって、これを加熱硬化あるいは乾燥させ
て得られた被膜は、被膜と金属の接合界面に空隙等が殆
ど存在せず、接着剤の介在もないため界面間での熱伝達
がスムーズに達成される。また、このような方法によれ
ば、圧電セラミックス素子の超音波放射面が平板である
場合は勿論、たとえ、該面が放物線形状の凹面形状(以
下、パラボラ凹面と称する)等の湾曲した凹面形状の場
合でもその面に正確に密着させて形成することができ
る。更に、ポリイミド樹脂被膜は電気絶縁性を有するた
め水と直接接触しても人体との絶縁を確保でき、また、
分極処理前に圧電セラミックス側面にも同時にポリイミ
ド被膜を形成すれば、分極電界による電極周縁部間の放
電不良を低減できる。
【0020】また、該ポリイミド被膜の膜厚が特定の厚
さの薄膜に形成されるため、圧電セラミックス振動子か
ら水等の液体迄の距離が短く、圧電セラミックス振動子
から液体への熱伝達が容易であり、圧電セラミックス振
動子の温度上昇を抑制することや、ポリイミド樹脂が耐
熱性に優れ、圧電セラミック振動子の発熱により樹脂が
軟化することがないことも、高い超音波出力を発現でき
る原因のひとつと推測される。更に、該被膜は耐キャビ
テーション摩耗耐性にも優れている。
さの薄膜に形成されるため、圧電セラミックス振動子か
ら水等の液体迄の距離が短く、圧電セラミックス振動子
から液体への熱伝達が容易であり、圧電セラミックス振
動子の温度上昇を抑制することや、ポリイミド樹脂が耐
熱性に優れ、圧電セラミック振動子の発熱により樹脂が
軟化することがないことも、高い超音波出力を発現でき
る原因のひとつと推測される。更に、該被膜は耐キャビ
テーション摩耗耐性にも優れている。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の圧電セラミック
ス超音波発生振動子の一形態の基本構成を示したもので
あり、図1(a)はその平面図、図1(b)はその中央
部A−Aの側面断面図をそれぞれ示す。この図の振動子
では、圧電セラミックス振動子1は図1(a),(b)
に示すように、超音波放射面側が凹レンズ面状に湾曲し
た円型薄板状に形成されている。この圧電セラミックス
振動子1は共振周波数が1乃至3MHzの厚み振動を有
し、図1(b)に示したように薄板状セラミックスの両
面に一対の電極膜層1a,1bが形成され、夫々リード
線2a,2bにより高周波電流源(図示せず)に接続さ
れている。本発明においては、この圧電セラミックス振
動子の超音波放射面側(凹面側)に、図1(b)に示さ
れているように、ポリアミック酸あるいは有機溶剤可溶
性ポリイミド樹脂が溶解した有機溶剤溶液を塗布後、加
熱硬化させて得られたポリイミド被膜層3が形成され
る。圧電セラミックス振動子1は超音波放射面側(凹面
側)を外側に向けて、図1(b)に示されているよう
に、円筒状の樹脂製枠体4の該内側底部に接着剤により
接着固定される。
ス超音波発生振動子の一形態の基本構成を示したもので
あり、図1(a)はその平面図、図1(b)はその中央
部A−Aの側面断面図をそれぞれ示す。この図の振動子
では、圧電セラミックス振動子1は図1(a),(b)
に示すように、超音波放射面側が凹レンズ面状に湾曲し
た円型薄板状に形成されている。この圧電セラミックス
振動子1は共振周波数が1乃至3MHzの厚み振動を有
し、図1(b)に示したように薄板状セラミックスの両
面に一対の電極膜層1a,1bが形成され、夫々リード
線2a,2bにより高周波電流源(図示せず)に接続さ
れている。本発明においては、この圧電セラミックス振
動子の超音波放射面側(凹面側)に、図1(b)に示さ
れているように、ポリアミック酸あるいは有機溶剤可溶
性ポリイミド樹脂が溶解した有機溶剤溶液を塗布後、加
熱硬化させて得られたポリイミド被膜層3が形成され
る。圧電セラミックス振動子1は超音波放射面側(凹面
側)を外側に向けて、図1(b)に示されているよう
に、円筒状の樹脂製枠体4の該内側底部に接着剤により
接着固定される。
【0022】次に図2は本発明の圧電セラミックス超音
波発生振動子の他の形態を示した図であって、この図の
振動子の場合、その超音波放射部は複数に分割された圧
電セラミックス振動子片1s(この図の場合6片に分割
されている。)からなる。圧電セラミックス振動子は一
枚で大型に形成することが困難であり、また歩留まりも
悪くなるため、振動子の超音波放射面の面積を大きく
し、超音波出力の大きい振動子を製作する必要のある場
合等には、この形態のように分割された振動子を用いる
のが好適である。
波発生振動子の他の形態を示した図であって、この図の
振動子の場合、その超音波放射部は複数に分割された圧
電セラミックス振動子片1s(この図の場合6片に分割
されている。)からなる。圧電セラミックス振動子は一
