JP2000032990A - インタ―ロイキン―1レセプタ―アンタゴニストベ―タ(IL―1RAβ)ポリペプチド - Google Patents

インタ―ロイキン―1レセプタ―アンタゴニストベ―タ(IL―1RAβ)ポリペプチド

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JP2000032990A
JP2000032990A JP11134172A JP13417299A JP2000032990A JP 2000032990 A JP2000032990 A JP 2000032990A JP 11134172 A JP11134172 A JP 11134172A JP 13417299 A JP13417299 A JP 13417299A JP 2000032990 A JP2000032990 A JP 2000032990A
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beta
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seq
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Peter R Young
ピーター・アール・ヤング
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SmithKline Beecham Corp
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 慢性および急性炎症、敗血症、ショック、関
節炎、炎症性腸疾患、移植片-対-宿主疾患、自己免疫、
発作、虚血性心疾患、急性呼吸疾患症候群(ARDS)、乾
癬、再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、癌、貧血および
悪液質を含むがそれに限定されない機能不全または疾病
を予防、緩和、または直す上で役割を担い得るインター
ロイキン-1ファミリーのさらなるメンバーの同定および
特徴付けに対する要望がある。 【解決手段】 配列番号2のIL-1raベータポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列とその全長にわたって少
なくとも80%の同一性を有するヌクレオチド配列、ま
たは該ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列か
らなる単離されたポリヌクレオチドを提供するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新たに同定された
ポリヌクレオチド、それによりコードされるポリペプチ
ドおよびかかるポリヌクレオチドおよびポリペプチドの
使用、およびその生産に関する。さらに詳しくは、本発
明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドはインターロ
イキン-1ファミリー(以後IL−1raベータという)に関
する。また、本発明はかかるポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドの作用の阻害または活性化にも関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】イン
ターロイキン1とは炎症反応の初期において鍵となる役
割を担っている2種のタンパク質(IL1αおよびIL1β)
をいう[総説として、C. A. Dinarello, Blood, 87: 209
5-2147(1996)およびその総説中の参考文献を参照された
い]。両タンパク質は31kDalの細胞内前駆タンパク質
として作られ、これは分泌時に切断されて、生物学的に
活性な成熟カルボキシ-末端の17kDalフラグメントを
生じる。IL-1βの場合は、この切断にICEとして知ら
れる細胞内システインプロテアーゼが関わり、それは不
活性な前駆体から活性なフラグメントを遊離させるのに
必要である。IL-1αの前駆体は活性である。
【0003】これら2種のタンパク質は、ほとんど全て
の細胞型に見いだされる細胞表面レセプターに結合し、
単独でまたは他の分泌された因子と協調してのどちらか
で一定範囲の反応をトリガーすることによって作用す
る。これらは、増殖(例えば繊維芽細胞、T細胞の)、
アポトーシス(例えばA375黒色腫細胞)、サイトカイニ
ン誘導(例えばTNF、IL1,IL8の)、レセプター活性化
(例えばE-セレクチン)、エイコサノイド産生(例えば
PGE2)および分解酵素(例えばコラゲナーゼ)の分泌時
の効果から連なる。これを達成するために、IL-1はNF-
κBおよびAP-1のごとき転写因子を活性化する。標的細
胞上のIL-1作用のいくつかの活性は、ストレス活性化MA
PキナーゼJNK/SAPKおよびp38のごとき細胞内ストレスと
も関連付けされてきたキナーゼカスケードの活性化を介
して伝達されると信じられている。
【0004】その後、IL-1ファミリーの第3のメンバー
は、細胞内シグナルまたは生物学的反応を変換すること
なくIL-1レセプターに結合することによってIL-1αおよ
びIL-1βの天然アンタゴニストとして作用することが発
見された。該タンパク質は、IL-1ra(IL-1レセプターア
ンタゴニストにつき)またはIRAP(IL-1レセプターアン
タゴニストタンパク質につき)と呼称された。 IL-1ra
の少なくとも3種の別々のスプライス形態が存在する:1
つは分泌タンパク質をコードし、他の2つは細胞内タン
パク質をコードする。3形態の相対的役割およびそれら
が異なって局在する理由は知られていない。3種のタン
パク質、IL-1α、IL-1β、IL-1raは全て約25−30%
のアミノ酸同一性を共に有し、内部に構造モチーフを3
回繰り返して持つ、β-バレルに折り込まれた12のβ鎖
から成る類似した3次元構造を共に有する。
【0005】3つの公知のIL-1レセプターサブユニット
がある。活性レセプター複合体はタイプIレセプターお
よびIL1RAcP(IL-1付属タンパク質につき)より成る。
タイプIレセプターは3つのリガンドの結合を担い、IL1
RAcPの不存在下でもその能力がある。しかしながら、シ
グナル伝達にはIL-1αまたはβとIL1RAcPとの相互作用
が必要である。IL-1raはIL-1RAcPと相互作用せず、従っ
てシグナルを発することができない。第3のレセプター
サブユニット、タイプIIレセプターはIL-1αおよびIL-1
βと結合するが、細胞内ドメインの欠如によってシグナ
ルを発することができない。むしろ、それは、その膜形
態での誘引物(decoy)または切断された分泌形態での
アンタゴニストのどちらかとして作用し、従って、IL-1
活性を阻害する。それはIL-1raと弱く結合するに過ぎな
い。
【0006】IL-1ra、タイプI IL-1Rの細胞外ドメイン
由来の可溶性IL-1R、IL-1αまたはβに対する抗体、お
よびこれら遺伝子のトランスジェニックノックアウトを
用いる多くの研究は、IL-1が数々の病態生理学において
鍵となる役割を担うことを結論として示している(総説
として、C. A. Dinarello, Blood 87: 2095-2147(1996)
を参照されたい)。例えば、IL-1raは敗血性ショック、
慢性関節リウマチ、移植片-対-宿主疾患、発作、虚血性
心疾患の動物モデルにおいて有効であることが示され、
最近では、これらが示していることのいくつかについて
臨床試験中である。さらに、IL-1αおよびβは、放射−
および化学−保護剤としての可能性と共に造血幹細胞刺
激剤としてのいくつかの可能性も示している。
【0007】より最近、IL-1ファミリーのより遠いメン
バーが同定された。このタンパク質は、元来、T細胞中
でインターフェロンガンマを誘導するその能力を介して
単離され、そこからインターフェロンガンマ誘導因子
(IGIF)と呼称されている[H.Okamuraら、Nature 378:
88-91(1995)]が、続いて、IL-1と同様の構造に折り畳
まれ、わずかなアミノ酸同一性を共有することが示され
た[Bazanら、Nature379: 591(1996)]。IL-1γなる名
称が提唱された。IGIFは毒物ショックの間に起こる肝障
害において直接的役割を担っているようであり、従っ
て、炎症およびストレス条件において初期の役割を担っ
ている他のIL-1と同様である。このことは、これらのイ
ンターロイキン-1が治療標的として確立され、実証され
た履歴を有することを示す。明らかに、慢性および急性
炎症、敗血症、ショック、関節炎、炎症性腸疾患、移植
片-対-宿主疾患、自己免疫、発作、虚血性心疾患、急性
呼吸疾患症候群(ARDS)、乾癬、再狭窄、外傷性脳損傷、
AIDS、癌、貧血および悪液質を含むがそれに限定さ
れない機能不全または疾病を予防、緩和、または直す上
で役割を担い得るインターロイキン-1ファミリーのさら
なるメンバーの同定および特徴付けに対する要望があ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】一つの態様において、本
発明はIL-1raベータポリペプチドおよび組換え物質およ
びその生産方法に関する。本発明のもう一つの態様はか
かるIL-1raベータポリペプチドおよびポリヌクレオチド
を用いる方法に関する。かかる使用は、とりわけ、慢性
および急性炎症、敗血症、癌、貧血、関節炎、炎症性腸
疾患、移植片-対-宿主疾患、自己免疫、発作、ショッ
ク、虚血性心疾患、急性呼吸疾患症候群(ARDS)、乾癬、
再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、癌、貧血、悪液質の
治療を含む。さらにもう一つの態様において、本発明
は、本発明によって提供された物質を用いてアゴニスト
およびアンタゴニストを同定する方法、および同定され
た化合物とのIL-1raベータ不均衡に関連した疾患の治療
に関する。本発明のさらにもう一つの態様は不適当なIL
-1raベータ活性またはレベルに関連した疾患の検出用診
断アッセイに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】定義 以下の定義は、本明細書で汎用する用語の理解を容易に
するためのものである。「IL-1raベータ」は、一般に、
