JP2000036785A - 無線通信システム - Google Patents

無線通信システム

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JP2000036785A
JP2000036785A JP10204778A JP20477898A JP2000036785A JP 2000036785 A JP2000036785 A JP 2000036785A JP 10204778 A JP10204778 A JP 10204778A JP 20477898 A JP20477898 A JP 20477898A JP 2000036785 A JP2000036785 A JP 2000036785A
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Japan
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cell
communication system
cells
area
beam antenna
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JP10204778A
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Katsumi Takaoka
勝美 高岡
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線通信システムに関し、特に成層圏に飛行
船を滞空させて行う電波中継システムに用いる無線通信
システムを提供する。 【解決手段】 成層圏に滞留する飛行船等の飛翔体から
高周波数帯でディジタル情報信号を地上へ無線送信する
無線通信システムにおいて、複数の小さな領域に電波を
送出するアンテナの集合体であるビームアンテナアレー
51 ,…,5n を有し、前記ビームアンテナアレーによ
り送信される、互いに異なる周波数の信号を受信する地
上の受信領域である複数のセルからなるエリアを構成
し、前記セルの配置は飛翔体21の直下のセルを中心に
周りを囲むように配置されるものであって、前記直下の
セル22に対して外側に配置されるセル23ほど、前記
セルの送信に用いるビームアンテナの半値角を絞ること
により、サービスエリア内の全てのセルにおいて単位面
積当たり均一な伝送容量でサービスを行うことが可能と
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無線通信システムに
係り、特に成層圏に飛行船を滞空させて行う電波中継シ
ステムに用いる無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルビデオ信号等の比較的大きな
情報量を有する情報の伝送は、その情報量に応じた広い
周波数帯域を必要とするため、高い周波数のキャリアを
用いて伝送するのが一般的である。公共性の高いTV放
送等では、VHF帯やUHF帯が用いられているが、個
人利用的な性質が強い加入者系無線通信の分野ではサブ
ミリ波、ミリ波といった高い周波数帯が使用される。そ
こで注目されるているのが、気象条件が比較的安定して
いる成層圏(高度約10km〜50km)に滞留する飛
行船や気球等の飛翔体を、衛星通信システムにおける静
止衛星中継局のように見做して無線通信を行うようにし
た無線通信システムである(長谷良裕他、" 成層圏無線
プラットフォームを用いた高速無線アクセスネットワー
クの提案" 、電子情報通信学会技術報告、SST97-54,RCS
97-93(1997-09))。
【0003】この無線通信システムでは、飛行船等の飛
翔体に向いた窓に信号が到来するので、飛行船からの電
波を受信する装置を設置し、比較的大容量の情報を家庭
内に導き入れることが出来る。また、この無線通信シス
テムは、飛行船等の飛翔体が20km程度の高度に滞空
しているので、静止衛星に比べて低高度であり、地上発
信端末からの送信電力が静止衛星に比べて小さくて済
み、また遅延時間も短いために、複数の無線プラットフ
