JP2000034877A - ノンレール式スライド門扉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 門扉本体の余分な面積又は長さを削減でき、
門扉本体の軽量化を図り、開閉に要する力を軽減する。 【解決手段】 門通路より僅かに大きい幅を有する門扉
本体１２の下枠１４を、上枠１３よりも門扉本体の長手
方向一方側に延長し、前記下枠にその全長に連続する上
下一対の案内壁１４ａ，１４ｂを有し、その下枠の厚み
方向の一方側に開口するコ字形の案内溝１４ｃを、下枠
の厚み方向に隔てて１対形成して下枠レールを構成し、
門通路の一方側に立設された支柱１の至近と、支柱の門
通路と反対側とにおいて、地面に立設した支持具４，４
Ａに取付けられたガイドローラ５，５Ａを下枠レールの
各案内溝１４ｃに転動自在に嵌合し、支柱の上端部に垂
設した前後のガイドローラにより門扉本体の上枠を挟持
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地表上のレールを
用いずに開閉されるノンレール式スライド門扉に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、ノンレール式スライド門扉
は、門扉本体を門通路の一方側又は中間位置などに設置
された門扉支持機構により地面より浮かした状態で支持
し、その門扉本体を長手方向に沿って一方向に移動して
閉鎖し、又は反対方向に移動して開放するようにしたも
のである。そして、門扉支持機構には、門扉本体を地面
より浮かした状態で支持する機能と、門扉本体が所定方
向に移動されるときにこれを案内し、かつ、移動負荷を
軽減する機能とを備えることが要求されるが、従来のノ
ンレール式スライド門扉の大部分の門扉支持機構は、門
塀の裏側に設置された支持フレームの、それぞれ門扉本
体の移動方向前後に隔てた上下の位置に、それぞれ門扉
本体の上枠の上面と下枠の下面に当接して門扉本体を上
下から挟持するようにガイドローラを設けて構成されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、門扉が閉鎖さ
れている状態でも、門扉本体は、その後部が前後の上下
のガイドローラに挟持されている長さを有する必要があ
るので、門扉本体は、門通路を閉鎖する面積のほかに、
前後上下のガイドローラを結ぶ矩形面積よりも大きい面
積を余分に備えている。そのため、材料消費量が多いの
で、価格上昇の原因になっている。また、門扉本体が大
型になり、その全荷重を前後の上下に離間されたガイド
ローラで支持しているので、門扉本体自体が上枠から下
枠まで堅牢な構造を備える必要があるため、門扉本体の
軽量化ができず、重量が非常に大きなものとなり、大型
クレーンなどで上げ下ろしを行うことが必要であるの
で、輸送コスト及び門扉設置コストが高く付くという問
題があった。

【０００４】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、その課題は、門扉本体の余分な面積又は長さ
を可及的に削減でき、かつ、門扉本体の軽量化を図るこ
とができ、輸送・設置コストの低減、及び開閉に要する
力の軽減を図ることができるようにすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明によるノンレール式スライド門扉は、門通路
の幅より僅かに大きい幅を有する門扉本体の下枠を、前
記門扉本体の上枠よりも前記門扉本体の長手方向一方側
に延長し、前記下枠に、その長手方向全長に連続する上
下一対の案内壁を有し、かつ、その下枠の厚み方向の一
方側に開口するコ字形の案内溝を、その下枠の厚み方向
に隔てて１対形成して、下枠レールを構成し、前記門通
路の一方側に立設された支柱の一側面至近と、前記支柱
に関して前記門通路と反対側とにおいて、地面に立設し
た支持具に取付けられたガイドローラを前記下枠レール
の各案内溝に転動自在に嵌合し、前記支柱の上端部の一
側面側に垂設した前後の振れ止めローラにより前記門扉
本体の上枠を前後面から挟持したことを特徴としてい
る。上記構成により、門扉本体の荷重は、支柱至近の地
面に立設した支持具に取付けられたガイドローラと、支
柱に関して門通路と反対側において地面に立設した支持
具に取付けられたガイドローラとが、門扉本体の下枠の
長手方向に連続する案内溝に嵌合することにより、門扉
本体の荷重は下枠でのみ支持される。従って、下枠が堅
牢であれば、それ以外の部分は剛性が要求されないの
で、門扉本体の軽量化を図ることができる。上枠を案内
する振れ止めローラは、門扉本体の強風などによる振れ
を止めるだけの機能を備えれば良い。

