JPH08140972A - 超音波発生装置 - Google Patents

超音波発生装置

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JPH08140972A
JPH08140972A JP31597894A JP31597894A JPH08140972A JP H08140972 A JPH08140972 A JP H08140972A JP 31597894 A JP31597894 A JP 31597894A JP 31597894 A JP31597894 A JP 31597894A JP H08140972 A JPH08140972 A JP H08140972A
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ultrasonic wave
piezoelectric ceramics
insulating plate
vibrator
wave generator
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JP31597894A
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Katsunori Yokoyama
勝徳 横山
Yasuhiro Sakamoto
安弘 坂本
Satoshi Aida
聡 相田
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Coorstek KK
Toshiba Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電セラミック振動子と整合層との剥離現象
が生ずることのない信頼性の高い超音波発生装置を提供
すること。 【構成】 両面に一対の給電電極膜10a,10bを備
えた圧電セラミックス振動子10と、圧電セラミックス
振動子の超音波放射面側にエポキシ系接着剤による接着
層を介して接合された整合層としての熱膨張係数が8×
10-7/℃以下で音響インピ−ダンスが20メガレイリ
−以下の電気的絶縁板(石英板)12より構成してい
る。そして前記絶縁板の厚さは、圧電セラミックス振動
子10により発生する超音波の波長をλとしたとき、n
・λ/2(nは自然数)に成されている。従って、セラ
ミックス振動子の発熱或いは温度サイクルによる整合層
の耐久性を向上させると共に、人体との電気絶縁特性が
向上でき、さらに熱膨張による整合層の剥離現象が生ず
ることのない装置を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば人体内の患部に
超音波を照射して治療または診断を行う超音波発生装置
に関し、特に超音波発生手段として圧電セラミックス振
動子を用いた超音波発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】患者の体内の治療部位に対して超音波を
照射し、患者の体内に存在する例えば結石を振動によっ
て破砕する結石破砕装置や、腫瘍部分に超音波による熱
を加えて該腫瘍部分を熱によって死滅させる温熱治療器
等が提唱され、現在の医療分野で広く利用されている。
現状のこの種の医療機器に用いられる超音波発生手段と
しては、圧電セラミックス振動子を用いる圧電方式、2
電極間の放電現象を利用する放電方式、電磁誘導による
斥力を利用する電磁誘導方式等が存在する。近年におい
ては、その中で安定した出力が得られ、しかも消耗部品
が少なく、小型化が可能な圧電セラミックス振動子を用
いる超音波発生装置が実用化され普及している。
【0003】図5は超音波発生装置により、人体内の腫
瘍部分に対して超音波を照射して治療を施す場合の基本
構成を示した断面図である。まず符号1は共振周波数が
1〜2MHZ の厚み振動を有する凹面形状の圧電セラミ
ックス振動子であり、このセラミックス振動子1の両面
には一対の給電電極膜1aおよび1bが蒸着等の手段に
より形成されている。
【0004】そして一対の給電電極膜1aおよび1bに
は、それぞれリード線2a、2bが接続され、これらリ
ード線2a、2bを介して高周波電流源3からの駆動用
電流が供給されるよう成されている。また、セラミック
ス振動子1の凹面側である超音波放射面側には、超音波
を減衰させることのない程度の肉薄のゴム袋4が配置さ
れ、このゴム袋4内には、人体5の音響インピーダンス
とほぼ同一の音響インピーダンスを有する水6が封入さ
れている。
【0005】このゴム袋4を人体5の表面に圧接し、セ
ラミックス振動子1の超音波放射面(凹面側)から発せ
られる超音波の焦点が人体5の腫瘍部分5aに一致する
ようにセットした状態で、圧電セラミックス振動子1の
共振周波数(または反共振周波数)に一致した駆動電流
を高周波電流源3から数秒乃至数十秒供給する。これに
より、腫瘍部分5aは超音波エネルギーにより瞬時に6
