JP2000034678A - 部分親水性シートの製造方法 - Google Patents

部分親水性シートの製造方法

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JP2000034678A
JP2000034678A JP20093498A JP20093498A JP2000034678A JP 2000034678 A JP2000034678 A JP 2000034678A JP 20093498 A JP20093498 A JP 20093498A JP 20093498 A JP20093498 A JP 20093498A JP 2000034678 A JP2000034678 A JP 2000034678A
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hydrophilic
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pattern
porous sheet
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Kayoko Nanjo
佳代子 南條
Shinichi Osada
慎一 長田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚手の親水性多孔質シートの全層が任意のパ
ターンで親水性部分と疎水性部分とに区画された部分親
水性シートの生産性に優れた製造方法を提供する。 【解決手段】 部分親水性シートの製造方法を下記の
〜を含む工程で構成する。親水性多孔質シートに疎
水性樹脂を主とする塗布液を、所定のストローク毎に所
定量の塗布液を版上に供給する装置を備えたシルクスク
リーン印刷機により、所定のストローク毎に消費された
量の塗布液を補給しながら、所定の塗布量でパターン状
に塗布する工程。前記パターン状に塗布された塗布液
の塗布面を加圧して、該塗布液をパターン状のまま親水
性多孔質シートの全層に浸透させる工程。前記親水性
多孔質シートの全層に浸透された塗布液を熱風乾燥して
親水性多孔質シートに固着させる工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分親水性シート
の製造方法に関し、更に詳しくは、部分親水性シートの
基材に厚手の親水性多孔質シートを用い、その一方の面
に疎水性樹脂を主とする塗布液をパターン状に塗布し、
且つ、その塗布液を親水性多孔質シートの厚さ方向の全
層に浸透させ、固着させてパターン状の疎水性部分を形
成し、親水性多孔質シートの全層が、パターン状の親水
性部分と疎水性部分とに区画され、所謂こんにゃく版な
どに代わる簡易型の印刷用版材や、傷口などに用いる消
毒ガーゼなどを兼ねた粘着シートの部材などの特殊な用
途に好適に使用できる部分親水性シートの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、不織布や、厚紙などの多孔質シー
トの表面に、例えば平版印刷などで疎水性インキを用い
て絵柄などの印刷を行い、簡易タイプの札入れや、各種
ケース類などを製造することは行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、不織布や厚紙
などの厚手の親水性多孔質シートに、疎水性の樹脂を主
とする塗布液を用いて印刷方式で種々のパターンや絵柄
状に塗布し、疎水性部分を形成した場合、疎水性樹脂の
塗布液は親水性多孔質シートの表面の一部の層に留ま
り、厚さ方向の全層に浸透することはなく、疎水性を付
与できる層も表面の一部の層に限られるものであった。
【0004】従って、このような方法で親水性部分と疎
水性部分とを形成した部分親水性シートは、前記したよ
うなこんにゃく版などに代わる簡易型の印刷用版材や、
消毒ガーゼなどを兼ねた粘着シートの部材などのよう
に、多孔質シートの全層が所定のパターンや絵柄状など
で、親水性部分と疎水性部分とに分かれていることが望
まれるような用途には使用することができなかった。
【0005】即ち、このような部分親水性多孔質シート