ォームを多数配備して全国的なマルチメディアネットワ
ークを構築することも出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】成層圏を利用した無線
通信システムでは、比較的大容量の情報を家庭内に導き
入れることが出来る。また、この無線通信システムは、
飛行船等の飛翔体が20km程度の高度に滞空している
ので、静止衛星に比べて低高度であり、地上発信端末か
らの送信電力も小さくて済み、遅延時間も短いために、
マルチメディアネットワークの構築が期待されている。
しかし、低高度であるがゆえに、一機の飛行船でカバー
出来るエリアにも限界があり、日本全土をカバーするの
に略200 機必要である言われている。その時の一機の飛
行船でカバーするエリアは略40km四方になる。飛行
船の高度を20kmとすると、飛行船から送信すべきセ
ルまでの距離については、最大で√2倍の差を有するこ
とになる。このことにより、ビームアンテナアレーが地
上に投影するセル領域は、外側のセルほど投影面積は大
きくなり、サービスを行うエリアが広くなってしまう。
全てのセルにおいて伝送容量が同じであれば、内側のセ
ルにおけるサービスと比べ、単位面積においてサービス
出来るユーザ数が減るか、もしくは1ユーザあたりの伝
送容量が減ることになる。さらに、外側のセルほど伝送
距離が遠くなるため、自由空間損失により受信電力は低
下する。また、人口密度、及び通信端末の使用密度には
ばらつきがあるため、あるセルによっては十分なサービ
スが出来なくなることもある。よって、低高度の無線シ
ステムで、いかに広いエリアを、品質の差なくサービス
出来るかが重要な問題となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解
決するために、成層圏に滞留する飛行船等の飛翔体から
高周波数帯でディジタル情報信号を地上へ無線送信する
無線通信システムにおいて、複数の小さな領域に電波を
送出するアンテナの集合体であるビームアンテナアレー
を有し、ビームアンテナアレーにより送信される、互い
に異なる周波数の信号を受信する地上の受信領域である
複数のセルからなるエリアを構成し、セルの配置は飛翔
体の直下のセルを中心に周りを囲むように配置されるも
のであって、前記直下のセルに対して外側に配置される
セルほど、送信に用いるビームアンテナの半値角を絞る
ことにより送信信号を伝送する無線通信システムを提供
する。また、前記ビームパターンであるセル領域の形状
が円状に投影されるように、前記ビームアンテナについ
て、前記飛翔体に対し仰角を有する方向の半値角を、前
記飛翔体に対し前記仰角方向とは垂直方向の半値角より
も絞るようにした無線通信システムを提供する。また、
外側に配置されるセルほど、送信に用いるビームアンテ
ナの半値角を絞ることにより送信信号を伝送するととも
に、送信信号の送信電力を上げる無線通信システムを提
供する。また、特定の位置に配置されるセルに対し、送
信に用いるビームアンテナの半値角を絞ることにより送
信信号を伝送することを特徴とする無線通信システムを
提供する。
【0006】( 作 用 )ビームアンテナアレーが地
上に投影するセル領域は、外側のセルほど投影面積は大
きくなり、単位面積当たりの伝送容量は少なくなるが、
前記直下のセルに対して外側に配置されるセルほど、送
信に用いるビームアンテナの半値角を絞ることにより、
各セルにおける単位面積当たりの伝送容量を等しくする
ことが出来る。さらに、その為にビームパターンである
セル領域の形状が円状に投影されるように、ビームアン
テナについて、飛翔体に対し仰角を有する方向の半値角
を、前記飛翔体に対し前記仰角方向とは垂直方向の半値
角よりも絞るようにした。さらに、前記直下のセルに対
して外側に配置されるセルほど、送信信号の送信電力を
上げることにより、エリア内の各セルで受信電界強度を
同じにすることが出来る。また、特定の位置に配置され
るセルに対し、送信に用いるビームアンテナの半値角を
絞ることにより、人口密度及び通信端末の使用密度のば
らつきに対応することが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】(請求項1,2に相当)つぎに、