配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドまたはその対立遺伝子変種をいう。「IL-1raベータ活
性またはIL-1raベータポリペプチド活性」あるいは「IL
-1raベータまたはIL-1raベータポリペプチドの生物学的
活性」とは、類似の活性または改良された活性あるいは
望ましくない副作用の減じたこれらの活性を含め、該IL
-1raベータの代謝的または生理学的機能をいう。該IL-1
raベータの抗原的および免疫原的活性も含まれる。
【0010】「IL-1raベータポリペプチド」とは、IL-1
raベータ配列に十分に類似したアミノ酸配列を有する、
特に少なくとも1個のIL-1raベータの生物学的活性を示
すポリペプチドをいう。
【0011】「IL-1raベータ遺伝子」とは、配列番号1
に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド
またはその対立遺伝子変種および/またはそれらの相補
物をいう。
【0012】「IL-1raベータポリヌクレオチド」とは、
IL-1raベータポリペプチドまたはそのフラグメントをコ
ードするヌクレオチド配列、あるいは配列番号2のポリ
ペプチドをコードするヌクレオチド配列またはその対応
するフラグメントに対して少なくとも80%の同一性を
有するヌクレオチド配列、あるいは増幅するためにまた
はプローブもしくはマーカーとして使用するために使用
可能な条件下でハイブリダイズするために、配列番号1
に含まれたヌクレオチド配列に対して十分な80%の同
一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド
をいう。
【0013】本明細書で用いる「抗体」は、ポリクロー
ナルおよびモノクローナル抗体、キメラ、1本鎖、およ
びヒト化抗体、ならびにFabの産物または他の免疫グ
ロブリン発現ライブラリーを含め、Fabフラグメント
を包含する。
【0014】「単離」とは、「人間の手により」天然の
状態から変えられたことを意味する。「単離」された組
成物または物質が天然に存在する場合、その本来の環境
から変えられるかもしくは取り除かれ、またはその両方
がなされたことを意味する。例えば、天然の状態で生存
動物に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは
「単離」されていないが、その天然状態で共存する物質
から分離されているその同一のポリヌクレオチドまたは
ポリペプチドは、本明細書に用いる用語である、「単
離」がなされている。
【0015】「ポリヌクレオチド」とは、一般に、修飾
されていないRNAもしくはDNA、または修飾された
RNAもしくはDNAであってよい、いずれかのポリリ
ボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを
いう。「ポリヌクレオチド」は、一本鎖および二本鎖D
NA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA、
一本鎖および二本鎖RNA、および一本鎖および二本鎖
領域の混合物であるRNA、一本鎖もしくはより典型的
には二本鎖、または一本鎖および二本鎖領域の混合物で
あってもよいDNAおよびRNAを含むハイブリッド分
子を包含するが、これに限定されるものではない。加え
て、「ポリヌクレオチド」は、RNAもしくはDNAま
たはRNAとDNAの両方を含む三本鎖領域をいう。ポ
リヌクレオチドなる用語はまた、一つまたはそれ以上の
修飾された塩基を含有するDNAまたはRNA、ならび
に安定性またはその他の理由で修飾された骨格を有する
DNAまたはRNAを包含する。「修飾された」塩基
は、例えば、トリチル化された塩基およびイノシンなど
の通常でない塩基を包含する。種々の修飾がDNAおよ
びRNAに対してなされている。よって、「ポリヌクレ
オチド」は、典型的には天然において見いだされるよう
な化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態のポリ
ヌクレオチド、ならびにウイルスおよび細胞に特徴的な
化学的形態のDNAおよびRNAを包含する。また、
「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチド
と称される比較的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0016】「ポリペプチド」は、ペプチド結合により
互いに結合している2個またはそれ以上のアミノ酸を有
してなるペプチドまたはタンパク質あるいは修飾された
ペプチド結合により互いに結合している2個またはそれ
以上のアミノ酸を有してなるペプチドまたはタンパク
質、すなわち、ペプチドアイソスターをいう。「ポリペ
プチド」は、通常、ペプチド、オリゴペプチドまたはオ
リゴマーと称される短鎖、およびタンパク質と称される
長鎖の両方をいう。ポリペプチドは遺伝子によりコード
された20種のアミノ酸とは異なるアミノ酸を含有して
もよい。「ポリペプチド」は、翻訳後プロセッシングな
どの自然の工程により、または当業者に周知の化学修飾
技法により修飾されたアミノ酸配列を含有する。このよ
うな修飾は基本テキストにて、およびさらに詳細な研究
論文にて、ならびに膨大な研究文献において詳しく記載
されている。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およ
びアミノまたはカルボキシル末端を含め、ポリペプチド
のどこででも起こり得る。同一の型の修飾が所定のポリ
ペプチドの幾つかの部位で、同一または異なる程度で存
在し得ることは理解されよう。また、所定のポリペプチ
ドは多くの型の修飾を含んでいてもよい。ポリペプチド
はユビキチネーションの結果として分岐していてもよ
く、分岐しているかまたはしていない、環状であっても
よい。環状、分岐および分岐した環状ポリペプチドは翻
訳後の天然プロセスにより生じたものであってもよく、
または合成法により製造されたものであってもよい。修
飾は、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、ア
ミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌ
クレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質
または脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトー
ルの共有結合、交差架橋、環化、ジスルフィド結合形
成、脱メチル化、交差架橋共有結合形成、システイン形
成、ピログルタメート形成、ホルミル化、ガンマ−カル
ボキシル化、糖鎖形成、GPIアンカー形成、ヒドロキ
シル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、
タンパク質分解的プロセッシング、リン酸化、プレニル
化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化な
どのトランスファーRNA媒介のタンパク質へのアミノ
酸付加、ならびにユビキチネーションを包含する。例え
ば、PROTEINS‐STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES、
第2版、T.E.Creighton、W.H.Freeman and Company、Ne
w York(1993)およびPOSTTRANSLATIONAL COVALENT MOD
IFICATION OF PROTEINS、B.C.Johnson編、Academic Pre
ss、New York(1983)のWold,F.、Posttranslational P
rotein Modifications:Perspectives and Prospects、
1〜12頁;Seifterら、“Analysis for protein modific
ations and nonprotein cofactors”、Meth.Enzymol. 1
82:626-646(1990)およびRattanら、“Protein Synth
esis:Posttranslational Modifications and Agin
g”、Ann.N.Y.Acad.Sci.663:48-62(1992)を参照のこ
と。
【0017】本明細書で用いる「変種」なる用語は、各
々、対照ポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異な
るが、本質的な特性は保持している、ポリヌクレオチド
またはポリペプチドである。典型的なポリヌクレオチド
の変種は、別の対照ポリヌクレオチドとはヌクレオチド
配列が異なる。変種のヌクレオチド配列における変化
は、対照ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプ
チドのアミノ酸配列と変わっていてもよく、変わってい
なくてもよい。ヌクレオチドの変化は、後記するよう
に、対照配列によりコードされるポリペプチドにおいて
アミノ酸置換、付加、欠失、融合および末端切断をもた
らしうる。典型的なポリペプチドの変種は、別の対照ポ
リペプチドとはアミノ酸配列が異なる。一般に、差異
は、対照ポリペプチドおよび変種の配列が、全体的に極
めて類似しており、多くの領域で同一であるように限定
される。変種および対照ポリペプチドは、1またはそれ
以上の置換、付加、欠失のいずれかの組み合わせによ
り、アミノ酸配列にて異なっていてもよい。置換または
挿入されたアミノ酸残基は、遺伝暗号によりコードされ
たものであってもなくてもよい。ポリヌクレオチドまた
はポリペプチドの変種は、対立遺伝子変種のような天然
物であってもよく、または天然に発生することが知られ
ていない変種であってもよい。ポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドの天然に生じない変種は、突然変異誘発技
術により、または直接的合成により製造できる。
【0018】当該分野で周知のように「同一性」は、2つ
またはそれ以上のポリペプチド配列あるいは2つまたは
それ以上のポリヌクレオチド配列間での配列比較によっ
て決定されるような関係である。当該分野において、