【０００６】各支持具の左右に前後一対のガイドローラ
が設けられ、各対のガイドローラの間に、下枠の案内溝
の縦壁に転動自在に当接する振れ止めローラが設けられ
ていることが望ましい。このようにした場合は、門扉本
体が前後に変位したときにガイドローラが案内溝の縦壁
に当接して摩擦が増大したり、ガイトローラと縦壁との
接触による騒音発生が防止される。

【０００７】

【発明の実施の形態】続いて、本発明の実施の形態につ
いて、図面に基づいて説明する。図１は本発明によるノ
ンレール式スライド門扉の閉鎖状態の一部断面正面図、
図２は同ノンレール式スライド門扉の平面図、図３は同
ノンレール式スライド門扉の開放状態の一部断面正面
図、図４は図１のＡ−Ａ線断面図、図５は図４の円Ｂ部
の拡大断面図、図６は図５のＣ−Ｃ線断面図、図７は図
６のほぼＤ−Ｄ線に沿った断面図である。

【０００８】図１において、Ｐは門通路であり、その門
通路の一方側の地面に支柱１が立設されている。この支
柱１の裏面｛門通路Ｐの通行方向に沿った敷地内側の面
（図１では紙面裏側の面）｝の上端部に、その裏面方向
に突出するブラケット２が固着され、そのブラケットに
前後（門通路の通行方向において前後）１対又は２対の
振れ止めローラ３が回転自在に垂設されている。この一
対の振れ止めローラ３の間には後述される門扉本体１２
の上枠１３の厚みとほぼ等しい間隙が形成され、その間
隙は下方及び門通路Ｐに直角な方向に開放されている。

【０００９】また、支柱１の振れ止めローラ３の下方に
おける地面に、支持具４が立設され、その支持具に少な
くとも前後１対の、好ましくは、図示の例のように、２
対のガイドローラ５が回転自在に支持されている。ま
た、好ましくは、前後のガイドローラの中間位置に、１
個の振れ止めローラ６が回転自在に支持されている。さ
らに詳述すると、支持具４は、平板状のベース部４ａ
と、そのベース部から起立するステム部４ｂと、ステム
部の上端部から左右方向の一方又は双方に延びるアーム
部４ｃとを一体に有している。ベース部４ａは、等間隔
の位置にボルト挿通孔が設けられている。そして、支柱
１を立設する際に打設したコンクリート基礎７に下部を
埋設したアンカーボルト８をベース部４ａの孔に挿通し
て、ナット９を締め付けることにより、支持具４が堅固
に取り付けられている。支持具４の各アーム部４ｃは、
その端部に形成されたボス４ｄに水平軸１０が圧入さ
れ、その水平軸の前後に、ガイドローラ５が回転自在に
保持されている。また、ステム部４ｂの中央上端部に圧
入された垂直軸１１に振れ止めローラ６が回転自在に取
付けられている。なお、好ましくは、ガイドローラ５、
振れ止めローラ６の外周には、騒音防止、防錆のため、
硬質ウレタンによるライニングが施されている。

【００１０】支柱１を立設するためのコンクリート基礎
７は、支柱１に関して門通路Ｐと反対方向に所定距離ま
で延設されており、その基礎の前記支柱至近に設けられ
た支持具４から所定距離の位置にも、前記支持具４と同
様の支持具４Ａが立設され、かつ、前記ガイドローラ５
及び振れ止めローラ６と同様のガイドローラ５Ａ及び振
れ止めローラ６Ａが取付けられている。そして、両支持
具の前後各対のガイドローラ５の内、前側のガイドロー
ラ（５ｓ）及び後側のガイドローラ（５ｂ）は、それぞ
れ門通路を横断する方向の平行な２本の直線上に整列さ
れており、かつ、各ガイドローラの軸１０はすべて共通
な一つの水平面上に設けられている。

【００１１】以上が、本発明によるノンレール式スライ
ド門扉の地上側の構成要素である。もちろん、必要によ
り、支柱１の表側には、周知のように門塀（不図示）我
設置される場合があり、また、門通路ｐの支柱１と反対
側（図１の右側）には、門柱又は門塀（いずれも不図
示）が設置される。

