JP2000033340A - 異種物質の分離回収方法 - Google Patents

異種物質の分離回収方法

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JP2000033340A
JP2000033340A JP10201879A JP20187998A JP2000033340A JP 2000033340 A JP2000033340 A JP 2000033340A JP 10201879 A JP10201879 A JP 10201879A JP 20187998 A JP20187998 A JP 20187998A JP 2000033340 A JP2000033340 A JP 2000033340A
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separating
particles
separated
recovering
separation
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JP10201879A
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English (en)
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Akira Ishii
彰 石井
Fukuzo Shimizu
福三 清水
Naohiko Shimura
尚彦 志村
Takeshi Matsushiro
武士 松代
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】静電分離装置に投入する分離対象物に対し、粒
度分布、金属と絶縁物との付着、水分含有等による問題
を解消して、従来に比して分離精度を大幅に高めること
ができる異種物質の分離回収装置および分離回収方法を
提供する。 【解決手段】2種類以上の異なる性質をもつ物質が混合
した粒状の分離対象物を粒度別に分別する分級装置11
と、分級装置11により細粒側に回収された粒子を電気
的性質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離
する静電分離装置12とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプリント配
線基板のような金属および絶縁物を含有する廃棄物、あ
るいは産業廃棄物処理システムにおける無酸素燃焼後の
残渣等を対象として、有価金属を分別回収する場合など
に適用される異種物質の分離回収装置および分離回収方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の廃棄物あるいは残渣のよう
に複数の異種物質の混合体から、物質の耐電性、導電性
または誘電率の差を利用して特定の物質を分離する静電
分離が知られている。図16は、このような従来の異種
物質の分離回収装置のシステム構成を例示したものであ
り、図17は、図16に示した静電分離装置の一例を示
したものである。
【0003】これらの図16および図17に示すよう
に、静電分離装置は、固定配置の高圧電極1と、この高
圧電極1に外周面を対向する配置で設けられた例えば水
平軸心回りで回転するドラム電極2とを備えている。ド
ラム電極2は図示しないアース線により接地されてい
る。また、高圧電極1は抵抗3を介して高圧電源4に接
続されている。ドラム電極2の上方にはホッパ状の入力
部5が設置され、この入力部5から金属および絶縁物等
の粒子状異種物質が混在する分離対象物6がドラム電極
2の外周面に供給され、静電分離作用によって金属7と
絶縁物8とに分離され、それぞれ金属回収部9と絶縁物
回収部10とに回収される。
【0004】このような構成の従来の静電分離装置の動
作について、高圧電極1を負の電極として説明すると下
記の通りである。
【0005】即ち、入力部5から投入された粒子状異種
物質を含む分離対象物6は、図17に矢印iで示すよう
に、図の反時計方向に回転するドラム電極2に、その外
周面の上部付近で接触し、ドラム電極2の回転とともに
図17の左方へ運ばれる。時間の経過とともに、高圧電
極1とドラム電極2とで形成される高電界により、分離
対象物6の各粒子状異種物質は負に帯電する。
【0006】これらの粒子状異種物質が、金属を含有す
る廃棄物の粉砕によるものである場合、金属7と絶縁物
8とを含むのが一般的であるが、このうち金属7は帯電
してもドラム電極2に接触している場合は接地電位とな
るので、負の電荷が接地へ流れ込むため電荷を持つこと
はなく、静電気力は働かない。一方、絶縁物8は分極
し、ドラム電極2のある向きに負電荷、逆向きに正電荷
を帯びるため、ドラム電極2に吸引される向きの力が働
く。その結果、図17に示したように、金属7と絶縁物
8とが分離され、それぞれ金属回収部9と絶縁物回収部
10とに回収される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
での静電分離技術においては、分離精度があまり高くな
いものと認められている(例えば、荻原・静電気学会
誌,17,2(1993),pp94,「乾式静電分離
技術」、東山ら・静電気学会誌,14,3(199
0),pp234,「複数の誘電帯電電極を用いたフラ
イアッシュの静電選別」など)。
【0008】一般に静電分離装置に投入する分離対象物
6には、粒度分布が広いもの、金属と絶縁物とが互いに
付着したもの、水分を含むもの等、物理的に様々な性質
を有するものが混在している。静電分離技術は、対象と
する粉体に及ぼす静電気力の差によって分離を行う技術
であるため、粒度分布が広いと粒子の帯電量の分布が大
きくなり、同じ材質でも静電気力が異なるために分離さ
れてしまうこと、また、粉体を機械的に破砕する機能を
持たないため、金属と絶縁物とが互いに付着していると
分離できないこと、さらに、粉体が水分を含んだ場合、
絶縁物表面に水分が付着すると電気伝導性を持つため、
金属側に回収されてしまうこと、などにより、必ずしも
高い分離精度が得られないという問題があった。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、静電分離装置に投入する分離対象物に対し、粒
度分布、金属と絶縁物との付着、水分含有等による問題
を解消して、従来に比して分離精度を大幅に高めること
ができる異種物質の分離回収装置および分離回収方法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明では、2種類以上の異なる性
質をもつ物質が混合した粒状の分離対象物を粒度別に分
別する分級装置と、この分級装置により細粒側に回収さ
れた粒子を電気的性質の差に基づいて導電性粒子と絶縁
性粒子とに分離する静電分離装置とを備えたことを特徴
とする異種物質の分離回収装置を提供する。
【0011】請求項2の発明では、2種類以上の異なる
性質をもつ物質が混合した粒状の分離対象物から水分を
除去する乾燥装置と、前記分離対象物を粒度別に分別す
る分級装置と、この分級装置により細粒側に回収された
粒子を電気的性質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒
子とに分離する静電分離装置とを備えたことを特徴とす
る異種物質の分離回収装置を提供する。
【0012】請求項3の発明では、請求項2記載の異種
物質の分離回収装置を使用して異種物質を分離回収する
方法であって、まず乾燥装置によって分離対象物を乾燥
させた後に分級装置によって分級を行い、その後静電分
離装置によって導電性粒子と絶縁性粒子とを分離するこ
とを特徴とする異種物質の分離回収方法を提供する。請
求項4の発明では、請求項2記載の異種物質の分離回収
装置を使用して異種物質を分離回収する方法であって、
まず分級装置によって分離対象物の分級を行い、ここで
細粒側に回収された粒子を乾燥装置によって乾燥させた
後、静電分離装置によって導電性粒子と絶縁性粒子とを
分離することを特徴とする異種物質の分離回収方法を提
供する。
【0013】請求項5の発明では、2種類以上の異なる
性質をもつ物質が混合した粒状の分離対象物を破砕する
破砕装置と、前記分離対象物を粒度別に分別する分級装
置と、この分級装置により細粒側に回収された粒子を電
気的性質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分
離する静電分離装置とを備えたことを特徴とする異種物
質の分離回収装置を提供する。
【0014】請求項6の発明では、請求項5記載の異種
物質の分離回収装置を使用して異種物質を回収する方法
であって、まず破砕装置によって分離対象物を破砕した
後に分級装置によって分級を行い、その後静電分離装置
によって導電性粒子と絶縁性粒子とを分離することを特
徴とする異種物質の分離回収方法を提供する。
【0015】請求項7の発明では、請求項5記載の異種
物質の分離回収装置を使用して異種物質を回収する方法
であって、まず分級装置により分離対象物を粒度別に分
別し、細粒側に回収された粒子を静電分離装置に投入す
る一方、粗粒側に回収された粒子を破砕装置によって破
砕した後に前記静電分離装置に投入することを特徴する
異種物質の分離回収方法を提供する。
【0016】請求項8の発明では、請求項5記載の異種
物質の分離回収装置を使用して異種物質を回収する方法
であって、まず分級装置により分離対象物を粒度別に分
別し、細粒側に回収された粒子を静電分離装置に投入す
る一方、粗粒側に回収された粒子を破砕装置によって破
砕し、この破砕装置によって破砕した粒子を再度、前記
分級装置に投入することを特徴とする異種物質の分離回
収方法を提供する。
【0017】請求項9の発明では、請求項5記載の異種
物質の分離回収装置を使用して異種物質を回収する方法
であって、分級装置として第1,第2の分級装置を使用
し、まず第1の分級装置により分離対象物を粒度別に分
別し、細粒側に回収された粒子を静電分離装置に投入す
る一方、粗粒側に回収された粒子を破砕装置によって破
砕した後に、第2の分級装置に投入し、この第2の分級
装置により細粒側に回収された粒子を前記静電分離装置
に投入することを特徴とする異種物質の分離回収方法を
提供する。
【0018】請求項10の発明では、2種類以上の異な
る性質をもつ物質が混合した粒状の分離対象物を破砕す
る破砕装置と、前記分離対象物から水分を除去する乾燥
装置と、前記分離対象物を粒度別に分別する分級装置
と、この分級装置により細粒側に回収された粒子を電気
的性質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離
する静電分離装置とを備えたことを特徴とする異種物質
の分離回収装置を提供する。
【0019】請求項11の発明では、請求項10記載の
異種物質の分離回収装置を使用して異種物質を分離回収
する方法であって、まず、乾燥装置によって分離対象物
を乾燥させ、次いで破砕装置によって分離対象物を破砕
した後に分級装置によって分級を行い、その後静電分離
装置によって導電性粒子と絶縁性粒子とを分離すること
を特徴とする異種物質の分離回収方法を提供する。
【0020】請求項12の発明では、請求項10記載の
