JP2000031584A - 半導体レーザ素子端面保護膜形成方法 - Google Patents

半導体レーザ素子端面保護膜形成方法

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JP2000031584A
JP2000031584A JP10195238A JP19523898A JP2000031584A JP 2000031584 A JP2000031584 A JP 2000031584A JP 10195238 A JP10195238 A JP 10195238A JP 19523898 A JP19523898 A JP 19523898A JP 2000031584 A JP2000031584 A JP 2000031584A
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Shunsuke Okochi
俊介 大河内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学損傷による共振器端面の劣化を抑制し、
高出力安定動作を実現する半導体レーザ素子を提供す
る。 【解決手段】 半導体レーザ素子の劈開端面上に保護膜
を形成する際、前記半導体レーザ素子を真空槽内でレー
ザ発振させ、かつ、同時に、半導体レーザ素子の活性層
に含まれるV族原子の分子線を端面上に照射することに
より劈開端面上に形成された酸化膜を除去した後に、真
空中において連続して、端面保護膜を形成することによ
り、端面の自然酸化膜に起因する半導体と端面保護膜と
の間に存在する表面準位の密度を著しく低減することが
できるため半導体レーザ素子のCODレベルを向上さ
せ、高出力、高信頼性を有する半導体レーザ素子を実現
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ素子
端面に保護膜を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、AlGaAs系およびAlG
aInP系の半導体材料により形成された半導体レーザ
素子等において、光出力の増加に伴い、共振器端面の劣
化(光学損傷)が生じることが知られている。この光学
損傷は半導体レーザ素子の高出力動作に伴った共振器端
面の温度上昇に起因している。又、当該共振器端面にお
いては、表面準位を介してレーザ光が吸収され、局所的
に熱が発生する。
【0003】この温度上昇によって端面近傍の禁制帯幅
が縮小して、更に光吸収が増加し、端面温度が上昇す
る。この正帰還ループにより共振器端面はついには溶融
し、素子劣化が生じる。これまで、共振器端面での光吸
収を抑制するために、レーザ光に対して透明な材料を共
振器端面に形成する種々の窓構造が試みられている。
【0004】例えば、1989年のアイ・イー・イー・
イー・ジャーナル・オブ・クオンタム・エレクトロニク
ス(IEEE,J. Quantum Electronics )第25巻、第14
95〜1499頁の報告によれば、当該共振器端面での
光吸収を抑制するための窓構造として、活性領域におけ
る共振器端面のパターニング、選択エッチング、および
埋め込み再成長のプロセスにより形成された窓構造が報
告されている。
【0005】また、この端面破壊に起因する素子劣化を
防ぐために、半導体レーザ素子の劈開端面上に誘電体膜
を形成することにより、半導体レーザ素子の反射率を制
御し、また、端面の経時的な酸化を防ぐことにより劣化
を防ぐ方法も開発され、現在一般的に行われている。然
しながら、誘電体膜を半導体レーザ素子の端面上に形成
する際、通常、半導体レーザ素子が形成されたウェハを
大気中において劈開した後、誘電体保護膜を形成する真
空装置へ導入し、劈開端面上に誘電体保護膜を形成する
ことが一般的に行われている。
【0006】この様に半導体レーザ素子が形成されたウ
ェハを大気中において劈開すると、その劈開端面上に
は、通常、自然酸化膜が形成される。この自然酸化膜は
非常に不安定であり、界面に複雑な表面順位を形成した
り、また表面欠陥等を発生させたりし、半導体レーザ素
子の信頼性を低くするなどの問題があった。
【0007】その為、半導体表面上に形成された当該自
然酸化膜を除去する方法としては、例えば、真空中で表
面を加熱する方法がある。当該自然酸化膜を除去するた
めには、例えばGaAsの自然酸化膜を除去する場合を
考えると、Asの分子線を照射した状態で、酸化膜が形
成された部分の温度を500℃〜600℃程度に上昇さ
せる必要がある。
【0008】しかしながら、通常半導体レーザ素子の製
作工程においては、電極形成工程を終了した素子の端面
上に保護膜を形成するのが一般的である。そのため、端
面保護膜形成時には、電極形成がすでに行われているた