0〜80℃に加熱され治癒される。
【0006】尚、図5には示されていないが、以上の構
成による超音波発生装置においては、体内音響インピー
ダンスとの整合を考慮し、一般に樹脂または樹脂にアル
ミナシリカ等のフィラー材を混合した整合層(マッチン
グ層)を圧電セラミックス振動子1の超音波放射面側に
接合し、電気入力に対する音響出力の向上を図ると同時
に、この整合層によりセラミックス振動子1と人体5と
の電気的絶縁を確保して安全性が確保できるように構成
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来の超音波発生装置においては、腫瘍部分5aの温度を
瞬時に60〜80℃程度に加熱させるために必要な高周
波電力は30〜50W/cm2 であり、この時の圧電セ
ラミックス振動子1自体の表面温度も100℃程度に上
昇する。このために、前述した音響インピーダンスの整
合および人体との電気絶縁のための整合層が樹脂のよう
な有機系材料のものでは、熱に対する耐久性が悪く、ま
た、圧電セラミックス振動子1と整合層との熱膨張系数
の相違から互いの接合面で剥離を起こすといった現象が
生じ、装置の信頼性が極端に悪くなるという課題があ
る。
【0008】さらに音響出力を増大させるためにセラミ
ックス振動子1の面積を大きくしようとすると、前述し
た共振周波数の関係からセラミックス振動子1の厚さは
1〜2mm程度に限定され、従って機械的強度が不足す
るために実用に耐えないという課題がある。
【0009】本発明は、このような従来の課題に着目し
て成されたものであり、セラミックス振動子の発熱或い
は温度サイクルによる整合層の耐久性を向上させると共
に、人体との電気絶縁特性が向上でき、さらに熱膨張に
よる整合層の剥離現象が生ずることのない信頼性の高い
超音波発生装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波発生装置
は前記課題を解決するために成されたものであり、両面
に一対の給電電極膜を備えた圧電セラミックス振動子
と、圧電セラミックス振動子の超音波放射面側に接着層
を介して接合された熱膨張係数が8×10-7/℃以下で
音響インピ−ダンスが20メガレイリ−以下の電気的絶
縁板より成り、前記一対の給電電極膜間に高周波駆動電
流を加えることで圧電セラミックス振動子により超音波
を発生させるようにしたものであって、前記絶縁板の厚
さは、圧電セラミックス振動子により発生する超音波の
波長をλとしたとき、n・λ/2(nは自然数)に成さ
れるよう構成されることを特徴としている。
【0011】
【作用】本発明に係る超音波発生装置は、前記のように
圧電セラミックス振動子の超音波放射面側に特に熱膨張
係数が8×10-7/℃以下で音響インピ−ダンスが20
メガレイリ−以下の電気的絶縁板を接合して整合層とし
ており、絶縁板を整合層としたことにより、セラミック
ス振動子の発熱に対する耐久性を向上させることがで
き、またセラミックス振動子からの整合層の剥離現象が
防止できる。また前記絶縁板の厚さは、圧電セラミック
ス振動子により発生する超音波の波長をλとしたとき、
n・λ/2(nは自然数)に成されるようにしたので、
音響インピーダンスの整合性が改良され、超音波の伝播
効率が向上できる。ここで、絶縁板の熱膨張係数を8×
10-7/℃以下としたのは、次の理由による。圧電セラ
ミックスの熱膨張係数はほぼ2〜3×10-7/℃程度で
あり、このような圧電セラミックスと接着される絶縁板
の熱膨張係数が上記以上の値であると充分な接着強度が
得られない。そのため超音波放射を繰り返すうちに剥離
などが生じる虞がある。また音響インピ−ダンスを20
メガレイリ−以下としたのは次の理由による。ゴム袋体
内に封入される水は約1.5メガレイリ−程度の音響イ
ンピ−ダンスを有している。この水の値と、絶縁板のイ
ンピーダンスの値との格差が大き過ぎると超音波が有効
に伝播しない。絶縁板のインピ−ダンスが20メガレイ
リ−を越えるとそのような不具合が生じるためである。
上記のような材料としては、石英ガラスが好ましい。石
英ガラスの熱膨張係数は約5×10-7/℃程度で、音響
インピ−ダンスは約14メガレイリ−である。石英ガラ
ス以外でも充分な電気的絶縁性を有し、上述の範囲の特
性を有する材料であれば本発明の絶縁板材料として利用
できる。例えば、上記範囲の特性を有するように組成を
調整したパイレックスガラスやバイコ−ルガラスも使用
できる。なお、音響インピ−ダンスは、物体内の音速×
密度で表され、単位としてレイリ−((m/sec )・
(kg/m3 )=kg/m2 ・sec )で表される。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る超音波発生装置の実施例
について、図面を参照して説明する。なお、本実施例で
は絶縁板として石英板を用いた場合について説明する。
まず図1は本発明の超音波発生装置の一実施例の基本構