を簡易型の印刷用版材として用いた場合、仮に、パター
ン状に疎水性部分を形成した面から水性インキなどを塗
布して供給すると、親水性部分から浸透したインキは、
直ぐに親水性多孔質シートの疎水性化されていない横方
向(水平方向)の部分にも広がり、パターンを維持する
ことができず、また、疎水性部分を設けた面の反対側の
面からインキを供給しても、全面が親水性であるため水
性インキが全面に付着しパターンの位置が判別できなく
なるなど使用適性が不良であった。
【0006】また、消毒ガーゼなどを兼ねた粘着シート
の部材に用いた場合でも同様に、消毒用の薬液が横方向
に広がることによる薬剤のロスがあり、また、場合によ
っては粘着剤の剥がれや粘着力の低下を招くなどの問題
があった。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的とするところは、
不織布や厚紙など、厚手の多孔質シートの全層が、所望
のパターンで親水性部分と疎水性部分とに区画された部
分親水性シートであって、簡易タイプの印刷用版材や、
消毒ガーゼなどを兼ねた粘着シートの部材など、特殊な
用途に好適に使用できる部分親水性シートを容易に製造
できるの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明により達成することができる。即ち、請求項1に記
載した発明は、親水性多孔質シートに疎水性樹脂を主と
する塗布液をパターン状に塗布し、該塗布液を親水性多
孔質シートの厚さ方向の全層に浸透させ、固着させるこ
とにより、親水性多孔質シートの全層にパターン状の親
水性部分と疎水性部分とを形成する部分親水性シートの
製造方法であって、下記(1)〜(3)の工程を含むこ
とを特徴とする部分親水性シートの製造方法からなる。 (1)親水性多孔質シートに疎水性樹脂を主とする塗布
液を、所定のストローク毎に所定量の塗布液を版上に供
給する装置を備えたシルクスクリーン印刷機により、所
定の塗布量でパターン状に塗布する工程。 (2)親水性多孔質シートにパターン状に塗布された塗
布液の塗布面を加圧して、該塗布液を親水性多孔質シー
トの厚さ方向の全層に浸透させる工程。 (3)親水性多孔質シートにパターン状に塗布され、該
シートの厚さ方向の全層に浸透された塗布液を熱風乾燥
して親水性多孔質シートに固着させる工程。
【0009】このような製造方法を採ることにより、先
ず、部分親水性シートの基材に親水性多孔質シートを用
いているので、その親水性部分は基材自体で形成され、
新たな加工を行う必要がない。従って、親水性多孔質シ
ートに疎水性樹脂を主とする塗布液をパターン状に塗布
し、これを親水性多孔質シートの全層に浸透させ、固着
させて疎水性部分を形成するだけで、全層がパターン状
の親水性部分と疎水性部分とに区画された部分親水性シ
ートを製造することができ、生産性、経済性を向上させ
ることができる。
【0010】また、親水性多孔質シートに疎水性樹脂を
主とする塗布液を所定の塗布量でパターン状に塗布する
方法として、所定のストローク毎に所定量の塗布液を版
上に供給できる装置を備えたシルクスクリーン印刷機を
用いているので、通常の印刷の場合と比較して、大量の
塗布液を塗布する場合でも、版上の塗布液の量を安定化
させることができるため、安定した塗布量で塗布液をパ
ターン状に塗布することができる。
【0011】そして、前記パターン状に塗布された塗布
液を、親水性多孔質シートの厚さ方向の全層に浸透させ
るために、塗布面を加圧している。加圧の方法は、特に
限定はされないが、平板またはロールなどによる機械的
な加圧が、圧力の調整は必要であるが、装置も簡単で、
比較的厚手の親水性多孔質シートでも略瞬間的に塗布液
を全層に浸透させることができ、生産性を向上させるこ
とがでる。
【0012】次に、親水性多孔質シートにパターン状に
塗布され、且つ、全層に渡るように浸透された疎水性樹
脂を主とする塗布液は、熱風乾燥により、親水性多孔質
シートに固着され、パターン状の疎水性部分を形成す
る。このようにして、多孔質シートの全層がパターン状
の親水性部分と疎水性部分とに区画された部分親水性シ
ートを生産性よく製造することができる。
【0013】このような部分親水性シートは、例えば、
