JP2000040269A - 光ディスク基板の成形方法及び成形金型 - Google Patents

光ディスク基板の成形方法及び成形金型

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JP2000040269A
JP2000040269A JP10222358A JP22235898A JP2000040269A JP 2000040269 A JP2000040269 A JP 2000040269A JP 10222358 A JP10222358 A JP 10222358A JP 22235898 A JP22235898 A JP 22235898A JP 2000040269 A JP2000040269 A JP 2000040269A
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Keiji Ueda
恵司 上田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄板化された光ディスク基板の成形に際し、
金型キャビティ内の充填樹脂を均一温度に冷却すること
により、良好な機械的特性を持つ光ディスク基板を得
る。 【解決手段】 光ディスク基板の射出成形金型におい
て、キャビティ31のうち基板のクランプエリアに相当
する部分31bを加熱するヒータ13b,23aを設け
る。また、所定の位置に温調回路12a,13a,22
a,24aを配備する。さらに、キャビティ31表面の
うち基板の記録領域に相当する部分31aの温度を検出
する温度センサ12bと、上記部分31bの温度を検出
する温度センサ13cとを設ける。基板の成形に際して
は、上記部分31aと上記部分31bとの表面温度の隔
たりを10℃以内に保つように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はDVD系及び、これ
よりも大容量化された光ディスクなど、厚みがより薄型
化された光ディスク基板の成形技術に関し、特に、追記
型または書き換え型光ディスクのように良好な機械的特
性と同時に高度な転写性が要求される光ディスク基板の
成形方法及び成形金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでCD系やMO系など、様々な種
類の光ディスクが読みとり専用、追記用、書き換え用の
それぞれの用途に応じた型で利用されてきている。
【0003】一方、1枚の光ディスクに、より大きな容
量の情報を搭載することが要求されるようになり、例え
ばDVDや、DVDよりも大容量の情報を搭載した新た
な光ディスクについての検討が進められている。
【0004】光ディスクの大容量化のための光ディスク
基板の検討の一つは、基板厚みをより薄くする(例え
ば、これまでのCD・MO系光ディスクの基板厚み1.
2mmに対して、DVD系基板厚みを0.6mmとす
る)ことである。また、基板上に情報を意味させたピッ
ト列やピックアップのトラッキングのための案内溝を、
より緻密に転写させるための検討も進められている。
【0005】このような光ディスクに用いられる基板
は、生産効率やコストの点から、材料としてポリカーボ
ネートを主とする樹脂を用いて射出成形法あるいは射出
圧縮成形法で成形・生産されている。
【0006】上述した光ディスク基板の成形方法のいず
れもにおいても、金型を閉止して形成したキャビティ内
に、溶融させた材料樹脂を充填する。上記光ディスク基
板成形用の金型には、溶融樹脂が充填されるキャビティ
や、溶融樹脂が充填される際の流路であるスプルーの周
り、及び光ディスク基板の内穴部を形成するゲートカッ
ター内部に温調回路が組み込まれており、それぞれの回
路に適切な温度に設定された温調水を循環させることに
よって、キャビティ内に充填された溶融樹脂を冷却させ
る。そして、金型外へ取り出し可能な温度になるまで溶
融樹脂を金型内で冷却・固化させて所定の基板形状にま
で成形する。
【0007】なお、上記キャビティ内には、光ディスク
に必要な情報がピット列あるいは案内溝として刻み込ま
れたスタンパがセットされており、上記溶融樹脂をキャ
ビティ内に充填してから固化させるまでの工程中に、成
形される光ディスク基板上にスタンパに刻まれた必要な
情報を転写させる。金型内で成形された光ディスク基板
は、金型内における冷却工程が完了した後、金型外へ取
り出され、成形以降の工程に受け渡される。
【0008】ところが、大容量化を達成するために光デ
ィスク基板の基板厚みが薄くなったので、キャビティ内
に溶融樹脂を充填して基板を成形する際の、溶融樹脂の
充填自体が困難となってしまった。そのため、より高密
度化されたピット列や案内溝を光ディスク基板上に忠実
に転写させることはもちろん、光ディスク基板の特性と