枚で大型に形成することが困難であり、また歩留まりも
悪くなるため、振動子の超音波放射面の面積を大きく
し、超音波出力の大きい振動子を製作する必要のある場
合等には、この形態のように分割された振動子を用いる
のが好適である。
【0023】この図2の圧電セラミックス超音波発生振
動子の場合、夫々の圧電セラミックス振動子片1sは曲
率を有する扇型板状に形成され、前記同様その両面には
各々電極層1sa,1sbが形成されている。また、各
圧電セラミックス振動子片1sには、図2(b)、図3
に示すように、その音波放射面側に、ポリイミド被膜層
3が形成されている。各圧電セラミックス素子片1s
は、図2(b)に示すように環状枠体4の外側円筒4
a、内側円筒4bによって形成された底部に超音波放射
面側(凹面側)を外側に向けてそれぞれ接着剤により接
着固定される。尚、互いに隣接する各圧電セラミックス
素子片1s同士も接着剤により接着される。従って、こ
の形態の振動子は、複数の素子片1s(この図の場合6
個の素子片)は該枠体4の環状底面に超音波放射面側を
外側に向けて花弁状に配設され、全体としてパラボラ状
の凹面形状に組み立てられ、振動子同士は印加電圧が一
様となるように、何れもリード線2cで互いに電気的に
導通させ、最終的に高周波電流源に接続される。
動子の場合、夫々の圧電セラミックス振動子片1sは曲
率を有する扇型板状に形成され、前記同様その両面には
各々電極層1sa,1sbが形成されている。また、各
圧電セラミックス振動子片1sには、図2(b)、図3
に示すように、その音波放射面側に、ポリイミド被膜層
3が形成されている。各圧電セラミックス素子片1s
は、図2(b)に示すように環状枠体4の外側円筒4
a、内側円筒4bによって形成された底部に超音波放射
面側(凹面側)を外側に向けてそれぞれ接着剤により接
着固定される。尚、互いに隣接する各圧電セラミックス
素子片1s同士も接着剤により接着される。従って、こ
の形態の振動子は、複数の素子片1s(この図の場合6
個の素子片)は該枠体4の環状底面に超音波放射面側を
外側に向けて花弁状に配設され、全体としてパラボラ状
の凹面形状に組み立てられ、振動子同士は印加電圧が一
様となるように、何れもリード線2cで互いに電気的に
導通させ、最終的に高周波電流源に接続される。
【0024】本発明の圧電セラミックス超音波発生振動
子としては、1乃至3MHzの超音波連続波の発振が可
能なそれ自体公知の圧電セラミックス振動子を用いるの
が良い。例えば、PbTiO3 (チタン酸鉛)、PZT
(チタン酸ジルコン酸鉛)、PbTiO3 ・PbZrO
3 ・Pb(Y1/2 Nb1/2 )O3 三成分系セラミック
ス、Pb(Sb1/2 Nb1/2 )O3 ・PbTiO3 ・P
bZrO3 三成分系セラミックス等の圧電セラミックス
の両面にAu、Ag、Cu、Ni、Al、あるいはそれ
らを含む合金等の金属より成る一対の電極層が、焼き付
け、メッキ、蒸着等の方法を用いて形成された圧電セラ
ミックス振動子を用いることができる。本発明の圧電セ
ラミックス超音波発生振動子において、圧電セラミック
ス振動子は一体に形成された1枚の圧電セラミックス素
子の両面に電極層を形成した、例えば図1に示したよう
な振動子を用いてもよく、また図2に示したように複数
の圧電セラミックス素子片を組み合わせ集合して構成さ
れていてもよい。前記圧電セラミックス振動子は、通
常、その超音波放射面は一体型振動子の場合、凹状の皿
形、碗形、パラボラ型等の形状に形成され、素子集合型
振動子の場合、面中央部に円形開口を有する凹状の皿
形、碗形、パラボラ型等の形状に形成され、それぞれの
振動子形状に対応した枠体に固定される。
子としては、1乃至3MHzの超音波連続波の発振が可
能なそれ自体公知の圧電セラミックス振動子を用いるの
が良い。例えば、PbTiO3 (チタン酸鉛)、PZT
(チタン酸ジルコン酸鉛)、PbTiO3 ・PbZrO
3 ・Pb(Y1/2 Nb1/2 )O3 三成分系セラミック
ス、Pb(Sb1/2 Nb1/2 )O3 ・PbTiO3 ・P
bZrO3 三成分系セラミックス等の圧電セラミックス
の両面にAu、Ag、Cu、Ni、Al、あるいはそれ
らを含む合金等の金属より成る一対の電極層が、焼き付
け、メッキ、蒸着等の方法を用いて形成された圧電セラ
ミックス振動子を用いることができる。本発明の圧電セ
ラミックス超音波発生振動子において、圧電セラミック
ス振動子は一体に形成された1枚の圧電セラミックス素
子の両面に電極層を形成した、例えば図1に示したよう
な振動子を用いてもよく、また図2に示したように複数
の圧電セラミックス素子片を組み合わせ集合して構成さ
れていてもよい。前記圧電セラミックス振動子は、通
常、その超音波放射面は一体型振動子の場合、凹状の皿