その表面に、水性のインキや、消毒液などを塗布などに
より供給した場合、パターン状の親水性部分にのみ浸透
し、疎水性部分に広がることがないので、簡易型の印刷
用版材や、消毒ガーゼなどを兼ねた傷口用粘着シートの
部材などの用途に好適に使用できるものである。
【0014】請求項2に記載した発明は、前記疎水性樹
脂を主とする塗布液をパターン状に塗布する際、1スト
ローク毎に所定量の塗布液を版上に補給することを特徴
とする請求項1記載の部分親水性シートの製造方法から
なる。
【0015】本発明において、親水性多孔質シートとし
て、例えば、厚さが0.8〜1.4mmの親水性不織布
を用いた場合、その全層を確実に疎水性化させるために
は、疎水性樹脂を主とする塗布液を乾燥時の塗布量とし
て、1m2 当たり換算値で63〜95g/m2 (固形
分)となるように塗布する必要がある。
【0016】実際に、シルクスクリーン印刷機(枚葉機
の場合)で親水性多孔質シートに塗布される塗布液の重
量は、使用する親水性多孔質シートの厚さおよび寸法と
その画線部の面積、そして、塗布液の固形分濃度により
異なるが、通常の印刷で1ストローク当たりに使用され
るインキ重量と比較すると、本発明の場合、かなり大量
の塗布液を使用することになり、版上に滞留される塗布
液の重量変化が大きくなる。この版上に滞留される塗布
液の量は塗布量に影響し、版上に滞留される塗布液の量
が少なくなると塗布量も減少する傾向がある。この点か
ら本発明の部分親水性シートの製造方法では、前記塗布
液の塗布量をできるだけ一定にするため、1ストローク
毎に塗布液をその消費量だけ補給することが好ましい。
【0017】従って、前記のような製造方法を採ること
により、疎水性部分に塗布する塗布液の量を所要の量に
安定化させることができ、安定した性能の部分親水性シ
ートを製造することができる。
【0018】また、請求項3に記載した発明は、前記パ
ターン状に塗布された塗布液の塗布面の加圧が、ロール
プレス方式による加圧であることを特徴とする請求項1
または2に記載の部分親水性シートの製造方法である。
【0019】このような製造方法を採ることにより、加
圧装置をコンパクトで安価にすることができ、且つ、ロ
ール間のクリアランスと回転速度の調整だけで、安定し
た圧力で加圧し、塗布液を浸透させることができるた
め、安定した性能の部分親水性シートを生産性よく製造
することができる。
【0020】そして、請求項4に記載した発明は、前記
塗布液の塗布面を加圧する際、塗布面には塗布液の非吸
収性フィルムを重ね、塗布面の反対側の面には塗布液の
吸収性材料を重ねて加圧することを特徴とする請求項1
乃至3のいずれかに記載の部分親水性シートの製造方法
である。
【0021】このような製造方法を採ることにより、親
水性多孔質シートにパターン状に塗布された塗布液は、
加圧により塗布面の反対側の面に向かって押し込まれる
ように浸透し、反対側の面に達した過剰の塗布液は、そ
こに重ね合わされた塗布液の吸収性材料に吸収されるた
め、過剰の圧が加えられた場合でも、横方向(水平方
向)に広がることはなく、塗布面のパターンを維持しな
がら確実に塗布液を全層に浸透させ、疎水性部分を形成
することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の部分親水性シー
トの製造方法の実施の形態について説明する。本発明に
おいて、部分親水性シートの基材に用いる親水性多孔質
シートとしては、親水性または吸水性を有する不織布、
紙などの多孔質シートを用いることができ、その材質お
よび厚さなどについては用途に応じて適宜選定すること
ができる。
【0023】不織布を用いる場合、その材質は特に限定
はされないが、親水性、水分浸透性を有することが好ま
しく、この点からレーヨン、綿、ポリビニルアルコール
系繊維、ポリアクリル酸ソーダ系繊維などのほか、表面
に親水性処理が施された繊維、ガラス繊維など、親水性
ないし濡れのよい繊維を用いたものが好ましい。これら
を単独で用いた不織布でもよいが、他の非親水性の繊維
など複数の繊維を混合して用いた不織布であってもよ
い。
【0024】また、紙を用いる場合は、一般の紙のよう
にサイズ処理を施したものや、コート層を設けたものは