して要求される小さな複屈折・良好な機械的特性を実現
させることも難しくなることが明らかになった。
【0009】キャビティ内に溶融樹脂を充填するときの
充填性を良好にして転写性を向上させるためには、金型
及び樹脂の設定温度をより高くすれば良い。しかし、こ
の手法では、例えば樹脂の設定温度を高くすることによ
る使用樹脂の分解・炭化の発生といった、使用材料の特
性上の限界が存在すること、また金型の設定温度を高く
すると、充填した樹脂の冷却が充分に進まなくなるた
め、成形した光ディスク基板の機械的特性が悪化するよ
うになると共に、金型温度が高く設定され過ぎることに
よって複屈折特性が悪くなる。
【0010】樹脂の充填不良に伴う問題を、設定温度を
高くすることによって解決しようとしたことにより生じ
た上記問題を解消するためには、キャビティ内に溶融樹
脂を充填した後の冷却時間を長く設定すればよい。この
冷却時間を適切に長く設定することによって、成形した
光ディスク基板の機械的特性や複屈折を改善することが
できるが、冷却時間を延長することによって成形サイク
ルが長くなって生産性が低下するだけでなく、キャビテ
ィの実温度も低下するために、溶融樹脂の充填性及び転
写性が低下するという別の問題が生じてしまう。
【0011】以上のように、厚みがより薄く、しかもよ
り高密度のピット列及び案内溝を転写させることが要求
される光ディスク基板について、転写性を良好にすると
同時に機械的特性や、複屈折に関する特性を適切なもの
にすること、言い換えると光ディスク基板に要求される
特性全体を総合的に満足させるのは非常に難しいことが
明らかにされつつある。
【0012】上記問題を解決するための光ディスク基板
の成形方法として次の方法、すなわち金型設定温度、樹
脂設定温度などの成形条件に関わる設定温度を、使用す
る材料の特性や機械的特性・複屈折の兼ね合いをバラン
スさせた上で採り得る最高の設定温度とし、溶融樹脂を
キャビティ内に充填する際には、キャビティに加える力
を小さくし、充填完了後にキャビティ内の充填樹脂に高
い圧力を発生させる成形方法を採用することが一般的に
行われている。
【0013】この成形方法を具体的に述べると、例えば
射出成形法によって光ディスク基板を成形する場合にお
いては、金型を完全に閉止せずに若干量開いた状態、ま
たは極低い設定圧力で金型を閉じた状態としてキャビテ
ィ内への溶融樹脂の充填を行い、充填完了後に金型を完
全に閉止し、大きな型締め力を加える。なお、特開平8
−17078号公報(発明の名称:光ディスク用基板の
成形方法)には、上記射出成形法が記載されている。ま
た、射出圧縮成形法による場合は、まず金型を閉止し型
締め力を加える一方で、圧縮力は殆ど加えずにキャビテ
ィ厚みを所定の圧縮代だけ拡げた状態で溶融樹脂の充填
を行い、充填完了後に大きな圧縮力をキャビティに加え
て充填樹脂内部に高い圧力を発生させる。
【0014】上述した成形方法では、溶融樹脂をキャビ
ティに充填している間はキャビティ厚みを拡げている
か、あるいは極低い型締め力で閉じているために、キャ
ビティ内に充填される樹脂の圧力でキャビティが「拡げ
られる」ことによって、樹脂の流動抵抗が小さくなって
充填性が改善される。この結果、樹脂の充填中に内部に
生じる歪み量も小さくなるために、成形した光ディスク
基板中に残留する応力歪みが小さくなり、複屈折や機械
的特性が改善される。
【0015】また、流動性がより良好な状態で充填され
るため、ピット列や案内溝の転写性も向上する。さら
に、充填完了後にキャビティに大きな力を加えることに
よってキャビティ内樹脂の内部圧力が上昇する。この上
昇後の高い樹脂の内部圧力によってキャビティ内樹脂
が、キャビティ内に挿入されているスタンパに強く密着
し、ピット列や案内溝が成形基板上に精密に転写される
ようになる。これと同時に、充填時に生じた樹脂内部圧
力のばらつきも、この操作によって均一化されて解消す
る。
【0016】上述したように、キャビティに加える力を
溶融樹脂充填前後において変化させて充填後の溶融樹脂
内部に高い圧力を発生させる制御を利用した成形方法
は、薄型で良質な光ディスク基板を得るために有効な方
法である。しかし、この方法もまだ多くの問題点を抱え
ている。
【0017】上記射出成形法及び射出圧縮成形法のいず
れの方法についても、キャビティ内に充填された溶融樹
脂の冷却操作は、キャビティの周りに組み込まれた温調
回路を循環する温調水による熱交換によって行なわれ
る。
【0018】しかし上述した冷却操作は、金型内に充填
された溶融樹脂全体にわたって均一に進むのではなく、
冷却が速く進む部分と遅い部分とが存在する。キャビテ
ィ内の溶融樹脂の冷却が不均一になる原因は、以下の
(1)(2)である。 (1)キャビティ内に充填される溶融樹脂は、その充填
される過程と同時にすでに冷却が開始されているため
に、溶融樹脂はキャビティ内への充填が完了した時点で