「同一性」とは、場合により、一連の配列間での対合に
より決定されるような、ポリペプチドまたはポリヌクレ
オチド配列間の配列相関の度合を意味する。「同一性」
および「類似性」は、限定はしないが、(COMPUTATIONAL
MOLECULAR BIOLOGY,Lesk,A.M.編、Oxford University
Press、New York、1988年;BIOCOMPUTING:INFORMATICS
AND GENOME PROJECTS、Smith,D.W.編、Academic Pres
s、New York、1993年;COMPUTER ANALYSISOF SEQUENCE
DATA,PARTI,Griffin,A.M.およびGriffin,H.G.編、Hu
mana Press、New Jersey、1994年;SEQUENCE ANALYSIS
IN MOLECULAR BIOLOGY,von Heinje,G.、Academic Pres
s、1987年;およびSEQUENCE ANALYSIS PRIMER,Gribsko
v,M.およびDevereux,J.編、M Stockton Press、New Yo
rk、1991年;およびCarillo,H.およびLipman, D., SIAM
J. Applied Math., 48:1073, 1988)において開示され
ている方法を包含する既知の方法を用いて、容易に計算
することができる。同一性を測定する好ましい方法は、
調べる配列間に最高の対合を与えるように設計されてい
る。同一性および類似性を決定するための方法は、公に
入手できるコンピュータープログラムに集成されてい
る。二つの配列間の同一性および類似性を測定するため
の好ましいコンピュータープログラム法は、GCGプロ
グラムパッケージ(Devereux,J.ら、Nucleic Acids Res
earch 12(1):387(1984))、BLASTP、BLASTN、FAST
A(Atschul,S.F.ら、J.Molec.Biol. 215:403(199
0))を包含するが、これらに限定されるものではな
い。BLAST Xプログラムは、NCBIおよび他の所から公に
入手できる(BLAST Manual, Altschul, S.ら、NCBI NLM
NIH Bethesda, MD 20894;Altscul,S.ら、J.Mol.Bio
l.215:403-410(1990))。よく知られたSmith Waterman
アルゴリズムもまた、同一性の測定に使用してもよい。
【0019】ポリペプチド配列比較用の好ましいパラメ
ーターは以下のものを含む: 1)アルゴリズム:NeedlemanおよびWunsch, J. Mol. Bio
l. 48: 443-453(1970)比較マトリクス:Hentikoffおよ
びHentikoff, Proc. Natl. Acad. Sci., USA.89: 10915
-10919(1992)からのBLOSSUM62 ギャップペナルティー:12 ギャップ長さペナルティー:4 これらパラメーターを用いた有用なプログラムは、ジェ
ネティクス・コンピューター・グループ(Genetics Comp
uter Group)、ウィスコンシン州マジソン(Madison WI)
から、“ギャップ(gap)”プログラムとして公に入手
できる。前記パラメーターは(エンドギャップ用にペナ
ルティーなしで)ポリペプチド比較用のデフォルトパラ
メーターである。
【0020】ポリヌクレオチド比較用の好ましいパラメ
ーターは以下のものを含む: 1)アルゴリズム:NeedlemanおよびWunsch, J. Mol. Bio
l. 48: 443-453(1970) 比較マトリクス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップペナルティー:50 ギャップ長さペナルティー:3 これらパラメーターを用いた有用なプログラムは、ジェ
ネティクス・コンピューター・グループ(Genetics Comp
uter Group)、ウィスコンシン州マジソン(Madison WI)
から、“ギャップ(gap)”プログラムとして公に入手
できる。前記パラメーターはポリヌクレオチド比較用の
デフォルトパラメーターである。
【0021】好ましいポリヌクレオチドの具体例は、さ
らに、配列番号1に示されるポリヌクレオチド参照配列
と少なくとも、50、60、70、80、85、90、
95、97または100%同一性を有するポリヌクレオ
チドを含む単離されたポリヌクレオチドを含み、ここに
該参照配列は配列番号1に示される配列と同一であって
もよく、または参照配列と比較してある整数までのヌク
レオチド変化を含んでもよく、ここに該変化は少なくと
も1つのヌクレオチド欠失、トランジションおよびトラ
ンスバージョンを含む置換または挿入より成る群から選
択され、ここに、該変化は、参照配列のヌクレオチドの
間で個々にまたは参照配列内の連続した1つ以上の群に
て散在して、参照ヌクレオチド配列の5’または3’末
端位で、またはその末端間のいずれの位置でも起こり
得、ここに、ヌクレオチド変化の該数は、各パーセント
同一性のパーセント数と配列番号1におけるヌクレオチ
ドの総数とを乗じ、配列番号1におけるヌクレオチドの
該総数からその積を減じることによって決定される。す
なわち: nn≦xn−(xn・y) 式中nnはヌクレオチド変化の数であって、xnは配列番
号1におけるヌクレオチドの総数であって、yは50%
に対して0.50、60%に対して0.60、70%に
対して0.70、80%に対して0.80、85%に対
して0.85、90%に対して0.90、95%に対し
て0.95、97%に対して0.97または100%に
対して1.00であって、ここにxnおよびyのいずれ
の非整数の積もxnからそれを減じる前に最も近い整数
に切り下げる。配列番号2に示されるポリぺプチドをコ
ードするポリヌクレオチド配列の変化は、これがコード
する配列にてナンセンス、ミスセンスまたはフレームシ
フト型突然変異を生じ得、それによって、かかる変化に
よりポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチ
ドを改変する。
【0022】好ましいポリペプチドの具体例は、さら
に、配列番号2に示されるポリペプチド参照配列と少な
くとも、50、60、70、80、85、90、95、
97または100%同一性を有するポリペプチドを含む
単離されたポリペプチドを含み、ここに該参照配列は配
列番号2に示される配列と同一であってもよくまたは参
照配列と比較してある整数までのヌクレオチド変化を含
んでもよく、ここに該変化は少なくとも1つのアミノ酸
欠失、保存および非-保存アミノ酸の置換を含めた置
換、または挿入より成る群から選択され、ここに、該変
化は、参照配列の間で個々にまたは参照配列内の連続し
た1つ以上の群にて散在して、参照ポリペプチド配列の
アミノ-またはカルボキシ-末端位で、またはその末端間
のいずれの位置でも起こり得、ここに、アミノ酸変化の
該数は、各パーセント同一性のパーセント数と配列番号
2におけるアミノ酸の総数とを乗じ、配列番号2におけ
るアミノ酸の該総数からその積を減じることにより決定
される。すなわち: na≦xa−(xa・y) 式中naはアミノ酸変化の数であって、xaは配列番号2
におけるアミノ酸の総数であって、yは50%に対して
0.50、60%に対して0.60、70%に対して
0.70、80%に対して0.80、85%に対して
0.85、90%に対して0.90、95%に対して
0.95、97%に対して0.97または100%に対
して1.00であって、ここにxaおよびyのいずれの
非整数の積もxaからそれを減じる前に最も近い整数に
切り下げる。
【0023】本発明のポリペプチド 本発明のIL-1raベータポリペプチドは、配列番号2のポ
リペプチド(特に成熟ポリペプチド)ならびにIL-1raベ
ータポリペプチドを包含し、それらは、配列番号2のポ
リペプチドまたはその関連部分と少なくとも80%の同
一性、より好ましくは配列番号2と少なくとも85%の
同一性、またより好ましくは少なくとも90%の同一
性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性を
有する。
【0024】IL-1raベータポリペプチドは「成熟」タン
パク質の形態であってもよく、あるいは融合タンパク質
などの大型のタンパク質の一部であってもよい。分泌ま
たはリーダー配列、プロ配列、複数のヒスチジン残基の
ごとき精製を促進する配列、または組換え操作の間の安
定性のための付加的な配列を含む付加的なアミノ酸配列
を含んでいることが有利なことがよくある。
【0025】IL-1raベータポリペプチドの生物学的に活
性なフラグメントも本発明に含まれる。フラグメント
は、前記のIL-1raベータポリペプチドのアミノ酸配列の
すべてではなく一部に対して全く同一であるアミノ酸配
列を有するポリペプチドである。IL-1raベータポリペプ
チドでは、フラグメントは「自立している」であるか、
またはフラグメントが一部分もしくは一領域を形成する
大型のポリペプチド内に含まれていてもよく、最も好ま
しくは単一の連続した領域として含まれる。本発明のポ
リペプチドフラグメントの典型例は、例えば、IL-1raベ
ータポリペプチドのアミノ酸番号約1〜20、21〜4
0、41〜60、61〜80、81〜100および10
1から末端までからなるフラグメントを包含する。この
意味において、「約」とは、片方または両端において、
特記された数よりも数個、5個、4個、3個、2個また
は1個だけ多いかまたは少ない範囲を含む。
【0026】好ましいフラグメントは、例えば、アミノ
末端を含む一連の残基が欠失、またはカルボキシル末端
を含む一連の残基が欠失、あるいは一方がアミノ末端で
もう一方がカルボキシル末端を含む2つの一連の残基が
欠失していること以外は、IL-1raベータポリペプチドの
アミノ酸配列を有する末端切断ポリペプチドを包含す
る。また、アルファーヘリックスおよびアルファーヘリ
ックス形成領域、ベータシートおよびベータシート形成
領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイ
ル形成領域、親水領域、疎水領域、アルファー両親媒性
領域、ベータ両親媒性領域、可変領域、表面形成領域、
基質結合領域および高抗原性指標領域を有するフラグメ