形、碗形、パラボラ型等の形状に形成され、素子集合型
振動子の場合、面中央部に円形開口を有する凹状の皿
形、碗形、パラボラ型等の形状に形成され、それぞれの
振動子形状に対応した枠体に固定される。
【0025】また、枠体材料としては、使用時の振動子
の発熱に耐えうる耐熱性と強度を有する加工可能な絶縁
性材料であれば特に限定されるものではないが、使用温
度において十分な耐熱強度を有し、成形加工性に優れて
いる点で、例えば、ポリカーボネート樹脂、ガラスエポ
キシ樹脂等の耐熱性樹脂が好適に用いられる。圧電セラ
ミックス素子1と枠体4との接着に使用される接着剤と
しては、セラミックス素子の使用温度範囲で軟化しない
耐熱性の接着剤を使用することが好ましく、好適に使用
される接着剤としては硬化後の軟化点が100℃以上、
ショア硬度が70以上のエポキシ系樹脂接着剤、フェノ
ール系樹脂接着剤等をあげることができる。
の発熱に耐えうる耐熱性と強度を有する加工可能な絶縁
性材料であれば特に限定されるものではないが、使用温
度において十分な耐熱強度を有し、成形加工性に優れて
いる点で、例えば、ポリカーボネート樹脂、ガラスエポ
キシ樹脂等の耐熱性樹脂が好適に用いられる。圧電セラ
ミックス素子1と枠体4との接着に使用される接着剤と
しては、セラミックス素子の使用温度範囲で軟化しない
耐熱性の接着剤を使用することが好ましく、好適に使用
される接着剤としては硬化後の軟化点が100℃以上、
ショア硬度が70以上のエポキシ系樹脂接着剤、フェノ
ール系樹脂接着剤等をあげることができる。
【0026】前記圧電セラミックス振動子は、電極面上
にポリイミド樹脂被膜を形成してから、前記枠体に接着
固定してもよく、また、前記枠体がポリイミド樹脂被膜
を加熱硬化させる温度に耐えうる耐熱性を有するもので
あれば、圧電セラミックス振動子を枠体に接着固定した
後、枠体の音波放射側表面と電極面とを一体のポリイミ
ド樹脂被膜によって覆ってもよい。その際、枠体側面ま
で被膜により覆うことが好ましい。
にポリイミド樹脂被膜を形成してから、前記枠体に接着
固定してもよく、また、前記枠体がポリイミド樹脂被膜
を加熱硬化させる温度に耐えうる耐熱性を有するもので
あれば、圧電セラミックス振動子を枠体に接着固定した
後、枠体の音波放射側表面と電極面とを一体のポリイミ
ド樹脂被膜によって覆ってもよい。その際、枠体側面ま
で被膜により覆うことが好ましい。
【0027】上記圧電セラミックスの両面に設けられる
電極層の少なくとも音波放射側表面は、後述する被膜と
の密着性をより良好にするため、その表面粗さをRaで
0.1乃至3μm程度に形成することが好ましい。表面
粗さは電極表面を荒らすために用いられる研磨剤の粒度
を調整することによって制御できる。
電極層の少なくとも音波放射側表面は、後述する被膜と
の密着性をより良好にするため、その表面粗さをRaで
0.1乃至3μm程度に形成することが好ましい。表面
粗さは電極表面を荒らすために用いられる研磨剤の粒度
を調整することによって制御できる。
【0028】本発明では、電極層付き圧電セラミックス
振動子の音波放射側電極表面にポリイミド前駆体として
のポリアミック酸あるいは有機溶剤可溶性ポリイミド樹
脂が溶解した有機溶剤溶液を塗布し、加熱下に乾燥ある
いは環化重縮合により硬化させて、特定の厚さのポリイ
ミド被膜層を形成させる点が特徴である。
振動子の音波放射側電極表面にポリイミド前駆体として
のポリアミック酸あるいは有機溶剤可溶性ポリイミド樹
脂が溶解した有機溶剤溶液を塗布し、加熱下に乾燥ある
いは環化重縮合により硬化させて、特定の厚さのポリイ
ミド被膜層を形成させる点が特徴である。
【0029】この被膜層形成用に用いるポリイミド前駆
体としてのポリアミック酸としては、多価カルボン酸と
ジアミンとが縮合反応した繰り返し単位から成る下記一
般式(i)で表されるオリゴマー等を例示でき、本発明
においては、多価カルボン酸とジアミンの内、少なくと
も一方は芳香環骨格を有するものからなる芳香族系ポリ
アミック酸を用いることが耐熱性等の観点から好まし
い。
体としてのポリアミック酸としては、多価カルボン酸と
ジアミンとが縮合反応した繰り返し単位から成る下記一
般式(i)で表されるオリゴマー等を例示でき、本発明
においては、多価カルボン酸とジアミンの内、少なくと
も一方は芳香環骨格を有するものからなる芳香族系ポリ
アミック酸を用いることが耐熱性等の観点から好まし
い。
【0030】
【化1】
【0031】このような芳香族系ポリアミック酸の具体
例としては、無水ピロメリット酸にビス4−(アミノフ
ェニル)エーテルを反応させて得られるポリアミック酸
(a)
例としては、無水ピロメリット酸にビス4−(アミノフ
ェニル)エーテルを反応させて得られるポリアミック酸
(a)
【0032】
【化2】