異種物質の分離回収装置を使用して異種物質を分離回収
する方法であって、まず、破砕装置によって分離対象物
を破砕し、次いで乾燥装置によって分離対象物を乾燥さ
せた後に分級装置によって分級を行い、その後静電分離
装置によって導電性粒子と絶縁性粒子とを分離すること
を特徴とする異種物質の分離回収方法を提供する。
【0021】請求項13の発明では、請求項10記載の
異種物質の分離回収装置を使用して異種物質を分離回収
する方法であって、まず、乾燥装置によって分離対象物
を乾燥させ、次いで分級装置により分離対象物を粒度別
に分別し、細粒側に回収された粒子を静電分離装置に投
入する一方、粗粒側に回収された粒子を破砕装置によっ
て破砕した後に前記静電分離装置に投入することを特徴
する異種物質の分離回収方法を提供する。
【0022】請求項14の発明では、請求項10記載の
異種物質の分離回収装置を使用して異種物質を分離回収
する方法であって、まず、乾燥装置によって分離対象物
を乾燥させ、次いで分級装置により分離対象物を粒度別
に分別し、細粒側に回収された粒子を静電分離装置に投
入する一方、粗粒側に回収された粒子を破砕装置によっ
て破砕した後に再度前記分級装置に投入することを特徴
する異種物質の分離回収方法を提供する。
【0023】請求項15の発明では、請求項10記載の
異種物質の分離回収装置を使用して異種物質を分離回収
する方法であって、分級装置として第1,第2の分級装
置を使用し、まず、乾燥装置によって分離対象物を乾燥
させ、次いで第1の分級装置により分離対象物を粒度別
に分別し、細粒側に回収された粒子を静電分離装置に投
入する一方、粗粒側に回収された粒子を破砕装置によっ
て破砕した後に、第2の分級装置に投入し、この第2の
分級装置により細粒側に回収された粒子を前記静電分離
装置に投入することを特徴とする異種物質の分離回収方
法を提供する。
【0024】請求項16の発明では、請求項10記載の
異種物質の分離回収装置を使用して異種物質を分離回収
する方法であって、まず分級装置によって分離対象物の
分級を行い、ここで細粒側に回収された粒子を乾燥装置
によって乾燥させた後、静電分離装置によって導電性粒
子と絶縁性粒子とを分離する一方、前記分級装置により
粗粒側に回収された粒子を破砕装置により破砕した後、
前記乾燥装置に投入することを特徴とする異種物質の分
離回収方法を提供する。
【0025】請求項17の発明では、請求項10記載の
異種物質の分離回収装置を使用して異種物質を分離回収
する方法であって、まず分級装置によって分離対象物の
分級を行い、ここで細粒側に回収された粒子を乾燥装置
によって乾燥させた後、静電分離装置によって導電性粒
子と絶縁性粒子とを分離する一方、前記分級装置により
粗粒側に回収された粒子を破砕装置により破砕した後、
再度、前記分級装置に投入することを特徴とする異種物
質の分離回収方法を提供する。
【0026】請求項18の発明では、請求項10記載の
異種物質の分離回収装置を使用して異種物質を分離回収
する方法であって、分級装置として第1,第2の分級装
置を使用し、まず第1の分級装置により分離対象物を粒
度別に分別し、細粒側に回収された粒子を乾燥装置によ
って乾燥させた後、静電分離装置に投入して導電性粒子
と絶縁性粒子とに分離する一方、前記分粒装置で粗粒側
に回収された粒子を破砕装置で破砕した後、前記乾燥装
置に投入することを特徴とする異種物質の分離回収方法
を提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る異種物質の分
離回収装置および分離回収方法の実施形態について、図
1〜図15を参照して説明する。
【0028】第1実施形態(図1) 図1は本発明の第1実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0029】本実施形態は基本的構成例についてのもの
であり、図1に示すように、粒状の分離対象物を粒度別
に分別する分級装置11と、この分級装置11により細
粒側に回収された粒子を電気的性質の差に基づいて導電
性粒子と絶縁性粒子とに分離する静電分離装置12とを
備えている。分級装置11としては、例えば振動フィー
ダのフィーダ面をメッシュ状の篩面とした構成のものが
適用され、篩い落とされた細粒側の粒子をベルトコンベ
ア等によって静電分離装置12に送給するようにしてあ
る。また、静電分離装置12は例えばホッパ形のケーシ
ング内に帯電式の回転するドラム電極と、そのドラム電
極下方の異なる位置に設けられた導電性粒子回収部およ
び絶縁性粒子回収部を備えた構成のもので、ドラム電極
の上方から落下付着する分離対象物を回転によって下方
に案内する際に、静電力の差によって落下位置を異なら
せ、それにより各粒子を各収納部にそれぞれ分離回収す
るようにしたものである。
【0030】そして、分離回収作業に際しては、2種類
以上の異なる性質をもつ物質が混合した粒状の分離対象
物を、まず導入用ベルトコンベア等によってホッパに投
入し、その分離対象物をホッパから分級装置11に定量
的に供給する。分級装置11では、供給された分離対象
物を振動する篩面等によって粗粒側(例えば粒径1mm以
上)と細粒側(例えば粒径1mm未満)とに篩い分けて回
収し、細粒側に回収された一定サイズ以下の粒子をベル
トコンベア等によって静電分離装置12に投入する。投
入された粒子は静電分離作用によって導電性粒子と絶縁
性粒子とに分離回収される。なお、本実施形態では、分
級装置11で分別された粗粒は、そのまま回収される。
【0031】本実施形態によれば、各種の粒径をもつ分
離対象物を静電分離装置12の前段で、まず分級装置1
1によって粒度別に分別し、それにより後分離対象物の
粒度分布を一定範囲以下の狭い範囲に限定した状態と
し、この状態で静電分離装置12に投入することによ
り、各粒子の帯電量の分布を小さくすることができ、そ
れにより同一材質の粒子に対する静電気力を同一状態と
することができ、その結果、分離精度を向上することが
できる。特に、本実施形態では分離対象物を直接に分級
装置11で分級し、その後に別の工程を経ることなく静
電分離装置12に投入するという基本的な構成により、
分離対象物の粒径のばらつきが比較的小さく、ある程度
粒径が揃い、また適度に乾燥状態となっている場合に有
効に適用することができる。
【0032】第2実施形態(図2) 図2は本発明の第2実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0033】本実施形態の装置は、前記第1実施形態に
おける分級装置11の前段に、乾燥装置13を設け、予
め乾燥工程を行うようにしたものである。すなわち、本
実施形態では図2に示すように、第1段に粒状の分離対
象物から水分を除去する乾燥装置13を設け、第2段に
分離対象物を粒度別に分別する分級装置11を設け、第
3段に分級装置11により細粒側に回収された粒子を電
気的性質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分
離する静電分離装置12を設けたものである。乾燥装置
13としては、電熱あるいは各種燃料の燃焼熱等を利用
して熱エネルギを与えつつ、搬送を行う加熱炉等が適用
される。分級装置11および静電分離装置12は前記第
1実施形態と同様である。なお、本実施形態では、分級
装置11で分別された粗粒は、そのまま回収される。
【0034】本実施形態による分離回収作業が前記第1
実施形態と異なる点は、分離対象物を分級装置11で分
級する前に、まず乾燥装置13に導入して乾燥させ、そ
の後分級装置11で粗粒側と細粒側とに分別する点であ
る。分級後の分離作用は前記第1実施形態と同様であ
る。
【0035】このような本実施形態によれば、分離対象
物が乾燥装置13によって水分を除去され、分離対象物
を構成する導電性粒子および絶縁性粒子が相互に付着し
たりすることなく、かつ流動性の良い状態で分級装置1
1および静電分離装置12に投入される。
【0036】したがって、本実施形態においては、予め
乾燥装置13によって分離対象遺物から水分を除去した
状態で分級装置11に投入するので、分級に関しては、
分離対象物を構成する導電性粒子および絶縁性粒子が乾
燥状態で付着等がなく、かつ流動性の良い状態で分級装
置11に投入されるので、分級装置11の篩面等におけ
る目詰まり等の不具合もなく、円滑な篩い分けが行われ
る。これにより、分離対象物が湿潤状態である場合等に
おいて、分級精度も向上し、かつ分級時間の短縮および
メンテナンスの簡易化、ならびに分級装置11の低コス
ト化等も図れる。また、静電分離装置12への投入およ
びドラム電極等による静電分離作用に際しても、分離対
象物が必ず乾燥状態で供給されるので、各粒子の相互付
着や機器への粒子付着がなく、静電分離作用が高精度で
行われるようになる。よって、本実施形態によれば、例
えば湿式処理装置から排出される廃棄物等の湿潤状態の
分離対象物を処理する場合に好適なものとなる。
【0037】第3実施形態(図3) 図3は本発明の第3実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0038】本実施形態の装置は、分級装置11と乾燥
装置13との前後配置を第2実施形態と逆にし、分級工
程の後に乾燥工程を行うようにしたものである。すなわ
ち、本実施形態では図3に示すように、第1段に粒状の
分離対象物を粒度別に分別する分級装置11を設け、第
2段に分離対象物から水分を除去する乾燥装置13を設
け、第3段に電気的性質の差に基づいて導電性粒子と絶
縁性粒子とを分離する静電分離装置12を設けたもので
ある。分級装置11、乾燥装置13および静電分離装置
12は前記第2実施形態と同様である。
【0039】そして、本実施形態では、分離対象物を分
級装置11で分級した後に、細粒側に回収された粒子を
乾燥装置13に導入して乾燥させ、その後乾燥した細か
い粒子を分離装置によって導電性粒子と絶縁性粒子とに
分離して回収する。なお、本実施形態では、分級装置1
1で分別された粗粒は、そのまま回収される。
【0040】このような本実施形態によれば、乾燥装置
13に投入される分離対象物の量が第2実施形態の場合
と比較して低減される。したがって、乾燥装置13の構
成が第2実施形態の場合に比較して簡素化できるととも
に、投入する熱エネルギの量も低減することができると
いう効果が奏される。なお、乾燥状態の分離対象物を静
電分離装置12に供給することで、水分がなく、導電性
粒子および絶縁性粒子が相互に付着することなく流動性
の良い状態で分離処理できることにより、効率よい分離
効果が奏される点は前記各実施形態と同様である。
【0041】第4実施形態(図4) 図4は本発明の第4実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0042】本実施形態の装置は、第1実施形態の分級
装置11および静電分離装置12に加えて、分離対象物
を破砕する破砕装置14を備えている。具体的には図4
に示すように、第1段に破砕装置14を設け、第2段に
分級装置11を設け、第3段に分級装置11により細粒
側に回収された粒子を分離する静電分離装置12を設け
てある。破砕装置14としては、例えばボールミル等が
適用される。分級装置11および静電分離装置12は前
記各実施形態と同様である。
【0043】そして、本実施形態ではまず破砕装置14