必要でなく、むしろフィルターペーパーなどのようにピ
ュアーで親水性、水分浸透性に優れた紙が好ましい。以
上のような親水性多孔質シート、即ち、親水性を有する
不織布または紙などの厚さは、特に限定はされないが、
先に説明したように用途として、ある程度の水分保持性
や剛性が必要とされる場合、例えば、簡易型の印刷用版
材などに用いる場合は、0.8〜1.4mm程度とする
ことが好ましい。
【0025】親水性多孔質シートの厚さが0.8mm未
満の場合は、剛性および水分保持量が不足傾向となり、
また、厚さが1.4mmを超える場合は、既に充分な厚
さがあり、剛性や水分保持性も充分であるため、その必
要性がなく、むしろ疎水性部分を形成する際の疎水性樹
脂を主とする塗布液の使用量も増加して無駄が多く、生
産性も低下するため好ましくない。
【0026】次に、前記親水性多孔質シートにパターン
状の疎水性部分を形成するために用いる疎水性樹脂を主
とする塗布液は、疎水性樹脂を主体とし、これに必要に
応じて、着色剤や、無機質、有機質の充填剤、そして、
フッ素系樹脂、シリコーンなどの撥水剤などを適宜添加
し、適当な有機溶剤などで溶解または分散して構成する
ことができる。
【0027】上記疎水性樹脂の具体例としては、ポリウ
レタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素化ポリエ
チレン、その他ゴム変性物などが挙げられ、特に水溶性
の樹脂とか吸湿性の高い樹脂でない限り、従来、インキ
のバインダーなどに使用されている公知の樹脂はいずれ
も使用することができる。これらの樹脂は、それぞれ単
独で用いてもよく、また、二種以上を適宜混合して用い
ることもできる。
【0028】このような疎水性樹脂を主とする塗布液
を、親水性多孔質シートにパターン状に塗布し、浸透さ
せ、固着させるためには、印刷手段などでパターン状に
塗布し、次いで、塗布面側からの圧空及び/又は背面側
からの真空操作を行うか、或いは、機械的な加圧などに
より塗布液を裏面まで浸透させ、その後、熱風乾燥して
固着させることができる。
【0029】只、親水性多孔質シートの厚さが0.8〜
1.4mmのように厚い場合、その塗布パターンの全層
を疎水性化するためには、固形分で63〜95g/m2
に相当する疎水性樹脂を主とする塗布液を塗布する必要
があり、このような大塗布量の塗布を行う印刷手段とし
ては、シルクスクリーン印刷方式が適しており、更に、
塗布量のバラツキを小さくし、安定した塗布量で印刷す
るためには、例えば印刷の1ストローク毎に消費される
塗布液をその都度補給できる塗布液供給装置を付けたシ
ルクスクリーン印刷機を用いることが好ましい。
【0030】このようなシルクスクリーン印刷機を用い
た場合でも、親水性多孔質シートの厚さによっては、1
回の印刷ではシートの全層に浸透させ得るだけの塗布量
を塗布しきれない場合もあり、そのような場合には同一
パターンで複数回、塗布液を刷り重ねて必要な塗布量を
得るようにしてもよい。
【0031】そして、所望のパターンで疎水性樹脂を主
とする塗布液を必要量だけ印刷した親水性多孔質シート
は、例えば、その上から印刷面に圧力を加えることによ
り、塗布液が、シートの裏面にまで浸透してパターン状
にシートの全層に行き渡り、次いで、これを熱風乾燥す
ることにより、疎水性樹脂組成物が親水性多孔質シート
に固着され、パターン状の疎水性部分が形成される。こ
のようにして、疎水性樹脂を主とする塗布液のパターン
状の塗布部の全層が疎水性部分となり、非塗布部の全層
が親水性部分となる部分親水性シートを製造することが
できる。
【0032】
【実施例】以下に、図面、および実施例を挙げて、本発
明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの
図面、実施例に限定されるものではない。図1は、本発
明の部分親水性シートの製造方法に用いる塗布液供給装
置を備えたシルクスクリーン印刷機の要部の概略図であ
る。図2は、本発明の部分親水性シートの製造方法に用
いる加圧装置を説明する要部の概略図である。
【0033】図1に示したシルクスクリーン印刷機は、
その本体部分は従来公知のシルクスクリーン印刷機と同