【0033】2,3,7,6−テトラカルボキシナフタ
レン二酸無水物とビス4−(アミノフェニル)エーテル
から得られるポリアミック酸(b)
レン二酸無水物とビス4−(アミノフェニル)エーテル
から得られるポリアミック酸(b)
【0034】
【化3】
【0035】及び、下記式(c)で表されるポリアミッ
ク酸等を例示することができる。
ク酸等を例示することができる。
【0036】
【化4】
【0037】また、ポリイミド前駆体として、前記ポリ
アッミク酸の端末にナジ酸イミド結合基、マレイミド結
合基乃至フェニルアセチレン結合基等が付加された芳香
族ポリアッミク酸誘導体を用いてもよい。
アッミク酸の端末にナジ酸イミド結合基、マレイミド結
合基乃至フェニルアセチレン結合基等が付加された芳香
族ポリアッミク酸誘導体を用いてもよい。
【0038】可溶性ポリイミド樹脂としては、下記
(d)で表される脂肪族系ポリイミド、
(d)で表される脂肪族系ポリイミド、
【0039】
【化5】
【0040】下記(e)で表される芳香族エーテル結合
を有するポリエーテルイミド等を例示できる。
を有するポリエーテルイミド等を例示できる。
【0041】
【化6】
【0042】ポリアミック酸あるいは有機溶剤可溶性ポ
リイミド樹脂を溶解させる有機溶剤としては、例えば、
トルエン、メチルエチルケトン、N,Nジメチルホルム
アミド、N,Nジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン等が好適に用いられる。溶液濃度としては、ポリ
アミック酸乃至可溶性ポリイミド樹脂の種類によって若
干異なるが該成分が0.5乃至40重量%程度の濃度の
溶液とすることが溶液粘度、得られる被膜厚さの均一
性、被膜の亀裂防止の点から好ましい。溶液の粘度は塗
布作業性、形成被膜の密着性、被膜厚さの均一性、被膜
の亀裂防止の関係から2乃至150ポイズ、特に10乃
至100ポイズの範囲に調整されることが好ましい。こ
の溶液を、前記圧電セラミックス振動子の音波放射側電
極面上に所定厚さに塗布する。
リイミド樹脂を溶解させる有機溶剤としては、例えば、
トルエン、メチルエチルケトン、N,Nジメチルホルム
アミド、N,Nジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン等が好適に用いられる。溶液濃度としては、ポリ
アミック酸乃至可溶性ポリイミド樹脂の種類によって若
干異なるが該成分が0.5乃至40重量%程度の濃度の
溶液とすることが溶液粘度、得られる被膜厚さの均一
性、被膜の亀裂防止の点から好ましい。溶液の粘度は塗
布作業性、形成被膜の密着性、被膜厚さの均一性、被膜
の亀裂防止の関係から2乃至150ポイズ、特に10乃
至100ポイズの範囲に調整されることが好ましい。こ
の溶液を、前記圧電セラミックス振動子の音波放射側電
極面上に所定厚さに塗布する。
【0043】塗布の方法としては、例えば、刷毛塗り、
ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、スピンコー
ティング等の方法を例示することができる。次いで、塗
布膜を、前記ポリアミック酸あるいはポリイミド樹脂の
種類に応じて、80乃至250℃の範囲の温度で熱処理
し、乾燥あるいは環化重縮合、また種類によっては架橋
形成させて硬化させ、下記所定の厚さのポリイミド被膜
層を形成させる。
ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、スピンコー
ティング等の方法を例示することができる。次いで、塗
布膜を、前記ポリアミック酸あるいはポリイミド樹脂の
種類に応じて、80乃至250℃の範囲の温度で熱処理
し、乾燥あるいは環化重縮合、また種類によっては架橋
形成させて硬化させ、下記所定の厚さのポリイミド被膜
層を形成させる。
【0044】本発明においては、被膜の厚さは、2乃至
30μmの範囲内に設定する。更に、上記範囲内で圧電
セラミックス超音波発生振動子から放射される超音波波
長の1/10以下、より好ましくは1/25以下の厚さ
に成るように形成されることが好ましい。被膜厚さが3
0μmを越えると、圧電セラミックス振動子から水への
放熱が充分でなくなり、圧電セラミックスが好適温度よ
り高くなり、超音波出力が低下する。また、2μm以下
では耐キャビテーション効果が充分でなく、長時間の使
用に耐えない。被膜厚さの制御は、溶液濃度、粘度、塗
布回数等の調節により所定厚さに調整する。
30μmの範囲内に設定する。更に、上記範囲内で圧電
セラミックス超音波発生振動子から放射される超音波波
長の1/10以下、より好ましくは1/25以下の厚さ
に成るように形成されることが好ましい。被膜厚さが3
0μmを越えると、圧電セラミックス振動子から水への