によって分離対象物を破砕した後に分級装置11によっ
て分級を行い、細粒側に回収された粒子を静電分離装置
12に投入して導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する。
なお、本実施形態では、分級装置11で分別された粗粒
は、そのまま回収される。
【0044】このような本実施形態によれば、分離対象
物を予め破砕装置14によって破砕することにより、導
入された分離対象物に含まれる粗粒が破砕によって細粒
化されるので、導入分離対象物に占める細粒割合が増加
し、処理すべき細粒の量が前記各実施形態の場合に比し
て増大できる。また、破砕によって細粒となる粒子の粒
径も均一化されるので、静電分離装置12における処理
対象物の粒度分布の範囲も前記各実施形態に比較して狭
い範囲のものとすることができ、その結果静電分離効率
の向上、および分離精度の向上等も図れる。さらに、破
砕装置14による破砕工程では、異種物質である金属と
絶縁物とが一体的に固着した塊等の粉砕も行われるの
で、各物質が破砕工程で相互に分離される機能も付与さ
れる。したがって、この各物質の分離面からも、静電分
離効果の向上が図れる。
【0045】第5実施形態(図5) 図5は本発明の第5実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0046】本実施形態の装置は図5に示すように、第
4実施形態と逆に分級装置11の後に破砕装置14を配
置し、分級装置11の細粒回収側を静電分離装置12に
繋げるとともに、分級装置11の粗粒回収側を破砕装置
14に繋げ、さらに破砕装置14を静電分離装置12に
繋げた構成としてある。
【0047】そして、異種物質の分離回収作業に際して
は、まず分級装置11により分離対象物を粒度別に分別
し、ここで細粒側に回収された粒子を静電分離装置12
に投入して金属と絶縁物とに分離して回収する。一方、
分級装置11により粗粒側に回収された粒子は、破砕装
置14によって破砕し、細粒化して静電分離装置12に
投入し、同様に金属と絶縁物とに分離して回収する。
【0048】本実施形態によれば、破砕工程によって粗
粒を細粒化することで、分離効率の向上、分離精度の向
上等が図れることは第4実施形態と同様であるが、本実
施形態の破砕工程では、予め分級工程によって粗粒側に
回収される粒子のみを破砕対象とすることにより、破砕
処理量が低減できるので、破砕時間短縮等の能率向上が
図れ、それにより運用コストの低減、あるいは破砕装置
14のコンパクト化等による設備コストの低減等も図れ
る。また、前記各実施形態では分級後の粗粒をそのまま
回収するのに対し、本実施形態では粗粒をさらに破砕装
置14で細粒化し、それを静電分離装置12に投入して
さらに分離するルートを加えたことにより、導入した分
離対象物の全体を静電分離処理することで、処理量の増
大が図れる。
【0049】第6実施形態(図6) 図6は本発明の第6実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0050】本実施形態では、装置配列については第5
実施形態と略同様であるが、破砕装置14で破砕される
分離対象物の投入先を分級装置11とした点が異なる。
すなわち、図6に示すように、本実施形態では、まず分
級装置11により分離対象物を粒度別に分別し、細粒側
に回収された粒子は静電分離装置12に投入して金属と
絶縁物とに分離する。一方、分級装置11で粗粒側に回
収された粒子は破砕装置14によって破砕した後、この
破砕装置14によって破砕した粒子は再度、分級装置1
1に投入する。分級装置11では、再度投入された粒子
の分級が行なわれ、細粒側に回収された粒子のみが静電
分離装置12に投入されて金属と絶縁物とに分離される
が、粗粒側に回収された粒子はさらに再び破砕装置14
で破砕され、このサイクルが繰返される。
【0051】したがって、本実施形態によっても、分級
後の破砕処理による破砕処理量の低減、それによる破砕
時間短縮等の能率向上、運用コストの低減および破砕装
置14のコンパクト化等による設備コストの低減等が図
れるのは第5実施形態と同様であるが、本実施形態では
これに加えて破砕装置14による分離対象物の細粒化が
繰返され、導入された殆どの分離対象物を細粒化して静
電分離により分離処理できるようになり、総体的な処理
効率の向上が図れる。
【0052】第7実施形態(図7) 図7は本発明の第7実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0053】本実施形態の装置は図7に示すように、分
級装置11として第1,第2の分級装置15,16を備
えている。第1の分級装置15は第5実施形態と同様
に、最前段に配置し、第2の分級装置16は、第5実施
形態における破砕装置14と静電分離装置12との間に
配置してある。すなわち、本実施形態では、第1の分級
装置15の後に破砕装置14を配置し、この第1の分級
装置15の細粒回収側を静電分離装置12に繋げてあ
る。また、第1の分級装置15の粗粒回収側を破砕装置
14に繋げ、この破砕装置14に第2の分級装置16を
繋げ、さらに第2の分級装置16の細粒回収側を静電分
離装置12に繋げた構成としてある。
【0054】そして、分離作業の際には、まず第1の分
級装置15により分離対象物を粒度別に分別し、第1の
分級装置15の細粒側に回収された粒子を静電分離装置
12に投入して金属と絶縁物とに分離する。一方、第1
の分級装置15の粗粒側に回収された粒子は破砕装置1
4に投入して破砕した後に第2の分級装置16に投入す
る。この第2の分級装置16により細粒側に回収された
粒子を静電分離装置12に投入して金属と絶縁物とに分
離する。第2の分級装置16で分別された粗粒は、その
まま回収される。
【0055】本実施形態では、破砕装置14で破砕しき
れなかった粗粒を、第2の分級装置16で系外に排出す
る形で回収することで、比較的破砕困難な分離対象物の
処理に際し、静電分離装置12には細粒化された分離対
象物のみを供給するようにして、金属および絶縁物の分
離精度を高めることができる。
【0056】第8実施形態(図8) 図8は本発明の第8実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0057】本実施形態の装置は、前記各実施形態で述
べた分級装置11、静電分離装置12、乾燥装置13お
よび破砕装置14の全てを備えている。具体的には図8
に示すように、第1段に分離対象物から水分を除去する
乾燥装置13を設け、第2段に分離対象物を破砕する破
砕装置14を設け、第3段に分離対象物を粒度別に分別
する分級装置11を設け、第4段に分級装置11により
細粒側に回収された粒子を導電性粒子と絶縁性粒子とに
分離する静電分離装置12を設けてある。
【0058】分離作業に際しては、まず分離対象物を乾
燥装置13に投入し、乾燥後に破砕装置14に投入して
破砕する。次に、破砕された分離対象物を分級装置11
によって分級し、この分級装置11により細粒側に回収
された粒子を後静電分離装置12に投入して導電性粒子
と絶縁性粒子とに分離する。なお、分級装置11で分別
された粗粒は、そのまま回収される。
【0059】このような本実施形態は、いわば第2実施
形態における最前段の乾燥工程と次段の分級工程との間
に破砕工程を組込んだもの(または第4実施形態におけ
る最前段の破砕工程の前段で乾燥工程を行うもの)とい
うことができる。したがって、本実施形態によれば、導
入した分離対象物から、まず水分を除去した後に、破砕
により細粒化し、その後の分級により細粒化したものを
静電分離するというものであるから、分離対象物が例え
ば湿式処理装置から排出される廃棄物等の湿潤状態であ
って、かつ異種物質である金属と絶縁物とが一体的に固
着した塊が多く含まれているようなものである場合に有
効な処理が行える。
【0060】すなわち、乾燥工程によって分離対象物を
予め付着性が低く、かつ流動性の良い状態にし、さらに
破砕工程によって塊等を分粒化および細粒化することが
でき、それにより後工程である分級工程では篩面等にお
ける目詰まり等の不具合なく、円滑な篩い作用行える。
そして、それにより分級精度面の向上、分級時間の短縮
およびメンテナンスの簡易化、ならびに分級装置11の
低コスト化等が図れる一方、静電分離工程における静電
分離作用に際しても、分離対象物が必ず乾燥状態で供給
されるので、各粒子の相互付着や機器への粒子付着がな
く、静電分離作用が高精度で行われるようになる。ま
た、分離対象物を予め破砕装置14によって破砕するこ
とにより、導入された分離対象物に含まれる粗粒が破砕
によって細粒化されるので、導入分離対象物に占める細
粒割合が増加し、処理すべき細粒の量が増大でき、しか
も破砕によって粒子の粒径も均一化されるので、静電分
離装置12における処理対象物の粒度分布の範囲も狭い
範囲のものとすることができ、その面からの静電分離効
率の向上、および分離精度の向上等も図れるという多大
な効果が奏される。
【0061】第9実施形態(図9) 図9は本発明の第9実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0062】本実施形態の装置は、第8実施形態におけ
る分級装置11と破砕装置14との前後配置を逆にした
ものである。すなわち、図9に示すように、第1段に破
砕装置14、第2段に乾燥装置13、第3段に分級装置
11、第4段に静電分離装置12を設けてある。
【0063】そして、分離作業に際しては、まず分離対
象物の破砕を行い、次いで乾燥を行い、その後に分級お
よび静電分離を行うことになる。
【0064】このような本実施形態は、いわば第2実施
形態における最前段の乾燥工程のさらに前段で破砕工程
を行うものということができる。したがって、本実施形
態でも、破砕および乾燥の両工程を経るので第8実施形
態と略同様の効果が奏されるが、本実施形態の場合は、
最初に破砕を行うことにより作用に若干の差が生じる。
つまり、分離対象物が水分を含んだものである場合、破
砕作業については円滑性が幾分か損なわれる可能性があ
る反面、乾燥時には分離対象物が細粒化しているので、
乾燥が効率良く行われ、乾燥作業の時間短縮、熱源の節
約、および乾燥装置13の簡易化等の運用コストおよび
設備コスト等が節減でき、経済性の面で利点を得ること
ができる。
【0065】第10実施形態(図10) 図10は本発明の第10実施形態による異種物質の分離
回収装置を示すシステム構成図である。
【0066】本実施形態の装置は、初段に乾燥装置13
を配置するとともに、その後に分級装置11を配置し、
この分級装置11の細粒回収側を静電分離装置12に繋
げるとともに、分級装置11の粗粒回収側を破砕装置1
4に繋げ、この破砕装置14をさらに静電分離装置12
に繋げた構成としてある。
【0067】そして、異種物質の分離回収作業に際して
は、まず乾燥装置13によって分離対象物を乾燥させ、
次いで分級装置11により分離対象物を粒度別に分別す
る。そして、分級装置11の細粒側に回収された粒子を
静電分離装置12に投入する一方、粗粒側に回収された
粒子を破砕装置14によって破砕した後に静電分離装置
12に投入する。
【0068】このような本実施形態は、いわば第5実施
形態における最前段の分級工程のさらに前段で乾燥工程