ントなどの構造的または機能的属性により特徴付けられ
るフラグメントも好ましい。生物学的に活性なフラグメ
ントは、類似活性または改良された活性を有する、ある
いは望ましくない活性を減じたものを含め、IL-1raベー
タ活性を媒介する、フラグメントである。動物、とりわ
けヒトにおいて抗原的または免疫原的なフラグメントも
また含まれる。
【0027】よって、本発明のポリペプチドは、配列番
号2の配列に対して、少なくとも同一なアミノ酸配列を
有するポリペプチド、または配列番号2のその対応する
フラグメントに対して少なくとも80%の同一性を有す
るフラグメントを包含する。好ましくは、これらのポリ
ペプチドはすべて、抗原的活性を含め、IL-1raベータの
生物学的活性を保持している。定義した配列の変種およ
びフラグメントも本発明の一部を形成する。好ましい変
種は、同類アミノ酸置換により対照と異なるものであ
り、すなわち、一の残基が同様の特徴を有する他の残基
により置換されているものである。典型的なかかる置換
は、Ala、Val、LeuおよびIleの間:SerおよびThrの間;
酸性残基AspおよびGluの間;AsnおよびGlnの間;ならび
に塩基性残基LysおよびArgの間;あるいは芳香族残基Ph
eおよびTyrの間におけるものである。数個、5ないし1
0個、1ないし5個、または1ないし2個のアミノ酸が
いずれかの組み合わせで置換、欠失または付加されてい
る変種が特に好ましい。
【0028】いずれか適当な方法にて本発明のIL-1raベ
ータポリペプチドを製造することができる。かかるポリ
ペプチドは、単離された天然ポリペプチド、組換え技法
で産生されたポリペプチド、合成法により産生されたポ
リペプチド、またはこれらの方法の組み合わせにより産
生されたポリペプチドを包含する。かかるポリペプチド
の製造手段は当該分野においてよく知られている。
【0029】本発明のポリヌクレオチド 本発明のもう一つ別の態様は、IL-1raベータポリペプチ
ドをコードする単離ポリヌクレオチドおよびそのポリヌ
クレオチドに密接に関連するポリヌクレオチドに関す
る。
【0030】ヒトIL-1raベータをコードするcDNAを
配列決定した結果から明らかなように、本発明のIL-1ra
ベータは、インターロイキン−1ファミリーの他のタン
パク質に構造的に関連付けられる。cDNA配列は、推
定分子量18.7kDaを有する169アミノ酸のタン
パク質をコードする読み枠を含んでいる。図1(配列番
号2)のIL-1raベータは、ヒトIL-1レセプターアンタゴ
ニスト(IL-1ra)と、162残基にわたるアミノ酸残基
にて、約29.9%の同一性(BESTFIT(プログラムのG
CG suiteの部分)を使用)を有する(S.P.Eisenberg et
al., Nature343:341-346, 1990)。さらに、IL-1raベ
ータ(配列番号2)は、ヒトインターロイキン1ベータ
(IL-1ベータ)と、160残基にわたるアミノ酸残基に
て、約21.3%同一である(P.E.Auron et al., Proc
Natl. Acad. Sci. USA 81:7907-7911, 1984;C.J.March
et al., Nature 315:641-647(1985))。図1(配列番
号1)のIL-1raベータ遺伝子は、ヒトIL-1raと230
ヌクレオチド残基にて、約59.0%の同一性(BESTFI
T(プログラムのGCG suiteの部分)を使用)を有する
(S.P.Eisenberg et al., Nature 343:341-346, 199
0)。
【0031】ヒト・表皮ケラチン細胞およびTNFαプ
ラスIFNγ(インターフェロンγ)によって誘導され
た内皮細胞中のmRNAから由来のcDNAライブラリ
ーより標準的クローニングおよびスクリーニングを用
い、発現配列タグ(EST)分析(Adams,M.D.ら、Scie
nce 252:1651-1656(1991);Adams,M.D.ら、Nature 3
55:632-634(1992);Adams,M.D.ら、Nature 377 Sup
p:3-174(1995))を用いて、IL-1raベータをコードす
る本発明の1のポリヌクレオチドを得てもよい。ゲノム
DNAライブラリーのごとき天然源から本発明のポリヌ
クレオチドを得ることもでき、あるいはよく知られ、か
つ商業上利用可能な方法を用いて合成することもでき
る。
【0032】よって、IL-1raベータポリペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列は、全長にわたり図1(配列番
号1)におけるコーディング配列に対して同一であって
もよく、または配列番号2のポリペプチドをコードする
該ヌクレオチド配列の縮重型であってもよく、または配
列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
に対して大いに同一であってもよい。好ましくは、本発
明のポリヌクレオチドは、IL-1raベータポリペプチドを
コードするヌクレオチド配列と大いに同一である、少な
くとも同一であるか、または図1(配列番号1)に示さ
れるコード化ヌクレオチド配列と少なくとも80%同一
であるか、または配列番号2のポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列に対して少なくとも80%同一であ
るヌクレオチド配列を含む。
【0033】本発明のポリヌクレオチドをIL-1raベータ
ポリペプチドの組換え生産に用いる場合、ポリヌクレオ
チドはそれ自体、成熟ポリペプチドまたはそのフラグメ
ントのコーディング配列を含むものであってもよく;読
み枠中に、リーダーまたは分泌配列、プレ、プロ、もし
くはプレプロタンパク質配列をコードするコーディング
配列、または他の融合ペプチド部分などの、他のコーデ
ィング配列を伴った、成熟ポリペプチドまたはフラグメ
ントのコーディング配列を含むものであってもよい。例
えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配
列をコードすることもできる。本発明のこの態様の特に
好ましい具体例において、マーカー配列は、pQEベク
ター(Qiagen,Inc.)で得られ、Gentzら、Proc. Natl.
Acad. Sci., USA,86:821-824(1989)に記載されるよ
うな、ヘキサ−ヒスチジンペプチドであるか、またはH
Aタグである。ポリヌクレオチドはまた、非コーディン
グ5’および3’配列、例えば、転写された非翻訳配
列、スプライスおよびポリアデニル化シグナル、リボソ
ーム結合部位およびmRNAを安定化する配列などを含
有していてもよい。
【0034】本発明のさらなる好ましい具体例は、図1
(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を有するIL-1ra
ベータポリペプチドおよびその変種である。
【0035】さらに好ましい具体例は、図1(配列番号
2)のIL-1raベータポリペプチドのアミノ酸配列を有
し、数個、5ないし10個、1ないし5個、1ないし3
個、1ないし2個または1個のアミノ酸残基がいずれか
の組み合わせで置換、欠失または付加されているIL-1ra
ベータ変種をコードするポリヌクレオチドである。
【0036】本発明のさらに好ましい具体例は、図1
(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を有するIL-1ra
ベータポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対
して、全長にわたり少なくとも80%同一であるポリヌ
クレオチド、およびかかるポリヌクレオチドに相補的な
ポリヌクレオチドである。この点において、同様なポリ
ヌクレオチドに対して全長にわたり少なくとも80%同
一であるポリヌクレオチドが特に好ましく、少なくとも
90%同一であるものがとりわけ好ましい。さらに、少
なくとも97%同一なものが大いに好ましく、少なくと
も98−99%同一なものがほとんど大いに好ましく、
少なくとも99%同一なものが最も好ましい。
【0037】本発明は、さらに、本明細書において前記
した配列とハイブリッド形成するポリヌクレオチドに関
する。この点において、本発明は、特に、本明細書にお
いて前記したポリヌクレオチドにストリンジェントな条
件下でハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドに
関する。本明細書で用いる用語の「ストリンジェントな
条件」とは、配列間に少なくとも95%、好ましくは少
なくとも97%の同一性がある場合にのみハイブリダイ
ゼーションが起こることを意味する。
【0038】本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1
に含まれるヌクレオチド配列に対して十分に同一であ
り、cDNAおよびゲノムDNA用のハイブリダイゼー
ションプローブとして用いてIL-1raベータポリペプチド
をコードする全長のcDNAおよびゲノムクローンを単
離し、IL-1raベータ遺伝子に対して高配列類似性を有す
る他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単離す
ることができる。かかるハイブリダイゼーション法は当
業者に知られている。典型的には、これらのヌクレオチ
ド配列は、対照配列と70%同一、好ましくは80%同
一、より好ましくは90%同一である。一般に、プロー
ブは少なくとも15個のヌクレオチドを含むであろう。
好ましくは、かかるプローブは少なくとも30個のヌク
レオチドを有し、少なくとも50個のヌクレオチドを有
していてもよい。特に好ましいプローブは30ないし5
0個のヌクレオチドの範囲にある。
【0039】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドを、動物およびヒトの疾患に対する治療および診断
の発見のための研究試薬および材料として使用してもよ
い。
【0040】ベクター、宿主細胞、発現 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド(複数でも
可)を含むベクター、本発明のベクターで遺伝子操作す
る宿主細胞および組換え技法による本発明のポリペプチ
ドの製造にも関する。無細胞翻訳系を用い、本発明のD