じであり、特に、所定の印刷ストローク毎に、塗布液を
その消費量だけ供給できる塗布液定量供給装置を付けた
点で異なるものである。即ち、シルクスクリーン印刷機
本体の要部は、バキューム印刷台1と、その上に配置さ
れる版2、そして、版上に供給された塗布液9をワーク
10a (親水性多孔質シート)にパターン状に塗布する
ためのスキージ3および塗布液戻しブレード4とで構成
される。
【0034】そして、これに付設される塗布液定量供給
装置は、塗布液タンク8と、これに連結される塗布液定
量供給ポンプ7と、そこからフレキシブルチューブ6で
連結され、スキージ3と塗布液戻しブレード4との間に
配置され、これらと連動して動く塗布液供給ノズル5と
で構成されている。上記塗布液定量供給ポンプ7は、低
粘度から比較的高粘度の液体を定量で移送できるもので
あればよく、例えば、公知のモーノポンプのほか、カー
トリッジチューブポンプ、FMI定量ポンプなどを使用
でき、これらの中から適宜選択して使用することができ
る。
【0035】このような塗布液定量供給ポンプ7は、例
えば、スキージのストロークを検知して作動させること
により、1ストローク毎でも複数のストローク毎でも、
任意のストローク数毎に作動させ、所定量の塗布液を版
上に供給することができる。従って、このようなシルク
スクリーン印刷機を用いることにより、疎水性樹脂を主
とする塗布液9を、バラツキの少ない安定した塗布量で
パターン状に塗布することができるので、一層安定した
性能の部分親水性シートを製造することができる。
【0036】図2に示した加圧装置は、ロールプレス方
式で、手差しによる半自動タイプの加圧装置であり、疎
水性樹脂を主とする塗布液をパターン状に塗布した親水
性多孔質シートの塗布面を加圧し、その塗布液をパター
ンを維持したまま、シートの全層に浸透させるために用
いるものである。この加圧装置の主要部分は、加圧前の
ワーク10b 、即ち、前記塗布液がパターン状に塗布さ
れた親水性多孔質シートを加圧部に挿入するためのワー
ク供給台11と、両者のクリアランスおよびニップ圧の
調節が可能な加圧ロール12と受けロール13とで構成
される加圧部と、加圧後のワーク10c をスノコ取り部
(図示せず)に搬送する搬送コンベヤ18とで構成され
る。
【0037】そして、これに補助装置として、加圧ロー
ル12側には、ワーク10b が加圧された際、ワーク1
0b の上面に塗布されている塗布液が加圧ロール12面
に付着するのを防止し、且つ、塗布液を効果的にワーク
10b の下方向に浸透させるための塗布液非吸収性フィ
ルムを、加圧ロール12面を通るように供給し、そし
て、それを巻き上げるための塗布液非吸収性フィルムロ
ール14のアンワインダーと巻き上げロール15に巻き
上げるリワインダーとを設け、また、受けロール13側
には、ワーク10b に塗布された塗布液が加圧により浸
透され、ワーク10b の背面に達した時、過剰の塗布液
を吸収させ、ワーク10b の横方向に広がるのを防止
し、且つ、受けロール13の表面に付着するのを防止す
るための塗布液吸収性材料を、受けロール13面を通る
ように供給し、且つ、それを巻き上げるための塗布液吸
収性材料ロール16のアンワインダーと巻き上げロール
17に巻き上げるリワインダーとを設けて構成したもの
である。
【0038】上記塗布液非吸収性フィルムには、例えば
2軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを用いることがで
き、また、塗布液吸収性材料には、吸い取り紙やワイパ
ー用の紙などのように吸収性のよい紙を好適に用いるこ
とができる。そして、このような加圧装置を用いること
により、加圧前のワーク10b 、即ち、疎水性樹脂を主
とする塗布液がパターン状に塗布された親水性多孔質シ
ートをワーク供給台11に乗せ、加圧ロール12と受け
ロール13とを同じ表面速度で回転させ、また、これに
合わせて、塗布液非吸収性フィルムと塗布液吸収性材料
とを走行させながら、ワーク10b を加圧ロール12と
受けロール13との間を通して加圧することにより、容
易に親水性多孔質シートにパターン状に塗布された塗布
液が、そのパターンを維持したまま全層に浸透され、塗
布液がパターン状に浸透された親水性多孔質シート、即