本発明の無線通信システムの実施例について図と共に説
明する。図2は本発明になる第1の実施例の電波の指向
性を説明した図である。この実施例は、前述した成層圏
無線プラットフォームと同様に、図2に示すように、高
度20km程度の成層圏に飛行船21を滞空させ、飛行
船21中には大容量の通信装置、ATM(非同期転送モ
ード)交換機、大容量のATMネットワークに接続され
るサーバー、送信装置を搭載しており、地上局と無線通
信を行う。この無線通信システムは、光ケーブルにより
実現しようとするマルチメディア高度化社会を、無線系
により実現させようとするもので、自由空間を伝送路と
して使用するため、伝送歪みも少なく、静止衛星に比較
して飛行船21が低空に滞空しているため、遅延時間も
少なく、更に実現するための費用が加入者網光化(ファ
イバ・ツウ・ザ・フォーム(FTTH))等に比べて低
廉である等の、従来の無線プラットフォームを用いた無
線通信システムと同様の特長をそのまま有している。
【0008】更に、この実施例では上記の特長に加え、
周波数の有効利用も以下の方法で実現している。ここで
は、使用周波数をサブミリ波、ミリ波帯とし、周波数帯
域としては、800MHz程度を確保している。また、
伝送周波数として47GHz帯を使用する場合、直径1
0cmのパラボラアンテナは指向性として半値角5度を
実現する。このため、このパラボラアンテナを使用した
場合、飛行船21の真下では、図2に示すように、直径
1.7kmのエリア22で通信が出来、飛行船21に対
する仰角が45度の地点(距離は28km)での角度が
5度であるサービスエリア23は、短軸が2.5kmで
長軸が3.5kmの楕円状となる。すなわち、通信に用
いる周波数が共通であっても、異なった複数のセルに存
在する加入者に対してサービスが出来ることになる。す
なわち、この実施例では、飛行船21に複数の指向性の
異なるアンテナを搭載して、地域的に分割して通信を行
うことにより、周波数の有効利用を図るものである。
【0009】図3は飛行船21に搭載されるパラボラア
ンテナアレーが地上に投影する送信波のビームパターン
の配置を示す。ここに示すそれぞれのビームで異なった
加入者に対するサービスを行うが、隣接するビーム同士
は、お互いの干渉を防止するため異なった周波数によっ
て通信を行う必要がある。隣接するセルでは同一の周波
数を使用しないものとし、複数の周波数のセットが必要
となる。例えば、図3中、中心に黒く塗り潰したセル3
1とそれに隣接する6つのセルとではそれぞれ異なる周
波数を利用する。
【0010】つぎに、投影されるセル領域について説明
する。図2で示したように、飛行船21の真下のセルを
中心に周りを囲むようにセルを配置していくものとする
と、飛行船21に対して仰角が大きくなる外側のセルほ
ど、地上に投影されるビームアンテナのセル領域は大き
くなる。その投影されるセルの様子を示したものが図6
である。飛行船の高度をh、飛行船に対する仰角をθ
d、パラボラアンテナの半値角をθsとすると、地上に
投影されるセルは次式、数1で表せる長軸alと数2で
表せる短軸asとを有する楕円形状になる。この投影さ
れるセルの形状を純粋な楕円と見做すと、面積Seは数
3で表すことが出来る。
【0011】
【数1】
【0012】
【数2】
【0013】
【数3】
【0014】また、飛行船真下のセルの面積Scは次
式、数4で表すことが出来る。数3と数4よりScに対
するSeの面積比Srは次式、数5で表すことが出来
る。
【0015】
【数4】
【0016】
【数5】
【0017】数5を用いて計算した、仰角に対するセル
面積の増加の様子を図7に示す。図7では、半値角θs
を15度とし、横軸に飛行船に対する仰角θd 、縦軸に
飛行船真下のセル面積に対する比率Sr = Se/Scを示して
いる。この図から分かるように仰角が大きくなるほど、
地上に投影されるセルの領域は増加していき、仰角45
度の時は、飛行船真下のセルに対し略3倍の面積とな
る。よって、半値角が同じパラボラアンテナを用いる
と、外側に配置されるセルほど、地上に投影されるセル