め、半導体レーザ素子の端面保護膜成膜時の温度は、電
極材料や成長層中の不純物の拡散を防ぐため通常300
℃程度の低温までしか上昇させることができず、自然酸
化膜が形成された端面上に保護膜を形成しなくてはなら
ないという問題があった。
【0009】尚、特開平4−88691号公報には、半
導体レーザ素子の共振器端面に硫黄パッシべーション保
護膜を形成する方法、又特開平9−64453号公報に
は、半導体レーザ素子の劈開面にプラズマを照射して当
該劈開面に保護膜を形成する方法、更には特開平9−2
83843号公報には、半導体レーザ素子の光出射面に
窒化物からなる絶縁膜と窒化物以外の絶縁膜で構成され
た保護膜を形成する方法がそれぞれ記載されています
が、何れも半導体レーザ素子の活性層に含まれる原子に
よる分子線を照射する事によって自然酸化膜を効率的に
除去する方法に関しては開示がない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記した従来技術の欠点を改良し、共振器端面の光
学損傷を抑制するために、半導体レーザ素子の端面上に
形成された不安定な自然酸化膜を除去し、半導体レーザ
劈開端面上に安定な端面保護膜を形成することにある。
【0011】又、本発明の他の目的は、当該半導体レー
ザ素子に於ける端面の光学損傷による共振器端面の劣化
を抑制し、高出力安定動作を実現する半導体レーザ素子
の端面保護膜を形成する方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、基本的には、以下に記載されたような技
術構成を採用するものである。即ち、半導体レーザ素子
を真空槽内でレーザ発振させる第1の工程、当該真空槽
内に於いて、当該半導体レーザ素子の端面に、V族原子
の分子線を照射することにより劈開端面上に形成された
酸化膜を除去する第2の工程、及び当該真空槽内に於い
て、当該半導体レーザ素子の酸化膜が除去された当該端
面に端面保護膜を形成する第3の工程、とから構成され
ている半導体レーザ素子端面に於ける保護膜形成方法で
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に於いては、当該半導体レ
ーザ素子10が複数個配列されている半導体レーザ素子
バー1を構成する個々の半導体レーザ素子30の劈開端
面11上に保護膜12を形成する際、該半導体レーザ素
子10を真空槽5内でレーザ発振させ、かつ、その端面
11上に、半導体レーザ素子10の活性層46に含まれ
るV族原子の分子線を照射することにより劈開端面11
上に形成された酸化膜を除去した後に、真空中において
連続して、端面保護膜12を形成するものである。
【0014】
【実施例】以下に、本発明に係る半導体レーザ素子端面
保護膜の形成方法の具体例を図面を参照しながら詳細に
説明する。即ち、図1は、本発明に係る半導体レーザ素
子端面保護膜形成方法の一具体例の方法を説明する図で
あり、図中、半導体レーザ素子10を真空槽5内でレー
ザ発振させる第1の工程、当該真空槽5内に於いて、当
該半導体レーザ素子10の端面に、V族原子の分子線を
照射することにより劈開端面11上に形成された酸化膜
を除去する第2の工程、及び当該真空槽5内に於いて、
当該半導体レーザ素子10の酸化膜が除去された当該端
面に端面保護膜12を形成する第3の工程、とから構成
されている半導体レーザ素子端面に於ける保護膜形成方
法が示されている。
【0015】本発明に於ける当該V族の原子はAsで有
っても良く又Pで有っても良い。つまり、本発明に於け
る半導体レーザ素子端面に保護膜を形成する方法に於い
ては、当該分子線として使用される当該V族の原子は、
特に当該半導体レーザ素子10の活性層46に含まれる
原子の一つである事が望ましい。更に、本発明に於いて
使用される当該半導体レーザ素子10は、例えばAlG
aAs系及びAlGaInP系の半導体材料の群から選
択された一つの半導体材料で形成されている事が望まし
い。
【0016】一方、本発明に於いては、上記した第1乃
至第3の各工程が、同一の真空槽5内で逐次的に連続し
て実行されるものであっても良く、又当該第1乃至第3
の各工程から選択された少なくとも2種の工程が、同一
の真空槽内で同時的に実行されるものであっても良い。
次に、本発明の具体例について、図面を参照して、詳細
に説明する。
【0017】図1は、本発明を実現するための装置を示
す構成図である。図1を参照すると、本発明を実現する
ための装置は、真空槽5中に配置された、半導体レーザ
素子10を複数個配列して形成された半導体レーザ素子
バー1およびV族分子蒸発源4と真空槽5の外に配置さ
れた電源、および、真空槽5の内外に配置された半導体
レーザ素子バー1と電源2を結線する導線3から構成さ
れる。