放熱が充分でなくなり、圧電セラミックスが好適温度よ
り高くなり、超音波出力が低下する。また、2μm以下
では耐キャビテーション効果が充分でなく、長時間の使
用に耐えない。被膜厚さの制御は、溶液濃度、粘度、塗
布回数等の調節により所定厚さに調整する。
【0045】本発明においては、該形成された被膜の絶
縁破壊強度が5kv/25μm以上のものを選択するこ
とが、その用途上の電気絶縁安全性担保の観点から好ま
しい。
縁破壊強度が5kv/25μm以上のものを選択するこ
とが、その用途上の電気絶縁安全性担保の観点から好ま
しい。
【0046】この被膜により被覆された圧電セラミック
ス振動子を用いて、例えば図1,図2に示したような構
成を備える、本発明の圧電セラミックス超音波発生振動
子を作製する。本発明の圧電セラミックス超音波発生振
動子を使用して人体内の患部に超音波を照射するには、
図4に示すような基本構成で、図1、図2に示した本発
明の圧電セラミックス超音波発生振動子の被膜面を直接
超音波伝達媒体である水に接触させると共に、振動子の
放射面から発せられる超音波の焦点が人体の患部に一致
するようにセットする。その後、圧電セラミックス振動
子の共振周波数(または反共振周波数)に一致した駆動
電流を高周波電流源から数秒乃至数十秒程度供給して該
圧電セラミックス振動子から超音波連続波を患部に向け
て放射する。患部は照射された超音波連続波のエネルギ
ーにより瞬時に80乃至100℃程度に加熱され患部が
温熱により治療される。
ス振動子を用いて、例えば図1,図2に示したような構
成を備える、本発明の圧電セラミックス超音波発生振動
子を作製する。本発明の圧電セラミックス超音波発生振
動子を使用して人体内の患部に超音波を照射するには、
図4に示すような基本構成で、図1、図2に示した本発
明の圧電セラミックス超音波発生振動子の被膜面を直接
超音波伝達媒体である水に接触させると共に、振動子の
放射面から発せられる超音波の焦点が人体の患部に一致
するようにセットする。その後、圧電セラミックス振動
子の共振周波数(または反共振周波数)に一致した駆動
電流を高周波電流源から数秒乃至数十秒程度供給して該
圧電セラミックス振動子から超音波連続波を患部に向け
て放射する。患部は照射された超音波連続波のエネルギ
ーにより瞬時に80乃至100℃程度に加熱され患部が
温熱により治療される。
【0047】
【実施例及び比較例】ポリイミド樹脂のトルエン溶液
(溶液粘度:100ポイズ)を、両面に焼き付けによる
Ag電極膜(表面粗さがRaで0.35μm、厚さ5μ
m)が形成された厚み振動の共振周波数が1.5MHz
の扇形曲面形状の圧電セラミックス振動子片6枚の各々
の音波放射側面に塗布し、250℃に加熱して熱処理
し、該表面に下記表1に記載した各膜厚(1,2、3
0、35μm)のポリイミド被膜層を形成させた。次い
で、これ等各膜厚のポリイミド膜が形成された振動子片
6枚ずつを夫々組み合わせて、外周縁径200mm、内
周縁径80mm、曲率230Rの環状パラボラ型振動子
を組み立て、ポリカーボネート製枠体4の底部に素子片
の超音波放射面側が外側底面となるように硬化後の軟化
点が100℃以上のエポキシ系接着剤を用いて接着固定
した(比較例2、実施例1、2及び比較例3)。
(溶液粘度:100ポイズ)を、両面に焼き付けによる
Ag電極膜(表面粗さがRaで0.35μm、厚さ5μ
m)が形成された厚み振動の共振周波数が1.5MHz
の扇形曲面形状の圧電セラミックス振動子片6枚の各々
の音波放射側面に塗布し、250℃に加熱して熱処理
し、該表面に下記表1に記載した各膜厚(1,2、3
0、35μm)のポリイミド被膜層を形成させた。次い
で、これ等各膜厚のポリイミド膜が形成された振動子片
6枚ずつを夫々組み合わせて、外周縁径200mm、内
周縁径80mm、曲率230Rの環状パラボラ型振動子
を組み立て、ポリカーボネート製枠体4の底部に素子片
の超音波放射面側が外側底面となるように硬化後の軟化
点が100℃以上のエポキシ系接着剤を用いて接着固定
した(比較例2、実施例1、2及び比較例3)。
【0048】また、実施例で用いた圧電セラミックス振
動振動子片と同様の振動子片に表1に記載された各厚さ
(25、50μm)のポリイミド樹脂フィルムを接着剤
(層厚さ10,20μm)を用いて貼付け、次いで、こ
れ等のポリイミドフィルム積層振動子を用いて実施例1
と同様の方法により環状パラボラ型振動子に組み立てた
(比較例4及び5)。ここで、本発明のポリイミド樹脂
被膜厚さの下限値は30μmであるが、ポリイミド樹脂
フィルムの厚さを25μm以下とすること、及びその接
着剤層の厚さを10μm以下とすることが非常に困難で
あったため、樹脂層厚さ35μmにて樹脂層の形成形態
の違いの比較を行った。
動振動子片と同様の振動子片に表1に記載された各厚さ