を行うものということができる。したがって、本実施形
態においても、破砕および乾燥の両工程を経るので第8
実施形態と略同様の効果が奏されるが、本実施形態の場
合は、予め乾燥装置13によって分離対象遺物から水分
を除去した分離対象物を分級装置11に投入するので、
分級に関して分離対象物を構成する導電性粒子および絶
縁性粒子が乾燥状態で付着等がなく、かつ流動性の良い
状態で分級装置11に投入されるので、分級装置11の
篩面等における目詰まり等の不具合もなく、円滑な篩い
分けが行われる。そして、これにより分離対象物が湿潤
状態である場合等において、分級精度も向上し、かつ分
級時間の短縮およびメンテナンスの簡易化、ならびに分
級装置11の低コスト化等も図れる。また、静電分離装
置12による静電分離作用に際しても、分離対象物が必
ず乾燥状態で供給されるので、各粒子の相互付着や機器
への粒子付着がなく、静電分離作用が高精度で行われる
ようになる。
【0069】さらに、本実施形態によれば、予め分級し
た粗粒のみを破砕装置14に投入して破砕するので、破
砕すべき分離対象物の量が低減でき、破砕時間および破
砕コストが節約できるとともに、粗粒を破砕装置14で
細粒化した後、静電分離装置12に投入してさらに静電
分離するルートを加えたことにより、導入した分離対象
物の全体を静電分離処理することで、処理量の増大が図
れる。
【0070】第11実施形態(図11) 図11は本発明の第11実施形態による異種物質の分離
回収装置を示すシステム構成図である。
【0071】本実施形態では、装置配列については第1
0実施形態と略同様であるが、破砕装置14で破砕され
る分離対象物の投入先を分級装置11とした点が異な
る。すなわち、図11に示すように、本実施形態では、
分離対象物を、まず乾燥装置13により乾燥した後に分
級装置11により粒度別に分別し、細粒側に回収された
粒子は静電分離装置12に投入して金属と絶縁物とに分
離する。一方、分級装置11で粗粒側に回収された粒子
は破砕装置14によって破砕した後、この破砕装置14
によって破砕した粒子は再度、分級装置11に投入す
る。分級装置11では、再度投入された粒子の分級が行
なわれ、細粒側に回収された粒子のみが静電分離装置1
2に投入されて金属と絶縁物とに分離されるが、粗粒側
に回収された粒子はさらに再び破砕装置14で破砕さ
れ、このサイクルが繰返される。
【0072】このような本実施形態は、いわば第6実施
形態における最前段の分級工程のさらに前段で乾燥工程
を行うものということができる。したがって、本実施形
態においては、破砕および乾燥の両工程を経るので第8
実施形態と略同様の効果が奏されることに加え、分級後
の破砕処理による破砕処理量の低減、それによる破砕時
間短縮等の能率向上、運用コストの低減および破砕装置
14のコンパクト化等による設備コストの低減等が図
れ、さらに破砕装置14による分離対象物の細粒化が繰
返され、導入された殆どの分離対象物を細粒化して静電
分離により分離処理できるようになり、総体的な処理効
率の向上が図れる等の効果が奏される。
【0073】第12実施形態(図12) 図12は本発明の第12実施形態による異種物質の分離
回収装置を示すシステム構成図である。
【0074】本実施形態の装置は、初段に乾燥装置13
を配置し、その後に第1の分級装置15を配置し、この
第1の分級装置15の細粒回収側を静電分離装置12に
繋げてある。また、第1の分級装置15の粗粒回収側を
破砕装置14に繋げ、この破砕装置14に第2の分級装
置16を繋げ、さらに第2の分級装置16の細粒回収側
を静電分離装置12に繋げた構成としてある。
【0075】そして、分離作業の際には、分離対象物
を、まず乾燥装置13で乾燥した後に第1の分級装置1
5に投入して粒度別に分別し、この第1の分級装置15
の細粒側に回収された粒子を静電分離装置12に投入し
て金属と絶縁物とに分離する。一方、第1の分級装置1
5の粗粒側に回収された粒子は破砕装置14に投入して
破砕した後に第2の分級装置16に投入する。この第2
の分級装置16により細粒側に回収された粒子を静電分
離装置12に投入して金属と絶縁物とに分離する。第2
の分級装置16で分別された粗粒は、そのまま回収され
る。
【0076】このような本実施形態は、いわば第7実施
形態における最前段の分級工程のさらに前段で乾燥工程
を行うものということができる。したがって、本実施形
態においては、破砕および乾燥の両工程を経るので第8
実施形態と略同様の効果が奏されることに加え、破砕装
置14で破砕しきれなかった粗粒を、第2の分級装置1
6で系外に排出する形で回収することで、比較的破砕困
難な分離対象物の処理に際し、静電分離装置12には細
粒化された分離対象物のみを供給するようにして、金属
および絶縁物の分離精度を高めることができる。
【0077】第13実施形態(図13) 図13は本発明の第13実施形態による異種物質の分離
回収装置を示すシステム構成図である。
【0078】本実施形態の装置は、初段に分級装置11
を配置し、この分級装置11の細粒回収側を乾燥装置1
3に繋げるとともに、乾燥装置13の後段に静電分離装
置12に繋げ、一方、分級装置11の粗粒回収側を破砕
装置14に繋げ、この破砕装置14をさらに乾燥装置1
3に繋げた構成としてある。
【0079】そして、異種物質の分離回収作業に際して
は、まず分級装置11により分離対象物を粒度別に分別
し、分級装置11の細粒側に回収された粒子を乾燥装置
13で乾燥した後に静電分離装置12に投入して金属と
絶縁物とに分離する。一方、分級装置11の細粒側に回
収された粒子は、破砕装置14によって破砕して細粒と
した後に乾燥装置13に投入して乾燥し、乾燥した細粒
を静電分離装置12に投入して金属と絶縁物とに分離す
る。
【0080】このような本実施形態は、いわば第5実施
形態における静電分離装置12の前段に乾燥装置13を
配置したもの(あるいは第3実施形態の分級装置11と
乾燥装置13との間に粗粒粉砕用の粉砕装置を組込んだ
もの)ということができる。したがって、本実施形態に
よれば、破砕および乾燥の両工程を経ることによる第8
実施形態と略同様の効果と、第3実施形態および第5実
施形態と略同様の効果とを加えた効果が発揮できる。
【0081】すなわち、分離対象物が例えば湿式処理装
置から排出される廃棄物等の湿潤状態であって、かつ異
種物質である金属と絶縁物とが一体的に固着した塊が多
く含まれているようなものである場合に有効な処理が行
える。また、乾燥装置13に投入される分離対象物の量
が低減されるので、乾燥装置13の構成が簡素化できる
とともに、投入する熱エネルギの量も低減することがで
きる。さらに、破砕工程では、予め分級工程によって粗
粒側に回収される粒子のみを破砕対象とすることによ
り、破砕処理量が低減できるので、破砕時間短縮等の能
率向上が図れ、それにより運用コストの低減、あるいは
破砕装置14のコンパクト化等による設備コストの低減
等も図れる。さらにまた、粗粒をさらに破砕装置14で
細粒化し、それを静電分離装置12に投入して金属と絶
縁物とに分離するルートを加えたことにより、導入した
分離対象物の全体を静電分離処理することで、処理量の
増大が図れる。
【0082】第14実施形態(図14) 図14は本発明の第14実施形態による異種物質の分離
回収装置を示すシステム構成図である。
【0083】本実施形態では、装置配列については第1
3実施形態と略同様であるが、破砕装置14で破砕され
る分離対象物の投入先を分級装置11とした点が異な
る。すなわち、図14に示すように、本実施形態では、
まず分級装置11により分離対象物を粒度別に分別し、
細粒側に回収された粒子は乾燥装置13で乾燥した後
に、静電分離装置12に投入して金属と絶縁物とに分離
する。一方、分級装置11で粗粒側に回収された粒子は
破砕装置14によって破砕した後、この破砕装置14に
よって破砕した粒子は再度、分級装置11に投入する。
分級装置11では、再度投入された粒子の分級が行なわ
れ、細粒側に回収された粒子のみが乾燥装置13を介し
て静電分離装置12に投入されて金属と絶縁物とに分離
されるが、粗粒側に回収された粒子はさらに再び破砕装
置14で破砕され、このサイクルが繰返される。
【0084】したがって、本実施形態によれば、破砕お
よび乾燥の両工程を経ることによる第8実施形態と略同
様の効果に加え、分級後の破砕処理による破砕処理量の
低減、それによる破砕時間短縮等の能率向上、運用コス
トの低減および破砕装置14のコンパクト化等による設
備コストの低減等が図れ、さらに破砕装置14による分
離対象物の細粒化が繰返され、導入された殆どの分離対
象物を細粒化して静電分離により分離処理できるように
なり、総体的な処理効率の向上が図れる。
【0085】第15実施形態(図15) 図15は本発明の第15実施形態による異種物質の分離
回収装置を示すシステム構成図である。
【0086】本実施形態の装置は図15に示すように、
分級装置11として第1,第2の分級装置15,16を
備えている。第1の分級装置15は第13実施形態と同
様に、最前段に配置し、第2の分級装置16は、第13
実施形態における破砕装置14と乾燥装置13との間に
配置してある。すなわち、本実施形態では、第1の分級
装置15の後に破砕装置14を配置し、この第1の分級
装置15の細粒回収側を乾燥装置13を介して静電分離
装置12に繋げてある。また、第1の分級装置15の粗
粒回収側を破砕装置14に繋げ、この破砕装置14に第
2の分級装置16を繋げ、さらに第2の分級装置16の
細粒回収側を乾燥装置13に繋げた構成としてある。
【0087】そして、分離作業の際には、まず第1の分
級装置15により分離対象物を粒度別に分別し、第1の
分級装置15の細粒側に回収された粒子を乾燥装置13
で乾燥した後に静電分離装置12に投入して金属と絶縁
物とに分離する。一方、第1の分級装置15の粗粒側に
回収された粒子は破砕装置14に投入して破砕した後に
第2の分級装置16に投入する。この第2の分級装置1
6により細粒側に回収された粒子を乾燥装置13で乾燥
させた後、静電分離装置12に投入して金属と絶縁物と
に分離する。第2の分級装置16で分別された粗粒は、
そのまま回収される。
【0088】このような本実施形態は、いわば第7実施
形態における静電分離装置12の前段に乾燥装置13を
配置したもの(あるいは第13実施形態の破砕装置14
と乾燥装置13との間に第2の分級装置16を組込んだ
もの)ということができる。したがって、本実施形態に
よれば、破砕および乾燥の両工程を経ることによる第8
実施形態と略同様の効果と、第7実施形態および第13
実施形態と略同様の効果とを加えた効果が発揮できる。
【0089】すなわち、分離対象物が例えば湿式処理装
置から排出される廃棄物等の湿潤状態であって、かつ異
種物質である金属と絶縁物とが一体的に固着した塊が多
く含まれているようなものである場合に有効な処理が行
える。また、破砕装置14で破砕しきれなかった粗粒
を、第2の分級装置16で系外に排出する形で回収する
ことで、比較的破砕困難な分離対象物の処理に際し、乾
燥装置13を介して静電分離装置12に細粒化された分
離対象物のみを供給するようにして、金属および絶縁物
の分離精度を高めることができる。さらに、乾燥装置1
3に投入される分離対象物の量が低減されるので、乾燥
装置13の構成が簡素化できるとともに、投入する熱エ