面積は大きくなるため、各セルに対し同じ伝送容量を割
り当てると、単位面積における伝送容量がセル間で不均
一となってしまう。
【0018】つぎに、この飛行船に対する仰角により生
じるセル面積の増加を考慮した、本発明による第1の実
施例の通信システム(装置)について、図1を用いて以
下に説明する。飛行船に搭載される送信装置は、サービ
スを行うセルの個数に対応して、セルと同等数の送信機
を用いて運用する。図1では、送信機1〜送信機nのn
個の送信機を用いるものとする。送信機nは、デジタル
変調器1n 、D/A変換器2n 、周波数変換器3n 、及
び信号増幅器4n より構成されている。
【0019】各送信機においては、データを入力しデジ
タル変調器11 ,…,1n でデジタル変調を行い、出力
された変調信号をD/A変換器21 ,…,2n によてア
ナログへ変換し、変換されたアナログ信号を周波数変換
器31 ,…,3n により所望の周波数へと変換する。こ
のとき、前述したように、隣接するセル間では、お互い
の干渉を防止するため、異なった周波数によって通信を
行う必要があるので、隣接するセルにおいては周波数変
換器による周波数変換は異なる周波数を用いるものとす
る。所望の周波数に変換された信号は信号増幅器31 ,
…,3n によって信号増幅がなされ、その出力信号はパ
ラボラアンテナへ51 ,…,5n と送られる。
【0020】パラボラアンテナより、地上に投影される
セル面積は外側に配置されるセルほどその面積は大きく
なり、図7から分かるように、一飛行船でカバーするエ
リアについて、飛行船に対するアンテナの仰角を45度
まで許容すると最大で略3倍の面積となる。このことを
考慮し、外側に配置されるセルほど、送信に用いるパラ
ボラアンテナの半値角を絞ることにより、地上に投影さ
れるセル面積を等しくする。半値角を決定する方法は、
飛行船真下のセルの面積を基準とし、そのセルの半値角
をθinitとして数4で示される飛行船真下のセルの面積
Scと、数3で示される対象とする外側に配置されるセ
ルの面積Seが等しくなる時の、対象とするセルの半値
角θsに従うものとし、数6で表される。
【0021】
【数6】
【0022】図8に数6により計算した、セル面積を一
定にする時の仰角に対する半値角を示した。これは、例
えば、飛行船真下のセルの半値角θsを15度とした場
合、外側に配置されるセルの面積が等しくなるための半
値角を示したものが図8であり、横軸は対象とするセル
の仰角を示している。パラボラアンテナは開口直径、焦
点距離、開口角によって形が決定され、焦点におく1次
放射器の指向性によって、アンテナの放射特性諸元が決
まり、半値角は送信に使用する波長とアンテナの直径に
依存するものであり、パラボラアンテナ51 ,…,5n
では、送信されるセルの位置によって、数6に従って半
値角を実現するように設計されるものとする。本発明の
結果、外側に位置する送信に用いるパラボラアンテナの
半値角を絞って送信信号を伝送することにより、全セル
において単位面積における伝送容量を等しくすることが
出来る。
【0023】(請求項3に相当)外側に配置されるセル
ほど地上に投影される面積は大きくなり、図7から分か
るように、一飛行船でカバーするエリアについて、飛行
船に対するアンテナの仰角を45度まで許容すると最大
で約3倍の面積となる。このことを考慮し、外側に配置
されるセルほど、送信に用いるパラボラアンテナの半値
角を絞ることにより、地上に投影されるセル面積を等し
くする。半値角を決定する方法は、飛行船真下のセルの
面積を基準とし、飛行船の高度をh、そのアンテナの半
値角をθinitとして地上に投影されるセルの直径dが数
7で表されるとき、対象とする地上に投影されるセルの
長軸と短軸がそれぞれ、dと等しくなるようにする。つ
まり、長軸alを表す数1と短軸asを表す数2がそれ
ぞれ数7と等しくなるように、al,asにおける半値
角θsを独立に決定する。結果的に、長軸として投影さ
れる飛行船に対して仰角を有する方向の半値角θsl、短
軸として投影される仰角方向とは垂直方向の半値角θss
は数8、数9で表される。
【0024】
【数7】
【0025】