(25、50μm)のポリイミド樹脂フィルムを接着剤
(層厚さ10,20μm)を用いて貼付け、次いで、こ
れ等のポリイミドフィルム積層振動子を用いて実施例1
と同様の方法により環状パラボラ型振動子に組み立てた
(比較例4及び5)。ここで、本発明のポリイミド樹脂
被膜厚さの下限値は30μmであるが、ポリイミド樹脂
フィルムの厚さを25μm以下とすること、及びその接
着剤層の厚さを10μm以下とすることが非常に困難で
あったため、樹脂層厚さ35μmにて樹脂層の形成形態
の違いの比較を行った。
【0049】別に、電極面に被覆層を全く形成しない
(無コーティング)セラミックス振動振動子6枚を用い
て実施例1と同様の方法により環状パラボラ型振動子に
組み立てた(比較例1)。
(無コーティング)セラミックス振動振動子6枚を用い
て実施例1と同様の方法により環状パラボラ型振動子に
組み立てた(比較例1)。
【0050】上記本発明品(実施例1及び2)と比較例
品(比較例1乃至5)の各圧電セラミックス超音波発生
振動子に夫々高周波電流源から1.5MHzの高周波電
力を60W/cm2 の割合で、60秒間連続波を印加し
た直後の各圧電セラミックス超音波発生振動子(裏面側
温度)の温度上昇及び振動子の出力音圧を測定した。そ
の結果を表1に示す。
品(比較例1乃至5)の各圧電セラミックス超音波発生
振動子に夫々高周波電流源から1.5MHzの高周波電
力を60W/cm2 の割合で、60秒間連続波を印加し
た直後の各圧電セラミックス超音波発生振動子(裏面側
温度)の温度上昇及び振動子の出力音圧を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0051】更に、各々の振動子について音波照射面側
電極層がキャビテーション等により摩耗、剥離して消失
するまでの耐用時間を測定し、その結果を併せて表1に
示した。なお測定は、人体を想定して振動子の超音波放
射側面を直接水と接触させた状態で行った。また、電極
面に被覆層が全く形成されていない比較例1が最も水に
よる冷却効果が高く、出力音圧も高いため、比較例1を
基準にして評価した。
電極層がキャビテーション等により摩耗、剥離して消失
するまでの耐用時間を測定し、その結果を併せて表1に
示した。なお測定は、人体を想定して振動子の超音波放
射側面を直接水と接触させた状態で行った。また、電極
面に被覆層が全く形成されていない比較例1が最も水に
よる冷却効果が高く、出力音圧も高いため、比較例1を
基準にして評価した。
【0052】表1の結果から、本発明の振動子では、圧
電セラミックス裏面側の温度は、実施例1(コーティン
グ層厚:2μm)で67℃(温度上昇率:無コーティン
グの振動子(比較例1)に対し1.02倍)、実施例2
(コーティング層厚:30μm)でも91℃(温度上昇
率:1.38倍)、と何れも100℃以下であり、その
出力音圧も、実施例1で無コーティング振動子(比較例
1)を基準として0.99,実施例2で0.91であり
無コーティング振動子にほぼ匹敵する出力を示すことが
認められた。
電セラミックス裏面側の温度は、実施例1(コーティン
グ層厚:2μm)で67℃(温度上昇率:無コーティン
グの振動子(比較例1)に対し1.02倍)、実施例2
(コーティング層厚:30μm)でも91℃(温度上昇
率:1.38倍)、と何れも100℃以下であり、その
出力音圧も、実施例1で無コーティング振動子(比較例
1)を基準として0.99,実施例2で0.91であり
無コーティング振動子にほぼ匹敵する出力を示すことが
認められた。
【0053】これに対し、比較例3(コーティング層
厚:35μm)の振動子では127℃と100℃を超え
る温度となり(無コーティング振動子に対し1.92
倍)、出力音圧は無コーティング振動子の0.71倍に
低下する。また、ポリイミド樹脂フィルムを貼り付けた
振動子(比較例4,5)では、温度が133℃(比較例
4)、162℃(比較例5)と無コーティング品や本発
明品に比べて著しく高くなり、出力音圧も0.48,
0.38と著しく低下する。特に、層厚さが同程度であ
っても樹脂層の形成形態が、本発明にかかるポリイミド
樹脂被膜振動子(比較例3)に比較して、樹脂フィルム
を接着した振動子(比較例4)は温度が高く、出力音圧
も低下することが分かる。また、実施例1,2の振動子
では、電極消失までの耐用時間が、夫々、無コーティン
グ振動子に比較して1.77倍、2.26倍と優れたキ
ャビテーション耐久性を示す。これに対し、コーティン
グ層厚が1μmの比較例2の振動子では、無コーティン
グ品に比較して1.08倍と耐久性が向上せず充分でな
いことが認められた。
厚:35μm)の振動子では127℃と100℃を超え
る温度となり(無コーティング振動子に対し1.92