NA構築物から由来のRNAを用いてかかるタンパク質
を製造できる。
【0041】組換え体を製造するために、宿主細胞を遺
伝子操作して、本発明のポリヌクレオチドについての発
現系もしくはそれらの一部を組み込むことができる。ポ
リヌクレオチドの宿主細胞への導入は、Davisら、BASIC
METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY(1986);Sambrook
ら、MOLECUR CLONING:A LABORATORY MANUAL、第2版、
Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring H
arbor、N.Y.(1989)のような、多くの標準的な実験マ
ニュアルに記載される方法により行うことができ、例え
ばリン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−
デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベク
ション、マイクロインジェクション、陽イオン脂質媒介
トランスフェクション、エレクトロポレーション、トラ
ンスダクション、スクレープ負荷、バリスティック導入
または感染等がある。
【0042】適当な宿主の代表的なものとして、細菌細
胞、例えば連鎖球菌属(streptococci)、ブドウ球菌属
(staphylococci)、大腸菌(E.coli)、ストレプトミ
セス(Streptomyces)および枯草菌(Bacillus subtili
s)細胞;真菌細胞、例えば酵母細胞およびアスペルギ
ルス属(Aspergillus)細胞;昆虫細胞、例えばドロソ
フィラS2(Drosophila S2)およびスポドプテラSf
9(Spodoptera Sf9)細胞;動物細胞、例えばCHO、CO
S、HeLa、C127、3T3、BHK、HEK293およびボ
ウズ(Bows)黒色腫細胞;ならびに植物細胞が挙げられ
る。
【0043】多種の発現系を用いることができる。この
ような系として、とりわけ、染色体、エピソームおよび
ウイルス由来系、例えば細菌プラスミドから、バクテリ
オファージから、トランスポゾンから、酵母エピソーム
から、挿入エレメントから、酵母染色体エレメントか
ら、バキュロウイルス、パポバウイルスなどの、例えば
SV40、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘
ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイルス等
のウイルスから由来のベクター、ならびにその組み合わ
せから由来のベクター、例えばコスミドおよびファージ
ミドなどのプラスミドおよびバクテリオファージ遺伝因
子から由来のベクターが挙げられる。発現系は発現を制
御および引き起こす調節領域を含有していてもよい。一
般に、ポリヌクレオチドを保持、伸長または発現させ、
宿主にてポリペプチドを産生するのに適した系またはベ
クターを使用できる。種々の周知かつ慣用的な技法、例
えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING、A LABORATORY
MANUAL(前掲)に記載されている技法により、適当なヌ
クレオチド配列を発現系に挿入できる。
【0044】翻訳タンパク質を、小胞体内腔、周辺腔ま
たは細胞外環境へ分泌させるために、適当な分泌シグナ
ルを所望のポリペプチドに組み込むことができる。これ
らのシグナルはポリペプチドに固有のシグナルであって
もよく、あるいは異種性のシグナルであってもよい。
【0045】IL-1raベータポリペプチドをスクリーニン
グアッセイにて用いるために発現させる場合、そのポリ
ペプチドを細胞表面で生成させることが好ましい。この
場合、スクリーニングアッセイに使用する前に細胞を集
めてもよい。IL-1raベータポリペプチドが培地中に分泌
されるならば、培地を回収してポリペプチドを回収し精
製することができる。細胞内に生成されるならば、まず
細胞を溶解し、次いで、ポリペプチドを回収しなければ
ならない。IL-1raベータポリペプチドは、硫酸アンモニ
ウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽
イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロ
マトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、ア
フィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタ
イトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフ
ィーを含め、周知の方法により、組換え細胞培養物から
回収および精製できる。高速液体クロマトグラフィーを
精製に用いるのが最も好ましい。ポリペプチドが単離お
よび/または精製中に変性する場合、タンパク質を再生
するための周知方法を用い、再び活性な立体配座とする
ことができる。
【0046】診断アッセイ 本発明はまた診断薬として用いるためのIL-1raベータポ
リヌクレオチドの使用にも関する。機能不全に関与する
IL-1raベータ遺伝子の変異形の検出は、IL-1raベータの
過少発現、過剰発現または発現の変化よりもたらされる
疾患の診断または罹病し易さを特定することのできる診
断手段を提供する。IL-1raベータ遺伝子に変異のある個
体は、種々の方法によりDNAレベルで検出できる。
【0047】診断に供する核酸は、対象の細胞、例え
ば、血液、尿、唾液、組織生検または剖検材料より得る
ことができる。ゲノムDNAは、検出するのに直接使用
してもよく、または分析の前にPCRもしくはその他の
増幅法を用いることにより酵素的に増幅させてもよい。
RNAまたはcDNAもまた同じ方法で用いることがで
きる。正常な遺伝子型との比較における増幅産物の大き
さの変化により、欠失および挿入を検出できる。点突然
変異は、増幅DNAを標識化IL-1raベータのヌクレオチ
ド配列とハイブリッド形成させることにより同定でき
る。完全に対合した配列はRNase消化により、または
融解温度の違いにより、誤対合二重らせんから区別でき
る。DNA配列の違いはまた、変性物質と一緒にまたは
なしで、ゲル中のDNAフラグメントの電気泳動の移動
度の変化により、または直接的DNA配列決定法により
検出できる。例えばMyersら、Science 230:1242(198
5)を参照のこと。特異的な位置での配列の変化はま
た、ヌクレアーゼ保護アッセイ、例えばRNaseおよび
S1保護または化学的切断法によっても明らかにするこ
とができる。Cottonら、Proc. Natl. Acad. Sci., US
A,85:4397-4401(1985)を参照のこと。もう1つの具
体例において、IL-1raベータヌクレオチド配列由来のフ
ラグメントからなるオリゴヌクレオチドプローブのアレ
イ(array)を構築して、例えば遺伝的変異の効果的な
スクリーニングを行うことができる。アレイ法はよく知
られており、適用範囲が広く、その方法を用いて、遺伝
子発現、遺伝的連鎖および遺伝的変化を含め、分子遺伝
学における種々の問題と取り組むことができる(例え
ば、M.Cheeら、Science, Vol 274, pp610-613(1996)
を参照のこと)。
【0048】診断アッセイは、記載した方法によりIL-1
raベータ遺伝子中の変異を検出することによる、慢性お
よび急性炎症、敗血症、ショック、癌、貧血、関節炎、
炎症性腸疾患、移植片−対−宿主疾患、自己免疫、発
作、虚血性心疾患、急性呼吸疾患症候群(ARDS)、
乾癬、再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、癌、貧血およ
び悪液質の罹病性を診断または測定する方法を提供す
る。
【0049】加えて、慢性および急性炎症、敗血症、シ
ョック、癌、貧血、関節炎、炎症性腸疾患、移植片−対
−宿主疾患、自己免疫、発作、虚血性心疾患、急性呼吸
疾患症候群(ARDS)、乾癬、再狭窄、外傷性脳損
傷、AIDS、癌、貧血および悪液質は、対象から由来
の試料より、異常に上昇または低下したIL-1raベータポ
リペプチドまたはIL-1raベータmRNAのレベルを測定
することを特徴とする方法によって診断することができ
る。発現の増加または低下は、ポリヌクレオチドの定量
法として当該分野で周知の方法、例えば、PCR、RT
-PCR、RNase保護、ノーザンブロッティングおよび
他のハイブリダイゼーション法を用いてRNAレベルで
測定できる。宿主から由来の試料中のIL-1raベータポリ
ペプチドなどのタンパク質のレベルを決定するために用
いることができるアッセイ法は、当業者に周知である。
このようなアッセイ法には、ラジオイムノアッセイ、競
争結合アッセイ、ウェスタンブロット分析およびELI
SAアッセイが挙げられる。
【0050】染色体アッセイ 本発明のヌクレオチド配列は染色体の同定にも価値があ
る。該配列は、個々のヒト染色体上の特定の位置を特異
的に標的とし、これとハイブリッド形成しうる。本発明
に従って、関連する配列を染色体にマッピングする工程
は、それらの配列を遺伝子関連疾患と関連づける重要な
第1工程である。配列を正確な染色体位置にマッピング
したならば、染色体上の配列の物理的位置を遺伝地図の
データと関連づけることができる。かかるデータは、例
えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man(J
ohns Hopkins University Welch Medical Libraryから
オンラインで利用できる)にて見られる。ついで、連鎖
分析(物理的に隣接する遺伝子の同時遺伝)により、同
じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との関係
を同定する。
【0051】IL-1raベータ遺伝子は、IL-1α、βおよび
IL-1raに近い領域において、合成オリゴヌクレオチドプ
ライマー対を用いるPCRによって得られたマッピング
されたゲノムDNAのフラグメントから得た配列を含む
公のデータベースと比較することにより、染色体2にマ
ッピングされた。