ネルギの量も低減することができる。さらに、破砕工程
では、予め分級工程によって粗粒側に回収される粒子の
みを破砕対象とすることにより、破砕処理量が低減でき
るので、破砕時間短縮等の能率向上が図れ、それにより
運用コストの低減、あるいは破砕装置14のコンパクト
化等による設備コストの低減等も図れる。さらにまた、
粗粒をさらに破砕装置14で細粒化し、それを乾燥した
後に静電分離装置12に投入して金属と絶縁物とに分離
するルートを加えたことにより、導入した分離対象物の
多くを静電分離処理することで、処理量の増大が図れ
る。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、物
質を粒度別に分別する分級装置、物質の電気的性質の差
を利用して分離する静電分離装置、物質から水分を除去
する乾燥装置、物質を破砕する破砕装置等の組合せによ
り、静電分離装置に投入する分離対象物に対し、粒度分
布を狭くすること、金属と絶縁物とが互いに付着したも
のを低減すること、水分を除去することなどにより、分
離精度および分離能率を従来に比して大幅に高めること
ができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図2】本発明の第2実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図3】本発明の第3実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図4】本発明の第4実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図5】本発明の第5実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図6】本発明の第6実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図7】本発明の第7実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図8】本発明の第8実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図9】本発明の第9実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図10】本発明の第10実施形態による異種物質の分
離回収装置を示すシステム構成図。
【図11】本発明の第11実施形態による異種物質の分
離回収装置を示すシステム構成図。
【図12】本発明の第12実施形態による異種物質の分
離回収装置を示すシステム構成図。
【図13】本発明の第13実施形態による異種物質の分
離回収装置を示すシステム構成図。
【図14】本発明の第14実施形態による異種物質の分
離回収装置を示すシステム構成図。
【図15】本発明の第15実施形態による異種物質の分
離回収装置を示すシステム構成図。
【図16】従来の異種物質の分離回収装置を示すシステ
ム構成図。
【図17】図16に示した静電分離装置の一例を示す構
成図。
【符号の説明】
11 分級装置 12 静電分離装置 13 乾燥装置 14 破砕装置 15 第1の分級装置 16 第2の分級装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月17日(1999.5.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 異種物質の分離回収方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプリント配
線基板のような金属および絶縁物を含有する廃棄物、あ
るいは産業廃棄物処理システムにおける無酸素燃焼後の
残渣等を対象として、有価金属を分別回収する場合など
に適用される異種物質の分離回収装置および分離回収方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の廃棄物あるいは残渣のよう
に複数の異種物質の混合体から、物質の耐電性、導電性
または誘電率の差を利用して特定の物質を分離する静電
分離が知られている。図16は、このような従来の異種
物質の分離回収装置のシステム構成を例示したものであ
り、図17は、図16に示した静電分離装置の一例を示
したものである。
【0003】これらの図16および図17に示すよう
に、静電分離装置は、固定配置の高圧電極1と、この高
圧電極1に外周面を対向する配置で設けられた例えば水
平軸心回りで回転するドラム電極2とを備えている。ド
ラム電極2は図示しないアース線により接地されてい
る。また、高圧電極1は抵抗3を介して高圧電源4に接
続されている。ドラム電極2の上方にはホッパ状の入力
部5が設置され、この入力部5から金属および絶縁物等
の粒子状異種物質が混在する分離対象物6がドラム電極
2の外周面に供給され、静電分離作用によって金属7と
絶縁物8とに分離され、それぞれ金属回収部9と絶縁物
回収部10とに回収される。
【0004】このような構成の従来の静電分離装置の動
作について、高圧電極1を負の電極として説明すると下
記の通りである。
【0005】即ち、入力部5から投入された粒子状異種
物質を含む分離対象物6は、図17に矢印iで示すよう
に、図の反時計方向に回転するドラム電極2に、その外
周面の上部付近で接触し、ドラム電極2の回転とともに
図17の左方へ運ばれる。時間の経過とともに、高圧電
極1とドラム電極2とで形成される高電界により、分離
対象物6の各粒子状異種物質は負に帯電する。
【0006】これらの粒子状異種物質が、金属を含有す
る廃棄物の粉砕によるものである場合、金属7と絶縁物
8とを含むのが一般的であるが、このうち金属7は帯電
してもドラム電極2に接触している場合は接地電位とな
るので、負の電荷が接地へ流れ込むため電荷を持つこと
はなく、静電気力は働かない。一方、絶縁物8は分極
し、ドラム電極2のある向きに負電荷、逆向きに正電荷
を帯びるため、ドラム電極2に吸引される向きの力が働
く。その結果、図17に示したように、金属7と絶縁物
8とが分離され、それぞれ金属回収部9と絶縁物回収部
10とに回収される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
での静電分離技術においては、分離精度があまり高くな
いものと認められている(例えば、荻原・静電気学会
誌,17,2(1993),pp94,「乾式静電分離
技術」、東山ら・静電気学会誌,14,3(199
0),pp234,「複数の誘電帯電電極を用いたフラ
イアッシュの静電選別」など)。
【0008】一般に静電分離装置に投入する分離対象物
6には、粒度分布が広いもの、金属と絶縁物とが互いに
付着したもの、水分を含むもの等、物理的に様々な性質
を有するものが混在している。静電分離技術は、対象と
する粉体に及ぼす静電気力の差によって分離を行う技術
であるため、粒度分布が広いと粒子の帯電量の分布が大
きくなり、同じ材質でも静電気力が異なるために分離さ
れてしまうこと、また、粉体を機械的に破砕する機能を
持たないため、金属と絶縁物とが互いに付着していると
分離できないこと、さらに、粉体が水分を含んだ場合、
絶縁物表面に水分が付着すると電気伝導性を持つため、
金属側に回収されてしまうこと、などにより、必ずしも
高い分離精度が得られないという問題があった。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、静電分離装置に投入する分離対象物に対し、粒
度分布、金属と絶縁物との付着、水分含有等による問題
を解消して、従来に比して分離精度を大幅に高めること
ができる異種物質の分離回収装置および分離回収方法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明では、2種類以上の異なる性
質をもつ物質が混合した粒状の分離対象物を破砕する破
砕装置と、前記分離対象物を粒度別に分別する分級装置
と、この分級装置により細粒側に回収された粒子を電気
的性質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離
する静電分離装置とを備えた分離回収装置を使用して異
種物質を回収する方法であって、分級装置として第1,
第2の分級装置を使用し、まず第1の分級装置により分
離対象物を粒度別に分別し、細粒側に回収された粒子を
静電分離装置に投入する一方、粗粒側に回収された粒子
を破砕装置によって破砕した後に、第2の分級装置に投
入し、この第2の分級装置により細粒側に回収された粒
子を前記静電分離装置に投入することを特徴とする異種
物質の分離回収方法を提供する。
【0011】請求項2の発明では、2種類以上の異なる
性質をもつ物質が混合した粒状の分離対象物を破砕する
破砕装置と、前記分離対象物から水分を除去する乾燥装
置と、前記分離対象物を粒度別に分別する分級装置と、
この分級装置により細粒側に回収された粒子を電気的性
質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する
静電分離装置とを備えた分離回収装置を使用して異種物
質を分離回収する方法であって、まず、乾燥装置によっ
て分離対象物を乾燥させ、次いで分級装置により分離対
象物を粒度別に分別し、細粒側に回収された粒子を静電
分離装置に投入する一方、粗粒側に回収された粒子を破
砕装置によって破砕した後に前記静電分離装置に投入す
ることを特徴する異種物質の分離回収方法を提供する。
【0012】請求項3の発明では、2種類以上の異なる
性質をもつ物質が混合した粒状の分離対象物を破砕する
破砕装置と、前記分離対象物から水分を除去する乾燥装
置と、前記分離対象物を粒度別に分別する分級装置と、
この分級装置により細粒側に回収された粒子を電気的性
質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する
静電分離装置とを備えた分離回収装置を使用して異種物
質を分離回収する方法であって、まず、乾燥装置によっ
て分離対象物を乾燥させ、次いで分級装置により分離対
象物を粒度別に分別し、細粒側に回収された粒子を静電
分離装置に投入する一方、粗粒側に回収された粒子を破
砕装置によって破砕した後に再度前記分級装置に投入す
ることを特徴する異種物質の分離回収方法を提供する。
【0013】請求項4の発明では、2種類以上の異なる
性質をもつ物質が混合した粒状の分離対象物を破砕する
破砕装置と、前記分離対象物から水分を除去する乾燥装
置と、前記分離対象物を粒度別に分別する分級装置と、
この分級装置により細粒側に回収された粒子を電気的性
質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する
静電分離装置とを備えた分離回収装置を使用して異種物
質を分離回収する方法であって、分級装置として第1,
第2の分級装置を使用し、まず、乾燥装置によって分離
対象物を乾燥させ、次いで第1の分級装置により分離対
象物を粒度別に分別し、細粒側に回収された粒子を静電
分離装置に投入する一方、粗粒側に回収された粒子を破
砕装置によって破砕した後に、第2の分級装置に投入
し、この第2の分級装置により細粒側に回収された粒子
を前記静電分離装置に投入することを特徴とする異種物