ち、加圧後のワーク10c が得られ、それが搬送コンベ
ヤ上に排出される。
【0039】従って、その後は、これをスノコ取りし、
熱風乾燥することにより、塗布液の疎水性樹脂を主とす
る組成物が親水性多孔質シートの全層にパターン状に固
着され、本発明の部分親水性シートを容易に製造するこ
とができる。
【0040】〔実施例1〕親水性多孔質シートとして、
厚さ1.1mm、目付け量200g/m2 の不織布〔吸
水性シートA−200 クラレ(株)製〕を用い、その
一方の面に、図1で説明したような塗布液供給装置を付
加したシルクスクリーン印刷機を用いて、画線部が縦、
横、各30mm幅の格子状のパターンで、格子間隔が
縦、横、各20mmのパターンの版、即ち、画線部の中
に縦横各20mmの正方形の非画線部が前後左右に各3
0mmの間隔を開けて配列されたパターンの版(版面の
寸法は、幅390mm、長さ260mmで、ステンレス
スクリーン、線数70メッシュ、ダブルメッシュ、レジ
ストの厚さ50μm)を使用し、また、疎水性樹脂を主
とする塗布液としては、セリコール13メジウム(アク
リル系樹脂)〔帝国インキ製造(株)製〕80重量部
と、パーフロロアルキル基を有するグラフト共重合アク
リル樹脂の7.5重量%トルエン・メチルエチルケトン
溶液であるくし型ポリマーLFB−4015〔綜研化学
(株)製〕10重量部、それにセリコールG−002溶
剤〔帝国インキ製造(株)製〕10重量部からなる塗布
液を用いて、パターン状に塗布し、次いで、図2に示し
た構成のロールプレス機で加圧して、塗布液をパターン
状に不織布の全層に浸透させた後、80℃で30分間熱
風乾燥して塗布液を固着させてパターン状の疎水性部分
を形成し、乾燥時の塗布量が75g/m2 となる実施例
1の部分親水性シートを作製した。
【0041】尚、前記シルクスクリーン印刷機による塗
布液のパターン状の塗布に際しては、スキージの1スト
ローク毎に、消費される量の塗布液を版上に補給するよ
うにして塗布した。このような方法で塗布液を塗布する
ことにより、従来のように目視により版上の塗布液の減
量をチェックして、塗布液を適宜補給する方法を採った
場合、塗布量のバラツキが10%程度生じていたのに対
して、0.2%以下にすることができ、安定した性能の
部分親水性シートを容易に製造できるようになった。
【0042】(評価)以上のように作製した実施例1の
部分親水性シートを試料として、赤色の水性インキをそ
の表面に塗布したところ、パターン状の疎水性部分で
は、はじかれて浸透せず、パターン状の親水性部分にの
み浸透して裏面まで同じパターンで着色された。尚、疎
水性部分の表面に残留するインキは拭き取りによりきれ
いに取り除かれ、疎水性部分への着色は全く認められな
かった。
【0043】上記パターン状の親水性部分が赤色に水性
インキで着色された試料を別の白紙の上に置き、その試
料の上に更にプラスチックフィルムを被せた後、その上
から軽く平圧を加えることにより、白紙上に試料の着色
パターンを忠実に転写することができた。
【0044】また、前記試料を長さが50mmで幅が1
5mmの長方形で、長辺方向の中央部に長さ20mm、
幅15mmの親水性部分があって、両側にそれぞれ長さ
15mm、幅15mmの疎水性部分を有する形状にカッ
トし、両側の疎水性部分の一方の面に粘着剤加工を施し
た後、中央の親水性部分に消毒液(オキシドール)を滴
下して充分にしみ込ませ、肌に貼着したところ、親水性
部分のみに消毒液が保持され、粘着剤の粘着力が低下す
ることもなく、また、むれるようなことも殆どなく、良
好に貼着されていた。
【0045】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明に
よれば、部分親水性シートの全体が、パターン状に、且
つ、その厚さ方向の全層が、親水性部分と疎水性部分と
に確実に区画され、また、適度の剛性と水分保持性とを
有する部分親水性シートの生産性に優れた製造方法を提
供できる効果を奏する。
【0046】そして、このような部分親水性シートは、
その表面に、水性のインキなどの着色剤や消毒液などを
塗布などにより供給した場合、疎水性部分には、はじか
れて浸透せず、パターン状の親水性部分のみに浸透し