【0052】罹病個体と未罹病個体との間のcDNAま
たはゲノム配列の相違も測定することができる。いくつ
かまたはすべての罹病個体において変異が観察される
が、正常個体においては観察されない場合、その変異は
該疾患の原因である可能性がある。
【0053】抗体 本発明のポリペプチドもしくはそれらのフラグメントま
たはそのアナログ、あるいはそれらを発現する細胞を免
疫原として用いて、IL-1raベータポリペプチドに対して
免疫特異的な抗体を得ることもできる。「免疫特異的」
なる語は、抗体が先行技術における他の関連ポリペプチ
ドに対するアフィニティーよりも、本発明のポリペプチ
ドに対して実質的により大きなアフィニティーを有する
ことを意味する。
【0054】IL-1raベータポリペプチドに対して生じる
抗体は、ポリペプチドまたはエピトープ担持フラグメン
ト、アナログまたは細胞を、動物、好ましくはヒト以外
の動物に、通常の実験法を用いて投与することにより得
ることができる。モノクローナル抗体の産生には、連続
的セルライン培養により得られる抗体を提供するいずれ
の方法も用いることができる。例えば、ハイブリドーマ
法(Kohler,G.およびMilstein,C.、Nature 256:495-49
7(1975)、トリオーマ法、ヒトB-細胞ハイブリドーマ
法(Kozborら、Immunology Today 4:72(1983)および
EBV-ハイブリドーマ法(Coleら、MONOCLONAL ANTIBODIE
S AND CANCER THERAPY、77−96頁、Alan R. Liss,
Inc.,(1985))が挙げられる。
【0055】一本鎖抗体を産生するのに記載された技術
(米国特許第4946778号)を適用して、本発明の
ポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生できる。また、
トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動物を含め、
他の生物を用いて、ヒト化抗体を発現させることができ
る。前記した抗体を用いて、ポリペプチドを発現するク
ローンを単離または同定してもよく、あるいはアフィニ
ティークロマトグラフィーによりポリペプチドを精製し
てもよい。IL-1raベータポリペプチドに対する抗体を用
いて、とりわけ、慢性および急性炎症、敗血症、ショッ
ク、癌、貧血、関節炎、炎症性腸疾患、移植片−対−宿
主疾患、自己免疫、発作、虚血性心疾患、急性呼吸疾患
症候群(ARDS)、乾癬、再狭窄、外傷性脳損傷、A
IDS、癌、貧血および悪液質を治療してもよい。
【0056】ワクチン 本発明の別の態様は、哺乳動物における免疫学的応答を
誘起する方法であって、抗体および/またはT細胞免疫
応答を生じさせるに十分なIL-1raベータポリペプチドま
たはそのフラグメントを哺乳動物に接種して、とりわ
け、慢性および急性炎症、敗血症、ショック、癌、貧
血、関節炎、炎症性腸疾患、移植片−対−宿主疾患、自
己免疫、発作、虚血性心疾患、急性呼吸疾患症候群(A
RDS)、乾癬、再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、
癌、貧血および悪液質から該動物を防御することからな
る方法に関する。本発明のもう1つ別の態様は、哺乳動
物における免疫学的応答を誘導する方法であって、IL-1
raベータ遺伝子を、インビボにてIL-1raベータポリヌク
レオチドの発現を指令するベクターを介してデリバリー
し、かかる免疫学的応答を誘発させ、抗体を産生し、該
動物を疾患から保護することからなる方法に関する。
【0057】本発明のさらなる態様は免疫学的/ワクチ
ン処方(組成物)であって、哺乳動物宿主中に導入され
た場合、その哺乳動物にてIL-1raベータポリペプチドに
対する免疫学的応答を誘導する処方(該組成物はIL-1ra
ベータポリペプチドまたはIL-1raベータ遺伝子を含んで
なる)に関する。ワクチン処方は、さらに適当な担体を
含んでいてもよい。IL-1raベータポリペプチドは胃で分
解されるかもしれないため、好ましくは非経口的(皮
下、筋肉内、静脈内、皮内注射等を包含する)に投与す
る。非経口投与に適した処方は、抗酸化剤、バッファ
ー、静菌剤および処方を患者の血液と等張にする溶質を
含有してもよい水性および非水性滅菌注射用溶液;なら
びに懸濁剤または増粘剤を含んでいてもよい水性および
非水性滅菌懸濁液を包含する。処方を1回投与または複
数回投与用容器、例えば、密封アンプルおよびバイアル
に入れて提供してもよく、使用直前に滅菌液体担体を添
加するだけでよい凍結乾燥状態にて保存してもよい。ま
たワクチン処方は、水中油系および当該分野で知られた
他の系などの処方の免疫原性を高めるためのアジュバン
ト系を含んでいてもよい。用量は、ワクチンの個々の活
性に依存しており、通常の実験により容易に決定するこ
とができる。
【0058】スクリーニングアッセイ 本発明のIL-1raベータポリペプチドは、本発明のIL-1ra
ベータポリペプチドの合成または作用を刺激(アゴニス
ト)または阻害(アンタゴニスト、または阻害剤ともい
う)する化合物についてのスクリーニング法にて用いて
もよい。本発明のIL-1raベータポリペプチドをまた、本
発明のIL-1raベータポリペプチドのアゴニストまたはア
ンタゴニストの特徴を模倣した化合物についてのスクリ
ーニング法にも用いてもよい。かくして、本発明のポリ
ペプチドを用いて、例えば細胞、無細胞調製物、化学ラ
イブラリーおよび天然物の混合物由来のアゴニストまた
はアンタゴニストを評価および同定してもよい。これら
のアゴニストまたはアンタゴニストは、場合により、本
発明のポリペプチドの天然の基質、リガンド、レセプタ
ー等であってもよく、あるいは本発明のポリペプチドの
構造的または機能的模倣物であってもよい。Coligan
ら、Current Protocols in Immunology 1(2):第5章
(1991)を参照のこと。
【0059】IL-1raベータタンパク質は、哺乳動物宿主
において偏在しており、多くの病状を包含する多くの生
物学的機能の原因となる。従って、一方でIL-1raベータ
ポリペプチドを刺激する化合物および薬剤を、他方でIL
-1raベータポリペプチドの機能を阻害しうる化合物また
は薬剤を見いだすことが望ましい。一般に、アゴニスト
は、慢性および急性炎症、敗血症、ショック、癌、貧
血、関節炎、炎症性腸疾患、移植片−対−宿主疾患、自
己免疫、発作、虚血性心疾患、急性呼吸疾患症候群(A
RDS)、乾癬、再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、
癌、貧血および悪液質のような症状についての治療およ
び予防目的に利用される。アンタゴニストは、慢性およ
び急性炎症、敗血症、ショック、癌、貧血、関節炎、炎
症性腸疾患、移植片−対−宿主疾患、自己免疫、発作、
虚血性心疾患、急性呼吸疾患症候群(ARDS)、乾
癬、再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、癌、貧血および
悪液質などの症状の種々の治療および予防目的に利用で
きる。
【0060】一般に、かかるスクリーニング法は、本発
明のIL-1raベータポリペプチドのレセプターを細胞表面
に発現する適当な細胞の同定、生成および使用に関す
る。かかる細胞は、哺乳動物、酵母、Drosophilaまたは
E.coli由来の細胞を包含する。かかる細胞は、例えば放
射性標識化または蛍光タグを付したIL-1raベータポリペ
プチドを用いる直接的結合法によって同定してもよい。
ついで、IL-1raベータポリペプチドレセプターを発現す
る細胞(または発現したポリペプチドを含有する細胞
膜)を、試験化合物と接触させて結合または機能的応答
の刺激もしくは阻害を観察する。別法で、IL-1raベータ
ポリペプチドレセプターのcDNAを、当該分野におい
て周知の発現クローニングまたは精製法を用いる前記の
直接的結合法によってクローン化してもよく、その細胞
外ドメインを分泌または膜タンパク質として発現しても
よい。次いで、可溶形または膜結合レセプターを用い
て、直接的結合法によってアゴニストまたはアンタゴニ
ストを同定できる。
【0061】該アッセイは、候補化合物に直接または間
接的に結合した標識を用いて、あるいは標識化IL-1raベ
ータポリペプチドとの競争を用いるアッセイにおいて、
IL-1raベータポリペプチドレセプターを有する細胞への
付着を検出する、候補化合物の結合を簡単に試験するこ
とができる。さらには、候補化合物がIL-1raベータポリ
ペプチドの結合により発生するシグナルに類似したシグ
ナルを生じるかどうかを、その表面にIL-1raベータポリ
ペプチドレセプターを有する細胞に適した検出系を用い
て、これらのアッセイにより試験してもよい。活性化の
阻害剤は、一般に、既知アゴニストの存在下でアッセイ
され、候補化合物の存在がアゴニストによる活性化に及
ぼす作用を観察する。かかるスクリーニングアッセイを
行うための標準的方法は、当該分野で周知である。
【0062】潜在的なIL-1raベータポリペプチドアンタ
ゴニストの例は、抗体、またはある場合には、場合によ
りIL-1raベータポリペプチドのリガンド、基質、レセプ
ター等に密接に関連するオリゴヌクレオチドまたはタン
パク質、例えば、リガンド、基質、レセプターのフラグ
メント、あるいはポリペプチドの活性が妨げられるよう
に、本発明の標的レセプターに結合するが、応答を惹起
しない、小型分子を包含する。
【0063】予防および治療方法 本発明は、過剰および不十分な量の両方のIL-1raベータ
ポリペプチド活性に関連する、異常な症状の治療方法を
提供する。IL-1raベータポリペプチド活性が過剰な場
合、いくつかの方法を用いることができる。1の方法
は、標的レセプターのIL-1raベータポリペプチドとの結
合を遮断することにより、または別のシグナルを阻害す
ることにより活性化を阻害するのに効果的な量にて前記
した阻害化合物(アンタゴニスト)を医薬上許容される
担体と共に対象に投与し、そのことにより異常な症状を
改善することからなる。もう1つ別の方法において、内
在性IL-1raベータポリペプチドと競争してレセプターと
の結合能を有する可溶形のIL-1raベータポリペプチドを
投与してもよい。かかる競争物質の典型例はIL-1raベー
タポリペプチドのフラグメントからなる。
【0064】さらにもう1つ別の方法において、発現遮