質の分離回収方法を提供する。
【0014】請求項5の発明では、2種類以上の異なる
性質をもつ物質が混合した粒状の分離対象物を破砕する
破砕装置と、前記分離対象物から水分を除去する乾燥装
置と、前記分離対象物を粒度別に分別する分級装置と、
この分級装置により細粒側に回収された粒子を電気的性
質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する
静電分離装置とを備えた分離回収装置を使用して異種物
質を分離回収する方法であって、まず分級装置によって
分離対象物の分級を行い、ここで細粒側に回収された粒
子を乾燥装置によって乾燥させた後、静電分離装置によ
って導電性粒子と絶縁性粒子とを分離する一方、前記分
級装置により粗粒側に回収された粒子を破砕装置により
破砕した後、再度、前記分級装置に投入することを特徴
とする異種物質の分離回収方法を提供する。
【0015】請求項6の発明では、2種類以上の異なる
性質をもつ物質が混合した粒状の分離対象物を破砕する
破砕装置と、前記分離対象物から水分を除去する乾燥装
置と、前記分離対象物を粒度別に分別する分級装置と、
この分級装置により細粒側に回収された粒子を電気的性
質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する
静電分離装置とを備えた分離回収装置を使用して異種物
質を分離回収する方法であって、分級装置として第1,
第2の分級装置を使用し、まず第1の分級装置により分
離対象物を粒度別に分別し、細粒側に回収された粒子を
乾燥装置によって乾燥させた後、静電分離装置に投入し
て導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する一方、前記分粒
装置で粗粒側に回収された粒子を破砕装置で破砕した
後、前記乾燥装置に投入することを特徴とする異種物質
の分離回収方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る異種物質の分
離回収装置および分離回収方法の実施形態について、図
1〜図15を参照して説明する。
【0017】第1実施形態(図1) 図1は本発明の第1実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0018】本実施形態では、図1に示すように、粒状
の分離対象物を粒度別に分別する分級装置11と、この
分級装置11により細粒側に回収された粒子を電気的性
質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する
静電分離装置12と、分級装置11により粗粒側に回収
された分離対象物を破砕するボールミル等の破砕装置1
4とを備えている。分級装置11としては、例えば振動
フィーダのフィーダ面をメッシュ状の篩面とした構成の
ものが適用され、篩い落とされた細粒側の粒子をベルト
コンベア等によって静電分離装置12に送給するように
してある。
【0019】また、本実施形態では、分級装置11とし
て第1,第2の分級装置15,16を備え、第1の分級
装置15は最前段に配置し、第2の分級装置16は破砕
装置14と静電分離装置12との間に配置してある。す
なわち、本実施形態では、第1の分級装置15の後に破
砕装置14を配置し、この第1の分級装置15の細粒回
収側を静電分離装置12に繋げてある。また、第1の分
級装置15の粗粒回収側を破砕装置14に繋げ、この破
砕装置14に第2の分級装置16を繋げ、さらに第2の
分級装置16の細粒回収側を静電分離装置12に繋げた
構成としてある。
【0020】静電分離装置12は、例えばホッパ形のケ
ーシング内に帯電式の回転するドラム電極と、そのドラ
ム電極下方の異なる位置に設けられた導電性粒子回収部
および絶縁性粒子回収部を備えた構成のもので、ドラム
電極の上方から落下付着する分離対象物を回転によって
下方に案内する際に、静電力の差によって落下位置を異
ならせ、それにより各粒子を各収納部にそれぞれ分離回
収するようにしたものである。
【0021】そして、分離回収作業に際しては、2種類
以上の異なる性質をもつ物質が混合した粒状の分離対象
物を、まず導入用ベルトコンベア等によってホッパに投
入し、その分離対象物をホッパから第1の分級装置15
に定量的に供給する。第1の分級装置15では、供給さ
れた分離対象物を振動する篩面等によって粗粒側(例え
ば粒径1mm以上)と細粒側(例えば粒径1mm未満)
とに篩い分けて回収し、細粒側に回収された一定サイズ
以下の粒子をベルトコンベア等によって静電分離装置1
2に投入する。投入された粒子は静電分離作用によって
導電性粒子と絶縁性粒子とに分離回収される。
【0022】一方、第1の分級装置15で分別された粗
粒は、破砕装置14に投入して破砕し、この後に第2の
分級装置16に投入する。この第2の分級装置16によ
り細粒側に回収された粒子を静電分離装置12に投入し
て金属と絶縁物とに分離する。第2の分級装置16で分
別された粗粒は、そのまま回収される。
【0023】本実施形態によれば、各種の粒径をもつ分
離対象物を静電分離装置12の前段で、まず第1の分級
装置15によって粒度別に分別し、それにより後分離対
象物の粒度分布を一定範囲以下の狭い範囲に限定した状
態とし、この状態で静電分離装置12に投入することに
より、各粒子の帯電量の分布を小さくすることができ、
それにより同一材質の粒子に対する静電気力を同一状態
とすることができ、その結果、分離精度を向上すること
ができる。本実施形態では、分離対象物を第1の分級装
置15で分級した後、静電分離装置12に投入するとい
う基本的な構成部分においては、分離対象物の粒径のば
らつきが比較的小さく、ある程度粒径が揃い、また適度
に乾燥状態となっている場合に有効に適用することがで
きる。
【0024】また、本実施形態によれば、分級装置11
の粗粒側に回収される分離対象物を予め破砕装置14に
よって破砕することにより、導入された分離対象物に含
まれる粗粒が破砕によって細粒化されるので、導入分離
対象物に占める細粒割合が増加し、処理すべき細粒の量
が増大できる。また、破砕によって細粒となる粒子の粒
径も均一化されるので、静電分離装置12における処理
対象物の粒度分布の範囲も狭い範囲のものとすることが
でき、その結果静電分離効率の向上、および分離精度の
向上等も図れる。
【0025】さらに、破砕装置14による破砕工程で
は、異種物質である金属と絶縁物とが一体的に固着した
塊等の粉砕も行われるので、各物質が破砕工程で相互に
分離される機能も付与される。したがって、この各物質
の分離面からも、静電分離効果の向上が図れる。
【0026】これに加え、本実施形態では、破砕装置1
4で破砕しきれなかった粗粒を、第2の分級装置16で
系外に排出する形で回収することで、比較的破砕困難な
分離対象物の処理に際し、静電分離装置12には細粒化
された分離対象物のみを供給するようにして、金属およ
び絶縁物の分離精度を高めることができる。
【0027】第2実施形態(図2) 図2は本発明の第2実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0028】本実施形態の装置は、前記第1実施形態に
おける分級装置11の前段に、乾燥装置13を設け、予
め乾燥工程を行うようにしたものである。すなわち、本
実施形態では図2に示すように、第1段に粒状の分離対
象物から水分を除去する乾燥装置13を設け、第2段に
分離対象物を粒度別に分別する分級装置11を設け、第
3段に分級装置11により細粒側に回収された粒子を電
気的性質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分
離する静電分離装置12と、分離対象物を破砕する破砕
装置14とを設け、この破砕装置14をさらに静電分離
装置12に繋げた構成としてある。
【0029】乾燥装置13としては、電熱あるいは各種
燃料の燃焼熱等を利用して熱エネルギを与えつつ、搬送
を行う加熱炉等が適用される。分級装置11および静電
分離装置12は前記第1実施形態と同様である。
【0030】本実施形態による分離回収作業では、分離
対象物を分級装置11で分級する前に、まず乾燥装置1
3に導入して乾燥させ、その後分級装置11で粗粒側と
細粒側とに分別する。
【0031】次に、破砕された分離対象物を分級装置1
1によって分級し、この分級装置11により細粒側に回
収された粒子を後静電分離装置12に投入して導電性粒
子と絶縁性粒子とに分離する。
【0032】このような本実施形態によれば、分離対象
物が乾燥装置13によって水分を除去され、分離対象物
を構成する導電性粒子および絶縁性粒子が相互に付着し
たりすることなく、かつ流動性の良い状態で分級装置1
1および静電分離装置12に投入される。
【0033】したがって、本実施形態においては、予め
乾燥装置13によって分離対象遺物から水分を除去した
状態で分級装置11に投入するので、分級に関しては、
分離対象物を構成する導電性粒子および絶縁性粒子が乾
燥状態で付着等がなく、かつ流動性の良い状態で分級装
置11に投入されるので、分級装置11の篩面等におけ
る目詰まり等の不具合もなく、円滑な篩い分けが行われ
る。これにより、分離対象物が湿潤状態である場合等に
おいて、分級精度も向上し、かつ分級時間の短縮および
メンテナンスの簡易化、ならびに分級装置11の低コス
ト化等も図れる。また、静電分離装置12への投入およ
びドラム電極等による静電分離作用に際しても、分離対
象物が必ず乾燥状態で供給されるので、各粒子の相互付
着や機器への粒子付着がなく、静電分離作用が高精度で
行われるようになる。よって、本実施形態によれば、例
えば湿式処理装置から排出される廃棄物等の湿潤状態の
分離対象物を処理する場合に好適なものとなる。
【0034】本実施形態によれば、導入した分離対象物
から、まず水分を除去した後に、破砕により細粒化し、
その後の分級により細粒化したものを静電分離するとい
うものであるから、分離対象物が例えば湿式処理装置か
ら排出される廃棄物等の湿潤状態であって、かつ異種物
質である金属と絶縁物とが一体的に固着した塊が多く含
まれているようなものである場合に有効な処理が行え
る。
【0035】すなわち、乾燥工程によって分離対象物を
予め付着性が低く、かつ流動性の良い状態にし、さらに
破砕工程によって塊等を分粒化および細粒化することが
でき、それにより後工程である分級工程では篩面等にお
ける目詰まり等の不具合なく、円滑な篩い作用行える。
そして、それにより分級精度面の向上、分級時間の短縮
およびメンテナンスの簡易化、ならびに分級装置11の
低コスト化等が図れる一方、静電分離工程における静電
分離作用に際しても、分離対象物が必ず乾燥状態で供給
されるので、各粒子の相互付着や機器への粒子付着がな
く、静電分離作用が高精度で行われるようになる。ま
た、分離対象物を予め破砕装置14によって破砕するこ
とにより、導入された分離対象物に含まれる粗粒が破砕
によって細粒化されるので、導入分離対象物に占める細
粒割合が増加し、処理すべき細粒の量が増大でき、しか
も破砕によって粒子の粒径も均一化されるので、静電分
離装置12における処理対象物の粒度分布の範囲も狭い
範囲のものとすることができ、その面からの静電分離効
率の向上、および分離精度の向上等も図れるという多大
な効果が奏される。