て、疎水性部分に広がることがないので、簡易型の印刷
用版材のほか、消毒ガーゼなどを兼ねた傷口用粘着シー
トの部材などとして、広範囲の用途に好適に使用できる
ものであり、このような部材の生産性に優れた製造方法
を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の部分親水性シートの製造方法に用いる
塗布液供給装置を備えたシルクスクリーン印刷機を説明
する要部の概略図である。
【図2】本発明の部分親水性シートの製造方法に用いる
加圧装置を説明する要部の概略図である。
【符号の説明】
1 バキューム印刷台 2 版 3 スキージ 4 塗布液戻しブレード 5 塗布液供給ノズル 6 フレキシブルチューブ 7 塗布液定量供給ポンプ 8 塗布液タンク 9 塗布液 10a ワーク(親水性多孔質シート) 10b 加圧前のワーク 10c 加圧後のワーク 11 ワーク供給台 12 加圧ロール 13 受けロール 14 塗布液非吸収性フィルムロール 15 巻き上げロール 16 塗布液吸収性材料ロール 17 巻き上げロール 18 搬送コンベヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 19/10 D21H 1/34 Z Fターム(参考) 2H113 AA02 AA04 AA06 BA09 BB06 BB22 DA26 DA43 DA53 FA10 FA28 FA35 FA36 2H114 AA04 DA26 DA43 DA53 DA73 EA08 FA16 GA01 4L033 AB07 AC03 CA10 4L055 FA30 GA42 GA50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性多孔質シートに疎水性樹脂を主とす
    る塗布液をパターン状に塗布し、該塗布液を親水性多孔
    質シートの厚さ方向の全層に浸透させ、固着させること
    により、親水性多孔質シートの全層にパターン状の親水
    性部分と疎水性部分とを形成する部分親水性シートの製
    造方法であって、下記(1)〜(3)の工程を含むこと
    を特徴とする部分親水性シートの製造方法。 (1)親水性多孔質シートに疎水性樹脂を主とする塗布
    液を、所定のストローク毎に所定量の塗布液を版上に供
    給する装置を備えたシルクスクリーン印刷機により、所
    定の塗布量でパターン状に塗布する工程。 (2)親水性多孔質シートにパターン状に塗布された塗
    布液の塗布面を加圧して、該塗布液を親水性多孔質シー
    トの厚さ方向の全層に浸透させる工程。 (3)親水性多孔質シートにパターン状に塗布され、該
    シートの厚さ方向の全層に浸透された塗布液を熱風乾燥
    して親水性多孔質シートに固着させる工程。
  2. 【請求項2】前記疎水性樹脂を主とする塗布液をパター
    ン状に塗布する際、1ストローク毎に所定量の塗布液を
    版上に補給することを特徴とする請求項1記載の部分親
    水性シートの製造方法。
  3. 【請求項3】前記パターン状に塗布された塗布液の塗布
    面の加圧が、ロールプレス方式による加圧であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の部分親水性シート
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記塗布液の塗布面を加圧する際、塗布面
    には塗布液の非吸収性フィルムを重ね、塗布面の反対側
    の面には塗布液の吸収性材料を重ねて加圧することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の部分親水性
    シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10105234A1 (de) * 2001-02-02 2002-08-29 Schoeller Textil Ag Sevelen Textile Fläche

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