断法を用いて内在性IL-1raベータポリペプチドをコード
する遺伝子の発現を阻害してもよい。公知のかかる方法
は、内部生成した、あるいは別個に投与されたアンチセ
ンス配列の使用からなる。例えば、Oligodeoxynucleoti
des as Antisense Inhibitors of Gene Expression,CR
C Press,Boca Raton, FL(1988)中、O'Connor、J.Neu
rochem 56:560(1991)を参照のこと。別法として、遺
伝子と共に三重らせんを形成するオリゴヌクレオチドを
供給することもできる。例えば、Leeら、Nucleic Acids
Res 6:3073(1979);Cooneyら、Science 241:456
(1988);Dervanら、Science 251:1360(1991)を参
照のこと。これらのオリゴマーはそれ自体投与すること
ができ、あるいは関連するオリゴマーをインビボで発現
させることもできる。
【0065】IL-1raベータおよびその活性の過少発現に
関連する異常な症状を治療するのに、またいくつかの方
法が利用可能である。1の方法は、治療上効果量のIL-1
raベータポリペプチドまたは化合物を(すなわち、前記
のアゴニストまたは模倣物)を医薬上許容される担体と
ともに対象に投与し、そのことにより異常な状態を改善
することからなる。別法として、遺伝子治療を用いて、
対象中の関連細胞によるIL-1raベータの内因的生成を有
効ならしめてもよい。例えば、前記のごとく、複製欠損
レトロウイルスベクターにて発現するように、本発明の
ポリヌクレオチドを操作してもよい。ついで、該レトロ
ウイルス発現構築物を単離し、本発明のポリペプチドを
コードするRNA含有のレトロウイルスプラスミドベク
ターでトランスダクションしたパッケージング細胞中に
導入して、パッケージング細胞が目的とする遺伝子を含
む感染性ウイルス粒子を生成するようにしてもよい。こ
れらのプロデューサー細胞を対象に投与して細胞をイン
ビボで操作し、インビボでポリペプチドを発現するよう
にしてもよい。遺伝子治療の概説としては、HumanMolec
ular Genetics,T.Strachan and A. P. Read, BIOS Scie
ntific PublishersLtd(1996)中、第20章、Gene The
rapy and other Molecular Genetic-basedTherapeutic
Approaches(およびその中の引用文献)を参照のこと。
【0066】処方および投与 可溶形のIL-1raベータポリペプチドのごときペプチド、
ならびにアゴニストおよびアンタゴニストペプチドまた
は小型分子を、適当な医薬担体と組み合わせて処方して
もよい。かかる処方は、治療上有効量のポリペプチドま
たは化合物、および医薬上許容される担体または賦形剤
を含んでなる。かかる担体としては、セーライン、セー
ライン緩衝液、デキストロース、水、グリセロール、エ
タノール、およびその組み合わせを包含するが、これら
に限定されない。処方は投与経路に適したものとすべき
であり、当業者によく知られている。さらに本発明は、
前記した本発明の組成物の1種またはそれ以上の成分を
充填した、1個またはそれ以上の容器を含んでなる医薬
パックおよびキットにも関する。
【0067】本発明のポリペプチドおよび他の化合物を
単独で使用してもよく、あるいは治療化合物のごとき他
の化合物と一緒に使用してもよい。医薬組成物の全身系
投与の好ましい形態は、典型的には静脈注射による注射
を包含する。皮下、筋肉内または腹腔内などの他の注射
経路を用いることもできる。全身系投与のための別の手
段は、胆汁酸塩またはフシジン酸などの浸透剤または他
の界面活性剤を用いる経粘膜または経皮投与を包含す
る。加えて、腸溶処方またはカプセル処方にうまく処方
されるならば、経口投与も可能である。これらの化合物
の投与は、膏薬、パスタ、ゲル等の形態にて、局所的お
よび/または局在化であってもよい。
【0068】必要な用量範囲は、ペプチドの選択、投与
経路、処方の性質、対象の症状の性質、および顧問医の
判断に依存する。しかしながら、適当な用量は対象1k
g当たり0.1ないし100μgの範囲である。しか
し、使用可能な種々の化合物および種々の投与経路の効
力の違いを考慮すれば、必要な用量は広範囲なものと思
われる。例えば、経口投与には静脈注射よりも多い用量
が必要であると考えられる。当該分野においてよく知ら
れた最適化のための標準的な経験的慣用操作を用いてこ
れらの用量の変更を行うことができる。
【0069】しばしば「遺伝子治療」と称される前記し
た治療方法において、治療に用いられるポリペプチドを
対象中において内在的に得ることもできる。よって、例
えば、レトロウイルスプラスミドベクターを用いて対象
由来の細胞をDNAまたはRNAなどのポリヌクレオチ
ドで操作し、ポリペプチドをエクスビボでコードしても
よい。次いで、細胞を対象に導入する。
【0070】
【実施例】以下の実施例は、特記する場合を除き、当業
者に周知かつ慣用的な、標準方法を用いて行う。実施例
は例示であって、本発明を限定するものではない。
【0071】実施例1 IL-1RAβの単離および同定 最初に、可能性のある全長クローン(HGS EST#1506331;
Project ID HAICQ62)が、ヒューマン・ゲノム・サイエ
ンシズESTデータベース(Human Genome Sciences EST da
tabase)(EST分析に関しては上記参照)の検索を介して
インターロイキン1ファミリーのメンバーと相同性を有
するタンパク質に対して同定された。この部分配列はネ
ズミIL-1raと有意な配列同一性(77アミノ酸にわたり
35%)を示した。このcDNAは自動シークエンサー
を用いて完全に両鎖を配列決定した。合計1183bp
が配列決定され、これは169アミノ酸のペプチドをコ
ードするオープンリーディングフレームを含む。cDN
Aおよびタンパク質配列はそれぞれ、配列番号1および
2でありIL-1raβと名付けられる。該タンパク質はその
アミノ末端にシグナル配列を有しないようであり、ファ
ミリーの他のメンバーのごとく細胞内、細胞質タンパク
質として発現されるようである。IL-1raにつき見いださ
れたごとく、シグナル配列を含む別のスプライス形態が
存在する可能性がある。合成オリゴヌクレオチドプライ
マー対を用いてPCRにより得られたマッピングされた
ゲノムDNAのフラグメントから得られた配列を含む公
のデータベースと比較することによって、IL-1raベータ
遺伝子はIL-1α、β、およびIL-1raに近い領域にて染色
体2にマッピングされた。アルゴリズムBLASTを用い
て、染色体の頂部から約142cMの染色体2にマッピ
ングされ得るヒトSTS CHLC.GAAT11C03.P3330クローンGA
AT11C03(受託番号G942011)と対合することが分かっ
た。
【0072】
【配列表】(1)一般的情報 (i)出願人:ピーター・ヤング (ii)発明の名称:インターロイキンー1レセプター
アンタゴニストベータ(IL−1RAβ) (iii)配列の数:2 (iv)郵送先 (A)名称:スミスクライン・ビーチャム・コーポレイ
ション (B)通り名:スウェードランド・ロード・709 (C)都市名:キング・オブ・プルシア (D)州名:PA (E)国名:USA (F)郵便番号:19406-0939 (v)コンピューター・リーダブル・フォーム: (A)媒体タイプ:ディスケット (B)コンピューター:IBMコンパチブル (C)オペレーティング・システム:DOS (D)ソフトウェア:Windowsバージョン2.0用FastSE
Q (v)現出願データ: (A)出願番号: (B)出願日:1997年1月28日 (C)分類番号: (vi)先の出願データ: (A)出願番号: (B)出願日: (viii)代理人情報: (A)名称:パトリシア・エー・シュレック (B)登録番号:33777 (C)代理人等における処理番号:ATG50051 (ix)テレコミュニケーション情報: (A)電話番号:610-270-5031 (B)ファックス番号:610-270-5090 (C)テレックス番号:
【0073】 (2)配列番号1に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:1183塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:cDNA (xi)配列の記載:配列番号1: GGCACGAGCC ACGATTCAGT CCCCTGGACT GTAGATAAAG ACCCTTTCTT GCCAGGTGCT 60 GAGACAACCA CACTATGAGA GGCACTCCAG GAGACGCTGA TGGTGGAGGA AGGGCCGTCT 120 ATCAATCAAT GTGTAAACCT ATTACTGGGA CTATTAATGA TTTGAATCAG CAAGTGTGGA 180 CCCTTCAGGG TCAGAACCTT GTGGCAGTTC CACGAAGTGA CAGTGTGACC CCAGTCACTG 240 TTGCTGTTAT CACATGCAAG TATCCAGAGG CTCTTGAGCA AGGCAGAGGG GATCCCATTT 300 ATTTGGGAAT CCAGAATCCA GAAATGTGTT TGTATTGTGA GAAGGTTGGA GAACAGCCCA 360 CATTGCAGCT AAAAGAGCAG AAGATCATGG ATCTGTATGG CCAACCCGAG CCCGTGAAAC 420 CCTTCCTTTT CTACCGTGCC AAGACTGGTA GGACCTCCAC CCTTGAGTCT GTGGCCTTCC 480 CGGACTGGTT CATTGCCTCC TCCAAGAGAG ACCAGCCCAT CATTCTGACT TCAGAACTTG 540 GGAAGTCATA CAACACTGCC TTTGAATTAA ATATAAATGA CTGAACTCAG CCTAGAGGTG 600 GCAGCTTGGT CTTTGTCTTA AAGTTTCTGG TTCCCAATGT GTTTTCGTCT ACATTTTCTT 660 AGTGTCATTT TCACGCTGGT GCTGAGACAG GGGCAAGGCT GCTGTTATCA TCTCATTTTA 720 TAATGAAGAA GAAGCAATTA CTTCATAGCA ACTGAAGAAC AGGATGTGGC CTCAGAAGCA 780 GGAGAGCTGG GTGGTATAAG GCTGTCCTCT CAAGCTGGTG CTGTGTAGGC CACAAGGCAT 840 CTGCATGAGT GACTTTAAGA CTCAAAGACC AAACACTGAG CTTTCTTCTA GGGGTGGGTA 900 TGAAGATGCT TCAGAGCTCA TGCGCGTTAC CCACGATGGC ATGACTAGCA CAGAGCTGAT 960 CTCTGTTTCT GTTTTGCTTT ATTCCCTCTT GGGATGATAT CATCCAGTCT TTATATGTTG 1020 CCAATATACC TCATTGTGTG TAATAGAACC TTCTTAGCAT TAAGACCTTG TAAACAAAAA 1080 TAATTCTTGT GTTAAGTTAA ATCATTTTTG TCCTAATTGT AATGTGTAAT CTTAAAGTTA 1140 AATAAACTTT GTGTATTTAT ATAATAAAAA AAAAAAAAAA AAA 1183