成を示したものであり、図1(a)は正面図として示し
ており、また図1(b)はその中央部分の側断面図とし
て示している。
【0013】圧電セラミックス振動子10は、共振周波
数が1〜2MHZ の厚み振動を有する凹面形状に形成さ
れている。そして振動子10の両面には、一対の給電電
極膜10a,10bが蒸着等の手段により形成されてい
る。一方、圧電セラミックス振動子10の超音波放射面
側(図中凹面側)には、接着層11を介して整合層(マ
ッチング層)としての石英板12が接合されている。整
合層を構成する石英ガラスは、その熱膨張係数が圧電セ
ラミックスのそれとほぼ同等であり、接着層11を構成
する接着剤は耐高温度特性を有するエポキシ樹脂系接着
剤が使用される。すなわち、エポキシ樹脂系接着剤は1
50℃程度の高温度の雰囲気で振動子10および石英板
12を接着しても、両者との熱膨張係数が近いため、接
着後に圧電セラミックス振動子10に対して接着による
歪みが残留せず、正規の圧電振動特性を発揮させること
ができる。(歪みが残留した場合には圧電振動特性は低
下する。)
【0014】また整合層としての石英板12の厚さは、
圧電セラミックス振動子10により発生する超音波の波
長をλとしたとき、n・λ/2(nは自然数)に成され
ている。これにより超音波の減衰が押さえられ、効率的
な音響放出が達成される。さらに圧電セラミックス単体
による水中への音響放出を考えたとき、石英ガラスの音
響インピーダンスは圧電セラミックスのそれと比較する
と、約1/3であり水との整合性も良いことになる。
【0015】図2(a)および図2(b)は圧電セラミ
ックス振動子10に設けた一対の給電電極膜10a,1
0bより給電用リード線を引き出す場合の例を示してい
る。図2(a)はリード線引き出し部分の正面図であ
り、また図2(b)はその側断面図である。即ち、前記
した整合層としての石英板12の周縁部の一部には、セ
ラミックス振動子10に対向する部分に切り欠き部12
aが設けられており、この切り欠き部12aによって露
出された圧電セラミックス振動子10の超音波放射面側
の給電電極膜10bに、給電用のリード線13bが半田
付けによって接続されている。
【0016】前記給電用のリード線13bは、例えば銅
箔等の箔板により構成されており、切り欠き部12aに
よって形成された空間において半田付けによる接続並び
にリード線13bの引き出し路を確保するようにしてお
り、これにより前記接続層11の厚さは均一に構成され
る。一方、圧電セラミックス振動子10の他面に設けら
れた給電電極膜10aには、他の給電用のリード線13
aが半田付けによって接続されており、これら一対の給
電用リード線13a、13bを介して高周波電流源より
圧電セラミックス振動子10に対して駆動電流が供給さ
れるように成されている。
【0017】次に図3は図2とは異なった手段で給電用
リード線を引き出す例を示している。図3(a)はリー
ド線引き出し部分の正面図であり、また図3(b)はそ
の側断面図である。即ち、図3に示す例においては、石
英板12の圧電セラミックス振動子10に対向する面に
はスパッタリング等の手段により薄膜導電層14が形成
されている(図では石英板12と薄膜導電層14とが模
試的に分離して示されている。)。
【0018】そして薄膜導電層14と圧電セラミックス
振動子10の超音波放射面側の給電電極膜10bとの間
に介在する接着層11の一部に接触部を形成し、この接
触部を介して給電電極膜10bと薄膜導電層14とが導
通されるよう成されている(図では圧電セラミックス振
動子10と薄膜導電層14とが模試的に分離して示され
ている。)。なお、あえて接触部を形成しなくとも、給
電電極膜10bの表面には凹凸があるため、接着層を2
0μm以下程度の厚さにすることにより、部分的に給電
電極膜10bの凸部を薄膜導電層14と直接接触させ
て、電気的導通をとるようにしてもよい。
【0019】さらに石英板12の周縁部に露出した前記
薄膜導電層14の一部に給電用のリード線13bが半田
付けにより引き出され、一方、圧電セラミックス振動子
10の他面に設けられた給電電極膜10aには、他の給
電用のリード線13aが半田付けによって引き出されて
おり、これら一対の給電用リード線13a、13bを介
して高周波電流源より圧電セラミックス振動子10に対
して駆動電流が供給されるように成されている。
【0020】さらに図4は本発明に係る超音波発生装置
の他の実施態様を示している。図4に示した例は、圧電
セラミックス振動子を複数に分割して超音波発生装置を
構成した例を示している。即ち、振動子はそれぞれ扇型
に形成された4枚の圧電セラミック振動子101〜10
4より構成しており、これらのセラミック振動子101
〜104のそれぞれには、前記と同様に両面に一対の給
電電極膜が形成されている。そして、図3に示した例と
同様に、石英板12の圧電セラミックス振動子に対向す
る面にはスパッタリング等の手段により薄膜導電層14