温度が均一ではなく、その場所によって異なる温度分布
を持った状態になっている。 (2)キャビティ内に充填された樹脂の各部分と冷却の
ための温調回路との間の距離が一定ではなく、充填樹脂
と温調回路中の温調水との間で行われる熱交換の進み方
が各部分で異なる。
【0019】キャビティ内樹脂が不均一に冷却される現
象において、最も冷却が遅れる部分は、スプルー部分
(溶融樹脂がキャビティ中へ充填される際の流路)であ
る。このスプルー部分の冷却が最も遅れる原因は、スプ
ルー部分を形成する金型の構成部品(スプルーブッシ
ュ)の空間的制約によって、他の部分と比較して十分な
大きさの温調回路をスプルー部分の周囲にレイアウトす
ることができないため、また十分な流量の温調水を循環
させることができず、スプルー部分に充填された樹脂と
の間の熱交換効率が、他の部分と比較して悪いことであ
る。
【0020】ちなみに、スプルー部分の温調回路を流れ
る温調水の流量は、光ディスク基板の記録領域となる部
分を冷却する温調回路を流れる温調水流量の1/3〜1
/2程度であるのが通例である。また、冷却時間を短縮
させて成形サイクルを短縮し生産効率を上げる試みを行
う際に、(成形される基板の特性の良否ではなく)連続
成形動作そのものの可否で冷却時間の短縮限界を判断す
る場合には、設定された冷却時間内にスプルー部分を金
型外に取り出す操作が可能かどうかで判断されるのが通
例で、特に冷却時間を短縮させたハイサイクル成形を行
うことができるか否かを決めるのは、このスプルー部分
の冷却操作である。
【0021】上述したように、光ディスク基板の成形の
ために金型内に充填された溶融樹脂のうち冷却が最も遅
れたり、冷却効率が悪くなったりする部分はスプルー部
分である。そのため、スプルー部分を冷却するための温
調回路を循環させる温調水の温度は、光ディスク基板の
記録領域となる部分を冷却する温調回路を循環させる温
調水の温度よりずっと低い温度に設定されるのが通例で
ある。
【0022】上記温調回路の温度設定の手法は、CD系
やMO系の光ディスク基板の成形の際に広く展開されて
きた手法である。しかし、DVD系あるいは、さらに記
録容量を増大させた光ディスクの基板成形に対して上述
の温度設定の手法を採用すると、成形される基板の機械
的特性が悪化することが明らかになった。
【0023】つまり、限られた冷却時間内にスプルー部
分の樹脂を十分に冷却するために、スプルー部分の温調
を低い温度に設定すると、このスプルー部分を形成する
金型部品であるスプルーブッシュ全体が、金型の他の部
分と比較して低い温度になる。このスプルーブッシュは
成形される光ディスク基板のクランプエリアの面を形成
する部品ともなっているため、これと接したクランプエ
リアを形成することになる樹脂の部分は、光ディスク基
板の記録領域を形成する部分の樹脂と比較して低い温度
まで冷却されるようになり、クランプエリアを形成する
樹脂と記録領域を形成する樹脂との間に大きな温度差が
生じることになった。
【0024】さらに、DVD系以降の光ディスク基板
は、その厚みが以前の品種の光ディスク基板と比較して
薄くなったため基板自体が有する剛性も小さくなり、そ
れを形成する樹脂内部に生じた多少の冷却ムラが、顕著
な基板変形となって現れる。このため、成形基板のクラ
ンプエリアと記録領域の境において大きな変形が生じ、
機械的特性が悪化することとなった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、その目的は、薄板化された光
ディスク基板の成形に際し、金型キャビティ内に充填さ
れた溶融樹脂を均一に冷却することにより、良好な機械
的特性を持つ光ディスク基板を得ることにある。この目
的達成のため、本発明は金型キャビティの温度制御方法
及び、そのための構造を提供するものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る光ディス
ク基板の成形方法は、光ディスク基板を射出成形または
射出圧縮成形により成形する方法において、光ディスク
基板形状を形成する金型のキャビティについて、光ディ
スク基板の記録領域に相当する部分の表面温度と、光デ
ィスク基板のクランプエリアに相当する部分の表面温度
とを制御しながら成形を行うことを特徴とする。この成
形方法では、上記表面温度を制御しながら成形を行うこ
とで、金型キャビティの上記記録領域相当部分の充填樹
脂と、クランプエリア相当部分の充填樹脂とが、ほぼ同
一温度に冷却される(キャビティ内樹脂の全体が均一温
度に冷却される)ため、良好な機械的特性を有する光デ
ィスク基板が得られる。
【0027】請求項2に係る光ディスク基板の成形方法
は、請求項1において、前記キャビティにおける光ディ
スク基板の記録領域に相当する部分の表面温度T1 と、
光ディスク基板のクランプエリアに相当する部分の表面