【0074】 (2)配列番号2に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:169アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:タンパク質 (xi)配列の記載:配列番号2: Met Arg Gly Thr Pro Gly Asp Ala Asp Gly Gly Gly Arg Ala Val Tyr 1 5 10 15 Gln Ser Met Cys Lys Pro Ile Thr Gly Thr Ile Asn Asp Leu Asn Gln 20 25 30 Gln Val Trp Thr Leu Gln Gly Gln Asn Leu Val Ala Val Pro Arg Ser 35 40 45 Asp Ser Val Thr Pro Val Thr Val Ala Val Ile Thr Cys Lys Tyr Pro 50 55 60 Glu Ala Leu Glu Gln Gly Arg Gly Asp Pro Ile Tyr Leu Gly Ile Gln 65 70 75 80 Asn Pro Glu Met Cys Leu Tyr Cys Glu Lys Val Gly Glu Gln Pro Thr 85 90 95 Leu Gln Leu Lys Glu Gln Lys Ile Met Asp Leu Tyr Gly Gln Pro Glu 100 105 110 Pro Val Lys Pro Phe Leu Phe Tyr Arg Ala Lys Thr Gly Arg Thr Ser 115 120 125 Thr Leu Glu Ser Val Ala Phe Pro Asp Trp Phe Ile Ala Ser Ser Lys 130 135 140 Arg Asp Gln Pro Ile Ile Leu Thr Ser Glu Leu Gly Lys Ser Tyr Asn 145 150 155 160 Thr Ala Phe Glu Leu Asn Ile Asn Asp 165
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトIL-1raベータのヌクレオチドおよび推定
アミノ酸配列を示す(配列番号1および2)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/24 C12P 21/02 K C12P 21/02 C12Q 1/02 C12Q 1/02 1/68 A 1/68 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/53 D 33/53 A61K 31/00 617 // A61K 31/00 617 629 629 631M 631 635 635 37/02

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2のIL-1raベータポリペプチド
    をコードするヌクレオチド配列とその全長にわたって少
    なくとも80%の同一性を有するヌクレオチド配列、ま
    たは該ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列か
    らなる単離されたポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 DNAまたはRNAである請求項1記載
    のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 ヌクレオチド配列が配列番号1に含まれ
    るヌクレオチド配列に対して少なくとも80%同一であ
    る請求項1記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 ヌクレオチド配列が配列番号1に含まれ
    るIL-1raベータポリペプチドコード化配列を含む請求項
    3記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 配列番号1のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のポリヌクレオチドの少な
    くとも15の連続したヌクレオチドを含むポリヌクレオ
    チドプローブまたはプライマー。
  7. 【請求項7】 発現系を有してなるDNAまたはRNA
    分子であって、発現系が適合可能な宿主細胞中にある場
    合に、その発現系が配列番号2のポリペプチドと少なく
    とも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有してなる
    IL-1raベータポリペプチドを産生することができるDN
    AまたはRNA分子。
  8. 【請求項8】 請求項7の発現系を有してなる宿主細
    胞。
  9. 【請求項9】 請求項8の宿主を、そのポリペプチドを
    産生するのに十分な条件下で培養することからなるIL-1
    raベータポリペプチドの産生法。
  10. 【請求項10】 さらにそのポリペプチドを培養物から
    回収することを包含する請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 IL-1raベータポリペプチドを産生する
    細胞の産生法であって、宿主細胞が、適当な培養条件
    下、IL-1raベータポリペプチドを産生するように、該宿
    主細胞を請求項7の発現系で形質転換またはトランスフ
    ェクションすることからなる方法。
  12. 【請求項12】 請求項11の方法によって産生した細
    胞。
  13. 【請求項13】 配列番号2のアミノ酸配列とその全長
    にわたって少なくとも80%同一であるアミノ酸配列か
    らなるIL-1raベータポリペプチド。
  14. 【請求項14】 配列番号2のアミノ酸配列を含む請求
    項13記載のポリペプチド。
  15. 【請求項15】 配列番号2のポリペプチド。
  16. 【請求項16】 請求項10の方法により調製されたIL
    -1raベータポリペプチド。
  17. 【請求項17】 請求項13のIL-1raベータポリペプチ
    ドに免疫特異的な抗体。
  18. 【請求項18】 IL-1raベータポリペプチドの活性を強
    化する必要性のある対象の治療法であって、 (a)該対象に治療上有効量の該ポリペプチドに対する
    アゴニストを投与し;および/または (b)インビボにて該ポリペプチド活性を生じさせるよ
    うな形態にて、IL-1raベータポリヌクレオチドを該対象
    に付与することからなる方法。
  19. 【請求項19】 IL-1raベータポリペプチドの活性を阻
    害する必要性のある対象の治療法であって、 (a)該対象に治療上有効量の該ポリペプチドに対する
    アンタゴニストを投与し;および/または (b)該対象に該ポリペプチドをコードするヌクレオチ
    ド配列の発現を阻害する核酸分子を投与し;および/ま
    たは (c)該対象にそのリガンド、基質、またはレセプター
    について該ポリペプチドと競合する治療上有効量のポリ
    ペプチドを投与することからなる方法。
  20. 【請求項20】 対象でのIL-1raベータポリペプチドの
    発現または活性に関連付けられる対象の疾患または罹病
    し易さの診断方法であって、 (a)該対象のゲノム中のIL-1raベータポリペプチドを
    コードするヌクレオチド配列における変異の有無を測定
    し;および/または (b)該対象から由来の試料中のIL-1raベータポリペプ
    チドの発現の存在または量について分析することからな
    る方法。
  21. 【請求項21】 IL-1raベータポリペプチドを阻害(拮
    抗)または作動する化合物の同定方法であって、 (a)IL-1raベータポリペプチドを発現する細胞(また
    はIL-1raベータポリペプチドを発現している細胞膜)あ
    るいはIL-1raベータポリペプチドに応答する細胞を候補
    化合物と接触させ; (b)その結合または機能的応答の刺激もしくは阻害を
    観察し;あるいは、候補化合物と接触した細胞(または
    細胞膜)と接触しなかった同じ細胞のIL-1raベータポリ
    ペプチド活性に関する能力を比較することからなる方
    法。
  22. 【請求項22】 本質的に、IL-1raベータ遺伝子を含有
    する適当なライブラリーをストリンジェントなハイブリ
    ダイゼーション条件下、配列番号1の配列またはそのフ
    ラグメントを有するプローブでスクリーニングし、単離
    することにより得られるDNA配列からなるポリヌクレ
    オチド。
  23. 【請求項23】 配列番号1の配列を含むヌクレオチド
    配列を発現することにより得られるポリペプチド。
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