【0036】そして、異種物質の分離回収作業に際して
は、まず乾燥装置13によって分離対象物を乾燥させ、
次いで分級装置11により分離対象物を粒度別に分別す
る。そして、分級装置11の細粒側に回収された粒子を
静電分離装置12に投入する一方、粗粒側に回収された
粒子を破砕装置14によって破砕した後に静電分離装置
12に投入する。
【0037】さらに、本実施形態によれば、予め分級し
た粗粒のみを破砕装置14に投入して破砕するので、破
砕すべき分離対象物の量が低減でき、破砕時間および破
砕コストが節約できるとともに、粗粒を破砕装置14で
細粒化した後、静電分離装置12に投入してさらに静電
分離するルートを加えたことにより、導入した分離対象
物の全体を静電分離処理することで、処理量の増大が図
れる。
【0038】第3実施形態(図3) 図3は本発明の第3実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0039】本実施形態では、装置配列については第2
実施形態と略同様であるが、破砕装置14で破砕される
分離対象物の投入先を分級装置11とした点が異なる。
すなわち、図3に示すように、本実施形態では、分離対
象物を、まず乾燥装置13により乾燥した後に分級装置
11により粒度別に分別し、細粒側に回収された粒子は
静電分離装置12に投入して金属と絶縁物とに分離す
る。一方、分級装置11で粗粒側に回収された粒子は破
砕装置14によって破砕した後、この破砕装置14によ
って破砕した粒子は再度、分級装置11に投入する。分
級装置11では、再度投入された粒子の分級が行なわ
れ、細粒側に回収された粒子のみが静電分離装置12に
投入されて金属と絶縁物とに分離されるが、粗粒側に回
収された粒子はさらに再び破砕装置14で破砕され、こ
のサイクルが繰返される。
【0040】このような本実施形態は、いわば第6実施
形態における最前段の分級工程のさらに前段で乾燥工程
を行うものということができる。したがって、本実施形
態においては、破砕および乾燥の両工程を経るので第2
実施形態と略同様の効果が奏されることに加え、分級後
の破砕処理による破砕処理量の低減、それによる破砕時
間短縮等の能率向上、運用コストの低減および破砕装置
14のコンパクト化等による設備コストの低減等が図
れ、さらに破砕装置14による分離対象物の細粒化が繰
返され、導入された殆どの分離対象物を細粒化して静電
分離により分離処理できるようになり、総体的な処理効
率の向上が図れる等の効果が奏される。
【0041】第4実施形態(図4) 図4は本発明の第4実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0042】本実施形態の装置は、初段に乾燥装置13
を配置し、その後に第1の分級装置15を配置し、この
第1の分級装置15の細粒回収側を静電分離装置12に
繋げてある。また、第1の分級装置15の粗粒回収側を
破砕装置14に繋げ、この破砕装置14に第2の分級装
置16を繋げ、さらに第2の分級装置16の細粒回収側
を静電分離装置12に繋げた構成としてある。
【0043】そして、分離作業の際には、分離対象物
を、まず乾燥装置13で乾燥した後に第1の分級装置1
5に投入して粒度別に分別し、この第1の分級装置15
の細粒側に回収された粒子を静電分離装置12に投入し
て金属と絶縁物とに分離する。一方、第1の分級装置1
5の粗粒側に回収された粒子は破砕装置14に投入して
破砕した後に第2の分級装置16に投入する。この第2
の分級装置16により細粒側に回収された粒子を静電分
離装置12に投入して金属と絶縁物とに分離する。第2
の分級装置16で分別された粗粒は、そのまま回収され
る。
【0044】このような本実施形態は、いわば第1実施
形態における最前段の分級工程のさらに前段で乾燥工程
を行うものということができる。したがって、本実施形
態においては、破砕および乾燥の両工程を経るので、破
砕装置14で破砕しきれなかった粗粒を、第2の分級装
置16で系外に排出する形で回収することで、比較的破
砕困難な分離対象物の処理に際し、静電分離装置12に
は細粒化された分離対象物のみを供給するようにして、
金属および絶縁物の分離精度を高めることができる。
【0045】第5実施形態(図5) 図5は本発明の第5実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0046】本実施形態の装置は、初段に分級装置11
を配置し、この分級装置11の細粒回収側を乾燥装置1
3に繋げるとともに、乾燥装置13の後段に静電分離装
置12に繋げ、一方、分級装置11の粗粒回収側を破砕
装置14に繋げ、この破砕装置14をさらに分級装置1
1の上液側に繋げた構成としてある。
【0047】そして、異種物質の分離回収作業に際して
は、まず分級装置11により分離対象物を粒度別に分別
し、分級装置11の細粒側に回収された粒子を乾燥装置
13で乾燥した後に静電分離装置12に投入して金属と
絶縁物とに分離する。一方、分級装置11の粗粒側に回
収された粒子は、破砕装置14によって破砕して細粒と
した後に再度、分級装置11に投入する。分級装置11
では、再度投入された粒子の分級が行なわれ、細粒側に
回収された粒子のみが乾燥装置13を介して静電分離装
置12に投入されて金属と絶縁物とに分離されるが、粗
粒側に回収された粒子はさらに再び破砕装置14で破砕
され、このサイクルが繰返される。
【0048】このような本実施形態は、静電分離装置1
2の前段に乾燥装置13を配置したことにより、破砕お
よび乾燥の両工程を経ることによる効果とに加え、分離
対象物が例えば湿式処理装置から排出される廃棄物等の
湿潤状態であって、かつ異種物質である金属と絶縁物と
が一体的に固着した塊が多く含まれているようなもので
ある場合に有効な処理が行えるという効果が奏される。
また、乾燥装置13に投入される分離対象物の量が低減
されるので、乾燥装置13の構成が簡素化できるととも
に、投入する熱エネルギの量も低減することができる。
さらに、破砕工程では、予め分級工程によって粗粒側に
回収される粒子のみを破砕対象とすることにより、破砕
処理量が低減できるので、破砕時間短縮等の能率向上が
図れ、それにより運用コストの低減、あるいは破砕装置
14のコンパクト化等による設備コストの低減等も図れ
る。
【0049】また、本実施形態によれば、分級後の破砕
処理による破砕処理量の低減、それによる破砕時間短縮
等の能率向上、運用コストの低減および破砕装置14の
コンパクト化等による設備コストの低減等が図れ、さら
に破砕装置14による分離対象物の細粒化が繰返され、
導入された殆どの分離対象物を細粒化して静電分離によ
り分離処理できるようになり、総体的な処理効率の向上
が図れる。
【0050】第6実施形態(図6) 図6は本発明の第6実施形態による異種物質の分離回収
装置を示すシステム構成図である。
【0051】本実施形態の装置は図15に示すように、
分級装置11として第1,第2の分級装置15,16を
備えている。第1の分級装置15は最前段に配置し、第
2の分級装置16は、第5実施形態における破砕装置1
4と乾燥装置13との間に配置してある。すなわち、本
実施形態では、第1の分級装置15の後に破砕装置14
を配置し、この第1の分級装置15の細粒回収側を乾燥
装置13を介して静電分離装置12に繋げてある。ま
た、第1の分級装置15の粗粒回収側を破砕装置14に
繋げ、この破砕装置14に第2の分級装置16を繋げ、
さらに第2の分級装置16の細粒回収側を乾燥装置13
に繋げた構成としてある。
【0052】そして、分離作業の際には、まず第1の分
級装置15により分離対象物を粒度別に分別し、第1の
分級装置15の細粒側に回収された粒子を乾燥装置13
で乾燥した後に静電分離装置12に投入して金属と絶縁
物とに分離する。一方、第1の分級装置15の粗粒側に
回収された粒子は破砕装置14に投入して破砕した後に
第2の分級装置16に投入する。この第2の分級装置1
6により細粒側に回収された粒子を乾燥装置13で乾燥
させた後、静電分離装置12に投入して金属と絶縁物と
に分離する。第2の分級装置16で分別された粗粒は、
そのまま回収される。
【0053】このような本実施形態は、静電分離装置1
2の前段に乾燥装置13を配置したものということがで
きる。したがって、本実施形態によると、分離対象物が
例えば湿式処理装置から排出される廃棄物等の湿潤状態
であって、かつ異種物質である金属と絶縁物とが一体的
に固着した塊が多く含まれているようなものである場合
に有効な処理が行える。また、破砕装置14で破砕しき
れなかった粗粒を、第2の分級装置16で系外に排出す
る形で回収することで、比較的破砕困難な分離対象物の
処理に際し、乾燥装置13を介して静電分離装置12に
細粒化された分離対象物のみを供給するようにして、金
属および絶縁物の分離精度を高めることができる。さら
に、乾燥装置13に投入される分離対象物の量が低減さ
れるので、乾燥装置13の構成が簡素化できるととも
に、投入する熱エネルギの量も低減することができる。
さらに、破砕工程では、予め分級工程によって粗粒側に
回収される粒子のみを破砕対象とすることにより、破砕
処理量が低減できるので、破砕時間短縮等の能率向上が
図れ、それにより運用コストの低減、あるいは破砕装置
14のコンパクト化等による設備コストの低減等も図れ
る。さらにまた、粗粒をさらに破砕装置14で細粒化
し、それを乾燥した後に静電分離装置12に投入して金
属と絶縁物とに分離するルートを加えたことにより、導
入した分離対象物の多くを静電分離処理することで、処
理量の増大が図れる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、物
質を粒度別に分別する分級装置、物質の電気的性質の差
を利用して分離する静電分離装置、物質から水分を除去
する乾燥装置、物質を破砕する破砕装置等の組合せによ
り、静電分離装置に投入する分離対象物に対し、粒度分
布を狭くすること、金属と絶縁物とが互いに付着したも
のを低減すること、水分を除去することなどにより、分
離精度および分離能率を従来に比して大幅に高めること
ができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図2】本発明の第2実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図3】本発明の第3実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図4】本発明の第4実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図5】本発明の第5実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図6】本発明の第6実施形態による異種物質の分離回
収装置を示すシステム構成図。
【図7】従来の異種物質の分離回収装置を示すシステム
構成図。
【図8】図7に示した静電分離装置の一例を示す構成
図。
【符号の説明】 11 分級装置 12 静電分離装置 13 乾燥装置 14 破砕装置 15 第1の分級装置 16 第2の分級装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】削除