【0018】当該導線3は該真空槽5内の半導体レーザ
バー1のp側電極に正電圧を、n側電極に負電圧を供給
するように接続されており、半導体レーザ素子バー1上
には、レーザストライプ6が形成されている。当該半導
体レーザ素子は、通常の製作工程に従い、製作され、所
望の共振器長に大気中にて劈開され、半導体レーザバー
1を得る。
【0019】その後、半導体レーザ素子バー1は、図2
に示す本発明の実施の形態を実現するための装置へと導
入される。この装置は、図2に示す様に、レーザウェハ
バー1に保護膜を形成する保護膜形成室21、劈開端面
上の酸化膜を除去するための処理室22、前記保護膜形
成室21、および前記処理室22をつなぐ交換室23か
ら構成されている。
【0020】それぞれの室は10-10 Torr台の超高
真空雰囲気に保持されており、また、ゲートバルブ24
で仕切られている。そして、試料はそれぞれの室を、第
1、第2のマグネットフィードスルー25、26により
自由に移動が可能である。本発明に於ける当該具体例に
於いては、半導体レーザバー1は、図3に示す様な試料
ホルダ31に固定された状態で装置に導入される。
【0021】図3は試料劈開のための試料ホルダ概観図
である。試料ホルダ31は、個別のレーザ素子10を複
数個バー状に連結した状態の半導体レーザバー1を垂直
に立てた状態で固定し使用する。この試料ホルダ31を
図2に示した保護膜形成室21、処理室22、交換室2
3の間を移動させ、自然酸化膜除去を実行する第1の工
程と第2の工程、及び保護膜形成を実行する第3の工程
を行う。
【0022】本装置へ導入された半導体レーザバー1
は、まず、光出射端の自然酸化膜を除去するため、処理
室22へ導入される。本具体例に於いては、先ず当該半
導体レーザ素子10に対して、半導体レーザ素子を真空
槽内でレーザ発振させる第1の工程が実行される。即
ち、当該第1の工程で用いられている半導体レーザは高
出力タイプの半導体レーザであり、劈開面に保護膜の形
成を行うことがなくとも、150mW以上の光出力を得
ることが可能である。
【0023】当該半導体レーザバー1に電圧を供給し
て、半導体レーザバー1上の半導体レーザ素子10を発
振させ(第1の工程)ると、その光出力の増加と共に、
半導体レーザ素子の光出射部の温度は上昇する。例え
ば、光出力100mW時の時、その光出射部の温度は5
00℃〜600℃程度まで上昇する。この際、半導体レ
ーザ素子10の通電と同時にV族分子蒸発源4から、V
族分子線を照射することにより、第2の工程が実行さ
れ、電極材料の半導体層への拡散等を起こさずに低温
で、半導体レーザ素子の光出射部分に形成されていた自
然酸化膜を除去することが可能である。
【0024】また、この際、熱だけでなく、半導体レー
ザ発振により発生したレーザ光は、その光化学反応によ
り、酸化膜除去の効果を高める働きを有している。本具
体例に於いては、光出射端の自然酸化膜除去の終了した
半導体レーザバー1は試料ホルダ31に固定された状態
で、第1、第2のマグネットフィードスルー25、26
により交換室23を経て第3の工程を実行する保護膜形
成室22へ移送される。
【0025】図3は、保護膜形成室21における、保護
膜形成時の配置を示した概観図である。この保護膜形成
室において、出射端の自然酸化膜が除去され、清浄表面
が露出した半導体レーザバー1の端面上に、蒸着源32
を用いて誘電体から成る保護膜を形成する。その後、半
導体レーザバー1を保護膜形成室21から大気中に取り
出した後、半導体レーザバー1の両端面に反射率を制御
した誘電体膜を形成し、レーザストライプ6毎に切断し
てレーザ素子化を行い半導体レーザ素子10を完成させ
る。
【0026】なお、本発明の具体例の説明においては、
保護膜を半導体レーザ素子10に設けられている2つの
レーザ端面の一方の劈開端面にのみ施した場合について
説明したが、本発明における自然酸化膜の除去、形成
は、半導体レーザ素子10のもう一つの端面について、
保護膜を形成してもよい。本発明に係る当該半導体レー
ザ素子に於ける保護膜形成方法に関し更に詳細に説明す
る。
【0027】初めに、本具体例における半導体レーザ素
子10を製作するための半導体レーザウェハの制作方法
について述べる。本具体例では、GaInAsから成る
歪量子井戸構造を有する発振波長0.98μm帯の半導
体レーザを例にとり述べる。本具体例の半導体レーザウ
ェハは、常圧有機気相成長法にて成長する。まず、図4
及び図5に示す様に、SiドープしたGaAs(00
1)基板49上に、SiドープしたGaAsから成るバ
ッファー層48(不純物濃度:1×1018cm -3)を
0.5μm、SiドープしたAl0.4 Ga0.6 Asから
成る第1のクラッド層47(不純物濃度1×1017cm
-3)を成長温度700℃、V/III比100の成長条件