【数8】
【0026】
【数9】
【0027】この数8、数9を満たす半値角と仰角の関
係を図9に示す。この図から分かるように、飛行船に対
する仰角が大きくなるセルほど、仰角を有する方向の半
値角θslが垂直方向の半値角θssよりも小さくなる。言
い換えると、仰角を有する方向の半値角θslを外側に配
置されるセルほど垂直方向の半値角θssより絞ることに
より、地上に投影されるセルの形状は楕円形状ではな
く、円状に投影されることになる。このとき、パラボラ
アンテナは直角方向の半値角を異ならしめるため、仰角
を有する方向の直径が、仰角方向とは垂直方向の直径よ
りも短くなる楕円形状となる。本発明の結果、外側に位
置するセルの送信に用いるパラボラアンテナの半値角を
直角方向で異ならしめて絞って送信信号を伝送すること
により、地上に投影されるセル領域は、飛行船真下のセ
ルと同形状、かつ同面積の円状に投影されることにな
り、全セルにおいて単位面積における伝送容量を等しく
することが出来る。
【0028】(請求項4に相当)本発明による第2の実
施例は、前述した請求項1に対する実施例と同様、成層
圏無線プラットフォームを構築するものであり、高度2
0km程度の気象条件が比較的安定している成層圏に飛
行船を滞空させ、飛行船中には大容量の通信装置、AT
M交換機、大容量のATMネットワークに接続されるサ
ーバ、送信装置を搭載しており、地上局と無線通信を行
うものである。外側に位置するセルほど、送信に用いる
ビームアンテナの半値角を絞ることにより、全セルにお
いて単位面積における伝送容量を等しくする方法につい
ては請求項1、2、3に対する実施例において既に述べ
たので、ここでは、送信電力制御について説明する。図
3に示したセル31を飛行船の真下に位置するセルと
し、一飛行船でカバーするエリアは真下に位置するセル
31を中心に周りを囲むように円状にセルを配置するも
のとすると、飛行船の送信部から各セルまでの距離はセ
ル31への送信のときを最小距離として外側に配置され
るセルほど送信距離は延びていくことになる。
【0029】図4は飛行船送信部から各セルまでの距離
を示したものである。この図はセルの配置を真横からの
断面で示したものである。飛行船21の高度を20km
とし、サービスを行う各セルの直径を5kmとし、一飛
行船でカバーするエリアについて、飛行船に対するアン
テナの仰角を45度まで許容すると、図のように9個の
セルが並ぶことになる。このとき、図4において、飛行
船21の送信部からセル41までの距離d1、セル42
までの距離d2とすると、d1とd2には、√2・d1
=d2の関係がある。つまり、d1に対してd2は1.
4倍の距離を有することになる。通常電波は、自由空間
において伝播距離の2乗に反比例して弱くなる。よって
d1に比較しd2は、10*log10( d1/ d2 )
2 =―3[dB]程度受信電力は低下する。自由空間損失に
より、どの程度受信電力が低下するか、図4の他のセル
について求めた結果を図5に示す。この図は図4のセル
41を基準にして他のセルにおける受信電力の低下を表
わしている。前述のようにセル42では3dB低下して
いる。飛行船21の真下のセル41を中心に外側に配置
されるセルほど受信電力が低下する。
【0030】つぎに、図11を用いてこのセル間の伝送
距離差により生じる受信電力低下を考慮した、本発明に
よる第2の実施の形態である送信装置について説明す
る。飛行船に搭載される送信装置は、サービスを行うセ
ルの個数に対応して、セルと同等数の送信機を用いて運
用する。図11では、送信機1〜nのn個の送信機を用
いるものとする。 各送信機においては、周波数変換器
31 ,…,3n までの動作については請求項1,2の実
施例と同じである。よって、信号増幅器41,…,4n
以降の動作について説明する。周波数変換機31 ,…,
3n により所望の周波数に変換された信号は信号増幅器
41 ,…,4n によって信号増幅がなされパラボラアン
テナ51 ,…,5n に送られる。この信号増幅器41 ,
…,4n においては、セル間での伝送距離差によって生
じる受信電力低下を防止することを目的とし、飛行船の