【００１２】続いて、門扉本体１２の構成について説明
する。門扉本体１２は、門扉により閉鎖される門通路Ｐ
の幅に支柱１の幅を加えた長さを有する上枠１３と、上
枠の長さに左右に支持具４，４Ａ間の距離よりも僅かに
大きな長さを加えた長さを有する下枠１４とを有し、ま
た、上枠１２の長手方向両端部、又は、その両端部と中
間部から下枠１４まで垂直に延びる複数本の縦枠１５
ａ，１５ｂ，１５ｃとを有し、上枠１３、下枠１４を各
縦枠１５ａ，１５ｂ，１５ｃで結合して構成されてい
る。上枠１３と下枠１４の間は、図示の例のように、上
下の桟の間に格子を接続してなる格子体１６、又は多孔
金属板、金属ネット、その他任意の境界面形成部材を装
着しても良い。門扉本体１２の先端の縦枠１５ａの端面
には、閉鎖時の門柱に対する衝撃の緩和と怪我防止のた
めのクッションゴム１７が装着されている。

【００１３】しかし、下枠１４は、本発明に従い、図５
に明示されているように、下枠１４の長手方向全長に連
続する上下一対の案内壁１４ａ，１４ｂを有し、かつ、
その下枠の厚み方向の一方側に開口するコ字形の案内溝
１４ｃを、その下枠の厚み方向に隔てて１対形成して、
下枠レールを構成している。この下枠レールは、後述さ
れるように、ガイドローラ５，５Ａを嵌合して、ガイド
ローラに沿って移動して門扉の開閉を行うものであり、
門扉本体１２の全荷重を全ガイドローラ５，５Ａを介し
て支持するものであるので、所要の強度を備えるため、
金属形材で形成されている。また、図示の例では、門扉
本体の、とくに下枠１４の外観を向上させるため、上下
一対の案内壁１４ａ，１４ｂが下枠の前後両縦壁１４ｄ
の対向する面に形成されて、案内溝１４ｃは、互いに対
向して開口するように形成されている。これに合わせ
て、上記ガイドローラ５も、支持具４のアーム部４ｃの
前後両側に取付けた構成とされている。さらに、上下一
対の案内壁１４ａ，１４ｂの間隔は、ガイドローラ５の
直径よりも僅かに大きく設定されており、また、前後両
縦壁１４ｄ間の距離は、振れ止めローラ６の直径よりも
僅かに大きく設定されている。そして、下枠１４は、下
面に開放された樋状に形成されている。

【００１４】上記構成により、門扉本体１２を取付ける
際は、下枠１４の延長された側の長手方向一端部の中空
部を左右の支持具４，４Ａのガイドローラ５，５Ａに対
応させ、それらの左右のガイドローラを順次、前後一対
の案内溝１４ｃに挿入し、かつ、振れ止めローラ６を下
枠の両縦壁１４ｄの間に挿入する。また、門扉取付け時
に、門扉本体１２を図１において左方向に移動する際
に、上枠１３を支柱１に取付けてある前後の振れ止めロ
ーラ３の間に挿入する。なお、図１，３における１８
は、下端部を下枠１４の延長側端部に、上端部を縦枠１
５ｃの上端部に接続した補強用斜め枠である。斜め枠１
８の上端部は、上枠１３の同一側端部に接続しても良
い。

【００１５】本発明においては、剛性を備えて十分な強
度を備えた下枠１４の案内溝１４ｃに左右に離間された
地上のガイドローラ５，５Ａを転動自在に嵌合して、門
扉本体の全荷重をそれらのガイドローラ５，５Ａで支持
するので、十分な支持強度が得られる。従って、下枠１
４を除くほかの構成要素は、可及的に軽量に構成するこ
とができる。従って、また、上部の振れ止めローラ３
は、単に門扉本体の軽い上部の前後方向の振れを止める
だけで良く、門扉本体の荷重を支える必要はない。ま
た、門扉本体の重量が小さくなれば、斜め枠１８による
補強が不要になる場合もあり得る。