で、2μm成長する。
【0028】次に、続いてその上に発光層46を成長す
る。図5に発光層46の層構造を示す。この発光層46
は前記第1のクラッド層47上に、Al0.2 Ga0.8
sから成る厚さ40nmの第1の光ガイド層51、Ga
Asから成る厚さ20nmの第1のバリア層52、Ga
0.76In0.24Asから成る厚さ4.5nmの第1の活性
層53、GaAsから成る厚さ20nmの第2のバリア
層54、Ga0.76In 0.24Asから成る厚さ4.5nm
の第2の活性層55、GaAsから成る厚さ20nmの
第3のバリア層56、Al0.2 Ga0.8 Asから成る厚
さ40nm第2の光ガイド層57を順次成長温度680
℃、V/III比80の成長条件で成長することにより形
成する。
【0029】そしてさらに前記発光層46の上に、Mg
ドープAl0.4 Ga0.6 Asから成る第2のクラッド層
45(不純物濃度1×1018cm-3)を1.5μm、M
gドープGaAsから成るキャップ層44(不純物濃度
1×1019cm-3)を前記発光層46と同様の条件で
0.1μm成長し、レーザウェハの成長を終了する。次
に、このレーザウェハを成長装置より取り出し、図4に
示した前記キャップ層44上に、SiO2 を堆積し、フ
ォトリソグラフィーの手法を用いて、[−110]方向
に幅2μmのストライプ状の開口部を有するSiO2
ら成る電流狭窄層43を形成する。
【0030】次に、前記GaAs(001)基板49、
および、前記SiO2 ストライプ43の両面にそれぞれ
第1、第2のコンタクト電極42、41を形成し半導体
レーザウェハを得る。その後、レーザのストライプに直
行する[110]方向に共振器長が700μmになる様
に劈開して、半導体レーザバー1を得る。
【0031】半導体レーザバー1は、図3に示す様な試
料ホルダ31に複数個の半導体レーザバー1が固定され
た状態で装置に導入され、まず、光出射端の自然酸化膜
を除去するため、処理室22へ移送される。それぞれの
半導体レーザバー1の電極は、導線3により結線され、
各電極間に電圧が印加できる様になっている。
【0032】次に、半導体レーザバー1に電圧を印加し
て、半導体レーザバー1上の半導体レーザ素子を発振さ
せると、その光出力の増加と共に、半導体レーザ素子の
光出射部の温度は上昇する。半導体レーザ素子1個あた
り約150mAの電流が流すと、光出力は約100mW
となり、その時の光出射部の温度は600℃程度まで上
昇した。
【0033】この時、半導体レーザ素子10の通電と同
時にAsのV族分子蒸発源4から、As分子線を当該半
導体レーザ素子10に照射することにより半導体レーザ
素子の光出射部分に形成されていた自然酸化膜を発熱お
よび光化学反応により除去する。光出射端の自然酸化膜
除去の終了した半導体レーザバー1は試料ホルダ31に
固定された状態で、第1、第2のマグネットフィードス
ルー25、26により交換室23を経て保護膜形成室2
2へ移送される。
【0034】この保護膜形成室において、出射端の自然
酸化膜が除去され、清浄表面が露出した半導体レーザバ
ー1の端面上に、電子ビーム蒸着源32を用いて、例え
ばアルミナから成る誘電体保護膜を試料ホルダ温度20
0℃で、約150nm蒸着する。その後、半導体レーザ
バー1を保護膜形成室21から大気中に取り出した後、
他の保護膜形成装置を用いて半導体レーザバー1の反対
側の端面に反射率を制御した誘電体膜を形成した後、レ
ーザストライプ6毎に切断してレーザ素子化を行い半導
体レーザ素子を完成させる。
【0035】なお、以上の実施例では、GaInAsか
ら成る歪量子井戸構造を有する発振波長0.98μm帯
の半導体レーザについて応用した例について述べたが、
本発明の方法は他の波長、材料系の半導体レーザ素子に
適用することも可能である。また、半導体レーザ素子の
構造も本実施例のものに限ることはなく、共振器端面の
劣化(光学損傷)が生じる半導体レーザ一般に応用が可
能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
半導体レーザ素子の劈開端面上に保護膜を形成する際、
前記半導体レーザ素子を真空槽内でレーザ発振させ、か
つ、同時にその端面上に、半導体レーザ素子の活性層に
含まれるV族原子の分子線を照射し、劈開端面上に形成
された酸化膜を除去した後に、真空中において連続し
て、端面保護膜を形成することにより、半導体レーザ素
子のCODレベルを向上させることが可能である。
【0037】この工程により形成された半導体レーザ素
子の端面保護膜は、大気中における劈開により形成され
た端面上の自然酸化膜を除去し、清浄表面上に保護膜を
形成しているため、自然酸化膜に起因する半導体と端面
保護膜との間に存在する表面準位の密度を著しく低減す