倍)、出力音圧は無コーティング振動子の0.71倍に
低下する。また、ポリイミド樹脂フィルムを貼り付けた
振動子(比較例4,5)では、温度が133℃(比較例
4)、162℃(比較例5)と無コーティング品や本発
明品に比べて著しく高くなり、出力音圧も0.48,
0.38と著しく低下する。特に、層厚さが同程度であ
っても樹脂層の形成形態が、本発明にかかるポリイミド
樹脂被膜振動子(比較例3)に比較して、樹脂フィルム
を接着した振動子(比較例4)は温度が高く、出力音圧
も低下することが分かる。また、実施例1,2の振動子
では、電極消失までの耐用時間が、夫々、無コーティン
グ振動子に比較して1.77倍、2.26倍と優れたキ
ャビテーション耐久性を示す。これに対し、コーティン
グ層厚が1μmの比較例2の振動子では、無コーティン
グ品に比較して1.08倍と耐久性が向上せず充分でな
いことが認められた。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の圧電セラミックス超音波発生振
動子は、上述した構成により、超音波発生源である圧電
セラミックス振動子の水等の伝達媒体液による冷却効果
が十分に発揮されるため圧電セラミックス振動子の高温
化が防止され、しかもキャビテ−ションにより生ずる振
動子電極層の摩耗、剥離等の弊害が回避され、強力な超
音波連続波を安定して発生できる。また、水との直接接
触に対する絶縁性にも優れ、特に、強力で安定した超音
波連続波の照射を必要とする腫瘍等の温熱治療用圧電セ
ラミックス超音波発生振動子として好適に使用できる。
動子は、上述した構成により、超音波発生源である圧電
セラミックス振動子の水等の伝達媒体液による冷却効果
が十分に発揮されるため圧電セラミックス振動子の高温
化が防止され、しかもキャビテ−ションにより生ずる振
動子電極層の摩耗、剥離等の弊害が回避され、強力な超
音波連続波を安定して発生できる。また、水との直接接
触に対する絶縁性にも優れ、特に、強力で安定した超音
波連続波の照射を必要とする腫瘍等の温熱治療用圧電セ
ラミックス超音波発生振動子として好適に使用できる。
【図1】図1は、本発明の圧電セラミックス超音波発生
振動子の一例を示す図であって、(a)はその平面図、
(b)は(a)のA−A断面図である。
振動子の一例を示す図であって、(a)はその平面図、
(b)は(a)のA−A断面図である。
【図2】図2は、本発明の圧電セラミックス超音波発生
振動子の他の一例を示す図であって、(a)はその平面
図、(b)は(a)のA−A断面図である。
振動子の他の一例を示す図であって、(a)はその平面
図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図3】図3は、本発明にかかる圧電セラミックス振動
子と樹脂被膜層との部分拡大図である。
子と樹脂被膜層との部分拡大図である。
【図4】図4は、圧電セラミックス超音波発生振動子の
使用時における基本構成を示す図である。
使用時における基本構成を示す図である。
1 圧電セラミックス振動子 1a 電極層 1b 電極層 1s 扇形圧電セラミックス振動子片 1sa 電極層 1sb 電極層 2a リ−ド線 2b リ−ド線 2c リ−ド線 3 ポリイミド樹脂被膜層 4 枠体 4a 枠体外側円筒 4b 枠体内側円筒 10 圧電セラミックス振動子 11a 電極層 11b 電極層 12a リ−ド線 12b リ−ド線 13 ゴム袋 14 人体 15 液体 16 患部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G047 EA15 GA09 GB32 4C099 AA01 CA19 EA20 GA30 JA13 NA20 4C301 AA04 EE12 FF22 FF23 GB17 GB33 GC02 5D004 AA13 CC02 DD01 FF05
Claims (7)
- 【請求項1】 圧電セラミックス振動子の音波放射側電
極面上に耐熱性樹脂層が積層された圧電セラミックス超
音波発生振動子において、 前記耐熱性樹脂層が、膜厚2乃至30μmのポリイミド
樹脂被膜層であることを特徴とする圧電セラミックス超
音波発生振動子。 - 【請求項2】 前記耐熱性樹脂層が積層される圧電セラ
ミックス振動子の音波放射側電極面の表面粗さが、Ra
で0.1乃至3μmになされていることを特徴とする請
求項1に記載された圧電セラミックス超音波発生振動
子。 - 【請求項3】 前記ポリイミド樹脂被膜層が該ポリイミ
ド樹脂の前駆体であるポリアミック酸が溶解した有機溶
剤溶液を前記電極面上に塗布後、加熱硬化させて得られ
た被膜層であることを特徴とする請求項1または請求項
2に記載された圧電セラミックス超音波発生振動子。 - 【請求項4】 前記ポリイミド樹脂被膜層が有機溶剤可