温度T2 との温度差(T1 −T2 の絶対値)を10℃以
内に保つように制御しながら成形することを特徴とす
る。この成形方法においては、上記温度差を10℃以内
に保つことにより、特に良好な機械的特性を有する光デ
ィスク基板を得ることができる。なお、上記温度差は、
1 がT2 より高い場合、これと逆の場合の両方を含
む。
【0028】請求項3に記載の光ディスク基板の成形金
型は、光ディスク基板を射出成形または射出圧縮成形に
より成形する金型において、キャビティにおける光ディ
スク基板のクランプエリアに相当する部分を加熱する加
熱機構を有することを特徴とする。この成形金型では、
上記加熱機構を設けたので、キャビティ内に充填された
樹脂の全体を均一温度に冷却することができるととも
に、金型のスプルー部分を冷却するための温調回路を低
い温度に制御することが可能になるので、キャビティ内
と比較して冷却させにくいスプルー部分の溶融樹脂をよ
り速く冷却することができ必要な冷却時間を短縮させる
ことができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。 実施例1 図1に示す光ディスク基板の成形金型(射出成形用また
は射出圧縮成形用)を、固定側金型11と可動側金型2
1とにより構成する。固定側金型11にスタンパ51
を、スタンパ押さえ(図示せず)により着脱自在に装着
し、固定側金型11と可動側金型21との対向間隙によ
ってキャビティ31を形成する。この場合、上記スタン
パ押さえにより、光ディスク基板(以下、単に基板とい
うことがある)のクランプエリアに相当する部分を固定
側金型11の端面中央部に、記録領域に相当する部分を
を固定側金型11の端面外周部に、それぞれ密着させ
る。したがって、上記キャビティ31では中央部に基板
のクランプエリア成形部が、外周部に基板の記録領域成
形部が、それぞれ形成されることになる。
【0030】上記固定側金型11は金型ブロック12
と、これの中央部に設けたスプルーブッシュ13とで構
成する。可動側金型21は金型ブロック22と、これの
中央部に設けた可動ブッシュ23と、ゲートカッター2
4とで構成し、スプルーブッシュ13とゲートカッター
24とにより、この金型のスプルー14を形成する。金
型ブロック12では温調回路12aおよび、キャビティ
31を形成する端面の直近に温度センサ12bを設け
る。スプルーブッシュ13ではスプルー14の近傍に温
調回路13aと、キャビティ31を形成する端面の近傍
にヒータ13bと、この端面直近に温度センサ13cと
を設ける。金型ブロック22では温調回路22aを設け
る。可動ブッシュ23のキャビティ31近傍にはヒータ
23aを、ゲートカッター24のスプルー14近傍には
温調回路24aを、それぞれ設ける。
【0031】温調回路12aと22aをそれぞれ温調水
の供給源(図示せず)に連絡させる。また、温調回路1
3aと24aをそれぞれまた上記温調水の供給源とは別
に設けた温調水の供給源(図示せず)に連絡させる。さ
らに、ヒータ13b,23aを制御装置(図示せず)に
連絡させる。
【0032】このように、この金型では基板成形用キャ
ビティ31のうち、基板のクランプエリアに相当する部
分31b(クランプエリア部分、すなわちスプルーブッ
シュのキャビティ露出面)を加熱するヒータ13b,2
3aを設けるとともに、キャビティ31について、基板
の記録領域に相当する部分31a(記録領域部分)の表
面温度(キャビティ内面温度)および、上記クランプエ
リア部分31bの表面温度を検出・制御しながら成形す
ることができるように構成する。また、この金型では、
記録領域部分31aの表面温度と、クランプエリア部分
31bの表面温度との温度差を10℃以内に保つように
制御可能とする。
【0033】つぎに、上記金型による基板成形操作につ
いて説明する。まず、使用するスタンパ51上に刻まれ
たピット列あるいは案内溝を転写するのに必要で、かつ
定められた冷却時間でキャビティ31内に充填された溶
融樹脂を冷却するのに十分な設定温度の温調水を金型ブ
ロック12,22(この金型の記録領域部)の温調回路
12a,22aに循環させる。また、このときの金型ブ
ロック12のキャビティ表面温度を温度センサ12bに
よって測定し、スプルーブッシュ13のキャビティ表面
温度を測定する温度センサ13cの示す温度が、温度セ
ンサ12bによる測定温度に近くなるような温度に設定
した温調水をスプルーブッシュ13の温調回路13aお
よび、ゲートカッター24の温調回路24aに循環させ
る。
【0034】このような制御で基板成形を行うと、キャ
ビティの記録領域部分とクランプエリア部分とにそれぞ
れ充填された樹脂が、互いにほぼ等しい温度に冷却され
るようになり、得られる基板の機械的特性が良好にな
る。また、温度センサ12bの測定温度T1 と、温度セ