ることができ、半導体レーザ素子のCODレベルを向上
させ、高出力、高信頼性を有する半導体レーザ素子を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る半導体レーザ素子端面保
護膜形成方法の一具体例の構成を説明するブロックダイ
アグラムである。
【図2】図2は、本発明に係る当該半導体レーザ素子端
面保護膜形成方法を実行する為に使用される装置の具体
例を示す全体平面図である。
【図3】図3は、本発明に係る半導体レーザ素子端面保
護膜形成方法の一具体例に於ける試料ホルダおよび保護
膜蒸着装置の構成の概略を説明する概略図である。
【図4】図4は、本発明に係る半導体レーザ素子端面保
護膜形成方法に於て使用される半導体レーザ素子の一例
を示す図である。
【図5】図5は、本発明に係る半導体レーザ素子端面保
護膜形成方法に於て使用される半導体レーザ素子の発光
層の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザ素子バー 2…電源 3…導線 4…V族分子蒸発源 5…真空槽 6…レーザストライプ 21…保護膜形成室 22…処理室 23…処理室 24…ゲートバルブ 25…第1のマグネットフィードスルー 26…第2のマグネットフィードスルー 31…試料ホルダ 32…蒸着源 41…第2のコンタクト電極 42…第1のコンタクト電極 43…電流狭窄層 44…キャップ層 45…第2のクラッド層 46…発光層 47…第1のクラッド層 48…バッファ層 49…基板 51…第1の光ガイド層 52…第1のバリア層 53…第1の活性層 54…第2のバリア層 55…第2の活性層 56…第3のバリア層 57…第2の光ガイド層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザ素子を真空槽内でレーザ発
    振させる第1の工程、 当該真空槽内に於いて、当該半導体レーザ素子の端面
    に、V族原子の分子線を照射することにより劈開端面上
    に形成された酸化膜を除去する第2の工程、及び当該真
    空槽内に於いて、当該半導体レーザ素子の酸化膜が除去
    された当該端面に端面保護膜を形成する第3の工程、 とから構成されていることを特徴とする半導体レーザ素
    子端面に於ける保護膜形成方法。
  2. 【請求項2】 当該V族の原子はAsであることを特徴
    とする請求項1に記載の半導体レーザ素子端面保護膜形
    成方法。
  3. 【請求項3】 当該V族の原子はPであることを特徴と
    する請求項1に記載の半導体レーザ素子端面保護膜形成
    方法。
  4. 【請求項4】 当該分子線として使用される当該V族の
    原子は、当該半導体レーザ素子の活性層に含まれる原子
    の一つである事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに
    記載の半導体レーザ素子端面保護膜形成方法。
  5. 【請求項5】 当該半導体レーザ素子は、AlGaAs
    系及びAlGaInP系の半導体材料の群から選択され
    た一つの半導体材料で形成されている事を特徴とする請
    求項1乃至4の何れかに記載の半導体レーザ素子端面保
    護膜形成方法。
  6. 【請求項6】 当該第1乃至第3の各工程は、同一の真
    空槽内で逐次的に連続して実行されるものである事を特
    徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の半導体レーザ
    素子端面保護膜形成方法。
  7. 【請求項7】 当該第1乃至第3の各工程は、同一の真
    空槽内で少なくとも異なる2種の工程が同時的に実行さ
    れるものである事を特徴とする請求項1乃至5の何れか
    に記載の半導体レーザ素子端面保護膜形成方法。
  8. 【請求項8】 当該保護膜は、誘電体から構成されてい
    る事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の半導
    体レーザ素子端面保護膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007201372A (ja) * 2006-01-30 2007-08-09 Sharp Corp 半導体レーザ素子
JP2019515490A (ja) * 2016-04-20 2019-06-06 トルンプフ フォトニクス インコーポレイテッドTrumpf Photonics Inc. レーザ切子面のパッシベーションおよび当該パッシベーションを実施するためのシステム

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