真下に位置するセルまでの距離をd1、送信しようとす
るセルまでの距離をdnとしたとき、次式、数10で示
される分だけ送信電力を上げて信号増幅するものであ
り、送信電力制御器6によって、数10に従った送信電
力増幅の要求が各信号増幅器に送られる。その結果、外
側に位置するセルほど送信電力を上げて送信されること
になる。受信側から見れば、セルの位置に寄らず一定の
強さの信号を受信することが出来る。
【0031】
【数10】
【0032】(請求項5に相当)本発明による第3の実
施例は、前述した請求項1,2に対する実施例と同様、
成層圏無線プラットフォームを構築するものであり、高
度20km程度の気象条件が比較的安定している成層圏
に飛行船を滞空させ、飛行船中には大容量の通信装置、
ATM交換機、大容量のATMネットワークに接続され
るサーバ、送信装置を搭載しており、地上局と無線通信
を行うものである。一飛行船によりサービスを行うエリ
アを40km四方と想定すると、サービスエリア内のセ
ルにおいては、人口密度の高い地域や通信端末の使用頻
度が高い地域等があり、要求される伝送容量にはばらつ
きがある。
【0033】そのことを考慮した本発明の無線通信シス
テム(装置)の第3の実施例について、図12を用いて
以下に説明する。図12は、図1の第1の実施例と同一
構成要素には同一番号を付し、動作についても同じであ
る。異なる点は、パラボラアンテナ71 ,…,7n であ
る。図1のパラボラアンテナ51 ,…,5n は、配置さ
れるセル位置によって、一意的に半値角を決定するが、
図12の第3の実施例においては、人口密度や通信端末
の使用頻度によって、どの程度の伝送容量を必要とする
かを検討し、要求される伝送容量が高い地域はパラボラ
アンテナの半値角を絞り、その地域に対応するセルの個
数を増加させる。
【0034】図10に、この時の局所的にセル数を増加
させる場合のセル配置を示す。図10(b)は、本発明
の無線通信システムのセル配置の一実施例を示したもの
である。図10(a)は、従来のセル配置を示したもの
である。本発明は、例えば図10(a)に示したセル1
01の地域で、人口密度や通信端末の使用頻度が高い場
合に、図10(b)に示したように、局所的にセルの数
を増加させたセル配置構成にしたものである。このよう
に、セル配置が行えるように半値角を決定し、それを実
現させるため、パラボラアンテナの半値角を絞れるよう
にパラボラアンテナ71 ,…,7n の設計を行う。本発
明により、地域毎に要求伝送容量にばらつきがあったと
しても柔軟に対応出来る。第3の実施例は、第1の実施
例、第2の実施例において混在して使用しても構わな
い。
【0035】
【発明の効果】一機の飛行船がカバーするエリアにおい
て、送信部から各セルへの伝送距離が異なったとき、送
信部からセルまでの距離が遠いほど、ビームアンテナア
レーが地上に投影するセル領域は大きくなり、単位面積
当たりの伝送容量は少なくなるが、外側に配置されるセ
ルほど、送信に用いるビームアンテナの半値角を絞るこ
とにより、サービスエリア内の全てのセルにおいて単位
面積当たり均一な伝送容量でサービスを行うことが可能
となる。さらに、送信部からセルまでの距離が遠いほど
自由空間損失が大きくなり受信電力が弱くなるが、その
時、遠くにあるセルほど、送信電力を高めることによ
り、サービスエリア内で均一な伝送品質でサービスを行
うことが可能となる。また、人口密度の高い地域や通信
端末の使用頻度が高い地域があった場合でも、その特定
のセルに対し、送信に用いるビームアンテナの半値角を
絞ることにより、情報伝送要求に対し十分対応出来、サ
ービスエリア内の全てのセルにおいて均一な伝送容量で
サービスを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無線通信システムの第1の実施例を示
した図である。
【図2】飛行船より発射する電波の指向性を説明する図
である。
【図3】地上に投影された指向性パターンを示す図であ
る。
【図4】飛行船送信部から各セルまでの距離を示した図
である。
【図5】各セルにおける自由空間損失を示す図である。
【図6】地上に投影されるセルの様子を示す図である。