が形成されており、各セラミック振動子101〜104
はエポキシ系接着剤により全体として円環状となるよう
に接着されている。
【0021】この場合、石英板12に形成された薄膜導
電層14と各圧電セラミックス振動子101〜104の
給電電極膜10bとの間に介在する接着層11の一部に
接触部を形成し、この接触部を介して各セラミック振動
子101〜104の給電電極膜10bと薄膜導電層14
とが導通されるよう成されている。そして、石英板12
の周縁部における前記薄膜導電層14の一部に給電用の
リード線13bが半田付けにより引き出されている。ま
た各電圧セラミックス振動子101〜104の他面側に
形成された給電電極膜10a間には、導体15が互いに
半田付けにより接続されており、そのうちの1つの振動
子101の給電電極膜に給電用のリード線13aが半田
付けによって引き出されている。
【0022】この図4に示した例は、振動子の面積を大
きくしたい場合、すなわちより超音波出力を増大しよう
とする場合に適している。圧電セラミックス振動子は大
形に形成することが困難であり、また歩留まりも悪くな
る。この場合、石英ガラスで構成する整合層は加工性も
良く、大形化も容易である。従って、圧電セラミックス
振動子を複数に分割して製造し、石英ガラスで構成する
整合層に対してそれぞれ一面となるように粘着すること
で容易に大出力の超音波発生装置を得ることができる。
【0023】次に直径60mmで凹面形状の曲率(R)
70mmの圧電セラミックス振動子を制作し、この圧電
セラミックス振動子を、直径70mmで圧電セラミック
ス振動子の曲率に一致させた石英板に対して150〜1
80℃で硬化するエポキシ樹脂系接着剤を用いて接着し
た。尚、石英板の厚さは石英ガラスの音速を5960m
/secとして1/2λの波長で振動するように厚さを
2mmとした。また給電用リード線の引き出しは、図2
に示した手段を採用した。
【0024】このように構成した超音波発生装置と、整
合層としての石英板を用いない図5に示したような超音
波発生装置との比較を行った。尚、いずれも給電用リー
ド線に対して1.5MHZ の高周波電力を60W/cm
2 の割合で印加し、高周波電力の入力は連続波で30〜
50秒間印加した。測定は人体を想定して振動子の音響
放射面、すなわち超音波放射面側を直接水と接触させて
水中にて測定を行った。
【0025】この結果、音響出力(超音波出力)につい
ては、本発明の超音発生装置は、整合層としての石英板
を用いない圧電セラミックス振動子単体のものと比較し
て3〜4dB高い値を示した。また、発熱量について前
記両者を比較したところ、本発明の超音発生装置につい
ては本発明の超音発生装置は、超音波放射面に対する裏
面、すなわち装置の凸面側の表面で115℃であったの
に対して、整合層としての石英板を用いない圧電セラミ
ックス振動子単体のものにおいては、100℃であり、
本発明の装置においては若干高い数値を示した。
【0026】これは、本発明の超音発生装置において
は、石英板が断熱作用として働き、試験で用いられた水
に対する放熱作用が低下したものと推測される。また本
発明による超音発生装置について30万回の繰り返し試
験を行った結果、特に圧電セラミックス振動子と整合層
としての石英板との間の接合状態に異常は見当たらず、
従って耐久性については問題ないことが確認された。
【0027】また絶縁特性について両者を耐電圧試験機
にて、人体への漏洩電流を考慮した測定を行った。すな
わち、圧電セラミックス振動子の超音波放射面側の水中
に配置した電極と、圧電セラミックス振動子の超音波放
射面側とは反対側の凸面側の給電電極膜との間に耐電圧
試験機の試験電圧を印加した。この結果漏洩電流値は、
本発明の超音発生装置は、整合層としての石英板を用い
ない圧電セラミックス振動子単体のものと比較して約1
/20の値を示した。
【0028】以上のように本発明の超音発生装置は、超
音波放射面側に直接水を満たした試験状態において、整
合層としての石英板を用いない圧電セラミックス振動子
単体のものと比較して若干発熱が上回る程度で、他の特
性は遥かに優れていることが検証された。尚、以上説明
した実施例は、圧電セラミックス振動子として超音波放
射面側を凹面形状に成されたものについて示したが圧電
セラミックス振動子として平面状のものを使用するもの
においても同様の作用効果が期待できる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなとおり、本発明に
係る超音波発生装置は、圧電セラミックス振動子の超音
波放射面側に、特に熱膨張係数が8×10-7/℃以下で
音響インピ−ダンスが20メガレイリ−以下の電気的絶
縁板を接合して整合層としており、絶縁板を整合層とし
たことにより、セラミックス振動子の発熱に対する耐久
性を向上させることができ、また圧電セラミックス振動
子と絶縁板による整合層との剥離現象が防止でき、信頼
性の高い商品を提供することが可能となる。さらに整合