ンサ13cによる測定温度値T2 との差が10℃以下に
なるように、クランプエリア部分31bの温調設定を制
御しながら成形を行うことによって、基板の機械的特性
が特に良好になることが確認された。
【0035】上述の温度設定により基板成形を行う場
合、スプルー部分14の設定温度を記録領域部分31a
のそれとほぼ同一にする必要がある。ところが、このよ
うな温調設定では、既述のようにクランプエリア部分3
1bの冷却効率が悪いため、この部分の冷却が十分に進
むまで冷却時間を長くする必要が生じる。この冷却時間
の延長は、成形サイクルの延長・生産効率の低下に直結
するため、決して好ましいものではない。
【0036】そこで本発明においては、記録領域部分の
設定温調に適切に合わせた冷却時間内にスプルー部分の
冷却操作が十分に進むように、スプルーブッシュ温調回
路の温度を低く設定して温調すると同時に、スプルーブ
ッシュ13および、これに対向して組み付けられた可動
ブッシュ24に組み込んだヒータ13bおよび23aを
用いて、クランプエリア部分のキャビティ表面の温度が
適切な範囲に保たれるように制御を行う。このような温
度制御を行うことにより、クランプエリア部分と記録領
域部分とで、充填樹脂をほぼ等しい温度に冷却させて良
好な機械的特性を持つ基板を、いたずらに冷却時間を延
長させることなく成形することが可能となる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば以下の効果が得られる。 (1)請求項1 光ディスク基板を射出成形または射出圧縮成形により成
形するに際し、成形金型のキャビティについて、基板の
記録領域相当部分の表面温度と、クランプエリア相当部
分の表面温度とを制御しながら成形を行うことにより、
上記両部分において充填樹脂を互いにほぼ等しい温度に
冷却することができるため、機械的特性に優れた光ディ
スク基板を得ることが可能となる。
【0038】(2)請求項2 請求項1において、金型キャビティにおける上記記録領
域相当部分の表面温度と、クランプエリア相当部分の表
面温度との隔たりを10℃以内に保つように制御しなが
ら成形するようにしたので、特に良好な機械的特性を有
する光ディスク基板を得ることが可能となる。
【0039】(3)請求項3 光ディスク基板を射出成形または射出圧縮成形により成
形するための金型において、キャビティのうち光ディス
ク基板のクランプエリア相当部分を加熱する加熱機構を
設けたので、キャビティ内の充填樹脂がキャビティ全体
にわたって均一温度に冷却されるとともに、スプルー部
分を冷却するための温調回路を流れる冷却媒体を低い温
度に設定することが可能になるので、キャビティ内充填
樹脂の冷却時間を短縮することが可能となり、機械的特
性の良好な光ディスク基板を高い生産効率で製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形金型の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
11 固定側金型 12 金型ブロック 12a 温調回路 12b 温度センサ 13 スプルーブッシュ 13a 温調回路 13b ヒータ 13c 温度センサ 14 スプルー 21 可動側金型 22 金型ブロック 22a 温調回路 23 可動ブッシュ 23a ヒータ 24 温調ブロック 24a 温調回路 31 キャビティ 31a 記録領域部分 31b クランプエリア部分 51 スタンパ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスク基板を射出成形または射出圧
    縮成形により成形する方法において、光ディスク基板形
    状を形成する金型のキャビティについて、光ディスク基
    板の記録領域に相当する部分の表面温度と、光ディスク
    基板のクランプエリアに相当する部分の表面温度とを制
    御しながら成形を行うことを特徴とする光ディスク基板
    の成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記金型のキャビテ
    ィにおける光ディスク基板の記録領域に相当する部分の
    表面温度と、光ディスク基板のクランプエリアに相当す
    る部分の表面温度との温度差を10℃以内に保つように
    制御しながら成形することを特徴とする光ディスク基板
    の成形方法。
  3. 【請求項3】 光ディスク基板を射出成形または射出圧
    縮成形により成形する金型において、キャビティにおけ
    る光ディスク基板のクランプエリアに相当する部分を加
    熱する加熱機構を有することを特徴とする光ディスク基
    板の成形金型。
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