溶性ポリイミド樹脂が溶解した有機溶剤溶液を前記電極
面上に塗布後、加熱硬化して得られた被膜層であること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載された圧電
セラミックス超音波発生振動子。 - 【請求項5】 前記有機溶剤がトルエン、メチルエチル
ケトン、N,Nジメチルホルムアミド、N,Nジメチル
アセトアミド及びNーメチルピロリドンから選ばれた少
なくとも1種から成る有機溶剤であることを特徴とする
請求項3または請求項4に記載された圧電セラミックス
超音波発生振動子。 - 【請求項6】 前記ポリイミド前駆体あるいは有機溶剤
可溶性ポリイミド樹脂が溶解した有機溶剤溶液の粘度が
2乃至150ポイズの範囲にあることを特徴とする請求
項3乃至請求項5のいずれかに記載された圧電セラミッ
クス超音波発生振動子。 - 【請求項7】 圧電セラミックス超音波発生振動子を高
周波電流源によって駆動させ、液体状伝達媒体を介して
被照射物に超音波を照射する超音波発生装置において、 前記圧電セラミックス超音波発生振動子として請求項1
乃至請求項5のいずれかに記載の圧電セラミックス超音
波発生振動子を用いることを特徴とする超音波発生装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10222329A JP2000041298A (ja) | 1998-07-21 | 1998-07-21 | 圧電セラミックス超音波発生振動子及び超音波発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10222329A JP2000041298A (ja) | 1998-07-21 | 1998-07-21 | 圧電セラミックス超音波発生振動子及び超音波発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000041298A true JP2000041298A (ja) | 2000-02-08 |
Family
ID=16780652
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10222329A Pending JP2000041298A (ja) | 1998-07-21 | 1998-07-21 | 圧電セラミックス超音波発生振動子及び超音波発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000041298A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20140035440A1 (en) * | 2012-07-31 | 2014-02-06 | Tdk Corporation | Piezoelectric device |
US8994251B2 (en) | 2012-08-03 | 2015-03-31 | Tdk Corporation | Piezoelectric device having first and second non-metal electroconductive intermediate films |
CN115180819A (zh) * | 2022-06-01 | 2022-10-14 | 芜湖普纳耶智能装备制造有限公司 | 一种硅酸盐复合材料用生产设备及制备方法 |
-
1998
- 1998-07-21 JP JP10222329A patent/JP2000041298A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20140035440A1 (en) * | 2012-07-31 | 2014-02-06 | Tdk Corporation | Piezoelectric device |
US9136820B2 (en) * | 2012-07-31 | 2015-09-15 | Tdk Corporation | Piezoelectric device |
US8994251B2 (en) | 2012-08-03 | 2015-03-31 | Tdk Corporation | Piezoelectric device having first and second non-metal electroconductive intermediate films |
CN115180819A (zh) * | 2022-06-01 | 2022-10-14 | 芜湖普纳耶智能装备制造有限公司 | 一种硅酸盐复合材料用生产设备及制备方法 |
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