層として絶縁板を用いたことにより、絶縁耐圧特性を向
上させることが可能となり、本発明の超音波発生装置を
例えば医療機器に採用した場合、治療に際し安全性を確
保することができる。また前記絶縁板の厚さは、圧電セ
ラミックス振動子により発生する超音波の波長をλとし
たとき、n・λ/2に成されるようにしたので、音響イ
ンピーダンスの整合性が改良され、超音波の伝播効率が
向上できる。このため、効率の高い超音波発生装置を提
供することが可能である。またその特性から石英板を絶
縁板として用いることができるため、容易に超音波発生
装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波発生装置の基本構成を示した正
面図および中央断面図である。
【図2】図1に示す装置の給電用リード線を取り付ける
場合の例を示した正面図および断面図である。
【図3】図1に示す装置に給電用リード線を取り付ける
場合の他の例を示した正面図および断面図である。
【図4】本発明の超音波発生装置の他の実施例を示した
正面図である。
【図5】超音波発生装置を用いて診断または治療を行う
状態を示した断面図である。
【符号の説明】
10 圧電セラミックス振動子 101〜104 圧電セラミックス振動子 10a,10b 給電電極 11 接着層 12 石英板 12a 切り欠き部 13a,13b 給電用リード線 14 薄膜導電層 15 導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相田 聡 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センタ−内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両面に一対の給電電極膜を備えた圧電セ
    ラミックス振動子と、圧電セラミックス振動子の超音波
    放射面側に接着層を介して接合された熱膨張係数が8×
    10-7/℃以下で音響インピ−ダンスが20メガレイリ
    −以下の電気的絶縁板より成り、前記一対の給電電極膜
    間に高周波電流を加えることで圧電セラミックス振動子
    により超音波を発生させるようにした超音波発生装置で
    あって、前記絶縁板の厚さは、前記圧電セラミックス振
    動子により発生する超音波の波長をλとしたとき、n・
    λ/2(nは自然数)に成されていることを特徴とする
    超音波発生装置。
  2. 【請求項2】 前記圧電セラミックス振動子は複数に分
    割され、各圧電セラミックス振動子は絶縁板に対してそ
    れぞれ接着層を介して接合されたことを特徴とする請求
    項1に記載の超音波発生装置。
  3. 【請求項3】 前記絶縁板には切り欠き部が設けられ、
    切り欠き部によって露出された圧電セラミックス振動子
    の超音波放射面側の給電電極膜に給電用のリード線が接
    続されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の超音波発生装置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁板の圧電セラミックス振動子に
    対向する面には薄膜導電層が形成され、圧電セラミック
    ス振動子の超音波放射面側の給電電極膜と薄膜導電層と
    の間に接触部を形成し、且つ絶縁板に形成された薄膜導
    電層に対して給電用のリード線が接続されたことを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の超音波発生装
    置。
  5. 【請求項5】 前記接着層はエポキシ樹脂系接着剤より
    成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか
    に記載の超音波発生装置。
  6. 【請求項6】 前記絶縁板は石英ガラスからなることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の超
    音波発生装置。
JP31597894A 1994-11-25 1994-11-25 超音波発生装置 Pending JPH08140972A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5623084B2 (ja) * 2007-11-29 2014-11-12 株式会社日立メディコ 超音波探触子及びこれを用いた超音波診断装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5623084B2 (ja) * 2007-11-29 2014-11-12 株式会社日立メディコ 超音波探触子及びこれを用いた超音波診断装置

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