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】削除
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】削除
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】削除
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】削除
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】削除
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】削除
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】削除
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志村 尚彦 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 松代 武士 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 4D021 JA20 KA14 LA20 NA01 NA02 NA10 4D054 GA04 GA09

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類以上の異なる性質をもつ物質が混
    合した粒状の分離対象物を粒度別に分別する分級装置
    と、この分級装置により細粒側に回収された粒子を電気
    的性質の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離
    する静電分離装置とを備えたことを特徴とする異種物質
    の分離回収装置。
  2. 【請求項2】 2種類以上の異なる性質をもつ物質が混
    合した粒状の分離対象物から水分を除去する乾燥装置
    と、前記分離対象物を粒度別に分別する分級装置と、こ
    の分級装置により細粒側に回収された粒子を電気的性質
    の差に基づいて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する静
    電分離装置とを備えたことを特徴とする異種物質の分離
    回収装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の異種物質の分離回収装置
    を使用して異種物質を分離回収する方法であって、まず
    乾燥装置によって分離対象物を乾燥させた後に分級装置
    によって分級を行い、その後静電分離装置によって導電
    性粒子と絶縁性粒子とを分離することを特徴とする異種
    物質の分離回収方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の異種物質の分離回収装置
    を使用して異種物質を分離回収する方法であって、まず
    分級装置によって分離対象物の分級を行い、ここで細粒
    側に回収された粒子を乾燥装置によって乾燥させた後、
    静電分離装置によって導電性粒子と絶縁性粒子とを分離
    することを特徴とする異種物質の分離回収方法。
  5. 【請求項5】 2種類以上の異なる性質をもつ物質が混
    合した粒状の分離対象物を破砕する破砕装置と、前記分
    離対象物を粒度別に分別する分級装置と、この分級装置
    により細粒側に回収された粒子を電気的性質の差に基づ
    いて導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する静電分離装置
    とを備えたことを特徴とする異種物質の分離回収装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の異種物質の分離回収装置
    を使用して異種物質を回収する方法であって、まず破砕
    装置によって分離対象物を破砕した後に分級装置によっ
    て分級を行い、その後静電分離装置によって導電性粒子
    と絶縁性粒子とを分離することを特徴とする異種物質の
    分離回収方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の異種物質の分離回収装置
    を使用して異種物質を回収する方法であって、まず分級
    装置により分離対象物を粒度別に分別し、細粒側に回収
    された粒子を静電分離装置に投入する一方、粗粒側に回
    収された粒子を破砕装置によって破砕した後に前記静電
    分離装置に投入することを特徴する異種物質の分離回収
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の異種物質の分離回収装置
    を使用して異種物質を回収する方法であって、まず分級
    装置により分離対象物を粒度別に分別し、細粒側に回収
    された粒子を静電分離装置に投入する一方、粗粒側に回
    収された粒子を破砕装置によって破砕し、この破砕装置
    によって破砕した粒子を再度、前記分級装置に投入する
    ことを特徴とする異種物質の分離回収方法。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の異種物質の分離回収装置
    を使用して異種物質を回収する方法であって、分級装置
    として第1,第2の分級装置を使用し、まず第1の分級
    装置により分離対象物を粒度別に分別し、細粒側に回収
    された粒子を静電分離装置に投入する一方、粗粒側に回
    収された粒子を破砕装置によって破砕した後に、第2の
    分級装置に投入し、この第2の分級装置により細粒側に
    回収された粒子を前記静電分離装置に投入することを特
    徴とする異種物質の分離回収方法。
  10. 【請求項10】 2種類以上の異なる性質をもつ物質が
    混合した粒状の分離対象物を破砕する破砕装置と、前記
    分離対象物から水分を除去する乾燥装置と、前記分離対
    象物を粒度別に分別する分級装置と、この分級装置によ
    り細粒側に回収された粒子を電気的性質の差に基づいて
    導電性粒子と絶縁性粒子とに分離する静電分離装置とを
    備えたことを特徴とする異種物質の分離回収装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の異種物質の分離回収
    装置を使用して異種物質を分離回収する方法であって、
    まず、乾燥装置によって分離対象物を乾燥させ、次いで
    破砕装置によって分離対象物を破砕した後に分級装置に
    よって分級を行い、その後静電分離装置によって導電性
    粒子と絶縁性粒子とを分離することを特徴とする異種物
    質の分離回収方法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の異種物質の分離回収
    装置を使用して異種物質を分離回収する方法であって、
    まず、破砕装置によって分離対象物を破砕し、次いで乾
    燥装置によって分離対象物を乾燥させた後に分級装置に
    よって分級を行い、その後静電分離装置によって導電性
    粒子と絶縁性粒子とを分離することを特徴とする異種物
    質の分離回収方法。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の異種物質の分離回収
    装置を使用して異種物質を分離回収する方法であって、
    まず、乾燥装置によって分離対象物を乾燥させ、次いで
    分級装置により分離対象物を粒度別に分別し、細粒側に
    回収された粒子を静電分離装置に投入する一方、粗粒側
    に回収された粒子を破砕装置によって破砕した後に前記
    静電分離装置に投入することを特徴する異種物質の分離
    回収方法。
  14. 【請求項14】 請求項10記載の異種物質の分離回収
    装置を使用して異種物質を分離回収する方法であって、
    まず、乾燥装置によって分離対象物を乾燥させ、次いで
    分級装置により分離対象物を粒度別に分別し、細粒側に
    回収された粒子を静電分離装置に投入する一方、粗粒側
    に回収された粒子を破砕装置によって破砕した後に再度
    前記分級装置に投入することを特徴する異種物質の分離
    回収方法。
  15. 【請求項15】 請求項10記載の異種物質の分離回収
    装置を使用して異種物質を分離回収する方法であって、
    分級装置として第1,第2の分級装置を使用し、まず、
    乾燥装置によって分離対象物を乾燥させ、次いで第1の
    分級装置により分離対象物を粒度別に分別し、細粒側に
    回収された粒子を静電分離装置に投入する一方、粗粒側
    に回収された粒子を破砕装置によって破砕した後に、第
    2の分級装置に投入し、この第2の分級装置により細粒
    側に回収された粒子を前記静電分離装置に投入すること
    を特徴とする異種物質の分離回収方法。
  16. 【請求項16】 請求項10記載の異種物質の分離回収
    装置を使用して異種物質を分離回収する方法であって、
    まず分級装置によって分離対象物の分級を行い、ここで
    細粒側に回収された粒子を乾燥装置によって乾燥させた
    後、静電分離装置によって導電性粒子と絶縁性粒子とを
    分離する一方、前記分級装置により粗粒側に回収された
    粒子を破砕装置により破砕した後、前記乾燥装置に投入
    することを特徴とする異種物質の分離回収方法。
  17. 【請求項17】 請求項10記載の異種物質の分離回収
    装置を使用して異種物質を分離回収する方法であって、
    まず分級装置によって分離対象物の分級を行い、ここで
    細粒側に回収された粒子を乾燥装置によって乾燥させた
    後、静電分離装置によって導電性粒子と絶縁性粒子とを
    分離する一方、前記分級装置により粗粒側に回収された
    粒子を破砕装置により破砕した後、再度、前記分級装置
    に投入することを特徴とする異種物質の分離回収方法。
  18. 【請求項18】 請求項10記載の異種物質の分離回収
    装置を使用して異種物質を分離回収する方法であって、
    分級装置として第1,第2の分級装置を使用し、まず第
    1の分級装置により分離対象物を粒度別に分別し、細粒
    側に回収された粒子を乾燥装置によって乾燥させた後、
    静電分離装置に投入して導電性粒子と絶縁性粒子とに分
    離する一方、前記分粒装置で粗粒側に回収された粒子を
    破砕装置で破砕した後、前記乾燥装置に投入することを
    特徴とする異種物質の分離回収方法。
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CN103934205A (zh) * 2014-03-25 2014-07-23 北京中民慈善项目发展中心 废旧衣物非织物固体异物复式去除机

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