【図7】仰角に対するセルの面積を示す図である。
【図8】セル面積を一定にする時の仰角に対する半値角
を示す図である。
【図9】セル面積を一定にする時の仰角に対する2方向
の半値角を示す図である。
【図10】局所的にセル数を増やす場合のセル配置を示
す図である。
【図11】本発明の無線通信システムの第2の実施例を
示した図である。
【図12】本発明の無線通信システムの第3の実施例を
示した図である。
【符号の説明】
1,…,n 送信機 11 ,…,1n デジタル変調器 21 ,…,2n D/A変換器 31 ,…,3n 周波数変換器 41 ,…,4n 信号増幅器 51 ,…,5n 、71 ,…,7n パラボラアンテナ
(ビームアンテナアレー) 6 送信電力制御器 21 飛行船 22,23、31、41,42 セル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成層圏に滞留する飛行船等の飛翔体から高
    周波数帯でディジタル情報信号を地上へ無線送信する無
    線通信システムにおいて、 複数の小さな領域に電波を送出するアンテナの集合体で
    あるビームアンテナアレーを有し、前記ビームアンテナ
    アレーにより送信される、互いに異なる周波数の信号を
    受信する地上の受信領域である複数のセルからなるエリ
    アを構成し、前記セルの配置は飛翔体の直下のセルを中
    心に周りを囲むように配置されるものであって、前記直
    下のセルに対して外側に配置されるセルほど、前記セル
    の送信に用いるビームアンテナの半値角を絞ることによ
    り送信信号を伝送することを特徴とする無線通信システ
    ム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の無線通信システムにおい
    て、 飛翔体に搭載されるビームアンテナアレーが地上に投影
    する送信波のビームパターンであるセル領域の面積が等
    しくなるように、前記直下のセルに対して外側に配置さ
    れるセルほど、前記セルの送信に用いる前記ビームアン
    テナの半値角を絞ることを特徴とする無線通信システ
    ム。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の無線通信システムにおい
    て、 前記ビームパターンであるセル領域の形状が円状に投影
    されるように、前記ビームアンテナについて、前記飛翔
    体に対し仰角を有する方向の半値角を、前記飛翔体に対
    し前記仰角方向とは垂直方向の半値角よりも絞ることを
    特徴とする無線通信システム。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の無線通信システムにおい
    て、 ビームアンテナアレーにより送信される、互いに異なる
    周波数の信号を受信する地上の受信領域である複数のセ
    ルからなるエリアを構成し、前記セルの配置は飛翔体の
    直下のセルを中心に周りを囲むように配置されるもので
    あって、前記直下のセルに対して外側に配置されるセル
    ほど、送信信号の送信電力を上げることを特徴とする無
    線通信システム。
  5. 【請求項5】成層圏に滞留する飛行船等の飛翔体から高
    周波数帯でディジタル情報信号を地上へ無線送信する無
    線通信システムにおいて、 複数の小さな領域に電波を送出するアンテナの集合体で
    あるビームアンテナアレーを有し、前記ビームアンテナ
    アレーにより送信される、互いに異なる周波数の信号を
    受信する地上の受信領域である複数のセルからなるエリ
    アを構成し、前記セルの配置は飛翔体の直下のセルを中
    心に周りを囲むように配置されるものであって、特定の
    位置に配置されるセルに対し、前記ビームアンテナの半
    値角を絞ることにより送信信号を伝送することを特徴と
    する無線通信システム。
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