【００１６】上記のような門扉の支持構造により、門扉
を閉鎖している状態では、図１に示すように、門扉本体
１２の後端部の下枠１４が左右の前後２対ずつのガイド
ローラ５，５Ａにより、門扉本体１２が片持ち梁状に支
持されている。この場合、図１の左側のガイドローラ５
Ａは、下枠１４の下側の案内壁１４ｂに当接し、右側の
ガイドローラ５は、逆に下枠１４の上側の案内壁１４ａ
に当接して、門扉本体の荷重を支えている。そして、上
枠１３の後端部が振れ止めローラ３により前後方向に遊
動しないように保持されている。

【００１７】この閉鎖位置にある門扉本体１２に開放方
向の力を加えると、下枠１４に嵌合している各ガイドロ
ーラ５，５Ａが回転するので、門扉を軽快に開放するこ
とができる。その間、上下の振れ止めローラ３，６が回
転しながら、上枠１３と下枠１４の前後方向の振れを防
止するので、門扉本体は摩擦抵抗を受けることなく、か
つ、金属的接触音を発生することなく、図３に示すよう
に、開放位置まで静に移動する。そして、門扉本体１２
が開放位置に存する場合は、閉鎖時とは逆に、図３の左
側のガイドローラ５Ａは、下枠１４の上側の案内壁１４
ａに当接し、右側のガイドローラ５は、下枠１４の下側
の案内壁１４ｂに当接して、門扉の荷重を支えている。

【００１８】このようにして、門閉鎖、開放のいずれの
時も、門扉本体の全荷重はその底部において左右のガイ
ドローラ５，５Ａにより支持されているので、門扉は地
表面から浮いた状態でも、安定して支持されている。従
って、軽量化、高安定により門扉を小さな力で開閉する
ことができる。

【００１９】

【発明の効果】上述したように、本発明によれば、門扉
本体の荷重を地表面至近に設けた門扉の長手方向に隔て
たガイドローラと下枠により支持するようにしたので、
下枠の支持強度を格段に大きくすることができ、従っ
て、門扉本体の軽量化を図ることが可能であり、閉鎖状
態の門扉本体を支持するために余分に延長する量を最小
限にすることができ、材料消費量の削減、門扉本体の輸
送コスト及び設置コストの低減を図ることができる。ま
た、門扉本体の軽量化と高安定支持により、小さな力で
門扉の開閉を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるノンレール式スライド門扉の閉鎖
状態の一部断面正面図。

【図２】同ノンレール式スライド門扉の平面図。

【図３】同ノンレール式スライド門扉の開放状態の一部
断面正面図。

【図４】図１のＡ−Ａ線断面図。

【図５】図４の円Ｂ部の拡大断面図。

【図６】図５のＣ−Ｃ線断面図。

【図７】図６のほぼＤ−Ｄ線に沿った断面図。

【符号の説明】

１ 支柱 ３ 振れ止めローラ ４，４Ａ 支持具 ５，５Ａ ガイドローラ ６ 振れ止めローラ １２ 門扉本体 １３ 上枠 １４ 下枠 １５ａ〜１５ｃ 縦枠 １８ 斜め枠

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 門通路の幅より僅かに大きい幅を有する
   門扉本体の下枠を、前記門扉本体の上枠よりも前記門扉
   本体の長手方向一方側に延長し、前記下枠に、その長手
   方向全長に連続する上下一対の案内壁を有し、かつ、そ
   の下枠の厚み方向の一方側に開口するコ字形の案内溝
   を、その下枠の厚み方向に隔てて１対形成して、下枠レ
   ールを構成し、 前記門通路の一方側に立設された支柱の一側面至近と、
   前記支柱に関して前記門通路と反対側とにおいて、地面
   に立設した支持具に取付けられたガイドローラを前記下
   枠レールの各案内溝に転動自在に嵌合し、 前記支柱の上端部の一側面側に垂設した前後の振れ止め
   ローラにより前記門扉本体の上枠を挟持したことを特徴
   とするノンレール式スライド門扉。
2. 【請求項２】 各支持具には左右に前後一対のガイドロ
   ーラが設けられ、各対のガイドローラの間に、下枠の案
   内溝の縦壁に転動自在に当接する振れ止めローラが設け
   られていることを特徴とする請求項１に記載されたノン
   レール式スライド門扉。